JP4792320B2 - 高屈折率硬化膜 - Google Patents

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本発明は、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れた高屈折率硬化膜形成用塗布液および、さらには樹脂あるいはガラスなどの基材などに塗布、硬化した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性等が良好な硬化膜に関する。
本発明は特に好適には、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の表示面や、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜を構成する層、特に中屈折率層および/または高屈折率層を形成するのに適した反射防止膜形成用塗布液、反射防止膜積層体およびそれを含んでなる光学部材に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置やメガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面には、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、通常、保護フィルム(反射防止膜)が設けられている。反射防止膜は屈折率の異なる材料からなる複数の薄膜の多層積層体を作製し、可視光領域の反射をできるだけ低減させるような設計が行われている。表示画像の鮮明化とともに、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、密着性、帯電防止性等が良好な反射防止膜が要求されている。
また、表示面に導電性を有する帯電防止膜を設ける場合がある。ほこり、ごみなどが表示面に付着して視認性が低下する場合があるからである。これを防ぐために帯電防止膜は、表示面に反射防止膜と共に設けたり、反射防止膜の高屈折率層を兼ねて設けたり、又は、前記反射防止膜を必要としない表示面に帯電防止膜のみ設けたりする。また、液晶表示装置などには透明電極として透明導電膜が組み込まれている。
また、基材としてプラスチックなどの有機樹脂が用いられる場合がある。これらは表面が柔らかく傷つき易いため、上記の反射防止膜や帯電防止膜を設ける場合には、基材上にまずハードコート層を形成し、その上に反射防止膜や帯電防止膜を設けることが行われる場合もある。これらはいずれも透明性が要求されている。
一般的に反射防止膜は酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ニオブ等の金属酸化物を真空蒸着法、化学蒸着法(CVD)等のドライ処理法により、屈折率の異なる材料からなる複数の薄膜の多層積層体を作製し、可視光領域の反射をできるだけ低減させるような設計が行われている。しかし、このようなドライコーティングプロセスでは密着性が悪く、画像表示装置の製造過程や使用時に反射防止層が剥れるなどの不具合が生じることがあった。また、装置が高価で、成膜速度が遅く、生産性が高くないため大量生産に適していないなどの課題を有している。このため、生産性が高い塗布による形成方法が期待されている。
このように樹脂あるいはガラスなどの基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、密着性、帯電防止性等が良好な反射防止膜を形成できる反射防止膜形成用塗布液が望まれている。
近年、上記のような高屈折率層を形成するために有機物からなるバインダー成分を溶解した液に高屈折率微粒子を分散させた反射防止膜形成用塗布液を基材上に塗布、硬化し、硬化膜を形成する方法が提案されている。
このような硬化膜は可視光領域において透明である必要があるため、高屈折率微粒子としては一次粒子径が可視光線の波長以下であるナノオーダーの超微粒子を使用する必要がある。さらに当該高屈折率超微粒子を硬化膜形成用塗布液中及び硬化膜中に均一に分散する必要がある。一般的に、サブミクロンオーダー以上の凝集体を含む場合には、得られる塗膜のヘイズが悪化して透明性が低下するなどの問題を生じる。従って、ヘイズの小さい均一な硬化膜を形成するために、硬化膜形成用塗布液中での十分な分散性を有することが求められる。また、長期間に渡って容易に保存できるように十分な分散安定性を有することも求められる。
上記のような反射防止膜を塗布法で作製する場合、膜形成保持のためのマトリックスとしてバインダー樹脂を使用する。しかし、このバインダー樹脂の屈折率は通常1.45〜1.60であることから、各層の屈折率は無機粒子の種類及び使用量によって調整される。特に、反射防止膜においては、屈折率1.9以上の無機微粒子が必要とされている。そのため、高い屈折率を有する超微粒子を、膜強度を充分に保持したマトリックス中に均一に分散することが極めて重要となる。
このような塗布型反射防止膜の高屈折率層としては、Zr、Sn、Sb、Mo、In、Zn、Ti等の結晶構造を有する、屈折率の高い透明性単体金属酸化物を含むものが知られている。また、高屈折率の無機微粒子を、分散状態を保ったままより多く薄膜中に導入して、高屈折率層を形成する技術も提案されている。
さらに、超微粒子の分散性、硬化膜の耐擦傷性、表面硬度、強度等を向上するために、上記のような高屈折率の金属元素からなる複合金属酸化物が提案されている。
しかしながら、上記の技術では、膜の強度などを保持できるバインダー量を用いながら高い屈折率の硬化膜を設計することは、未だ不十分であった。屈折率を上げようと微粒子の含有量が多すぎると膜が脆弱となり、密着性も低下するからである。さらに、高屈折率層の屈折率が十分に高くない場合には、例えば反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1%以下にまで下げるためには、低屈折率層の屈折率を十分に下げる必要がある。
さらに屈折率を増大させるため、屈折率の高い金属酸化物粒子である酸化チタン粒子を用いる方法が提案されている。酸化チタンは特に屈折率が高く、かつ透明性も高いため、光学薄膜の高屈折率化に特に好適である。しかしながら有機バインダー成分と酸化チタン微粒子からなる硬化膜は、その耐光性が低下するという欠点があった。すなわち、酸化チタンの光触媒作用により、光吸収で発生した電子−ホールによる有機物分解を起こし、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、紫外線遮蔽性等が問題となっている。
酸化チタンには代表的な結晶型としてルチル型とアナターゼ型とがある。これまで高屈折率用の金属酸化物超微粒子ゾル液として、屈折率no=2.56、ne=2.49を有するアナターゼ型酸化チタン超微粒子を主成分とした材料が、主に用いられている。これに対し、ルチル型酸化チタンはその屈折率が屈折率no=2.61、ne=2.9(no:常光線に対する屈折率、ne:異常光線に対する屈折率)(実験科学講座 日本化学会編)であり、アナターゼ型に比べて高屈折率、紫外線吸収といった光学特性などに優れていることが知られており、このルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液を合成する試みが積極的に行われていた。しかしながら、産業的に用い得るルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液は未だ得られていないのが現状であった。
現在ではアナターゼ型酸化チタン超微粒子を含有する樹脂組成物の耐光性を改善させる目的で、例えば特許文献1記載のようなアナターゼ型酸化チタンと無機酸化物を複合した超微粒子、あるいはアナターゼ型酸化チタンを無機酸化物で被覆した超微粒子及びそのゾル液が適用されている。
これらはいずれも無機酸化物被覆によるアナターゼ型酸化チタン超微粒子の不活性化を目標としたものである。このように酸化チタン超微粒子を無機酸化物で被覆することで耐光性は改善される。しかし、使用されている酸化チタンはアナターゼ型であるために、屈折率が約2.5であり、耐光性向上のために酸化物で被覆した場合には大幅に屈折率が低下してしまい、本来のアナターゼ型酸化チタンの屈折率よりは低くなり、屈折率を向上させる効果は低い。また、被覆する金属酸化物の量を減らし屈折率を上げたとしても耐光性が不十分となり、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性等などが問題となる。
これに対して従来のアナターゼ型酸化チタンより屈折率の高いルチル型酸化チタンは、前記した通り、用い得る超微粒子、ゾル液が無いのが現状であった。
また、酸化チタン超微粒子およびそのゾル液を有機溶媒に分散させる必要がある。しかしながら酸化チタン超微粒子ゾル液は通常酸性領域で安定であり、中性〜塩基性領域ではゲル化、沈殿を生じるため、使用可能なpH領域が限定される。あるいは有機溶媒に分散させようとすると安定性を損ないやすいといった利用上の問題が生じている。
そこで、このような欠点を解決した、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液及び樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、密着性、帯電防止性等が良好な高屈折率硬化膜形成用塗布液、さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布、硬化した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性等が良好な高屈折率の硬化膜、およびそれを含んでなる光学部材が望まれている。
特開2001−123115号公報
本発明の目的は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、高屈折率で透明性、分散性、耐光性、耐候性等に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液及びそれを含んだ、大量生産に適した、分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率硬化膜形成用塗布液を提供することにある。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、密着性、帯電防止性等が良好な高屈折率の硬化膜、およびそれを含んでなる光学部材を得ることにある。本発明は特に好適には、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の表示面や、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜を構成する層、特に中〜高屈折率層を形成するのに適した反射防止膜形成用塗布液、反射防止膜積層体およびそれを含んでなる光学部材に関する。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、焼結剤として用いられるスズ化合物が長繊維化を防止すると共に凝集も防止し、ルチル型酸化チタン超微粒子、分散性に優れたゾル液が得られることを見出した。さらには、これを核超微粒子とし特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって、従来の被覆法では得られなかった分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの被覆型酸化物超微粒子が得られることを見出した。当該超微粒子をバインダー成分と複合することにより分散安定性、塗布適性に優れる高屈折率硬化膜形成用塗布液が得られ、樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際に、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性等が良好な高屈折率の硬化膜およびこれを含んでなる光学部材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、
[1] (1)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(A)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶媒を含有してなる高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[2] 前記核(A)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
前記(B)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である[1]記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
[3] 前記被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである[1]又は[2]記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[4] 前記被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmである[1]〜[3]のいずれかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[5] 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液であることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[6] 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、その表面を有機シラン化合物および/またはアミン類で表面処理されていることを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[7] (2)の硬化性バインダー成分が、光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、樹脂、並びに有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物の少なくともいずれかである[1]〜[6]の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
[8] [1]〜[7]の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液を塗布、硬化してなる硬化膜。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は[8]に記載の硬化膜を用いた反射防止膜。
[10] 屈折率の異なる薄膜を二層以上積層してなる反射防止膜であって、このうち少なくとも1層が[1]〜[7]のいずれかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は[8]に記載の硬化膜を用いた層であり、且つ当該層が中〜高屈折率層であることを特徴とする[9]に記載の反射防止膜。
[11] 基材の少なくとも一方の面に、高屈折率層/低屈折率層、ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、またはハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層を順次積層してなる多層構成の反射防止積層体であって、該高屈折率層及び該中屈折率層が[1]〜[7]の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は[8]に記載の硬化膜を用いた層であることを特徴とする反射防止積層体。
[12] [10]に記載の反射防止膜または[11]に記載の反射防止積層体が施されている光学部材。
に関するものである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、従来の製法では成し得なかったものであり、かつアナターゼ型では得られない高屈折率の超微粒子、ゾル液を提供することが出来る。このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって、従来の被覆法では得られなかった分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの超微粒子を提供することが出来る。さらに、これを高屈折率硬化膜形成用塗布液に適用した場合に、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性等に優れた高屈折率の硬化膜、およびこれを含んでなる光学部材を得ることが可能になった。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本願発明における高屈折率硬化膜形成用塗布液は、(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶剤を含有してなる高屈折率硬化膜形成用塗布液、である。
即ち、
(1)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(A)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶媒を含有してなる高屈折率硬化膜形成用塗布液、であって、
前記核(A)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
前記(B)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である、高屈折率硬化膜形成用塗布液、である。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
本発明の(1)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子は、アナターゼ型酸化チタンを用いた場合に比べて屈折率を大きくでき、従って高屈折率の硬化膜を形成することが可能となる。
本発明における、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子、とは、上記のように、超微粒子化したルチル型酸化チタンを含んでいればよく、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンとの複合体であっても、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを被覆するような形状であってもよく、特に制限はないが、通常、当該無機酸化物超微粒子中、ルチル型酸化チタンの割合は5〜100%(重量比)、好ましくは、50〜100%、さらに好ましくは70〜100%である。
また、超微粒子化したルチル型酸化チタン以外の成分については、本発明の超微粒子の分散安定性を損なわないものであればよく、特に制限はないが、中でも無機酸化物が望ましい。具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物である。
本発明において、好適な、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子としては、より具体的には、ルチル型酸化チタン超微粒子が、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であって、該超微粒子のSn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nm、超微粒子凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmであることを特徴とするスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子である。
なお、ここで言う結晶径とは、いわゆる一次粒子径のことであって、化学便覧改訂3版(基礎編 丸善株式会社)記載のようにa、c軸方向長さで表現される。本明細書ではそれぞれ短軸、長軸と呼ぶ。また、平均凝集粒子径とは、一次粒子が凝集してなる粒子径を表す。
まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の製造法について説明する。
本発明において用いられるスズ化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば塩化スズ、硝酸スズ、硫酸スズ、スズ酸塩などのスズ塩化合物あるいは酸化物、水酸化物、金属スズ等から選ばれるスズ化合物等が好ましいものとして挙げられる。
本発明において用いられるチタン化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、塩化酸化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタンアルコキシド、水和酸化チタン(あらかじめチタン化合物をアルカリ条件で加水分解させたものも含む)などから選ばれるチタン化合物等が好ましいものとして挙げられる。
まず、スズ化合物を水溶液に添加しておき、これにチタン化合物を加える。スズ化合物とチタン化合物は同時に加えてもよいし、どちらが先であってもよい。また、混合化合物の形態であってもよい。反応媒体は水が望ましいが、アルコール等の有機溶媒あるいは水と有機溶媒の混合溶媒でもよい。
ルチル型酸化チタンの結晶成長制御のための修飾剤として反応に用いるスズ化合物の量は、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2、好ましくは0.01〜1であることが望ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子は生成するが、結晶径、凝集粒子径が大きくなり、したがって分散性が悪くなる可能性がある。また、硬化膜の透明性が低下する可能性がある。また、上記範囲より多くしていっても、ルチル型を有する酸化チタン超微粒子の合成は可能であるが、反応に要する時間が長くなり、この場合はルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られる可能性がある。また、これより大きいと残存スズ化合物量が多くなり、粒子屈折率が低下する可能性がある。
反応液中のTi濃度は0.07〜5mol/l、好ましくは0.1mol/lから1mol/lが望ましい。上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.01〜0.03の範囲でスズ化合物を添加してもアナターゼ型とルチル型の混合酸化チタン超微粒子が生成する可能性がある。同様に上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.03より大きい範囲でスズ化合物を添加すると、ルチル型酸化スズを有する酸化チタン酸化スズ混合超微粒子が生成する可能性がある。
反応液のpHは−1〜3が望ましい。必要に応じて塩酸や硝酸などで調節する。pHが3より大きい条件で反応させると、スズ化合物を加えない場合ではアナターゼ型酸化チタンになってしまい、これを避けるためにスズ化合物を添加してルチル構造を得ようとすると、酸化スズなどのルチル型酸化チタンではない異種物質が生成してしまう可能性がある。
反応温度に関しては、Ti濃度とpHが上記の範囲であれば良く、特に制限は無いが、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは20〜60℃が推奨される。反応温度に応じて反応完了時間が決定されるが、通常は0.5〜10時間で実施する。
上記の反応により生成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子中に含まれるスズ化合物量として、Sn/Tiモル比=0.001〜0.5であることが好ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子の粒子径が大きくなり、分散性が悪くなる可能性がある。また、上記範囲より多くしていくと、より効率よく結晶成長及び凝集を制御し、粒子径の小さな超微粒子が得られるが、ルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られ、結果として屈折率の低い超微粒子が得られる可能性がある。
この方法により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる反応機構(反応メカニズム)は現在十分に明らかではないが、これは表面がスズ化合物で修飾されていることを特徴としている。原料に用いたスズ化合物、あるいは溶液中で解離したスズイオン、あるいは加水分解等により溶液中で生成したスズ化合物が、酸化チタン表面に配位、吸着、化学結合等により付着したものと推測される。また、元々アナターゼ型ではなくルチル型酸化チタン生成条件でスズ化合物を修飾剤として添加したもので、長軸方向への結晶成長が阻止された結果生じたものと推測される。このことは超微粒子の結晶径が2〜20nmであるスズ修飾酸化チタン超微粒子を得るために必要な修飾スズ化合物量が酸化チタンを隙間無く被覆する量には程遠い、チタンに対するモル比が0.001〜0.5という少量であることからも窺える。
上記により得られた反応生成物は、そのままスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の有機溶媒に対して再分散させることも可能である。
本発明により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、これらを含む塗布液を用いて硬化膜を作成した場合に耐擦傷性、硬度が不十分となり、また、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、得られる膜が白濁し、不透明となる可能性がある。
次に、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)の調製方法について述べる。
該被覆層(B)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層とは、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られ、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆層である。
(1)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
(2)核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
本発明において、上記で合成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子あるいはそのゾル液を反射防止膜形成用塗布液あるいは反射防止膜に用いる場合、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のためにスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を、ケイ素酸化物を含む被覆層にて被覆することが行われる。なお、被覆とは微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
上記被覆に用いられるケイ素酸化物としては、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾル、ケイ酸ナトリウム、あるいはケイ酸カリウムなどのケイ酸塩を挙げることが出来る。ここでいうケイ素酸化物とは無定形の酸化物、結晶性の酸化物、あるいは水和した状態であってもよい。また、ケイ酸、ケイ酸オリゴマーあるいはそれらの塩であってもよく、それらが核微粒子表面に吸着、結合した状態であってもよい。
被覆層の形成方法としては、まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のゾル液を調製する。上記で調製したゾル液を希釈あるいは濃縮し、固形分として0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にすることが望ましい。ゾル液の固形分濃度が0.01重量%未満の場合は生産性が低く工業的に有効でなく、ゾル液の固形分濃度が20重量%を越えると得られる超微粒子が凝集体となる可能性がある。
核微粒子(この場合、核(A)であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、をさす)を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて(核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に)滴下することが望ましい。反応液中でのケイ素酸化物の滴下終了後の濃度は酸化ケイ素換算で0.01〜5wt%が好ましい。これより小さいと生産性が低く工業的に有効でなく、これより大きいと(ケイ素酸化物のみで)重合が進行しすぎてケイ素酸化物の不溶物が生成する可能性がある。
[ 工程(1):核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程 ]
まず、核微粒子即ち核(A)と、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH<7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.01〜0.5であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと分散安定性が低くなる可能性がある。
反応液のpHは7より小さいことが好ましく、さらには2〜4が好ましい。pHが7以上だと核微粒子であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が、凝集、ゲル化を引き起こす可能性がある。さらにpHが1よりも小さすぎると、核微粒子のもつ電気二重層が過剰のプラスイオンによって遮蔽され、凝集を引き起こす可能性がある。pHは必要に応じて酸性化合物あるいは塩基性化合物を加えて調整してもよい。例えば酸性化合物としては塩酸、硫酸、硝酸などが、塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に滴下することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、30〜100℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと超微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
[ 工程(2):核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程 ]
工程(1)で得られた被覆超微粒子あるいはゾル液を必要に応じて解こうした後、続いて、(1)で得られた被覆超微粒子と、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH≧7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(A)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.1〜1であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと十分な耐光性が得られなくなる可能性がある。
反応液のpHは7以上であることが好ましく、さらには8〜11が好ましい。適宜この範囲にpHを調節すればよい。pHが7より小さいと緻密な被覆層が形成できない可能性がある。pHは塩基性化合物を加えて適宜調整すればよい。該塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて添加することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
なお、該被覆層(B)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層に含まれるその他の無機酸化物としては得られる微粒子の耐光性、分散性、保存安定性を損なうものでなければ特に制限はないが、具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物が挙げられる。
また、被覆層としては上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層のみが望ましいが、他の無機酸化物の被覆層を設けても良い。この場合、上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層の内側に設けることが望ましい。
本発明により得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液が白濁し、硬化膜が不透明となる可能性がある。
上記手法によって得られる核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比はSiO2換算で0.001〜20である。被覆層の量により、超微粒子自体の屈折率と耐光性を調節することが出来る。これにより所望する耐光性を付与出来、かつ屈折率が1.5〜2.8で調節可能である。
上記により得られた反応生成物は、そのまま被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の有機溶媒に対して再分散させることも可能である。特に限外ろ過を行うことによって、微粒子周りの電気二重層を遮蔽して微粒子の凝集を引き起こす原因となるイオン分を取り除くことが出来るため、分散安定性が向上する。
酸化チタン超微粒子は通常中性域に等電位点を持ち、従来の製法では酸性領域で安定なゾル液である。そのため従来の手法で製造した酸化チタン超微粒子ゾル液は中性〜塩基性では凝集、ゲル化を引き起こし、使用範囲が限定されるという問題があった。また有機溶媒に置換しようとすると凝集、ゲル化を引き起こし、安定性を損なうという問題があった。さらには分散媒が水の場合でも10重量%以上に濃縮しようとするとゲル化を引き起こし、高濃度に分散したゾル液を得るのは困難であり、生産性が低いといった問題があった。本発明に係るケイ素酸化物をpH<7の範囲で反応させることによって、広範囲pH、特に14>pH>3の条件において、凝集、ゲル化を生じず、分散性、保存安定性に優れた薄層のケイ素酸化物で被覆された酸化チタン超微粒子ゾル液が得られ、かつpH≧7の範囲で反応させることによって緻密で厚いケイ素酸化物被覆層を設けることができる。
通常酸性領域において安定な酸化チタン超微粒子ゾル液はその表面がプラスに帯電している。そこに上記条件において反応させることによって反対符号の電荷を持ち、かつ核微粒子よりもサイズの小さな超微粒子を選択することによって核微粒子表面でヘテロ凝集を引き起こし、より効果的に一様に薄層のケイ素酸化物被膜が形成され、これにより、核微粒子表面にSiO2の特性が付与され、本発明に係る酸化チタン超微粒子ゾルはpH=3〜14という広範囲のpH領域において安定となると考えられる。pH≧7の塩基性条件下で緻密で厚いケイ素酸化物層に成長させることによって高分散性を保ちながら耐光性、耐候性を有する超微粒子が得られる。すなわち、pH<7で形成される被覆内層及びpH≧7で形成される被覆外層の二層構造を持つ透明性、分散性、保存安定性、耐光性、耐候性等に優れた酸化チタン超微粒子、ゾル液である。
前記ケイ素酸化物被覆によりゾル液の濃度は固形分換算で20重量%以上、さらには35重量%以上の高濃度にした場合でも広範囲のpHで安定に存在する。
本発明により得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の表面は有機ケイ素酸化物、アミン類で処理されていることが望ましい。これによって超微粒子と硬化性バインダー成分を含む硬化膜形成用塗布液中で超微粒子の長期にわたる分散安定性が大きく向上する。特にメタノールよりも比誘電率が小さい有機溶媒を用いる場合には表面処理により溶媒との親和性を向上させることが好ましい。これによって硬化膜の透明性、耐擦傷性、硬度、耐摩耗性等が向上する。なおここでの表面処理とは表面に、化学結合したもの、化学吸着、物理吸着などの何れであってもよい。
有機ケイ素化合物で表面処理する際には、シランカップリング剤として知られている化合物が好適である。具体的には、以下の一般式(1)、(2)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(Ra(RbSi(OR(3-a-b) (1)
Si(OR4 (2)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(1)、(2)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
これらは、加水分解せずに反応を行っても、加水分解した後、その加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物を超微粒子と反応させてもよい。さらにはこれらが縮合した形である加水分解性基、ヒドロキシル基を有するポリシロキサンのようなシリコーン樹脂で反応させてもよい。また、これらを単独で又は混合物として使用する事も可能である。
(OR)基が加水分解した後、超微粒子表面の−OH基と脱水反応を起こしSi−O−Mの結合を生じる事が好ましいが、一部が残存していてもかまわない。
処理方法としては有機ケイ素酸化物を含む溶媒にゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、一定時間加熱して得る。必要に応じて限外ろ過、遠心分離などの方法で混合液中の未反応分を除去する等の方法で行われる。
また、表面処理に用いられるアミン(類)としては、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、トリエチルアミン、ドデシルアミンなどが好適に用いられる。これらで表面処理を行うには、例えばこれらの水あるいはアルコールなどの溶液に超微粒子あるいはゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、加熱処理を行うとよい。
また上記官能基を有するポリマーなども効果的である。例えばポリスチレンをアミノ化した、さらにはそれらの誘導体であるスチロール系樹脂、ポリメチルメタクリレート側鎖に加水分解性ケイ素基を持つポリマー、加水分解性基あるいはヒドロキシル基を持つシリコーン樹脂等が挙げられる。表面処理方法は上記記載の方法で行えばよい。
用いられる表面処理剤の量は、用いる分散媒、塗布液中への分散性を考慮して適宜設定される。
また、酸化チタン超微粒子表面はカルボン酸と反応しやすいため、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酒石酸、グリコール酸、ポリアクリル酸などを用いることも可能である。ケイ素酸化物被覆層を考慮して適宜設定される。
この方法により結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmのケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる。 結晶径が2nmより小さいと、これらを含む硬化膜等に用いた場合に本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液、硬化膜等が白濁し、不透明となる可能性がある。
本発明において超微粒子を分散するのに用いられる有機溶媒(分散媒)としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などの有機溶媒が挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。いずれもエバポレーター等によって分散媒を置換する方法がとられる。
次に本発明の(2)硬化性バインダー成分について説明する。
本発明において使用される(2)硬化性バインダー成分としては、特に制限されるものではないが、その中でも光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物、並びに有機ポリマーの少なくともいずれかが好適である。
本発明において、硬化膜に十分な耐擦傷性、硬度、強度、密着性を付与するためには、本発明に係る硬化膜形成用塗布液を基材の表面に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、何らかの化学反応によって重合、好ましくは架橋して硬化するバインダー成分が好ましく、光あるいは熱硬化性を有する有機モノマーあるいはオリゴマー、有機金属化合物及び/またはその部分加水分解物が好ましい。
さらに、光硬化型のバインダーとしては可視光、または紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接または開始剤の作用を受けて重合反応を生じるモノマーあるいはオリゴマーを用いることができ、アクリル基あるいはメタクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが好適である。中でも架橋させて耐擦傷性、硬度を上げるには多官能性バインダー成分であることが好ましい。
一分子中に一個の官能基をもつものとしては、具体的には例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシージエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシートリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシーポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシーポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルーコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
二個以上の官能基を持つものとしては、具体的には例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等が挙げられ、更にベンゼン環を有する化合物としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレートエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジアクリレート、ポリエステルアクリレート等の多官能アクリレート類あるいはメタクリレート類が挙げられる。
また、1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオエタン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオプロパン、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオブタン、1,2−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼンなどの硫黄含有(メタ)アクリレート類を用いることも高屈折率化に有効である。
また、紫外線や熱による硬化を促進させるため、光または熱重合開始剤を配合してもよい。
光重合開始剤としては、一般に市販されているもので構わないが、特に例示すると、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1―フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品ダロキュアー1173 ランベルティー社製品 エサキュアーKL200)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチルー1―フェニル−プロパン−1−オン)(ランベルティー社製品 エサキュアーKIP150)、(2−ヒドロキシエチル)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパンー1−オン)(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー2959)、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリのプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー369)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 イルガキュアー819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 CGI403)、2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド(=TMDPO BASF社製ルシリンTPOチバスペシャリティーケミカルズ(株)製品 ダロキュアーTPO、)、チオキサントンまたはその誘導体などが挙げられ、これらのうち1種、あるいは2種以上混合して用いる。
また、光増感作用の目的により第三アミン、例えばトリエタノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、イソペンチルメチルアミノベンゾエートなどを添加しても良い。
熱重合開始剤としては、主として過酸化ベンゾイル(=BPO)などの過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル(=AIBN)などのアゾ化合物が用いられる。
配合する光、熱重合開始剤の量は通常、組成物((メタ)アクリレート+無機超微粒子)100重量部に対し、0.1〜10重量部程度である。
また、エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合性官能基を有するモノマーあるいはオリゴマーを用いてもよい。必要に応じて光カチオン開始剤等を組み合わせて用いる。同様に多官能であることが好ましい。
本発明において、用いられる上記(2)硬化性バインダー成分の量は用途に応じて適宜設定される。好ましくは硬化性バインダー成分+超微粒子成分合計に対して、超微粒子成分が1〜90重量%であり、さらに好ましく10〜80重量%である。これより小さいと高屈折率化など微粒子の特性が付与されない可能性がある。これより大きいと機械強度が不足する可能性がある。
有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物としては、通常公知の有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物が挙げられ、特に制限されるものではない。中でも好ましいものとしては、有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質から成り、用いられる有機ケイ素化合物としては特に制限はないが、以下の一般式(a)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(Ra(RbSi(OR(3-a-b) (a)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(a)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(a)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミニプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、などが挙げられ、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
本発明においては、一般式(a)で表される有機ケイ素化合物の中で、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン及びこれらの加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物がより好適に用いられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
また、上記有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物として以下の一般式(b)で表される化合物を併用することもできる。
Si(OR4 (b)
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(b)におけるRの具体例としては、一般式(a)のRと同じものが挙げられる。
一般式(b)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
また、上記有機ケイ素化合物は、触媒がなくても硬化は可能であるが、反応を促進するために硬化触媒を加えることが可能である。
硬化反応を促進するための硬化触媒としては、特に制限はなく、具体的には例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、等の金属錯体、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩、過塩素酸アルミニウムなどの過塩素酸塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の有機カルボン酸、メチルイミダゾール、ジシアンジアミド等の窒素含有有機化合物、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等の金属アルコキシド、等を例示できる。 これらの中から特にアルミニウムアセチルアセトナートを使用することが、耐擦傷性、ポットライフ等の観点から望ましい。上記に用いる触媒量としては、膜中固形分に対して0.1〜5重量%の範囲で用いることが望ましい。この範囲より小さいと触媒としての効果が低い可能性がある。逆にこの範囲より大きいと硬度、耐擦傷性が不十分となる可能性がある。
塗布した膜の硬化は熱風乾燥によって行い、硬化条件としては、80〜200℃の熱風中で行うことがよく、特に90〜120℃が好ましい。硬化時間としては0.5〜5時間、特に1〜2時間が好ましい。
また、本発明においては、光硬化型ケイ素化合物も好適に使用できる。
光硬化型ケイ素化合物としては、電離放射線の照射によって反応し架橋するアクリル基あるいはメタクリル基などの重合性二重結合基を有するものが挙げられ、具体的には、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニルポリシロキサン、両末端ビニルポリシロキサン等が挙げられる。
また、硬化性樹脂と硬化剤を架橋して硬化するバインダー成分でもよい。このような熱硬化型樹脂には、エポキシ樹脂、珪素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、等が挙げられる。電離放射線硬化型樹脂には、例えば、ラジカル重合性不飽和基(アクリロイルオキシ基、スチリル基、ビニルオキシ基等)及び/又はカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基等)の官能基を有する樹脂が挙げられる。
これらの硬化型樹脂に必要に応じて、架橋剤(エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物等)、重合開始剤(アゾビス化合物、有機過酸化化合物、有機ハロゲン化合物、オニウム塩化合物、ケトン化合物等のUV光開始剤等)等の硬化剤、重合促進剤(有機金属化合物、酸化合物、塩基性化合物等)等の従来公知の化合物を加えて使用することができる。
機械強度には劣るが従来公知の熱可塑性ポリマーを用いることも可能である。例えば、ポリアクリル樹脂、ポリメタアクリル樹脂、イミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明の(3)水または有機溶媒について説明する。
本発明の硬化膜形成用塗布液に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などが挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。
硬化膜形成用塗布液中の固形分(主に硬化性バインダー成分+超微粒子成分)濃度は、硬化膜を得るために固形分濃度を0.1〜40重量%にするよう調整することが好ましく、塗布方法、作製したい膜厚に応じて適宜設定される。この範囲より小さいと、用いる(3)成分量が多くなり効率的ではなく、この範囲より大きいと、硬化膜形成用塗布液の粘度が大きくなり、塗膜作製が困難となる可能性がある。
本発明の塗布液の調製方法としては、(1)成分である被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を水あるいは有機溶媒に分散したゾル液とバインダー成分とを混合した後に必要に応じて上記の有機溶媒を添加してもよいし、あらかじめ(1)成分あるいは(2)成分に上記有機溶媒を添加した後、混合してもよい。
本発明において、(1)成分は被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のみが望ましいが、屈折率向上などの効果が前記超微粒子より劣るものの他の無機酸化物超微粒子と併用することも可能である。例えばコロイダルシリカ、酸化アンチモンコロイドなどを挙げることが出来る。また導電性を付与することを目的としてスズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)などの微粒子を配合することが可能である。
また、塗布時におけるぬれ性および硬化膜の平滑性を向上させる目的で、シリコーン系あるいはフッ素系など各種の界面活性剤を塗布液に含有させることが出来る。さらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散染料、顔料、色素、染色向上剤等も添加することも可能である。
本発明に係る硬化膜形成用塗布液は、被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の分散性に優れているので、当該超微粒子の含有量をコントロールし、硬化膜形成用塗布液を基材表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電離放射線の照射などの化学反応工程により硬化させることによって、超微粒子の物性に起因する何らかの機能が付加され、実用に耐え得る耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性等を有する硬化膜が得られる。
本発明の硬化膜形成用塗布液は、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種方法で基材上に塗布することができる。
上記方法により、屈折率1.5以上、好ましくは1.7以上の硬化膜が得られ、透明性を要求されるプラスチックシート、プラスチックフィルムなどに好適に用いられ、特に高屈折率の光学部材として利用することができる。
次に本発明に係る反射防止膜について述べる。本発明に係る硬化膜形成用塗布液は、光透過性を有しかつ互いに屈折率の異なる層を二層以上積層してなる多層型反射防止膜のうちの一層、主として中〜高屈折率層として用いることが可能である。多層型反射防止膜においては、最も屈折率の高い層を高屈折率層と称し、最も屈折率の低い層を低屈折率層と称し、それ以外の中間的な屈折率を有する層を中屈折率層と称する。従って、反射防止膜の中屈折率層は、本発明の塗布液から形成された高屈折率の硬化膜から構成されたものであってもよい。中屈折率層は前記のバインダーで構成しても良いし、本発明の硬化膜形成用塗布液の超微粒子とバインダー成分との比率を変えて調整することもできる。低屈折率層は公知の方法により作成した薄膜を用いることが出来る。
これらの膜厚、屈折率は従来から良く知られた条件であり、例えば実用上特開昭59−50401号公報記載の膜厚の範囲で満足することが好ましい。光学特性を維持するために屈折率に応じて設定すればよい。
例えば基材(屈折率:n)上に高屈折率層(一層目)(屈折率:n、膜厚:d)、低屈折率層(二層目)(屈折率:n、膜厚:d)の順に積層させた二層構造を有する積層体の場合の反射率Rは、(1)の条件下(2)となる(光の波長をλ、大気の屈折率をnとする)。(光学概論II(朝倉書店)より引用)。
・d=n・d=k・λ/4(k:奇数 通常は1)・・・(1)
R={(n −n・n)/(n +n・n)}・・・(2)
反射防止のためには(3)のように選ぶことにより、実用上求められる1%以下にすることが出来る。
(n/n=n・n・・・(3)
例えば、基材n=1.4〜1.65、低屈折率層をSiOゾルゲルコート膜とすると、n=1.74〜1.89となる。
反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。
このような高屈折率層と、屈折率1.30〜1.55の低屈折率層とを組合せ、二層または三層構造の透明積層体を基材上に形成することで、基材表面の反射防止が可能になる。例えば二層膜の場合、高屈折率層の屈折率をより高くすることによって低屈折率層の屈折率が相対的により高くても良くなる。この意味で低屈折率層の材料の選定の自由度が高くなる。
本発明の方法により高屈折率硬化膜の屈折率を1.5〜2.8、好ましくは1.7以上と高くすることで低屈折率硬化膜の屈折率を上げることが可能となりフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、またゾルゲル法で作成されるSiO等の広範な材料からの選択が可能になる。具体例としては、前記記載の例えば、有機ケイ素化合物を加水分解、縮合して得られる組成物が挙げられる。または有機ケイ素化合物にフッ素が含有された有機ケイ素化合物、もしくはそのオリゴマー等を樹脂成分として調製された組成物が挙げられる。または、3フッ化塩化エチレンなどのフッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。さらにLiF、MgF、SiOなどの低屈折率の無機微粒子を加えてさらに低屈折率の樹脂としたものなどが挙げられる。
本発明における高屈折率硬化膜及び反射防止積層体は、それ自体で実用上十分な性能を有しているが、さらに、性能を高めるため、真空蒸着法等で加工される膜を別の層として併用したり、三層以上に多層化することも可能である。
また、高屈折率層はハードコート層を兼ねることもできる。反射防止性能を得るためにハードコート層の上に高屈折率層/低屈折率層という層構成の薄膜を作るべきところを、ハードコート層の屈折率を上げることで低屈折率層のみで同様の反射防止性能が得られるため、製造工程の簡略化などが可能となる。
本発明により得られる反射防止膜は、被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆ルチル型酸化チタン超微粒子に加えて、屈折率は劣るものの導電性の高い金属酸化物微粒子を配合することによって反射防止膜に設けられる帯電防止層や、導電性透明薄膜としても好適に利用することができる。さらに、高屈折率を有しているため単なる導電性透明薄膜として反射防止積層体に付加することができるだけでなく、反射防止膜を構成する中〜高屈折率層としても機能する層として付加することもできる。帯電防止機能を有する高屈折率ハードコート膜として用いることも可能である。
反射防止積層体には、以上に述べた以外の層を設けてもよい。例えば、接着層、シールド層、滑り層、プライマー層等を設けてもよい。シールド層は電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
本発明の硬化膜形成用塗布液を塗布する基材としては、特に制限されない。好ましい基材としては、例えば、ガラス板、トリアセテートセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン等の各種樹脂で形成したフィルム等を例示することができる。また、基材層の形状は特に限定されず、フィルムや板等の平板状、CRT表面等の曲面状やマイクロレンズ等の球面若しくは非球面のレンズ形状等が挙げられる。
これらの基材層を含む反射防止用積層体とすることにより、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ等の各種光学レンズや、カメラレンズ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)の光学部材として好適である。
従って、本発明に係る硬化膜形成用塗布液は、高い透明性が要求される高屈折率の硬化膜を形成するのに適しており、本願発明者らが見出した高屈折率を有し、分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子を用いているため、特に反射防止膜の中〜高屈折率層を形成するのに適している。
また、本発明に係る硬化膜形成用塗布液は、長期間に渡る分散安定性にも優れているのでポットライフが長く、長期間保存した後に使用する場合でも実用に耐え得る耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性を有する硬化膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(有機溶媒に分散した二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[製造例1]
四塩化スズ五水和物0.27gを100mlナス型フラスコに仕込み、イオン交換水50mlに溶解し、酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti 15重量%含有)5mlを加えた。溶液のpHは−0.1であった。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.03)マグネチックスターラーで攪拌し、50℃で1時間加熱したところ、白色の沈殿を得た。遠心分離を行い、白色沈殿を回収、イオン交換水に再分散させた。限外ろ過を行い、固形分2重量%のゾル液を得た。この固形分の粉末X線回折測定、電子顕微鏡観察を行った。120℃で2時間熱風乾燥を行った後に粉末X線回折測定を行ったところ、酸化チタンルチル型であった。結晶径は回折ピークの半値幅からDebye−Sherrerの式を用いて計算した。その結果、結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmであった。電子顕微鏡観察は透過型電子顕微鏡を用い、メッシュに希薄ゾル液を滴下したものを倍率20万倍、200万倍で観察した。その結果、平均凝集粒子径が23nmのルチル型酸化チタンであった。誘導結合プラズマ法分析によるSn/Tiの元素モル比は0.02であった。
このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液2500gをpH<7に調整した後、80℃に加熱した。2重量%のケイ素酸化物水溶液125gを1時間かけて滴下し、さらに30分加熱した。室温にまで冷却した後、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性ゾル液にした。80℃に昇温し、2重量%ケイ素酸化物水溶液625gを2時間かけて滴下しさらに4時間加熱した。限外ろ過を行い精製し、2重量%ゾル液を得た。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ分散媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。誘導結合プラズマ法分析による被覆層/微粒子の重量比は=0.13/1であった。
[製造例2]
次に製造例1で調整した20重量%メタノール分散ゾル液100gに硫酸を加えてpHを5にした後、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1g加えて50℃で加熱した。エバポレーターによりプロピレングリコールモノメチルエーテル加えて濃縮する操作を繰り返し、20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾルとした。
[製造例3]
次に製造例2で調整した20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾルをエバポレーターによりメチルイソブチルケトンを加えて濃縮する操作を繰り返した後、ドデシルアミン0.2gを加えて50℃で加熱し、20重量%メチルエチルケトン分散ゾルとした。
[製造例4]
製造例1で四塩化スズ五水和物を0.9g用いた以外は製造例1と同様に実施した。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.1)得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところSn/Tiの元素モル比は0.06であった。結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmで、平均凝集粒子径が20nmのルチル型酸化チタンであった。被覆層/微粒子の重量比は=0.13/1であった。
[製造例5]
製造例4で調整した20重量%メタノール分散ゾル液を用いた以外は製造例2と同様にして20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾルを得た。
[製造例6]
製造例5で調整した20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散ゾル液を用いた以外は製造例3と同様にして20重量%メチルエチルケトン分散ゾルを得た。
(ルチル型酸化チタンの合成、樹脂組成物の調製)
[比較製造例1]
四塩化スズ五水和物を添加しない以外は製造例1と同様に実施した。得られた白色沈殿は再分散しなかった。同様に分析したところ、凝集粒子径200nm以上のルチル型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ分散媒を置換、濃縮し、20重量%濃度にしたが、ゲル化、沈殿が生じた。
(アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例2]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、固形分2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ分散媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例3]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。酸化塩化ジルコニウム八水和物32gを溶解した水溶液50gを滴下し、90℃に昇温し、1時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過を行った。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を実施例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子の組成は酸化物換算で酸化ジルコニウム/酸化チタン重量比=0.85/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ分散媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
[比較製造例4]
市販の五酸化アンチモン超微粒子ゾル液を20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(高屈折率硬化膜形成用塗布液の調製)
製造例2で得られた20重量%分散ゾル液を10.5g(固形分2.1g)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物1.2g(DPHA、日本化薬(株)製)を混合後、エチルセロソルブ3.0gを加えた。さらに光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド(TMDPO)を0.17g、Si系界面活性剤(日本ユニカー(株)製 商品名FZ−2110)を添加し、充分攪拌し硬化膜形成用塗布液(1−2)を調製した。
また、同様にして製造例3、5、6で得られたゾル液を用いて硬化膜形成用塗布液(1−3)、(1−5)、(1−6)を調製した。
(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン15gに0.001規定塩酸3.5gを2時間かけて滴下し、3時間攪拌した。エチルセロソルブを30g加え、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物の溶液とした。次に、製造例1のメタノールゾル液11gに前述の(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物溶液5.2gを添加、さらに硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトナート50mg、界面活性剤(日本ユニカー(株)製:L7604)10mgを添加し、攪拌し硬化膜形成用塗布液(2−1)を作成した。
また、同様にして製造例4で得られたゾル液を用いて高屈折率硬化膜形成用塗布液(2−4)を作成した。
(硬化膜の調製)
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用い、上記実施例1で得られた塗布液をバーコート法にて塗布し、室温で1時間乾燥させた後、メタルハライドランプ(強度120W/cm)を照射し、硬化膜を形成した。
基材としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用い、上記実施例2で得られた塗布液をバーコート法にて塗布し、100℃で熱硬化させ、硬化膜を形成した。
[比較例1]
比較製造例1、2、4で得られたゾル液を用いた以外は実施例2と同様にして硬化膜形成用塗布液(2−1’)、(2−2’)、(2−4’)を作成した。
また、比較製造例3で得られたゾル液1.3gを用いて実施例2と同様にして高屈折率硬化膜形成用塗布液(2−3’)を作成した。
[比較例2]
比較例1で得られた硬化膜形成用塗布液を用いて実施例4と同様にして硬化膜を形成した。
上記方法により得られた硬化膜形成用塗布液について、以下に示すように分散安定性を、硬化膜について、以下に示すように耐擦傷性、耐光性、屈折率を評価した。その結果を表1に示す。
(a)分散安定性:調製した硬化膜形成用塗布液を室温で一ヶ月保存した際の変化を以下の指標で評価した。
○… 変化しない
△… 増粘した
×… ゲル化した
(b)耐擦傷性:スチールウール(♯0000)により1kg荷重で表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
○… ほとんど傷がつかない
△… 少し傷がつく
×… ひどく傷がつく
(c)耐 光 性(密着性):得られたハードコート膜付基材をソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による300時間照射後の密着性試験で剥離が無いもの、及び黄変がないものを○とした。基材と硬化膜との密着性は、JISK−5600に準じてクロスカットテープ試験によって行った。すなわち、ナイフを基材表面に1mm感覚に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を25個形成させる。次にその上へセロファン粘着テープを強く押し付けた後表面から90°方向へ急に引っ張り剥離した後コート膜の残っているマス目をもって密着性指標とした。
○… 剥がれなし(25/25)
×… 剥がれあり(24/25以下)
(d)耐光性(耐擦傷性):照射後の耐擦傷性を調べた。すなわち、スチールウール(♯0000)により1kg荷重で表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
○… ほとんど傷がつかない
△… 少し傷がつく
×… ひどく傷がつく
(e)硬化膜屈折率の測定:石英基板上にコーティング液をスピンコート法により膜厚約700Åに塗布し、熱風乾燥した塗布膜を、自動波長走査型エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)を用いて550nmでの屈折率を測定した。
Figure 0004792320
(反射防止積層体の調製)
製造例5で得られたゾル液を12g用いた以外は実施例3と同様に行い、硬化膜付基材を得た。この上に紫外線硬化型アクリル樹脂(屈折率1.50)からなる低屈折率層を設け、反射防止積層体とした。
製造例5で得られたゾル液を10g用いた以外は実施例3と同様に行い、硬化膜付基材を得た。この上に紫外線硬化型アクリル樹脂(屈折率1.47)からなる低屈折率層を設け、反射防止積層体とした。
製造例5で得られたゾル液を2.9g用いた以外は実施例3と同様に行い、硬化膜付基材を得た。この上にフッ素系樹脂(屈折率1.34)からなる低屈折率層を設け、反射防止積層体とした。
上記方法により得られた反射防止積層体について、以下に示すように反射率を評価した。その結果を表2に示す
(f)反射率の測定:紫外可視近赤外分光光度計を用い、入射角5°で反射スペクトルを測定し、波長430〜700nmにおける光反射率(%)を求め、波長430〜700nmにおける最小反射率(%)を測定した。値が低いほど、反射防止性能に優れる。
○… 0.5%未満
×… 0.5%以上
Figure 0004792320
表1に示すように、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子に本願発明者らが見出した二層ケイ素酸化物被覆法を適用することによって、高い屈折率かつ、従来の金属酸化物被覆より効率的に酸化チタンの光触媒作用を抑制していることが分かる。さらに表2に示すように、これらの硬化膜上に低屈折率膜を積層させ、反射防止積層体として使用可能にしたことにより、可視領域における反射率を低減でき、実用上、十分な反射防止効果を発揮する光学部材を提供することが出来る。
本発明によれば、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液及びそれを含んだ反射防止積層体の中〜高屈折率層に好適な分散安定性、塗布適性に優れた高屈折率硬化膜形成用塗布液、さらには反射防止膜形成用塗布液を提供することが出来る。さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布、硬化した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性等が良好な高屈折率の硬化膜、即ち反射防止膜並びに反射防止膜積層体、およびそれを含んでなる光学部材を提供することが出来る。
本発明によれば、特に好適には、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等の表示面や、メガネレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズやCCD等のマイクロレンズアレイ、カメラのレンズ等の各種光学レンズの表面を被覆する反射防止膜を構成する層、特に中〜高屈折率層を形成するのに適した反射防止膜形成用塗布液、反射防止膜積層体およびそれを含んでなる光学部材を提供することが出来る。

Claims (11)

  1. (1)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(A)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(B)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子またはそのゾル、(2)硬化性バインダー成分、および(3)水または有機溶媒を含有してなる高屈折率硬化膜形成用塗布液であって、
    前記核(A)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
    前記(B)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が下記(1)の工程、外層が下記(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO 2 換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である高屈折率硬化膜形成用塗布液。
    (1)核(A)に対する重量比がSiO 2 換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(A)と反応させる工程
    (2)核(A)に対する重量比がSiO 2 換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
  2. 前記被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである請求項1に記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
  3. 前記被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmである請求項1または2に記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
  4. 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
  5. 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、その表面を有機シラン化合物および/またはアミン類で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の高屈折率硬化膜
    形成用塗布液。
  6. (2)の硬化性バインダー成分が、光硬化性および/または熱硬化性の有機モノマー又はオリゴマー、樹脂、並びに有機金属化合物及び/又はその部分加水分解物の少なくともいずれかである請求項1〜の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液。
  7. 請求項1〜の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液を塗布、硬化してなる硬化膜。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は請求項に記載の硬化膜を用いた反射防止膜。
  9. 屈折率の異なる薄膜を二層以上積層してなる反射防止膜であって、このうち少なくとも1層が請求項1〜のいずれかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は請求項に記載の硬化膜を用いた層であり、且つ当該層が中〜高屈折率層であることを特徴とする請求項に記載の反射防止膜。
  10. 基材の少なくとも一方の面に、高屈折率層/低屈折率層、ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、またはハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層を順次積層してなる多層構成の反射防止積層体であって、該高屈折率層及び該中屈折率層が請求項1〜の何れかに記載の高屈折率硬化膜形成用塗布液又は請求項に記載の硬化膜を用いた層であることを特徴とする反射防止積層体。
  11. 請求項に記載の反射防止膜または請求項10に記載の反射防止積層体が施されている光学部材。
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