JP4792079B2 - 二ギ酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高いギ酸含有率を有する固体の二ギ酸ナトリウム組成物の製造方法に関する。
ギ酸、ギ酸塩は、抗菌作用を有しており、たとえば植物性および動物性の物質、たとえば牧草、農業製品または肉を保存するため、および酸性にするため、生物廃棄物の処理のため、または動物飼料のための添加剤として使用される。
動物飼料の分野では通常、ナトリウム化合物として二ギ酸ナトリウムとギ酸水素三ナトリウムとの混合物または後者が単独で使用される。たとえばWO96/35337およびWO04/57977を参照のこと。WO96/35337にはさらに、二ギ酸ナトリウムの使用が報告されているが、しかしここには、該化合物の製造に関する具体的な記載はなされていない。
一般にギ酸水素塩を使用するためには、有効成分としてのギ酸アニオンのできる限り高い含有率が望ましい。経済的な観点から、この高いギ酸アニオン含有率はできる限り高いギ酸の割合に付随して現れる場合に特に有利である。というのも、ギ酸は同時に酸性化作用をもたらすからである。これらの観点の下に、ギ酸のナトリウム塩を使用することが特に有利である。というのもギ酸のナトリウム塩の場合、四ギ酸水素三ナトリウムならびにギ酸のカリウム塩と比較して、ギ酸イオンならびにギ酸のそれぞれの高い理論含有率が存在するからである。両方の値は、二ギ酸アンモニウムの場合に確かになお若干有利であるが、しかしこれは極めて不安定な化合物である。
ギ酸の塩はそのままでは固体の形であり、かつその製造はたとえばGmelinのHandbuch der anorganischen Chemie(無機化学ハンドブック)、第8版、第21号、第816〜819頁、Verlag Chemie社、Berlin、1928年ならびに第22号、第919〜921頁、Verlag Chemie社、Berlin、1937年から久しく公知である。これらの製造方法によれば、ギ酸カリウムもしくはギ酸ナトリウムをギ酸中に溶解させ、かつ引き続き酸性のギ酸塩を冷却することによって、原則として二ギ酸カリウムおよび二ギ酸ナトリウムが得られる。二ギ酸ナトリウム以外に、安定した結晶形である四ギ酸水素三ナトリウムが存在する。しかし、特殊な二ギ酸ナトリウムは結晶質の乾燥した形で入手することは極めて困難であり、さらに、比較的不利であることが示唆されている。Gmelinのハンドブックの記載から、該文献に記載されている生成物は純粋な二ギ酸ナトリウムではないという結論を導き出すことができるのみである。
ドイツ特許文献DE424017(1926年1月14日)は、ギ酸ナトリウムをギ酸水溶液中に導入することによって、種々の酸含有率を有するギ酸のナトリウム塩を製造することを教示している。その際に生じる結晶は、溶液を周囲温度に冷却することによって得られる。ギ酸の含水率に依存して、ギ酸水素三ナトリウムおよびギ酸水素三ナトリウムと二ギ酸ナトリウムとの混合物以外に、二ギ酸ナトリウムと思われる化合物が得られている。後者は、使用されるギ酸が50%より高い含有率、たとえば例2に記載されているように80%の含有率を有する場合にDE424017に記載されている方法により得られる。しかし発明者等のいくつかの試験により、DE424017に記載されている条件下では、二ギ酸ナトリウムは純粋な結晶形で得ることができないことが判明した。むしろこの方法では、ギ酸水素三ナトリウムを含有する混合物が得られており、そのギ酸含有率は明らかに純粋な二ギ酸ナトリウムに関して予測される、全乾燥質量に対して40.36質量%の理論値を下回っている。
EP0824511B1は、ギ酸の二塩を含有する生成物の製造方法を記載している。この場合、特定のアルカリ金属もしくはアンモニウムのギ酸塩、水酸化物、(重)炭酸塩またはアンモニアを、40℃〜100℃で少なくとも50%の含有率を有するギ酸と混合する。該混合物を引き続き冷却し、かつ二塩を濾過により取得する。確かにギ酸のカリウム塩ならびにギ酸のナトリウム塩と四ギ酸水素三ナトリウムとの混合物の製造は例示的に記載されているものの、これに対して固体の純粋な二ギ酸ナトリウムの製造は教示されていない。つまりこの方法のために記載されている温度および使用される(水性)カリウムもしくはナトリウムのギ酸溶液のための濃度の限界値によれば、二ギ酸カリウムの製造のみが可能である。というのも、ギ酸ナトリウムの(水)溶液は、ギ酸カリウムよりも溶解度の限界が小さいことに基づいて、記載されている濃度で製造することはできないからである。相応して確かに二ギ酸カリウムは得られるが、しかしもっぱら四ギ酸水素三ナトリウムとの混合物として存在するのみである。
さらに、EP0824511B1は、結晶化の後で得られる母液を完全に中和し(pH=9〜10)、かつ70〜80%のギ酸含有率に蒸発濃縮し、かつこうして得られたギ酸塩溶液を結晶化のために使用される出発溶液へ返送する方法の実施を記載している。EP0824511B1に例示的に二ギ酸カリウムの製造に基づいて記載されているこの方法を、二ギ酸ナトリウムの製造のために適用することができるためには、蒸発濃縮すべきギ酸ナトリウムの溶液を比較的高い温度で取り扱わなくてはならない。たとえば70質量%のギ酸ナトリウム溶液は、約135℃の温度で初めて得られ、かつ80質量%のギ酸ナトリウム溶液は、180℃の温度で初めて得られる。このような温度は、使用される装置、たとえば管型導管および計器類の温度処理の際に高いコストを必要とする。蒸発濃縮後に80質量%のギ酸ナトリウム溶液を返送し、かつたとえば85質量%のギ酸ナトリウムと混合する場合、得られる溶液は、その高い水濃度に基づいて技術的に高いコストをかけて結晶化することができるのみである。このような溶液の結晶化温度は20℃を下回るので、通常はエネルギーコストおよび投資コストを必要とする冷却装置が必要である。さらに全母液をEP0824511B1に記載されている方法により中和する際に生じるギ酸ナトリウムの量は多すぎるので、全収支を考慮すると過剰の割合を排出しなくてはならない。これは高濃度のギ酸溶液を使用することによっても回避することができない。
先のドイツ特許出願DE102005017089.7は、最初に少なくとも35質量%のギ酸の含有率を有する固体の二ギ酸ナトリウムを、純粋で安定した乾燥形で製造するための方法を記載している。
固体の形のギ酸のナトリウム塩の十分な安定性は、取り扱いおよび貯蔵安定性に関しても、製造に関しても特に重要である。特に顕著に表れる、ギ酸のナトリウム塩中に含有されているギ酸の遊離は、その腐食作用に基づいて望ましくない。
動物飼料の分野では、二ギ酸ナトリウムは、微量元素であるナトリウムを通常のNaClの形で個別に添加する必要がなく、すでにそのままでナトリウム源になるという利点を有する。たとえば四ギ酸水素三ナトリウムに対する二ギ酸ナトリウム中でのギ酸の高い含有率によって、ナトリウムイオンの含有率が限定される。カチオン、たとえばカリウムイオンの低い、もしくは限定された含有率もその限りでは望ましい。というのは、カチオンは、特に単胃動物の場合、および特に家禽の場合、高すぎる液体摂取量(飲料の増大)ひいては動物の糞の希釈につながりうる、つまり利尿作用を発揮しうるからである。
本発明の根底には、固体の、実質的に二ギ酸ナトリウムからなり、上記の従来技術の問題を回避する二ギ酸ナトリウム組成物を提供するという課題が存在する。特に母液を製造方法へ返送することが可能になり、その際、顕著な割合のギ酸ナトリウムを排出する必要がない。本発明による方法はさらに、高いギ酸含有率を有し、かつ高純度ならびに比較的安定し、かつ乾燥した形の二ギ酸ナトリウムの形で存在し、従って大工業的な製造の範囲で、特に比較的低い温度で方法が適用可能な組成物の製造を可能にすべきである。
前記課題は意外にも、ギ酸ナトリウムと、1.5倍のモル過剰のギ酸との混合物から、ギ酸対水のモル比を少なくとも1.1:1に維持しながら目的化合物を析出させ、母液の一部を直接結晶化溶液へ返送し、かつその他の部分を返送前に中和することによって解決された。
従って本発明の第一の対象は、高めた温度でギ酸ナトリウムと、少なくとも74質量%のギ酸とから、HCOOH:HCOONaのモル比が1.5:1より大きく、かつHCOOH:H2Oのモル比が少なくとも1.1:1である水溶液を製造し、該水溶液を結晶化させ、かつ固相を母液から分離する、二ギ酸ナトリウム組成物の全質量に対して少なくとも35質量%のギ酸含有率を有する固体の二ギ酸ナトリウム組成物を製造する方法であり、この方法では、
(i)母液の部分量(A)を水溶液の製造の際に使用し、かつ
(ii)母液の部分量(B)に、ナトリウムを含有する塩基を添加し、かつその際に得られるギ酸ナトリウムを含有する混合物を、場合によりその一部を排出した後で、および場合によりこれを濃縮した後に、同様に水溶液の製造の際に使用し、
かつその際、母液の部分量(A)および(B)は合計で100質量%である。
本発明による方法で使用される原料であるギ酸ナトリウムおよびギ酸は市販されており、かつそのままで前処理を行うことなく使用することができる。
本発明によれば、結晶化からの母液を水溶液の製造の際に使用する。この場合、母液の部分量(A)および(B)が本発明による方法で使用される唯一のギ酸ナトリウム源であってもよい。しかし、たとえば方法を初めて実施する前に該当するように、まだ母液が得られない場合、たとえば連続的な方法実施の開始時には、たとえば工業用のギ酸ナトリウムを使用することができる。ポリオールを製造する際に廃棄生成物として生じるギ酸ナトリウムもこの場合、本発明における使用のために適切である。同様に、使用すべきギ酸ナトリウムの製造は、たとえば一酸化炭素と液状の水酸化ナトリウムとを反応させることにより水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムをギ酸と反応させることによって、またはギ酸メチルと水酸化ナトリウムとを反応させることによって可能である。この変法の場合、たとえば固体のNaOHまたは濃縮されたNaOH水溶液を、場合により冷却および/または攪拌下で、有利には濃縮されたギ酸中に溶解して行うことができる。その際、出発物質の比率は有利には、成分のギ酸、ギ酸ナトリウムおよび水が、得られる混合物中ですでに直接上記の必要とされるモル比で存在するように選択することができる。その他の場合には、通常、過剰のギ酸の中和および/または混合物の含水率の低減を、当業者に公知の慣用の方法、たとえば蒸発、抽出、蒸留等により行う必要がある。通常、そのHCOONa含有率が、使用されるギ酸ナトリウム源の全質量に対して少なくとも97質量%であるギ酸ナトリウムを使用する。有利には、使用されるギ酸ナトリウム源の全質量に対して、0.1質量%より少ない、および特に0.05質量%より少ないカリウムイオンを含有するギ酸ナトリウムを使用する。第一の結晶化段階(以下では結晶化段階とも称する)の後で水溶液の製造の際に使用するために母液を利用したら、母液の部分量(A)および中和された部分量(B)は有利には単独のギ酸ナトリウム源として働く。
本発明によれば、少なくとも74質量%のギ酸含有率を有するギ酸水溶液または濃縮されたギ酸を使用する。当業者は濃縮されたギ酸とは、そのつどギ酸溶液の全質量に対して、94質量%以上のギ酸含有率を有する、つまり6質量%未満の残留含水率を有するギ酸溶液であると理解する。ギ酸水溶液とは、ギ酸水溶液の全質量に対して94質量%未満のギ酸含有率を有する、水中のギ酸の溶液である。使用されるギ酸水溶液は有利には少なくとも75質量%、好ましくは少なくとも80質量%、および特に有利には少なくとも90質量%の濃度を有する。とりわけ有利には少なくとも94質量%のギ酸含有率を有する濃縮されたギ酸を使用する。ギ酸もしくはギ酸溶液の濃度は有利には99質量%を超えることはなく、かつ特に有利には80〜99質量%の範囲であり、かつとりわけ94〜98質量%の範囲である。
有利には濃縮された、または水性のギ酸を、HCOONa1モルあたりHCOOH少なくとも1.6モル、特に少なくとも1.8モルおよびとりわけ少なくとも2.0モルの量で使用する。有利には水溶液を製造するために使用されるHCOOH:HCOONaのモル比は、1.6:1〜3:1の範囲であり、かつ特に1.8:1〜2.5:1の範囲である。
有利には、水溶液を製造するために使用されるHCOOH:H2Oのモル比は、少なくとも1.5:1であり、かつ特に有利には少なくとも1.8:1であり、とりわけ有利には1.5:1〜10:1の範囲であり、かつ殊には8:1〜6.1:1の範囲である。
本発明によれば、該水溶液は高めた温度で製造される。この温度は通常、少なくとも30℃、特に少なくとも40℃、およびとりわけ少なくとも50℃の温度であり、その際、通常は100℃、特に80℃、およびとりわけ70℃を超えない。このような水溶液の製造は当業者に公知の通常の方法で、たとえば混合、攪拌または高めた温度の適用下での溶解により、またはこれらの方法の組み合わせを適用することにより行うことができる。出発物質を使用する順序は重要ではない。これは、まだ母液が返送されない、方法の最初の実施に関しても、母液の部分流(A)および(B)が返送される際にも該当する。有利には出発材料の均質な液状混合物が維持されるべきモル比で得られるように混合を行う。この均質な液状混合物がすでに水溶液ではない場合、たとえば全ての成分が完全に溶解して存在していないために水溶液ではない場合、有利には撹拌下で、温度を高めることによって均質な液状の混合物を水溶液に変換する。
本発明による方法を実施するために通常、ギ酸の水溶液または濃縮された溶液、有利には濃縮された溶液を装入する。このギ酸溶液に、固体の形のギ酸ナトリウムを、または水溶液もしくは懸濁液の形のギ酸ナトリウムを、場合により更なるギ酸と共に添加する。あるいは使用物質を逆の順序で一緒に添加することも可能である。後者の場合に固体のギ酸ナトリウムを使用し、かつ装入する場合、有利にはまず使用されるギ酸の一部または母液の部分量(A)の一部を添加することにより攪拌もしくはポンプ供給可能な混合物を形成し、該混合物にギ酸の残りの部分量を添加する。
工程(i)からの母液の部分量(A)は、有利には処理されていない形の溶液として、水溶液の製造のために使用する。当然のことながら、これを中間的に貯蔵し、かつ必要に応じて後の時点で水溶液の製造のために使用することも可能である。この場合、部分量(A)をたとえば溶液または懸濁液として、有利には溶液として使用する。
工程(ii)から母液の部分量(B)の中和後に生じる混合物を、通常は水溶液を製造する際の水性懸濁液として、または固体として使用する。場合により、水溶液を製造するために使用する前に、混合物の一部を排出する。該混合物を使用前に、有利には部分的に、または完全に蒸発濃縮する。水溶液を製造する際の混合物の添加は、そのつど数回に分けて、たとえば2、3、4またはそれ以上の個々の分量として、相互に規定の時間間隔をあけて反応混合物に添加するか、または連続的に、つまり同一の、低下もしくは上昇する速度で行うことができる。添加の間に通常は温度が上昇するので、場合により付加的な加熱は不要である。通常、混合物の温度は、混合物および/または添加される溶液の添加速度および/または冷却もしくは加熱を適合させることによって、混合物中で30℃〜80℃の温度、および特に40℃〜70℃の範囲の温度が維持されるように調整する。有利には混合物の温度は65℃を超えない。本発明にとって重要なことは、結晶化を水溶液から行うことである。該水溶液は、以下にさらに詳細に説明するように、すでに結晶化が開始する前に種結晶が添加されているか、もしくは添加されてもよい。
ギ酸ナトリウムを添加する間、溶液または懸濁液は有利には、運動、たとえば攪拌される。この運動は添加の終了後に少なくとも水溶液が得られるまで、一般に結晶化が終了するか、または中断されるまで継続される。
本発明によれば、出発物質の混合は、均質な混合物を形成する目的のために通常使用される全ての装置、たとえば反応器、タンク、フラスコ等、特に攪拌容器、とりわけ内部に存在する熱交換表面を有する装置中で実施することができる。これらは当業者に公知である。腐食効果を回避するために、たとえば鋼製の反応器またはタンクの場合、ギ酸が接触する面および壁が、耐酸性の保護層、たとえばテフロン(登録商標)により被覆されているか、または特殊な耐酸性の高合金スチールによりライニングされている場合に有利である。
引き続き水溶液を有利には継続的に攪拌しながら結晶化させる。これはたとえば部分的に蒸発により、または冷却により、有利には冷却により行うことができる。液相を、有利には真空下で制御しながら蒸発させることにより結晶化を開始するか、もしくは誘発するか、もしくは促進する場合、溶液中の成分のモル比は、結晶化の開始時に上記の特定の範囲内であることを保証すべきである。冷却により結晶化を開始する場合、これは有利にはゆっくりと、好ましくは1〜数時間の時間にわたって、たとえば12時間まで、特に3〜10時間、およびとりわけ4〜8時間で行う。その際に二ギ酸ナトリウムが析出する。冷却を、約2〜約20K/hの範囲の冷却速度で、たとえば約5〜15K/hの冷却速度で行う場合に有利であることが判明している。目的化合物の十分な結晶化を達成するために、水溶液を前記の時間で20℃より低い温度に、たとえば約15℃または10℃より低い温度に冷却することが有利である。この場合、通常は0℃の温度および特に5℃の温度を下回ることはない。
結晶形成が開始した後に、まず形成された種結晶もしくは小さい結晶を、たとえば最大で65℃の温度に、特に25℃〜50℃の範囲の温度に加熱することによって溶解し、かつ引き続き結晶化段階を、改めて、場合により冷却速度を遅くして再び開始することができることが有利であることが判明している。この新たな冷却の際に、速度は通常約0.5〜約20K/h、たとえば約1〜15K/h、特に約2〜15K/h、とりわけ約5〜10K/hの範囲、および殊には最大で25K/hである。結晶化温度は上記の範囲である。
さらに、結晶化段階を促進するために、つまりいわゆる「接種」の目的のために、すでに存在する、たとえば本発明による方法により予め製造された二ギ酸ナトリウムの結晶を水溶液に添加することは有利である場合がある。このような結晶は、乾燥した形または湿った形で、液状の、たとえば水性もしくはギ酸の相に懸濁して、またはこれらの形の組み合わせで添加することができる。この場合、添加は通常、結晶が形成される温度を上回るが、しかし均質な溶液が存在する温度を下回る温度で行う。従って反応混合物の温度は、結晶を添加する際に通常は65℃を越えず、かつ有利には25〜50℃の範囲である。この場合、結晶化段階は、前記のとおり、約0.5〜約20K/h、たとえば約1〜15K/h、特に約2〜15K/hおよびとりわけ約5〜10K/hの範囲の冷却速度で行うことができる。結晶化温度は上記の範囲内である。
結晶化に引き続き得られた固体生成物を母液から分離する。母液からの固相の分離は、このために通例の、当業者に公知の方法により、たとえば濾過または遠心分離により、有利には遠心分離により、特にスラストもしくははく離式遠心機(Schub- oder Schaelzentrifugen)の使用下に実施することができる。こうして得られた湿った二ギ酸ナトリウム組成物は通常、なお少量のギ酸、水および/またはギ酸ナトリウムを含有している。この、まだ湿った二ギ酸ナトリウム組成物中のギ酸の含有率は、湿った組成物の全質量に対して、通常40.3質量%以上であり、かつ特に40.7〜42.5質量%の範囲である。
引き続きこの湿った生成物を通常の乾燥法により、たとえば真空下および/または適度な加熱下で乾燥させる。このために使用することができる乾燥機および乾燥法は当業者に公知であり、かつたとえばK.KroellのTrockner und Trocknungsverfahren(乾燥機および乾燥法)、第2版、Springer Verlag、Berlin、1978年に記載されている。特にたとえば接触型乾燥機、流動層乾燥機、噴霧乾燥機および赤外線乾燥機(Strahlungstrockner)を使用することができる。その際、生成物中に含有されているギ酸の比較的容易な揮発性ならびに生成物の限定された温度安定性を考慮しなくてはならない。乾燥の間に、通常は65℃および特に50℃の生成物温度を超えることはない。乾燥後に生成物中に残留する含水率(残留水含分)は、カール・フィッシャーによる酸化反応を利用した滴定(oxidimetrische Titration)により(たとえばWilandのWasserbestimmung durch Karl−Fischer−Titration(カール・フィッシャーの滴定による水分測定)、Darmstadt、GIT、1985年に記載)測定して、全質量に対して通常は0.5質量%を越えることはなく、かつたいていは約0.5〜0.01質量%の範囲であり、有利には最大で0.3質量%、特に有利には最大で0.2質量%およびとりわけ有利には最大で0.1質量%である。
ここで、および以下では、二ギ酸ナトリウム組成物の全質量という表現は、全乾燥質量という表現と同義として使用される。全乾燥質量は、生成物をその分解温度より低い温度で乾燥させることにより、たとえば35℃の温度および50ミリバールの圧力で1時間の時間にわたって乾燥させることにより生じる二ギ酸ナトリウムの質量として理解する。
本発明による方法を実施するために、二ギ酸ナトリウムの結晶化の際にできる限り高い収率が達成されることが有利である。というのは、このことにより内部の物質流を最小化することができるからである。このことにより、たとえば使用される装置をより小さい寸法とすることができることによって装置コストを低減することができる。
結晶化に引き続き分離される母液は、本発明により2つの部分量(A)と(B)とに分割される。部分量(A)は、ギ酸溶液と共に、および工程(ii)で後処理された部分量(B)と共に、場合により部分的に、もしくは完全に前記の物質流を混合した後に、結晶化段階へ返送することができる。この場合、部分量(A)および(B)は通常の容器、たとえばタンクまたはボイラーに中間的の貯蔵することができ、このことによって供給を必要に応じて制御することができる。母液の部分量(B)に対する部分量(A)の質量比は、有利には20:1〜1:10の範囲であり、さらに有利には10:1〜1:5の範囲であり、特に有利には8:1〜1:2の範囲であり、かつとりわけ有利には5:1〜1:1の範囲である。部分量(A)および(B)のギ酸の相応するモル濃度から、調整すべき体積流が確定される。
部分量(B)は、中和段階に供給され、ここで部分的に、もしくは完全に中和が行われる。このために適切なナトリウム含有塩基は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウム−C1〜C6−アルカノレート、たとえばナトリウムのメタノラート、エタノラート、プロパノラート、ブタノラート、ペンタノラートおよびヘキサノラートおよびこれらの混合物である。有利には塩基は水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよびこれらの混合物から選択されている。塩基はたとえば水溶液の形で使用することができる。有利には部分量(B)に水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムを含有する溶液、たとえば50質量%の水酸化ナトリウム溶液、20〜30質量%の炭酸ナトリウム溶液、またはこれらの混合物を添加する。有利には部分量(B)を実質的に完全に中和する。実質的に完全な中和とはここでは、使用される塩基の使用量が少なくとも部分量(B)中に存在するギ酸に相応し、かつその限りで理論的に完全な中和に十分であることを意味する。
中和の際に生じるギ酸ナトリウムを含有する混合物から、場合によりその一部を取り出して排出する。これは中和の際の全体収支を考慮して生じる過剰のギ酸ナトリウムを除去するために必要な場合がある。本発明による方法にとって、排出すべきギ酸ナトリウムの割合ができる限り小さく維持されて、最適な方法実施および生成物収率が可能となることが有利である。排出される量は通常、混合物の全質量に対して、ギ酸ナトリウムを含有する混合物の最大で20質量%、特に最大で10質量%、およびとりわけ最大で5質量%である。有利には混合物の残留する部分に含有されている量のギ酸ナトリウムが、母液の残留量に含有されている量のギ酸ナトリウムと一緒に、水溶液を製造するために使用されるギ酸ナトリウムの全量を生じる(つまり、付加的なギ酸ナトリウムの使用が不要である)混合物の部分のみを排出する。
中和の際に生じるギ酸ナトリウムを含有する混合物の取り出されなかった部分を、濃縮段階に、有利には蒸発濃縮段階に供給する。ここで混合物中に含有されている水の一部を、有利には蒸発により排出する。その際に排出される水の割合は、混合物中に含有されているギ酸ナトリウムをどのような形で結晶化段階へ返送するかに依存する。これはたとえば溶液、懸濁液の形で、または固体として行うことができる。有利には返送はポンプ供給可能な懸濁液として、または場合によりなお残留湿分の割合を有する固体として行う。濃縮段階から取り出され、かつ返送されるギ酸ナトリウム含有混合物は、そのつど返送される混合物の全質量に対して通常は少なくとも50質量%、特に少なくとも60質量%、とりわけ50〜100質量%の範囲、および殊には70〜90質量%の範囲のギ酸ナトリウムの含有率を有する。混合物の含水率は、そのつど混合物の全質量に対して、有利には最大で25質量%、および特に有利には最大で15質量%である。得られた、もしくは後処理されたギ酸ナトリウム含有混合物は、結晶化段階へ返送する。
含水率の低減は、第二の固相および第二の母液が得られる第二の結晶化段階、および第二の固相を第二の母液から分離する第二の濃縮段階により行うこともできる。その際、第二の固相はギ酸ナトリウムである。その結晶化条件は当業者に公知であり、かつたとえばZagidullin、S.K.等のInvestigation of Supersaturations in the Sodium Formate−Water System to Optimize Crystallization(ギ酸ナトリウムにおける過飽和の研究、結晶化を最適化するための水性系)、Russian Journal of Applied Chemistry、第69巻(1996年)、5、第669〜672頁に記載されている。たとえば壁冷却または沸騰冷却により蒸発結晶化または冷却結晶化を実施することができる。注意すべきことは、低温、たとえば30℃より低いか、または20℃より低い温度では、結晶水としてギ酸ナトリウム単位あたり1より多くのH2O分子が結合したギ酸ナトリウムの水和物形が晶出しうることである。これは通常望ましいことではなく、従って特に比較的高い温度での結晶化により回避すべきである。
その際に生じる第二の固相は、15質量%より小さい、特に10質量%より小さい、およびとりわけ5質量%より小さい低い含水率を有していてもよい。この低い含水率の特別な利点は、二ギ酸ナトリウムの結晶化が、結晶化をもたらす低い含水率で、たとえば水溶液に対して10質量%より小さい含有率で実施されうることである。このことにより比較的高い結晶化温度ならびに高い収率が固定された最終温度で実現可能である。
本発明による方法は、部分量(B)中に含有されているギ酸のモル量が、生成物流と共に排出される二ギ酸ナトリウム(および場合により特に残留湿分に基づいて生成物に付着している場合があるギ酸ナトリウム)のモル量に相応するか、またはこれよりわずかに高い場合に、つまりこれらの成分のモル比が約1:1である場合に、特に有利に実施することができる。要するにこの場合には、返送される物質流により、使用される全てのギ酸ナトリウムを回収することが容易に可能であり、その際に過剰のギ酸ナトリウムを排出する必要がない。この場合、ギ酸ナトリウムの一部を、母液の返送によって改めて方法に供給する。この場合、残りの部分を完全に中和もしくは濃縮された母液の部分量(B)へ返送することができる。この変法を実施するために、通常は、母液の部分量(A)対部分量(B)の量比を、母液の部分量(B)中のHCOOHの、得られた固相中に含有されている二ギ酸ナトリウムおよび場合により含有されているギ酸ナトリウムの全物質量に対するモル比が、場合によりその後、固相を乾燥する前に、最大で1.2:1、有利には最大で1.1:1であり、特に有利には最大で1.05:1であるように調整する。
有利な実施態様では、以下のとおりに行う:
a)少なくとも74質量%のギ酸含有率を有するギ酸の流(1)を準備し、
b)工程a)からの流(1)を、ギ酸ナトリウムを含有する2つの流(5a)および(10)と共に結晶化段階に供給し、その際、場合により温度を高めて、HCOOH:Na[HCOO]のモル比が、1.5:1より大きく、かつHCOOH:H2Oのモル比が少なくとも1.1:1である水溶液が得られ、
c)結晶化段階で、工程b)からの水溶液を結晶化させて、固相と母液とを含有する流(3)が得られ、
d)工程c)からの流(3)を分離段階に供給し、この工程で固相を母液から分離し、その際、二ギ酸ナトリウムを含有する流(4)および母液を含有する流(5)が得られ、
e)工程d)からの流(5)を2つの部分流(5a)と(5b)とに分割し、
f)工程e)からの流(5a)を部分量(A)として工程b)へ返送し、
g)工程e)からの流(5b)を、部分量(B)としてナトリウム含有塩基を含有する流(6)と共に中和段階に供給し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する混合物が生じ、かつ
h)工程g)からのギ酸ナトリウムを含有する混合物を、場合によりその一部を流(7a)の形で取り出した後に、流(7)として濃縮段階に供給し、この工程で流(7)中に含有されている水の一部を流(9)として排出し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する流(10)が得られ、該流を工程b)へ返送する。
この有利な実施態様に相応する本発明による方法の略図は、添付の図2に記載されている。工程b)における流(5a)および(10)と流(1)との混合は、結晶化段階への供給前に、または供給後に、たとえば流(1)にまず流(10)を、および引き続き流(5a)を供給して供給前に行うことができる。当然のことながら、流(5a)および(10)は、一緒にされる前に流(1)と、または結晶化段階に供給される前に相互に混合することができる。
通常この実施態様では工程d)において流(5)は、そのつど流(5)の全質量に対して実質的に35〜80質量%の範囲で、特に有利には40〜75室の範囲でギ酸を、20〜45質量%の範囲で、特に有利には20〜40質量%の範囲でギ酸ナトリウムを、および0〜30質量%の範囲で、特に有利には5〜25質量%の範囲で水を含有している。工程g)で流(6)として、有利には水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸水素ナトリウムを含有する水溶液を使用する。特に有利であるのは、そのつど水酸化ナトリウム水溶液の全質量に対して、10〜60質量%の範囲、および好ましくは20〜55質量%の範囲のNaOHの含有率を有する水酸化ナトリウム水溶液である。工程h)からの流(10)は通常、そのつど、流(10)の全質量に対して実質的にギ酸ナトリウムを50〜100質量%の範囲で、好ましくは55〜95質量%の範囲で、および特に有利には70〜90質量%の範囲で、および水を0〜50質量%の範囲で、有利には5〜45質量%の範囲で、および特に有利には10〜30質量%の範囲で含有する。
「実質的に」という表現はここでは、その他の物質が顕著な割合でそのつどの流に含有されていないことを意味している。たとえば流(5)中にはわずかな割合の小さい二ギ酸ナトリウム結晶が含有されていてもよく、該結晶は分離段階の相分離の際に一緒に分離されないか、または分離後に新たに形成されたものである。しかし通常、流(5)および(10)中のその他の物質の割合は5質量%を越えることはなく、かつ特に3質量%を越えることはない。
もう1つの有利な実施態様では、工程h)からのギ酸ナトリウムを含有する流(10)を、工程b)へ返送する前に、第二の結晶化段階および第二の分離段階に供給する。具体的には以下のように実施する:
k)工程h)からのギ酸ナトリウムを含有する流(10)を、工程b)へ返送する前に、第二の結晶化段階に供給し、かつこの段階で結晶化させて第二の固相と第二の母液とが得られ、
l)工程k)から得られた第二の固相および第二の母液を流(12)の形で分離段階に供給し、この段階で第二の固相を第二の母液から分離し、その際、第二の母液を含有する流(13)およびギ酸ナトリウムを含有する流(14)が得られ、
m)工程l)からのギ酸ナトリウムを含有する流(14)を工程b)へ返送し、かつこの工程で流(10)として使用し、かつ
n)工程l)からの母液を含有する流(13)を、
n1)工程h)へ返送し、かつこの工程で流(7)と共に工程h)の濃縮段階に供給し、
n2)工程k)へ返送し、かつこの工程で流(10)と共に第二の結晶化段階へ返送し、
n3)部分流(13a)と(13b)とに分割し、部分流(13a)を工程h)へ返送し、かつこの工程で流(7)と共に工程h)の濃縮段階に供給し、かつ部分流(13b)を工程k)へ返送し、かつこの工程で流(10)と共に第二の結晶化段階に供給し、かつ/または
n4)部分的に取り出し、かつ排出する。
この有利な実施態様に相応する本発明による方法の1つの略図は、添付の図3、4および5に記載されている。
通常この実施態様では、工程l)からの母液を含有する流(13)は、そのつど流(13)の全質量に対して実質的に20〜60質量%の範囲、有利には25〜55質量%の範囲および特に有利には30〜50質量%の範囲の水、および40〜80質量%、有利には45〜75質量%の範囲、および特に有利には50〜70質量%の範囲のギ酸ナトリウムを含有している。工程l)からの母液を含有する流(13)を、有利には工程n1)により工程h)へ返送するか、または工程n2)により工程k)へ返送する。工程h)では、返送された流(13)は流(7)と一緒になって流(8)が得られる。次いで流(8)を工程h)の濃縮段階に供給する。当然のことながら流(7)および返送された流(13)は、別々に濃縮段階に供給することもできる。工程k)では返送された流(13)を流(10)と一緒にして流(11)が得られる。次いで流(11)を、工程k)の第二の結晶化段階に供給する。当然のことながら、流(10)および返送された流(13)を、別々に第二の結晶化段階に供給することもできる。場合により工程l)からの流(13)を部分的に工程n4)により取り出し、かつこの取り出された部分流を排出する。この場合、流(13)の全質量に対して、通常は流(13)の最大で30質量%、特に最大で20質量%および特に最大で10質量%を取り出して排出する。通常、工程l)からの母液を含有する流(13)を、たとえば物質収支を調節するため、特に含水率を調節するために必要な量で部分的に排出する。有利には工程n)で工程n4)により流(13)の一部を取り出さない。通常、工程l)からのギ酸ナトリウムを含有する流(14)はそのつど流(14)の全質量に対して、実質的に75〜100質量%の範囲、特に90〜99質量%の範囲およびとりわけ95〜98質量%の範囲のギ酸ナトリウム、および0〜25質量%の範囲、特に1〜10質量%の範囲およびとりわけ2〜5質量%の範囲の水を含有する。
「実質的に」という表現はここでは、その他の物質の顕著な割合がそのつどの流中に含有されていないことを意味している。通常、流(13)および(14)中のその他の物質の割合は、5質量%を越えず、かつ特に3質量%を越えない。
本発明による方法は、連続的に、半連続的に、またはバッチ式で実施することができる。
本発明による方法により固体の二ギ酸ナトリウム組成物が高い純度で得られ、従って乾燥後にギ酸の高い含有率、通常はそのつど二ギ酸ナトリウム組成物の全質量に対して少なくとも35質量%、しばしば少なくとも36質量%、特に少なくとも37質量%、とりわけ少なくとも38質量%、殊に有利には少なくとも39質量%およびさらに少なくとも40質量%の含有率を有する。本発明により得られる二ギ酸ナトリウム組成物のギ酸の含有率は、そのつど全質量に対して通常は41質量%を超えず、かつ特に40.5質量%を越えない。特にこの含有率は、そのつど得られる二ギ酸ナトリウム組成物の全質量に対して、38〜41質量%の範囲、特に39〜40.5質量%の範囲およびさらに有利には40〜40.3質量%の範囲である。乾燥した生成物中のギ酸の割合は通常、たとえば塩基を用いてギ酸を滴定することによって測定することができる。当然のことながら乾燥した生成物中にはギ酸イオンの同様に高い含有率が存在する。
本発明により得られる二ギ酸ナトリウム組成物は一般に結晶形で得られる。組成物は実質的に、または完全に式HCOONa・HCOOH(二ギ酸ナトリウム)に相応することが仮定されるが、しかしこれは本発明の限定と理解すべきではない。発明にとって重要なことはむしろ、該組成物がギ酸ナトリウムおよびギ酸を会合した結晶形で含有することである。本発明により得られる二ギ酸ナトリウムの結晶変態は、たとえばX線広角散乱法により検出することができる。不所望の変態、たとえば四ギ酸水素三ナトリウムは、この方法により同様に定量的に検出することができる。組成物中の成分であるギ酸ナトリウムおよびギ酸のモル比は通常0.9:1〜1.1:1の範囲であり、特に0.95:1〜1.05:1の範囲であり、かつ特に約1:1に相応する。組成物中の二ギ酸ナトリウムの割合は、そのつど組成物の全質量に対して通常少なくとも97質量%、特に少なくとも98質量%、および特に少なくとも99質量%である。別の成分として、該組成物は残留湿分または結晶化した残留湿分に基づいて、そのつど組成物の全質量に対して通常1.5質量%までのギ酸、1.5質量%までのギ酸ナトリウムおよび/または0.5質量%までの水を含有していてよい。約65℃でDSC(動的示差熱測定)により、相転移点が観察される。組成物は、特に四ギ酸水素三ナトリウムと比較して比較的わずかな吸湿性により優れている。さらに本発明により得られる二ギ酸ナトリウム組成物は、問題のない取り扱いおよび(その後の)加工を保証するために十分に安定している。さらに得られる組成物のカリウムイオンの含有率は、そのつど全質量に対して、通常最大で1000ppmおよび特に最大で500ppmである。製造条件に基づいて本発明により得られる二ギ酸ナトリウム組成物の塩化物含有率は、そのつど全質量に対して、通常は1500ppmより少なく、かつ特に1000ppmより少ない。
固体の乾燥した二ギ酸ナトリウム組成物を結晶質の安定した形で製造するための本発明による方法により、製造条件を大工業的な規模に転用することが可能になる。特に水を排出するために効率のよい方法が実現されることにより優れている。このことにより特に結晶化すべき水溶液の含水率を低く維持することができ、これは上記の利点を伴う。
得られた固相は、乾燥工程の前および/または後で、たとえば乳鉢、剪断装置、多孔板プレスおよびロールミルにより粉砕し、たとえば混合機により凝集させ、かつ/またはたとえばプレスおよび圧縮装置により圧縮することができる。このような粉砕のために使用される装置は当業者に公知である。
所望の適用目的に応じて、本発明により製造される二ギ酸ナトリウム組成物をさらに加工することができ、特に特定の粒径の粉末を製造することができ、得られた粉末を被覆により被覆するか、かつ/またはその他の添加剤との混合物を製造することができる。被覆もしくはコーティング材料のための例として、油、たとえば大豆油、脂肪および脂肪酸、たとえばパルミチン酸またはステアリン酸またはポリマー被覆、たとえばポリアルキレンおよびその誘導体が挙げられる。通常の添加剤は特に流動化助剤、たとえばシリカ等である。被覆のために通例の方法ならびにその際に考えられる添加剤は、当該分野における当業者に基本的に公知であり、たとえばDE10231891A1を参照されたい。
本発明によれば、製造される二ギ酸ナトリウム組成物は固体の形で、特に結晶質の粉末として、または顆粒として、もしくは圧縮されたものとして存在する。適用技術的な要求に応じて、粉末、顆粒もしくは圧縮体は、1μm〜10000μmの範囲、特に10μm〜5000μmの範囲およびとりわけ100μm〜2500μmの範囲の平均粒径を有する。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物もしくは該組成物を含有する調製物および組成物は、動物のための飼料(動物飼料)中で、特に飼料添加剤の形で動物飼料のための添加剤として、および特に動物飼料のためのプレミックスのための添加剤として適切である。プレミックスは、通常、無機物、ビタミン、アミノ酸、微量元素ならびに場合により酵素を含有する混合物である。本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物を含有する動物飼料および動物飼料添加剤は、特にブタ、とりわけ子ブタ、種ブタおよび肥育ブタのような単胃動物、ならびに家禽、特にブロイラー、採卵鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ、ウズラ、キジおよびダチョウのために適切である。
飼料または飼料添加剤中に含有されているその他の物質もしくは添加剤に依存して、飼料もしくは飼料添加剤中の本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物の含有率は著しく異なっていてよい。飼料添加剤の場合、この含有率はさらに組成物の種類に、たとえば助剤、たとえば乾燥剤の添加、場合により被覆および残留水分含有率に依存する。通常、飼料添加剤中の本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物の含有率は、飼料添加剤の全乾燥質量に対して、たとえば0.1〜99.5質量%の範囲であり、特に0.5〜75質量%、およびとりわけ1〜50質量%の範囲である。本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物は、プレミックス中で使用するためにも適切であり、かつこの場合、通例の量で使用、たとえば混合することができる。
特に家禽のための動物飼料および飼料添加剤中で使用する場合、わずかなカリウムイオン含有率は有利である。というのも、カリウムはこの場合、利尿作用を発揮しうるからである。従って前記の目的のための本発明により製造される二ギ酸ナトリウム組成物の使用は、酸性のナトリウムおよびギ酸供給源であり、その際、必ずしもカリウムイオンの割合は高くなくてもよい。従ってたとえば、本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物を含有し、かつ実質的にカリウムイオンを含有していない固体の飼料添加剤を調製することができる。この場合、カリウムイオンを実質的に含有していないとは、カリウムイオンの含有率が、飼料添加剤の質量に対して、最大で1000ppmであり、かつ特に最大で500ppmであることを意味している。
動物飼料は、栄養素の相応する要求が、そのつどの動物種に関して最適にカバーされるような組成とする。一般に植物性飼料成分、たとえば粗タンパク質源としての挽き割りトウモロコシ、挽き割りコムギまたは大麦、挽き割り丸大豆、挽き割り大豆抽出物、挽き割り亜麻抽出物、挽き割り菜種抽出物、緑粉または挽き割りエンドウ豆が選択される。飼料の相応するエネルギー含有率を保証するために、大豆油またはその他の動物性もしくは植物性脂肪が添加される。植物性のタンパク質源は、いくつかの必須アミノ酸を不十分な量で含有しているにすぎないため、飼料はしばしばアミノ酸が富化される。このアミノ酸は特にリシンおよびメチオニンである。有用動物の無機質およびビタミンの供給を保証するために、さらに無機質およびビタミンが添加される。添加される無機質およびビタミンの種類および量は、動物種に依存し、かつ当業者に公知である(たとえばJeroch等、Ernaehrung landwirtschaftlicher Nutztiere(農業用有用動物の栄養)、Ulmer、UTBを参照のこと)。栄養素およびエネルギー必要量をカバーするために、全ての栄養素をそれぞれ必要とされる比率で含有している単独飼料を使用することができる。動物のための単独の飼料を形成することができる。あるいは、穀類からなる穀物飼料に、補充用飼料を添加することができる。これは、タンパク質、無機質およびビタミンの富化された、飼料を補うための飼料混合物である。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物は、特にいわゆる酸性化剤(Acidifier)として適切である。酸性化剤とは、pH値を低下させる物質であると理解される。この表現は、基質(たとえば動物飼料)中のpH値を低下させる物質でも、動物の胃腸管中のpH値を低下させる物質であってもよい。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物は特に成績および/または成長を促進する作用を有する剤として適切である。有利な実施態様では、固体の二ギ酸ナトリウム組成物を、単胃動物、特に豚および家禽のための成績向上剤および/または成長促進剤として使用する。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物はさらに、保存剤として、特に青刈飼料および動物飼料のための保存剤として適切である。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物は有利にはサイレージを製造する際に使用することができる。該組成物は乳酸発酵を促進するか、もしくは後発酵を防止し、かつ有害な酵母の発生を防止し、サイレージ調製用添加剤(サイレージ添加剤)として使用することができる。
本発明により製造される固体の二ギ酸ナトリウム組成物を肥料として使用することも可能である。
図面の説明
図1は、EP0824511B1の1変法の略図を示しており、この場合、母液を完全に中和した後で結晶化段階へ返送する。図1は実質的にEP0824511B1の図2に相応するが、ただし後者では排出される流(7a)は示されていない。この変法で二ギ酸ナトリウムは、生成物が晶出される反応混合物中で、ギ酸対ギ酸ナトリウムもしくはギ酸対水のモル比が本発明による方法に関する記載に相応して調整されている。
具体的には、図1に記載されている方法の場合、ギ酸を流(1)として準備し、かつギ酸ナトリウムを含有する流(10)と一緒にして反応混合物である流(2)が得られる。該反応混合物は流(2)として、結晶化段階に供給され、かつ結晶化により固相および母液が得られる。この固相および母液を流(3)の形で分離段階に供給し、この段階で固相を母液から分離し、その際、二ギ酸ナトリウムを含有する流(4)および母液を含有する流(5)が得られる。流(5)を水酸化ナトリウム溶液流(6)と共に中和段階に供給し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する混合物が生じる。この混合物から一部を流(7a)として取り出す。残留する部分を、流(7)として濃縮段階に供給し、この段階で流(7)中に含有されている水の一部を、流(9)として排出する。その際にギ酸ナトリウムを含有する流(10)が得られ、該流を工程b)へ返送する。
図2は、本発明による方法の1変法の略図を示している。流(5b)を中和し、蒸発させて濃縮し、かつ結晶化段階へ返送する。
具体的には図2に記載されている方法では一般に、少なくとも74質量%のギ酸含有率を有するギ酸の流(1)を準備して実施する。この流(1)をギ酸ナトリウムを含有する2つの流(5a)および(10)と一緒にして、流(2)が得られる。流(2)を結晶化段階に供給し、その際、場合により温度を高めて、1.5:1より大きいHCOOH:HCOONaのモル比および少なくとも1.1:1のHCOOH:H2Oのモル比を有する水溶液が得られる。該水溶液を、たとえば蒸発および/または温度の低下により結晶化させて固相および母液が得られる。該固相および母液を流(3)の形で分離段階に供給し、この段階で固相を母液から分離する。二ギ酸ナトリウムを含有する流(4)を排出する。母液を含有する流(5)を2つの部分流(5a)および(5b)に分割する。流(5a)を部分量(A)として結晶化段階へ返送する。流(5b)を、部分量(B)として水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムを含有する流(6)と共に中和段階に供給する。中和の際の生じるギ酸ナトリウム含有混合物から、場合により一部を流(7a)の形で取り出す。残留する部分を流(7)として濃縮段階(蒸発)に供給し、この段階で流(7)中に含有されている水の一部を流(9)として排出する。その際に得られるギ酸ナトリウムを含有する流(10)を、結晶化段階へ返送し、この段階に流(1)および(5a)も供給する。
図3は、本発明による方法の一変法の略図を示している。流(5b)を中和し、かつ蒸発濃縮させる。生じるギ酸ナトリウム含有流(10)の含水率は、(第一の)結晶化段階へ返送する前に別個に結晶化および相分離により低減される。
具体的には図3に記載されている方法は、少なくとも74質量%のギ酸含有率を有するギ酸の流(1)を準備して実施する。流(1)をギ酸ナトリウムを含有する2つの流(5a)および(14)と一緒にして流(2)が得られる。流(2)を、第一の結晶化段階に供給し、その際、場合により温度を高めて、1.5:1より大きいHCOOH:Na[HCOO]のモル比を有し、かつ少なくとも1.1:1のHCOOH:H2Oのモル比を有する水溶液が得られる。該水溶液をたとえば蒸発させるか、または温度を低下させることにより結晶化させて固相および母液が得られる。固相および母液を流(3)の形で第一の分離段階に供給し、この段階で固相を母液から分離する。二ギ酸ナトリウムを含有する流(4)を排出する。母液を含有する流(5)を、2つの部分流(5a)および(5b)に分割する。流(5a)を部分量(A)として工程b)へ返送する。流(5b)を部分量(B)として水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムを含有する流(6)と共に中和段階に供給する。中和の際に生じるギ酸ナトリウム含有混合物から場合により一部(図に示されていない)を取り出す。該混合物をギ酸ナトリウム含有流(13a)と一緒にして流(8)が得られる。流(8)を濃縮段階(蒸発濃縮)に供給し、ここで流(8)中に含有されている水の一部を流(9)として排出する。その際に得られるギ酸ナトリウムを含有する流(10)の含水率は工程b)へ返送する前に、その後の工程で低減される。流(10)をギ酸ナトリウムを含有する流(13b)と一緒にして流(11)が得られる。流(11)を第二の結晶化段階に供給し、ここで流(11)を、たとえば蒸発または温度の低下により結晶化させて、第二の固相および第二の母液が得られる。第二の固相および第二の母液を流(12)の形で第二の分離段階に供給し、ここで第二の固相を第二の母液から分離する。その際、第二の母液を含有する流(13)およびギ酸ナトリウムを含有する流(14)が得られる。ギ酸ナトリウムを含有する流(14)を、第一の結晶化段階へ返送する。母液を含有する流(13)を、2つの部分流(13a)および(13b)に分割する。部分流(13a)を流(7)と一緒にして流(8)が得られる。流(8)を濃縮段階(蒸発濃縮)に供給する。部分流(13b)を流(10)と一緒にして流(11)が得られる。流(11)を第二の結晶化段階に供給する。この変法ではさらに、流(13)を部分的に取り出して排出することが可能である(図面には示されていない)。
図4は、図3に記載されている本発明による方法の1変法の略図を示す。この場合にもまた、第二の分離段階で、第二の母液を含有する流(13)およびギ酸ナトリウムを含有する流(14)が得られる。ギ酸ナトリウムを含有する流(14)を同様に、第一の結晶化段階へ返送する。母液を含有する流(13)を、流(7)と一緒にして流(8)が得られる。流(8)を濃縮段階(蒸発濃縮)に供給する。この変法ではさらに、流(13)を部分的に取り出して排出することが可能である(図面に示されていない)。
図5は、図3に記載されている本発明による方法のもう1つの変法の略図を示している。この場合にもまた、第二の分離段階で第二の母液を含有する流(13)およびギ酸ナトリウムを含有する流(14)が得られる。ギ酸ナトリウムを含有する流(14)を、同様に第一の結晶化段階へ返送する。母液を含有する流(13)を、流(10)と一緒にして、流(11)が得られる。流(11)を第二の結晶化段階に供給する。この変法ではさらに、流(13)を部分的に取り出して排出することが可能である(図面に示されていない)。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するもであると理解すべきではない。
実施例
I.母液を返送しない二ギ酸ナトリウム組成物の製造(比較例)
比較例I.1およびI.2を、加熱および冷却装置ならびに排出部を備えた1lの攪拌容器中で実施した。結晶化すべき水溶液中の成分のモル比はそれぞれ、本発明による方法により調整される値に相応する。
比較例I.1(DE102005017089.7による)
94質量%のギ酸水溶液650gを装入し、かつ撹拌下で55℃に加熱する。攪拌を全試験時間にわたって継続した。固体のギ酸ナトリウム(純度>97%)350gをギ酸溶液中に溶解し、その際、清澄な溶液が得られた。引き続き該溶液をゆっくり冷却した。約4時間後に約12℃の温度に達し、その際、突発的な沈殿が観察された。わずかに濁りが観察されるにすぎなくなるまで該懸濁液を約35℃に加熱した。次いで該懸濁液を約6時間にわたり20℃に冷却し、かつ攪拌容器から排出した。母液をヌッチェにより結晶から分離した。湿った二ギ酸ナトリウム組成物の収率は、約125gであった。真空乾燥室中温度35℃で乾燥させた後に、生成物中の残留含水率は、約122gの全乾燥質量に対して約0.1質量%であった。乾燥させた生成物中のギ酸含有率は全乾燥質量に対して40.3質量%であった。
比較例I.2(DE102005017089.7による)
80質量%のギ酸水溶液650gを装入し、かつ撹拌下で55℃に加熱した。攪拌を継続しながら固体のギ酸ナトリウム(純度>97%)430gをギ酸溶液中に溶解し、その際、清澄な溶液が得られた。引き続き該溶液をゆっくり冷却した。約5時間後に、約24℃の温度に達し、その際、突発的な沈殿が観察された。わずかな濁りが観察されるにすぎなくなるまで該懸濁液を撹拌下で約35℃に加熱した。次いで該懸濁液を撹拌下で約6時間にわたって15℃に冷却し、かつ攪拌容器から排出した。母液をヌッチェにより結晶から分離した。湿った二ギ酸ナトリウム組成物の収率は約280gであった。真空乾燥室中温度35℃で乾燥させた後、生成物中の残留含水率は、270gの全乾燥質量に対して約0.15質量%であった。乾燥した生成物中のギ酸の含有率は、全乾燥質量に対して40.1質量%であった。
比較例I.3(DE424017の例2と同様)
結晶化すべき水溶液中の成分のモル比は、本発明による方法により調整される値に相応していなかった。
80質量%のギ酸水溶液476gを装入した。撹拌下に固体のギ酸ナトリウム524gを添加した。完全に溶解するために120℃の温度になるまで加熱した。引き続き該溶液をゆっくり冷却した。約112℃から結晶化が開始された。約0.7K/分の速度で25℃になるまで冷却した。次いで該懸濁液を軽く攪拌しながら24時間放置した。その後、形成された結晶を母液から分離した。湿った生成物の収率は約370gであった。ギ酸の含有率は湿った生成物の全質量に対して約21.8質量%であった。
II.母液を返送する二ギ酸ナトリウム組成物の製造
比較例II.1(EP0824511B1に類似の流の供給法)
EP0824511B1の1変法の略図を示している添付の図1を参照するが、この場合、母液を完全に中和した後で結晶化段階へ返送する。図1は、実質的にEP0824511B1の図2に相応するが、ただし後者には排出される流(7a)は示されていない。
以下の第1a表および第1b表には、EP0824511B1でEP0824511B1の図2による流の供給法に関して行われた記載に基づいて製造することができる物質流の収支が例示的に記載されている。この場合、流(1)として85質量%のギ酸溶液を、および流(6)として50質量%の水酸化ナトリウム水溶液を供給し、流(10)として80質量%のギ酸ナトリウム溶液を結晶化段階(結晶化)へ返送する。
しかしこれと関連して、EP0824511B1からは、前記の物質流以外に調整すべき物質流に関するその他の具体的な記載は読み取れないことに明示的に言及する。特にここに記載されている例II.1およびII.2で調整される、結晶化される流(2)中のギ酸対ギ酸ナトリウムのモル比は、EP0824511B1により有利であると記載されているモル比ではなく、本発明による方法のために維持される範囲に相応して調整された。というのは、このようにして得られる流(4)が実際にできる限り純粋な形で二ギ酸ナトリウムを含有することが保証されるからである。
Figure 0004792079
第1a表および第1b表には、固体の二ギ酸ナトリウムに関するNaFo*AS、ギ酸ナトリウムに関するNaFo、ギ酸に関するAS、水に関するH2O、水酸化ナトリウムに関するNaOHが記載されており、それぞれの表の1行目の数字の1〜10は、図1において、そのつどの番号で符号が付された流を表しており、溶液質量%は、流のそれぞれの液状部分(つまり固体割合を含有しない)における成分の質量部を表しており、溶液モル%は、相応するモル割合を表している。
上記の収支の計算は、ここで使用されている流(1)および(10)中の成分の質量比は、中和段階で生じるギ酸ナトリウム溶液の著しい割合、つまり50質量%以上が、流(7a)として排出される場合にのみ調整可能であることを示している。さらに、流(1)および(10)を一緒にして流(2)が生じ、該流は、16質量%以上の含水率を有しており、従って20℃より低い結晶化温度を有している。
比較例II.2(EP0824511B1と同様)
比較例II.2に関して同様に添付の図1を参照する。流(1)として94質量%のギ酸溶液を、および流(6)として50質量%の水酸化ナトリウム水溶液を供給し、流(10)として、80質量%のギ酸ナトリウム溶液を結晶化段階(結晶化)へ返送する。その他は比較例II.1に相応して実施する。この場合、以下の第2a表および第2b表が、物質流の計算された収支を記載している。
Figure 0004792079
上記の収支の計算は、ここで使用される流(1)および(10)中の成分の質量比は、中和段階で生じるギ酸ナトリウム溶液の著しい割合、つまり約46質量%を流(7a)として排出する場合にのみ調整することができることを示している。
例II.1
本発明による方法の1変法の略図を示している添付の図2を引用するが、この場合、母液は2つの部分流(5a)と(5b)とに分割される。流(5a)は、直接、結晶化段階へ返送され、流(5b)は、完全な中和の後に初めて流(6)と共へ返送される。
この場合、以下の第3a表および第3b表は、物質流の計算された収支を記載している。流(1)として94質量%のギ酸溶液を、および流(6)として50質量%の水酸化ナトリウム水溶液を供給する。部分流(5a)および(5b)への流(5)の分割は、流(5a)対流(5b)の質量比が、約2.4:1であり、かつ流(5b)中のギ酸の、流(4)中の二ギ酸ナトリウムおよびギ酸ナトリウムの全量に対するモル比が、できる限り1:1であるように選択されている。この場合、流(10)として、ギ酸ナトリウムの85質量%の溶液または懸濁液を結晶化段階(結晶化)へ返送する。
Figure 0004792079
上記の収支の計算は、ここで使用された流(5)の、流(5a)および(5b)への分割により、中和段階において過剰のギ酸ナトリウムは生じることなく、従って流(7a)による排出は省略することができることを示している。
例II.2
本発明による方法の1変法の略図を示している添付の図3を参照するが、この場合、母液は2つの部分流(5a)および(5b)に分割される。流(5a)を直接、(第一の)結晶化段階へ返送する。流(5b)を流(6)と共に完全に中和し、かつ蒸発濃縮する。生じるギ酸ナトリウム含有流(10)を、(第二の結晶化段階で)結晶化させ、その際に得られる液相を流(13)として、流(7)と一緒に蒸発段階に供給し、固体のギ酸ナトリウムを含有する相を流(14)として流(1)および(5a)と一緒に(第一の)結晶化段階に供給する。
以下の第4a表および第4b表はこの場合、物質流の計算された収支を記載している。流(1)として94質量%のギ酸溶液を、および流(6)として50質量%の水酸化ナトリウム水溶液を供給する。部分流(5a)および(5b)への流(5)の分割は、流(5a)対流(5b)の質量比が約2:1となり、流(5b)中のギ酸の、流(4)中の二ギ酸ナトリウムおよびギ酸ナトリウムの全量に対するモル比ができる限り1:1となるように選択されている。この場合、ギ酸ナトリウムを流(14)の形で実質的に固体としてわずかな割合の残留湿分と共に(第一の)結晶化段階に供給する。
Figure 0004792079
上記の収支の計算は、ここで使用された流(5)の、流(5a)および(5b)への分割により、中和段階で過剰のギ酸ナトリウムが生じることがなく、従って排出を省略することができることを示している。さらに第一の結晶化段階へ返送されるギ酸ナトリウム含有流(14)の含水率がここでは極めて小さい値に調整することができる。
EP0824511B1による変法の略図を示す図 本発明による方法の変法の略図を示す図 本発明による方法の変法の略図を示す図 図3に記載されている本発明による方法の1変法の略図を示す図 図3に記載されている本発明による方法のもう1つの変法の略図を示す図
符号の説明
1 ギ酸流、 2 反応混合物流、 3 固相および母液の流、 4 二ギ酸ナトリウム含有流、 5 母液含有流、 5a 母液部分流、 5b 母液部分流、 6 水酸化ナトリウム流、 7 ギ酸ナトリウム含有流、 8 ギ酸ナトリウム含有流、 9 水、 10 ギ酸ナトリウム含有流、 11 ギ酸ナトリウム含有流、 12 第二の固相および第二の母液を含有する流、 13 第二の母液含有流、 13a 母液部分流、 13b 母液部分流、 14 第二のギ酸ナトリウム含有流

Claims (24)

  1. ギ酸ナトリウムと、少なくとも74質量%のギ酸とから、100℃以下の温度で、1.5より大きい:1のHCOOH:HCOONaのモル比を有し、かつ1.1以上:1のHCOOH:H2Oのモル比を有する水溶液を製造し、該水溶液を結晶化させ、かつ固相を母液から分離する、二ギ酸ナトリウム組成物の全質量に対して少なくとも35質量%のギ酸含有率を有する固体の二ギ酸ナトリウム組成物を製造する方法であって、その際、
    (i)母液の部分量(A)を水溶液の製造の際に使用し、かつ
    (ii)母液の部分量(B)に、ナトリウムを含有する塩基を添加し、かつその際に得られるギ酸ナトリウムを含有する混合物を水溶液の製造の際に使用し、
    かつその際、母液の部分量(A)および(B)は合計で100質量%となる、固体の二ギ酸ナトリウム組成物の製造方法。
  2. 前記工程(ii)中で、母液の部分量(B)にナトリウムを含有する塩基を添加し、かつその際に得られるギ酸ナトリウムを含有する混合物を、その一部を排出した後に、同様に水溶液の製造の際に使用する、請求項1記載の方法。
  3. 前記工程(ii)中で、母液の部分量(B)にナトリウムを含有する塩基を添加し、かつその際に得られるギ酸ナトリウムを含有する混合物を、これを濃縮した後に、同様に水溶液の製造の際に使用する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 母液の部分量(A)対部分量(B)の質量比が、20:1〜1:10の範囲である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 母液の部分量(A)対部分量(B)の量比を、母液の部分量(B)中のHCOOH対得られた固相中に含有されている二ギ酸ナトリウムの全物質量のモル比、または母液の部分量(B)中のHCOOH対得られた固相中に含有されている二ギ酸ナトリウム及びギ酸ナトリウムの全物質量のモル比が、最大で1.2:1であるように調整する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(ii)中のナトリウム含有塩基が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウム−C1〜C6−アルカノレートおよびこれらの混合物から選択されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(ii)中で、母液の部分量(B)を中和する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(ii)中で、ギ酸ナトリウム含有混合物の全質量に対して最大で20質量%のギ酸ナトリウム含有混合物を取り出す、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(ii)中で得られたギ酸ナトリウム含有混合物から一部を取り出し、かつ排出し、その際、該混合物の残留する部分に含有されているギ酸ナトリウムの量は、母液の部分量(A)中に含有されている量のギ酸ナトリウムと一緒になって、水溶液を製造するために使用されるギ酸ナトリウムの全量となる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程(ii)からのギ酸ナトリウム含有混合物の含水率を、水溶液の製造の際のその使用前に、混合物の全質量に対して最大で20質量%まで低減する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 含水率を蒸発工程により低減するか、または第二の固相および第二の母液が得られる第二の結晶化段階、および第二の固相を第二の母液から分離する第二の濃縮段階により低減する、請求項10に記載の方法。
  12. a)少なくとも74質量%のギ酸含有率を有するギ酸の流(1)を準備し、
    b)工程a)からの流(1)をギ酸ナトリウムを含有する2つの流(5a)および(10)と共に結晶化段階に供給し、その際、1.5より大きい:1のHCOOH:Na[HCOO]のモル比および1.1以上:1のHCOOH:H2Oのモル比を有する水溶液が得られ、
    c)結晶化段階で、工程b)からの水溶液を結晶化させて固相および母液を含有する流(3)が得られ、
    d)工程c)からの流(3)を分離段階に供給し、この段階で固相を母液から分離し、その際、二ギ酸ナトリウムを含有する流(4)および母液を含有する流(5)が得られ、
    e)工程d)からの流(5)を2つの部分流(5a)および(5b)に分割し、
    f)工程e)からの流(5a)を部分流(A)として工程b)へ返送し、
    g)工程e)からの流(5b)を部分流(B)として、ナトリウム含有塩基を含有する流(6)と共に中和段階に供給し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する混合物が得られ、かつ
    h)工程g)からのギ酸ナトリウムを含有する混合物を、流(7)として濃縮段階に供給し、この段階で流(7)中に含有されている水の一部を流(9)として排出し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する流(10)が得られ、該流を工程b)へ返送する、
    請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記工程b)で、工程a)からの流(1)をギ酸ナトリウムを含有する2つの流(5a)および(10)と共に結晶化段階に供給し、その際、温度を上げながら、1.5より大きい:1のHCOOH:Na[HCOO]のモル比および1.1以上:1のHCOOH:H2Oのモル比を有する水溶液が得られる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記工程h)で、工程g)からのギ酸ナトリウムを含有する混合物を、その一部を流(7a)の形で取り出した後に、流(7)として濃縮段階に供給し、この段階で流(7)中に含有されている水の一部を流(9)として排出し、その際、ギ酸ナトリウムを含有する流(10)が得られ、該流を工程b)へ返送する、請求項12または13に記載の方法。
  15. 工程d)で、流(5)が、そのつど流(5)の全質量に対して実質的にギ酸を35〜80質量%の範囲で、ギ酸ナトリウムを20〜45質量%の範囲で、および水を0〜30質量%の範囲で含有する、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程g)で、流(6)として、水酸化ナトリウム水溶液の全質量に対して10〜60質量%の範囲のNaOH含有率を有する水酸化ナトリウム水溶液を使用する、請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 工程h)からの流(10)が、そのつど流(10)の全質量に対して実質的にギ酸ナトリウムを50〜100質量%の範囲で、および水を0〜50質量%の範囲で含有する、請求項12から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. さらに
    k)工程h)からのギ酸ナトリウムを含有する流(10)を、工程b)へ返送する前に第二の結晶化段階に供給し、かつこの段階で結晶化させて第二の固相および第二の母液が得られ、
    l)工程k)から得られた第二の固相および第二の母液を流(12)の形で分離段階に供給し、この段階で第二の固相を第二の母液から分離し、その際、第二の母液を含有する流(13)およびギ酸ナトリウムを含有する流(14)が得られ、
    m)工程l)からのギ酸ナトリウムを含有する流(14)を工程b)へ返送し、かつこの工程で流(10)として使用し、かつ
    n)工程l)からの母液を含有する流(13)を、
    n1)工程h)へ返送し、かつこの工程で流(7)と共に工程h)の濃縮段階に供給し、
    n2)工程k)へ返送し、かつこの工程で流(10)と共に第二の結晶化段階に供給し、
    n3)部分流(13a)および(13b)に分割し、部分流(13a)を工程h)へ返送し、かつこの工程で流(7)と共に工程h)の濃縮段階に供給し、かつ部分流(13b)を工程k)へ返送し、かつこの工程で流(10)と共に第二の結晶化段階に供給し、かつ/または
    n4)部分的に取り出し、かつ排出する、
    請求項12から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 工程l)からの母液を含有する流(13)が、そのつど流(13)の全質量に対して実質的に水を20〜50質量%の範囲で、およびギ酸ナトリウムを50〜80質量%の範囲で含有する、請求項18に記載の方法。
  20. 工程n4)で、流(13)の全質量に対して、流(13)の最大で30質量%を取り出し、かつ排出する、請求項18または19に記載の方法。
  21. 工程l)からの母液を含有する流(13)を、工程n1)に従って工程h)へ返送し、かつこの工程で流(7)と共に濃縮段階に供給する、請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 工程l)からのギ酸ナトリウムを含有する流(14)が、そのつど流(14)の全質量に対して実質的にギ酸ナトリウムを75〜100質量%の範囲で、かつ水を0〜25質量%の範囲で含有する、請求項18から21までのいずれか1項に記載の方法。
  23. 固体の二ギ酸ナトリウム組成物が、二ギ酸ナトリウム組成物の全質量に対して、ギ酸38〜41質量%の範囲の含有率を有する、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 固体の二ギ酸ナトリウム組成物が、該組成物の全質量に対して、0.5質量%以下の含水率を有する、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
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