JP2005508379A - ギ酸ホルメートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
ギ酸メチルエステルを水および水溶液中25℃で測定して3以上の相応する解離度の共役酸のPKa値を有する塩基性化合物と反応させ、形成されたメタノールを分離し、ならびに場合によりギ酸の添加により所望の酸含有率を調整する、ギ酸ホルメートの製造方法。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はギ酸ホルメートを製造する方法に関する。
【0002】
ギ酸ホルメートは抗菌作用を有し、かつたとえば植物性および動物性の物質、たとえば牧草、農業製品または食肉の保存のため、ならびにこれらを酸性化するため、バイオ廃棄物の処理のため、または動物飼料の添加剤として使用される。
【0003】
ギ酸ホルメートおよびその製造方法は以前から公知である。たとえばGmelins Handbuch der anorganischen Chemie、第8版、第21号、第816〜819頁、Verlag Chemie GmbH、Berlin、1928年ならびに第22号、第919〜921頁、Verlag Chemie GmbH、Berlin、1937年にはギ酸ナトリウムならびにギ酸カリウムをギ酸中に溶解することによるナトリウムジホルメートならびにカリウムジホルメートを製造することが記載されている。温度の低下により、または過剰のギ酸の気化により結晶質のジホルメートが得られる。
【0004】
DE424017はギ酸ナトリウムを相応するモル比で水性ギ酸中に導入することにより種々の酸含有率を有するギ酸のギ酸ナトリウムを製造することを教示している。溶液を冷却することにより相応する結晶を得ることができる。
【0005】
J. Kendall等のJournal of the American Chemical Society、第43巻、1921年、第1470〜1481頁によれば、90%のギ酸中に炭酸カリウムを溶解することにより二酸化炭素の形成下にギ酸のギ酸カリウムが得られる。相応する固体が結晶化により得られる。
【0006】
GB1,505,388は、水溶液中で炭酸と所望のカチオンの塩基性化合物とを混合することにより炭酸のカルボン酸塩溶液を製造することを開示している。従ってたとえばカルボン酸のカルボン酸アンモニウム溶液を製造する際に、塩基性化合物としてアンモニア水を使用する。
【0007】
US4,261,755は過剰のギ酸と、相応するカチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩との反応によるギ酸ホルメートの製造を記載している。
【0008】
WO96/35657は、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸セシウムまたはギ酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化セシウム、カリウム、ナトリウム、セシウムの炭酸塩または重炭酸塩またはアンモニアを場合により水性のギ酸と共に混合し、引き続き反応混合物を冷却し、得られた懸濁液を濾過し、かつ得られたフィルターケーキを乾燥させ、ならびに濾液を返送することによる、ギ酸の二塩を含有する生成物の製造を教示している。
【0009】
上記の方法の欠点は、形成されるホルメート1モルあたり、塩基性化合物との反応によりそのつどギ酸1モルが消費されることであり、かつこのことにより、全ての一連の付加価値に対して高価であり、コスト高およびエネルギー高であることである。
【0010】
従って上記の欠点をもはや有しておらず、ギ酸ホルメートの製造が工業的な規模で高い収率で可能となり、同時に組成に関して柔軟性が大きく、かつ入手の容易な原料を使用して可能であり、かつ低い投資コストで容易な方法構成が可能である方法を提供するという課題が生じる。
【0011】
これに応じて、ギ酸メチルエステルを水および水溶液中25℃で測定して3以上の相応する解離度の共役酸のpKa値を有する塩基性化合物と反応させ、形成されたメタノールを分離し、ならびに場合によりギ酸の添加により所望の酸含有率を調整することを特徴とするギ酸ホルメートの製造方法が判明した。
【0012】
ギ酸ホルメートとは、ホルメートのアニオン(HCOO−)、カチオン(Mx+)およびギ酸(HCOOH)を含有する化合物および混合物であると理解すべきである。これらは一緒に固体または液体の形で存在していてもよく、かつ場合によりさらに別の成分、たとえばその他の塩、添加剤または溶剤、たとえば水を含有していてもよい。一般にギ酸ホルメートは一般式
HCOO−Mx+ 1/xy*y HCOOH (I)
[式中、Mは一価または多価の、無機または有機カチオンを表し、xは整数であり、かつカチオンの電荷を示し、かつyはホルメートアニオンに対するギ酸のモル比を示す]により記載することができる。ホルメートのアニオンに対するギ酸のモル比yは一般に0.01〜100、有利には0.05〜20、特に有利には0.5〜5および特に0.9〜3.1である。
【0013】
無機または有機カチオンMx+の性質は、該カチオンがギ酸ホルメートを処理すべき条件下で安定している限り原則として重要ではない。これはたとえば還元作用のあるホルメートアニオンに対する安定性であると理解することもできる。可能な無機カチオンとして第1族〜14族の群からの金属の一価および/または多価の金属カチオン、たとえばリチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、セシウム(Cs+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、ストロンチウム(Sr2+)およびバリウム(Ba2+)、有利にはナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、セシウム(Cs+)およびカルシウム(Ca2+)が挙げられる。可能な有機カチオンとして非置換のアンモニウム(NH4 +)および1つまたは複数の炭素を有する、場合により相互に結合されていてもよい基、置換されたアンモニウム、たとえばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ピロリジニウム、N−メチルピロリジニウム、ピペリジニウム、N−メチルピペリジニウムまたはピリジニウムが挙げられる。
【0014】
炭素を有する有機基とは、1〜30個の炭素原子を有する非置換または置換された、脂肪族、芳香族または芳香族脂肪族基と理解することができる。これらの基は1つまたは複数のヘテロ原子、たとえば酸素、窒素、硫黄またはリン、たとえば−O−、−S−、−NR−、−CO−、−N=、−PR−および/または−PR2を有していてもよく、かつ/またはたとえば酸素、窒素、硫黄および/またはハロゲンを有する1つまたは複数の官能基により、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素および/またはシアノ基(この場合、Rは同様に炭素を有する有機基である)により置換されていてもよい。炭素を有する有機基は、一価または多価、たとえば2価または3価の基であってよい。
【0015】
ギ酸ホルメートを製造するために、本発明による方法の場合、ギ酸メチルエステルと水および水溶液中で測定して3以上、有利には3.5以上、特に有利には9以上およびとりわけ有利には10以上の相応する解離度の共役酸のpKa値を有する塩基性化合物とを反応させる。塩基性化合物は無機または有機のものであってよい。塩基性化合物は塩または共有結合化合物であってよい。この場合、相応する解離度の共役酸とは、プロトン(H+)のホルマール付加により形成される酸であると理解すべきである。塩基性化合物が塩である場合、これは一般に式
Mx+ aAa− x (II)
[式中、Mおよびxは(I)で記載したものを表し、かつAは電荷”a−”を有する無機もしくは有機のアニオンに相応する]により表すことができる。従って相応する解離度の共役酸はHA(a−1)−に相応する。相応する、および考慮されるpKa値にとって決定的な解離平衡は次のとおりである:
【0016】
【化1】
【0017】
塩基性化合物が共有結合化合物Bである場合、考慮されるpKa値にとって決定的な解離平衡は次のとおりである:
【0018】
【化2】
【0019】
適切な塩基性化合物の例として、Mx−が上記の金属の1価または多価の金属カチオンを表し、かつAa−が第1a表に記載したアニオンを表し、ならびに共有結合化合物Bが第1b表に記載したものである塩Mx+ aAa− x (II)が挙げられる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
本発明による方法の場合、塩基性化合物として有利には水酸化リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムおよび/またはアンモニア、特に有利には水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウムおよび/またはアンモニアおよび特に有利には水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび/またはギ酸カリウム、特に水酸化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウムおよび/またはギ酸カリウムが挙げられる。
【0023】
塩基性化合物の添加の種類は本発明による方法の場合、一般に重要ではない。該化合物は固体、液体または気体の形で、純粋な物質として、物質混合物として、または溶液として添加することができる。例として水溶液の形の添加(たとえばアルカリ塩またはアンモニア水の水溶液)の形で、固体の化合物(たとえばアルカリ塩の粉末)、気体の状態(たとえば気体状のアンモニア)が挙げられる。水溶液の形での添加が有利である。
【0024】
エダクトの添加順序もまた本発明による方法の場合、一般に重要ではない。従ってたとえば、塩基性化合物を固体または液体の形で(たとえば水溶液として)装入し、かつ引き続きギ酸メチルエステルを撹拌下に液状または気体状で導入することが可能である。さらに、ギ酸メチルエステルを液状の形で装入し、かつ引き続き塩基性化合物を添加することも可能である。さらに当然のことながら、エダクトを所望の比率で並行して添加することもできる。
【0025】
ギ酸メチルエステルの、塩基性化合物に対するモル比は方法にとって一般に重要ではない。通常、塩基性化合物に対して少なくとも、反応の化学量論比に基づいて全ての塩基性化合物がホルメートとして反応するような量のギ酸メチルエステルを使用する。このために決定的なパラメータは塩基性化合物のいわゆるモル等量であり、その際、プロトンを添加することにより、水溶液中25℃で測定して3以上のpKa値を有する共役酸を生じる全ての解離度を考慮すべきである。従ってたとえば2.0のギ酸メチルエステル/水酸化カリウムのモル比はカリウムジホルメートHCOOK*HCOOHの形成につながる。というのも、KOH1モルは1モル等量に相応するからである:
【0026】
【化3】
【0027】
これに対して2.0のギ酸メチルエステル/炭酸カリウムのモル比はギ酸カリウムHCOOKの形成につながる。というのも、K2CO3 1モルが2モル等量に相応するからである:
【0028】
【化4】
【0029】
塩基性化合物のモル等量に対するギ酸メチルエステルの使用されるモル比に応じて、反応生成物としてホルメートHCOO−Mx+ 1/x(ギ酸の過剰量を含まない)またはギ酸ホルメート(I)HCOO−Mx+ 1/x*yHCOOHならびにメタノール、場合により水および場合により塩基性化合物の反応生成物を含有する混合物が得られる。
【0030】
本発明による方法の場合、形成されるメタノールを得られる反応混合物から分離し、その際、該混合物に予め場合によりさらに別の成分、たとえばギ酸を添加することもできる。メタノールの分離はたとえば通例の、公知の方法により、たとえば気化により行うこともできる。メタノールを気化する際に、場合により存在する水の一部、場合により全ての水を一緒に分離することも可能である。顕著な量の水を伴わないメタノールの気化が有利である。というのもこの場合、主としてメタノールが凝縮液として得られるからであり、該メタノールはたとえば改めて、カルボニル化によるギ酸メチルエステルの製造において使用することができるからである。形成されたメタノールを分離するための別の方法として、ホルメートHCOO−Mx+ 1/xまたはギ酸ホルメート(I)HCOO−Mx+ 1/x*yHCOOHの晶出および分離が挙げられ、その際、メタノールおよびホルメートもしくはギ酸ホルメートを含有する母液が得られる。この母液から引き続き蒸留によりメタノールが得られる。残留する塔底生成物を有利にはホルメートの合成段階へ返送する。
【0031】
前記の反応の際に、低いギ酸含有率を有する生成物が所望のとおり得られる場合(たとえばホルメートのみで、過剰のギ酸を含有しない)、得られる混合物に後からギ酸を添加することができる。一般にこの場合、まず形成されるメタノールを(たとえば蒸留により)分離し、かつ引き続きギ酸を添加することによりギ酸ホルメートの所望の酸含有率を調整することができる。
【0032】
ギ酸メチルエステル、水および塩基性化合物の反応を、まずホルメートのみ(過剰のギ酸を含有しない)または極めて低い過剰量のギ酸を含有するホルメートが形成される場合、製造されるギ酸ホルメートの所望の酸含有率はギ酸の添加により調整することができるように実施する。添加は、すでに上に記載したように、メタノールの分離の前または後に行うことができる。
【0033】
本発明による方法の場合、ギ酸メチルエステルを水および上で定義したような塩基性化合物を直接ギ酸ホルメート(I)へと反応させ、かつ形成されるメタノールを分離する、ギ酸の製造が有利である。この有利な変法の場合、ギ酸を後から添加することにより後から所望の酸含有率を調整することは一般にもはや不要である。
【0034】
本発明による方法の場合、一般に、プロトンの添加により水溶液中25℃で測定して3以上のpKa値を有する共役酸を生じる全ての解離度を考慮して、新鮮な供給流中の塩基性化合物のモル等量”n′(塩基性化合物)”に対する新鮮な供給流中のギ酸メチルエステル”n(ギ酸メチルエステル)”:
【0035】
【数1】
のモル比0.5〜100を使用する。有利には前記のモル比は1.0〜10、特に有利には1.1〜20、殊に有利には1.5〜6およびとりわけ1.9〜4.1である。この場合「新鮮な供給流」の概念は、場合により返送される成分を考慮しないで、ギ酸ホルメートを製造するための製造装置に外部から供給されるエダクト流であると理解すべきである。
【0036】
本発明による方法で使用される水の量は、広い範囲で変更することができる。一般に本発明による方法の場合、反応装置中での反応の際に、水0.1〜95質量%、有利には5〜80質量%および特に有利には10〜70質量%の濃度を使用する。
【0037】
新たに供給される水の量は一般に、反応のために必要な化学量論比の量に相応する。本発明による方法は一般に0〜150℃、有利には30〜120℃および特に有利には50〜80℃の温度で実施する。本発明による方法を実施する際に、圧力は一般に0.05〜1MPa絶対、有利には0.08〜0.5MPa絶対および特に有利には0.09〜0.15MPa絶対である。
【0038】
反応装置として原則として全ての反応装置を使用することができ、これは液相中での反応のために適切である。例として撹拌反応器およびスチール製のループ型反応器が挙げられる。
【0039】
形成されたメタノールの分離は本発明による方法の場合、反応混合物からの気化により行う。気化のために適切な方法として蒸留およびストリッピングが挙げられる。蒸留の場合、得られる反応混合物を一般に不連続的に、半連続的に、または連続的に運転されるカラムへ移し、ここで留去する。あるいはまたメタノールを反応後に反応装置から蒸発させることも可能である。この場合、反応装置は有利には蒸留のための頭頂部を有する。ストリッピングの際に、ストリッピングガスを反応混合物に通過させる。ストリッピングガスとして原則として反応混合物に対して不活性である全てのガス、たとえば空気、窒素、酸素、希ガスまたはこれらの混合物が適切である。
【0040】
ギ酸ホルメートの水溶液を製造することを意図している場合、通常、メタノールの分離の後に、所望の水含有率の調整を行う。これは水の供給または留去により行う。
【0041】
本発明による方法の有利な実施態様では、メタノールの分離後に得られた混合物を晶出のために冷却し、かつ晶出したギ酸ホルメートを分離する。前記の晶出は一般に−20℃〜+30℃および有利には0℃〜30℃の範囲の温度で実施する。通常、晶出する生成物の量は温度の低下と共に増加する。晶出は原則としてこのために公知の全ての装置中で実施することができる。晶出はたとえばメタノールの分離の後に直接、反応装置中で、塔底で、別の撹拌反応器中で、またはいわゆる結晶化装置中で行うことができる。前記の実施態様は特にギ酸ホルメートの分離のために使用することができ、該ギ酸ホルメートを所望の組成で結晶化することができる。関連する例としてカリウムジホルメート(HCOOK*HCOOH)、ナトリウムジホルメート(HCOONa*HCOOH)、ナトリウムテトラホルメート(HCOONa*3HCOOH)またはこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
晶出したホルメートまたはギ酸ホルメートの分離は一般に通例かつ公知の方法により、たとえば濾過または遠心分離により行う。
【0043】
ギ酸ホルメートの分離の後に得られる母液を有利には改めてギ酸メチルエステルと水および塩基性化合物との反応のために使用する。
【0044】
ギ酸メチルエステルと水および塩基性化合物との反応、メタノールの分離およびギ酸ホルメートの単離は不連続的に、半連続的に、または連続的に行うことができる。有利には前記の反応およびメタノールの分離を連続的に実施する。
【0045】
特に有利には本発明による方法の場合、カリウムジホルメート(HCOOK*HCOOH)、ナトリウムジホルメート(HCOONa*HCOOH)、ナトリウムテトラホルメート(HCOONa*3HCOOH)またはこれらの混合物および特にカリウムジホルメートを製造する。
【0046】
ギ酸ホルメートは一般に、その溶液の形で、または結晶質の固体として製造される。これらは場合によりさらに別の成分、たとえばさらなるギ酸塩を添加することができる。結晶質のギ酸ホルメートの場合、通常、貯蔵、輸送および使用のために、これらを乾燥剤、たとえばシリケートまたはデンプンと一緒に粒状の圧縮物または種々の形状の成形体、たとえばタブレットまたは球体へと圧縮成形することが有利である。
【0047】
さらに本発明の対象は、植物および動物性の物質の保存および/または酸性化のための本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。例として牧草、農業用植物、魚または肉および肉製品の保存およ酸性化のためのギ酸ホルメートの使用が挙げられ、これはたとえばWO97/05783、WO99/12435、WO00/08929およびWO01/19207に記載されている。
【0048】
さらに本発明の対象は、バイオ廃棄物の処理のための本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。バイオ廃棄物を処理するためのギ酸ホルメートの使用はたとえばWO98/20911に記載されている。
【0049】
さらに本発明の対象は、動物飼料における添加剤として、および/または動物、たとえば繁殖用雌ブタ、肥育用のブタ、家禽、子ウシおよび雌ウシのための成長促進剤としての、本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。前記の使用はたとえばWO96/35337に記載されている。動物飼料中での添加剤として、および/または動物、特に繁殖用雌ブタおよび肥育用のブタのための成長促進剤としての本発明により製造したギ酸カリウムホルメート、特にカリウムジホルメートの使用が有利である。
【0050】
さらに本発明の対象は、植物性および/または動物性の物質の保存および/または酸性化のため、バイオ廃棄物の処理のため、および動物飼料における添加剤としての、本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。
【0051】
動物飼料中での添加剤としての使用が特に有利である。有利なギ酸ホルメートを含有する製品として次の混合物が挙げられる:
カリウムジホルメート98.0±1質量%、シリケート1.5±1質量%および水0.5〜0.3質量%の組成の製品の形での動物飼料中での本発明により製造されるカリウムジホルメートの使用が特に有利である。
【0052】
カリウムジホルメートを連続的に製造するための一般的な実施態様では、反応器(たとえば撹拌反応器)中に水性の水酸化カリウムおよび/またはカリウムホルメート溶液を装入し、有利に50〜80℃の所望の温度に加熱し、かつ撹拌下でギ酸メチルエステルの導入を開始する。存在する水量は、反応条件下で使用される全てのカリウム塩ならびに形成されるギ酸カリウムが溶解して存在するように調整した。使用されるカリウム塩1モルに対してギ酸メチルエステル1モルの量を添加した後に、ギ酸メチルエステルの供給と並行して別のカリウム塩溶液の導入を開始する。この場合、ギ酸メチルエステルと、カリウム塩との化学量論比はさらに1:1である。所望の液体状態が反応器中で達成された後、蒸留塔への輸送を開始する。ここで運転点の達成後、塔頂を介してメタノールを連続的に留去する。この場合、得られたメタノールをたとえばカルボニル化により改めてギ酸メチルエステルの製造のために使用することができる。得られた塔底搬出物を結晶化容器に導入し、撹拌下にギ酸カリウムに対して等モル量のギ酸を添加し、かつ10〜25℃の温度に冷却し、その際、カリウムジホルメートが沈澱する。沈澱したカリウムジホルメートを濾過または遠心分離により分離し、かつ乾燥器に供給する。さらに溶解したカリウムホルメートおよびギ酸を含有する母液を連続的に反応装置に返送する。
【0053】
カリウムジホルメートを連続的に製造するための有利な実施態様では、反応器(たとえば撹拌反応器)中に水性の水酸化カリウムおよび/またはギ酸カリウム溶液を装入し、かつ有利には50〜80℃の所望の温度に加熱し、かつ撹拌下でギ酸メチルエステルの導入を開始する。存在する水量は、反応条件下で全ての使用されるカリウム塩および形成されたギ酸カリウムが溶解して存在するように調整する。使用されるカリウム塩1モルに対してギ酸メチルエステル2モルの量を添加した後、ギ酸メチルエステルの添加と並行してさらなるカリウム塩溶液の導入を開始する。ギ酸メチルエステルとカリウム塩との化学量論比はこの場合、さらに2:1である。所望の液体状態が反応器中で達成された後、蒸留塔への輸送を開始する。ここで運転点に達した後、塔頂を介してメタノールを連続的に留去する。この場合、得られたメタノールをたとえば改めてカルボニル化によるギ酸メチルエステルの製造のために使用することができる。得られた塔底搬出物を結晶化容器に導入し、かつ10〜25℃の温度に冷却し、その際、カリウムジホルメートが沈澱する。沈澱したカリウムジホルメートを濾過または遠心分離により分離し、かつ乾燥器に供給する。なおさらに溶解したカリウムホルメートおよびギ酸を含有する母液を連続的に反応装置に返送する。
【0054】
本発明による方法によりギ酸ホルメートを工業的な規模で高い収率で、同時に組成に関して大きな柔軟性で、および入手が容易な原料を使用して容易な方法構成および低い投資コストで製造することが可能である。本方法はさらに、ホルメートおよび有利な実施態様でギ酸ホルメートのギ酸割合もまた、コストがかかり、装置コストの高価な濃縮されたギ酸を使用する迂回路を用いずに、ギ酸メチルエステルから直接得ることができるという決定的な利点を有する。従って本発明による方法は方法技術的に容易に実施可能であり、かつ従来技術による濃縮ギ酸を直接使用する方法に対して明らかによりわずかな投資コストおよびエネルギーコストを有する。さらに高合金のスチールの使用を断念することができる。というのも、ギ酸ホルメートは濃縮されたギ酸ほど腐食性が強くないからである。
【0055】
実施例
例1
ガス処理撹拌機を有する400mLのガラスオートクレーブ中に、水50g(2.78モル)、水2質量%を含有するギ酸カリウム10g(ギ酸カリウム0.12モルに相応する)、水2質量%を含有するカリウムジホルメート5g(カリウムジホルメート0.038モルに相応する)およびギ酸メチルエステル10g(0.17モル)を添加し、かつ24時間、60℃に加熱する。引き続きカリウムジホルメートの晶出のために反応溶液を室温に冷却する。晶出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させる。ガスクロマトグラフィーにより定量的に測定した濾液中のギ酸メチルエステルの含有率から、その反応率は72%と算出された。濾液を完全に蒸発させ、かつ析出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。両方のカリウムジホルメート試料を合し、秤量し、かつその含水率およびカリウム含有率を分析した。30質量%のカリウム含有率および2質量%の含水率が測定され、これは結晶水の残留含有率を有するカリウムジホルメートの組成に相応する。カリウムホルメートおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート15.5g(0.12モル)が得られた。
【0056】
例2
例2は使用されるカリウムジホルメートの量が0.5g(カリウムジホルメート0.0038モルに相応)であること以外は例1と同様に実施した。ギ酸メチルエステルの反応率は72%であった。晶出し、かつ蒸発により得られた生成物の混合試料は30質量%のカリウム含有率および2質量%の含水率を有していた。ギ酸カリウムおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート15.5g(0.12モル)が得られた。
【0057】
例3
ガス処理撹拌機を有する400mLのガラスオートクレーブ中に、水29.9g(1.66モル)、水酸化カリウム9.3g(水酸化カリウム0.17モル)およびギ酸メチルエステル20g(0.33モル)を添加し、かつ24時間、60℃に加熱した。引き続きカリウムジホルメートの晶出のために反応溶液を室温に冷却した。晶出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。ガスクロマトグラフィーにより定量的に測定した濾液中のギ酸メチルエステルの含有率から、その反応率は92%と算出された。濾液を完全に蒸発させ、かつ析出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。両方のカリウムジホルメート試料を次いで合し、秤量し、かつその含水率およびカリウム含有率を分析した。カリウム含有率30質量%および含水率2質量%が確認され、これは結晶水の残留含有率を有するカリウムジホルメートの組成に相応する。カリウムホルメートおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート19.9g(0.15モル)が得られた。
【0058】
例4
400mLのガラスオートクレーブ中に、水酸化カリウム50g(0.89モル)および水10.25g(0.57モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル107g(1.78モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。水およびメタノールの分離のために液状搬出物を濃縮し、かつカリウムジホルメートを単離した。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は116g(0.89モル)であった。カリウムジホルメートの含水率は2.0質量%であり、かつカリウム含有率は29.8質量%であった。
【0059】
例5
400mLのガラスオートクレーブ中にカリウムホルメート74.8g(0.89モル)および水30.0g(1.67モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル53.5g(0.89モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。水およびメタノールの分離のために液状搬出物を濃縮し、かつカリウムジホルメートを単離した。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は116g(0.89モル)であった。カリウムジホルメートの含水率は2.2質量%であり、かつカリウム含有率は29.9質量%であった。
【0060】
例6
400mLのガラスオートクレーブ中に水酸化カリウム50g(0.89モル)および水10.25g(0.57モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル107g(1.78モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。液状搬出物からメタノールを標準圧力での蒸留により分離した。塔底液を冷却すると、カリウムジホルメート21gが晶出し、これを濾過により単離することができた。こうして得られたカリウムジホルメートは、付加的な乾燥を行わずに、2.0質量%未満の低い含水率により優れていた。残りのカリウムジホルメートは蒸留による水の分離により得られる。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は合計して116g(0.89モル)であった。
【0001】
本発明はギ酸ホルメートを製造する方法に関する。
【0002】
ギ酸ホルメートは抗菌作用を有し、かつたとえば植物性および動物性の物質、たとえば牧草、農業製品または食肉の保存のため、ならびにこれらを酸性化するため、バイオ廃棄物の処理のため、または動物飼料の添加剤として使用される。
【0003】
ギ酸ホルメートおよびその製造方法は以前から公知である。たとえばGmelins Handbuch der anorganischen Chemie、第8版、第21号、第816〜819頁、Verlag Chemie GmbH、Berlin、1928年ならびに第22号、第919〜921頁、Verlag Chemie GmbH、Berlin、1937年にはギ酸ナトリウムならびにギ酸カリウムをギ酸中に溶解することによるナトリウムジホルメートならびにカリウムジホルメートを製造することが記載されている。温度の低下により、または過剰のギ酸の気化により結晶質のジホルメートが得られる。
【0004】
DE424017はギ酸ナトリウムを相応するモル比で水性ギ酸中に導入することにより種々の酸含有率を有するギ酸のギ酸ナトリウムを製造することを教示している。溶液を冷却することにより相応する結晶を得ることができる。
【0005】
J. Kendall等のJournal of the American Chemical Society、第43巻、1921年、第1470〜1481頁によれば、90%のギ酸中に炭酸カリウムを溶解することにより二酸化炭素の形成下にギ酸のギ酸カリウムが得られる。相応する固体が結晶化により得られる。
【0006】
GB1,505,388は、水溶液中で炭酸と所望のカチオンの塩基性化合物とを混合することにより炭酸のカルボン酸塩溶液を製造することを開示している。従ってたとえばカルボン酸のカルボン酸アンモニウム溶液を製造する際に、塩基性化合物としてアンモニア水を使用する。
【0007】
US4,261,755は過剰のギ酸と、相応するカチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩との反応によるギ酸ホルメートの製造を記載している。
【0008】
WO96/35657は、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸セシウムまたはギ酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化セシウム、カリウム、ナトリウム、セシウムの炭酸塩または重炭酸塩またはアンモニアを場合により水性のギ酸と共に混合し、引き続き反応混合物を冷却し、得られた懸濁液を濾過し、かつ得られたフィルターケーキを乾燥させ、ならびに濾液を返送することによる、ギ酸の二塩を含有する生成物の製造を教示している。
【0009】
上記の方法の欠点は、形成されるホルメート1モルあたり、塩基性化合物との反応によりそのつどギ酸1モルが消費されることであり、かつこのことにより、全ての一連の付加価値に対して高価であり、コスト高およびエネルギー高であることである。
【0010】
従って上記の欠点をもはや有しておらず、ギ酸ホルメートの製造が工業的な規模で高い収率で可能となり、同時に組成に関して柔軟性が大きく、かつ入手の容易な原料を使用して可能であり、かつ低い投資コストで容易な方法構成が可能である方法を提供するという課題が生じる。
【0011】
これに応じて、ギ酸メチルエステルを水および水溶液中25℃で測定して3以上の相応する解離度の共役酸のpKa値を有する塩基性化合物と反応させ、形成されたメタノールを分離し、ならびに場合によりギ酸の添加により所望の酸含有率を調整することを特徴とするギ酸ホルメートの製造方法が判明した。
【0012】
ギ酸ホルメートとは、ホルメートのアニオン(HCOO−)、カチオン(Mx+)およびギ酸(HCOOH)を含有する化合物および混合物であると理解すべきである。これらは一緒に固体または液体の形で存在していてもよく、かつ場合によりさらに別の成分、たとえばその他の塩、添加剤または溶剤、たとえば水を含有していてもよい。一般にギ酸ホルメートは一般式
HCOO−Mx+ 1/xy*y HCOOH (I)
[式中、Mは一価または多価の、無機または有機カチオンを表し、xは整数であり、かつカチオンの電荷を示し、かつyはホルメートアニオンに対するギ酸のモル比を示す]により記載することができる。ホルメートのアニオンに対するギ酸のモル比yは一般に0.01〜100、有利には0.05〜20、特に有利には0.5〜5および特に0.9〜3.1である。
【0013】
無機または有機カチオンMx+の性質は、該カチオンがギ酸ホルメートを処理すべき条件下で安定している限り原則として重要ではない。これはたとえば還元作用のあるホルメートアニオンに対する安定性であると理解することもできる。可能な無機カチオンとして第1族〜14族の群からの金属の一価および/または多価の金属カチオン、たとえばリチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、セシウム(Cs+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、ストロンチウム(Sr2+)およびバリウム(Ba2+)、有利にはナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、セシウム(Cs+)およびカルシウム(Ca2+)が挙げられる。可能な有機カチオンとして非置換のアンモニウム(NH4 +)および1つまたは複数の炭素を有する、場合により相互に結合されていてもよい基、置換されたアンモニウム、たとえばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ピロリジニウム、N−メチルピロリジニウム、ピペリジニウム、N−メチルピペリジニウムまたはピリジニウムが挙げられる。
【0014】
炭素を有する有機基とは、1〜30個の炭素原子を有する非置換または置換された、脂肪族、芳香族または芳香族脂肪族基と理解することができる。これらの基は1つまたは複数のヘテロ原子、たとえば酸素、窒素、硫黄またはリン、たとえば−O−、−S−、−NR−、−CO−、−N=、−PR−および/または−PR2を有していてもよく、かつ/またはたとえば酸素、窒素、硫黄および/またはハロゲンを有する1つまたは複数の官能基により、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素および/またはシアノ基(この場合、Rは同様に炭素を有する有機基である)により置換されていてもよい。炭素を有する有機基は、一価または多価、たとえば2価または3価の基であってよい。
【0015】
ギ酸ホルメートを製造するために、本発明による方法の場合、ギ酸メチルエステルと水および水溶液中で測定して3以上、有利には3.5以上、特に有利には9以上およびとりわけ有利には10以上の相応する解離度の共役酸のpKa値を有する塩基性化合物とを反応させる。塩基性化合物は無機または有機のものであってよい。塩基性化合物は塩または共有結合化合物であってよい。この場合、相応する解離度の共役酸とは、プロトン(H+)のホルマール付加により形成される酸であると理解すべきである。塩基性化合物が塩である場合、これは一般に式
Mx+ aAa− x (II)
[式中、Mおよびxは(I)で記載したものを表し、かつAは電荷”a−”を有する無機もしくは有機のアニオンに相応する]により表すことができる。従って相応する解離度の共役酸はHA(a−1)−に相応する。相応する、および考慮されるpKa値にとって決定的な解離平衡は次のとおりである:
【0016】
【化1】
【0017】
塩基性化合物が共有結合化合物Bである場合、考慮されるpKa値にとって決定的な解離平衡は次のとおりである:
【0018】
【化2】
【0019】
適切な塩基性化合物の例として、Mx−が上記の金属の1価または多価の金属カチオンを表し、かつAa−が第1a表に記載したアニオンを表し、ならびに共有結合化合物Bが第1b表に記載したものである塩Mx+ aAa− x (II)が挙げられる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
本発明による方法の場合、塩基性化合物として有利には水酸化リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムおよび/またはアンモニア、特に有利には水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウムおよび/またはアンモニアおよび特に有利には水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび/またはギ酸カリウム、特に水酸化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウムおよび/またはギ酸カリウムが挙げられる。
【0023】
塩基性化合物の添加の種類は本発明による方法の場合、一般に重要ではない。該化合物は固体、液体または気体の形で、純粋な物質として、物質混合物として、または溶液として添加することができる。例として水溶液の形の添加(たとえばアルカリ塩またはアンモニア水の水溶液)の形で、固体の化合物(たとえばアルカリ塩の粉末)、気体の状態(たとえば気体状のアンモニア)が挙げられる。水溶液の形での添加が有利である。
【0024】
エダクトの添加順序もまた本発明による方法の場合、一般に重要ではない。従ってたとえば、塩基性化合物を固体または液体の形で(たとえば水溶液として)装入し、かつ引き続きギ酸メチルエステルを撹拌下に液状または気体状で導入することが可能である。さらに、ギ酸メチルエステルを液状の形で装入し、かつ引き続き塩基性化合物を添加することも可能である。さらに当然のことながら、エダクトを所望の比率で並行して添加することもできる。
【0025】
ギ酸メチルエステルの、塩基性化合物に対するモル比は方法にとって一般に重要ではない。通常、塩基性化合物に対して少なくとも、反応の化学量論比に基づいて全ての塩基性化合物がホルメートとして反応するような量のギ酸メチルエステルを使用する。このために決定的なパラメータは塩基性化合物のいわゆるモル等量であり、その際、プロトンを添加することにより、水溶液中25℃で測定して3以上のpKa値を有する共役酸を生じる全ての解離度を考慮すべきである。従ってたとえば2.0のギ酸メチルエステル/水酸化カリウムのモル比はカリウムジホルメートHCOOK*HCOOHの形成につながる。というのも、KOH1モルは1モル等量に相応するからである:
【0026】
【化3】
【0027】
これに対して2.0のギ酸メチルエステル/炭酸カリウムのモル比はギ酸カリウムHCOOKの形成につながる。というのも、K2CO3 1モルが2モル等量に相応するからである:
【0028】
【化4】
【0029】
塩基性化合物のモル等量に対するギ酸メチルエステルの使用されるモル比に応じて、反応生成物としてホルメートHCOO−Mx+ 1/x(ギ酸の過剰量を含まない)またはギ酸ホルメート(I)HCOO−Mx+ 1/x*yHCOOHならびにメタノール、場合により水および場合により塩基性化合物の反応生成物を含有する混合物が得られる。
【0030】
本発明による方法の場合、形成されるメタノールを得られる反応混合物から分離し、その際、該混合物に予め場合によりさらに別の成分、たとえばギ酸を添加することもできる。メタノールの分離はたとえば通例の、公知の方法により、たとえば気化により行うこともできる。メタノールを気化する際に、場合により存在する水の一部、場合により全ての水を一緒に分離することも可能である。顕著な量の水を伴わないメタノールの気化が有利である。というのもこの場合、主としてメタノールが凝縮液として得られるからであり、該メタノールはたとえば改めて、カルボニル化によるギ酸メチルエステルの製造において使用することができるからである。形成されたメタノールを分離するための別の方法として、ホルメートHCOO−Mx+ 1/xまたはギ酸ホルメート(I)HCOO−Mx+ 1/x*yHCOOHの晶出および分離が挙げられ、その際、メタノールおよびホルメートもしくはギ酸ホルメートを含有する母液が得られる。この母液から引き続き蒸留によりメタノールが得られる。残留する塔底生成物を有利にはホルメートの合成段階へ返送する。
【0031】
前記の反応の際に、低いギ酸含有率を有する生成物が所望のとおり得られる場合(たとえばホルメートのみで、過剰のギ酸を含有しない)、得られる混合物に後からギ酸を添加することができる。一般にこの場合、まず形成されるメタノールを(たとえば蒸留により)分離し、かつ引き続きギ酸を添加することによりギ酸ホルメートの所望の酸含有率を調整することができる。
【0032】
ギ酸メチルエステル、水および塩基性化合物の反応を、まずホルメートのみ(過剰のギ酸を含有しない)または極めて低い過剰量のギ酸を含有するホルメートが形成される場合、製造されるギ酸ホルメートの所望の酸含有率はギ酸の添加により調整することができるように実施する。添加は、すでに上に記載したように、メタノールの分離の前または後に行うことができる。
【0033】
本発明による方法の場合、ギ酸メチルエステルを水および上で定義したような塩基性化合物を直接ギ酸ホルメート(I)へと反応させ、かつ形成されるメタノールを分離する、ギ酸の製造が有利である。この有利な変法の場合、ギ酸を後から添加することにより後から所望の酸含有率を調整することは一般にもはや不要である。
【0034】
本発明による方法の場合、一般に、プロトンの添加により水溶液中25℃で測定して3以上のpKa値を有する共役酸を生じる全ての解離度を考慮して、新鮮な供給流中の塩基性化合物のモル等量”n′(塩基性化合物)”に対する新鮮な供給流中のギ酸メチルエステル”n(ギ酸メチルエステル)”:
【0035】
【数1】
のモル比0.5〜100を使用する。有利には前記のモル比は1.0〜10、特に有利には1.1〜20、殊に有利には1.5〜6およびとりわけ1.9〜4.1である。この場合「新鮮な供給流」の概念は、場合により返送される成分を考慮しないで、ギ酸ホルメートを製造するための製造装置に外部から供給されるエダクト流であると理解すべきである。
【0036】
本発明による方法で使用される水の量は、広い範囲で変更することができる。一般に本発明による方法の場合、反応装置中での反応の際に、水0.1〜95質量%、有利には5〜80質量%および特に有利には10〜70質量%の濃度を使用する。
【0037】
新たに供給される水の量は一般に、反応のために必要な化学量論比の量に相応する。本発明による方法は一般に0〜150℃、有利には30〜120℃および特に有利には50〜80℃の温度で実施する。本発明による方法を実施する際に、圧力は一般に0.05〜1MPa絶対、有利には0.08〜0.5MPa絶対および特に有利には0.09〜0.15MPa絶対である。
【0038】
反応装置として原則として全ての反応装置を使用することができ、これは液相中での反応のために適切である。例として撹拌反応器およびスチール製のループ型反応器が挙げられる。
【0039】
形成されたメタノールの分離は本発明による方法の場合、反応混合物からの気化により行う。気化のために適切な方法として蒸留およびストリッピングが挙げられる。蒸留の場合、得られる反応混合物を一般に不連続的に、半連続的に、または連続的に運転されるカラムへ移し、ここで留去する。あるいはまたメタノールを反応後に反応装置から蒸発させることも可能である。この場合、反応装置は有利には蒸留のための頭頂部を有する。ストリッピングの際に、ストリッピングガスを反応混合物に通過させる。ストリッピングガスとして原則として反応混合物に対して不活性である全てのガス、たとえば空気、窒素、酸素、希ガスまたはこれらの混合物が適切である。
【0040】
ギ酸ホルメートの水溶液を製造することを意図している場合、通常、メタノールの分離の後に、所望の水含有率の調整を行う。これは水の供給または留去により行う。
【0041】
本発明による方法の有利な実施態様では、メタノールの分離後に得られた混合物を晶出のために冷却し、かつ晶出したギ酸ホルメートを分離する。前記の晶出は一般に−20℃〜+30℃および有利には0℃〜30℃の範囲の温度で実施する。通常、晶出する生成物の量は温度の低下と共に増加する。晶出は原則としてこのために公知の全ての装置中で実施することができる。晶出はたとえばメタノールの分離の後に直接、反応装置中で、塔底で、別の撹拌反応器中で、またはいわゆる結晶化装置中で行うことができる。前記の実施態様は特にギ酸ホルメートの分離のために使用することができ、該ギ酸ホルメートを所望の組成で結晶化することができる。関連する例としてカリウムジホルメート(HCOOK*HCOOH)、ナトリウムジホルメート(HCOONa*HCOOH)、ナトリウムテトラホルメート(HCOONa*3HCOOH)またはこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
晶出したホルメートまたはギ酸ホルメートの分離は一般に通例かつ公知の方法により、たとえば濾過または遠心分離により行う。
【0043】
ギ酸ホルメートの分離の後に得られる母液を有利には改めてギ酸メチルエステルと水および塩基性化合物との反応のために使用する。
【0044】
ギ酸メチルエステルと水および塩基性化合物との反応、メタノールの分離およびギ酸ホルメートの単離は不連続的に、半連続的に、または連続的に行うことができる。有利には前記の反応およびメタノールの分離を連続的に実施する。
【0045】
特に有利には本発明による方法の場合、カリウムジホルメート(HCOOK*HCOOH)、ナトリウムジホルメート(HCOONa*HCOOH)、ナトリウムテトラホルメート(HCOONa*3HCOOH)またはこれらの混合物および特にカリウムジホルメートを製造する。
【0046】
ギ酸ホルメートは一般に、その溶液の形で、または結晶質の固体として製造される。これらは場合によりさらに別の成分、たとえばさらなるギ酸塩を添加することができる。結晶質のギ酸ホルメートの場合、通常、貯蔵、輸送および使用のために、これらを乾燥剤、たとえばシリケートまたはデンプンと一緒に粒状の圧縮物または種々の形状の成形体、たとえばタブレットまたは球体へと圧縮成形することが有利である。
【0047】
さらに本発明の対象は、植物および動物性の物質の保存および/または酸性化のための本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。例として牧草、農業用植物、魚または肉および肉製品の保存およ酸性化のためのギ酸ホルメートの使用が挙げられ、これはたとえばWO97/05783、WO99/12435、WO00/08929およびWO01/19207に記載されている。
【0048】
さらに本発明の対象は、バイオ廃棄物の処理のための本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。バイオ廃棄物を処理するためのギ酸ホルメートの使用はたとえばWO98/20911に記載されている。
【0049】
さらに本発明の対象は、動物飼料における添加剤として、および/または動物、たとえば繁殖用雌ブタ、肥育用のブタ、家禽、子ウシおよび雌ウシのための成長促進剤としての、本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。前記の使用はたとえばWO96/35337に記載されている。動物飼料中での添加剤として、および/または動物、特に繁殖用雌ブタおよび肥育用のブタのための成長促進剤としての本発明により製造したギ酸カリウムホルメート、特にカリウムジホルメートの使用が有利である。
【0050】
さらに本発明の対象は、植物性および/または動物性の物質の保存および/または酸性化のため、バイオ廃棄物の処理のため、および動物飼料における添加剤としての、本発明により製造されるギ酸ホルメートの使用である。
【0051】
動物飼料中での添加剤としての使用が特に有利である。有利なギ酸ホルメートを含有する製品として次の混合物が挙げられる:
カリウムジホルメート98.0±1質量%、シリケート1.5±1質量%および水0.5〜0.3質量%の組成の製品の形での動物飼料中での本発明により製造されるカリウムジホルメートの使用が特に有利である。
【0052】
カリウムジホルメートを連続的に製造するための一般的な実施態様では、反応器(たとえば撹拌反応器)中に水性の水酸化カリウムおよび/またはカリウムホルメート溶液を装入し、有利に50〜80℃の所望の温度に加熱し、かつ撹拌下でギ酸メチルエステルの導入を開始する。存在する水量は、反応条件下で使用される全てのカリウム塩ならびに形成されるギ酸カリウムが溶解して存在するように調整した。使用されるカリウム塩1モルに対してギ酸メチルエステル1モルの量を添加した後に、ギ酸メチルエステルの供給と並行して別のカリウム塩溶液の導入を開始する。この場合、ギ酸メチルエステルと、カリウム塩との化学量論比はさらに1:1である。所望の液体状態が反応器中で達成された後、蒸留塔への輸送を開始する。ここで運転点の達成後、塔頂を介してメタノールを連続的に留去する。この場合、得られたメタノールをたとえばカルボニル化により改めてギ酸メチルエステルの製造のために使用することができる。得られた塔底搬出物を結晶化容器に導入し、撹拌下にギ酸カリウムに対して等モル量のギ酸を添加し、かつ10〜25℃の温度に冷却し、その際、カリウムジホルメートが沈澱する。沈澱したカリウムジホルメートを濾過または遠心分離により分離し、かつ乾燥器に供給する。さらに溶解したカリウムホルメートおよびギ酸を含有する母液を連続的に反応装置に返送する。
【0053】
カリウムジホルメートを連続的に製造するための有利な実施態様では、反応器(たとえば撹拌反応器)中に水性の水酸化カリウムおよび/またはギ酸カリウム溶液を装入し、かつ有利には50〜80℃の所望の温度に加熱し、かつ撹拌下でギ酸メチルエステルの導入を開始する。存在する水量は、反応条件下で全ての使用されるカリウム塩および形成されたギ酸カリウムが溶解して存在するように調整する。使用されるカリウム塩1モルに対してギ酸メチルエステル2モルの量を添加した後、ギ酸メチルエステルの添加と並行してさらなるカリウム塩溶液の導入を開始する。ギ酸メチルエステルとカリウム塩との化学量論比はこの場合、さらに2:1である。所望の液体状態が反応器中で達成された後、蒸留塔への輸送を開始する。ここで運転点に達した後、塔頂を介してメタノールを連続的に留去する。この場合、得られたメタノールをたとえば改めてカルボニル化によるギ酸メチルエステルの製造のために使用することができる。得られた塔底搬出物を結晶化容器に導入し、かつ10〜25℃の温度に冷却し、その際、カリウムジホルメートが沈澱する。沈澱したカリウムジホルメートを濾過または遠心分離により分離し、かつ乾燥器に供給する。なおさらに溶解したカリウムホルメートおよびギ酸を含有する母液を連続的に反応装置に返送する。
【0054】
本発明による方法によりギ酸ホルメートを工業的な規模で高い収率で、同時に組成に関して大きな柔軟性で、および入手が容易な原料を使用して容易な方法構成および低い投資コストで製造することが可能である。本方法はさらに、ホルメートおよび有利な実施態様でギ酸ホルメートのギ酸割合もまた、コストがかかり、装置コストの高価な濃縮されたギ酸を使用する迂回路を用いずに、ギ酸メチルエステルから直接得ることができるという決定的な利点を有する。従って本発明による方法は方法技術的に容易に実施可能であり、かつ従来技術による濃縮ギ酸を直接使用する方法に対して明らかによりわずかな投資コストおよびエネルギーコストを有する。さらに高合金のスチールの使用を断念することができる。というのも、ギ酸ホルメートは濃縮されたギ酸ほど腐食性が強くないからである。
【0055】
実施例
例1
ガス処理撹拌機を有する400mLのガラスオートクレーブ中に、水50g(2.78モル)、水2質量%を含有するギ酸カリウム10g(ギ酸カリウム0.12モルに相応する)、水2質量%を含有するカリウムジホルメート5g(カリウムジホルメート0.038モルに相応する)およびギ酸メチルエステル10g(0.17モル)を添加し、かつ24時間、60℃に加熱する。引き続きカリウムジホルメートの晶出のために反応溶液を室温に冷却する。晶出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させる。ガスクロマトグラフィーにより定量的に測定した濾液中のギ酸メチルエステルの含有率から、その反応率は72%と算出された。濾液を完全に蒸発させ、かつ析出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。両方のカリウムジホルメート試料を合し、秤量し、かつその含水率およびカリウム含有率を分析した。30質量%のカリウム含有率および2質量%の含水率が測定され、これは結晶水の残留含有率を有するカリウムジホルメートの組成に相応する。カリウムホルメートおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート15.5g(0.12モル)が得られた。
【0056】
例2
例2は使用されるカリウムジホルメートの量が0.5g(カリウムジホルメート0.0038モルに相応)であること以外は例1と同様に実施した。ギ酸メチルエステルの反応率は72%であった。晶出し、かつ蒸発により得られた生成物の混合試料は30質量%のカリウム含有率および2質量%の含水率を有していた。ギ酸カリウムおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート15.5g(0.12モル)が得られた。
【0057】
例3
ガス処理撹拌機を有する400mLのガラスオートクレーブ中に、水29.9g(1.66モル)、水酸化カリウム9.3g(水酸化カリウム0.17モル)およびギ酸メチルエステル20g(0.33モル)を添加し、かつ24時間、60℃に加熱した。引き続きカリウムジホルメートの晶出のために反応溶液を室温に冷却した。晶出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。ガスクロマトグラフィーにより定量的に測定した濾液中のギ酸メチルエステルの含有率から、その反応率は92%と算出された。濾液を完全に蒸発させ、かつ析出したカリウムジホルメートを単離し、かつ乾燥させた。両方のカリウムジホルメート試料を次いで合し、秤量し、かつその含水率およびカリウム含有率を分析した。カリウム含有率30質量%および含水率2質量%が確認され、これは結晶水の残留含有率を有するカリウムジホルメートの組成に相応する。カリウムホルメートおよびカリウムジホルメートの使用量により修正すると、合計してカリウムジホルメート19.9g(0.15モル)が得られた。
【0058】
例4
400mLのガラスオートクレーブ中に、水酸化カリウム50g(0.89モル)および水10.25g(0.57モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル107g(1.78モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。水およびメタノールの分離のために液状搬出物を濃縮し、かつカリウムジホルメートを単離した。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は116g(0.89モル)であった。カリウムジホルメートの含水率は2.0質量%であり、かつカリウム含有率は29.8質量%であった。
【0059】
例5
400mLのガラスオートクレーブ中にカリウムホルメート74.8g(0.89モル)および水30.0g(1.67モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル53.5g(0.89モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。水およびメタノールの分離のために液状搬出物を濃縮し、かつカリウムジホルメートを単離した。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は116g(0.89モル)であった。カリウムジホルメートの含水率は2.2質量%であり、かつカリウム含有率は29.9質量%であった。
【0060】
例6
400mLのガラスオートクレーブ中に水酸化カリウム50g(0.89モル)および水10.25g(0.57モル)を装入し、かつ60℃に加熱した。引き続き60℃で6時間でギ酸メチルエステル107g(1.78モル)を計量供給した。反応溶液を室温に冷却し、かつ液状搬出物をガスクロマトグラフィーにより分析した。ギ酸メチルエステルはもはや検出されなかった。液状搬出物からメタノールを標準圧力での蒸留により分離した。塔底液を冷却すると、カリウムジホルメート21gが晶出し、これを濾過により単離することができた。こうして得られたカリウムジホルメートは、付加的な乾燥を行わずに、2.0質量%未満の低い含水率により優れていた。残りのカリウムジホルメートは蒸留による水の分離により得られる。ギ酸メチルエステルの反応率は>99%であり、カリウムジホルメートの収率は合計して116g(0.89モル)であった。
Claims (12)
- ギ酸ホルメートを製造する方法において、ギ酸メチルエステルを水および水溶液中25℃で測定して3以上の相応する解離度の共役酸のpKa値を有する塩基性化合物と反応させ、形成されたメタノールを分離し、ならびに場合によりギ酸の添加により所望の酸含有率を調整することを特徴とする、ギ酸ホルメートの製造方法。
- プロトンの添加により水溶液中25℃で測定して3以上のpKa値を有する共役酸を生じる全ての解離度を考慮して、新鮮な供給流中の塩基性化合物のモル等量に対して1.0〜10の新鮮な供給流中のギ酸メチルエステルのモル比を使用する、請求項1記載の方法。
- 反応装置中での反応の際に水0.1〜95質量%の濃度を使用する、請求項1または2記載の方法。
- 反応を温度0〜150℃および圧力0.05〜1MPa絶対で実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 形成されたメタノールを気化することにより反応混合物から分離する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 得られた混合物を冷却し、かつ析出したギ酸ホルメートを分離する、請求項5記載の方法。
- ギ酸ホルメートを分離する際に得られる母液を改めてギ酸メチルエステルと水および塩基性化合物との反応の際に使用する、請求項6記載の方法。
- 塩基性化合物として水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウムおよび/またはアンモニアを使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- カリウムジホルメート、ナトリウムジホルメート、ナトリウムテトラホルメートまたはこれらの混合物を製造する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 植物性および動物性の物質を保存および/または酸性にするための請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により製造したギ酸ホルメートの使用。
- バイオ廃棄物を処理するための請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により製造したギ酸ホルメートの使用。
- 動物飼料における添加剤としておよび/または動物のための成長促進剤としての請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により製造したギ酸ホルメートの使用。
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