JP4790047B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真方式を使用した複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真画像形成装置に関する。
より詳細には、本発明は、短波長青色レーザーを書き込み露光光として使用する露光部と、長波長赤色LEDを除電光として使用する除電部と、前記両波長に対して吸収域を有する電荷発生物質を含有する電子写真感光体とを備える電子写真画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成は、感光体を中心にして、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の工程を繰り返すことにより行われる。
近年、高精細画質化、カラー化の要求とも相まって、画像の高印字解像度化の要求が高くなっている。
高印字解像度を得るためには、露光光の小径化が必要であるが、露光光の小径化に対しては、光源の発振波長を短くすることが有効である。
例えば、発振波長が、従来の近赤外域レーザーに比べ約半分近い短波長レーザーを光源として用いた場合、下記式(1):
d∝(π/4)(λf/D) (1)
(式中、dは感光層上のスポット径であり、πは円周率であり、λはレーザー光の波長であり、fはfθレンズの焦点距離であり、Dはレンズ径である)
で示されるように、感光層上におけるレーザー光のスポット径を理論上、概ね半分のスポット径にできる。
したがって、露光光の発振波長を短くすることは、潜像の書込密度すなわち解像度を上げることに、非常に有利である。
一方で、近紫外域の短波長の青色光は、長波長の赤色光に比べ、個々の光子のもつエネルギーが波長に反比例して高くなるために、短波長の光で長期間または長期に亘り繰り返し曝露された物質を光劣化により化学的に変化させ易い。
すなわち、長時間にわたり短波長光の曝露を受ける物質(電子写真画像形成装置では感光体が含有する電荷発生物質および/または電荷輸送物質等)は光劣化してしまうという問題がある。
特開2005−181991(特許文献1)には、除電光を露光光より長波長にすることが、開示されている。しかしながら、特許文献1における除電光と露光光とは、波長領域380〜520nmの範囲内における波長の長短関係であり、依然として除電光は520nm以下の青色光を使用しており、やはり経時の使用で感光体が光劣化してしまう。
特開2005−181991号公報
感光体は、露光手段による露光工程および除電手段による除電工程により光の照射を受ける。
除電工程は、転写工程およびクリーニング工程後に感光体表面に残留した電荷の凸凹を、感光体の全面に光を当てることにより除電するものであり、つづく帯電工程で再び均一な帯電状態にするために必要である。
一般に、除電光光量は露光光光量の3倍から5倍程度である。
露光光は画像領域のさらに画像部のみに、それぞれの画像濃度に応じた光量に変調されて照射されるのに対し、除電光は、帯電工程前に全領域に対し一定光量で照射される。
すなわち、感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の一連の画像形成過程において、露光手段により、画像のサイズに相当する部分だけでさらに画像のある部分だけに画像の濃度に応じた光量が照射される。
これに対し、除電手段により、先の一連の画像形成過程において、必ず、帯電工程前に全面に亘り、露光光の最大光量の3〜5倍もの光量が照射される。
すなわち、感光体に照射される光のほとんどが除電光である。
一般に、短波長青色光により露光書き込みを行う高印字解像度用の画像形成装置では、当該短波長領域に感度を有する感光体を使用するため、除電工程においても、感度のある波長領域の光、すなわち、青色光による除電が行われる。然るに、短波長で露光し、短波長で除電をする画像形成装置では感光体は、常に短波長の光に曝されており経時の使用により、光劣化により感光体としての性能も劣化し、画像も劣化してしまうという問題を生じる。
したがって、本発明は、長期に亘る使用に伴う光劣化を生じ難く、かつ安定した高印字解像度用の印刷を可能にする画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究努力を重ねた結果、露光光と除電光の波長が異なる露光手段と除電手段を備え、かつ感光体が短波長と長波長の両域に光吸収を有する電荷発生物質を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
しかるに、本発明によれば、380〜420nmの波長域と600〜850nmの波長域に吸収を有するチタニルフタロシアニンを電荷発生物質として含有する感光体と、露光光の波長が380〜420nmである露光手段と、除電光の波長が600〜850nmである除電手段とを備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記チタニルフタロシアニンが、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、そのブラッグ角(2θ±0.2°)で7.3°、9.4°、9.6°、27.2°に主ピークを有する結晶型チタニルフタロシアニンであって、9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大ピ−クであり、かつ、27.2°のピークが第2の最大ピークである結晶型チタニルフタロシアニンである画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記露光手段が、高印字解像度用の印刷用である画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記露光手段が、青色半導体レーザーである画像形成装置が提供される。
さらに、本発明によれば、前記除電手段が、赤色LEDである画像形成装置が提供される。
380〜420nmの波長域と600〜850nmの波長域に吸収を有するチタニルフタロシアニン感光体を用いることにより380〜420nmの波長の光で露光し、600〜850nmの光で残留電荷を除電することができる。さらに、露光光の波長を380〜420nmの短波長(青色光)とすることで、書込み光スポット径をより小さくできすなわち高解像度にできる。さらに、感光体への光の照射量の大半である除電光を600〜850nmの長波長光(赤色光)とすることで短波長光による感光体の光劣化を最小限にできる。その結果、長期に亘り、高印字解像度で画質劣化の少ない画像を得ることができる。
本発明の画像形成装置を説明する断面模式図 本発明に適用され得る感光体のCuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルを示す図 本発明に適用され得る感光体の吸光度特性を示す図 比較例に適用され得る感光体の吸光度特性を示す図
本発明で用いられる用語「高印字解像度」とは、いわゆる600dpi×1200dpi、1200dpi×1200dpi、1200dpi×2400dpiまたは2400dpi×2400dpi等の解像度を意味する。
また、本発明で用いられる用語「標準印字解像度」とは、いわゆる600dpi×600dpi等の解像度を意味する。
本発明による画像形成装置が備える感光体は、導電性支持体上に、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順で形成されている積層型感光体であってもよい。
また、本発明における積層型感光体は、導電性支持体上に、中間層と電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で形成されていてもよい。
また、本発明における積層型感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層とがこの順で形成されていてもよい。
さらに、本発明による積層型感光体は、導電性支持体上に、中間層と電荷発生層と電荷輸送層と保護層とがこの順で形成されていてもよい。
また、本発明による感光体は、導電性支持体上に、電荷発生物質および電荷輸送物質を含む感光層が形成されている単層型感光体であってもよい。なお、この単層型感光体は、前記の中間層および/または保護層を任意に有していてもよい。
導電性支持体
導電性支持体は、積層型感光体の電極としての機能と、支持部材としての機能とを有し、その構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる支持体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の形状は限定されず、シート状、円筒状、円柱状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
電荷発生層
電荷発生層は、波長380〜420nmの光および波長600nm〜850nmの光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を含有することを特徴とする。
すなわち、本発明者らは、近赤外領域と紫外領域の異なる波長の光線を吸収する特定の結晶構造を有するチタニルフタロシアニンが、紫外および近赤外領域の、それぞれ波長が異なる露光光および除電光のいずれに対しても電荷発生物質として機能することを見出した。
さらに詳細に説明すると、電荷発生物質として本発明で用いられるチタニルフタロシアニンは、図2に示すように、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、そのブラッグ角(2θ±0.2°)で7.3°、9.4°、9.6°、27.2°に主ピークを有する結晶型チタニルフタロシアニンであって、9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大ピ−クであり、かつ27.2°のピークが第2の最大ピークである結晶型チタニルフタロシアニンが好ましい。
すなわち、本発明者らは、本発明で用いられるチタニルフタロシアニンを含有する感光体が、380〜420nmおよび600〜850nmの異なる領域に光線の吸収帯を有しており、これらの吸収帯と、露光光波長および除電光波長とを一致させることができることを見出した。
なお、この吸収帯の位置はフタロシアニンの中心金属や結晶型により様々であり、本発明の結晶型チタニルフタロシアニン以外に、この位置にソーレー帯の吸収帯が存在する物質であれば本発明の画像形成装置に用いることができる。
電荷発生層は、結着性を向上させる目的でバインダ樹脂を含有していてもよい。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用でき、電荷発生物質との相溶性に優れるものが好ましい。
具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などが挙げられる。
共重合体樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などが挙げられる。バインダ樹脂はこれらに限定されるものではなく、この分野において一般に用いられる樹脂をバインダ樹脂として使用することができる。
これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダ樹脂の使用割合は、特に限定されないが、電荷発生物質100重量部に対して0.5〜2.0重量部程度である。
電荷発生層は、必要に応じて、ホール輸送物質、電子輸送物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などから選ばれる1種または2種以上を適量含んでもよい。
可塑剤、レベリング剤の配合により、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させることができる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
また、レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
電荷発生層は、公知の乾式法および湿式法により形成することができる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体上に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質および必要に応じてバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体の表面に、または導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に使用される溶剤としては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷発生物質を溶剤中に溶解または分散させる前に、電荷発生物質は、予め粉砕機によって粉砕処理されていてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などが挙げられる。
電荷発生物質を溶剤中に溶解または分散させるために、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどの分散機を用いることができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
電荷発生層用塗布液の塗布方法は、塗布液の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を適宜選択すればよく、例えば、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などが挙げられる。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に好適に用いることができる。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
塗膜の乾燥工程における温度は、使用した有機溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されないが、50〜140℃が適当であり、80〜130℃が特に好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化するおそれがある。
このような感光層の製造における温度条件は、感光層のみならず後述する中間層などの層形成や他の処理においても共通する。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下するおそれがある。また、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷移動が感光層表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下するおそれがある。
電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質としてアミン系化合物とバインダ樹脂とを含有する。
アミン系化合物の含有量は、電荷輸送層の5〜70重量%であるのが好ましい。
アミン系化合物の含有量が5重量%未満では、電荷を輸送することができず感度が低下するおそれがある。また、アミン系化合物の含有量が70重量%を超えると、膜強度が低下するおそれがある。
バインダ樹脂は、例えば、電荷輸送層の機械的強度、耐久性などを向上させる目的で、バインダ樹脂を含有していてもよい。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂の中で、波長380〜420nmの光を吸収しない透明な樹脂を使用でき、電荷発生層に含まれるものと同様の樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
バインダ樹脂の使用割合は、特に限定されないが、電荷輸送物質100重量部に対して50〜300重量部程度である。
電荷輸送層は、必要に応じて、ホール輸送物質、電子輸送物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などから選ばれる1種または2種以上を適量含んでもよい。
酸化防止剤、紫外線吸収剤の配合により、オゾン、窒素酸化物などの酸化性のガスに対する感光層の劣化を低減でき、かつ塗布液の安定性を向上させることができる。したがって、これらの配合は、感光体の最上層となる電荷輸送層において好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物およびアミン系化合物などが挙げられ、これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体およびこれらの混合物が特に好ましい。
酸化防止剤の含有量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましい。
酸化防止剤の含有量が0.1重量部未満では、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができないおそれがある。また、酸化防止剤の含有量が50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
電荷輸送層は、電荷発生層と同様に、電荷輸送層形成用塗布液を調製し、湿式法、特に浸漬塗布法により形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の調製に使用する溶剤としては、電荷発生層形成用塗布液の調製に使用するものと同様の溶剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
その他の工程やその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、5〜40μmが好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下し、出力画像のコントラストが低下するおそれがある。また、電荷輸送層の膜厚が100μmを超えると、感光体の生産性が低下するおそれがある。
また、電荷輸送層は、露光波長である波長380〜420nmと波長600nm〜850nmの両方の光を透過するのが好ましい。
中間層(下引き層)
本発明の感光体は、導電性支持体と積層型感光層との間に中間層を有するのが好ましい。
中間層は、導電性支持体から積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性支持体の表面を被覆する中間層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、積層型感光層の成膜性を高め、導電性支持体と積層型感光層との密着性を向上させることができる。
中間層は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて中間層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体上に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
樹脂材料としては、電荷発生層および電荷輸送層に含まれるものと同様のバインダ樹脂に加えて、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどの天然高分子材料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用できる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂が好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂が特に好ましい。
アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン;N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
樹脂材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグライム類;ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤;アセトン;ジオキソラン;これらの溶剤を2種以上混合した混合溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
また、中間層形成用塗布液は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子は、中間層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
中間層形成用塗布液における樹脂材料と金属酸化物粒子との合計重量Cと溶剤の重量Dとの比率(C/D)は、1/99〜40/60が好ましく、2/98〜30/70が特に好ましい。
また、樹脂材料の重量Eと金属酸化物粒子の重量Fとの比率(E/F)は、90/10〜1/99が好ましく、70/30〜5/95が特に好ましい。
中間層の膜厚は特に限定されないが、0.01〜20μmが好ましく、0.05〜10μmが特に好ましい。
中間層の膜厚が0.01μm未満では、中間層として実質的に機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面が得られないおそれがある。すなわち、導電性支持体からの積層型感光層への電荷の注入を防止することができなくなり、積層型感光層の帯電性の低下が生じる。また、中間層の膜厚が20μmを超えると、均一な中間層を形成し難く、また中間層上に均一な積層型感光層を形成し難くなり、感光体の感度が低下するおそれがある。
なお、導電性支持体の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、中間層とすることができる。
保護層
本発明の感光体は、積層型感光層上に保護層を有していてもよい。
保護層は、感光体の耐久性を向上させる機能を有し、バインダ樹脂からなり、電荷輸送層に含まれるものと同様の電荷輸送物質の1種または2種以上を含有していてもよい。
バインダ樹脂は、電荷発生層および電荷輸送層に含まれるものと同様のバインダが挙げられる。
保護層は、例えば、バインダ樹脂を適当な溶剤に溶解させて保護層形成用塗布液を調製し、この塗布液を積層型感光層上に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
保護層の膜厚は特に制限されないが、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
保護層の膜厚が0.5μm未満では、感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性が不十分になるおそれがある。また、10μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
また、表面保護層は、露光波長である波長380〜420nmと波長600〜850nmの両領域の光を透過する必要がある。
本発明の画像形成装置は、本発明の積層型感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記感光体を波長380〜420nmで露光して静電潜像を形成する露光手段と、感光体のクリーニング後に、感光体表面に残留する静電潜像を除くために波長600〜850nmで除電する除電手段とを備えることを特徴とする。
露光手段
本発明による画像形成装置において、露光手段として用いられ、波長380〜420nmの露光光光源としては青色レーザーダイオードが好適に用いられる。
より具体的には、上記の光源として、シャープ株式会社製の青色レーザーダイオードGH04020B2AEおよびGH04020A2GEがあげられる。
除電手段
また、本発明による画像形成装置において、除電手段として用いられる600〜850nmの除電光光源としては、ハロゲンランプ、ヒューズ球等のランプ球;蛍光灯等の放電管ランプ;LEDランプ等の半導体デバイス;あるいは、EL発光素子等の各種の発光デバイスが使用可能である。
小型化あるいは低消費電力と低発熱の観点から、特にLEDなどの省電力デバイスが好ましい。
上記の省電力デバイスであるLEDとしては、例えば、シャープ株式会社製LEDの中でも、HDシリーズ、Dシリーズ、TRシリーズ、Tシリーズ、URシリーズ、Uシリーズ、PRシリーズ、Pシリーズ等のLEDが挙げられる。
これらの発光素子を複数個、感光体軸方向にライン状に配設したライン状光源とし直接感光体面上を照射するように構成しても良いし、あるいは、1個または複数個の発光素子からの光を導光体等によって、感光体表面へ導光されるように構成してもよい。
また、所望の波長すなわち600nm以上の光となるように光源と感光体表面との間の光路中にバンドパスフィルターを設けた構成でもよいし、あるいは、感光体表面上で均一な光量分布となるように拡散フィルタ等を設けた構成でもよい。
次に実施例に供する画像形成装置について、図を用いながら説明する。
図1は、画像形成装置10の構成を示している。同図に示すように、画像形成装置10は、画像読取装置60(図示せず)にて読み取られた画像の記録出力はもとより、パーソナルコンピュータ等の外部接続機器が接続されると、この外部接続機器からの画像データを記録出力するものである。
画像形成装置10は、感光体ドラム3を中心に画像形成プロセスの各機能を担う各プロセスユニットが配置されている。感光体ドラム3の周囲には、感光体ドラム3表面を均一に帯電させる帯電手段5と、均一に帯電された感光体ドラム3上を露光走査して静電潜像を書き込む露光手段として機能する光走査ユニット11と、光走査ユニット11により書き込まれた静電潜像を現像剤補給容器7から供給される現像剤により顕像化する現像ユニット2と、感光体ドラム3上に顕像化された画像を用紙上に転写する転写手段6と、感光体ドラム3上に残留した現像剤を除去して感光体ドラム3上に新たな画像を記録することを可能にするクリーニングユニット4と、感光体ドラム3表面の電荷を除去する除電手段として機能する除電ランプユニット12等が順次配置されている。
また、用紙搬送路上における、感光体ドラム3および転写手段6の間に位置する転写位置の上流側には、所定のタイミングで用紙を転写位置に案内するレジストローラ14が配置されている。一方、用紙搬送路上における転写位置の下流側には、用紙上に付着した未定着の現像剤像を用紙上に定着させる定着装置8が配置されている。
画像形成装置10の下部には、画像形成装置10本体内に内装された用紙供給トレイ94が配置されており、用紙供給トレイ94近傍に用紙供給トレイ94内に収容される最上位の用紙を分離して用紙搬送路に導くピックアップローラ16が配置されている。
用紙供給トレイ94は、用紙を収容する用紙収容トレイであり、用紙供給トレイ94に収容された用紙が1枚ずつ分離され、画像形成部に供給される。用紙供給トレイ94からピックアップローラ16により1枚ずつ分離供給された用紙は、用紙搬送路上においてレジストローラ14により感光体ドラム3の周囲で行われる画像形成プロセスの動作とのタイミングが計られ、転写手段6と感光体ドラム3との間の転写位置に順次供給される。
この転写位置において、感光体ドラム3上に形成された現像剤像が転写手段6の転写電圧により用紙上に転写される。なお、この用紙供給トレイ94への用紙の補給は、画像形成装置10の正面から用紙供給トレイ94を引き出して行う。また、画像形成装置10の下面には、図示はしない周辺機器として準備されている多段の用紙供給トレイを有する用紙供給装置、および、大量の用紙を収容可能とした用紙供給装置から送られてくる用紙を受け入れ、画像形成部に向かって順次供給するための用紙受口17(17a〜17c)が設けられている。
転写位置を通過した用紙の定着装置8に導かれる。定着装置8では、画像が転写された用紙が順次受け入れられ、定着ローラ81と加圧ローラ82等により熱と圧力により用紙上に転写された未定着の現像画像が定着される。画像が記録された用紙は、搬送ローラ25によりさらに用紙搬送路の下流側に搬送され、切換えゲート9に導かれる。
この画像形成装置は、市販のシャープ(株)製複写機、AR−625Sを改造したもので、光走査ユニット11を取り替えることにより、種々の波長のレーザー光による書き込み露光が行えるようになっている。また、同様に除電ランプユニット12を取り替えることにより、種々の波長の除電光による除電が行えるようになっている。
次に、実施例で用いるチタロフタロシアニンの製造例とこれを含む感光体である.感光体Aについて説明する。
製造例1
チタロフタロシアニンの製造
ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、チタニウムテトライソプロポキシド17.0gを加え、窒素雰囲気下に140℃で2時間反応させた。放冷した後析出物を濾取し、クロロホルムで洗浄、2%の塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥して、以下:
Figure 0004790047
の構造式で表されるチタニルフタロシアニン25.5g(収率88.5%)を得た。
得られたチタロフタロシアニンが、図2に示すように、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、そのブラッグ角(2θ±0.2°)で7.3°、9.4°、9.6°、27.2°に主ピークを有し、9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大ピ−クであり、かつ27.2°のピークが第2の最大ピークである結晶型チタニルフタロシアニンであり、また、図3に示すように、380〜420nmの波長域と600〜850nmの波長域に吸収を有するチタニルフタロシアニンであることを確認した。
製造例2
感光体Aの製造
以下に記載の方法に従って感光体Aを作成した。
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)3重量部および市販のポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、下引き層形成用塗工液3kgを調製した。得られた下引き層用塗布液を、切削加工(JISB−0601規定の十点表面粗さRzJIS:0.80μmに加工)後、表面洗浄した直径:80mm、長さ:348mmのアルミニウム製導電性基持体に浸漬塗布法により塗布し、膜厚1μmの下引き層を形成した。
上記の製造例1で得られたチタニルフタロシアニン1重量部およびブチラール樹脂(商品名:BM−2、電気化学工業(株)製)1重量部をメチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層形成用塗工液3kgを調製した。この電荷発生層形成用塗工液を、下引き層形成の場合と同様の方法で下引き層表面に塗布し、自然乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として、以下:
Figure 0004790047
の構造を有するトリフェニルアミン系化合物(TPD)(商品名:D2448、東京化成工業株式会社製)100重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成社製)150重量部、シリコンオイルSH200(東レ・ダウコーニング社製)0.02重量部を混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分25重量%の電荷輸送層形成用塗工液3kgを調製した。この電荷輸送層形成用塗工液を浸漬塗布法により、先に設けた電荷発生層表面に塗布し、120℃で1時間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。このようにして積層型感光体である感光体Aを作製した。
製造例3
感光体Bの製造
上記の製造例2における感光体Aの製造方法において、電荷発生物質として使用したチタニルフタロシアニンの代わりに、図4に示す吸光度を有するジブロモアンサンスロン(ZENECA limited (ゼネカ社)、型番:D01148)を使用した以外は、製造例2と全く同様にして、感光体Bを作成した。
実施例1
製造例2で作成した感光体Aと先に説明した画像形成装置10とを組み合わせて構成した実施例1について説明する。
感光体Aを次のように設定した画像形成装置10に組み込んだ。光走査ユニット11を波長405nmのレーザー光を用いさらに光学系を1200dpi対応した光走査ユニットにし、かつ、除電ランプユニット12は、AR−625Sオリジナルの赤色光のままとした画像形成装置10に感光体Aを組み込んだ。このとき、最大露光光光量としては、感光体Aの明電位が−60V±5Vとなる光量に調整した。
また、除電光光量としては、AR−625S機のオリジナルの光量である。このようにして、画像形成装置を構成し、印字画像を出力し耐久評価テストを実施した。初期的にはもちろん高精細な良好な画像が得られ、その後枚数を重ねても約125k枚までは高精細で良好な画像を得ることができた。さらにその後、多少の画像劣化はしたものの200k枚まで許容レベルの画像を得ることができた。その結果を、表1に示す。
表1には、本実施例と比較のため、本実施例1と同じ感光体Aを使用し、画像形成装置10の露光条件、除電条件を変えた比較例1〜3および、本実施例とは異なる感光体(製造例3記載の感光体B)を用いた比較例4〜7の結果もあわせて記してある。比較例1〜7について以下に説明する。
比較例1
光走査ユニット11には実施例1と同じ光走査ユニット(波長405nm、1200dpi)を用い、除電ランプユニット12には青色LED(日亜化学工業株式会社製、NS4C107T)を並べて実装した除電ランプユニットを用いた画像形成装置10に感光体Aを組み込んだ。最大露光光光量は実施例1と同じ光量に調整し、また、除電光光量は、感光体表面位置上での光量がAR−625S機オリジナルの除電光と同じ光量に調整した画像形成装置を作成した。
比較例2
光走査ユニット11は波長780nm、標準画像用として600dpiであるAR−625Sオリジナルの光走査ユニットで、除電ランプユニット12は比較例1と同じ除電ランプユニット(青色光)にした画像形成装置10に感光体Aを組み込んだ。最大露光光量は実施例1と同様に感光体Aの明電位が−60V±5Vとなる光量に調整し、また、除電光光量は比較例1と同じ光量に調整した画像形成装置を作成した。
比較例3
光走査ユニット11は比較例2と同じ光走査ユニット(波長780nm、600dpi)で、除電ランプユニット12は実施例1と同じ除電ランプユニット(AR−625S機オリジナルの赤色光)にした画像形成装置10に感光体Aを組み込んだ。最大露光光光量は比較例2と同じ光量に調整し、また、除電光光量は実施例1と同じ光量に調整した画像形成装置を作成した。
比較例4
光走査ユニット11は実施例1と同じ光走査ユニット(波長405nm、1200dpi)で、除電ランプユニット12は実施例1と同じ除電ランプユニット(赤色光)にした画像形成装置10に.感光体Bを組み込んだ。最大露光光量は実施例1と同様に感光体Bの明電位が−60V±5Vとなる光量に調整し、また、除電光光量は実施例1と同じ光量に調整した画像形成装置を作成した。
比較例5
光走査ユニット11は実施例1と同じ光走査ユニット(波長405nm、1200dpi)を用い、除電ランプユニット12は比較例1と同じ除電ランプユニット(青色光)にした画像形成装置10に感光体Bを組み込んだ。最大露光光光量は比較例4と同じ光量に調整し、また、除電光光量は比較例1と同じ光量に調整した画像形成装置を作成した。
比較例6
光走査ユニット11は比較例2と同じ光走査ユニット(波長780nm、600dpi)で、除電ランプユニット12は比較例1と同じ除電ランプユニット(青色光)にした画像形成装置10に感光体Bを組み込んだ。除電光光量は比較例1と同じ光量に調整し、次いで、最大露光光光量を実施例1と同様に.感光体Bの明電位が−60V±5Vとなる光量に調整しようとしたが、光量を他の比較例1から6あるいは実施例1に比べて十二分に高く設定しても、明電位は暗電位からほとんど落ちず、−60V付近にすることはできなかった。
すなわち、この画像形成装置では、初期から良好な画像を得ることはできなかった。
比較例7
光走査ユニット11は比較例2と同じ光走査ユニット(波長780nm、600dpi)で、除電ランプユニット12は実施例1と同じ除電ランプユニット(赤色光)にした画像形成装置10に感光体Bを組み込んだ。除電光光量は実施例1と同じ光量に調整した。最大露光光光量を実施例1と同様に感光体Bの明電位が−60V±5Vとなる光量に調整しようとしたが、比較例6と同様に光量を十二分に高く設定しても、明電位は暗電位からほとんど落ちなかった。
すなわち、この画像形成装置では、初期から良好な画像を得ることはできなかった。
各画像形成装置の評価
前記の実施例1および比較例1〜7で作成した画像形成装置を用いて、耐久テストを実施した結果を以下の表に示す。
なお、各実施例および比較例で作成した画像形成装置は、評価に示す評価基準に従って評価した。
VG: 印刷物の濃度も十分で、かすれやガサツキ、キズ等の画像欠陥がなく、良好な
画像が得られ、かつ解像度の高い高精細で、極めて優れた画像が得られた;
G: 印刷物の濃度も十分で、かすれやガサツキ、キズ等の画像欠陥がなく、優れた
画像が得られた;
NB: 印刷物において多少の濃度低下、あるいは、かすれやキズも注意して見ないと
分からない(一見して問題のない)レベルであり十分許容レベルであり、質が
悪くない画像が得られた;
B: 印刷物全体を一目見て、濃度低下やかすれ、キズ等の画像欠陥、あるいはゴー
ストメモリ等の問題がわかり、質が悪い画像が得られた;
VB: Bよりさらに状態が悪く、重大な画像不良が発生し、質が極めて悪い画像が得
られた。
Figure 0004790047
波長405nm付近および、波長780nm付近に十分な感度のある感光体Aを用いた実施例1および比較例1〜3では、初期的にはいずれの条件でも良好な画像を得ることができた。
特に、露光光を405nmにした実施例1と比較例1では、比較例2、3に比べより高い解像度の画像まで精細に再現された良好な画像を得ることができた。
さらに繰り返し画像形成を行ない、耐久評価を行ったところ、除電光に青色光を用いた比較例1および2では、75k枚で画像レベルが悪化し、100k枚以降急激に画像が悪くなった。
また、200kテスト終了後、感光体を確認したところ、表面が変質してしまっていた。
一方、除電光に赤色光を用いた実施例1および比較例3では、125k枚でも初期レベルの良好な画像であり、その後、初期よりも画像レベルは落ちるものの、画像として許容レベルを200k枚まで維持した。
また、200k枚後の感光体も、表面は磨耗し細かいキズは見られるものの、感光体そのものが変質しているというようなことはなかった。
比較例4〜7では波長405nm付近には十分な感度があるものの、780nm付近には十分な感度のない感光体Bを用いた。
まず、露光光を780nmにした比較例6および7では、帯電電荷(暗電位)を十分に打ち消すだけの感度が得られず、すなわち、露光しても暗電位はほとんど下がらず、その結果、濃度のある画像はでず、画像として認識できる印刷物を得ることはできなかった。
露光光を405nm、除電光を赤色光にした比較例4では濃度のでた画像は取れるものの、除電により帯電工程前に露光、転写で生じた帯電電荷のメモリを除電すなわち消去できず、初期からメモリゴーストのひどい画像となり、やはり、まともな画像は取ることができなかった。
露光光を405nm、除電光を青色光にした比較例5では、初期的には高解像度の精細な良好画像を得ることができた。しかしながら、75k枚で画像レベルが悪化し100k枚以降、急激に画像が悪くなった。
さらに、200kテスト終了後、感光体を確認したところ、感光体表面が変質してしまっていた。
これらの結果を再度、以下の表にまとめる。
Figure 0004790047
すなわち、チタニルフタロシアニン感光体を用い、露光光を青色波長にし、除電光を赤色波長にすることにより、高解像度でかつ高耐久な画像形成装置を得ることができた。
本発明によれば、380〜420nmの波長域と600〜850nmの波長域に吸収を有するチタニルフタロシアニン感光体を用いることにより、380〜420nmの波長の光で露光し、600〜850nmの光で残留電荷を除電することができる。さらに、露光光の波長を380〜420nmの短波長(青色光)とすることで、書込み光スポット径をより小さくできすなわち高解像度にできる。さらに、感光体への光の照射量の大半である除電光を600〜850nmの長波長光(赤色光)とすることで短波長光による感光体の光劣化を最小限にできる。その結果、長期に亘り、高印字解像度で画質劣化の少ない画像を得ることができる。
10:画像形成装置
2:現像ユニット
3:感光体ドラム
4:クリーニングユニット
5:帯電手段
6:転写手段
7:現像剤補給容器
8:定着装置
9:切換えゲート
11:光走査ユニット
12:除電ランプユニット
14:レジストローラ
16:ピックアップローラ
17(17a〜17c):用紙受口
25:搬送ローラ
81:定着ローラ
82:加圧ローラ
94:用紙供給トレイ

Claims (4)

  1. 380〜420nmの波長域と600〜850nmの波長域に2つの吸収ピークを有し、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、そのブラッグ角(2θ±0.2°)で7.3°、9.4°、9.6°、27.2°に主ピークを有する結晶型チタニルフタロシアニンであって、9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大ピ−クであり、かつ、27.2°のピークが第2の最大ピークであるチタニルフタロシアニンを電荷発生物質として含有する感光体と、露光光の波長が380〜420nmである露光手段と、除電光の波長が600〜850nmである除電手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記露光手段が、高印字解像度用の印刷用である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記露光手段が、青色半導体レーザーである請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記除電手段が、赤色LEDである請求項1〜のいずれか一つに記載の画像形成装置。
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