JP5409119B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
電子写真装置では、以下のような電子写真プロセスを経て画像が形成される。
まず、装置に備わる電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)の感光層を帯電器によって所定の電位に一様に帯電させた後、露光手段から画像情報に応じて照射されるレーザー光などの光によって露光して静電潜像を形成する。次いで、形成された静電潜像に対して現像手段から現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を付着させることによって静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。次いで、形成されたトナー画像を転写手段によって感光体の表面から記録紙などの転写材上に転写し定着手段によって定着させて、転写材に所望の画像を形成する。
有機系感光体は、感度、耐久性および使用環境に対する安定性などに若干の問題を有するが、毒性、製造原価および材料設計の自由度、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成できるなど、無機系感光体に比べての多くの利点を有している。
このことから、露光用光源としてレーザーを備えた画像形成装置に用いられる感光体の感光層を構成する電荷発生物質としては、長波長領域の光を吸収して感度を有する有機化合物、特にフタロシアニン顔料が開発されてきた。
記録密度の高い、高解像度の画質を達成するひとつの手段として、レーザービームのスポット径を絞り、書込み密度を高める、光学的な方法が挙げられる。
そこで使用するレンズの焦点距離を短くすればよいが光学系の設計上の難しさに加え、800nm付近の近赤外域に発振波長を持つレーザーでは、光学系の操作でビーム径を細くしてもスポット輪郭の鮮明さが得られ難いという問題がある。その原因はレーザー光の回折限界にあり、これは避けることのできない現象である。
D=1.22λ/NA
この式によれば、スポット径Dはレーザー光の発振波長に比例するので、スポット径Dを小さくするには発振波長の短いレーザーを用いればよいことが判る。
つまり、現在主流の近赤外半導体レーザーに代えて、青色半導体レーザーを用いれば、さらなる高解像度の画質が実現できることが判る。
すなわち、光エネルギーEは
E = h × c/λ
(式中、hはプランク定数、cは光の速度、λは波長を意味する)
で表され、光のエネルギーは波長によって決定される。
また、電子写真感光体に用いられる電荷発生物質は分子内に共役系構造を有し紫外光を吸収するものが多い。
従って、従来の近赤外半導体レーザー光を用いるデジタル複写機や可視光を用いるアナログ複写機に比べ青色半導体レーザーを用いる画像形成装置用の感光体は強い光エネルギーにさらされて劣化が急速に進むことになる。
このため、高解像度を実現できるものの寿命が短いのが欠点である。
具体的な事例としては、青色レーザー光による小さいスポット径と近赤外レーザー光による大きなスポット径を重ねて露光することによって低濃度域から高濃度域まで広い濃度調整範囲を実現する方法(特許文献2:特開2008−281963)、
初期は専ら赤色レーザー光を用い、感光体が劣化してきた後半は青色レーザー光を重ねて露光して明部電位を一定に保つ方法(特許文献3:特開2008−281964)等がある。
しかしながら、電荷発生物質に用いる有機顔料は構造により吸収波長が様々であり、短波長域(400nm付近)に吸収を有する有機顔料としてはアンサンスロン、ペリレン、ペリノン等が用いられ、赤色(660nm)付近に吸収を有する有機顔料としてはアゾ顔料等が用いられ、また、近赤外域(780nm)付近に吸収を有する有機顔料としてはフタロシアニン顔料が用いられる。
したがって、近赤外領域および紫外領域の2波長の露光に対応するためには、上記の異なる波長領域に吸収を有する有機顔料を混合したり積層構造にしたり適宜組み合わせて用いなければならない。
すなわち、ヘモグロビンやフタロシアニンなどポルフィルン環を有する物質は一般にQ帯という500〜700nm付近の広い吸収帯と、短波長側にソーレー帯という400〜500nm付近の狭い吸収帯を有している。
一般に、Q帯は近赤外レーザー用感光体の電荷発生に用いられている帯域である。
例えば、特許文献4(特開2004−45996)にはソーレー帯に対する光で除電を行う技術が開示されているが、極大吸収波長が350nmであり、青色半導体レーザーの405nmの露光に対しては効率よく電荷発生を行うことができない。
そこで、本発明は、長期間の繰り返し使用に対しても、機械的な耐久性を有し、かつ高印字解像度の印刷用である画像形成装置を提供することを課題とする。
また、本発明によれば、前記第1露光手段が、波長380〜420nmを有する青色半導体レーザーである画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記第1露光手段が、窒化ガリウム系材料を光源とする画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記第2露光手段が、波長600〜850nmを有する赤色半導体レーザーである画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記第2露光手段が、ガリウム−砒素(Ga−As)系材料を光源とする画像形成装置が提供される。
また本発明によれば、通常は近赤外レーザーを用いた従来の解像度で標準印字解像度の印刷を行い、高精細画像が必要とされる場合だけ青色レーザー光を用い高解像度露光を行い、高印字解像度の印刷することにより、高印字解像度の印刷、すなわち高精細画像形成を可能にし、かつ感光体の長寿命化を可能にする本発明の画像形成装置が提供される。
また、本発明で用いられる用語「標準印字解像度」とは、いわゆる600dpi×600dpi等の解像度を意味する。
図1の積層型感光体20aは、導電性支持体13a上に、電荷発生層11aと電荷輸送層12aとがこの順で形成されている。
図2の積層型感光体20bは、導電性支持体13b上に、中間層14bと電荷発生層11bと電荷輸送層12bとがこの順で形成されている。
図3の積層型感光体20cは、導電性支持体13c上に、電荷発生層11cと電荷輸送層12cと保護層15cとがこの順で形成されている。
図4の積層型感光体20dは、導電性支持体13d上に、中間層14dと電荷発生層11dと電荷輸送層12dと保護層15dとがこの順で形成されている。
導電性支持体は、積層型感光体の電極としての機能と、支持部材としての機能とを有し、その構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる支持体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
電荷発生層は、波長380〜420nmの光および波長600nm〜850nmの光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を含有することを特徴とする。
すなわち、本発明者らは、近赤外領域と紫外領域の異なる波長の光線を吸収する特定の結晶構造を有するチタニルフタロシアニンが、近赤外および紫外領域の波長が異なる2波長の露光のいずれに対しても電荷発生物質として機能することを見出した。
なお、この吸収帯の位置はフタロシアニンの中心金属や結晶型により様々であり、本発明の結晶型チタニルフタロシアニン以外に、この位置にソーレー帯の吸収帯が存在する物質であれば本発明の画像形成装置に用いることができることは言うまでもない。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用でき、電荷発生物質との相溶性に優れるものが好ましい。
バインダ樹脂の使用割合は、特に限定されないが、電荷発生物質100重量部に対して0.5〜2.0重量部程度である。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
また、レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体上に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質および必要に応じてバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体の表面に、または導電性支持体上に形成された中間層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
電荷発生物質を溶剤中に溶解または分散させるために、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどの分散機を用いることができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に好適に用いることができる。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化するおそれがある。
このような感光層の製造における温度条件は、感光層のみならず後述する中間層などの層形成や他の処理においても共通する。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下するおそれがある。また、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷移動が感光層表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下するおそれがある。
電荷輸送層12aは、電荷輸送物質としてアミン系化合物とバインダ樹脂とを含有する。
アミン系化合物の含有量は、電荷輸送層の5〜70重量%であるのが好ましい。
アミン系化合物の含有量が5重量%未満では、電荷を輸送することができず感度が低下するおそれがある。また、アミン系化合物の含有量が70重量%を超えると、膜強度が低下するおそれがある。
バインダ樹脂としては、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂の中で、波長380〜420nmの光を吸収しない透明な樹脂を使用でき、電荷発生層に含まれるものと同様の樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
バインダ樹脂の使用割合は、特に限定されないが、電荷輸送物質100重量部に対して
50〜300重量部程度である。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物およびアミン系化合物などが挙げられ、これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体およびこれらの混合物が特に好ましい。
酸化防止剤の含有量が0.1重量部未満では、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果を得ることができないおそれがある。また、酸化防止剤の含有量が50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
電荷輸送層形成用塗布液の調製に使用する溶剤としては、電荷発生層形成用塗布液の調製に使用するものと同様の溶剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
その他の工程やその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下し、出力画像のコントラストが低下するおそれがある。また、電荷輸送層の膜厚が100μmを超えると、感光体の生産性が低下するおそれがある。
本発明の感光体は、図2および図4のように、導電性支持体と積層型感光層との間に中間層14b、14dを有するのが好ましい。
中間層は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて中間層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体上に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
また、中間層形成用塗布液は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子は、中間層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
また、樹脂材料の重量Eと金属酸化物粒子の重量Fとの比率(E/F)は、90/10〜1/99が好ましく、70/30〜5/95が特に好ましい。
中間層の膜厚が0.01μm未満では、中間層として実質的に機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面が得られないおそれがある。すなわち、導電性支持体からの積層型感光層への電荷の注入を防止することができなくなり、積層型感光層の帯電性の低下が生じる。また、中間層の膜厚が20μmを超えると、均一な中間層を形成し難く、また中間層上に均一な積層型感光層を形成し難くなり、感光体の感度が低下するおそれがある。
なお、導電性支持体の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、中間層とすることができる。
本発明の感光体は、図3および図4のように、積層型感光層上に保護層を有していてもよい。
保護層は、感光体の耐久性を向上させる機能を有し、バインダ樹脂からなり、電荷輸送層に含まれるものと同様の電荷輸送物質の1種または2種以上を含有していてもよい。
バインダ樹脂は、電荷発生層および電荷輸送層に含まれるものと同様のバインダが挙げられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
保護層の膜厚が0.5μm未満では、感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性が不十分になるおそれがある。また、10μmを超えると、感光体の解像度が低下するおそれがある。
また、表面保護層は、露光波長である波長380〜420nmと波長600nm〜850nmの両領域の光を透過する必要がある。
図5の画像形成装置(レーザープリンタ)100は、本発明の感光体1と、露光手段(半導体レーザー)31と、帯電手段(帯電器)32と、現像手段(現像器)33と、転写手段(転写帯電器)34と、搬送ベルト(図示せず)と、定着手段(定着器)35と、クリーニング手段(クリーナ)36とを含んで構成される。符号39は転写紙を示す。
露光手段31は、青色半導体レーザーを光源として備え、光源から出力されるレーザービームの光を、帯電器32と現像器33との間の単層型感光体1の表面に照射することによって、帯電された単層型感光体1の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光は、主走査方向である単層型感光体1の回転軸線44の延びる方向に繰返し走査され、これらが結像して感光体1の表面に静電潜像が順次形成される。すなわち、帯電器32により均一に帯電された感光体1の帯電量がレーザービームの照射および非照射によって差異が生じて静電潜像が形成される。
また、その青色半導体レーザーは、窒化ガリウム系材料を用いるものが好ましく、また近赤外半導体レーザーは、Ga−As系材料を用いるものが好ましい。
さらに除電手段30が設けられていてもよい。この場合、除電光の波長が600nm〜850nmであることが好ましい。該波長領域の光を除電光として用いることにより、露光による感光体の劣化を抑えることができるというメリットを有するからである。
また、符号37は、転写紙39と感光体1とを分離する分離手段を示し、符号38は、画像形成装置の各手段を収容するハウジング(ケーシング)を示す。
まず、感光体1が駆動手段によって矢符41方向に回転駆動されると、露光手段31による光の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられる帯電器32によって、感光体1の表面が正の所定電位に均一に帯電される。
露光手段31による光の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられる現像器33から、静電潜像の形成された感光体1の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
トナー像の転写された転写紙39は、搬送手段によって定着器35に搬送され、定着器35の加熱ローラ35aと加圧ローラ35bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙39に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙39は、搬送手段によって画像形成装置100の外部へ排紙される。
レーザービーム45Lと、反射ミラー50を経たレーザービーム46Lとは、ハーフミラー49によって同一光路に合成されて、光偏向器51に入射する。レーザービーム45Lは、半導体レーザー45から出力されて、コリメータレンズ47により平行光に変換され、レーザービーム46Lは、半導体レーザー46から出力されて、コリメータレンズ48により平行光に変換される。
結像光学系52は、複数のレンズで構成されてf−θ特性を付与され、平行光のレーザービーム45L、46Lを、感光ドラム1の表面に結像させて同一露光点に選択的に露光スポットを形成する。
これにより、感光ドラム2の表面は、レーザービーム45Lまたはレーザービーム46Lにより選択的に走査露光される。
なお、電荷発生物質の吸光度は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、実施例および比較例において積層型感光体と同時に作製した電荷発生層だけをガラス板上に塗布した吸光度測定サンプルを使用した。
本発明で用いられるチタニルフタロシアニンを特許第3569422号に記載の方法に従って調製した。
すなわち、o−フタロジニトリル40gと4塩化チタン18g、α−クロロナフタレン500mlを窒素雰囲気下200〜250℃で3時間加熱撹拌し、100〜130℃まで放冷後、熱時ろ過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄してジクロロチタニウムフタロシアニン粗生成物を得た。この粗生成物を室温にてα−クロロナフタレン200ml、ついでメタノール200mlで洗浄後、さらにメタノール500ml中で1時間熱時懸濁洗浄した。ろ取した粗生成物を濃硫酸100ml中で撹拌し、溶解させた後、不溶物をろ別した。ろ液を水3000ml中に注ぎ、析出した結晶をろ取し、水500ml中で、pHが6〜7になるまで、熱時懸濁洗浄を繰り返し、ろ取し、ウェットケーキをジクロロメタンで処理し、メタノールで洗浄した後、乾燥して、図7に示すX線回折スペクトルを示し、以下の構造式:
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)9重量部と共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて12時間分散処理し、中間層形成用塗布液(3kg)を調製した。
得られた中間層用塗布液を、浸漬塗布法により、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に塗布し、膜厚1μmの中間層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として、以下に示す:
このようにして、図2に示される導電性支持体上に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された本発明の積層型感光体を作製した。
なお、1200dpiは青色半導体レーザー(GH04125A2AE:シャープ社製)を用いた光学系、600dpiは近赤外半導体レーザー(GH07825C2K:シャープ社製)を用いた光学系により露光した。
最後まで、画像は良好であった。
実施例1と同様に感光体を作製し、10万枚をすべて1200dpiの解像度で青色レーザーだけ使用し画像評価を行った。
最終画像は画像濃度が薄くなった。感光体が劣化し、感度が低下し、残留電位が上昇したためと考えられる。
11a、11b、11c、11d 電荷発生層
12a、12b、12c、12d 電荷輸送層
13a、13b、13c、13d 導電性支持体
14b、14d 中間層(下引き層)
15c、15d 保護層
30 除電手段
31 露光手段(半導体レーザー)
32 帯電手段(帯電器)
33 現像手段(現像器)
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写手段(転写帯電器)34
35 定着手段(定着器)
35a 加熱ローラ
35b 加圧ローラ
36 クリーニング手段(クリーナ)
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
37 分離手段
38 ハウジング(ケーシング)
39 転写紙
40、41、42、43 矢符
44 回転軸線
45、46 半導体レーザー
45L、46L レーザービーム
47、48 コリメータレンズ
49 ハーフミラー
50 反射ミラー
51 光偏光器
52 結像光学系
100 画像形成装置(レーザープリンタ)
Claims (5)
- 像担持体の表面を露光する第1露光手段と、第1露光手段よりも露光スポットサイズが大きく、前記像担持体の表面を露光する第2露光手段とを少なくとも有し、前記第1露光手段の第1波長が、前記第2露光手段の第2波長よりも短い画像形成装置において、前記像担持体が、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層であり、前記電荷発生物質が、分光感度が前記第1波長と前記第2波長の双方に感度を有する単一の電荷発生物質であり、
前記第1露光手段が、高印字解像度の印刷用である波長380〜420nmを有する青色半導体レーザーであり、
第2露光手段が、標準印字解像度の印刷用である波長600〜850nmを有する赤色半導体レーザーであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記電荷発生物質が、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにおいて、そのブラッグ角(2θ±0.2°)で7.3°、9.4°、9.6°、27.2°に主ピークを有する結晶型チタニルフタロシアニンであって、9.4°と9.6°の重なったピーク束が最大ピ−クであり、かつ、27.2°のピークが第2の最大ピークである結晶型チタニルフタロシアニンである請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1露光手段が、窒化ガリウム系材料を用いた光源とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記第2露光手段が、ガリウム−砒素系材料を用いた光源とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、感光体表面の電荷を除去するための光除電手段を有し、該除電手段の波長が600nm〜850nmである請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
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2009
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