JP4789434B2 - 密閉型電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー溶接によって封口される密閉型電池に関し、特に溶接強度の向上と電池内圧の上昇に起因する電池膨張を抑制する技術に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化・高エネルギー密度化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として好都合である。このうち小型の角型電池は、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の機器への装着性がよいので広く使用されているが、このような小型の角型電池は、角型外装缶の開口部に角型の封口板を嵌合し、その嵌合面をレーザー溶接することにより密閉されている。
ところで、非水電解質二次電池は、電解液に有機溶媒を使用しているので、電池を高温条件下(約85℃)で使用すると、上記有機溶媒が揮発し電池の内圧を高めるため、電池が膨張する。電子機器内に実装された電池が膨張すると、その周囲に配置されている電子回路等を破壊するので、このような電池膨張を最小限に止める必要がある。
このために、外装缶材料としては強度の強い材料が用いられ、封口板材料としては、加工性に優れた柔らかい材料が用いられている。なぜなら、封口板には、電解液を外装缶内に注液する注液孔や、電池異常時に発生するガスを電池外に放出するためのガス抜き弁等を設ける必要があるためである。
また、電池のさらなる軽量化を図るために、上記両材料ともに比重が小さいアルミニウム系の材料が用いられている。
従来のレーザー溶接法についてさらに説明する。従来の角型電池は、図6及び図7に示すように、外装缶の開口部に封口板を嵌合させ、外装缶開口部と封口板周縁部2eとの高さを合わせた後、嵌合面にレーザーを照射して溶接していた。これは、外装缶開口部と封口板周縁部との間に高さのずれがあると、レーザーの焦点距離がずれる結果、溶接深さが小さくなり、十分な溶接強度が得られないからである。
しかし、図7に示すような従来の溶接方法では、溶接部位の高さ合わせを適正に行った場合であっても、十分な溶接強度が得られず、電池落下時に溶融凝固部にクラック(ひびわれ)が生じる等の問題があった。
さらに、封口板は外装缶の膨張を抑制するように機能するものであるが、外装缶と封口板との溶接力が十分でないと、封口板の膨張抑制効果が弱くなるので、電池膨張が更に大きくなるという問題があった。
このような問題を解決するための技術としては、例えば下記特許文献1,2が挙げられる。
特開2000−268781号公報(第2−4頁) 特開平7−272701号公報(第2−4頁)
上記特許文献1の技術は、溶接箇所である封口板の外周から封口板中央部への直線的な伝熱経路をなくすために、封口板の表面側に外周側よりも中央側の方が厚み方向に窪んだ段差部を、封口板の外周に沿って設けることを内容とする技術である。この技術によると、溶接箇所から封口板中央部への放熱が低減され、溶接箇所に発生する熱応力が低減されるので、レーザー照射のエネルギーを低くしてもクラックの発生率を低く抑えることができる。しかしながら、この技術では、外装缶と封口板の材料が異なる場合に十分な溶接強度が得られないことがある。
上記特許文献2の技術は、封口板に備えられた電極端子を保持する樹脂製のパッキンの焼けを防止するために、レーザー光により溶融した溶融箇所の形状を、レーザー光がパッキン方向に反射しない形状とする技術である。その具体的方法は、外装缶の開口部上端面より、封口板の外部露出側主表面が高くなるように、封口体を外装缶開口部に装着する第1のステップと、第1のステップにより装着された外装缶と封口体との接触部及びその周辺を上方からレーザ−光を照射することにより溶接する第2のステップとを有する封口方法である。この技術によると、上方からレーザ−光が照射された場合、溶融箇所においてレーザー光の反射光がパッキンとは逆方向に向かうので、パッキンの焼けによる気密性の低下を抑制できる。しかしながら、この技術では、外装缶と封口板との溶接強度が十分ではない。
本発明者らは、レーザー溶接の強度について鋭意研究を行った。その結果、上述したように外装缶材料・封口板材料には、様々な制約が課せられているため、外装缶と封口板とに別の材料が用いられている。このため、外装缶と封口板との熱伝導率が異なり、その結果として両者の溶融程度に差が生じ、これにより溶接ムラが生じて溶接強度の低下を招いていることを知った。以下に、その理由を説明する。
上述した材料の制約により、従来の外装缶材料は、封口板材料よりも熱伝導率が低いものが使用されている。また、機械的強度の観点から、封口板には外装缶の厚みよりも厚い材料が使用されている。このため、通常のレーザー溶接法により、従来の外装缶と封口板とを溶接すると、封口板に照射されたレーザーによる熱は封口板の中心側方向に逃げやすため封口板の溶融が不十分になる。このため、図5(b)に示すように、外装缶が主として溶融し凝固して、外装缶材料側が大きく溶け込んだ肩落ち形状の溶融凝固部が形成される。このため、レーザー溶接の強度を示す指標となる溶け込み深さL3が小さくなり、十分な溶接強度が得られない。
本発明者らは、以上の知見に鑑み更に研究を行ったところ、外装缶と封口板とを均一に溶融させて溶接するのではなく、外装缶材料を主として溶融させ、外装缶材料の溶融物を主体とする山状の溶融凝固部を形成することにより、上記問題が解決することを見いだし、本発明を完成させた。
上記課題を解決するための電池に係る本発明は、外装缶の開口部に封口板が嵌合され、前記嵌合面及びその周縁がレーザー溶接された構造の密閉型電池において、前記封口板は、主表面と、前記主表面の外周縁側に前記封口板の厚さ方向に沿って設けられた切り欠き段差面と、を備えるものであり、前記外装缶と前記封口板とがレーザー溶接されてなる溶融凝固部を前記外装缶の高さ方向と平行で且つ前記外装缶の外周側外表面から前記封口板の外周縁までの距離が最短となる平面で切断したとき、その断面が、溶融凝固部底面から前記外装缶の外方に山状に盛り上がった形状であり、前記山状の盛り上がり頂点が前記封口板の外表面を包含する平面と前記切り欠き段差面の下端を含み前記封口板の外表面に平行な平面との間、且つ前記切り欠き段差面と前記外装缶の外周側外表面を包含する平面との間に位置しており、前記溶融凝固部は、主として外装缶開口部端部が溶融して凝固したものであることを特徴とする。
また、前記溶融凝固部の断面形状が、嵌合面を中心として対称である構成とすることができる。
また、外装缶材料及び封口板材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、外装缶の材料の熱伝導率が、封口板の材料の熱伝導率よりも低い構成とすることができる
上記課題を解決するための電池製造方法に係る本発明は、開口部端部を有する外装缶と、封口板と、を備える密閉型電池の製造方法において、前記封口板は、主表面と、前記主表面の外周縁側に前記封口板の厚さ方向に沿って設けられた切り欠き段差面と、前記切り欠き段差面の外周縁側に前記主表面方向に沿って設けられた切り欠き面と、を備えるものであり、前記切り欠き面は、Rmaxが0.02mm以内の粗面、0.02mm以内の高低差を有する曲面、又は前記主表面との角度が−5〜5°の平坦面のいずれか或いはこれらの組み合わせにより構成されており、前記封口板の主表面を外装缶の外方に向け且つ前記封口板の切り欠き面が前記外装缶開口部の上端よりも外装缶内部側に位置するようにして、前記封口板を前記外装缶開口部に嵌合させる第1ステップと、前記外装缶の開口部と封口板との嵌合面に沿って、上方からレーザー光を照射して、主として前記外装缶の開口部端部を溶融させて、外装缶の外方に山状に盛り上がった溶融凝固部を形成する第2ステップと、を備えることを特徴とする。
また、図2に示す切り欠き面の幅L1が0.1〜0.3mmであり、切り欠き面の深さL2が0.1〜0.3mmである構成とすることができる。
上記電池に係る本発明の構成によると、図1(b)に示すように、前記外装缶と前記封口板とがレーザー溶接されてなる溶融凝固部を前記外装缶の高さ方向と平行で且つ前記外装缶外表面から前記封口板までの距離が最短となる平面で切断したとき、その断面が、前記断面に直交する方向に延びる溶融凝固部底面10aから前記外装缶の外方に山状に盛り上がった形状に形成されている。このような形状であると、溶融凝固部10が外装缶、封口板ともにほぼ均一に形成されているので、従来のように不均一に形成されているものよりも溶接強度に優れる。
また、図1(b)に示すように、山状の盛り上がり頂点10bが封口板の外表面を包含する平面よりも前記封口板の内表面側に位置しているので、電池落下時にこの部分が傷つき、クラックが生じることを防止することができる。
また、前記溶融凝固部10の断面形状が、嵌合面を中心として対称であると、さらに溶接の強度が高まる。
また、外装缶材料の熱伝導率が、封口板材料の熱伝導率よりも低いアルミニウム又はアルミニウム合金である場合に、本発明の効果より大きく発揮でき、且つ電池の軽量化を実現できる。
上記電池の製造方法に係る本発明の構成によると、図3に示すように、主表面と、主表面の外周縁側に封口板の厚さ方向に沿って設けられた切り欠き段差面2dと、切り欠き段差面の外周縁側に主表面方向に沿って設けられた切り欠き面2cと、を備えた封口板2と、開口部を有する外装缶1とを用い、前記封口板の主表面を外装缶の外方に向け且つ前記封口板の切り欠き面2cが前記外装缶開口部の上端よりも外装缶内部側に位置するようにして、前記封口板を前記外装缶開口部に嵌合させた後、前記外装缶の開口部と封口板との嵌合面に沿って、上方からレーザー光を照射して溶接を行う。
この方法であると、封口板の切り欠き面よりも突出した外装缶開口部端部が主として溶融して封口板の切り欠き面に流れ(溶け込み)、その後凝固し、図3(b)に示すように、山状に盛り上がった形状の溶融凝固部10が形成される。また、この溶融凝固部は、突出した外装缶開口部が主として溶融し、切り欠き面上に流れて形成されたものであるため、その盛り上がり頂点は封口板の外表面を包含する平面よりも前記封口板の内表面側に位置し、且つ前記切り欠き段差面2dよりも前記外装缶の外周側外表面を包含する平面側に位置している。よって、上記本発明にかかる電池を容易かつ確実に製造できる。
ここで、嵌合面とは、外装缶と封口板とが直接接触し、嵌合している面を意味する。この嵌合面は、外装缶の高さ方向と平行な面であるので、この嵌合面を封口板の上方から見ると、線状(嵌合線)に現れる。従って、嵌合面に沿ってとは、封口板の上方から見た場合に現れる嵌合線をレーザー光のスポット中心とするという意味である。
また、切り欠き面の幅L1が0.1mm未満であると、封口板の切り欠き面への外装缶材料の溶け込みが小さくなり、十分な溶接強度が得られない。また、0.3mmより大きいと、切り欠き面全体に溶融凝固部が形成されないので、これもまた十分な溶接強度が得られない。
また、切り欠き面の深さL2が0.1mm未満であると、従来の技術と同様に溶融凝固部の形状が非対称になり、十分な強度が得られない。また、0.3mmより大きいと、外装缶が十分に切り欠き面に溶け込まないので、これもまた十分な強度が得られない。
本発明を実施するための最良の形態を、角型外装缶を用いた非水電解質二次電池を例として、図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、レーザー溶接により封口される円筒型外装缶を用いた電池も利用可能であり、非水電解質一次電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池・ニッケル−水素蓄電池等のアルカリ蓄電池にも利用可能である。
図1は本発明電池を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は溶融凝固部10の断面拡大図である。
図1に示すように、本発明の非水電解質二次電池は、有底筒状のアルミニウム−マンガン合金(耐力170MPa、引張強さ200MPa、熱伝導率0.16kW/(m・℃))製の外装缶1(缶厚み:0.20mm)を有しており、この外装缶1内には、正極と、負極と、これら両電極を離間するセパレータとからなる偏平渦巻状の電極体が収納されている。また、上記外装缶1内には、電解液が注入されている。更に、上記外装缶1の開口部には純アルミニウム(A1050−0、熱伝導率0.23kW/(m・℃))からなる封口板2がレーザー溶接されており、これによって電池が封口されている。上記電池の大きさは、縦(高さ)48.5mm、横(幅)33.7mm、厚み4.1mmである。
上記封口板2は、図2に示すように、その表面周縁部に、中央部を含む平面よりも下方に位置する切り欠き面2cを有している。また、封口板の長辺端部の長さは、33.3mmであり、切り欠き面2cの深さL2は、0.2mmであり、切り欠き面2cの幅L1は、0.2mmである。
また、図示していないが、封口板の電極端子2aは、樹脂製のガスケットで保持されている。
上記非水電解質二次電池は、公知の材料、方法を用いて作製することができる。具体的には、正極材料としてはコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複合酸化物、負極材料としては黒鉛、コークス等の炭素質物、リチウム合金、金属酸化物等、非水溶媒としてはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等、電解質塩としてはLiN(CFSO、LiPF等をそれぞれ単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。
以下、実験例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
〔実験例〕
以下に示すサイズの外装缶(厚み0.2mm)1と、封口板2とを作製した後、両者をレーザー溶接電解液を挿入しないで)して、本発明セルA1、A2及び比較セルX1、X2を作製した。このセルのサイズ及びセルの溶接条件を下記表1、2に示す。
また、出力100%のレーザー出力は210Wである。また、下記表2のようにレーザー溶接速度を変更したのは、電極端子を保持しているガスケットに熱影響を与えないようにするためである。
ここで、端子横部203は、図2(b)に示すように、封口板中央の7mm部分であり、移行部202は、端子横部203の両端の1mm部分であり、ストレート部201は、移行部202の封口板両端側の9mm部分であり、端部204とは、上記ストレート部、移行部、端子横部以外の部分である。
なお、本発明セルに係る封口板2は、平面状の封口板の周縁部をNC加工する(切削する)ことにより、図2に示すように、切り欠き面を形成した。ここでの切り欠き面の幅L1は0.2mmであり、深L2は0.2mmである。

また、レーザー溶接においては被照射体である嵌合面の封口板2の上端と外装缶1の開口部上端との距離に0.2mmのズレがあるが、この影響は極めて小さいものであるので、嵌合面の外装缶1の開口部上端を焦点として、レーザー溶接により開口部と封口板2とを溶接した。
他方、比較セルでは、図6に示すように、封口板2は周縁部が突出面2eを有する構成とした。この突出面のL4は0.2mmであり、高さL5は0.2mmである。これは、平板状の封口板をプレス加工することにより作製した。このセルにおいては、被照射体である嵌合面の封口板2の上端と外装缶1の開口部上端との距離にズレがないので、両上端を焦点として、レーザー溶接により開口部と封口板2とを溶接した。
(強度試験1)
図1、5に示すように、完成したセルを、ストレート部201の中央及び端子横部203の中央を前記外装缶の高さ方向と平行で且つ前記外装缶と前記封口板とを最短距離で結ぶ平面で切断し、溶接強度の指標となる溶融凝固部の溶け込み深さL3を測定した。なお、溶け込み深さとは、図1(b)及び図5(b)に示すように、溶融凝固部の外装缶と封口板との嵌合面と接触する位置10cと、嵌合面の延長線と、溶融凝固部の外表面との接点10dとの直線距離L3のことを意味する。溶融凝固部は、金属の組織変化から外装缶、封口板と区別した。検体数は10(ストレート部は、一検体につき二ヶ所測定を行ったので、20となる)である。
(強度試験2)
また、封口板の中央に先端が直径3mmの加圧棒を当て、溶融凝固部にクラックが生じるまで力を加え、そのときの力を、押し込み強度とした。検体数は5である。
強度試験1、2の結果を下記表3、4に示す。なお、数値は平均値であり、かっこ内はそのばらつきである。
(膨張試験)
上記セルの封口板の注液穴2bから窒素ガスを注入し、加圧力と外装缶1の最大厚みとを測定した。この結果を下記表5に示す。なお、検体数は、各セルとも3である。
表3、4から明らかなように、本発明セルA1(出力100%)では、ストレート部の溶け込み深さが0.215mm、端子横部の溶け込み深さが0.212mm、押し込み強度が331Nと、比較セル(出力100%)の0.194mm、0.178mm、227Nよりも優れていることがわかる。
また、本発明セルA1(出力90%)では、ストレート部の溶け込み深さが0.192mmと、比較セル(出力100%)の0.194mmよりも僅かに劣るものの、端子横部の溶け込み深さが0.194mm、押し込み強度が306Nと、比較セルの0.178mm、227Nよりも優れていることがわかる。
また、同様の傾向が、本発明セルA2,比較セルX2にも見られることがわかる。
このことは、次のように考えられる。本発明セルでは、図1(b)に示すように、外装缶の高さ方向と平行で且つ外装缶と封口板とを最短距離で結ぶ平面で切断したとき、その断面が、当該断面に直交する方向に延びる溶融凝固部底面から前記外装缶の外方に山状に盛り上がった形状であり、且つ嵌合面を中心として略対称に形成されているため、溶接の強度が高まる。他方、比較セルでは、図5(b)に示すように、溶融凝固部が外装缶側に垂れ下がった肩落ち形状に形成されているので、強度が十分ではない。このため、溶け込み深さ、押し込み強度に大きな差が現れたものと考えられる。
また、本発明セルA1(出力90%)の性能が、比較セル(出力100%)とほぼ同等又はそれ以上であるので、レーザー溶接の際のレーザー強度を弱めても十分な強度が得られることがわかる。これにより、レーザー強度を低減でき、スパッタの飛散の低減や、光ファイバーの長寿命化を達成できる。
また、表5から明らかなように、内部圧力が上昇するに伴い、本発明セルA1、A2の厚みと、比較セルX1、X2の厚みとの差が大きくなる傾向があることがわかる。
このことは、次のように考えられる。上述したように本発明セルでは溶融凝固部の強度が高いため、この溶融凝固部が缶を強く固定し、膨張幅を小さくする。他方、比較セルでは、溶融凝固部の強度が低いため、この溶融凝固部が缶を固定しきれず、膨張幅を大きくする。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
上記本発明セル1と同様の外装缶、封口板を用い、電解液等は公知の材料、公知の方法を用いて非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
上記比較セル1と同様の外装缶、封口板を用いて、公知の材料、公知の方法により非水電解質二次電池を作製した。
〔保存試験〕
上記で作製した各電池を満充電し、その後85℃で保存し、保存時間とその厚みを測定した。また、室温(25℃)まで冷却した後の厚みを測定した。この試験結果を下記表3及び図10に示す。なお、検体数は、各電池とも4である。
表6及び図8から明らかなように、保存時間が長くなるに伴い、実施例1に係る電池の厚みと、比較例1に係る電池の厚みとの差が大きくなる傾向があることがわかる。
このことは、上記実験例で考察したものと同様の理由によるものと考えられる。
(その他の事項)
なお、上記実施例では、封口板及び外装缶として純アルミニウム・アルミニウム合金を用いたが、これに限定するものではなく、鉄・ステンレススチール等の公知の材質でも良い。しかし、材料系が異なるとレーザー溶接が困難となるので、ほぼ同じ性質の材料を封口板及び外装缶材料として用いることが好ましい。
また、上記実施例では、図1に示すように切り欠き面が平坦な封口板を用いたが、図4に示すように、切り欠き面の一部又は全部が、Rmaxが0.02mm以内の粗面であってもよく、また、0.02mm以内の高低差を有する曲面、角度が−5〜5°の傾斜面であってもよい。
また、切り欠き段差面2dが、45〜90°の傾斜を有していてもよい。また、切り欠き段差面2dが曲面、粗面であってもよい。
また、上記実施例ではNC加工によって切り欠き面を形成したが、プレス加工であってもよい。
また、本発明では、レーザー光源から外装缶への距離と、レーザー光源から封口板への距離とが異なるので、焦点距離の誤差を更に小さくするために、レーザー集光の焦点距離を大きくしてもよい。
また、レーザー出力は、外装缶の材料や溶接速度により影響を受けるものであるため、上記実施例の数値に限定されることはない。
また、本発明は、レーザー溶接により外装缶と封口板とを溶接する電池であればいかなる形状の電池であってもよく、実施例の角型外装缶以外に、角の部分が曲面になっている形状の角型外装缶、レーザー溶接により封口される円筒型外装缶を用いてもよいことは勿論のことである。
以上に説明したように、本発明によれば、周縁に切り欠き面を設けた封口板を用い、外装缶開口部の上端を当該切り欠き面より突出させた状態で封口板と外装缶とを嵌合し、この嵌合面を上方からレーザー照射して溶接するという簡便な手段によって、溶接強度を格段に高めることができる。また、これにより、電池の膨張をも抑制することができる。よって、本発明の産業上の利用可能性は大きい。
図1は、本発明電池を示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は溶融凝固部の断面拡大図である。 図2は、本発明電池に用いる封口板を示す図であって、図2(a)は正面図、図2(b)は平面図である。 図3は、本発明電池のレーザー溶接を説明する図であって、図3(a)は溶接前の要部拡大図、図3(b)は溶接後の要部拡大図である。 図4は、本発明電池に用いる封口板の変形例を示す図である。 図5は、従来の技術に係る電池を示す図であって、図5(a)は平面図、図5(b)は溶融凝固部の断面拡大図である。 図6は、従来の技術に係る電池に用いる封口板を示す図であって、図6(a)は正面図、図6(b)は平面図である。 図7は、従来の技術に係る電池のレーザー溶接を説明する図であって、図7(a)は溶接前の要部拡大図、図7(b)は溶接後の要部拡大図である。 図8は保存試験を行った結果を示すグラフである。
符号の説明
1 外装缶
2 封口板
2a 端子
2b 注液穴
2c 切り欠き面
201 ストレート部
202 移行部
203 端子横部
204 端部
10 溶融凝固部

Claims (5)

  1. 外装缶の開口部に封口板が嵌合され、前記嵌合面及びその周縁がレーザー溶接された構造の密閉型電池において、
    前記封口板は、主表面と、前記主表面の外周縁側に前記封口板の厚さ方向に沿って設けられた切り欠き段差面と、を備えるものであり、
    前記外装缶と前記封口板とがレーザー溶接されてなる溶融凝固部を前記外装缶の高さ方向と平行で且つ前記外装缶の外周側外表面から前記封口板の外周縁までの距離が最短となる平面で切断したとき、その断面が、溶融凝固部底面から前記外装缶の外方に山状に盛り上がった形状であり、前記山状の盛り上がり頂点が前記封口板の外表面を包含する平面と前記切り欠き段差面の下端を含み前記封口板の外表面に平行な平面との間、且つ前記切り欠き段差面と前記外装缶の外周側外表面を包含する平面との間に位置しており、
    前記溶融凝固部は、主として外装缶開口部端部が溶融して凝固したものである、
    ことを特徴とする密閉型電池。
  2. 請求項1に記載の密閉型電池において、
    前記溶融凝固部の断面形状が、前記外装缶の開口部と前記封口板との嵌合面を中心として対称である、
    ことを特徴とする密閉型電池。
  3. 請求項1または2に記載の密閉型電池において、
    前記外装缶の材料及び前記封口板の材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
    前記外装缶の材料の熱伝導率が、前記封口板材料の熱伝導率よりも低い、
    ことを特徴とする密閉型電池。
  4. 開口部端部を有する外装缶と、封口板と、を備える密閉型電池の製造方法において、
    前記封口板は、主表面と、前記主表面の外周縁側に前記封口板の厚さ方向に沿って設けられた切り欠き段差面と、前記切り欠き段差面の外周縁側に前記主表面方向に沿って設けられた切り欠き面と、を備えるものであり、
    前記切り欠き面は、Rmaxが0.02mm以内の粗面、0.02mm以内の高低差を有する曲面、又は前記主表面との角度が−5〜5°の平坦面のいずれか或いはこれらの組み合わせにより構成されており、
    前記封口板の主表面を外装缶の外方に向け且つ前記封口板の切り欠き面が前記外装缶開口部の上端よりも外装缶内部側に位置するようにして、前記封口板を前記外装缶開口部に嵌合させる第1ステップと、
    前記外装缶の開口部と封口板との嵌合面に沿って、上方からレーザー光を照射して、主として前記外装缶の開口部端部を溶融させて、外装缶の外方に山状に盛り上がった溶融凝固部を形成する第2ステップと、を備える
    ことを特徴とする密閉型電池の製造方法。
  5. 請求項4に記載の密閉型電池の製造方法において、
    前記切り欠き面の幅が0.1〜0.3mmであり、
    前記切り欠き面の深さが0.1〜0.3mmである、
    ことを特徴とする密閉型電池の製造方法。
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