JP4780946B2 - 水処理プロセス運転支援装置,プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、凝集沈殿により水中の濁質を除去する水処理プロセスの運転を支援する装置に関し、特に、プロセスの粒径分布を演算して運転を支援するのに好適な水処理プロセス運転支援装置に関する。
浄水場では、水中の不純物のうち、1μmから1nmくらいの寸法の濁質粒子(濁り、ウイルス、細菌、天然の着色成分、藻類等)を除去せねばならない。水中の濁質粒子の表面は通常負の電荷を帯びているために、濁質粒子を互いに接近してもお互いに反発しあい、安定に分散して水中に存在する。そのために、浄水場ではまず、濁質粒子と反対の電荷(正の電荷)をもつ凝集剤を水中に加え、原水と凝集剤を均一するために、急速混和池で急速攪拌する。凝集剤を加えることで濁質粒子の表面の電荷が中和され、電気的な反発力を失う。このとき、ファン・デル・ワールス力(van der Waal’s force)と言われる分子間引力が働いており、電気的な反発力を失った濁質粒子はブラウン運動や水流により、お互いに接近し、結合して小さな塊の微粒子が形成する。この微粒子は通常、マイクロフロックと呼ばれている。しかし、沈殿池での除去可能な大きな粒子にするために、さらに緩やかな攪拌を加え、マイクロフロックの相互衝突を繰り返させて、集塊を大幅に進行させることが必要になる。そこで、次のフロック形成池によって緩速撹拌を加えることによりこのマイクロフロックを衝突結合させてマイクロフロックからフロックと呼ばれる凝集塊を形成させる。このようなフロック成長過程において、前述したファン・デル・ワールス力だけでは結合力が不十分であり、粒子間の結合を補強する(架橋作用)ための物質が必要である。凝集剤は電荷中和と同時にこの架橋作用も備えている。フロック形成池で成長したフロックは沈殿池によって重力により沈降分離する。以上の凝集沈殿工程により原水の濁質粒子が除去される。
凝集沈殿プロセスによる濁質粒子除去機能は、原水の水質と水量、凝集剤や撹拌条件で大きく異なる。沈殿池から流出する濁質粒子あるいは濁度を目標範囲内に維持するには、各池における濁質粒子、マイクロフロック、フロックの粒径、粒子数、密度等原水条件と撹拌力条件を把握し、凝集剤注入操作に反映させる運転が非常に重要である。しかし、水質が自然界の影響を受けて大きく変動するという課題や、原水の粒径分布を連続計測できる計測器がないという課題、浄水場では急速混和池から沈殿池出口の滞留時間はおおよそ3〜4hと長く、例えば沈殿池出口の濁質粒子あるいは濁度を計測しても凝集剤の注入操作に反映することは難しいという課題などがある。
これらの課題に対し、いくつかの凝集剤注入制御システムが提案されている。例えば、過去の凝集剤実績と、原水の濁度、pH値、アルカリ度、水温の補正値から凝集剤注入量を算出する方法(特許文献1参照)、または、凝集剤を加えた処理水の電荷量を目標値になるように凝集剤注入量を制御する方法(特許文献2参照)、または、フロックの個数濃度を一定値にするように凝集剤注入量を調節する方法(特許文献3参照)などがある。
一方、水質モデルを用いて水質変化を計算する方法(特許文献4参照)や、濁度を数値計算により計算する方法(特許文献5参照)が提案されている。
特開2002−159805号公報(段落番号0023〜32、図1〜10) 特開2002−205076号公報(段落番号0016〜23、図1) 特開平10−202013号公報(段落番号0022〜30、図1〜3) 特開2001−306106号公報(段落番号0011〜18、図1〜2) 特開2001−38342号公報(段落番号0022〜27、図2)
特開2002−159805号公報(特許文献1)には、過去の凝集剤実績と、原水の濁度、pH値、アルカリ度、水温の補正値から凝集剤注入量を算出する方法を記載している。しかし、様々な原水水質と量、凝集剤注入量、攪拌力の組み合わせに対応できる履歴データや事例が蓄積されるまでは、濁度の予測精度が大幅低下するという課題がある。また、事例に無い条件の場合は予測できない事態が発生するという課題がある。
特開2002−205076号公報(特許文献2)には、凝集剤を加えた急速混和池の処理水の電荷量を目標値になるように凝集剤注入量を制御する方法を記載している。しかし、電荷量を反映できるのは、ファン・デル・ワールス力による結合のみであり、凝集反応の要素である架橋作用やブラウン運動などは考慮されていないため、適正な凝集剤注入量とするには課題がある。また、フロック形成池や沈殿池における現象については何ら記載されておらず、沈殿池出口の水質を把握することは困難である。
特開平10−202013号公報(特許文献3)には、光透過センサーを用いて急速混和池のフロックの個数濃度から求めたフロックの平均粒径が一定値になるように凝集剤注入量を制御する方法を記載している。しかし、原水中の濁質粒子の粒径分布は大きく変化するので、フロック平均粒径を一定にしても沈殿池濁度は目標値を維持できない。例えば、自然界の河川水を原水にする場合、降雨時では濁質粒子個数が増え、さらに降り始めでは濁質粒子は粗くしばらくたつと細かくなる。このように、急速混和池、フロック形成池のフロックの平均粒径は、フロック自身(粒子数、粒径、密度)のほか外乱(原水中の濁質粒子、水量、pH、降雨、アルカリ度、凝集剤、攪拌力等)によって変動することは容易に理解できる。
以上の従来技術では、常に変動している原水水質、急速混和池やフロック形成池の攪拌力、沈殿池での沈降分離などの複雑な過程を把握して、凝集剤注入操作条件を決定することは困難である。
一方、特開2001−306106号公報(特許文献4)は、複数のモデルから薬注入モデルを選択し各プロセスの水質変化を演算する方法が提案されている。しかし、特開2001−306106号公報は、浄水場におけるシミュレータの構築に必要な公知のモデルタイトルのみ記載しているが、凝集沈殿プロセスの具体的な演算についてなんら記載されていない。
また、特開2001−38342号公報(特許文献5)は濁度の数値シミュレーションによって浄水場の特性を評価する方法である。しかし、凝集沈殿の基本である粒径分布を演算しておらず、単に濁度を計算するだけでは各反応プロセスにおける現象を把握することができず、凝集剤注入量を制御することはできない。
以上従来技術では、凝集沈殿プロセスにおける、急速混和池、フロック形成池、沈殿池における現象を把握できないため、適切な凝集剤注入量を決定することは困難である。
本発明の目的は、凝集沈殿により水中の濁質を除去する水処理プロセスにおいて、各プロセスの粒径分布を演算することにより、目標とする水質を得るための凝集剤注入量を演算できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る水処理プロセス運転支援装置は、凝集沈殿により水中の濁質粒子を除去する水処理プロセスの運転を支援する装置において、原水の水量,水質及び水温のデータを入力する原水条件入力手段と、少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データを入力する土木構造入力手段と、急速混和池への凝集剤の注入量のデータを入力する凝集剤入力手段と、少なくとも急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータを入力する攪拌力入力手段と、原水条件入力手段により入力された水質のデータ中の濁度,降雨量と原水条件入力手段により入力された水温とを含む原水条件に基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、原水条件入力手段により入力された水質及び水温のデータと、土木構造入力手段により入力された寸法データと、凝集剤入力手段により入力された凝集剤の注入量のデータと、攪拌力入力手段により入力された攪拌力のデータとを用いて、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、算出された凝集効率と第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いてフロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値を入力する除去目標入力手段と、この粒径分布演算手段を用いて、この除去目標入力手段によって入力された除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段とを具備したことを特徴とする。
また、粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とする。また、凝集剤入力手段は、凝集剤の濃度及び注入量を入力するものであることを特徴とする。
また、粒径分布演算手段の演算結果を用いて沈殿池流出水濁度を演算する濁度演算手段をさらに具備し、操作量演算手段は、粒径分布演算手段及びこの濁度演算手段を用いて、除去目標入力手段によって入力された除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算することを特徴とする。
また、除去目標入力手段は、濁度,粒径,粒子体積濃度及び粒子個数濃度を目標値として入力する手段を有することを特徴とする。
また、除去目標入力手段は、急速混和池,フロック形成池,沈殿池のプロセス毎に目標値を設定する手段と、複数の目標値を同時に設定する手段とを有することを特徴とする。
次に、本発明に係る水処理プロセス運転支援のためのプログラムは、コンピュータを、原水の濁度,水温,降雨量を含む原水条件のデータが入力されたことに基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、原水の水質及び水温のデータと、少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データと、急速混和池への凝集剤の注入量のデータと、急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータとが入力されたことに基き、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、算出された凝集効率と第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いてフロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値が入力されたことに基き、この粒径分布演算手段を用いて、この除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段として機能させることを特徴とする。また、粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とする。
次に、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、原水の濁度,水温,降雨量を含む原水条件のデータが入力されたことに基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、原水の水質及び水温のデータと、少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データと、急速混和池への凝集剤の注入量のデータと、急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータとが入力されたことに基き、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、算出された凝集効率と第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いてフロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値が入力されたことに基き、この粒径分布演算手段を用いて、この除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段として機能させる水処理プロセス運転支援のためのプログラムを記録したことを特徴とする。また、粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とする。
本発明によれば、原水の水量水質及び水温,水処理プラントの寸法,凝集剤の注入量及び攪拌装置の攪拌力のデータに基いて水処理プロセスの粒径分布を定量的に演算するので、プロセスの状況を定量的に把握することができる。
そして、このように水処理プロセスの状況を定量的に把握しながら、目標とする水質を得るための凝集剤注入量を演算するので、凝集剤注入量を適切に決定して水処理プロセスの運転を支援することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を浄水場の浄水処理プロセスの運転支援に適用した例である。
図1は、本実施形態の浄水処理プロセス運転支援システムの全体概略構成を、浄水プラントと共に示す図である。浄水プラント100は、着水井1,急速混和池2,フロック形成池3,沈殿池4及びろ過池5を備えており、急速混和池2に凝集剤13を加えるいわゆる「凝集沈殿―急速ろ過法」で浄水処理を行う。
貯水池や川(図示せず)から浄水場に送り込まれてくる原水6を、着水井1に一旦ためて水位と水量を調節してから、急速混和池2に流入する。流量計7は、原水6の水量を計測し、計測センサ8は原水6の水質及び水温を計測する。ここでの原水6の水質とは、例えば、濁度,pH値,アルカリ度,有機物,窒素,りん,金属イオン等である。
急速混和池2では、凝集剤13が加えられ、全体が一様になるために、攪拌装置14によって急速攪拌する。急速混和池2にある濁質粒子(濁り,ウイルス,細菌,天然の着色成分,藻類等)の表面の電荷は加えた凝集剤13によって中和し、電気的な反発力を失い、電気的な反発力を失った濁質粒子は攪拌作用により、お互いに接触し、マイクロフロックが形成する。
急速混和池2で形成したマイクロフロックは、フロック形成池3で攪拌装置15により緩速攪拌を行い、水流運動でマイクロフロックを互いに衝突合一させ、重力沈降可能なフロックを成長させる。一般的に、フロック形成池3は複数段(図1には3段の実施例を示す)からなり、各段にはそれぞれの攪拌装置15が設けられ、フロックが大きく成長するにつれて段階的に攪拌装置15の回転速度または、回転数を下げていくように制御されている。
フロック形成池3で成長したフロックは沈殿池4において、重力沈降により水から分離され、沈みきれなかったフロックは処理水の濁質となる。沈殿池4でのフロックの沈降速度はフロックの大きさ、密度,形状,水温等によって決まるために、フロック形成池3の出口(沈殿池4の入口)においては、適切な大きさ・密度のフロックが形成される必要がある。沈殿池流出水9に含まれる濁質(沈殿池4で沈みきれなかったフロック)は、後ろに続くろ過池5により、ろ過除去した上、消毒池(図示せず)と、給配水システム(図示せず)を経て、水道水となる。計測センサ10は、沈殿池流出水9の水質を計測する。ここでの沈殿池流出水9の水質は、例えば、濁度,色度,有機物,窒素,リン,金属イオン等がある。
凝集剤貯蔵設備11は、浄水場で使用する凝集剤13を貯蔵する。凝集剤13は例えば、PAC(ポリ塩化アルミニウム),硫酸アルミニウム,硫酸第一鉄,硫酸第二鉄等があり、浄水場の実情によって異なる。凝集剤操作装置12は、事前に設定した凝集剤13の注入量、または、流量計7の計測値,計測センサ8の計測値(濁度,pH値,アルカリ度,水温等)及び計測センサ10の計測値(濁度,pH値,アルカリ度等)から演算した凝集剤13の注入量、または後述する浄水処理プロセス運転支援システム20から通信インターフェースを介して受信した注入量のデータに基いて、凝集剤13を凝集剤貯蔵設備11から急速混和池2へ注入する。
攪拌操作装置16は、急速混和池2における攪拌装置14の攪拌力(回転数・攪拌速度)を制御する。攪拌操作装置16は、例えば、事前に設定した回転数、または、流量計7の計測値と凝集剤操作装置12の操作値から演算した回転数に基いて、攪拌装置14を制御する。
攪拌操作装置17は、フロック形成池3における攪拌装置15の攪拌力を制御する。なお、フロック形成池3は複数段(図1には3段の実施例を示す)から構成される場合、攪拌操作装置17は各段の攪拌装置15を、例えば、流下方向に向かって段階的に回転数を下げるように制御する。
以上に説明した浄水プラント100を対象とした運転支援システム20の構成について、引き続き図1を参照して説明する。
浄水処理プロセス運転支援システム20は、コンピュータ(ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ)に、水処理プロセス運転支援のためのプログラムをインストールしたものである。このプログラムは、例えばCD−ROM等の記録媒体に格納したものであってもよく、あるいはまたWebサイトからダウンロードするようになっていてもよい。
この運転支援システム20は、機能的に、データ入力手段30と、モデル演算手段40と、除去目標入力手段50と、プラントデータ入力手段60と、表示手段80と、操作量演算手段90とで構成されている。
データ入力手段30は、シミュレーション計算に必要なデータを入力する手段であり、原水条件入力手段31と、土木構造入力手段32と、凝集剤入力手段33と、攪拌力入力手段34とで構成されている。
原水条件入力手段31は、原水の水量,水質及び水温のデータを入力するものである。ここでの水質とは、例えば、濁度,pH値,アルカリ度,有機物,金属イオン等である。
土木構造入力手段32は、着水井1,急速混和池2,フロック形成池3,沈殿池4及びろ過池5の有効幅,有効長さ及び有効水深の寸法データと、フロック形成池3の段数及び分割状況のデータとを入力するものである。
凝集剤入力手段33は、凝集剤の種類,塩基度,濃度,凝集条件,注入量等のデータを入力するものである。ここでの凝集条件は、例えば、凝集剤が有効に働くpH,アルカリ度の範囲等である。
攪拌力入力手段34は、急速混和池2,フロック形成池3に設置されている攪拌装置14,15の攪拌速度,回転数,回転翼の面積,回転翼の半径等のデータを入力するものである。
データ入力手段30は、オペレーターがキーボードやマウスを操作してデータを入力するものであってもよいし、あるいは、プラントデータ入力手段60がプラント100から受信した計測値や操作量のデータを入力するものであってもよい。このデータ入力手段30によって入力されたデータは、モデル演算手段40に送られる。
プラントデータ入力手段60は、通信インターフェースを介して、浄水プラント100内の流量計7,計測センサ8,凝集剤操作装置12,攪拌操作装置16及び17から計測値及び操作量のデータを受信する。そして、流量計7及び計測センサ8から送られた計測値のデータを原水条件入力手段31に送信し、凝集剤操作装置12から送られた操作量のデータを凝集剤入力手段33に送信し、攪拌操作装置16及び17から送られた操作量のデータを攪拌力入力手段34に送信する。なお、プラントデータ入力手段60が受信するデータは、プラントの24時間実測データ(例えば1分または1秒毎のデータ)でもよいし、日平均値と24時間変動パターンによって作成した24時間予測データ(例えば1分または1秒毎のデータ)でもよいし、24時間を通して一定値とした予測データでもよい。
モデル演算手段40は、粒径分布演算手段41と濁度演算手段42とで構成される。粒径分布演算手段41は、データ入力手段30によって入力されたたデータに基き、凝集・沈殿モデルを用いて、原水,急速混和池,フロック形成池及び沈殿池における粒径分布を演算する。モデル演算手段40での演算結果は、表示手段80に送信される。表示手段80は、この演算結果をディスプレイに画面表示する。
濁度演算手段42は、粒径分布演算手段41で演算された粒径分布に基いて、少なくとも、沈殿池の濁度を演算する。式(1)に、沈殿池流出水に含まれる粒子の濃度から濁度を換算する例を示す。
tuO=f×C…(1)
ただし、tuO:沈殿池流出水濁度(mg/L)、f:濁度変換係数、C:沈殿池流出水に含まれる粒子の濃度(mg/L)
式(1)には、沈殿池流出水の濁度を演算する例を示したが、急速混和池やフロック形成池についても同様な方法で濁度を得ることができる。また、式(1)の濁度変換係数fは、急速混和池,フロック形成池,沈殿池のいずれであるかによって異なり、浄水場によっても異なる。
除去目標入力手段50は、オペレーターが、ディスプレイに表示されるGUI画面を見ながら、キーボードやマウスを操作して濁水質粒子の除去目標値を入力するものである。この除去目標値は、例えば、沈殿池流出水の濁度を1.0mg/L以下にするとか、沈殿池に続くろ過池の逆洗浄回数を減らす目的で粒径10μm以上の粒子流出をゼロにするというような、濁度や粒径や粒子体積濃度や粒子個数濃度の目標値である。除去目標値は、浄水場の置かれた環境(原水条件,運転方針等)によって任意に設定できることが望ましい。
操作量演算手段90は、除去目標入力手段50によって入力された除去目標値を満足する凝集剤注入量の最適値を算出するものである。操作量演算手段90は、例えば、凝集剤注入率(原水水量1リットルに対する凝集剤注入量)を様々に変え、モデル演算装置40を用いて凝集剤注入率と粒径分布との関係(沈殿池流出水については濁度凝集剤注入率と粒径分布と濁度との関係)を計算し、さらに、除去目標入力手段50によって入力された除去目標値を満足できる凝集剤注入量を最適値として決定する。操作量演算手段90によって決定された凝集剤注入量は、表示手段80によってディスプレイに画面表示される。また、この操作量演算手段90によって決定された凝集剤注入量のデータは、通信インターフェースを介して、プラント100の凝集剤操作装置12に送信される。これにより、運転支援システム20での凝集剤注入量の演算結果をプラント100での凝集剤13の注入操作に反映させるようにプラント100を自動制御することができる。
このように、データ入力手段30と、モデル演算装置40と、除去目標手段50と、操作量演算手段90とを用いて、原水,急速混和池,フロック形成池及び沈殿池の粒径分布と少なくとも沈殿池の濁度とを数値計算し、除去目標値を満足できる凝集剤注入量を決定することにより、浄水処理プロセスの運転を支援することができる。
図2に、粒径分布演算手段41によって演算された粒径分布の例を示す。この例は、横軸には粒径クラスを示し、縦軸には各粒径クラスに対応する粒子数を示した粒径分布である。例えば、式(2)を用いて、平均粒径を0.393×10-6m〜1909×10-6mの92グループに分けて粒径分布を計測する場合、図2の横軸の粒径クラスは1,2,…92となる。この場合、粒径クラス1,2,3,92に対応する平均粒径は、それぞれ0.393×10-6m,0.432×10-6m,0.475×10-6m,1909×10-6mである。
d(i+1) =di+di×0.1…(2)
ただし、di:粒径クラスiの平均粒径(m)、i:粒径クラス(i=1,2,…n)
また、式(2)の平均粒径に基いて、粒径クラス定義の一例を式(3),(4)及び(5)に示す。なお、ここでは、粒径クラス1は式(3)に、粒径クラス2〜(n−1)は式(4)に、粒径クラスnは式(5)によって定義されている。
L1<(d1+d2)/2…(3)
(d(i-1)+di)/2<Li<(di+d(i+1))/2…(4)
(d(n-1)+dn)/2<Ln…(5)
ただし、Li:粒径クラスi、di:粒径クラスiの平均粒径(m)、i:粒径クラス(i=1,2,…n)
図2には粒径分布として粒径クラスと粒子数の関係を示したが、粒径クラスと粒子体積の関係として粒径分布を演算してもよい。
図3は、粒径分布演算手段41によって行われる粒径分布の演算手順を示すフロー図である。ステップS1は、ジャーテストなどにより事前に計測された基準粒径分布と原水条件入力手段31によって入力された原水条件を用いて、原水の粒径分布を演算する。ステップS2は、データ入力手段30によって入力したデータとステップS1の原水の粒径分布を用いて、急速混和池の粒径分布を演算する。ステップS3は、データ入力手段30によって入力したデータと前記ステップS2の急速混和池の粒径分布を用いて、フロック形成池の粒径分布を演算する。ステップS4は、ステップS3のフロック形成池の粒径分布を用いて、沈殿池の粒径分布を演算する。
図4は、このステップS1によって行われる原水の粒径分布を演算する手順を示すフロー図である。
ステップS10は、原水条件入力手段31によって入力された原水濁度に基き、基準粒径分布記憶手段45から該当する基準粒径分布を読み出す。基準粒径分布記憶手段45は、ジャーテストなどにより事前に計測された基準粒径分布を記憶する。ここでの基準粒径分布は、原水の濁度の代表的な濁度における濁質粒子の粒径分布である。例えば、濁度を低,中,高の3つレベルに分けてそれぞれの代表的な濁度の粒径分布としてもよい。また、季節毎に、代表的な濁度の粒径分布としてもよい。また、降雨量に応じた濁度の粒径分布としてもよい。これらの粒径分布を基準粒径分布記憶手段45に保存することで、ステップS10は、原水の条件(濁度,水温,降雨量等)に基き、基準粒径分布記憶手段45から次ステップ以降の演算に用いる基準粒径分布を決定する。
ステップS11は、ステップS10で決定した基準粒径分布と原水条件入力手段31によって入力された原水濁度を用いて、粒径クラス毎に原水の濁質粒子の粒子数を演算する。この演算式の一例を式(6)に示す。
Nrw=NS×tu/tuS…(6)
ただし、Nrw:原水の濁質粒子の粒子数(個/L)、NS:基準の粒子数(個/L)、tu:原水の濁度(mg/L)、tuS:基準粒径分布の濁度(mg/L)
粒径クラス毎のステップS11の繰り返しにより、全ての粒径クラスに対して原水の濁質粒子の粒子数を演算して、原水の粒径分布を得ることができる。
図5は、図3のステップS2によって行われる急速混和池の粒径分布を演算する手順を示すフロー図である。
ステップS20は、原水条件入力手段31によって入力された原水条件(pH値,アルカリ度,水温等)のデータと、土木構造入力手段32によって入力された寸法データと、凝集剤入力手段33によって入力された凝集剤注入量のデータと、攪拌力入力手段34によって入力された攪拌力のデータとを用いて、凝集効率を演算する。ここで凝集効率とは、原水の濁質粒子がマイクロフロックに形成する割合であり、例えば、凝集効率の範囲を0.0〜1.0とすると、凝集効率0.0とは濁質粒子は全く凝集しないこと、凝集効率1.0とは濁質粒子は全て凝集することを意味する。凝集効率演算式の一例を式(7)に示す。式(7)では、攪拌による濁質粒子運動強度,凝集剤注入による濁質粒子の電荷中和及び架橋作用により、凝集効率αを算出する。
α=F(D)×F(ALT)×F(AP)…(7)
F(X)=1/(1+exp(−a・X+b))…(8)
ただし、α:凝集効率(α=0〜1)、D:濁質粒子運動強度の指標、ALT:電荷中和強度の指標、AP:架橋作用強度の指標、F(X):ロジスティック曲線(F(X)=0〜1、X=D,ALT、AP)、a,b:係数
濁質粒子運動強度の指標Dは、攪拌による濁質粒子の運動強度を表わすものである。また、電荷中和強度の指標ALTは濁質粒子の表面の負電荷に対し正電荷の多寡を表わすものである。また、架橋作用強度指標APは、濁質粒子に対し金属水和物の多寡を表わすものである。式(7)の中の濁質粒子運動強度の指標D,電荷中和強度の指標ALT,架橋作用強度指標APの一例を、それぞれ式(9),(10),(11)に示す。
D=K(temp×237.15)/(6・π・μ・drw)×G…(9)
ALT=CR/tu…(10)
AP=a・Alk/CR×[1−(pH0−b・pH)/14]−c・tu…(11)
ただし、tu:原水の濁度(mg/L)、temp:水温(℃)、Alk:原水のアルカリ度(mg/L)、pH:原水のpH値、CR:凝集剤注入率(mg/L)、pH0:凝集剤最適pH値、K:ボルツマン係数(J/K)、μ:水の粘性係数(Pa・s)、G:攪拌強度指標G値(S−1)、drw:原水の濁質粒子の粒径(m)、a,b,c:係数
式(9)のG(攪拌強度指標G値)は攪拌力を表わす指標であり、その演算式の一例を式(12)に示す。式(12)は、攪拌力入力手段34によって入力された回転数、回転翼の面積と半径を用いて演算した例である。
Figure 0004780946
ただし、A:回転翼の面積(m)、D:回転翼の直径(m)、R:回転数(rpm)、Cp:パドル係数、V:池の容積(m)、ρ:粒子の密度(kg/m)、π:円周率、μ:水の粘性係数(Pa・s)
なお、式(9)のGには、攪拌強度指標G値のほか、例えば攪拌速度、または、攪拌によって生成する水流の速度勾配を代入してもよい。
ステップS21は、式(7)で得られた凝集効率αを用いて、原水の濁質粒子を凝集しない濁質粒子と凝集する濁質粒子の2つのグループに分けて、それぞれの粒子数を演算する。凝集しない濁質粒子の粒子数の演算式の一例を式(13)に示し、凝集する濁質粒子の粒子数の演算式の一例を式(14)に示す。
Nuc=Nrw×(1−α)…(13)
Nc=Nrw×α…(14)
ただし、Nuc:凝集しない濁質粒子の粒子数(個/L)、Nc:凝集する濁質粒子の粒子数(個/L)、Nrw:原水の濁質粒子の粒子数(個/L)、α:凝集効率
ステップS22は、凝集する濁質粒子が生成するマイクロフロックの粒径を演算する。その演算式の一例を式(15)に示す。
drm=drm’+(drm”−drm’)/(drw”−drw’)×(drw−drw’)…(15)
ただし、drm:マイクロフロックの粒径(m)、drm’:マイクロフロックの平均粒径(m)、drm”: マイクロフロックの最大粒径(m)、drw:原水の濁質粒子の粒径(m)、drw’:原水の濁質粒子の平均粒径(m)、drw”: 原水の濁質粒子の最大粒径(m)、
なお、式(15)のdrm’, drm”は、凝集剤種類や凝集剤注入量や原水の濁度によって異なり、ジャーテストなどの計測値を代入すればよい。
ステップS23は、マイクロフロックの密度を演算する。マイクロフロックが大きくなるにつれてフロックの間隙に含まれる水の割合が増えてくるので、密度がしだいに小さくなってくる。ステップS23の演算式の一例を式(16)に示す。
ρrm=ρw+(drw/drm)KP×(ρrw−ρw)…(16)
ただし、ρrm:マイクロフロックの密度(kg/m3)、ρrw:原水の濁質粒子の密度(kg/m)、ρw:水の密度(kg/m)、drw:原水の濁質粒子の粒径(m)、drm:マイクロフロックの粒径(m)、KP:係数
なお、式(16)の例のほか、マイクロフロックの密度は、公知の値を参照してもよいし、実験で得られた実測値でもよい。
ステップS24は、式(17)の質量保存則を用いて、凝集する濁質粒子が形成するマイクロフロックの粒子数を演算する。
Nrm=Nc×drw3×ρrw/(drm×ρrm)…(17)
ただし、Nrm:マイクロフロックの粒子数(個/L)、Nc:凝集する濁質粒子の粒子数(個/L)、ρrm:マイクロフロックの密度(kg/m)、ρrw:原水の濁質粒子の密度(kg/m)、drm:マイクロフロックの粒径(m)、drw:原水の濁質粒子の粒径(m)
このように、まず、式(14)を用いて凝集する濁質粒子の粒子数を演算する。次に式(15)、式(16)、式(17)を用いてマイクロフロックの粒径、密度、粒子数を演算することができる。
このステップS20,S21,S22,S23及びS24を粒径クラス毎に繰り返すことにより、全ての粒径クラスに対し、凝集しない濁質粒子の粒子数と、マイクロフロックの粒子数,粒径及び密度とを演算することができる。
ステップS25は、ステップS21の式(13)によって演算した凝集しない濁質粒子の粒子数とステップS24の式(17)によって演算したマイクロフロックの粒子数とを粒径クラス別に合計し、急速混和池の粒径分布を演算する。
図6は、図3のステップS3によって行われるフロック形成池の粒径分布を演算する手順を示すフロー図である。ステップS30は、粒子間の衝突合一によってフロックの粒子径が大きくなり、粒子数が減少する現象を式(18)により演算する。式(18)には、粒子間の衝突合一の所要時間Tと滞留時間tを用いて、衝突合一後の粒子数Nfoを演算した例を示す。衝突合一の所要時間T演算の一例を式(19)に示す。また、粒子衝突機構Aは、粒子のブラウン運動や、攪拌による粒子間の衝突頻度を表わしたものであり、その演算式の一例を式(20)に示す。なお、式(20)の攪拌強度指標G値は式(12)によって演算される。
Nfo=Nf/(1+t/T)…(18)
T = 1/(A×Nf)…(19)
A=32/3・G・df…(20)
ただし、Nfo:衝突合一後のフロックの粒子数(個/L)、Nf:衝突合一前のフロックの粒子数(個/L)、T:衝突合一の所要時間(S/個)、t:滞留時間(S)、A:粒子の衝突機構(S−1・m)、G:攪拌強度指標G値(S−1)、df:衝突合一前のフロックの粒径(m)
ここで示した例のほかに、例えば、粒子の衝突確率、衝突合一の凝集速度などを用いて、衝突後の粒子数を演算してもよいし、前記の衝突確率、衝突合一の凝集速度は公知の値を参照してもよいし、実験で得られた実測値でもよい。
ステップS31は、ステップS30の衝突合一前のフロックの粒子数・粒径と、衝突合一後のフロックの粒子数を式(21)に代入し、衝突合一後の概ねのフロックの粒径を演算する。
dfo=(Nf×df×/Nfo)1/3…(21)
ただし、dfo:衝突合一後のフロックの粒径(m)、df:衝突合一前のフロックの粒径(m)、Nfo:衝突合一後のフロックの粒子数(個/L)、Nf:衝突合一前のフロックの粒子数(個/L)
ステップS32は、例えば、式(22)を用いて、衝突合一後のフロックの密度を演算する。
ρfo=ρw+(df/dfo)KP×(ρf−ρw)…(22)
ただし、ρfo:衝突合一後のフロックの密度(kg/m)、ρf:衝突合一前のフロックの密度(kg/m)、ρw:水の密度(kg/m)、dfo:衝突合一後のフロックの粒径(m)、df:衝突合一前のフロックの粒径(m)、KP:係数
ステップS33は、攪拌によるフロックの破壊を演算する。例えば、粒径が所定サイズを超えたフロックが破壊されるように演算する。なお、前記の所定サイズは攪拌強度を変数とした関数で表す。例えば、攪拌が強いほど所定サイズが小さくなる、あるいは破壊されたフロックは所定サイズ以下のフロックになるように演算する。前記の所定サイズのほか、例えば、各粒径クラスのフロックが一定割合で破壊されるように演算してもよい。前記の一定割合は例えば、各粒径クラスことに攪拌強度に従い定義してもよいし、各粒径クラスことに重みをかけるように定義してもよい。
このステップS30,S31,S32及びS33を粒径クラス毎に繰り返すことにより、全ての粒径クラスに対し、衝突合一後のフロックの粒子数,粒径及び密度を演算することができる。
ステップS34は、ステップS30,S31,S32及びS33の繰り返しによって得られた衝突合一後のフロックの粒子数を粒径クラス別に合計し、フロック形成池の粒径分布とする。
なお、フロック形成池が複数段(図1には3段の実施例を示す)から構成される場合、図6の演算手順を順次にフロック形成池3の各段に適用することで、フロック形成池の各段の粒径分布を演算することができる。
図7は、図3のステップS4によって行われる沈殿池の粒径分布を演算する手順を示すフロー図である。
ステップS40は、フロックの沈降速度を計算する。フロックの沈降速度一例を式(23)に示す。
Vff=1/18・g・(ρff−ρw)/μ・dff…(23)
ただし、Vff:沈殿池流入フロックの沈降速度(m/s)、ρff:沈殿池流入フロックの密度(kg/m)、ρw:水の密度(kg/m)、dff:沈殿池流入フロックの粒径(m)、g:重力加速度(m/s)、μ:水の粘性係数(Pa・s)
なお、粒子間の干渉に関する補正係数を式(23)に加えてもよい。補正係数は文献値を参照してもよいし、実験で得られた実測値でもよい。
ステップ41は、式(23)の沈降速度と沈殿池の滞留時間t、沈殿池水深Hを用いて沈殿池で沈みきれないフロックの粒子数を演算する。その演算式の一例を式(24)に示す。
Nffo =Nff×(1−Vff・t/H)…(24)
ただし、Nffo:沈殿池流出フロックの粒子数(個/L)、Nff:沈殿池流入フロックの粒子数(個/L)、Vff:沈殿池流入フロックの沈降速度(m/s)、t:沈殿池滞留時間(s)、H:沈殿池水深(m)
このステップS40及びS41を粒径クラス毎に繰り返すことにより、全ての粒径クラスに対し、沈殿池流出フロックの粒子数を演算することができる。
ステップS42は、ステップS40及びS41の繰り返しによって得られた沈殿池流出フロックの粒子数を粒径クラス別に合計し、沈殿池の粒径分布を演算する。
このようにして演算された粒径分布は、表示手段80によってディスプレイに画面表示される。図8は、粒径分布の表示画面の一例を示す。この画面は、粒径分布の表示用と、濁度演算手段42によって演算された濁度の表示用とに兼用されており、左上の「濁度」,「粒径分布」と表記された釦によって表示を切り替えるようになっている。図8では、粒径分布の表示用に切り替えられた状態を示している。
エリア120は、ステップS11によって演算された原水の粒径分布である。エリア121は、ステップS25によって演算された急速混和池の粒径分布である。エリア122は、ステップS34によって演算されたフロック形成池の粒径分布である。エリア123は、ステップS42によって演算された沈殿池の粒径分布である。また、エリア124、125、126、127は、それぞれ、エリア120、121、122,123の粒径分布に基き、式(25)を用いて、全粒子に対して各粒径クラスの粒子体積が占める割合を演算した結果である。
Figure 0004780946
ただし、Vpi:粒径クラスiの粒子が占める体積の割合(%)、Ni:粒径クラスiのフロック粒子数(個/L)、di:粒径クラスiのフロック粒径(m)、ρi:粒径クラスiのフロック密度(kg/m)、i:粒径クラス(i=1,2…、n)
このように、本発明によれば、浄水処理の各プロセスの粒径分布(粒子数と粒子体積)を把握することできる。
次に、図9は、図8に示した画面が濁度の表示用に切り替えられた状態を示す。エリア128は、原水入力手段31によって入力した原水の濁度の24時間時系列データである。エリア129は、濁度演算手段42によって演算した沈殿池流出水濁度の24時間時系列データである。このように、原水の濁度を合わせて表示することで、沈殿池流出水濁度を予測するだけではなく、時間の遅れを把握することもできる。
図10に、除去目標入力手段50によって表示されるGUI画面の一例を示す。このGUI画面では、急速混和池,フロック形成池,沈殿池流出水のうちの任意の1つのプロセスを選択して、そのプロセスに対する目標値を設定することができる(図では沈殿池流出水を選択した状態を描いている)。
そして、沈殿池流出水に対しては、濁度,平均粒径,粒子個数濃度,粒子体積濃度及び粒径のうちの任意の1つを目標値として設定したり、それらのうちの任意の複数の目標値を同時に設定することができる(図では、濁度を1.0mg/L以下として設定し、且つ、粒径10μm以上の粒子流出をゼロとして設定した状態を描いている)。
また、急速混和池,フロック形成池に対しても、平均粒径及び粒径のうちの任意の1つを目標値として設定したり、それらの両方の目標値を同時に設定することができる。
凝集沈殿プロセス全体の運転目標を設定する場合は、図10の状態のように、除去目標を沈殿池流出水質にする。また、急速混和池のマイクロフロックの形成状況を制御する場合、除去目標を急速混和池にすればよい。同様に、フロック形成池を制御する場合、除去目標をフロック形成池にすればよい。このように、除去目標値は、処理場が置かれた環境(季節及び流入変動、運転方針)によって異なるため、目的とするプロセスに対してマウスやキーボードによって設定および変更をすることができる。
なお、図10の例では、急速混和池,フロック形成池,沈殿池流出水のうちの1つのプロセスだけを選択して目標値を設定しているが、それらのうちの2以上のプロセスを同時に選択して目標値を設定(例えば、「急速混和池の粒径50μm以上の粒子体積が占める割合80%以上」且つ、「フロック形成池の粒径100μm以上の粒子体積が占める割合80%以上」と設定)できるようにしてもよい。
図11は、操作量演算手段90によって行われる凝集剤注入量の決定の手順を示すフロー図である。
ステップS50は、操作量(凝集剤注入率)の探索範囲として、例えば操作量の最小値と最大値とその間の計算間隔を設定する。設定値はキーボードなどによって入力してもよいし、予めメモリに記憶してもよい。このような探索範囲の設定により、コンピュータに不用な演算を行わせることを防止でき、コンピュータの演算機能やメモリの節約、及び演算時間の短縮を図ることができる。
ステップS51は、ステップS50で設定した探索範囲に基き、操作量を自動設定する。例えば、ステップS50において、最小値,最大値がそれぞれ5mg/L,30mg/Lであり、演算間隔が2.5mg/Lであった場合、ステップS51では、凝集剤注入率の操作量は5mg/L,7.5mg/L,10mg/L,12.5mg/L,15mg/L,17.5mg/L,20mg/L,22.5mg/L,25mg/L,27.5mg/L,30.0mg/Lの11ケースとなる。
ステップS52は、ステップS51によって設定した操作量ケース毎に、モデル演算手段40を用いて粒径分布(沈殿池流出水に対する目標値が設定された場合には粒径分布及び濁度)を演算する。例えば、図10に示したように沈殿池流出水に対して濁度が1.0mg/L以下として設定され且つ粒径10μm以上の粒子流出がゼロとして設定された場合は、粒径分布演算手段41に沈殿池の粒径分布を演算させる(図3のステップS4,図7)とともに、濁度演算手段42に沈殿池流出水の濁度を演算させる。なお、モデル演算に必要な情報は、ステップS51によって設定した操作量のほかに、原水条件,土木構造,攪拌力等があり、これらの情報はデータ入力手段30により入力される。
ステップS52を全ての操作量ケースに対して繰り返した後に、ステップS53では、全ての操作量ケースの演算結果から、除去目標入力手段50によって入力された除去目標値を満足できる凝集剤注入率を決定する。
このようにして決定された凝集剤注入率は、表示手段80によってディスプレイに画面表示される。図12は、この凝集剤注入率の表示例である。この例では、図10に示したように沈殿池流出水に対して濁度が1.0mg/L以下として設定され且つ粒径10μm以上の粒子流出がゼロとして設定された場合の凝集剤注入率を示している。エリア300は凝集剤注入率と沈殿池流出水濁度との相関図を示し、エリア302は除去目標である「沈殿池流出水の濁度1.0mg/L以下」を満足できる凝集剤注入率を抽出した結果である。同様に、エリア301は、凝集剤注入率と流出粒子の最大粒径との相関図を示し、エリア303は除去目標である「粒径10μm以上の粒子流出ゼロ」を満足できる凝集剤注入率を抽出した結果である。エリア304はエリア302とエリア303の結果から、「沈殿池流出水の濁度1.0mg/L以下」かつ「粒径10μm以上の粒子流出ゼロ」の除去目標値を満足できる凝集剤注入率を抽出した結果である。
図12には、沈殿池流出水水質を除去目標値とした例を示したが、急速混和池やフロック形成池のフロック形成条件を除去目標値とした場合も、同様に、操作量演算手段90によって決定された凝集剤注入量が表示される。
以上説明した内容のように、本発明によれば、原水の水量及び水質,水処理プラントの土木構造及び凝集剤の注入量のデータに基いて水処理プロセスの粒径分布(沈殿池流出水については粒径分布及び濁度)を定量的に演算するので、プロセスの状況を定量的に把握することができる。
そして、このように水処理プロセスの状況を定量的に把握しながら、目標とする水質を得るための凝集剤注入量を演算するので、凝集剤注入量を適切に決定して水処理プロセスの運転を支援することができる。
また、運転支援システム20として、水処理プロセス運転支援プログラムをインストールしたコンピュータ(ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ)を用いるようにしているので、このプログラムを水道施設所有事業体に提供することにより、職員や専門技術者の少ない事業体であっても、凝集剤注入量を適切に決定して水処理プロセスを運転することができる。
なお、以上の例では、粒径分布演算手段41は、原水条件入力手段31,土木構造入力手段32,凝集剤入力手段33及び攪拌力入力手段34による入力データに基いて粒径分布を演算している。しかし、別の例として、攪拌力入力手段34を省略して、原水条件入力手段31,土木構造入力手段32及び凝集剤入力手段33による入力データのみに基いて粒径分布を演算する(攪拌装置14,15の攪拌速度,回転数,回転翼の面積,回転翼の半径等のデータは規定値として予めメモリに記憶しておく)ようにしてもよい。
また、以上の例では、凝集剤入力手段33が凝集剤の種類,塩基度,濃度,凝集条件,注入量等のデータを入力するようにしている。しかし、別の例として、凝集剤入力手段33が凝集剤の注入量のデータのみを入力する(粒径分布演算手段41は、凝集剤入力手段33からの入力データとしてはこの注入量のデータのみを用いて演算を行う)ようにしてもよい。
また、以上の例では、浄水場の浄水処理プロセスの運転支援に本発明を適用している。しかし、本発明は、これに限らず、凝集沈殿により水中の濁質粒子を除去するあらゆる水処理プロセスの運転を支援するために適用してよい。
また、以上の例では運転支援システム20としてコンピュータを用いているが、これに限らず、上述の水処理プロセス運転支援プログラムに相当するファームウェアを格納した専用LSIを有する装置を運転支援システム20として用いるようにしてもよい。
本発明を適用した浄水処理運転支援装置の全体構成を示す図である。 粒径分布の一例を示す図である。 粒径分布の演算手順を示すフロー図である。 図3のステップS1の手順を示すフロー図である。 図3のステップS2の手順を示すフロー図である。 図3のステップS3の手順を示すフロー図である。 図3のステップS4の手順を示すフロー図である。 粒径分布の表示例を示す図である。 濁度の表示例を示す図である。 除去目標値設定のためのGUI画面を示す図である。 凝集剤注入量の演算手順を示すフロー図である。 凝集剤注入量の表示例を示す図である。
符号の説明
1…着水井、2…急速混和池、3…フロック形成池、4…沈殿池、5…ろ過池、6…原水、7…流量計、8…計測センサ、9…沈殿池流出水、10…計測センサ、11…凝集剤貯蔵設備、12…凝集剤操作装置、13…凝集剤、14…攪拌装置、15…攪拌装置、16…攪拌操作装置、17…攪拌操作装置、100…浄水処理プラント、20…浄水処理運転支援システム20、30…データ入力手段、40…モデル演算手段、50…除去目標入力手段、60…プラントデータ入力手段、80…表示手段、90…操作量演算手段

Claims (10)

  1. 凝集沈殿により水中の濁質粒子を除去する水処理プロセスの運転を支援する装置において、
    原水の水量,水質及び水温のデータを入力する原水条件入力手段と、
    少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データを入力する土木構造入力手段と、
    前記急速混和池への凝集剤の注入量のデータを入力する凝集剤入力手段と、
    少なくとも前記急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータを入力する攪拌力入力手段と、
    前記原水条件入力手段により入力された水質のデータ中の濁度,降雨量と前記原水条件入力手段により入力された水温とを含む原水条件に基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、前記原水条件入力手段により入力された水質及び水温のデータと、前記土木構造入力手段により入力された寸法データと、前記凝集剤入力手段により入力された凝集剤の注入量のデータと、前記攪拌力入力手段により入力された攪拌力のデータとを用いて、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、前記算出された凝集効率と前記第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて前記急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、前記第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いて前記フロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、前記第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、前記沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び前記沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて前記沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、
    前記各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値を入力する除去目標入力手段と、
    前記粒径分布演算手段を用いて、前記除去目標入力手段によって入力された除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段と
    を具備したことを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の水処理プロセス運転支援装置において、
    前記粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  3. 請求項1に記載の水処理プロセス運転支援装置において、
    前記凝集剤入力手段は、凝集剤の濃度及び注入量を入力するものであることを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  4. 請求項1に記載の水処理プロセス運転支援装置において、
    前記粒径分布演算手段の演算結果を用いて沈殿池流出水濁度を演算する濁度演算手段をさらに具備し、
    前記操作量演算手段は、前記粒径分布演算手段及び前記濁度演算手段を用いて、前記除去目標入力手段によって入力された除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算することを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の水処理プロセス運転支援装置において、
    前記除去目標入力手段は、濁度,粒径,粒子体積濃度及び粒子個数濃度を目標値として入力する手段を有することを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水処理プロセス運転支援装置において、
    前記除去目標入力手段は、前記急速混和池,前記フロック形成池,前記沈殿池のプロセス毎に目標値を設定する手段と、複数の目標値を同時に設定する手段とを有することを特徴とする水処理プロセス運転支援装置。
  7. コンピュータを、
    原水の濁度,水温,降雨量を含む原水条件のデータが入力されたことに基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、原水の水質及び水温のデータと、少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データと、前記急速混和池への凝集剤の注入量のデータと、前記急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータとが入力されたことに基き、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、前記算出された凝集効率と前記第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて前記急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、前記第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いて前記フロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、前記第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、前記沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び前記沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて前記沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、
    前記各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値が入力されたことに基き、前記粒径分布演算手段を用いて、前記除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段と
    して機能させることを特徴とする水処理プロセス運転支援のためのプログラム。
  8. 請求項7に記載の水処理プロセス運転支援のためのプログラムにおいて、
    前記粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とする水処理プロセス運転支援のためのプログラム。
  9. コンピュータを、
    原水の濁度,水温,降雨量を含む原水条件のデータが入力されたことに基き、基準粒径分布記憶手段に記憶された基準粒径分布を用いて原水の粒径分布を算出する第1のステップと、原水の水質及び水温のデータと、少なくとも急速混和池,フロック形成池及び沈殿池を備える水処理プラントの寸法データと、前記急速混和池への凝集剤の注入量のデータと、前記急速混和池における攪拌装置の攪拌力のデータとが入力されたことに基き、原水の濁質粒子がマイクロフロックを形成する割合である凝集効率を算出し、前記算出された凝集効率と前記第1のステップで算出された原水の粒径分布とを用いて前記急速混和池におけるマイクロフロックの粒径分布を算出する第2のステップと、前記第2のステップで算出されたマイクロフロックの粒径分布を用いて前記フロック形成池における粒子間の衝突合一のフロックの粒径分布を算出する第3のステップと、前記第3のステップで算出されたフロックの粒径分布を用いて、前記沈殿池に流入するフロックの沈降速度及び前記沈殿池でのフロックの滞留時間に基いて前記沈殿池から流出するフロックの粒径分布を求める第4のステップとの各水処理プロセスの演算ステップを有する粒径分布演算手段と、
    前記各水処理プロセスの少なくとも1つのプロセスにおける除去目標値が入力されたことに基き、前記粒径分布演算手段を用いて、前記除去目標値を満足する凝集剤注入量を演算する操作量演算手段と
    して機能させる水処理プロセス運転支援のためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    前記粒径分布演算手段は、粒径毎に粒子数又は粒子体積を演算することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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