JP6158118B2 - 凝集剤注入率設定支援システム、凝集剤注入率設定支援方法、凝集剤注入率設定支援装置、および凝集剤注入率設定支援プログラム - Google Patents

凝集剤注入率設定支援システム、凝集剤注入率設定支援方法、凝集剤注入率設定支援装置、および凝集剤注入率設定支援プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、凝集剤注入率設定支援システム、凝集剤注入率設定支援方法、凝集剤注入率設定支援装置、および凝集剤注入率設定支援プログラムに関する。
従来、浄水処理や排水処理の分野において、河川等から流入する被処理水中の微細な懸濁物などを凝集沈殿処理によって除去する方法が用いられている。この方法によれば、被処理水を必要に応じてpH調整した上で凝集剤を添加し、攪拌・混合して凝集沈殿させ、沈殿した凝集物を汚泥として分離することによって清澄な処理水を得ることができる。
このような方法を用いる場合、凝集剤の注入率が低すぎると懸濁物が十分に凝集沈殿せず、逆に、凝集剤の注入率が高すぎるとコストの増大を招くだけでなく、凝集剤自体が処理水の濁度として現れるといった弊害が生じ得る。これに対し、凝集剤の注入率を演算等により定めるための技術が開示されているが、従来の技術では、凝集剤の注入率を適切に定めることができない場合があった。
特開2009−000672号公報 特開2011−067776号公報
本発明が解決しようとする課題は、凝集剤の注入率が適切に設定されるように支援することができる凝集剤注入率設定支援システム、凝集剤注入率設定支援方法、凝集剤注入率設定支援装置、および凝集剤注入率設定支援プログラムを提供することである。
実施形態の凝集剤注入率設定支援システムは、計測部と、記憶部と、表示部と、制御部とを持つ。計測部は、水処理施設に流入する被処理水の状態を計測する。記憶部には、被処理水の状態を含む第1のデータと、前記被処理水に対して凝集剤を注入した後の水の状態を前記凝集剤の注入率毎に計測した結果を示す第2のデータとが、互いに対応付けられた対応データとして記憶される。表示部は、画像を表示する。制御部は、前記記憶部に記憶された対応データから、前記計測部によって計測された被処理水の状態を含む参照データに近似する前記第1のデータを抽出すると共に、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータを前記記憶部から読み出し、前記読み出した第2のデータに基づく画像を前記表示部に表示させる。
第1実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100が適用される水処理施設1の構成の一例を示す図である。 ジャーテスト設備70におけるビーカテストにより得られる情報をグラフ化した図である。 プロセスデータ112として記憶されるデータの一例を示す図である。 ジャーテストデータ114として記憶されるデータの一例を示す図である。 トレンドデータ116として記憶されるデータの一例を示す図である。 ある被処理水に対するジャーテストの結果と、その被処理水が沈殿池40の出口まで到達したときの濁度とを比較した図である。 制御部120により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 表示画像(1)の一例を示す図である。 表示画像(2)の一例を示す図である。 表示画像(3)の一例を示す図である。 表示画像(4)の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100Aの構成の一例を示す図である。 推奨注入率算出部126による処理の内容を説明するための図である。 推奨注入率算出部126による処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
以下、実施形態の凝集剤注入率設定支援システム、凝集剤注入率設定支援方法、凝集剤注入率設定支援装置、および凝集剤注入率設定支援プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100が適用される水処理施設1の構成の一例を示す図である。水処理施設1では、例えば、河川水や雨水、下水、工場排水等の被処理水が着水井10に流入し、混和池20、フロック形成池30、沈殿池40、ろ過池50の順に水が流れ浄水配水池に貯えられて浄水として提供される。水処理施設1において、被処理水中の濁質粒子は、例えば、ph調整剤によってph調整された上で、凝集剤によって凝集および肥大化され、沈殿池40で汚泥として沈殿し、分離される。
以下、水処理施設1の各部の機能について説明する。着水井10は、処理すべき被処理水を取り込み、取り込んだ被処理水を、配管により接続される混和池20へ送る。着水井10には、被処理水水質計測装置11が取り付けられる。被処理水水質計測装置11は、被処理水のpHや濁度、アルカリ度、有機物濃度、水温等を計測し、計測結果(被処理水の水質情報)を凝集剤注入率設定支援装置100に出力する。被処理水水質計測装置11による計測項目は、任意に設定または切り替えできるようにしてよい。また、被処理水水質計測装置11は、計測項目に応じた複数の装置を含む装置群であってよい。着水井10と混和池20との間の水路12には、流量計13が取り付けられる。流量計13は、水路12を流れる水の流量を計測し、凝集剤注入制御装置60および凝集剤注入率設定支援装置100に出力する。また、着水井10と混和池20との間の水路12には、例えば、塩酸、硫酸、苛性ソーダ水溶液等のph調整剤が注入される。被処理水にph調整剤が注入された水は、混和池20に導入される。
混和池20では、凝集剤注入装置55により、着水井10から送られる被処理水に凝集剤が注入される。ここで、凝集剤とは、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム(硫酸ばんど)といったアルミ系の無機凝集剤が用いられる。このうち、浄水場においてはPACが主に用いられる。凝集剤注入装置55は、凝集剤注入制御装置60から入力される注入量を指定する情報に従って、凝集剤を混和池20に注入する。混和池20は、例えば、モータにより駆動される撹拌機22を備える。混和池20では、撹拌機22により、被処理水と凝集剤との混和が促進される。被処理水と凝集剤との混和が促進されることで、被処理水中の汚濁物質が凝集してフロックが形成される。混和池20は、被処理水と凝集剤とが混和された水を、形成されたフロックと共にフロック形成池30へ送る。
フロック形成池30では、混和池20において形成されたフロックが凝集し、より大きなフロックを形成する。フロック形成池30は、処理水を緩速撹拌する緩速撹拌装置31を有する。緩速撹拌装置31は、下流に向けて段階的に撹拌の強度が小さくなるように設定されている。これにより、処理水中のフロック同士の衝突が繰り返されることとなり、フロックが巨大化して沈降しやすくなる。フロック形成池30は、フロックを含む処理水を沈殿池40へ送る。
沈殿池40では、フロック形成池30から供給される水を所定時間(例えば3時間程度)以上、滞留することで、水に含まれるフロックが沈殿するようにしている。沈殿池40は、所定時間以上滞留させた水をろ過池50へ送る。沈殿池40では、肥大化した凝集物が沈殿し、汚泥として取り出される。また、沈殿池40には、処理水水質計測装置41が取り付けられる。処理水水質計測装置41は、沈殿池40内の水(処理水)のpHや濁度や色度、有機物濃度等を計測し、計測結果(処理水の水質情報)を凝集剤注入率設定支援装置100に出力する。
ろ過池50では、例えば、砂ろ過により、沈殿池40で沈殿除去されなかったフロックが除去される。ろ過池50によりフロックが除去された清浄水は、図示しない浄水配水池において塩素による殺菌等が行われた後、配水管へと分配される。なお、ろ過池50において、砂ろ過に通される前に適宜、オゾン処理や生物活性炭処理が施されたりする場合もある。
凝集剤注入制御装置60は、注入率設定部62と、プロセス制御部64とを備える。注入率設定部62は、例えば、専用キー、ダイヤルスイッチ、或いはタッチパネルやキーボード、マウスといった入力デバイスを含む。注入率設定部62は、オペレータOPによる注入率の設定操作を受け付け、設定された注入率をプロセス制御部64に出力する。プロセス制御部64は、流量計13から入力される水の流量に、注入率設定部62から入力された凝集剤の注入率を乗算することで、凝集剤注入装置55が混和池20に注入する凝集剤の量を決定し、凝集剤注入装置55に出力する。
また、水処理施設1は、ジャーテスト設備70を備える。ジャーテスト設備70では、凝集剤の注入率を段階的に変更した条件で、人手により又は機械によってビーカテストが行われる。ビーカテストは、着水井10から採取された試料水に対し、例えば、2分程度の急速撹拌、10分程度の緩速撹拌、10分程度の静置時間を経て、ビーカの上澄みの濁度が計測される。凝集剤の注入率の設定値は、例えば、現在の実注入率を中央値に設定し、3mg/Lや5mg/Lといったスパン(刻み幅)で、前後2点程度、合計で5条件程度の注入率で行われる。この結果、ジャーテスト設備70では、ある状態を有する試料水に対して、異なる注入率で凝集剤が注入された後の試料水の状態(濁度)が得られることになる。図2は、ジャーテスト設備70におけるビーカテストにより得られる情報をグラフ化した図である。
凝集剤注入率設定支援装置100は、入力部102と、表示部104と、記憶部110と、制御部120とを備える。入力部102は、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイスである。また、入力部102は、被処理水水質計測装置11や流量計13、処理水水質計測装置41、ジャーテスト設備70等との通信インターフェースを含んでもよい。表示部104は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置等の表示装置である。表示部104は、携帯電話やタブレット端末等の携帯端末の表示部であってもよい。この場合、入力部102は、携帯端末の入力部(タッチパネル等)であってよい。また、記憶部110や制御部120は、携帯端末に内蔵されるものであってもよいし、一方または双方が携帯端末とは別体の装置内に設けられてもよい。
記憶部110は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等を含む。また、凝集剤注入率設定支援装置100は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等の可搬型記憶媒体が装着可能なドライブ部を備えてもよい。ドライブ部は、装着された可搬型記憶媒体からプログラムやデータを読み込み、記憶部110に記憶させる。また、記憶部110には、プロセスデータ112、ジャーテストデータ114、トレンドデータ116等のデータが記憶される。
制御部120は、データ管理部121と、UI(ユーザインターフェース)管理部122と、プロセスデータ抽出部123と、ジャーテストデータ抽出部124と、トレンドデータ抽出部125とを備える。制御部120の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶部110に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。CPU等が実行するプログラムは、凝集剤注入率設定支援装置100の出荷時に予め記憶部110に記憶されていてもよいし、プログラムを記憶した可搬型記憶媒体がドライブ部に装着されることで記憶部110にインストールされてもよい。また、CPU等が実行するプログラムは、インターネット等のネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードされてもよい。また、制御部120の各構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
データ管理部121は、プロセスデータ112やジャーテストデータ114、トレンドデータ116を記憶部110に記憶させ、それらの対応付けを行う。図3は、プロセスデータ112として記憶されるデータの一例を示す図である。プロセスデータ112は、例えば、被処理水水質計測装置11によって計測された被処理水のpHや濁度、アルカリ度、有機物濃度、水温の他、混和池20での撹拌強度、処理水水質計測装置41により計測される沈殿池40内の処理水の濁度、滞留時間等を含んでよい。滞留時間は、例えば、着水井10から流入する水が沈殿池40に到達する(或いは沈殿池40から流出する)までの時間であり、流量計13から入力される水の流量に基づいて、データ管理部121により計算される。データ管理部121は、被処理水水質計測装置11によって定期的に計測された各種計測値を、例えば計測時刻に対応付けて自動的にプロセスデータ112に記憶する。また、データ管理部121は、処理水水質計測装置41により定期的に計測された計測値を、計測時刻から滞留時間分、遡った時刻に対応付けて自動的にプロセスデータ112に記憶させる。これによって、ある時点における被処理水の状態と、その被処理水に対して凝集剤の注入等の処理が行われて沈殿池40に到達した処理水の状態とが、プロセスデータ112において対応付けられることになる。また、プロセスデータ112には、ジャーテストデータ114やトレンドデータ116との対応付けを示す情報(図中、ジャーテストデータID、トレンドデータID)が付与される。これによって、プロセスデータ112とジャーテストデータ114、およびプロセスデータ112とトレンドデータIDは、それぞれ、互いに対応付けられた対応データを形成する。図1では、プロセスデータ112とジャーテストデータ114が互いに対応付けられた対応データを、対応データ111と表記した。ジャーテストIDは、例えば、被処理水水質計測装置11の計測時刻と、ジャーテストの開始時刻が一致する場合に、当該計測時刻を有するプロセスデータ112と、当該開始時刻を有するジャーテストデータ114とを対応付ける情報として、プロセスデータ112に付与されるものである。ここで「ジャーテストの開始時刻」とは、例えば、ジャーテスト用に着水井10から試料水を採取した時刻を指す。また、トレンドデータIDは、例えば、被処理水水質計測装置11の計測時刻から所定時間経過するまでの間に凝集剤の注入率が変更された場合に、当該計測時刻を有するプロセスデータ112と、当該凝集剤の注入率が変更された前後のトレンドデータ116とを対応付ける情報として、プロセスデータ112に付与されるものである。
図4は、ジャーテストデータ114として記憶されるデータの一例を示す図である。ジャーテストデータ114は、異なる凝集剤の注入率と、その結果として現れる濁度の組み合わせが、試料水の採取時刻およびジャーテストデータIDに対応付けられたデータである。データ管理部121は、例えば、UI管理部122が表示部104に表示させるジャーテストデータ入力用画面に対してオペレータOPが入力する情報を、ジャーテストデータ114として記憶部110に記憶させる。また、ジャーテスト設備70が自動化された設備である場合、データ管理部121は、ジャーテスト設備70から送信されてくるデータをジャーテストデータ114として記憶部110に記憶させてもよい。
図5は、トレンドデータ116として記憶されるデータの一例を示す図である。トレンドデータ116は、例えば、凝集剤の注入率が変更された前後における、被処理水水質計測装置11により計測された被処理水の濁度と、処理水水質計測装置41により計測された処理水の濁度の変化を示すデータであり、それぞれのデータにトレンドデータIDが付与されたものである。データ管理部121は、凝集剤注入制御装置60から入力される凝集剤の注入率の推移を記憶部110に記憶しておき、凝集剤の注入率が変更される直前のプロセスデータ112と、凝集剤の注入率が変更された前後の処理水の濁度の変化とを対応付けて、トレンドデータ116として記憶部110に記憶させる。
ここで、従来行われている凝集剤の注入量決定手法について述べる。沈殿池40の出口における濁度を良好な値(例えば、濁度0.5度程度)に保つための適切な凝集条件は、原水の水質変動に影響を受けて絶えず変化する。ここで、凝集剤の注入結果が、沈殿池40の出口における濁度に反映されるまでの時間は、処理プロセスを流れている被処理水の滞留時間に依存し、一般的に3〜6時間程度である。このため、沈殿池40の出口における濁度を計測し、その計測結果に基づいて凝集の良否を判断し、凝集剤の注入率を制御するのでは、原水の水質が刻一刻と変化している場合では、対応が遅くなってしまう。
水質変動が生じた際に対応を早くするため、原水の濁度及び水温等から凝集剤の注入率を演算するフィードフォワード制御(以下、FF制御)が用いられている場合がある。しかしながら、FF制御は、過去の経験に基づいてFF制御の演算式を作成し、演算式に基づいて凝集剤の注入量を決定するため、演算式の作成に用いた過去の運転実績の影響を受ける。例えば、過去の運転実績が最適な注入量よりも多めであった場合、又は安全面を考慮して多めの注入を行っていた場合等には、それらを考慮しないと凝集剤の注入率が多めに演算される傾向がある。この結果、凝集剤の過剰注入を招き、凝集剤使用コストの増大をもたらしてしまう場合がある。過剰な凝集剤の使用は汚泥の増量につながるため、汚泥処理コストの増加、及び汚泥中のアルミ含有量増加により汚泥の再利用を妨げる等の弊害をもたらしてしまう。
従って、実際の浄水場では、前述したジャーテストが採用されることが多い。ジャーテストの利点としては、前述したFF制御において、影響の度合いを正確に制御に取り込めていない、pH、水温、アルカリ度、並びに、懸濁物質及び有機物質の組成、といった凝集の良否を左右する原水の様々な水質特性に変化があった場合でも、その時その時の原水水質を用いてビーカテストで確認することにより、結果として得られる注入率がどういった原水水質の変化によるものかといった詳細な現象は把握できなくとも、その都度の水質の変化に応じた、ある程度最適な注入率を決定できることにある。
ジャーテストは、例えば1日1回、定刻に実施するケースや、原水の濁度が変化してきた時にだけ実施するケースがある。1日の中で原水の濁度が大きく変化し続けているケース、例えば大雨の時などに起こる急激な原水濁度の変化のケースでは、ジャーテストの間隔を短くして、1時間に1回といった高い頻度で行う場合もある。こういった場合は、過去の同様な原水変動が起きた際に、どの程度の注入率で処理を行ったかを参照して注入率を決定する場合もある。また、ジャーテストにおいては、凝集剤の注入率を変化させるだけでなく、実際の浄水場で採用しているpH調整剤も同時に注入し、pH調整剤を併用したほうが良いかどうか、併用する場合の最適な注入率の検討、といった点まで試験する場合もある。
ところで、前述したように、ジャーテストでは、せいぜい30分程度が経過した状態で濁度を計測するため、実際の水処理施設1における滞留時間が3〜6時間程度であることを考慮すると、沈殿池40の出口における濁度は、ジャーテストの結果よりも低い値となる(より清浄である)ことが想定される。図6は、ある被処理水に対するジャーテストの結果と、その被処理水が沈殿池40の出口まで到達したときの濁度とを比較した図である。図中、星印が、被処理水が沈殿池40の出口まで到達したときの濁度を示しており、ジャーテストの結果よりも低い値となっている。
ここで、例えば「ジャーテストの結果が閾値未満となる最小の凝集剤の注入率を採用する」という制御条件を設定した場合、その閾値として、沈殿池40の出口における許容濁度が用いられる場合がある。この場合、沈殿池40の出口における濁度はジャーテストの結果よりも低くなる可能性が高いため、凝集剤の注入率が過大となる場合がある。図6の例では、例えば濁度の閾値を0.6[mg/L]とした場合、刻み幅を3[mg/L]とすると、それを満たす最小の凝集剤の注入率は21[mg/L]となるが、凝集剤の注入率を18[mg/L]とした場合でも、沈殿池40の出口における濁度は0.6[mg/L]を下回るかも知れない。従って、ジャーテストの結果のみで凝集剤の注入率を決定する場合、凝集剤の注入率が過大となる場合がある。また、沈殿池40の出口における濁度に基づいて凝集剤の注入率が過大かどうかを判断することも考えられるが、凝集剤が過剰に注入された場合の濁度の低下分は比較的小さい値として現れるため、係る判断は困難である。更に、実際の運用では、安全重視の考え方の下、凝集剤の注入不足で濁度が上昇するよりは、凝集剤を若干過剰に注入して濁度を低下させることを優先する方に偏りがちである。
そこで、本実施形態の凝集剤注入率設定支援装置100は、リアルタイムに近い頻度(例えば、10分に1回程度)で取得される被処理水水質計測装置11の計測結果を含むデータ(参照データ)に近似するプロセスデータ112をプロセスデータ抽出部123が抽出し、抽出されたプロセスデータ112に対応付けられたジャーテストデータ114をジャーテストデータ抽出部124が抽出し、抽出されたジャーテストデータ114に基づく画像を、UI管理部122が生成して表示部104に表示させる。また、トレンドデータ抽出部125は、プロセスデータ抽出部123により抽出されたプロセスデータ112に対応付けられたトレンドデータ116を抽出し、抽出されたトレンドデータ116基づく画像を、UI管理部122が生成して表示部104に表示させる。これによって、表示部104に表示された画像を見たオペレータOPは、適切な凝集剤の注入率を設定するための情報を得ることができる。なお、参照データは、プロセスデータ112の全ての項目を備えるデータであってもよいし、プロセスデータ112の一部の項目のみ備えるデータであってもよい。
以下、制御部120による処理について、より詳細に説明する。図7は、制御部120により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、UI管理部122が、始動要求を受け付ける画面を表示し、オペレータOPにより始動要求がなされるまで待機する(ステップS200)。
オペレータOPにより始動要求指示がなされると、プロセスデータ抽出部123が、直近で入力された被処理水水質計測装置11の計測結果を含む参照データを生成し、参照データと近似するプロセスデータ112を抽出する(ステップS202)。近似するデータの抽出手法としては、種々の手法を用いることができるが、プロセスデータ抽出部123は、例えば、参照データとプロセスデータ112との自己相関を求め、自己相関が最も大きいプロセスデータ112を抽出するようにしてよい。また、個々のプロセスデータに「近似する」と見なすデータの範囲(幅)を設定しておき、参照データとプロセスデータの個々のデータにおいて、両者の差がこの範囲内であれば「近似する」と見なしてもよい。ここでデータの範囲はオペレータOPが任意に設定できるものとする。また、プロセスデータ抽出部123は、最も近似する1つのプロセスデータ112を抽出するのではなく、近似する順に複数のプロセスデータ112を抽出してもよい。
UI管理部122は、プロセスデータ抽出部123により抽出されたプロセスデータ112の一覧を、表示部104に表示させるようにしてよい。図8は、プロセスデータ抽出部123により抽出されたプロセスデータ112の一覧が表示される表示画像(1)の一例を示す図である。図示するように、表示部104には、例えば、現在の状態を示す参照データに近似する複数のプロセスデータ112が表示されてよい。以下、複数のプロセスデータ112が抽出されて表示されるものとして説明する。
フローチャートの説明に戻る。プロセスデータ112が抽出されると、UI管理部122は、オペレータOPによっていずれかのプロセスデータ112が選択されるまで待機する(ステップS204)。オペレータOPによっていずれかのプロセスデータ112が選択されると、ジャーテストデータ抽出部124が、選択されたプロセスデータ112に対応する(ジャーテストデータIDが一致する)ジャーテストデータ114を読み出す(ステップS206)。そして、UI管理部122は、読み出されたジャーテストデータ114に基づく画像を生成し、表示部104に表示させる(ステップS208)。
図8に示す表示画像(1)において、オペレータOPが、例えばプロセスデータAを選択した場合、選択されたプロセスデータAに対応するジャーテストデータ114が読み出され、読み出されたジャーテストデータ114に基づく画像がUI管理部122によって生成され、表示部104に表示される。プロセスデータAの選択は、マウスでクリック、矢印キーで選択、その位置にタッチすること等で行われる。
図9は、プロセスデータが選択されることで表示される表示画像(2)の一例を示す図である。図示するように、表示画像(2)は、オペレータOPによって選択されたプロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114をグラフ化した画像を含む。また、このグラフ化された画像には、選択されたプロセスデータ112に含まれる(滞留時間経過後の)処理水の濁度の情報が示されると好適である。図中、星印は、プロセスデータ112に含まれる処理水の濁度、すなわちジャーテストの結果ではなく、そのジャーテストが実施されたものと同じ被処理水が、水処理施設1において実際に処理された処理水の濁度を示している。
次に、UI管理部122は、オペレータOPにより画面の切り替え操作がなされるまで待機する(ステップS210)。オペレータOPにより画面の切り替え操作がなされると、トレンドデータ抽出部125が、オペレータOPにより選択されたプロセスデータ112に対応付けられたトレンドデータ116を読み出す(ステップS212)。そして、UI管理部122は、読み出されたトレンドデータ116に基づく画像を生成し、表示部104に表示させる(ステップS214)。
図10は、画面の切り替え操作がなされることで表示される表示画像(3)の一例を示す図である。図示するように、表示画像(3)は、オペレータOPによって選択されたプロセスデータ112に対応するトレンドデータ116をグラフ化した画像を含む。
なお、ジャーテストデータ114をグラフ化した画像は、オペレータによるプロセスデータ112の選択の有無に拘わらず、プロセスデータ抽出部123により抽出された全てのプロセスデータ112について生成され、表示されてもよい。図11は、プロセスデータ抽出部123により抽出された全てのプロセスデータに対応するジャーテストデータ114がグラフ化された画像を含む表示画像(4)の一例を示す図である。図中、三角印や四角印は、プロセスデータ112とグラフの対応関係を示している。
以上のような処理によって、現在の被処理水の状態と近似した状態であったときのジャーテストの結果や、その被処理水が沈殿池40の出口に到達したときの濁度等の情報をオペレータOPに提供することができる。この結果オペレータOPは、現在の被処理水の状態を総合的に判断し、凝集剤の注入率を適切に設定することができる。
なお、図7のフローチャートの説明では、ジャーテストデータ114に基づく画像を含む表示画像(2)から、トレンドデータ116に基づく画像を含む表示画像(3)に遷移するものとしたが、参照データに近似するプロセスデータ112が抽出された直後に、トレンドデータ116に基づく画像を含む表示画像(3)に遷移するように制御してもよい。また、図7のフローチャートの説明は、典型的な処理の流れを例示したものに過ぎず、表示画像(2)が表示された後に、プロセスデータ112の再抽出がオペレータOPによって指示されるのを受け付けるなど、処理のやり直しやスキップが適宜行われてよい。
以上説明した第1の実施形態の凝集剤注入率設定支援装置100によれば、記憶部110に記憶されたプロセスデータ112やジャーテストデータ114を参照し、被処理水水質計測装置11によって計測された被処理水の状態を含む参照データに近似するプロセスデータ112(第1のデータ)を抽出すると共に、抽出したプロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114(第2のデータ)を記憶部110から読み出し、読み出したジャーテストデータ114に基づく画像を表示部104に表示させることにより、凝集剤の注入率が適切に設定されるように支援することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100Aについて説明する。図12は、第2の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100Aの構成の一例を示す図である。なお、図12では、図1に示すような凝集剤注入率設定支援装置の周辺環境についての図示を省略した。第2の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100Aは、第1の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100と比較すると、推奨注入率算出部126を備える点で相違する。ここでは、係る相違点を中心に説明し、第1の実施形態との共通部分についての説明は省略する。
第2実施形態に係るUI管理部122は、オペレータOPによる運転モードの選択を受け付ける画像を表示部104に表示させる。運転モードとしては、例えば、被処理水の濁度を低下させることを優先する水質安定優先モード、凝集剤の注入コストの削減を優先するコスト削減優先モード、その中間の推奨値モード等が用意される。
推奨注入率算出部126は、第1の実施形態で説明したようにオペレータOPによってプロセスデータ112が選択されると、そのプロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114と、プロセスデータ112に含まれる処理水の濁度等に基づいて、凝集剤の推奨注入率を算出する。図13は、推奨注入率算出部126による処理の内容を説明するための図である。図中のグラフは、オペレータOPによって選択されたプロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114に基づくものであり、星印は、プロセスデータ112に含まれる処理水の濁度を示している。
また、図14は、推奨注入率算出部126による処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。まず、推奨注入率算出部126は、ジャーテストの結果としての濁度のうち、その時点で設定されていた凝集剤の注入率に対応する濁度(図中a)と、処理水の濁度との差分(図中D)を算出する(ステップS300)。次に、推奨注入率算出部126は、ジャーテストの結果としての濁度を、差分Dだけ下方に平行移動させる(ステップS302)。図13における曲線bが、差分Dだけ下方に平行移動させた(水質が良好な側にシフトさせた)濁度曲線に相当する。
次に、推奨注入率算出部126は、差分Dだけ下方に平行移動させた濁度曲線と、濁度に対して設定されている閾値(図中c)との交点を求め(ステップS304)、交点に対応する凝集剤の注入率(図中e)を求める(ステップS306)。推奨注入率算出部126は、現在設定されている凝集剤の注入率(図13では21[mg/l])と、交点に対応する凝集剤の注入率e(図13では17[mg/l])との差分を、注入率の最大削減幅Xとして算出し(ステップS308)、最大削減幅Xに対して運転モードに対応した係数Yを乗算した値を、推奨注入率Zとして算出する(ステップS310;式(1)参照)。
Z=(現在の凝集剤の注入率)―(最大削減幅X)×(係数Y) ‥(1)
ここで、係数Yは、例えば、水質安定優先モードが選択されている場合に最も小さい[0.25]程度に設定され、コスト削減優先モードが選択されている場合に、最も大きい[1.0]程度に設定され、推奨値モードが選択されている場合に、中間の[0.5]程度に設定される。現在の凝集剤の注入率が21[mg/l]、注入率の最大削減幅Xが4[mg/l]であれば、推奨注入率Zは、以下のように算出される。
・水質安定優先モード :Z=21―4×0.25=20[mg/l]
・コスト削減優先モード:Z=21―4×1.0 =17[mg/l]
・推奨値モード :Z=21―4×0.5 =19[mg/l]
推奨注入率Zは、表示部104に表示されてオペレータOPに見せるようにしてもよいし、凝集剤注入制御装置60に送信されて、自動的に注入率を設定するようにしてもよい。
以上説明した第2の実施形態に係る凝集剤注入率設定支援装置100Aによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、プロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114と、プロセスデータ112に含まれる被処理水の濁度とに基づいて、凝集剤の推奨注入率を算出するため、経験の豊富なオペレータOPでなくても容易に、凝集剤の注入率が適切に設定されるように支援することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、被処理水の状態を含むプロセスデータ112(第1のデータ)と、被処理水に対して凝集剤を注入した後の水の状態を凝集剤の注入率毎に計測した結果を示すジャーテストデータ114(第2のデータ)が、互いに対応付けられた対応データから、被処理水水質計測装置11によって計測された被処理水の状態を含む参照データに近似するプロセスデータ112を抽出すると共に、抽出したプロセスデータ112に対応するジャーテストデータ114を記憶部110から読み出し、読み出したジャーテストデータ114に基づく画像を表示部104に表示させる機能を持つことにより、凝集剤の注入率が適切に設定されるように支援することができる。
なお、上記実施形態における凝集剤注入率設定支援装置100または凝集剤注入率設定支援装置100Aに、被処理水水質計測装置11や処理水水質計測装置41を加えたものが、「凝集剤注入率設定支援システム」の一例である。また、処理水の濁度は、「処理水の状態」の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…水処理施設、10…着水井、11…被処理水水質計測装置、13…流量計、20…混和池、30…フロック形成池、40…沈殿池、41…処理水水質計測装置、50…ろ過池、55…凝集剤注入装置、60…凝集剤注入制御装置、62…注入率設定部、64…プロセス制御部、70…ジャーテスト設備、100…凝集剤注入率設定支援装置、102…入力部、104…表示部、110…記憶部、112…プロセスデータ、114…ジャーテストデータ、116…トレンドデータ、120…制御部、121…データ管理部、122…UI管理部、123…プロセスデータ抽出部、124…ジャーテストデータ抽出部、125…トレンドデータ抽出部

Claims (7)

  1. 水処理施設に流入する被処理水の状態を計測する計測部と、
    被処理水の状態を含む第1のデータと、前記被処理水に対して凝集剤を注入した後の水の状態を前記凝集剤の注入率毎に計測した結果を示す第2のデータとが、互いに対応付けられた対応データとして記憶される記憶部と、
    画像を表示する表示部と、
    前記記憶部に記憶された対応データから、前記計測部によって計測された被処理水の状態を含む参照データに近似する前記第1のデータを抽出すると共に、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータを前記記憶部から読み出し、前記読み出した第2のデータに基づく画像を前記表示部に表示させる制御部と、
    を備え
    前記第1のデータには、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態であって、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態が含まれ、
    前記制御部は、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータに含まれる代表値と、前記処理水の状態を示す値との差分を算出し、前記算出した差分だけ前記第2のデータの各値を水質が良好な側にシフトさせ、前記シフトさせたデータと閾値との交点から前記凝集剤の注入率の最大削減幅を算出し、前記算出した最大削減幅に基づいて前記凝集剤の推奨注入率を算出する、
    凝集剤注入率設定支援システム。
  2. 前記第1のデータには、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態であって、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態が含まれ、
    前記制御部は、前記第2のデータに基づく画像と共に、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態に基づく画像を前記表示部に表示させる、
    請求項1記載の凝集剤注入率設定支援システム。
  3. 前記制御部は、前記水処理施設における前記被処理水の状態が計測される箇所から前記処理水の状態が計測される箇所までの滞留時間を、前記水処理施設における水の流量に基づいて算出し、前記被処理水の状態が計測された時刻に対応付けて、前記算出した滞留時間分遅らせた測定時刻に対応付けられた前記処理水の状態を前記記憶部に記憶させておき、前記記憶部に記憶させておいた情報に基づいて、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態に基づく画像を前記表示部に表示させる、
    請求項2記載の凝集剤注入率設定支援システム。
  4. 前記記憶部には、前記凝集剤の注入率が変更される前後における、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態の変化を示す第3のデータが前記第1のデータに対応付けられて記憶され、
    前記制御部は、前記抽出した第1のデータに対応する前記第3のデータを前記記憶部から読み出し、前記読み出した第3のデータに基づく画像を前記表示部に表示させる、
    請求項1から3のうちいずれか1項記載の凝集剤注入率設定支援システム。
  5. 水処理施設に流入する被処理水の状態を計測する計測部と、被処理水の状態を含む第1のデータと、前記被処理水に対して凝集剤を注入した後の水の状態を前記凝集剤の注入率毎に計測した結果を示す第2のデータとを、互いに対応付けられた対応データとして記憶する記憶部と、画像を表示する表示部と、を備える凝集剤注入率設定支援システムの制御部が、
    前記記憶部に記憶された対応データから、前記計測部によって計測された被処理水の状態を含む参照データに近似する前記第1のデータを抽出し、
    前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータを前記記憶部から読み出し、
    前記読み出した第2のデータに基づく画像を前記表示部に表示させ
    前記第1のデータに、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態であって、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態が含まれる場合に、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータに含まれる代表値と、前記処理水の状態を示す値との差分を算出し、前記算出した差分だけ前記第2のデータの各値を水質が良好な側にシフトさせ、前記シフトさせたデータと閾値との交点から前記凝集剤の注入率の最大削減幅を算出し、前記算出した最大削減幅に基づいて前記凝集剤の推奨注入率を算出する、
    凝集剤注入率設定支援方法。
  6. 水処理施設に流入する被処理水の状態を取得する取得部と、
    被処理水の状態を示す第1のデータと、前記被処理水に対して凝集剤を注入した水の状態を前記凝集剤の注入率毎に計測した結果を示す第2のデータとが対応付けられた対応データから、前記取得部によって取得された被処理水の状態に近似する前記第1のデータを抽出すると共に、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータを読み出し、前記読み出した第2のデータに基づく画像を表示部に表示させる制御部と、
    を備え
    前記第1のデータには、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態であって、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態が含まれ、
    前記制御部は、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータに含まれる代表値と、前記処理水の状態を示す値との差分を算出し、前記算出した差分だけ前記第2のデータの各値を水質が良好な側にシフトさせ、前記シフトさせたデータと閾値との交点から前記凝集剤の注入率の最大削減幅を算出し、前記算出した最大削減幅に基づいて前記凝集剤の推奨注入率を算出する、
    凝集剤注入率設定支援装置。
  7. 水処理施設に流入する被処理水の状態を取得する取得部と、
    被処理水の状態を示す第1のデータと、前記被処理水に対して凝集剤を注入した水の状態を前記凝集剤の注入率毎に計測した結果を示す第2のデータとが対応付けられた対応データから、前記取得部によって取得された被処理水の状態に近似する前記第1のデータを抽出すると共に、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータを読み出し、前記読み出した第2のデータに基づく画像を表示部に表示させる制御部と、
    を備え、
    前記第1のデータには、前記水処理施設における前記凝集剤が注入される箇所よりも水の流れに関して下流側の箇所で計測された処理水の状態であって、前記被処理水の状態が計測された時刻よりも所定時間後に計測された処理水の状態が含まれ、
    前記制御部は、前記抽出した第1のデータに対応する前記第2のデータに含まれる代表値と、前記処理水の状態を示す値との差分を算出し、前記算出した差分だけ前記第2のデータの各値を水質が良好な側にシフトさせ、前記シフトさせたデータと閾値との交点から前記凝集剤の注入率の最大削減幅を算出し、前記算出した最大削減幅に基づいて前記凝集剤の推奨注入率を算出する、
    凝集剤注入率設定支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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