JP7258606B2 - 制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、制御装置、制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
河川や湖沼、貯水池等から浄水場に流入する被処理水(以下「原水」ともいう。)には、フミン等の溶解性の天然有機物(以下「溶解性有機物」という。)が含まれている。一方、浄水場では、鉄やマンガン等の金属類の除去や消毒処理を目的として、被処理水に次亜塩素酸ナトリウム等の薬品剤が注入されるが、溶解性有機物を含む原水が浄水場に流入する場合、溶解性有機物と薬品剤との化学反応によってトリハロメタン類やハロ酢酸類等の消毒副生成物が生成される。これら消毒副生成物は発癌性物質であるため、上記化学反応による生成を抑制する必要がある。
多くの浄水場では、この溶解性有機物の除去を目的として被処理水に粉末活性炭が注入される。この粉末活性炭を用いた溶解性有機物の除去方法では、被処理水の水質に応じて粉末活性炭の注入率が決定されるが、この決定方法にはジャーテスト(ビーカーテストともいう。)が用いられることが多い。ジャーテストとは、被処理水を複数のビーカーに採水し、その採水した複数の被処理水にそれぞれ異なる量の粉末活性炭を注入して、溶解性有機物の除去効果を評価する方法である。ジャーテストにおいて良好な効果を得られたビーカーの注入量に基づいて粉末活性炭の最低限の注入率が求められる。
しかしながら、ジャーテストによって粉末活性炭の注入率を決定する方法では、粉末活性炭の注入率を被処理水の水質の変化に追随して適切に管理することが非常に難しい。これは、ジャーテストによる注入率の決定には時間がかかるため、適切な注入率が得られたときには既に被処理水の水質が変化してしまっていることが多いためである。また、粉末活性炭の投入に用いられる実際の注入率は、ジャーテストによって求められた注入率に安全マージンを確保した値として決定されるのが一般的であり、粉末活性炭が過剰に注入されてしまいがちである。粉末活性炭は、凝集剤や硫酸、次亜塩素酸ナトリウム等の他の薬品に比べ単価が非常に高いため、粉末活性炭の過剰注入は薬品コストの高騰を招く可能性がある。このような背景により、粉末活性炭の過剰注入を抑制し、被処理水の水質の変化に応じて粉末活性炭の注入率を適切な注入率に制御することができる技術が望まれている。
特開2012-213759号公報
本発明が解決しようとする課題は、溶解性有機物の除去を目的として被処理水に注入される粉末活性炭の注入量をより適切に制御することができる制御装置、制御方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態の制御装置は、粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置であって、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部と、凝集剤注入制御部と、粉末活性炭注入制御部と、を持つ。次亜塩素酸ナトリウム注入制御部は、前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する。凝集剤注入制御部は、前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する。粉末活性炭注入制御部は、前記原水の紫外線吸光度と、前記次亜塩素酸ナトリウム注入制御部によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する。
第1の実施形態における水処理システムの構成例を示す図。 第1の実施形態における粉末活性炭注入制御部の機能構成の具体例を示す図。 第1の実施形態において、制御装置が粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャート。 第1の実施形態において、原水のDOC濃度と原水の紫外線吸光度との相関について得られた知見を示す図。 第1の実施形態において、濾過水のDOC濃度と濾過水の紫外線吸光度との相関について得られた知見を説明する図。 第1の実施形態において、粉末活性炭の注入率と、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図。 第1の実施形態において、粉末活性炭及び凝集剤による溶解性有機物の除去効果を示す実験結果を示す図。 第1の実施形態において、原水のpHと、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図。 第1の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、原水の紫外線吸光度と、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図。 第2の実施形態における水処理システムの構成例を示す図。 第2の実施形態における粉末活性炭注入制御部の機能構成の具体例を示す図。 第2の実施形態において、制御装置が粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャート。 第3の実施形態における水処理システムの構成例を示す図。 第3の実施形態における粉末活性炭注入制御部の機能構成の具体例を示す図。 制御装置80bが粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャート。
以下、実施形態の制御装置、制御方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における水処理システムの構成例を示す図である。図1は、第1の実施形態の水処理システムの一例として急速濾過方式の水処理システム100を示す。水処理システム100は、着水井10、粉末活性炭混和池20、前塩素混和池30、凝集剤混和池40、フロック形成池50、沈澱池60、及び濾過池70を備える。また、水処理システム100は、粉末活性炭混和池20において被処理水に粉末活性炭を注入する粉末活性炭注入装置21、前塩素混和池30において被処理水に次亜塩素酸ナトリウムを注入する次亜塩素酸ナトリウム注入装置31、及び凝集剤混和池40において被処理水に凝集剤を注入する凝集剤注入装置41を備える。さらに、水処理システム100は、粉末活性炭注入装置21による粉末活性炭の注入率、次亜塩素酸ナトリウム注入装置31による次亜塩素酸ナトリウムの注入率、及び凝集剤注入装置41による凝集剤の注入率を制御する制御装置80を備える。
以下、被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭により吸着・除去する処理を第1処理という。また、被処理水に含まれる鉄やマンガン等の金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化する処理を第2処理という。また、被処理水に含まれる粘土質や細菌類、藻類等の懸濁物質を凝集剤により凝集・沈降させる処理を第3処理という。なお、第3処理では、粉末活性炭混和池20において注入された粉末活性炭も併せて除去される。
着水井10は、水処理システム100に流入する被処理水(以下「原水」ともいう。)を貯留する貯水池である。着水井10に流入した原水は、所定時間の滞留の後、後段の粉末活性炭混和池20に送られる。なお、着水井10と粉末活性炭混和池20との間には、原水の各種水質を測定する水質測定器11と、原水の紫外線吸光度を測定するUV(Ultra Violet)測定器12と、粉末活性炭混和池20に流入する原水の流量(以下「流入流量」という。)を測定する流量計13と、が設置される。水質測定器11、UV測定器12及び流量計13の各装置は、制御装置80と通信可能に接続されており、測定データを制御装置80に送信する。
具体的には、水質測定器11は、原水の水質として、濁度、アルカリ度、水温、pH、塩素要求量、アンモニア濃度を測定する。水質測定器11は、これらの各水質の全てを測定可能な1台の装置として構成されてもよいし、各水質の一部を個別に測定可能な複数の装置の集合として構成されてもよい。
粉末活性炭混和池20は、着水井10から送られてくる被処理水に第1処理を施すための貯水槽である。具体的には、粉末活性炭混和池20では、粉末活性炭注入装置21によって被処理水に粉末活性炭が注入される。粉末活性炭注入装置21は、粉末活性炭の貯留タンクやポンプ等の駆動部を備え、駆動部の動作によって貯留タンク内の粉末活性炭を粉末活性炭混和池20に供給する。粉末活性炭の注入量は、制御装置80が粉末活性炭注入装置21の注入率を制御することによって調節される。
前塩素混和池30は、粉末活性炭混和池20から送られてくる被処理水に第2処理を施すための貯水槽である。具体的には、前塩素混和池30では、次亜塩素酸ナトリウム注入装置31によって被処理水に次亜塩素酸ナトリウムが注入される。次亜塩素酸ナトリウム注入装置31は、次亜塩素酸ナトリウムの貯留タンクやポンプ等の駆動部を備え、駆動部の動作によって貯留タンク内の次亜塩素酸ナトリウムを前塩素混和池30に供給する。次亜塩素酸ナトリウムの注入量は、制御装置80が次亜塩素酸ナトリウム注入装置31の注入率を制御することによって調節される。
凝集剤混和池40、フロック形成池50及び沈澱池60は、前塩素混和池30から送られてくる被処理水に第3処理を施すための貯水槽である。具体的には、凝集剤混和池40では、凝集剤注入装置41によって被処理水に凝集剤が注入される。凝集剤注入装置41は、凝集剤の貯留タンクやポンプ等の駆動部を備え、駆動部の動作によって貯留タンク内の凝集剤を凝集剤混和池40に供給する。凝集剤の注入量は、制御装置80が凝集剤注入装置41の注入率を制御することによって調節される。
なお、第3処理で用いられる凝集剤は、アルミニウム系凝集剤又は鉄系凝集剤であることが好ましい。例えば、アルミニウム系凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)やポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride)などの化合物が挙げられる。また、鉄系凝集剤としては、塩化鉄や硫酸鉄、ポリシリカ鉄などの化合物が挙げられる。本実施形態では、凝集剤としてPACを用いる場合を想定する。
また、凝集剤混和池40には、被処理水と凝集剤とを混和するための攪拌機(図示せず)が備えられる。例えば、この攪拌機にはフラッシュミキサ(急速攪拌機)を用いることができる。攪拌機によって被処理水が攪拌されることにより、被処理水中の懸濁物質や粉末活性炭が凝集して微細なフロックを形成する。また、凝集剤混和池40には、凝集剤が注入された被処理水(以下「混和水」ともいう。)のpHを測定するpH測定器42が備えられる。pH測定器42は、制御装置80と通信可能に接続されており、測定データを制御装置80に送信する。
フロック形成池50には、フロックの集塊化を促進するために被処理水を攪拌する攪拌機51が備えられる。例えば、攪拌機51にはフロキュレータ(緩速攪拌機)を用いることができる。凝集剤混和池40において形成された微細なフロックを含む被処理水がフロック形成池50に送られた後、攪拌機51によって攪拌されることにより、被処理水中の微細なフロックが集塊化してより大きなフロックを形成する。なお、図1は、フロック形成池50に3つの攪拌機51-1~51-3が備えられた例を示しているが、攪拌機51の数は2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
沈澱池60は、フロック形成池50から送られてくる被処理水を所定時間以上貯留する貯水池である。沈澱池60では、集塊化したフロックが重力沈降により底部に沈殿することで被処理水から分離される。沈澱池60の底部に沈殿した汚泥は、図示しない汚泥引き抜きポンプにより適宜引き抜かれる。一方、フロックが分離された上澄み水は後段の濾過池70に送られる。
濾過池70は、沈澱池60から送られてくる被処理水を濾過する貯水池である。濾過池70では、沈澱池60で分離されずに残存する微小なフロックが濾過により被処理水から分離・除去される。濾過された被処理水(濾過水)は、浄化処理を終えた水(以下「処理水」という。)として放流又は再利用される。
制御装置80は、水質測定器11、UV測定器12、流量計13及びpH測定器42の測定データに基づいて、粉末活性炭注入装置21による粉末活性炭の注入率、次亜塩素酸ナトリウム注入装置31による次亜塩素酸ナトリウムの注入率、及び、凝集剤注入装置41による凝集剤の注入率を制御する。
具体的には、制御装置80は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。制御装置80は、プログラムの実行によって次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81、凝集剤注入制御部82及び粉末活性炭注入制御部83を備える装置として機能する。なお、制御装置80の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、原水の水質に基づいて次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する。具体的には、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、原水の塩素要求量又はアンモニア濃度に基づいて次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClを決定する。次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、次亜塩素酸ナトリウム注入装置31に対し、決定した注入率での注入動作を指示することにより、前塩素混和池30における次亜塩素酸ナトリウムの注入量を調節する。
なお、次亜塩素酸ナトリウムの適切な注入量は被処理水の処理量に応じて異なるため、流入流量が短時間で大きく変動することが見込まれる場合には、次亜塩素酸ナトリウムの注入量も流入流量の変動に応じて調節されることが望ましい。この場合、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、決定した注入率を流入流量に応じて換算した注入量で次亜塩素酸ナトリウム注入装置31を制御するように構成されてもよい。具体的には、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、流量計13によって測定される原水の流入流量Qを取得し、決定した注入率IClと原水の流入流量Qとに基づいて次亜塩素酸ナトリウムの注入量を算出することができる。
なお、上記方法は、次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する方法の一例であり、次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定方法を上記方法に限定するものではない。次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定方法は、第2処理(金属類の酸化処理)に必要な次亜塩素酸ナトリウムの注入率又は注入量を原水の水質に応じて決定する方法であれば他のどのような方法であってもよく、水処理システム100の構成や性質又は用途等に応じて適切な方法が選択されるとよい。
凝集剤注入制御部82は、原水の水質に基づいて凝集剤混和池40における凝集剤の注入率を決定する。具体的には、凝集剤注入制御部82は、原水の濁度、アルカリ度又は水温と、凝集剤混和池40における混和水のpH(pH)と、に基づいて凝集剤の注入率IPACを決定する。凝集剤注入制御部82は、凝集剤注入装置41に対し、決定した注入率での注入動作を指示することにより、凝集剤混和池40における凝集剤の注入量を調節する。
なお、凝集剤の適切な注入量は被処理水の処理量に応じて異なるため、流入流量が短時間で大きく変動することが見込まれる場合には、凝集剤の注入量も流入流量の変動に応じて調節されることが望ましい。この場合、凝集剤注入制御部82は、決定した注入率を流入流量に応じて換算した注入量で凝集剤注入装置41を制御するように構成されてもよい。具体的には、凝集剤注入制御部82は、流量計13によって測定される原水の流入流量(Q)を取得し、決定した注入率IPACと原水の流入流量Qとに基づいて凝集剤の注入量を算出することができる。
なお、上記方法は、凝集剤の注入率を決定する方法の一例であり、凝集剤の注入率の決定方法を上記方法に限定するものではない。凝集剤の注入率の決定方法は、第3処理(懸濁物質の凝集処理)に必要な凝集剤の注入率又は注入量を原水の水質に応じて決定する方法であれば他のどのような方法であってもよく、水処理システム100の構成や性質又は用途等に応じて適切な方法が選択されるとよい。
粉末活性炭注入制御部83は、原水の水質に基づいて粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率を決定する。具体的には、粉末活性炭注入制御部83は、原水のpH(pH)と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間と、原水の紫外線吸光度UVと、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClと、凝集剤注入制御部82によって決定された凝集剤の注入率IPACと、に基づいて粉末活性炭の注入率IACPを決定する。粉末活性炭注入制御部83は、粉末活性炭注入装置21に対し、決定した注入率での注入動作を指示することにより、粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入量を調節する。
図2は、粉末活性炭注入制御部83の機能構成の具体例を示す図である。粉末活性炭注入制御部83は、目標吸光度決定部831、目標処理率算出部832及び粉末活性炭注入率算出部833を備える。
目標吸光度決定部831は、処理水(ここではすなわち濾過水)の水質目標値に対応する紫外線吸光度の目標値(以下「目標吸光度」という。)を決定する機能を有する。例えば、水質目標値は、被処理水に含まれる溶解性有機物の量の指標値であるDOC(Dissolved Organic Carbon:溶解性有機体炭素濃度)濃度によって表される。具体的には、目標吸光度決定部831は、後述する紫外線吸光度とDOC濃度との関係性に基づいて、DOC濃度の目標値(目標DOC)に対応する目標吸光度UVSVを決定する。なお、目標DOCを示す情報は、予め目標吸光度決定部831に記憶されていてもよいし、キーボード等の入力装置を介して目標吸光度決定部831に入力されてもよい。
目標処理率算出部832は、処理水の水質目標値に対応する処理率の目標値(以下「目標処理率」という。)を算出する機能を有する。ここでいう処理率とは、原水から除去されるDOCの量に関する指標値であり、例えば、原水の紫外線吸光度UVに対する目標吸光度UVSVの割合RUV(Remain Ultra Violet)として次の式(1)のように定義される。
Figure 0007258606000001
粉末活性炭注入率算出部833は、前塩素混和池30における次亜塩素酸ナトリウムの注入量と、凝集剤混和池40における凝集剤の注入量と、原水の水質とに基づいて、処理水の水質目標値に応じた粉末活性炭の注入量を算出する機能を有する。
例えば、粉末活性炭注入率算出部833は、前塩素混和池30における次亜塩素酸ナトリウムの注入率ICl、凝集剤混和池40における凝集剤の注入率IPAC、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間t、原水のpH(pH)、及び処理率RUVと、粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率IACPとの関係を定義した関数fに、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClの値と、凝集剤注入制御部82によって決定された凝集剤の注入率IPACの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、原水のpH(pH)の測定値と、目標処理率算出部832によって決定された目標処理率RUVの値と、を与えることにより、粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率IACPを算出する。この場合、関数fを示す情報は予め粉末活性炭注入率算出部833に記憶されているものとする。
なお、粉末活性炭の適切な注入量は被処理水の処理量に応じて異なるため、流入流量が短時間で大きく変動することが見込まれる場合には、粉末活性炭の注入量も流入流量の変動に応じて調整されることが望ましい。この場合、粉末活性炭注入率算出部833は、決定した注入率を流入流量に応じて換算した注入量で粉末活性炭注入装置21を制御するように構成されてもよい。この場合、粉末活性炭注入率算出部833は、流量計13から原水の流入流量Qの測定値を取得し、決定した注入率IACPと原水の流入流量Qとに基づいて粉末活性炭の注入量を算出することができる。
図3は、制御装置80が粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャートである。まず、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81が、原水の水質に基づいて次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClを決定する(ステップS101)。一般に、第2処理(金属類の酸化処理)に必要とされる次亜塩素酸ナトリウムの注入量は、原水の塩素要求量やアンモニア濃度等に影響される。そのため、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、注入量に影響するこれらの因子を観測し、観測値に応じた次亜塩素酸ナトリウムの注入量を決定する。以下では、一例として、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81が、原水の塩素要求量に応じて次亜塩素酸ナトリウムの注入量を決定する方法について説明する。
例えば、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81は、原水の塩素要求量Chlと、第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClと、の関係を定義した関数fに、原水の塩素要求量Chlの測定値を与えることにより、次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClを算出する。この場合、関数fを示す情報は予め次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81に記憶されているものとする。例えば関数fは次の式(2)のように表される。
Figure 0007258606000002
また、式(2)によって算出された注入率IClの値と、原水の流入流量Qの測定値とを次の式(3)に与えることにより、次亜塩素酸ナトリウムの注入量qClを算出することができる。なお、関数fは、必ずしも原水の塩素要求量Chlを変数に含む関数である必要はない。関数fは、原水の塩素要求量Chlと、原水のアンモニア濃度との少なくとも1つを変数に含む関数であればよい。
Figure 0007258606000003
続いて、凝集剤注入制御部82が、原水の水質に基づいて凝集剤の注入率IPACを決定する(ステップS102)。凝集剤の注入率を決定する際に用いられる原水の水質としては、例えば、濁度、アルカリ度、水温などが挙げられる。
例えば、凝集剤注入制御部82は、原水の濁度、アルカリ度及び水温と、凝集剤混和池40における混和水のpHと、の関係を定義した関数fに、原水の濁度Tの測定値と、原水のアルカリ度Alkの測定値と、原水の水温Tの測定値と、混和水のpH(pH)の測定値と、を与えることにより、凝集剤の注入率IPACを算出する。この場合、関数fを示す情報を予め凝集剤注入制御部82に記憶されているものとする。例えば、関数fは次の式(4)のように表される。
Figure 0007258606000004
また、式(4)によって算出された注入率IPACの値と、原水の流入流量Qの測定値とを次の式(5)に与えることにより、凝集剤の注入量qPACを算出することができる。なお、関数fは、必ずしも原水の濁度Tと、原水のアルカリ度Alkと、原水の水温Tと、の全てを変数に含む関数である必要はない。関数fは、これらのうちの少なくとも1を変数に含む関数であればよい。
Figure 0007258606000005
次に、粉末活性炭注入制御部83が、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClと、凝集剤注入制御部82によって決定された凝集剤の注入率IPACと、に基づいて粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率IACPを決定する。
具体的には、まず、粉末活性炭注入制御部83が目標DOCの値を目標吸光度決定部831に出力するとともに、UV測定器12から取得される原水の紫外線吸光度UVの測定値を目標処理率算出部832に出力する(ステップS103)。第1の実施形態では、原水の紫外線吸光度UVの測定に波長が約260nmの紫外線が用いられる。ここで、当該波長の紫外線を用いる理由は、原水のDOC濃度に関して以下の新たな知見が得られたことによる。
図4は、原水のDOC濃度と原水の紫外線吸光度との相関について得られた知見を示す図である。また、図5は、濾過水のDOC濃度と濾過水の紫外線吸光度との相関について得られた知見を説明する図である。図4及び図5は、ともに、260nm波長の紫外線に関して得られた相関を示している。図4に示すように、原水のDOC濃度と紫外線吸光度との間には波長260nmの紫外線に関して強い相関があり、この場合、原水のDOC濃度と紫外線吸光度との間の相関性を直線で近似できるとの知見が得られた。
また、図5に示すように、濾過水のDOC濃度と紫外線吸光度との間にも波長260nmの紫外線に関して強い相関があり、この場合、濾過水のDOC濃度と紫外線吸光度との間の相関性を直線で近似できるとの知見を得た。このように直線で近似できる相関性に基づけば、紫外線吸光度の測定値から原水又は濾過水のDOC濃度を精度良く推定することができると考えられる。
このような新たな知見に基づき、本実施形態における目標吸光度決定部831は、260nm波長の紫外線に関して得られた濾過水のDOC濃度と紫外線吸光度との関係を示す相関情報を予め記憶しておき、この相関情報と、目標DOCの値とに基づいて目標吸光度を決定する(ステップS104)。例えば、図5に示す関係性に対し目標DOCの値1が与えられた場合、目標吸光度決定部831は、目標DOCの値1に対応する紫外線吸光度の値約0.014[abs/cm]を目標吸光度UVSVとして決定する。目標吸光度決定部831は、決定した目標吸光度の値UVSVを目標処理率算出部832に出力する。
図3の説明に戻る。続いて、目標処理率算出部832が、ステップS103において測定された原水の紫外線吸光度UVの値と、ステップS104において決定された目標吸光度UVSVの値とに基づいて、目標処理率RUVを算出する(ステップS105)。目標処理率算出部832は、算出した目標処理率RUVの値を粉末活性炭注入率算出部833に出力する。
続いて、粉末活性炭注入率算出部833が、ステップS101において算出された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClの値と、ステップS102において算出された凝集剤の注入率IPACの値と、ステップS103において測定された原水のpH(pH)の値と、ステップS105において算出された目標処理率RUVの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、に基づいて、粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率IACPを算出する(ステップS106)。
具体的には、粉末活性炭注入率算出部833は、次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClの値と、凝集剤の注入率IPACの値と、滞留時間tの設定値と、原水のpH(pH)の測定値と、目標処理率RUVの値と、を次の式(6)で表される関数fに与えることにより、粉末活性炭の注入率IACPを算出する。
Figure 0007258606000006
この関数fは、溶解性有機物の処理率に関して得られた以下の新たな知見に基づいて導入したものである。
[第1の知見]
図6は、粉末活性炭の注入率と、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図である。従来、粉末活性炭による溶解性有機物の処理率には、原水の水質や第1処理における活性炭の注入率等の因子が大きく影響すると考えられており、第1処理の後段の第2処理や第3処理に係る因子がどのような影響を与えるかは未知であった。これに対して、図6に示すように、第1処理における粉末活性炭の注入率が同じであっても、後段の第3処理で注入される凝集剤の注入率が変化すると、それに応じて溶解性有機物の処理率も変化するとの知見を得た。
すなわち、溶解性有機物を粉末活性炭により吸着・除去する第1処理と、第1処理の後段で懸濁物質を凝集剤により凝集・沈降させる第3処理と、を行う水処理方法では、第1処理における粉末活性炭の注入量に加えて、その後段の第3処理における凝集剤の注入量も溶解性有機物の除去性能に影響を及ぼすことが分かった。換言すれば、従来、粉末活性炭によってのみ溶解性有機物が除去されると考えられていたところ、凝集剤による懸濁物質の凝集・沈降によっても溶解性有機物が除去できることが分かった。
具体的には、図6に示すように、凝集剤の注入率が高くなるほど溶解性有機物の処理率が低下し、除去性能が向上することが分かる。これは、溶解性有機物が粉末活性炭の存在下において粉末活性炭の表面に濃化して存在し、凝集剤による凝集・沈降において粉末活性炭とともに除去されることによるものと推測される。
図7は、粉末活性炭及び凝集剤による溶解性有機物の除去に関する実験結果を示す図である。図7は、粉末活性炭処理のみを行うケース(CASE-1)と、凝集剤処理のみを行うケース(CASE-2)と、粉末活性炭処理の後に凝集剤処理を行うケース(CASE-3)と、の各ケースで得られたDOCの除去率(=1-処理率)の結果を示す。CASE-1では、原水に粉末活性炭を5mg/Lの注入率で1時間注入した結果、約10%の除去率が得られた。また、CASE-2では、原水に凝集剤を10mg/Lの注入率で1時間注入した結果、約3%の除去率が得られた。一方、CASE-3では、以下の手順1~5を行った結果、約26%の除去率が得られた。
[手順1]原水にCASE-1と同様の条件で粉末活性炭を注入(5mg/L)
[手順2]手順1を行った被処理水を急速攪拌(5分間)
[手順3]手順2を行った被処理水にCASE-2と同様の条件で凝集剤を注入(10mg/L)
[手順4]手順3を行った被処理水を緩速攪拌(25分)
[手順5]手順4を行った被処理水を静置(30分)
これらの結果から、粉末活性炭処理と凝集剤処理とを併用した場合、各処理を単独で行った場合よりも、DOCの除去率が大幅に向上することが分かった。一般に、凝集剤の注入は、被処理水中の懸濁物質の除去を目的としたものであり、溶解性有機物の除去を目的としたものではない。しかしながら、上記知見によれば、被処理水中の溶解性有機物の一部は凝集剤によっても除去されるため、その除去分を考慮して粉末活性炭の注入率を決定することで、粉末活性炭の注入量を従来量から削減することができると考えられる。
[第2の知見]
図8は、原水のpHと、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図である。図8に示すように、原水のpHが高くなるほど溶解性有機物の処理率も増加し、除去性能が低下することが分かった。
[第3の知見]
図9は、次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、原水の紫外線吸光度と、溶解性有機物の処理率との相関について得られた知見を説明する図である。図9に示すように、次亜塩素酸ナトリウムの注入率が高くなるほど処理率が低下し、除去性能が向上することが分かった。一般に、次亜塩素酸ナトリウムによる前塩素処理(第2処理)は、主として鉄やマンガンなどの金属類の酸化を目的としたものであり、溶解性有機物の除去を目的としたものではない。しかしながら、上記知見によれば、被処理水中の溶解性有機物の一部は次亜塩素酸ナトリウムを注入する前塩素処理によって副次的に除去されると考えられるため、その除去分を考慮して粉末活性炭の注入率を決定することで、粉末活性炭の注入量を従来量から削減することができると考えられる。
上述した各知見によれば、原水中の溶解性有機物の処理率RUVは、粉末活性炭の注入率IACPと、次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClと、凝集剤の注入率IPACと、原水のpH(pH)と、を変数として次の式(7)のように表されると考えられる。
Figure 0007258606000007
この関数gは、例えば、RUV及び各パラメータの測定値に基づく数学的推定手法によって導出されてもよいし、RUVと各パラメータとの相関性の組み合わせによって導出されてもよい。そして、得られた関数gを、IACPを求める関数に変換することにより、上記の式(6)を得ることができる。
また、式(6)によって算出された注入率IACPの値と、原水の流入流量Qの測定値とを次の式(8)に与えることにより、粉末活性炭の注入量qACPを算出することができる。
Figure 0007258606000008
このように構成された第1の実施形態の制御装置80は、原水の水質に応じて決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と凝集剤の注入率とに基づいて、粉末活性炭の注入率を決定することにより、溶解性有機物の除去を目的として被処理水に注入される粉末活性炭の注入量をより適切に制御することができる。
具体的には、溶解性有機物の処理率は、次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤の注入率に相関するとの知見を得たことにより、まず次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤の注入率を原水の水質に応じて決定し、決定した次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤の注入率の注入率に基づいて粉末活性炭の注入率を決定することにした。これにより、次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤によって副次的に除去される溶解性有機物の分だけ粉末活性炭の注入量を抑えることができる。
また、原水のDOC濃度と紫外線吸光度との相関が波長260nmの紫外線に関して強く表れるとの知見を得たことにより、原水中の溶解性有機物の量を判断する指標として当該波長の紫外線吸光度を用いることにした。これにより、原水に含まれる溶解性有機物の量を精度良く推定できるようになり、粉末活性炭の注入率を原水の水質変動に応じてより精度良く制御することが可能となる。
なお、第1の実施形態で説明した粉末活性炭の注入率の制御方法は、水処理システム100のように沈澱池60又は濾過池70によって固液分離を行う水処理システムに限らず、次亜塩素酸ナトリウム又は凝集剤を粉末活性炭の注入工程の後工程で注入する水処理システムであれば、どのような水処理システムにも適用可能である。例えば、第1の実施形態の制御方法は、膜濾過方式又は砂濾過方式で固液分離を行う水処理システムにも適用可能である。この場合、膜のファウリングの原因物質の1つとされている溶解性有機物が適切な量の粉末活性炭で除去されることで、膜のファウリングを抑制する効果も期待できる。
なお、次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定には、濾過水の残留塩素濃度を用いてもよい。このようにすれば、濾過水の残留塩素濃度を所定の目標値に維持しつつ適切な粉末活性炭の注入率を決定することも可能である。
また、次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定には、次亜塩素酸ナトリウムを注入してから濾過水に至るまでに消費された塩素量(以下「塩素消費量」という。)を用いてもよい。このようにすれば、塩素消費量を所定の目標値に維持しつつ適切な粉末活性炭の注入率を決定することも可能である。
また、ここでは濾過水を処理水とする場合について説明したが、処理水は必ずしも濾過水である必要はない。例えば、濾過池を備えない水処理システムでは沈澱池の上澄み水が処理水とされる場合もある。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態における水処理システムの構成例を示す図である。第2の実施形態の水処理システム100aは、制御装置80に代えて制御装置80aを備える点、残留塩素濃度計71をさらに備える点で第1の実施形態の水処理システム100と異なる。また、制御装置80aは、粉末活性炭注入制御部83に代えて粉末活性炭注入制御部83aを備える点で第1の実施形態における制御装置80と異なる。その他の構成は第1の実施形態と同様のため、図10における第1の実施形態と同様の構成には図1と同じ符号を付すことにより説明を省略する。
残留塩素濃度計71は、濾過水の残留塩素濃度RCClを測定する。残留塩素濃度計71は、制御装置80aと通信可能に接続されており、測定データを制御装置80aに送信する。
粉末活性炭注入制御部83aは、残留塩素濃度計71によって測定された濾過水の残留塩素濃度RCClと、凝集剤注入制御部82によって決定された凝集剤の注入率IPACと、原水の紫外線吸光度UVと、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tと、原水のpH(pH)と、に基づいて粉末活性炭の注入率IACPを決定する。粉末活性炭注入制御部83aは、粉末活性炭の注入率IACPの決定に、次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClに代えて濾過水の残留塩素濃度RCClを用いる点で第1の実施形態における粉末活性炭注入制御部83と異なる。
図11は、粉末活性炭注入制御部83aの機能構成の具体例を示す図である。粉末活性炭注入制御部83aは、粉末活性炭注入率算出部833に代えて粉末活性炭注入率算出部833aを備える点で第1の実施形態における粉末活性炭注入制御部83と異なる。その他の構成は第1の実施形態と同様のため、図11における第1の実施形態と同様の構成には図2と同じ符号を付すことにより説明を省略する。
粉末活性炭注入率算出部833aは、濾過水の残留塩素濃度と、凝集剤混和池40における凝集剤の注入量と、原水の水質とに基づいて、処理水の水質目標値に応じた粉末活性炭の注入量を算出する機能を有する。
具体的には、粉末活性炭注入率算出部833aは、濾過水の残留塩素濃度RCClの測定値と、凝集剤の注入率IPACの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、原水のpHであるpHの測定値と、目標処理率RUVの値と、を次の式(9)で表される関数f’に与えることにより、粉末活性炭の注入率IACPを算出する。ここで関数f’は、第1の実施形態と同様に、濾過水の残留塩素濃度RCCl、凝集剤の注入率IPAC、滞留時間tの設定値、及び原水のpH(pH)の測定値と、目標処理率RUVの値と関係を定義した関数g’(式(10))から求められ、関数f’を示す情報は予め粉末活性炭注入率算出部833aに記憶されているものとする。
Figure 0007258606000009
Figure 0007258606000010
図12は、制御装置80aが粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図12において、第1の実施形態と同様の処理には図3と同じ符号を付すことにより説明を省略する。まず、制御装置80aは、第1の実施形態と同様にステップS101~S105を実行する。
続いて、制御装置80aが残留塩素濃度計71から濾過水の残留塩素濃度RCClの測定値を取得する(S201)。制御装置80aは、取得した残留塩素濃度の測定値を粉末活性炭注入率算出部833aに出力する。
続いて、粉末活性炭注入率算出部833aが、ステップS102において算出された凝集剤の注入率IPACの値と、ステップS103において測定された原水のpH(pH)の値と、ステップS105において算出された目標処理率RUVの値と、ステップS201において測定された濾過水の残留塩素濃度RCCLの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、に基づいて、粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率IACPを算出する(ステップS202)。
このように構成された第2の実施形態の制御装置80aは、原水の水質に応じて決定された凝集剤の注入率と、濾過水の残留塩素濃度とに基づいて、粉末活性炭の注入率を決定することにより、溶解性有機物の除去を目的として被処理水に注入される粉末活性炭の注入量をより適切に制御することができる。
第1の実施形態でも述べたように、溶解性有機物の処理率は被処理水に対する次亜塩素酸ナトリウムの注入量に相関する。一方で、次亜塩素酸ナトリウムの注入量は濾過水の残留塩素濃度に相関すると考えられる。本実施形態は、このような相関性に基づき、粉末活性炭の注入量を決定する際の指標として濾過水の残留塩素濃度を用いたものである。これはすなわち、第1の実施形態において原水水質に応じてフィードフォワードで決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率を、残留塩素濃度に基づいてフィードバックで補正することに相当する。これにより、第1の実施形態と同様に、次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤による溶解性有機物の除去効果を考慮した粉末活性炭の注入率を決定することができる。
なお、粉末活性炭の注入率の決定に用いられる濾過水の残留塩素濃度を次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定に用いてもよい。このようにすれば、濾過水の残留塩素濃度を所定の目標値に維持しつつ適切な粉末活性炭の注入率を決定することも可能である。
また、ここでは濾過水を処理水とする場合について説明したが、処理水は必ずしも濾過水である必要はない。例えば、濾過池を備えない水処理システムでは沈澱池の上澄み水が処理水とされる場合もある。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態における水処理システムの構成例を示す図である。第3の実施形態の水処理システム100bは、制御装置80に代えて制御装置80bを備える点で第2の実施形態の水処理システム100aと異なる。また、制御装置80bは、粉末活性炭注入制御部83aに代えて粉末活性炭注入制御部83bを備える点、塩素消費量算出部84をさらに備える点で第2の実施形態における制御装置80aと異なる。その他の構成は第2の実施形態と同様のため、図13における第2の実施形態と同様の構成には図10と同じ符号を付すことにより説明を省略する。
塩素消費量算出部84は、残留塩素濃度計71によって測定される濾過水の残留塩素濃度RCClと、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81によって決定される次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClと、に基づいて塩素消費量DCLClを算出する。塩素消費量算出部84は、算出した塩素消費量を粉末活性炭注入制御部83bに出力する。例えば、塩素消費量算出部84は、次亜塩素酸ナトリウム注入制御部81によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClの値と、残留塩素濃度計71によって測定された濾過水の残留塩素濃度RCClの値と、を次の式(11)に与えることにより、塩素消費量DCLClを算出する。
Figure 0007258606000011
粉末活性炭注入制御部83bは、塩素消費量算出部84によって算出された塩素消費量DCLClと、凝集剤注入制御部82によって決定された凝集剤の注入率IPACと、原水の紫外線吸光度UVと、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tと、原水のpH(pH)と、に基づいて粉末活性炭の注入率IACPを決定する。粉末活性炭注入制御部83bは、粉末活性炭の注入率の決定に、濾過水の残留塩素濃度RCClに代えて塩素消費量DCLClを用いる点で第2の実施形態における粉末活性炭注入制御部83aと異なる。
図14は、第3の実施形態における粉末活性炭注入制御部の機能構成の具体例を示す図である。粉末活性炭注入制御部83bは、粉末活性炭注入率算出部833aに代えて粉末活性炭注入率算出部833bを備える点で第2の実施形態における粉末活性炭注入制御部83aと異なる。その他の構成は第2の実施形態と同様のため、図14における第2の実施形態と同様の構成には図11と同じ符号を付すことにより説明を省略する。
粉末活性炭注入率算出部833bは、塩素消費量と、凝集剤混和池40における凝集剤の注入量と、原水の水質とに基づいて、処理水の水質目標値に応じた粉末活性炭の注入量を算出する機能を有する。
具体的には、粉末活性炭注入率算出部833bは、塩素消費量算出部84によって算出された塩素消費量DCLClの値と、凝集剤の注入率IPACの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、原水のpH(pH)の測定値と、目標処理率RUVの値と、を次の式(12)で表される関数f”に与えることにより、粉末活性炭の注入率IACPを算出する。ここで関数f”は、第2の実施形態と同様に、塩素消費量DCLCl、凝集剤の注入率IPAC、滞留時間tの設定値、及び原水のpH(pH)の測定値と、目標処理率RUVの値との関係を定義した関数g”(式(13))から求められ、関数f”を示す情報は予め粉末活性炭注入率算出部833bに記憶されているものとする。
Figure 0007258606000012
Figure 0007258606000013
図15は、制御装置80bが粉末活性炭混和池20における粉末活性炭の注入率を決定する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図15において、第2の実施形態と同様の処理には図12と同じ符号を付すことにより説明を省略する。まず、制御装置80bは、第2の実施形態と同様にステップS101~S201を実行する。制御装置80bは、ステップS201において取得した残留塩素濃度の測定値を塩素消費量算出部84に出力する。
続いて、塩素消費量算出部84が、ステップS101において算出された次亜塩素酸ナトリウムの注入率IClの値と、ステップS201において測定された濾過水の残留塩素濃度RCClの値と、に基づいて、塩素消費量DCLClの値を算出する(ステップS301)。塩素消費量算出部84は、算出した塩素消費量DCLClの値を粉末活性炭注入率算出部833bに出力する。
続いて、粉末活性炭注入率算出部833bは、ステップS102において算出された凝集剤の注入率IPACの値と、ステップS103において測定された原水のpH(pH)の値と、ステップS105において算出された目標処理率RUVの値と、ステップS301において算出された塩素消費量DCLClの値と、粉末活性炭混和池20における被処理水の滞留時間tの設定値と、に基づいて、粉末活性炭注入装置21に注入させる粉末活性炭の注入率IACPを算出する(ステップS302)。
このように構成された第3の実施形態の制御装置80bは、原水の水質に応じて決定された凝集剤の注入率と、塩素消費量と、に基づいて、粉末活性炭の注入率を決定することにより、溶解性有機物の除去を目的として被処理水に注入される粉末活性炭の注入量をより適切に制御することができる。
第1の実施形態でも述べたように、溶解性有機物の処理率は被処理水に対する次亜塩素酸ナトリウムの注入量に相関する。一方で、次亜塩素酸ナトリウムの注入量は濾過水の残留塩素濃度に相関すると考えられる。本実施形態は、このような相関性に基づき、粉末活性炭の注入量を決定する際の指標として、次亜塩素酸ナトリウムの注入量と濾過水の残留塩素濃度とに基づいて算出される塩素消費量を用いたものである。これにより、第2の実施形態と同様に、次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤による溶解性有機物の除去効果を考慮した粉末活性炭の注入率を決定することができる。
なお、粉末活性炭の注入率の決定に用いられる濾過水の残留塩素濃度を次亜塩素酸ナトリウムの注入率の決定に用いてもよい。このようにすれば、濾過水の残留塩素濃度を所定の目標値に維持しつつ適切な粉末活性炭の注入率を決定することも可能である。
また、ここでは濾過水を処理水とする場合について説明したが、処理水は必ずしも濾過水である必要はない。例えば、濾過池を備えない水処理システムでは沈澱池の上澄み水が処理水とされる場合もある。
上述した実施形態における制御装置の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、前塩素混和池における次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、凝集剤混和池における凝集剤の注入率とに基づいて、粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入制御部、又は凝集剤混和池における凝集剤の注入率に基づいて、粉末活性炭混和池における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入制御部、を持つことにより、溶解性有機物の除去を目的として被処理水に注入される粉末活性炭の注入量をより適切に制御することができる制御装置、制御方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100,100a,100b…実施形態の水処理システム、10…着水井、11…水質測定器、12…UV(Ultra Violet)測定器、13…流量計、20…粉末活性炭混和池、21…粉末活性炭注入装置、30…前塩素混和池、31…次亜塩素酸ナトリウム注入装置、40…凝集剤混和池、41…凝集剤注入装置、42…pH測定器、50…フロック形成池、51,51-1~51-3…攪拌機、60…沈澱池、70…濾過池、71…残留塩素濃度計、80,80a,80b…制御装置、81…次亜塩素酸ナトリウム注入制御部、82…凝集剤注入制御部、83,83a,83b…粉末活性炭注入制御部、831…目標吸光度算出部、832…目標処理率算出部、833,833a,833b…粉末活性炭注入率算出部、84…塩素消費量算出部

Claims (15)

  1. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する次亜塩素酸ナトリウム注入制御部と、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する凝集剤注入制御部と、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記次亜塩素酸ナトリウム注入制御部によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する次亜塩素酸ナトリウム注入制御部と、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する凝集剤注入制御部と、
    前記原水の紫外線吸光度と、処理水の残留塩素濃度と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入制御部と、
    を備える制御装置。
  3. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する次亜塩素酸ナトリウム注入制御部と、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する凝集剤注入制御部と、
    処理水の残留塩素濃度と、前記次亜塩素酸ナトリウム注入制御部によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、に基づき、次亜塩素酸ナトリウムを注入してから処理水に至るまでに消費された塩素消費量を算出する塩素消費量算出部と、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記塩素消費量算出部によって算出された塩素消費量と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入制御部と、
    を備える制御装置。
  4. 前記粉末活性炭注入制御部は、
    処理水の水質目標値に対応する、前記処理水の紫外線吸光度の目標値である目標吸光度を決定する目標吸光度決定部と、
    前記原水の紫外線吸光度に対する前記目標吸光度の割合で表される目標処理率を算出する目標処理率算出部と、
    前記目標処理率と、前記次亜塩素酸ナトリウム注入制御部によって決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、前記粉末活性炭混和池における被処理水の滞留時間と、前記原水のpHと、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入率算出部と、
    を備える、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記粉末活性炭注入制御部は、
    処理水の水質目標値に対応する、前記処理水の紫外線吸光度の目標値である目標吸光度を決定する目標吸光度決定部と、
    前記原水の紫外線吸光度に対する前記目標吸光度の割合で表される目標処理率を算出する目標処理率算出部と、
    前記目標処理率と、前記処理水の残留塩素濃度と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、前記粉末活性炭混和池における被処理水の滞留時間と、前記原水のpHと、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入率算出部と、
    を備える、
    請求項2に記載の制御装置。
  6. 前記粉末活性炭注入制御部は、
    処理水の水質目標値に対応する、前記処理水の紫外線吸光度の目標値である目標吸光度を決定する目標吸光度決定部と、
    前記原水の紫外線吸光度に対する前記目標吸光度の割合で表される目標処理率を算出する目標処理率算出部と、
    前記目標処理率と、前記塩素消費量と、前記凝集剤注入制御部によって決定された凝集剤の注入率と、前記粉末活性炭混和池における被処理水の滞留時間と、前記原水のpHと、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する粉末活性炭注入率算出部と、
    を備える、
    請求項3に記載の制御装置。
  7. 前記処理水の水質目標値は、前記処理水中の溶解性有機体炭素濃度の目標値である、
    請求項4から6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記凝集剤注入制御部は、前記原水の水質として、濁度、アルカリ度又は水温の少なくとも1つと、前記凝集剤混和池における混和水のpHと、に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記次亜塩素酸ナトリウム注入制御部は、前記原水の水質として、塩素要求量又はアンモニア濃度の少なくとも1つに基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御方法であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記第1のステップにおいて決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第3のステップと、
    を有する制御方法。
  11. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御方法であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、処理水の残留塩素濃度と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第3のステップと、
    を有する制御方法。
  12. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御方法であって、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    処理水の残留塩素濃度と、前記第1のステップにおいて決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、に基づき、次亜塩素酸ナトリウムを注入してから処理水に至るまでに消費された塩素消費量を算出する第3のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記第3のステップにおいて算出された塩素消費量と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第4のステップと、
    を有する制御方法。
  13. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置として機能するコンピュータに、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記第1のステップにおいて決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第3のステップと、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
  14. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置として機能するコンピュータに、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、処理水の残留塩素濃度と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第3のステップと、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
  15. 粉末活性炭混和池において被処理水に含まれる溶解性有機物を粉末活性炭に吸着させる第1処理と、前塩素混和池において前記被処理水に含まれる金属類及びアンモニア態窒素を次亜塩素酸ナトリウムにより酸化させる第2処理と、凝集剤混和池において前記被処理水に含まれる懸濁物質を凝集剤により凝集及び沈降させる第3処理と、を順に行う水処理システムの制御装置として機能するコンピュータに、
    前記第1処理前の被処理水である原水の水質に基づき、前記第2処理における次亜塩素酸ナトリウムの注入率を決定する第1のステップと、
    前記原水の水質に基づき、前記第3処理における凝集剤の注入率を決定する第2のステップと、
    処理水の残留塩素濃度と、前記第1のステップにおいて決定された次亜塩素酸ナトリウムの注入率と、に基づき、次亜塩素酸ナトリウムを注入してから処理水に至るまでに消費された塩素消費量を算出する第3のステップと、
    前記原水の紫外線吸光度と、前記第3のステップにおいて算出された塩素消費量と、前記第2のステップにおいて決定された凝集剤の注入率と、に基づき、前記第1処理における粉末活性炭の注入率を決定する第4のステップと、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
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