JP2002066568A - 水処理方法および装置 - Google Patents

水処理方法および装置

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JP2002066568A
JP2002066568A JP2000257635A JP2000257635A JP2002066568A JP 2002066568 A JP2002066568 A JP 2002066568A JP 2000257635 A JP2000257635 A JP 2000257635A JP 2000257635 A JP2000257635 A JP 2000257635A JP 2002066568 A JP2002066568 A JP 2002066568A
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JP
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water
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JP2000257635A
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Tomoaki Miyanoshita
友明 宮ノ下
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子凝集剤の注入を適切に調整して濾過装
置における高分子凝集剤の粘着に起因する問題の発生を
防止する。 【解決手段】 原水に無機凝集剤を注入して攪拌し、続
いて高分子凝集剤を注入して攪拌することにより原水中
の懸濁物質をフロックの形態に凝集させ、フロックを沈
降分離した後、残留する微小フロックおよび懸濁物質を
濾過する水処理方法において、無機凝集剤の注入、攪拌
によるフロックの形成度合を測定し、測定したフロック
形成度合に応じて、高分子凝集剤の注入率を決定するこ
とを特徴とする水処理方法、および水処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水、湖沼水等
の表流水を原水とする浄水処理あるいは工業用水や排水
の固液分離処理等に好適な水処理方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】浄水処理や排水処理においては、原水中
の懸濁物質を除去し、所定の濁度以下の処理水にまで処
理する必要があり、水処理方法としては凝集沈澱処理を
行うことが多い。凝集沈澱処理を行う場合には、通常、
無機凝集剤と有機高分子凝集剤を用いて凝集沈澱処理を
行う。
【0003】通常は、初めに無機凝集剤を原水に添加
し、攪拌機等により混和を十分に行って微小フロックを
形成させた後、有機高分子凝集剤を添加し、粗大フロッ
クの形成を行うようにしている。粗大化したフロック
は、沈澱池にて沈降分離され、残留する微小なフロック
は、濾過池や濾過器にて濾過分離され、最終的に所定濁
度以下の処理水を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原水に注入する無機凝
集剤は、一般に鉄やアルミニウム化合物のイオンであ
り、プラスの荷電を持っているため、原水中に存在する
マイナスに帯電している懸濁物質と結合しやすいもので
あり、この結合によって微小フロックが形成される。そ
れに対し、有機高分子凝集剤の荷電の強さは様々である
が、たとえばアニオン系高分子凝集剤の場合マイナスの
荷電を持っており、懸濁物質と無機凝集剤が結合したプ
ラスに帯電したフロックと電位的に結合しやすいものと
なっており、この結合によって粗大フロックが形成され
る。
【0005】したがって、もし、マイナスに帯電した懸
濁物質と無機凝集剤の結合が不十分であると、マイナス
荷電の有機高分子凝集剤は、懸濁物質と結合することが
できない。そうすると、全体として凝集が不十分とな
り、最終的に得られる濾過水の濁度が悪化するのみなら
ず、凝集に有効に使用されなかった高分子凝集剤によ
り、濾過装置内で短時間のうちに濾過閉塞を起こしてし
まう。すなわち、高分子凝集剤は、それ自体は粘性が高
いので、上記のように凝集に有効に使用されず、むしろ
余剰添加物として濾過装置まで送られてしまうと、濾砂
等の濾材に粘着してしまい、濾材間を埋めてしまって比
較的短時間のうちに濾過閉塞に至る。
【0006】このような高分子凝集剤の付着に起因する
濾過閉塞が生じると、濾過装置を逆洗等により回生する
必要があるが、粘着している高分子凝集剤を洗い流すこ
とは困難であり、通常の逆洗では回生するのが難しい。
【0007】一方、無機凝集剤と懸濁物質との結合が良
好に行われ微小フロックとして十分に凝集され、注入さ
れた高分子凝集剤の大半が粗大フロックの形成に有効に
使用された場合には、粗大フロックの大半が沈澱池で沈
降分離されるため、濾過装置まで侵入する高分子凝集剤
の量は極少量に抑えられる。したがって、濾過装置で捕
捉されるのは、その殆どが、沈澱処理水中に残留してい
た無機凝集剤による微小フロックと、フロック形成まで
至らなかった原水中の懸濁物質となる。無機凝集剤の粘
性は高くないので、濾過装置が濾過寿命に至っても、逆
洗により容易に回生される。また、高分子凝集剤のよう
に濾砂に粘着しないので、閉塞を起こしにくく、濾過装
置を、所定の寿命に至るまで正常に使用することが可能
になる。
【0008】このように、無機凝集剤注入による微小フ
ロック形成状態(つまり、無機凝集剤による凝集)によ
り、それが不十分な場合には、その後の高分子凝集剤注
入による粗大フロックの形成が不十分となるのみなら
ず、濾過装置における短時間での濾過閉塞、その濾過閉
塞が生じた場合の逆洗回生の困難性等の問題が生じる。
【0009】この問題に対処するために、無機凝集剤の
注入段階にて、無機凝集剤と懸濁物質との結合が十分に
良好に行われるよう調整することも考えられるが、原水
の水温やpH、濁度等の変動要因と、それらに対応する
無機凝集剤の注入率、攪拌力および攪拌時間等の制御要
因が極めて多いため、通常、無機凝集剤の注入調整のみ
で前述のような問題を解消するのは困難である。
【0010】そこで本発明の課題は、無機凝集剤による
微小フロックへの凝集状態に応じて、高分子凝集剤の注
入側を調整し、粗大フロックの形成に有効に使用されな
い余剰の高分子凝集剤の注入を抑制することにより、濾
過装置において生じる高分子凝集剤の粘着に起因する問
題の発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る水処理方法は、原水に無機凝集剤を注
入して攪拌し、続いて高分子凝集剤を注入して攪拌する
ことにより原水中の懸濁物質をフロックの形態に凝集さ
せ、フロックを沈降分離した後、残留する微小フロック
および懸濁物質を濾過する水処理方法において、無機凝
集剤の注入、攪拌によるフロックの形成度合を測定し、
測定したフロック形成度合に応じて、高分子凝集剤の注
入率を決定することを特徴とする方法からなる。
【0012】この方法においては、とくに、前記測定し
たフロック形成度合を予め定めた基準度合と比較し、フ
ロック形成度合が不十分と判断された場合には、高分子
凝集剤の注入率を低減するようにする。低減度合は、適
宜決定すればよいが、たとえば、正常に処理されている
場合の高分子凝集剤の所定の注入率に対し、その10〜
80%程度の範囲内分、低減するようにすればよい。
【0013】また、本発明に係る水処理装置は、原水に
無機凝集剤を注入して攪拌する無機凝集剤混和槽と、続
いて高分子凝集剤を注入して攪拌する高分子凝集剤混和
槽と、無機凝集剤および高分子凝集剤によりフロックの
形態に凝集された原水中の懸濁物質を沈降分離する沈澱
池と、沈澱池からの沈澱処理水中に残留する微小フロッ
クおよび懸濁物質を濾過する濾過装置とを備えた水処理
装置において、無機凝集剤の注入、攪拌によるフロック
の形成度合を測定する手段と、測定したフロック形成度
合に応じて高分子凝集剤の注入率を調整する手段とを有
することを特徴とするものからなる。
【0014】フロック形成度合測定手段としては、たと
えば、ゼータ電位計、レーザー式微粒子計、実体顕微鏡
モニターのいずれかを使用できる。
【0015】ゼータ電位計は、電位計のセル内に試料を
導入し、セルの両端に設けられた電極より試料に通電し
フロックを泳動させてその移動速度を読みとり、既存の
計算式によりゼータ電位を算出することができるもので
ある。ゼータ電位は、固体と液体の界面を横切って存在
する電気的ポテンシャルを示すものであり、水中の懸濁
物質(粒子)についての表面荷電を示す。通常、河川水
等に含まれる懸濁物質(粘度成分や藻類等)はマイナス
に帯電しており、懸濁物質が各々マイナスに帯電してい
ることから電気的に反発し、凝集しにくい状態になって
いる。凝集剤は、この電位の中和をまず行い反発力を弱
め、その後に集塊化つまり凝集を行う。したがって、凝
集フロックのゼータ電位は中和点、つまりゼロに近い方
が望ましい。通常、原水中の懸濁物質のゼータ電位は−
20mV以下で、凝集フロックのゼータ電位は−10m
V以上となっている。したがって、ゼータ電位を測定す
ることにより、無機凝集剤注入、攪拌後のフロック形成
度合を測定することが可能となる。
【0016】また、レーザー式微粒子計は、レーザー光
を利用するもので、レーザー光の透過強度の変化を演算
処理し、微粒子の数と大きさ、つまり粒度分布を求める
ことができる。具体的には0.5μm以上の粒子の粒度
分布を測定可能である。したがって、この粒度分布を測
定することにより、無機凝集剤注入、攪拌後のフロック
形成度合を測定することが可能となる。
【0017】上記のような本発明に係る水処理方法およ
び装置においては、無機凝集剤の注入、攪拌による微小
フロックの形成度合が測定され、そのフロック形成度合
に応じて、高分子凝集剤の注入率が決定され、その注入
率に調整あるいは制御される。とくに、微小フロックの
形成度合が不十分と判断された場合に(つまり無機凝集
剤と懸濁物質との結合が不十分と判断された場合に)、
高分子凝集剤の注入率は低減される方向に調整される。
この低減度合を適切に制御することにより、無機凝集剤
と懸濁物質との結合が不十分な場合にあっても、粗大フ
ロック形成に有効に使用されない余剰の高分子凝集剤が
注入されることが防止され、それによって後段の濾過装
置における濾過閉塞の問題が解消され、かつ、余剰の高
分子凝集剤が最終的な処理水中における濁度成分となる
ことも防止される。
【0018】とくに高分子凝集剤による濾過閉塞の問題
が解消されることにより、濾過寿命が延長されるととも
に、寿命到達後の逆洗による回生が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発
明の一実施態様に係る水処理装置を示している。図1に
おいて、原水1は、まず無機凝集剤混和槽2に送られ、
混和槽2内に、無機凝集剤3がポンプ4を介して注入さ
れる。混和槽2内では、原水1と注入された無機凝集剤
3が、モータ5によって駆動される攪拌機6によって攪
拌され、原水1中の懸濁物質が無機凝集剤3との結合に
より微小フロックの形態に凝集される。
【0020】この微小フロックの形成度合が、フロック
形成度合測定手段7によって測定される。本実施態様で
は、フロック形成度合測定手段7はレーザー式微粒子計
7からなる。レーザー式微粒子計7による測定信号は、
本実施態様ではシーケンサ8に送られ、シーケンサ8で
高分子凝集剤9の注入率が決定されるようになってい
る。
【0021】フロック形成度合が測定された混和槽2内
の原水は、高分子凝集剤混和槽10に送られ、混和槽1
0内に、シーケンサ8からの信号に基づいて制御された
注入率にて、高分子凝集剤9がポンプ11を介して注入
される。混和槽10内では、高分子凝集剤9が注入され
た状態で、モータ12によって駆動される攪拌機13に
よって攪拌され、原水中の、無機凝集剤と懸濁物質との
結合により形成されていた微小フロックが、高分子凝集
剤9によって粗大フロックへと成長される。
【0022】さらに本実施態様では、順次被処理水が移
送される3槽のフロック形成池14が設けられており、
各槽に設けられた横軸パドル方式の攪拌機15による攪
拌によって、上述した一連のフロック形成がさらに進め
られる。
【0023】フロック形成池14からの被処理水は、沈
澱池16に送られ、前記粗大化されたフロックが沈降分
離される。本実施態様では、沈澱池16内部の隔壁17
の前後で下降流から上向流に反転され、沈降分離が促進
されるようになっている。上向流あるいは下降流が生じ
ている部位に、傾斜板等を設けてさらに分離を促進する
こともできる。
【0024】沈澱池16からの沈澱処理水は、濾過装置
18に送られ、その濾層19を通過させることによって
濾過処理される。濾層19は、濾材によって形成でき、
たとえば、アンスラサイトおよび/またはケイ砂等を使
用して、単床あるいは複床の形態に形成できる。なお、
濾過装置18としては、この他に、精密濾過膜(MF)
や限外濾過膜(UF)等の膜を用いた膜濾過装置を用い
ることもできる。
【0025】濾過装置18からの処理水は浄水20とし
て取り出される。本実施態様では、取り出された浄水2
0は一旦浄水タンク21に貯留され、該タンク21内の
浄水が最終処理水22として次工程等に送られるように
なっている。浄水タンク21の底部からは、浄水タンク
21内の浄水20の一部を濾過装置18の逆洗水とし
て、ポンプ23により濾過装置18に供給できるように
なっている。
【0026】このように構成された水処理装置において
は、無機凝集剤3の注入、攪拌による微小フロックの形
成度合がレーザー式微粒子計7で測定され、その測定値
に応じて、その測定値が予め設定した基準度合を満たし
ている場合には、高分子凝集剤9の注入率は予め設定し
た所定の注入率に維持される。フロック形成度合の測定
値が基準度合よりも低い場合には、つまり、無機凝集剤
3によるフロック形成が不十分である場合には、高分子
凝集剤9の注入率は所定の注入率よりも低減される。そ
の結果、粗大フロック形成に有効利用されない余剰の高
分子凝集剤9が注入されることは防止され、余剰高分子
凝集剤9が濾過装置18にまで至ることが抑制される。
したがって、濾過装置18における、粘性の高い高分子
凝集剤9の濾材への付着が抑制され、短時間での濾過閉
塞が防止される。
【0027】また、濾過装置18の濾層19で捕捉され
るのは、その大半が、粗大フロックまで成長されずに微
小フロックのままで、沈澱池16で沈降分離されなかっ
た微小フロックや、フロックへの形成が洩れた原水中の
懸濁物質等である。微小フロックあるいは無機凝集剤3
の粘性は高くないので、正規の濾過寿命に達した後の濾
層19は、逆洗により容易に回生される。逆洗には、専
用の系を用いてもよいが、通常は前述の浄水タンク21
からポンプ23を介して送られる浄水20を逆洗水とし
て使用する。
【0028】なお、本発明における無機凝集剤3として
は、たとえばポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第
二鉄、硫酸第二鉄を使用でき、高分子凝集剤9として
は、たとえばアニオン性の高分子凝集剤を用いることが
できる。アニオン性の高分子凝集剤としては、たとえ
ば、アクリル酸またはその塩の重合物、アクリル酸また
はその塩とアクリルアミドとの共重合物、アクリルアミ
ドと2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸
塩の共重合物、アクリル酸またはその塩とアクリルアミ
ドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸塩の3元共重合物、ポリアクリルアミドの部分加水分
解物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0029】
〔実験条件〕
・原水流量:200m3 /日 ・無機凝集剤混和槽:有効容量555L(滞留時間4
分)、攪拌機付き ・微小フロックモニタ:微粒子計(レーザー方式) ・高分子凝集剤混和槽:有効容量555L(滞留時間4
分)、攪拌機付き ・フロック形成池:横軸パドル方式×3槽(3槽の合計
滞留時間30分) ・沈澱池:上向流式傾斜板付き沈澱池、滞留時間40
分、上昇速度50mm/分 ・濾過器:塔径1200mm、通水速度150m/日、 濾層構成:アンスラサイト(高さ:400mm)+ケイ
砂(高さ:400mm) ・原水(ダム水)の年間水質 ・原水濁度:8〜30度 ・原水pH:7.2〜7.5 ・凝集剤注入率の設定値 ・無機凝集剤:PAC10〜50mg/L(原水濁度に
比例注入) (PAC:ポリ塩化アルミニウム) ・有機高分子凝集剤:アニオン系高分子凝集剤 0.1
〜0.3mg/L(無機凝集剤に比例注入)
【0030】上述のような年間水質のダム水を原水と
し、実験時の原水水質がpH約7.5、水温約18.0
℃、濁度約20度のときの浄水処理において、無機凝集
剤混和槽に無機凝集剤PACを20mg/L添加し、攪
拌機にて急速攪拌を行い、引き続き高分子凝集剤を注入
して攪拌し、フロック形成池にてフロック形成を行い、
沈澱池にて沈澱処理、急速濾過器にて急速濾過処理を行
って浄水を得る。無機凝集剤混和槽から採取した水は、
レーザー式微粒子計にて粒度分布が測定され、その値に
応じて有機高分子凝集剤の注入率を制御する。この微粒
子計は、前述の如く、レーザー光を利用するもので、レ
ーザー光の透過強度の変化を演算処理し、微粒子の数と
大きさ、つまり粒度分布を求めることができる。具体的
には、0.5μm以上の粒子の粒度分布を測定可能であ
る。今回の実験では、この微粒子計により測定された無
機凝集剤のみによる微小なフロックの粒度分布が、粒径
2μm以上の粒子割合が90%以上であれば良好な凝集
状況と判断した。従って、粒度分布で見て2μm以上の
粒子の割合が90%以上であれば、有機高分子凝集剤を
所定値の0.2mg/L注入する。逆に2μm以上の粒
子の割合が90%未満の場合は、有機高分子凝集剤の注
入率を所定の注入率の50%、つまり0.1mg/L注
入とした。
【0031】無機凝集剤のみによる微小なフロックの粒
径分布が、2μm以上の粒子割合が80%の場合で、有
機高分子凝集剤を所定値(無機凝集剤に単純比例)とし
た時と、所定値の50%とした時の沈澱処理水濁度及び
急速濾過器の濾過継続時間(つまり濾過装置が所定の濾
過処理を行うことが可能な時間)を比較する。このとき
の濾過水濁度は、いずれも常に目標値である0.1度未
満であった。 ・有機高分子凝集剤を所定値注入した場合:沈澱処理水
濁度0.8度、濾過継続時間32時間 ・有機高分子凝集剤を所定値の50%注入した場合:沈
澱処理水濁度1.1度、濾過継続時間50時間
【0032】このように、最終的に得られる濾過処理水
の濁度0.1度未満を達成できる濾過継続時間を、高分
子凝集剤の注入率を低減することにより、32時間から
50時間へと大幅に延長することができた。また、濾過
寿命後の逆洗も、通常の逆洗方法で問題なく回生でき
た。なお、沈澱処理水の濁度は高分子凝集剤を減少する
ことにより若干上昇したが、最終的な処理水が濁度0.
1度未満を達成できる限り、別段問題は生じない。
【0033】実施例2 実施例1と同様、図1に示した装置を用い、以下の条件
にて実験した。 〔実験条件〕 ・原水流量:200m3 /日 ・無機凝集剤混和槽:有効容量555L(滞留時間4
分)、攪拌機付き ・微小フロックモニタ:ゼータ電位計 ・高分子凝集剤混和槽:有効容量555L(滞留時間4
分)、攪拌機付き ・フロック形成池:横軸パドル方式×3槽(3槽の合計
滞留時間30分) ・沈澱池:上向流式傾斜板付き沈澱池、滞留時間40
分、上昇速度50mm/分 ・濾過器:塔径1200mm、通水速度150m/日、 濾層構成:アンスラサイト(高さ:400mm)+ケイ
砂(高さ:400mm) ・原水(ダム水)の年間水質 ・原水濁度:5〜50度 ・原水pH:7.2〜8.5 ・凝集剤注入率の設定値 ・無機凝集剤:PAC10〜50mg/L(原水濁度に
比例注入) ・有機高分子凝集剤:アニオン系高分子凝集剤 0.1
〜0.5mg/L(無機凝集剤に比例注入)
【0034】上述のような年間水質のダム水を原水と
し、実験時の原水水質がpH約7.8、水温約22.0
℃、濁度約40度のときの浄水処理において、無機凝集
剤混和槽に無機凝集剤PACを40mg/L添加し、攪
拌機にて急速攪拌を行い、引き続き高分子凝集剤を注入
して攪拌し、フロック形成池にてフロック形成を行い、
沈澱池にて沈澱処理、急速濾過器にて急速濾過処理を行
って浄水を得る。無機凝集剤混和槽から採取した水は、
ゼータ電位計によりゼータ電位の分布が測定され、その
値に応じて有機高分子凝集剤の注入率を制御する。この
ゼータ電位計は、前述したように、電位計のセル内に試
料を導入し、セルの両端に設けられた電極より試料に通
電しフロックを泳動させその移動速度を読みとり、既存
の計算式からゼータ電位を算出することができるもので
あるが、パーソナルコンピューターと接続されているこ
とにより、自動的にゼータ電位の計測と複数のフロック
のゼータ電位を集計することが可能なものである。今回
の実験では、このゼータ電位計により測定された無機凝
集剤のみによる微小なフロックのゼータ電位分布が、−
10mV以上の粒子割合95%以上であれば良好な凝集
状況と判断した。従って、ゼータ電位分布で見て−10
mV以上の粒子の割合が95%以上であれば、有機高分
子凝集剤を所定値の0.4mg/L注入する。逆に−1
0mV以上の粒子の割合が90%未満の場合は、有機高
分子凝集剤の注入率を所定の注入率の50%、つまり
0.2mg/L注入とした。
【0035】無機凝集剤のみによる微小なフロックの粒
径分布が、−10mV以上の粒子割合が90%の場合
で、有機高分子凝集剤を所定値(無機凝集剤に単純比
例)とした時と、所定値の50%とした時の沈澱処理水
濁度及び急速濾過器の濾過継続時間を比較する。このと
きの濾過水濁度は、いずれも常に0.1度未満であっ
た。 ・有機高分子凝集剤を所定値とした場合:沈澱処理水濁
度0.6度、濾過継続時間38時間 ・有機高分子凝集剤を所定値の50%とした場合:沈澱
処理水濁度0.8度、濾過継続時間54時間
【0036】このように、実施例2においても、無機凝
集剤による凝集が不十分な場合に高分子凝集剤の注入率
を低減することにより、濾過継続時間を38時間から5
4時間へと大幅に延長することができた。また、濾過寿
命後において、通常の逆洗方法により問題なく回生でき
た。
【0037】なお、上記実施例1、2では、フロック形
成度合測定手段として、レーザー式微粒子計、ゼータ電
位計を用いたが、測定手段自体は特に限定されず、実体
顕微鏡モニター等を用いることも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水処理方
法および装置によれば、高分子凝集剤の注入率を、前段
における無機凝集剤による微小フロック形成度合に応じ
て適切に調整するようにしたので、とくに粗大フロック
形成に有効利用されない余剰の高分子凝集剤が注入され
ることを効率よく防止でき、それによって後段の濾過装
置において濾過閉塞が生じることを効果的に防止するこ
とができる。その結果、最終処理水の濁度を目標値以下
に低く維持しつつ、濾過装置の寿命を大幅に延長するこ
とができる。
【0039】また、濾過装置で高分子凝集剤が捕捉され
それが粘着することを抑制できるので、寿命到達後に
も、通常の逆洗により容易に回生することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る水処理装置の概略構
成図である。
【符号の説明】
1 原水 2 無機凝集剤混和槽 3 無機凝集剤 4 ポンプ 5 モータ 6 攪拌機 7 フロック形成度合測定手段としてのレーザー式微粒
子計 8 シーケンサ 9 高分子凝集剤 10 高分子凝集剤混和槽 11 ポンプ 12 モータ 13 攪拌機 14 フロック形成池 15 パドル式攪拌機 16 沈澱池 17 隔壁 18 濾過装置 19 濾層 20 浄水 21 浄水タンク 22 最終処理水 23 ポンプ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/18 G01N 33/18 A Fターム(参考) 4D015 BA12 BA21 BB09 BB12 CA14 DA04 DA13 DA16 DB07 DB08 DB12 DB13 DB30 DC02 DC08 EA03 FA02 FA16 FA17 4D062 BA12 BA21 BB09 BB12 CA14 DA04 DA13 DA16 DB07 DB08 DB12 DB13 DB30 DC02 DC08 EA03 FA02 FA16 FA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水に無機凝集剤を注入して攪拌し、続
    いて高分子凝集剤を注入して攪拌することにより原水中
    の懸濁物質をフロックの形態に凝集させ、フロックを沈
    降分離した後、残留する微小フロックおよび懸濁物質を
    濾過する水処理方法において、無機凝集剤の注入、攪拌
    によるフロックの形成度合を測定し、測定したフロック
    形成度合に応じて、高分子凝集剤の注入率を決定するこ
    とを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記測定したフロック形成度合を予め定
    めた基準度合と比較し、フロック形成度合が不十分と判
    断された場合には、高分子凝集剤の注入率を低減する、
    請求項1の水処理方法。
  3. 【請求項3】 原水に無機凝集剤を注入して攪拌する無
    機凝集剤混和槽と、続いて高分子凝集剤を注入して攪拌
    する高分子凝集剤混和槽と、無機凝集剤および高分子凝
    集剤によりフロックの形態に凝集された原水中の懸濁物
    質を沈降分離する沈澱池と、沈澱池からの沈澱処理水中
    に残留する微小フロックおよび懸濁物質を濾過する濾過
    装置とを備えた水処理装置において、無機凝集剤の注
    入、攪拌によるフロックの形成度合を測定する手段と、
    測定したフロック形成度合に応じて高分子凝集剤の注入
    率を調整する手段とを有することを特徴とする水処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記フロック形成度合測定手段が、ゼー
    タ電位計、レーザー式微粒子計、実体顕微鏡モニターの
    いずれかからなる、請求項4の水処理装置。
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