JP4778688B2 - 流動点降下剤 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素油用の流動点降下剤、詳しくは燃料油および潤滑油用の流動点降下剤およびそれを含む炭化水素油組成物に関する。
炭化水素系燃料油や潤滑油などは、冬期あるいは寒冷地において低温にさらされると流動性が低下することがあり問題になっている。例えば、石油中間留分からなる燃料油(例えばディーゼル燃料油およびA重油など)では、その中に含まれるワックスが析出し、配管系のフィルターを目詰まりさせたり、配管系内で固化したりする。また潤滑油でもワックス帰因の流動性悪化により、エンジンなどのオイルポンプの空運転やエアの吸い込み、駆動系油圧装置の作動不良などがトラブルが生じる。これらの問題を解決する手段として、いくつかの提案がなされている。燃料油に関しては、例えばエチレン−飽和カルボン酸のビニルエステル共重合体を燃料油に添加する方法(特許文献−1〜3参照)が提案されており、潤滑油に関してはポリメタクリレートを添加する方法(特許文献−4および5参照)など各種の重合体を添加して流動点を降下させる方法が提案されている。
特公昭39−200692号公報 特公昭48−23165号公報 特開昭59−136391号公報 特開昭54−70305号公報 特開2001−122925号公報
しかし、従来から提案されている流動点降下剤の効果は未だ不十分であり、さらに流動点降下能に優れる添加剤が求められている。
本発明者らは、鋭意検討した結果、従来よりも流動点降下能が改善された流動点降下剤を見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で示される単量体(a)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる炭化水素油用流動点向上剤、該流動点降下剤を含む流動点降下剤組成物、炭化水素油組成物である。
1は水素原子またはメチル基、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜20の整数、R2は炭素数16〜44の分岐アルキル基である。
本発明の流動点降下剤は、従来の流動点降下剤に比べ改善された流動点降下能を示す。そのため、これを添加した燃料油は、寒冷地などで低温にさらされても、配管系のフィルターを目詰まりさせることも少なく、配管系内で固化することもない。また潤滑油に添加すると、エンジンなどの燃焼装置や駆動系装置の低温でのトラブルが少なくなり、始動性の向上および省燃費化に効果的である。また、該流動点降下剤は粘度指数向上効果、摩耗防止効果、分散効果および酸化防止効果も発揮できる。
本発明における一般式(1)において、R2は炭素数16〜44の分岐アルキル基であり、好ましいのは流動点降下能の観点から下記一般式(2)で示される分岐アルキル基である。
式中、R3およびR4は、それらの炭素数の合計が14〜42、好ましくは16〜38、さらに好ましくは18〜34となる、炭素数1〜41、好ましくは6〜24のアルキル基である。
3およびR4は、直鎖アルキル基でも分岐アルキル基でもよく、一方が直鎖で一方が分岐でもよい。好ましいのはR3およびR4のいずれもが直鎖アルキル基である場合である。
2の具体例としては以下の基が挙げられる。
炭素数16;2メチルペンタデシル基、2−ヘキシルデシル基、
炭素数17;2−メチルヘキサデシル基、
炭素数18;2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−メチルヘプタデシル基、
炭素数19;2−メチルオクタデシル基、
炭素数20;2−オクチルドデシル基、
炭素数24;2−デシルテトラデシル基、
炭素数28;2−ドデシルヘキサデシル基、
炭素数32;2−テトラデシルオクタデシル基、
炭素数34;2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルエイコシル基、炭素数36;2−ヘキサデシルエイコシル基、
炭素数40;2−オクタデシルドコシル基、
炭素数44;2−ドコシルテトラコシル基。
Xは炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えばエチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、1,2−、1,3−および1,4−ブチレン基が挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレン基、および1,2−プロピレン基である。
nは0または1〜20の、好ましくは0または1〜10、さらに好ましくは0または1〜5の整数である。
(a)の具体例としては、2−オクチルドデシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシルアクリレート、2−デシルテトラデシルメタクリレート(以下、MA−i24と略記)、2−ドデシルヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−テトラデシルオクタデシルアクリレート、2−テトラデシルオクタデシルメタクリレート(以下、MA−i32と略記)、2−オクチルデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシルオキシエチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシルオキシエチルメタクリレート(以下、MA−EO−i24と略記)、2−デシルヘキサデシルオキシプロピルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ドデシルヘキサデシルオキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらのうち、好ましいのは2−オクチルドデシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、2−ドデシルヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−テトラデシルオクタデシル(メタ)アクリレートおよびMA−EO−i24である。
(A)には、(a)の単独重合体、2種以上の(a)の共重合体および(a)の1種以上と他のビニル単量体(b)の共重合体が含まれる。流動点降下能の観点から好ましいのは2種以上の(a)の共重合体および(a)の1種以上と他のビニル単量体(b)との共重合体であり、(b)としては例えば下記のもの、及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(b1);(a)以外の(メタ)アクリル酸ハイドロカルビルエステル(ハイドロカルビル基は1価の炭化水素基を表す)であり、以下のものが挙げられる。
(b1−1)炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル:
例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−またはiso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−およびiso−またはsec−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル。
(b1−2)炭素数8〜15の直鎖及び/または分岐アルキル基、もしくは炭素数16〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル:
例えば(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ドデシル(MA−12と略記する)、(メタ)アクリル酸2−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルテトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル(MA−16と酪記する)、アクリル酸n−オクタデシル、メタクリル酸n−オクタデシル(MA−18と略記する)、(メタ)アクリル酸n−エイコシル、(メタ)アクリル酸n−ドコシル。
(b1−3)炭素数2〜30の直鎖または分岐のアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸アルケニルエステル:
例えば(メタ)アクリル酸ブテニルエステル、(メタ)アクリル酸オクテニルエステル、(メタ)アクリル酸デセニルエステル、(メタ)アクリル酸ドデセニルエステル、(メタ)アクリル酸オレイルエステル。
(b1−4)炭素数7〜30のアラルキル基を有する(メタ)アクリル酸アラルキルエステル:
例えば(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルエチルエステルおよび(メタ)アクリル酸フェニルオクチルエステル。
(b1−5)(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル:
アルキル置換されたシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルも含まれ、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチルおよび(メタ)アクリル酸シクロヘプチルエチル。
(b2)(ポリ)アルキレングリコールモノアルキル(アルキル基はR2以外のアルキル基)エーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル:
(b2)を構成する(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルを構成するオキシアルキレン基としては、炭素数が2〜20、好ましくは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシ2−ブチレン基およびオキシイソブチレン基が挙げられる。また、モノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜15の直鎖及び/または分岐アルキル基、もしくは炭素数16〜24の直鎖アルキル基
(ポリ)アルキレングリコールにおけるオキシアルキレン単位の数(以下において、pと略記する)は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。(b2)の具体例としては、ポリエチレングリコール(P=6)モノメチルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリプロピレングリコール(p=3)モノブチルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(b3);(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル:
(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸[クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、ならびに不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸およびイタコン酸など]の炭素数1〜24のアルキルのジエステル[マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチルおよびマレイン酸ジオクチルなど]が挙げられる。
(b4);脂肪族炭化水素系ビニルモノマー:
例えば、炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4-メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18(好ましくは炭素数4〜5)のアルカジエン[ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]が挙げられる。
(b5);アルキルアルケニルエーテル:
炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜24の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル[メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど]、アルキル(メタ)アリルエーテル[メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなど]、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられる。これらのうちで好ましいものは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
(b6);モノカルボン酸ビニルエステル
モノカルボン酸としては、炭素数2〜30、好ましくは炭素数1〜18の脂肪族、脂環族および芳香族の飽和並びに不飽和のモノカルボン酸が挙げられる。脂肪族モノカルボン酸としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニルおよびリノレン酸ビニルなど、脂環族モノカルボン酸としてはシクロヘキサン酸ビニルおよびシクロオクタン酸ビニルなど、芳香族モノカルボン酸としては安息香酸ビニルなどが挙げられる。
(b7);ビニルケトン類:
炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトンおよびフェニルビニルケトンなど]が挙げられる。
(b8);脂環族炭化水素系ビニルモノマー:
炭素数5〜24の脂環基を有する、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン、ピネン、リモネンおよびインデンなどが挙げられる。
(b9);芳香族炭化水素系ビニルモノマー:
スチレン、置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[アルキル置換スチレン(α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレンなど)]、ジビニル置換芳香族炭化水素[ジビニルベンゼン、ジビニルトルエンおよびジビニルキシレンなど]、並びにビニルナフタレンなどが挙げられる。
(b10);窒素原子含有モノマー:
(b10−1);1〜3級アミノ基含有ビニルモノマー
アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレートおよびN−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど]およびこれらのモノおよびジアルキル(炭素数1〜6)置換体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびt−ブチルアミノエチルメタクリレートなど]、複素環アミノ基含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾールおよびN−ビニルピロールなど]並びにモノおよびジ(メタ)アリルアミンが挙げられる。
(b10−2);4級窒素原子含有ビニルモノマー
ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドの4級化物[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの4級化物]およびジアリルアミンの4級化物などが挙げられる。4級化剤としてはメチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネートなどの炭素数1〜12のアルキルもしくはアラルキル基を有する化合物またはアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)を用いて4級化したものが例示される。
(b10−3);アミド基含有ビニルモノマー
非置換もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニルアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]並びに複素環(チオ)アミド基含有ビニルモノマー[N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドン]などが挙げられる。
(b10−4);ニトリル基含有モノマー
(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなどが挙げられる。
(b10−5);ニトロ基含有モノマー
4−ニトロスチレンなどが挙げられる。
(b11);水酸基含有ビニルモノマー
(b11−1)水酸基含有芳香族ビニルモノマー
p−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
(b11−2)水酸基含有脂肪族モノマー
ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノールおよび1−ウンデセノールなど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オールおよび2−ブテン−1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなど]並びに(ポリ)アルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル[(ポリ)アルキレングリコールを構成するオキシアルキレン基としては前述のものが挙げられ、pの好ましい範囲も同様である。例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ポリエチレングリコール(p=9)のモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリプロピレングリコール(p=3)のモノ(メタ)アクリル酸エステル]などが挙げられる。
(b12);ハロゲン原子含有ビニルモノマー
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジクロルスチレン並びにテトラフルオロスチレン)などが挙げられる。
(b13);アニオン性モノマー
(b13−1);カルボキシル基含有ビニルモノマー
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびイタコン酸モノアルキルエステルなど]、不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸など]および無水不飽和ジカルボン酸[無水マレイン酸および無水イタコン酸など]が挙げられる。
(b13−2);スルホ基含有ビニルモノマー
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸および(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数8〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[スチレンスルホン酸およびα−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[スルホエチル(メタ)アクリレートおよびスルホプロピル(メタ)アクリレートなど]、(メタ)アクリルアミドアルカン(炭素数2〜8)スルホン酸[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホ基と水酸基を含有するビニルモノマー[3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸および3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸など]並びにアルキル(炭素数3〜18)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシル(メタ)アリルスルホコハク酸エステルなど]が挙げられる。
(b13−3);硫酸エステル基含有ビニルモノマー
ポリ(p=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4:エチレン、プロピレンおよびブチレンなど:単独付加、ランダム付加、ブロック付加のいずれでもよい)グリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルの硫酸エステル、並びにポリ(p=2〜30)オキシアルキレン(アルキレンは前記ど同様)ビスフェノールAのモノ(メタ)アクリル酸エステルの硫酸エステルなどが挙げられる。
(b13−4);燐酸基含有ビニルモノマー
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオキシアルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸[2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸など]などが挙げられる。
(b)のうち、好ましいのは(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b9)および(b10)からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びにそれと(b)のうちの他のモノマーの少なくとも1種との併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)であり、さらに好ましいのは(b1)、並びに(b1)と(b)のうちの他のモノマーの少なくとも1種との併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)であり、特に好ましいのは(b1−2)、並びに(b1−2)のうちの少なくとも1種と(b1−1)のうちの少なくとも1種の併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)であり、最も好ましいのは(b1−2)のうちの1種、並びに(b1−2)のうちの2種以上の併用である。
(b1−2)のうち、特に好ましいのは炭素数8〜24さらに好ましくは炭素数12〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、および炭素数10〜15の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
(A)中の、(A)の重量に基づく(a)から構成される単位の割合は、好ましくは30〜100重量%(以下において特に限定しない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは30〜95%、特に好ましくは40〜75%である。(a)から構成される単位が30〜100重量%であれば流動点降下能に優れている点で好ましい。
(A)の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜300,000、特に好ましくは30,000〜200,000である。ここで重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算分子量として測定されたものであり、以下Mwと略記する。
(A)は、下記関係式(2)で表わされる立体障害ファクター(F)が、好ましくは15〜45であり、さらに好ましくは15〜35、特に好ましくは20〜32である。
F=4X+Y (2)
(F)が15以上であると主鎖まわりの立体障害が大きくなるため、低温で収縮し難くなり、WAXの板状結晶化を阻害し、流動点が低くなる傾向にある。
(F)は、(A)の構成単量体単位において、側鎖が結合した主鎖の原子を0番目とした場合、側鎖の方向に数えて6番目に位置する原子の総数(X)(原子の種類にかかわらない)の4倍と、7番目に位置する原子の総数(Y)(原子の種類にかかわらない)との和である。
(F)は、ポリマー主鎖から見た側鎖の立体障害の大きさを便宜的に表したものであり、数字が大きいほど立体障害が大きくなる。
計算例を挙げると次のようになる。原子の右肩の数字は主鎖からの原子の順番を示している。なお複数の側鎖がある場合は、それらについても計算した総和を(F)とする。
なお、(A)が共重合体の場合はそれぞれの構成単位から計算される立体障害ファクター(F0)からその共重合体を構成する単量体単位のモル分率に基づいて平均値を計算することによって立体障害ファクター(F)が求められる。
例)2−デシルテトラデシルメタクリレート)/n−オクタデシルメタクリレート=60/40モル比の共重合体
6番目の原子数=6 6番目の原子数=3
7番目の原子数=6 7番目の原子数=3
構成単量体単位の 構成単量体単位の
(F0)=6×4+6=30 (F0)=3×4+3=15
モル比=60:40
(F)=30 ×0.6+15 ×0.4=24
(A)の、示差走査熱量計により測定される結晶化温度(Tc)は、好ましくは−70℃〜50℃、さらに好ましくは−70℃〜20℃、特に好ましくは−50℃〜20℃である。(Tc)が−70℃以上〜20℃であれば流動点降下能にさらに優れている点で好ましい。
本発明における(Tc)は、PERKIN−ELMER社製 示差走査熱量計(UNIX(登録商標)−DSC7)を使用し、試料5mgを140℃から−80℃まで10℃/分の等温速度で冷却したときに観測される結晶化による吸熱ピーク温度である。
本発明における(A)の物性値を調整する手段としては以下の方法が挙げられる。
例えば(A)のMwは、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量および/または連鎖移動剤量などにより調整できる。
(A)の(Tc)は重合体の主鎖および/または側鎖にメチレン鎖長が連続して存在するように単量体を選ぶことで調整できる。
(A)の(F)は、構成単位の種類とモル比を選択することにより調整できる。例えば、側鎖中の、主鎖から6番目、7番目に位置する原子数が多くなるように、5番目、6番目に分岐のある単量体を使用することにより(F)は大きくなる。
(A)を製造する方法は、従来から知られているラジカル重合方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは溶液重合法であり、通常、溶剤中で、開始剤存在下で(a)および必要により(b)をラジカル重合させる方法である。
溶剤には、鉱物油[溶剤精製油、水素化改質油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による粘度指数100〜160の高粘度指数油、ナフテン系オイル]並びに合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)およびエステル系合成潤滑油]などの高引火点溶剤(引火点130℃以上);その他の溶剤[脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶剤[イソプロピルアルコール(以下、IPAと略記)、オクタノール、ブタノール等]、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)]およびこれらの2種以上の併用が含まれる。好ましいのは高引火点溶剤および芳香族炭化水素である。
開始剤には、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤およびレドックス系開始剤が含まれる。
アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、AVNと略記)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミドなどが挙げられる。
過酸化物系開始剤には、無機過酸化物[例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど]および有機過酸化物[例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ラウリルパーオキシドなど]が含まれる。
レドックス系触媒には、アルカリ金属の亜硫酸塩および重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物などの酸化剤との組合せよりなるものが含まれる。
開始剤の使用量は、モノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0.05〜1%である。
連鎖移動剤を使用してもよく、例えばメルカプタン類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノールおよびメルカプトプロパノールなど)、チオカルボン酸類(チオグリコール酸およびチオリンゴ酸など)、2級アルコール類(イソプロパノ−ルなど)、アミン類(ジブチルアミンなど)および次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウなど)が挙げられる。連鎖移動剤の使用量はモノマーの合計重量に基づいて、好ましくは0〜3%である。
重合温度は、好ましくは30〜140℃、さらに好ましくは50〜130℃、特に70〜120℃である。重合温度は断熱重合法または温度制御重合法によって制御できる。
また、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制御した溶液重合法である。
共重合の様式は、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、またグラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。グラフト共重合の場合、(a)を構成単量体とする重合体に(b)をグラフト共重合する方法および(b)のみを構成単量体とする重合体に(a)をグラフト共重合する方法などが挙げられるが、好ましいのは前者である。
本発明の流動点降下剤組成物は、ビニル重合体(A)並びに希釈剤および/または他の添加剤からなるものである。
希釈剤で溶解・希釈することにより基油への溶解が容易になる点で好ましい。希釈剤としては、前述の(A)の製造法において挙げた溶剤と同様のものが使用でき、(A)の重合工程で使用した溶剤を除去せずにそのまま残しておいてもよい。希釈剤として好ましいのは鉱物油および合成潤滑油である。
(A)が希釈剤に溶解しにくい場合は、加熱(好ましくは40〜150℃)して溶解することが好ましい。
流動点降下剤組成物が(A)と希釈剤のみからなる場合の、(A)と希釈剤の割合は、通常(A)が1%以上で希釈剤が99%以下、好ましくは(A)が10〜90%で希釈剤が10〜90%、さらに好ましくは(A)が20〜90%で希釈剤が10〜80%である。
流動点降下剤組成物中の他の添加剤としては、前述の(b1)〜(b13)からなる群から選ばれる1種以上の単量体から構成される重合体(B)が例示される。
(b1)〜(b13)のうち、好ましいのは(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b9)、(b10)および(b11)からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びにそれと(b)のうちの他のモノマーの少なくとも1種との併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)であり、さらに好ましいのは(b1)、並びに(b1)と(b)のうちの他のモノマーの少なくとも1種との併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)であり、特に好ましいのは(b1−2)、並びに(b1−2)のうちの少なくとも1種と(b1−1)のうちの少なくとも1種の併用(共重合重量比は少なくとも50/50、好ましくは少なくとも95/5)である。
(b1−1)のうち特に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチルである。また、(b1−2)のうち、特に好ましいのは炭素数8〜24さらに好ましくは炭素数12〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、および炭素数10〜15の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
(B)のMwは通常5,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜400,000である。
(B)の具体例としては、例えば、MA−12(30〜80%)/MA−18(20〜70%)からなる共重合体、およびメチルメタクリレート(0〜30%)/MA−12(10〜40%)/MA−14(10〜40%)/MA−16(0〜20%)共重合体などが挙げられる。
(B)/(A)の重量比は、好ましくは0〜10/1、さらに好ましくは0.01〜3/1である。
(B)の添加の目的は粘度指数の改善(向上)と低温粘度の改善(低下)である。
本発明の流動点降下剤組成物における他の添加剤としては、(B)以外にさらに以下のものが例示できる。
清浄剤[スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系などのCaやMg塩および炭酸カルシウムなど]、分散剤[コハク酸イミド系(ビスタイプ、モノタイプ、ボレートタイプおよびマンニッヒ縮合物系など)]、抗酸化剤[アミン系(ジフェニルアミンなど)、ヒンダードフェノール系(トリアルキルフェノールなど)およびジンクジチオフォスフェートなど]、公知の摩擦調整剤[長鎖脂肪酸(オレイン酸など)、長鎖脂肪酸エステル(オレイン酸エステルなど)、長鎖アミン系(オレイルアミンなど)、長鎖アミド(オレアミドなど)]、耐摩耗剤[モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメイトおよびジンクジアルキルジチオフォスフェートなど]、極圧剤[硫黄系(ジアルキルジスルフィド)、リン系(リン酸エステル、亜リン酸エステル)およびハロゲン系(塩素化炭化水素)など]、消泡剤[シリコーン油および金属石けんなど]、抗乳化剤[4級アンモニウム塩、硫酸化油およびリン酸エステルなど]並びに腐食防止剤[ベンゾトリアゾールおよび1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカルバメートなど]。
(B)以外の添加剤の流動点降下剤組成物における添加量は、後述の炭化水素油
組成物の重量に基づくこれらの添加剤の含有量が以下のようになる添加量である。
清浄剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、分散剤は通常0〜20%、好ましくは0.2〜10%、抗酸化剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜3%、公知の摩擦調整剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜1%、耐摩耗剤は通常0〜10%、好ましくは0.1〜3%、極圧剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、消泡剤は通常2〜1,000ppm、好ましくは10〜700ppm、抗乳化剤は通常0〜3%、好ましくは0〜1%、および腐食防止剤は通常0〜3%、好ましくは0〜2%である。
流動点降下剤組成物の全重量に基づく、(B)も含めた他の添加剤の合計量は、通常0〜70%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0〜15%である。また、流動点降下剤組成物が、(A)、(B)も含めた他の添加剤、および希釈剤からなる場合の流動点降下剤組成物の重量に基づく希釈剤の割合は、通常希釈剤が99%以下、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは10〜80%である。
本発明の炭化水素油組成物は、基油と流動点降下剤および必要により他の添加剤、または基油と流動点降下剤組成物からなるものであるが、他の添加剤は流動点降下剤組成物の中に配合してから基油に配合してもよく、それぞれを別にして基油に配合してもよい。その場合の配合の順序は特に限定されない。
本発明の炭化水素油組成物には炭化水素系燃料油組成物および炭化水素系潤滑油組成物が含まれる。
本発明の炭化水素油系燃料油組成物に用いることのできる炭化水素油系燃料油としては、例えばJIS 1号軽油、JIS 2号軽油、JIS 3号軽油、JIS 特3号軽油、JIS A重油、JIS B重油、JIS C重油などの原油を原料とする燃料油が挙げられ、硫黄含量が0.05重量%以下の低硫黄燃料油に対しても有効である。低硫黄燃料油の具体例としては、低硫黄原油(たとえば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油;この脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油が挙げられる。
なお、本発明において炭化水素油系燃料油には、上記炭化水素油とその他の燃料油との混合物も含まれる。その他の燃料油としては、植物油、動物油および合成エステル油などが挙げられる。混合物の場合の混合物中のその他の燃料油の割合は通常60%以下、好ましくは40%以下である。
本発明の炭化水素油系潤滑油組成物に用いることのできる炭化水素油系潤滑油としては、炭素数が少なくとも18〜27のワックスを含有し、100℃における動粘度が1〜50mm2/sかつ流動点が15℃以下であるものが好ましい。具体的には、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による粘度指数100〜160の高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)、ナフテン油並びにこれら2種以上の混合油などが挙げられる。なお、本発明において炭化水素油系潤滑油には、上記炭化水素油とエステル系合成潤滑油との混合物も含まれる。混合物の場合の混合物中のエステル系合成潤滑油の割合は通常60%以下、好ましくは40%以下である。
本発明の炭化水素油組成物中の(A)の含有量は、好ましくは炭化水素油組成物の重量に基づいて0.001〜30%、さらに好ましくは0.005〜10%、特に好ましくは0.01〜2%である。
本発明の流動点降下剤を潤滑油に添加した場合は、流動点降下効果だけでなく、摩擦調整効果、摩耗防止効果、分散効果、酸化防止効果および粘度指数向上効果などを発揮することもできる。従って、対象となる潤滑油は、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油、トラクション油、グリースなどに幅広く好適に用いることができ、低温流動性に優れる。
<実施例>
以下に、実施例において本発明を説明するがこれに限定するものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量部を表す。
(GPCによるMwの測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
(流動点の測定法)
JIS K−2269の方法で測定した。
実施例1〜4、比較例1〜2
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロートおよび窒素吹き込み管を備えた反応容器に、重合溶剤としてトルエン2,500部を仕込み、反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下75〜90℃に昇温し、滴下ロートから表1に記載の組成の単量体、連鎖移動剤n−ラウリルメルカプタン40部、開始剤AVN50部からなる単量体−開始剤溶液を等速度で3時間かけて滴下し、さらに1時間同温度で熟成した。得られたポリマー溶液を100℃に加熱し、トルエンを減圧下に除去して、表1に記載のMwとTcを有する重合体(A−1)〜(A−4)からなる本発明の流動点降下剤並びに重合体(B−1)および(B−2)からなる比較例の流動点降下剤をそれぞれ10,000部得た。
実施例5〜8、比較例3、4
各々の流動点降下剤5,200部に、炭化水素油(水素化改質油:100℃の動粘度は2.3mm2/s、粘度指数83)2,800部を加えて120℃で均一に溶解して希釈し、本発明および比較例の流動点降下剤組成物を得た。これらの各々の流動点降下剤組成物2部と、水素化改質油[ダイアナフレシアS−32」(出光興産(株)製)、PP:−20
℃]997部を混合することにより本発明の炭化水素油系潤滑油組成物(V1)〜(V4)および比較例の炭化水素油系潤滑油組成物(V5)および(V6)を得た。
これらの炭化水素油系潤滑油組成物の流動点の測定結果を表2に示す。
実施例9〜12、比較例5,6
各々の流動点降下剤4,800部に、芳香族混合溶剤5,200部を加えて40℃で均一に溶解して希釈し、本発明および比較例の流動点降下剤組成物を得た。これらの各々の流動点降下剤組成物1部と、燃料油[2号軽油、PP:−12.5℃]999部を混合することにより本発明の炭化水素油系燃料油組成物(V7)〜(V10)および比較例の炭化水素油系燃料油組成物(V11)および(V12)を得た。
これらの炭化水素油系燃料油組成物の流動点の測定結果を表3に示す。
本発明の流動点降下剤は、軽油および重油などの原油を原料とする燃料油の流動点降下剤として利用できる。特に、硫黄含量が0.05重量%以下の低硫黄燃料油に対しても有効である。
また、炭化水素油系潤滑油の流動点降下剤としても利用できる。特に、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による粘度指数100〜160の高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油、ナフテン油並びにこれら2種以上の混合油などに対しても有効である。

Claims (11)

  1. 一般式(1)で示される単量体(a)を必須構成単量体としてなるビニル重合体
    (A)からなる炭化水素油用流動点降下剤であって、(A)が(a)の単独重合体又は
    2種以上の(a)の共重合体である炭化水素油用流動点降下剤
    [式中、R1は水素原子またはメチル基、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0ま
    たは1、R2は一般式(2)で示される炭素数24〜32の分岐アルキル基である。]
    [式中、R3およびR4は、それらの炭素数の合計が22〜30となる炭素数10〜1
    のアルキル基である。]
  2. 一般式(1)で示される単量体(a)及び炭素数12〜18のアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸エステル(b1)を構成単量体としてなるビニル重合体(A)から
    なる炭化水素油用流動点降下剤。
  3. (A)が、(A)の重量に基づいて30〜100重量%の単量体(a)から構成され
    てなるビニル重合体である請求項記載の流動点降下剤。
  4. (A)の重量平均分子量が3,000〜500,000である請求項1〜のいずれ
    か記載の流動点降下剤。
  5. 関係式(3)で表される、(A)の立体障害ファクター(F)が15〜35である請
    求項1〜のいずれか記載の流動点降下剤。
    F=4X+Y (3)
    [Xは、構成単量体単位における側鎖中の、主鎖から6番目に位置する原子の総数、
    Yは同じく7番目に位置する原子の総数である。]
  6. (A)の示差走査熱量計による結晶化温度が−70℃〜20℃である請求項1〜
    いずれか記載の流動点降下剤。
  7. 請求項1〜のいずれか記載のビニル重合体(A)、並びに希釈剤および/または他
    の添加剤からなる流動点降下剤組成物。
  8. 20〜90重量%の(A)および10〜80重量%の希釈剤からなる請求項記載の
    流動点降下剤組成物。
  9. 炭化水素油系燃料油もしくは炭化水素油系潤滑油、および請求項1〜のいずれか記
    載の流動点降下剤もしくは流動点降下剤組成物からなり、ビニル重合体(A)を炭化水
    素油組成物の重量に基づいて0.001〜30重量%含有する炭化水素油組成物。
  10. 炭化水素系燃料油または炭化水素系潤滑油がワックス含有油である請求項記載の炭
    化水素油組成物。
  11. 炭化水素系潤滑油の100℃の動粘度が1〜50mm2/s、かつ流動点が15℃以下である請求項10記載の炭化水素油組成物。
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