JP2005023147A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Takeshi Yuki
剛 由岐
Minoru Nishida
稔 西田
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Abstract

【課題】高粘度指数の基油と粘度指数向上剤を含む潤滑油組成物であって、特に剪断安定性において優れた潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】110以上の粘度指数を有する基油および粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物であって、該粘度指数向上剤が、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位を含有し、水酸基含有ビニル単量体の単位を含有しない重合体(A)からなり、潤滑油組成物の重量に基づいて(A)を10〜50重量%含有し、剪断安定性試験による粘度低下率が20%以下であるギア油用潤滑油組成物であり、特にデファレンシャルギア油用またはマニュアルトランスミッション油用の潤滑油組成物として好適である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は潤滑油組成物に関する。詳しくは、高粘度指数の基油とアルキルアクリレート系粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の気運が高まり、自動車の省燃費性がより一層要求されてきている。省燃費化の1つの手段として潤滑油の低粘度化による摩擦損失の低減が挙げられる。しかしながら、単に低粘度化すると液漏れや焼き付きといった問題が生じてくる。この問題を解決するためには、一般に粘度指数の高い基油を用い、その基油に適した粘度指数向上剤を用いる方法がなされている。例えば高粘度指数油用ポリアルキルメタクリレート粘度指数向上剤が提案されている(特許文献−1〜3参照)。
【0003】
特許文献−1:日本特許第2754341号、
特許文献−2:日本特許第2754342号、
特許文献−3:日本特許第2754343号。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高粘度指数の基油とポリアルキルメタクリレート系粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物は、粘度指数向上効果においても、また剪断安定性においても不十分であるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、高粘度指数の基油と特定の単量体から構成される重合体を含有する潤滑油組成物が、粘度指数向上能およびせん断安定性に優れていることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、110以上の粘度指数を有する基油および粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物であって、該粘度指数向上剤が、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位を含有し、水酸基含有ビニル単量体の単位を含有しない重合体(A)からなり、潤滑油組成物の重量に基づいて(A)を10〜50重量%含有し、剪断安定性試験による粘度低下率が20%以下であるギア油用潤滑油組成物;110以上の粘度指数を有する基油を含有し、剪断安定性試験による粘度低下率が20%以下であるギア油用潤滑油組成物用の粘度指数向上剤であって、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位を含有し、水酸基含有ビニル単量体の単位を含有しない重合体(A)からなる粘度指数向上剤;および、該重合体(A)、並びに希釈剤および/または他の添加剤からなる潤滑油用添加剤組成物;である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑油組成物は、110以上の粘度指数を有する基油(通常、高粘度指数油と称される)、さらに好ましくは112以上、特に好ましくは115〜170の粘度指数を有する基油を含有する。
【0007】
110以上の粘度指数を有する基油としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0008】
(1)合成潤滑油:
(1−1)エステル系合成潤滑油:
例えば、炭素数2〜18の2〜6価の多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールおよびヘキサメチレンジオールなどの2価アルコール;グリセリン、およびトリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトールなどの4価または5〜6価のアルコール)と炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸(ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸)もしくはジカルボン酸(アジピン酸、アゼライン酸)とのエステル類(ジエステル、トリエステル、テトラエステルなど)などが挙げられる。
【0009】
(1−2)ポリオレフィン系合成潤滑油:
例えば、炭素数2〜12のオレフィンのオリゴマー(デセンオリゴマー、ドデセンオリゴマー、ブテンオリゴマー、エチレン−αオレフィン共重合体オリゴマーなど)などが挙げられる。
【0010】
(2)異性化パラフィン含有潤滑油:
例えば、オランダ国特許第7613854号明細書または特開平5−214349号公報等に記載の方法で製造されるn−パラフィンを触媒を用いて水素化分解しイソパラフィンに異性化した成分を含有する潤滑油、およびこれらの潤滑油を更に溶剤精製した潤滑油などが挙げられ、これらは通常の鉱物油とは組成が大きく異なることから、粘度指数は高く、製造法やイソパラフィン含量などにより異なるが、粘度指数は通常110〜160のものとなる。なお、通常の鉱物油は、粘度指数が90〜105程度である。
【0011】
これらの基油のうち、粘度指数向上剤の溶解性の観点から、好ましいのは(1−1)および(2)である。
【0012】
上記の合成潤滑油および/または異性化パラフィン含有潤滑油と、通常の鉱物油を混合した基油で粘度指数が110以上の基油であってもよい。
通常の鉱物油としては、減圧蒸留油や脱れき油等をフルフラール等により芳香族成分を溶剤で除去した後、トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤やプロパン溶剤により脱ろうしたもの、並びにMLDW油というモービル・ルーブ・ディワキシングと呼ばれるプロセスで製造されるもので、合成ゼオライト触媒などによりワックスを分解・除去したものが挙げられる。
【0013】
上記の通常の鉱物油が配合されて使用される場合、全基油の質量に基づいて、合成潤滑油と高粘度指数油の合計の含量は30%以上が好ましい。
【0014】
本発明における基油は、100℃における動粘度が1〜18mm/s、好ましくは2.5〜15mm/sである。
【0015】
また、本発明における基油の流動点(JIS K2269−1993年)は−5℃以下、さらに−10℃〜−70℃が好ましい。基油の流動点がこの範囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。
【0016】
本発明の潤滑油組成物は、上記の基油と後述の重合体(A)からなる粘度指数向上剤を含有するものであり、潤滑油組成物の重量に基づく(A)の含有率は好ましくは10〜50%、さらに好ましくは15〜45%、特に好ましくは17〜40%である。含有率が上記範囲であると、特に粘度指数が向上し易い。
【0017】
本発明の潤滑油組成物は剪断安定性が良好であり、CEC L45−45−A−99で規定された方法に従い試験時間を20時間として試験した場合、粘度低下率は20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
【0018】
本発明の潤滑油組成物は、工業用潤滑油および自動車用潤滑油などに有用であるが、好ましくは、駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、デファレンシャルギア油、オートマチックトランスミッション油、ベルトCVT油など)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)、トラクション油としての使用であり、さらに好ましくは駆動系潤滑油としての使用であり、特に好ましくはマニュアルトランスミッション油、またはデファレンシャルギア油としての使用であり、とりわけ好ましくはデファレンシャルギア油としての使用である。本発明の潤滑油組成物を、デファレンシャルギア油として使用した場合、粘度指数が特に高くなる点で優れている。
【0019】
本発明における粘度指数向上剤において、重合体(A)を構成する単量体(a)は炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート、およびこれらの2種以上の混合物である。具体的には以下のものが挙げられる。
【0020】
(a1)炭素数1〜7のアルキル基を有するアルキルアクリレート:
例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−またはiso−プロピルアクリレート、n−、iso−またはsec−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレートおよびn−ヘプチルアクリレートなどが挙げられる。
【0021】
(a2)炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート:
例えば、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、2−メチルオクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、2−メチルノニルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、2−メチルデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、2−メチルウンデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、2−メチルドデシルアクリレート、n−テトラデシルアクレレート、2−メチルトリデシルアクリレート、n−ペンタデシルアクリレート、2−メチルテトラデシルアクリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、およびn−オクタデシルアクリレート、n−エイコシルアクリレート、n−ドコシルアクリレート、ドバノール23[三菱化学(株)製の炭素数12/炭素数13のオキソアルコール混合物]のアクリレート、ドバノール45[三菱化学(株)製の炭素数13/炭素数14のオキソアルコール混合物]のアクリレートなどが挙げられる。
【0022】
(a)のうち、好ましいのは(a2)であり、(a2)のうち好ましいのは、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、2−メチルオクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、2−メチルノニルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、2−メチルデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、2−メチルウンデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、2−メチルドデシルアクリレート、ドバノール23[三菱化学(株)製の炭素数12/炭素数13のオキソアルコール混合物]のアクリレートであり、さらに好ましいのは炭素数8〜13の分岐または直鎖のアルキル基を有するアクリレートおよびそれら2種以上の併用である。
【0023】
本発明において(A)には、(a)からなる重合体、および(a)と他のビニル単量体(b)の共重合体が含まれる。共重合体を構成する(b)としては例えば下記のものが挙げられ、(b)には水酸基含有ビニル単量体は含まれない。なお、(b)は1種でも2種以上の併用でもよい。
【0024】
(b1)メタクリル酸エステル:
メタクリル酸アルキルエステル(b1−1)、メタクリル酸アルケニルエステル(b1−2)、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノメタクリル酸エステル(b1−3)、メタクリル酸シクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルエステル(b1−4)などが挙げられる。
【0025】
(b1−1)を構成するアルキル基としては炭素数1〜30の直鎖、または分岐のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜24のアルキル基である。(b1−1)の具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸エイコシル、メタクリル酸2−デシルテトラデシルおよびメタクリル酸テトラコシルなどが挙げられる。
【0026】
(b1−2)を構成するアルケニル基としては、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルケニル基が含まれる。(b1−2)の具体例としては、メタクリル酸ブテニルエステル、メタクリル酸オクテニルエステル、メタクリル酸デセニルエステル、メタクリル酸ドデセニルエステル、メタクリル酸オレイルエステルなどが挙げられる。
【0027】
(b1−3)を構成する(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルを構成するアルキレン基としては、炭素数が2〜20のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−ブチレン基、イソブチレン基、1,1−ジフェニルエチレン基およびシクロヘキシレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基である。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜20の直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。(b1−3)の具体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0028】
(b1−4)の具体例としては、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸デカヒドロナフチル、メタクリル酸シクロヘキシルエチル、メタクリル酸シクロヘキシルメチル、メタクリル酸シクロヘプチルエチルなどが挙げられる。
【0029】
(b2)(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル:
例えば、(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸[クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、ならびに不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]の炭素数1〜24のアルキルジエステル[マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチルなど]が挙げられる。
【0030】
(b3)脂肪族ビニル系炭化水素:
例えば、炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアルカジエン[好ましくは炭素数4〜5のブタジエン、イソプレン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]などが挙げられる。
【0031】
(b4)アルキルアルケニルエーテル:
例えば、炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは炭素数1〜24のアルキル基である。具体的には、アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとしては、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
【0032】
(b5)脂肪酸ビニルエステル:
脂肪酸としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは脂環基を有する脂肪酸が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、直鎖状と分岐状など2種以上の併用であってもよい。好ましくは炭素数1〜24、さらに好ましくは1〜18のアルキル基を有する脂肪酸である。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル、シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタン酸ビニルおよびデカヒドロナフチル酸ビニルが挙げられる。
【0033】
(b6)ビニルケトン類:
例えば、炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]が挙げられる。
【0034】
(b7)脂環基(炭素数5〜24)含有炭化水素系ビニルモノマー:
例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン、ピネン、リモネンおよびインデンなどが挙げられる。
【0035】
(b8)芳香族ビニル系炭化水素:
例えば、スチレン、その他置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[アルキル置換スチレン(好ましくはα−メチルスチレン、ビニルトルエン、その他2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレンなど)、アシル基置換スチレン(アセトキシスチレンなど)など]、ジビニル置換芳香族炭化水素[好ましくはジビニルベンゼン、その他ジビニルトルエンおよびジビニルキシレンなど]、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0036】
(b9)窒素原子含有単量体:
(b9−1);1〜3級アミノ基含有ビニルモノマー
例えば、アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど]およびこれらのモノおよびジアルキル(炭素数1〜6)置換体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートなど]、複素環窒素含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾールおよびこれらの塩など]、モノおよびジ(メタ)アリルアミンなどが挙げられる。
【0037】
(b9−2)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:
例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドの4級化物[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの4級化物]、およびジアリルアミンなどの4級化物が挙げられ、4級化剤としてメチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネートなどの炭素数1〜12のアルキルもしくはアラルキル基を有する化合物を用いて4級化したものが例示される。
【0038】
(b9−3)アミド基含有ビニル単量体:
非置換もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニルアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]などが挙げられる。
【0039】
(b9−4)ニトリル基含有単量体:
例えば、(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなどが挙げられる。
【0040】
(b9−5)ニトロ基含有単量体:
例えば、4−ニトロスチレンなどが挙げられる。
【0041】
(b10)ハロゲン含有ビニル単量体:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジクロルスチレン、テトラフルオロスチレンおよび塩化アリルなど)などが挙げられる。
【0042】
(b11)アニオン性単量体:
(b11−1)カルボキシル基含有ビニル単量体:
モノカルボン酸基含有ビニル単量体、例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど]など;ジカルボン酸基含有ビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸などが挙げられる。
【0043】
(b11−2)スルホン酸基含有ビニル単量体:
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステルなど]などが挙げられる。
【0044】
(b11−3)硫酸エステル基含有ビニル単量体:
例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステルなどが挙げられる。
【0045】
(b11−4)燐酸基含有ビニル単量体:
例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオキシアルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸[2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸など]などが挙げられる。
【0046】
(b12)両性ビニル単量体:
例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシ(もしくはアミノ)アルキル(炭素数1〜10)N,N−ジアルキル(炭素数1〜5)アンモニウム−N−アルキル(炭素数1〜5)カルボキシレート(もしくはサルフェート)、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカルボキシレート、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカルボキシレート、およびN−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムプロピルサルフェートなどが挙げられる。
【0047】
(b)のうち、好ましいのは(b1)、(b2)、(b7)、(b8)、(b9)およびそれらの2種以上の併用であり、さらに好ましいのは(b1)、(b2)およびそれらの2種以上の併用であり、特に好ましいのは(b1−1)およびそれらの2種以上の併用である。
【0048】
(b1−1)のうち、好ましいのは、炭素数8〜24、さらに好ましいのは炭素数12〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルおよびそれら2種以上の併用である。
【0049】
(A)の重量に基づく(a)の単位の割合は、好ましくは65重量%以上(以下において特に限定しない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは(a)の単位が100%の重合体である。
(a)から誘導される単位が65%以上であれば粘度指数向上効果に優れている点で好ましい。
また、(a)は1種または2種以上の併用のいずれでもよいが、好ましいのは1種のみからなる重合体であり、とりわけ好ましいのは、(b)を含まず、(a)のうちの1種のみからなる単独重合体である。
【0050】
(A)の重量平均分子量(以下、Mw)、好ましくは3,000〜500,000、さらに好ましくは4,000〜100,000、特に好ましくは5,000〜35,000である。ここで重量平均分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算分子量として測定されたものである。(A)のMwは、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量または連鎖移動剤量などにより調整できる。
【0051】
(A)の分子量分布(以下、Mw/Mn)は、好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.8以下である。Mw/Mnが小さい方がせん断安定性が良好である。なお、Mnは、Mwと同様にGPCにより求めたものである。
【0052】
(A)の溶解性パラメーター(以下SP値と略記する)は、下限が好ましくは8.5、さらに好ましくは8.8、特に好ましくは9.0であり、上限は好ましくは10、さらに好ましくは9.7、特に好ましくは9.4である。SP値が上記範囲内では基油への溶解性がさらに良好になる。なお、SP値はFedors法(Polym.Eng.Sci.14(2)、152,(1974)によって算出したものである。
【0053】
(A)のSP値は、構成単位のそれぞれのSP値を計算し、目的のSP値になるように単量体の種類とモル比を採択することにより調整できる。
例えば、アルキルアクリレートの場合、アルキル基の長さによりSP値を調整することができる。
【0054】
(A)のHLB値は0.5〜7が好ましい。HLBがこの範囲内にあると抗乳化性が特に良好である。さらに好ましくは、HLB値が1〜6.5、特に好ましくは、1.5〜6である。
本発明において、HLB値は、有機性無機性の概念のHLB(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P128)によって算出される値である。
【0055】
(A)の具体例としては、例えば、
(1):デシルアクリレート単独重合体、
(2):ドデシルアクリレート70〜90%/ブチルアクリレート10〜30%からなる共重合体、
(3):ドデシルアクリレート70〜90%/ドデシルメタクリレート5〜15%/トリデシルメタクリレート5〜15%からなる共重合体、
などが挙げられる。
【0056】
本発明における重合体(A)は、公知の製造方法によって得ることができる。例えば前記の単量体を溶剤中で重合触媒存在下にラジカル重合することにより得られる。
【0057】
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンまたは炭素数9〜10のアルキルベンゼンなどの芳香族溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカリン、灯油などの脂肪族炭化水素溶剤、2−プロパノール、1−ブタノールまたは2−ブタノールなどのアルコール系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤および鉱物油などが使用できる。重合時の溶解性の観点から、これらのうち好ましくはトルエン、2−プロパノールである。
【0058】
重合触媒としては、アゾ系触媒[例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレートなど]、過酸化物系触媒[例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど]が使用できる。
さらに、必要により連鎖移動剤[例えば、炭素数2〜20のアルキルメルカプタンなど]を使用することもできる。
【0059】
重合温度は、50〜140℃、好ましくは60〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合または懸濁重合により得ることもできる。さらに、共重合体の重合様式としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
【0060】
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、(A)、並びに希釈剤および/または他の添加剤からなる。
希釈剤としては、脂肪族溶剤[炭素数6〜18の脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカリン、灯油など)];芳香族溶剤{炭素数7〜15の芳香族溶剤[トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよび炭素数9の芳香族混合溶剤(トリメチルベンゼンおよびエチルトルエンなどの混合物)、炭素数10〜11の芳香族混合溶剤など]、鉱物油[例えば、前述の高粘度指数油および通常の鉱物油]、および前述の合成潤滑油などであり、これらのうち好ましいものは鉱物油および合成潤滑油である。特に好ましくは鉱物油である。
【0061】
本発明の潤滑油用添加剤組成物が、希釈剤を含む場合、5〜95%、好ましくは20〜90%の(A)および5〜95%、好ましくは10〜80%の希釈剤からなる。
希釈剤の割合が多いほうが基油に容易に溶解する点で好ましいが、あまり多いのは経済的ではない。
なお、重合工程で溶剤の存在下に単量体を重合させて(A)を製造し、溶剤で希釈された状態で得られたものを潤滑油用添加剤組成物として使用することもでき、または、重合後に溶剤で希釈して潤滑油用添加剤組成物として使用することもできる。あらかじめ希釈剤で希釈しておくことで、潤滑油に添加する際に容易に溶解するようにできる点で好ましい。
【0062】
潤滑油用添加剤組成物における他の添加剤としては、アルキルメタクリレート系共重合体(B)が挙げられる。
【0063】
(B)はアルキルメタクリレートの単位を少なくとも50%、好ましくは80%以上、特に100%含有する重合体であり、例えば、(b1)の群から選ばれる1種以上の単量体から構成される重合体が挙げられる。(b1)のうち、好ましいのは(b1−1)およびそれら2種以上の併用である。
【0064】
(B)の具体例としては、例えば下記のようなものが挙げられる。
(B1)メチルメタクリレート/n−ドデシルメタクリレート/n−テトラデシルメタクリレート/n−ヘキサデシルメタクリレート(0〜20%/20〜45%/20〜45%/0〜20%)共重合体、
(B2)n−ドデシルメタクリレート/n−ヘキサデシルメタクリレート(10〜50%/50〜90%)共重合体[平均炭素数:12.3〜13.8、分岐アルキル基比率:0モル%]、n−ドデシルメタクリレート/n−テトラデシルメタクリレート(90〜70%/10〜30%)共重合体[平均炭素数:12.2〜12.6、分岐アルキル基比率:0モル%]、およびn−ドデシルアクリレート/n−ドデシルメタクリレート(10〜40%/90〜60%)共重合体[平均炭素数:12、分岐アルキル基比率:0モル%]などが挙げられる。
【0065】
(B)は1種でもよいが、2種以上を併用してもよい。
【0066】
(B)のMwは、好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜250,000である。
【0067】
(B)を使用する場合、(A)の重量に基づく使用する(B)の重量の割合は、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.001〜20%、特に好ましくは0.001〜10%である。
また、(B)を使用する場合は、(A)と(B)の合計量は、潤滑油組成物の重量に基づいて、好ましくは10〜50%、さらに好ましくは10〜45%である。
(B)の添加の目的は粘度指数(向上)と低温粘度(低下)の改善である。
【0068】
本発明の潤滑油用添加剤組成物における他の添加剤としては、(B)以外にさらに以下のものが例示できる。
清浄剤[スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系などのCaやMg塩および炭酸カルシウムなど]、分散剤[コハク酸イミド系(ビスタイプ、モノタイプ、ボレートタイプおよびマンニッヒ縮合物系など)]、抗酸化剤[アミン系(ジフェニルアミンなど)、ヒンダードフェノール系(トリアルキルフェノールなど)およびジンクジチオフォスフェートなど]、摩擦調整剤[長鎖脂肪酸(オレイン酸など)、長鎖脂肪酸エステル(オレイン酸エステルなど)、長鎖アミン系(オレイルアミンなど)、長鎖アミド(オレアミドなど)]、耐摩耗剤[モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメイトおよびジンクジアルキルジチオフォスフェートなど]、極圧剤[硫黄系(ジアルキルジスルフィド)、リン系(リン酸エステル、亜リン酸エステル)およびハロゲン系(塩素化炭化水素)など]、消泡剤[シリコーン油および金属石けんなど]、抗乳化剤[4級アンモニウム塩、硫酸化油およびリン酸エステルなど]並びに腐食防止剤[ベンゾトリアゾールおよび1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカルバメートなど]。
(B)以外の添加剤の潤滑油用添加剤組成物における添加量は、前述の潤滑油組成物の重量に基づくこれらの添加剤の含有量が以下のようになる添加量である。
清浄剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、分散剤は通常0〜20%、好ましくは0.2〜10%、抗酸化剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜3%、摩擦調整剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜1%、耐摩耗剤は通常0〜10%、好ましくは0.1〜3%、極圧剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、消泡剤は通常2〜1,000ppm、好ましくは10〜700ppm、抗乳化剤は通常0〜3%、好ましくは0〜1%、および腐食防止剤は通常0〜3%、好ましくは0〜2%である。
潤滑油添加剤組成物の全重量に基づく、(B)も含めた他の添加剤の合計量は、通常0〜70%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0〜15%である。
また、潤滑油用添加剤組成物が、(A)、(B)も含めた他の添加剤、および希釈剤からなる場合の潤滑油添加剤組成物の重量に基づく希釈剤の割合は、通常希釈剤が99%以下、好ましくは10〜90%、さらに好ましくは10〜80%である。
【0069】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%および部は重量%および重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
【0070】
(粘度指数の試験方法)
JIS−K−2283の方法で行った。
【0071】
(剪断安定性の試験方法)
CEC L45−45−A−99の方法に従い試験時間を20時間とした。
【0072】
実施例1〜4および比較例1
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、トルエン10部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表1に記載の単量体を合計100部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン(DMと略記)を1.7部、およびラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル:ADVNと略記)0.5部仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下85℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、トルエンを130℃で3時間減圧除去して、重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)および(X−1)を得て、これらを粘度指数向上剤とした。得られた重合体の物性値を表2に示す。
【0073】
使用した単量体は以下の通りである。
a1−1:ブチルアクリレート
a2−1:オクチルアクリレート
a2−2:デシルアクリレート
a2−3:ドデシルアクリレート
b1−1−1:ドバノール23のメタクリレート
b1−1−2:ドバノール45のメタクリレート
【0074】
【表1】
Figure 2005023147
【0075】
【表2】
Figure 2005023147
【0076】
実施例5〜8および比較例2
重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)および(X−1)のそれぞれ65部を鉱物油(100℃動粘度2.3mm/s)35部にそれぞれ混合溶解させて、潤滑油用添加剤組成物を作製した。
【0077】
実施例9〜12および比較例3
撹拌混合装置の付いたステンレス製容器に、得られる潤滑油組成物の100℃の動粘度が14.3±0.2(mm/s)になり、かつ潤滑油組成物の合計が100部になるように(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)または(X−1)の潤滑油用添加剤組成物と基油(高粘度指数油;100℃の動粘度:4.6mm2/s、粘度指数:118、流動点:−17.5℃)をそれぞれ添加し、本発明の潤滑油組成物および比較例の潤滑油組成物を作製した。得られた潤滑油組成物の100℃動粘度、粘度指数および剪断安定性(粘度低下率)の測定結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
Figure 2005023147
【0079】
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、従来のポリメタクリレート系粘度指数向上剤を使用した潤滑油組成物と比べ粘度指数が改良でき、かつ、剪断安定性にも優れることからギア油用潤滑油組成物、特に剪断を受けやすい自動車用のデファレンシャルギア油およびマニュアルトランスミッション油用に好適である。
また、さらに、他の駆動系潤滑油(オートマチックトランスミッション油、ベルトCVT油など)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油など)およびトラクション油にも用いることができる。

Claims (12)

  1. 110以上の粘度指数を有する基油および粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物であって、該粘度指数向上剤が、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位を含有し、水酸基含有ビニル単量体の単位を含有しない重合体(A)からなり、潤滑油組成物の重量に基づいて(A)を10〜50重量%含有し、剪断安定性試験による粘度低下率が20%以下であるギア油用潤滑油組成物。
  2. デファレンシャルギア油用またはマニュアルトランスミッション油用である請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 基油が、2.5〜15mm/sの100℃の動粘度を有する基油である請求項1または2記載の潤滑油組成物。
  4. 基油が、合成潤滑油および/または異性化パラフィン含有潤滑油を含む基油である請求項1〜3のいづれか記載の潤滑油組成物。
  5. (a)が、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a2)であり、重合体(A)が該(a2)の単位を65重量%以上含有する重合体である請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油組成物。
  6. 重合体(A)が、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位のみから構成されてなる重合体である請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油組成物。
  7. 重合体(A)が、分岐または直鎖の炭素数8〜13のアルキル基を有するアルキルアクリレートの単位を含有する重合体である請求項5または6記載の潤滑油組成物。
  8. 重合体(A)の重量平均分子量が5,000〜35,000である請求項1〜7のいずれか記載の潤滑油組成物。
  9. 重合体(A)の分子量分布が1.8以下である請求項1〜8のいずれか記載の潤滑油組成物。
  10. 110以上の粘度指数を有する基油を含有し、剪断安定性試験による粘度低下率が20%以下であるギア油用潤滑油組成物用の粘度指数向上剤であって、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアクリレート(a)の単位を含有し、水酸基含有ビニル単量体の単位を含有しない重合体(A)からなる粘度指数向上剤。
  11. 請求項10記載の重合体(A)、並びに希釈剤および/または他の添加剤からなる潤滑油用添加剤組成物。
  12. 20〜90重量%の(A)および10〜80重量%の希釈剤からなる請求項11記載の潤滑油用添加剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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