JP5878057B2 - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、粘度指数向上効果が十分ではなく、また、実用時に長時間運転後の剪断安定性が十分でないという課題があった。
炭素数14〜36の直鎖アルキル基としては、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘントリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、n−トリトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル基、n−ペンタトリアコンチル基及びn−ヘキサトリアコンチル基が挙げられる。
炭素数14〜36の直鎖アルキル基のうち、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の剪断安定性の観点から好ましいのは、炭素数14〜30の直鎖アルキル基であり、更に好ましいのは炭素数16〜28の直鎖アルキル基、特に好ましいのは炭素数16〜24の直鎖アルキル基である。
ここで、本発明でいう「PSSI」とは、ASTM D 6022−01(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278−02(Test Metohd for Shear Stability of Polymer Containing Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus)により測定されたデータに基づき計算された、ポリマーの永久剪断安定性指数(Permanent Shear Stability Index)を意味する。
MwとPSSIの比は、粘度指数向上能の観点から、好ましくは2.1×104以上であり、更に好ましくは2.2×104以上、特に好ましくは2.5×104以上である。また、好ましくは1×105以下であり、更に好ましくは8×104、特に好ましくは5×104である。
** :ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** :マニュアルトランスミッション油
<Mwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
標準 :ポリスチレン
(b)のうち好ましいのは、炭素数12〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは炭素数16〜32の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいのは炭素数20〜28の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
(c)のうち好ましいのは、炭素数1〜3の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチルである。
(d)のうち好ましいのは、炭素数10〜13の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数12〜13の直鎖アルキルを有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸n−ドデシルである。
窒素原子含有ビニル単量体(e)としては、以下の単量体(e1)〜(e4)が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、モノアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等のアミド基のみに窒素原子を有するものが挙げられる。
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有ビニル単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有ビニル単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族ビニル系単量体[ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。なお、「(メタ)アリル」は、アリル又はメタリルを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
水酸基含有芳香族ビニル単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等;
ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、ポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンポリオールのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(Mn:100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn:130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(Mn:110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(Mn:150〜230)ソルビタン等]等が挙げられる。
(f)のうち好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールである。
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイロキシ」は、アクリロイロキシ又はメタクリロイロキシを意味する。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイロキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)及び炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)等が挙げられる。
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(b)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の剪断安定度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは10〜40重量%であり、更に好ましくは15〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
(A)を構成する(d)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
(A)を構成する(e)〜(n)の割合は、粘度指数向上効果の観点から、(A)の重量に基づいて、それぞれ独立に好ましくは0〜95重量%であり、更に好ましくは0〜90重量%、特に好ましくは0〜80重量%である。
なお、(A)のSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(A)のSP値は、(A)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより8.3〜9.5(cal/cm3)1/2にすることができる。
なお、(A)の結晶化温度は、示差走査熱量計「UNIX(登録商標)DSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用し、粘度指数向上剤5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−60℃まで冷却したときに観測される結晶化温度である。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、公知のアゾ系開始剤(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)、及びレドックス系開始剤(ベンゾイルパーオキサイドと第三アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
(B)としては、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル系重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜15の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
(B)の具体例としては、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
基油の粘度指数(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは90以上であり、更に好ましくは100以上である。
潤滑油組成物がエンジン油として使用される場合には、100℃の動粘度が4〜10mm2/sの基油に、(A)を2〜10重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がギヤ油として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜10mm2/sの基油に、(A)を3〜30重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物が自動変速機油(ATF、belt−CVT及びMFT)として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜6mm2/sの基油に、(A)を3〜25重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がトラクション油として使用される場合には、100℃の動粘度が1〜5mm2/sの基油に、(A)を0.5〜10重量%含有しているものが好ましい。
ここでいう100℃におけるHTHS粘度とは、ASTMD4683に規定される100℃での高温高剪断粘度を示す。100℃におけるHTHS粘度が3.0mPa・s未満の場合には、蒸発性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、6.0mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
ここでいう150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM ASTM D4683に規定される150℃での高温高剪断粘度を示す。150℃におけるHTHS粘度が2.0mPa・s未満の場合には、蒸発性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、3.5mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
HTHS(100℃)/HTHS(150℃)≦2.5 (P)
[式中、HTHS(100℃)は100℃におけるHTHS粘度を示し、HTHS(150℃)は150℃におけるHTHS粘度を示す。]
が好ましく、より好ましくは2.4以下、更に好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.2以下である。HTHS(100℃)/HTHS(150℃)が2.04を超える場合には十分な省燃費性能や低温特性が得られないおそれがある。また、HTHS(100℃)/HTHS(150℃)は、好ましくは0.50以上であり、より好ましくは0.70以上、更に好ましくは1.00以上、特に好ましくは1.30以上である。HTHS(100℃)/HTHS(150℃)が0.50未満の場合には基材の大幅なコストアップや添加剤の溶解性が得られないおそれがある。
例えば、本発明の潤滑油組成物によれば、−35℃におけるCCS粘度を2,500mPa・s以下、特に2,300mPa・s以下とすることができる。また、本発明の潤滑油組成物によれば、−40℃におけるMRV粘度を8,000mPa・s以下、特に6,000mPa・s以下とすることができる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキル
ベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮
合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミ
ン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイン酸アミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオ
カーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合
物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェー
ト(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−
ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm2/s、粘度指数:128)400重量部、表2に記載の単量体配合物100重量部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度:100ppm以下)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A1)〜(A4)、(H1)、(H2)からなる粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)を得た。得られた共重合体(A1)〜(A4)、(H1)、(H2)のSP値を上記の方法で計算した。Mw及びPSSIを上記の方法で測定し、Mw/PSSIを算出した。また、粘度指数向上剤の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)の外観を目視で観察し、以下の評価基準で基油溶解性を評価した。
[評価基準]
○:外観が均一であり、共重合体の不溶解物がない
×:外観が不均一であり、共重合体の不溶解物が認められる
(a−1):メタクリル酸n−ドコシル
(a−2):メタクリル酸n−エイコシル
(a−3):メタクリル酸n−テトラコシル
(b−1):メタクリル酸2−n−デシル−n−テトラデシル
(b−2):メタクリル酸2−n−オクチル−n−ノニル
(c−1):メタクリル酸メチル
(d−1):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(e−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm2/s、粘度指数:128)を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm2/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V4)、(W1)、(W2)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V4)、(W1)、(W2)の粘度指数、HTHS粘度(80℃)、低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
JIS−K2283−1993の方法で測定した。
<潤滑油組成物のHTHS粘度の測定方法>
ASTM D 5481の方法で100℃で測定した。
<潤滑油組成物の剪断安定度(PSSI)の測定方法>
ASTM D 6278の方法で測定した。数値が低いほど剪断安定性に優れることを表す。
<潤滑油組成物の低温粘度(CCS粘度)の測定方法>
ASTM D 5293の方法で−40℃での粘度を測定した。
Claims (11)
- 炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)及び炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて(a)を50〜80重量%及び(c)を10〜40重量%含有する共重合体であり、(A)のPSSIが20以下であり、(A)の重量平均分子量とPSSIの比が2×104以上である粘度指数向上剤。
- (A)の溶解性パラメーターが8.5〜9.5(cal/cm3)1/2である請求項1に記載の粘度指数向上剤。
- (A)の溶解性パラメーターと基油の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.5〜1.2である請求項1又は2に記載の粘度指数向上剤。
- (A)が、(A)の構成単量体として更に炭素数8〜60の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)及び炭素数5〜13の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)からなる群から選ばれる一種以上を構成単量体としてなる共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
- (A)が、(A)の構成単量体として更に窒素原子含有ビニル単量体(e)、水酸基含有ビニル単量体(f)及びリン酸基含有ビニル単量体(g)からなる群から選ばれる一種以上を構成単量体としてなる共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
- (A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて(a)を50〜80重量%、(b)を0〜50重量%、(c)を10〜40重量%及び(d)を0〜50重量%含有する共重合体である請求項4又は5に記載の粘度指数向上剤。
- (A)の重量平均分子量が5,000〜2,000,000である請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物。
- 潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度と100℃におけるHTHS粘度の比が下記式(P)で表される条件を満たすことを特徴とする請求項8に記載の潤滑油組成物。
HTHS(100℃)/HTHS(150℃)≦2.5 (P)
[式中、HTHS(100℃)は100℃におけるHTHS粘度を示し、HTHS(150℃)は150℃におけるHTHS粘度を示す。] - 更に清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加剤を含有してなる請求項8又は9に記載の潤滑油組成物。
- 基油の100℃の動粘度が1〜15mm2/sであり、かつ基油の粘度指数が100以上である請求項8〜10のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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