JP2016169368A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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中田 繁邦
Shigekuni Nakada
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Abstract

【課題】潤滑油組成物の剪断安定性に優れ、潤滑油組成物のHTHS粘度が低く、潤滑油組成物の低温粘度を上昇させにくい粘度指数向上剤を提供する。【解決手段】粘度指数向上剤と潤滑油基油とを含んでなる潤滑油組成物であって、前記粘度指数向上剤が下記一般式(1)で表される単量体(a)及び下記一般式(2)で表される単量体(b)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする(共)重合体(A)であり、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が2.0〜4.5mm2/sであり、前記潤滑油基油の粘度指数が95〜180であり、下記1〜5を満たすことを特徴とする潤滑油組成物である。(1)100℃動粘度:3.0〜8.5mm2/s(2)HTHS粘度150℃:1.4〜3.1mPa・s(3)HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃≧0.50(4)VI/HTHS粘度100℃≧45(5)PSSI≦30【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
近年、CO排出量低減及び石油資源保護等の実現のために、自動車の省燃費化がより一層要求されている。省燃費化の一つとして、エンジン油の低粘度化による粘性抵抗の低減が挙げられる。しかし、低粘度化すると液漏れや焼付きといった問題が生じてくる。また、寒冷地では低温始動性が求められる。この問題に対しては、米国SAEのエンジン油用粘度規格(SAE J300)に定められており、0W−20グレードにおいては、高温高剪断下での150℃HTHS粘度(ASTM D4683又はD5481)がMin.2.6に規定されている。また、同グレードは、寒冷地での始動性保証のために−40℃下の低温粘度が60,000mPa・s以下及び降伏応力無きこと(ASTM D4684)が規定されている。省燃費化については、上記規格を満たした上で、80℃又は100℃の実効温度域でのHTHS粘度がより低いエンジン油が求められ、従来から各種の粘度指数向上剤を用いた潤滑油組成物が提案されている。そのような粘度指数向上剤としては、メタクリル酸エステル共重合体(特許文献1〜4)、オレフィン共重合体(特許文献5)、櫛型共重合体(特許文献6〜8)等が知られている。
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、エンジン油組成物に添加した場合に80℃又は100℃の実効温度域でのHTHS粘度の低減が未だ十分でなく、剪断による粘度低減を受けやすく、また、低温での粘度が上昇するという問題があった。
特許第2732187号公報 特許第2754343号公報 特許第3831203号公報 特許第3999307号公報 特開2005−200454号公報 特許第3474918号公報 特表2008−546894号公報 特表2010−532805号公報
本発明の目的は、自動車における燃料消費量を低減するために、HTHS粘度が低く、低温粘度を上昇させにくく、剪断安定性に優れる潤滑油組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、粘度指数向上剤と潤滑油基油とを含んでなる潤滑油組成物であって、前記粘度指数向上剤が下記一般式(1)で表される単量体(a)及び下記一般式(2)で表される単量体(b)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする(共)重合体(A)であり、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が2.0〜4.5mm/sであり、前記潤滑油基油の粘度指数が95〜180であり、下記1〜5を満たすことを特徴とする潤滑油組成物である。
(1)100℃動粘度:3.0〜8.5mm/s
(2)HTHS粘度150℃:1.4〜3.1mPa・s
(3)HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃≧0.50
(4)VI/HTHS粘度100℃≧45
(5)PSSI≦30
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基であって、Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい;Rはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単位とする数平均分子量が1,000以上の炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基;pは0又は1の数]
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rはそれぞれ独立に炭素数6〜18の直鎖又は分岐アルキル基;qは0〜20の整数であり、qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
本発明の潤滑油組成物は、自動車における燃料消費量を低減するために、HTHS粘度が低く、低温粘度を上昇させにくく、剪断安定性に優れるという効果を奏する。
本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上剤と潤滑油基油とを含んでなる潤滑油組成物であって、前記粘度指数向上剤が下記一般式(1)で表される単量体(a)及び下記一般式(2)で表される単量体(b)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする(共)重合体(A)であり、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が2.0〜4.5mm/sであり、前記潤滑油基油の粘度指数(以下、VIと略記すこともある)が95〜180であり、下記1〜5を満たすことを特徴とする潤滑油組成物である。
(1)100℃動粘度:3.0〜8.5mm/s
(2)HTHS粘度150℃:1.4〜3.1mPa・s
(3)HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃≧0.50
(4)VI/HTHS粘度100℃≧45
(5)PSSI≦30
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基であって、Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい;Rはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単位とする数平均分子量が1,000以上の炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基;pは0又は1の数]
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rはそれぞれ独立に炭素数6〜18の直鎖又は分岐アルキル基;qは0〜20の整数であり、qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
一般式(1)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(1)における−X−は、−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基である。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基である。
炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
mは1〜20の整数であり、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましくは1〜4の整数、更に好ましくは1〜2の整数である。mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
−X−のうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、−O−及び−O(AO)−で表される基であり、更に好ましくは−O−及び−O(CHCHO)−で表される基である。
pは0又は1の数である。
一般式(1)におけるRは、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単位とする数平均分子量が1,000以上の炭化水素重合体(以下、「炭化水素重合体」と略記する)から水素原子を1つ除いた残基である。
炭化水素重合体としては、以下の(1)〜(3)を構成単量体とする重合体が挙げられる。
炭化水素重合体は、ブロック重合体でもランダム重合体であってもよい。
(1)脂肪族不飽和炭化水素[炭素数2〜36のオレフィン(例えばエチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、トリアコセン及びヘキサトリアコセン等)及び炭素数2〜36のジエン(例えば1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)等]
(2)脂環式不飽和炭化水素[例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等]
(3)芳香族基含有不飽和炭化水素(例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等)等が挙げられる。
これらの単量体のうち、HTHS粘度及び粘度指数の観点から、好ましくは脂肪族不飽和炭化水素であり、より好ましくは炭素数2〜36のオレフィン及び炭素数2〜36のジエンであり、更に好ましくは炭素数2〜16のオレフィン及び炭素数2〜10のジエンであり、特に好ましくはイソブテン、1−ブテン、2−ブテン及び1,3−ブタジエンである。
炭化水素重合体が、二重結合を有する場合には、水素添加により、二重結合の一部又は全部を水素化したものであってもよい。
炭化水素重合体の合計構成単量体数に基づき、HTHS粘度及び粘度指数の観点から好ましくはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンの割合が30モル%以上であり、更に好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上、最も好ましくは60モル%以上である。
炭化水素重合体の合計構成単位数に基づき、イソブチレンと1,2−ブチレンとの合計は、炭化水素重合体を13C−核磁気共鳴スペクトルにより分析し、下記数式(1)を用いて計算し決定することができる。13C−核磁気共鳴スペクトルにおいて、イソブチレンのメチル基に由来するピークが30−32ppmの積分値(積分値A)、1,2−ブチレンの分岐メチレン基(−CH−CH(CHCH)−)に由来するピークが26−27ppmの積分値(積分値B)に現れる。上記ピークの積分値と、炭化水素重合体の全炭素のピークに関する積分値(積分値C)から求めることができる。
炭化水素重合体の数平均分子量(以下Mnと略記する)は、1,000以上である。
なお、炭化水素重合体、後述する(Y)及び(A)のMn並びに後述する(A)の重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。
<炭化水素重合体及び(Y)のMn並びに(A)のMwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
一般式(1)で示される単量体(a)は、炭化水素重合体に水酸基を導入した水酸基含有(共)重合体又は炭化水素重合体にアミノ基を導入したアミノ基含有(共)重合体と、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応又はアミド化反応により得ることができる。なお、「(メタ)アクリル」は、メタクリル又はアクリルを意味する。「(共)重合体」とは、単量体の単独重合体又は共重合体を意味する。
水酸基含有(共)重合体及びアミノ基含有(共)重合体(Y)の具体例としては、以下の水酸基含有(共)重合体(Y1)〜(Y4)及びアミノ基含有(共)重合体(Y5)が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物(Y1);上記(1)脂肪族不飽和炭化水素、(2)脂環式不飽和炭化水素及び(3)芳香族基含有不飽和炭化水素(例えば炭素数2〜36のオレフィン等)等をイオン重合触媒(ナトリウム触媒等)存在下に重合して得られた炭化水素重合体に、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等)を付加して得られたもの等。
ヒドロホウ素化物(Y2);炭化水素重合体のヒドロホウ素化反応物(例えばUS4,316,973号に記載のもの)等。
無水マレイン酸−エン−アミノアルコール付加物(Y3);二重結合を有する炭化水素重合体と無水マレイン酸とのエン反応で得られた反応物を、アミノアルコールでイミド化して得られたもの等。
ヒドロホルミル−水素化物(Y4);二重結合を有する炭化水素重合体をヒドロホルミル化し、次いで水素化反応して得られたもの(例えば特開昭63−175096号に記載のもの)等。
無水マレイン酸−エン−エチレンジアミン付加物(Y5);二重結合を有する炭化水素重合体と無水マレイン酸とのエン反応で得られた反応物を、エチレンジアミンでイミド化して得られたもの等。
(Y)のうちHTHS粘度及び粘度指数の観点から好ましいのは、(Y1)、(Y2)及び(Y3)であり、更に好ましいのは、(Y1)である。
水酸基含有(共)重合体及びアミノ基含有(共)重合体(Y)の数平均分子量は、剪断安定性及びHTHS粘度の観点から好ましくは1,000〜25,000であり、更に好ましくは2,000〜20,000、特に好ましくは3,000〜15,000、最も好ましいのは4,000〜10,000である。
一般式(2)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(2)における−X−は、−O−又は−NH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−O−で表される基である。
一般式(2)におけるRは、炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基である。炭素数2〜4の直鎖又は分岐アルキレン基としては、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
一般式(2)におけるqは0〜20の整数であり、粘度指数向上効果及び低温粘度の観点から、好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数である。qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
一般式(2)におけるRは、それぞれ独立に炭素数6〜18の直鎖又は分岐アルキル基である。具体的には、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソペンチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基等が挙げられる。
炭素数6〜18の直鎖又は分岐アルキル基のうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、炭素数8〜18の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましいのは炭素数10〜16の直鎖又は分岐アルキル基、特に好ましいのは炭素数10〜16の直鎖アルキル基である。
単量体(b)の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−n−ヘキシルオクチル、(メタ)アクリル酸2−ヘキシルデシル、(メタ)アクリル酸2−イソヘキシルイソデシル、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−イソオクチルイソドデシル、エチレングリコールモノ−2−オクチルペンタデシルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−イソデシルイソテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−イソウンデシルイソペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルオクタデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルイコシル、及びN−2−オクチルデシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
単量体(b)のうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルオクタデシルである。
(A)の結晶化温度は、潤滑油組成物の低温粘度の観点から好ましくは−40℃以下であり、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃以下、最も好ましくは−60℃以下である。
なお、(A)の結晶化温度は、示差走査熱量計「ユニックス(登録商標)DSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用して測定することができ、(A)5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−80℃まで冷却したときに観測される結晶化温度である。
本発明における(共)重合体(A)は、単量体(a)、(b)に加え、一般式(3)で表される単量体(c)及び/又は炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)を構成単量体とする共重合体であることが、潤滑油の実効温度でのHTHS粘度の観点から好ましい。
[Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rは炭素数1〜4のアルキル基;rは0〜10の整数であり、rが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
一般式(3)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(3)における−X−は、−O−又は−NH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−O−で表される基である。
一般式(3)におけるRは、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
一般式(3)におけるrは0〜10の整数であり、粘度指数向上効果及び低温粘度の観点から、好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数であり、最も好ましくは0又は1である。rが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
一般式(3)におけるRは、炭素数1〜4のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基のうち、粘度指数の観点から好ましいのは、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、更に好ましいのは炭素数メチル基及n−ブチル基である。
単量体(c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−プロピロキシエチル、(メタ)アクリル酸イソプロピロキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシ−1,2−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシブチル、(メタ)アクリル酸イソブトキシエチル及び炭素数1〜6のアルコールにエチレンオキサイド〜ブチレンオキサイドを1〜10モル付加したものと(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
(c)のうち好ましいのは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸n−ブチル及び(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチルである。
炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)の具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−イコシル、(メタ)アクリル酸n−テトラコシル、(メタ)アクリル酸n−トリアコンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキサトリアコンチル等が挙げられる。
(e)のうち好ましいのは、炭素数12〜32の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数12〜28の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは炭素数12〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
本発明における共重合体(A)は、単量体(a)〜(d)に加え、更に窒素原子含有単量体((a)〜(c)を除く)(e)、水酸基含有単量体(f)、リン原子含有単量体(g)、珪素原子含有単量体(h)、硫黄原子含有単量体(i)からなる群から選ばれる1種以上を構成単量体とする共重合体であることが、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましい。
窒素原子含有単量体(e)としては、単量体(a)、(b)及び(c)を除く、以下の単量体(e1)〜(e4)が挙げられる。
アミド基含有単量体(e1):
(メタ)アクリルアミド、モノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−(N’−モノアルキルアミノアルキル)(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−(N’−メチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’−エチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’−イソプロピルアミノ−n−ブチル)(メタ)アクリルアミド及びN−(N’−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル)(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−(N’,N’−ジアルキルアミノアルキル)(メタ)アクリルアミド[アミノアルキル基の窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びN−(N’,N’−ジ−n−ブチルアミノブチル)(メタ)アクリルアミド等];N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオン酸アミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等が挙げられる。
ニトロ基含有単量体(e2):
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1〜3級アミノ基含有単量体(e3):
1級アミノ基含有単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族系単量体[N−(N’,N’−ジフェニルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。
ニトリル基含有単量体(e4):
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(e)のうち好ましいのは、(e1)及び(e3)であり、更に好ましいのは、N−(N’,N’−ジフェニルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
水酸基含有単量体(f):
水酸基含有芳香族単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はビス−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ビス(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等;
ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、ポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンポリオールのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(Mn:100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn:130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(Mn:110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(Mn:150〜230)ソルビタン等]等;が挙げられる。
リン原子含有単量体(g)としては、以下の単量体(g1)〜(g2)が挙げられる。
リン酸エステル基含有単量体(g1):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[炭素数1〜30のアルキル基又はアルキルフェニル基をリン酸エステルと1つ又は2つ結合した(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート、(メタ)アクリロイル−ポリエチレングリコール(r=4〜5)ホスフェート、(メタ)アクリロイル−ポリプロピレングリコール(r=5〜6)スフェート、ジメチル−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ホスフェート、ジエチル−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ホスフェート及びジフェニル−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル、及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイロキシ」は、アクリロイロキシ又はメタクリロイロキシを意味する。
ホスホノ基含有単量体(g2):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[炭素数1〜30のアルキル基又はアルキルフェニル基をホスホン酸と1つ又は2つ結合した(メタ)アクリロイロキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、オクテニルホスホン酸、ジメチルビニルホスホナート、ジエチルビニルホスホナート及びジフェニルビニルホスホナート等]等が挙げられる。
(g)のうち好ましいのは(g1)であり、更に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及びジフェニル−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ホスフェートである。
珪素原子含有単量体(h):(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)アルコキシシリル[3−メタクリロキシプロピルメチルジメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエチルシラン等]が挙げられる。
硫黄原子含有単量体(i):(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)ポリ(アルキルチオエーテル)アルキル[2−メタクリロキシエチルポリ(エチレンチオエーテル)メチル、2−メタクリロキシエチルポリ(エチレンチオエーテル)エチル等]等が挙げられる。
(A)は、単量体(a)〜(i)に加え、更に不飽和基を2つ以上有する単量体(j)を構成単量体とする共重合体であることが、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましい。
不飽和基を2つ以上有する単量体(j)としては、例えば、ジビニルベンゼン、炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン、リモネン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、国際公開WO01/009242号公報に記載のMnが500以上の不飽和カルボン酸とグリコールとのエステル及び不飽和アルコールとカルボン酸のエステルなどが挙げられる。
(A)は、単量体(a)〜(j)に加え、以下の単量体(k)〜(q)を構成単量体としてもよい。
脂肪族炭化水素系単量体(k):
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)等が挙げられる。
脂環式炭化水素系単量体(l):
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン及びピネン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系単量体(m):
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、インデン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類(n):
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体(o):
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン元素含有単量体(p):
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のエステル(q):
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(a)及び(b)それぞれの割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜80重量%であり、更に好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは8〜50重量%、最も好ましいのは10〜40重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは10〜80重量%であり、更に好ましくは20〜75重量%であり、特に好ましくは30〜70重量%、最も好ましいのは35〜65重量%である。
(A)を構成する(a)、(b)及び(c)の合計の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは5重量%以上であり、更に好ましくは5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%、最も好ましいのは20〜85重量%である。
(A)を構成する(d)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜70重量%であり、更に好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1〜25重量%である。
(A)を構成する(e)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜20重量%である。
(A)を構成する(f)〜(i)それぞれの割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜15重量%であり、更に好ましくは1〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(A)を構成する(j)の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜200ppmであり、更に好ましくは0.05〜50ppm、特に好ましくは0.1〜20ppmである。
(A)を構成する(k)〜(q)それぞれの割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%であり、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
(A)は、潤滑油への溶解性の観点から、特定の溶解度パラメーター(以下SP値と略記する)を有するものが好ましい。SP値の範囲は、好ましくは7.0〜9.0(cal/cm1/2であり、更に好ましくは7.3〜8.5(cal/cm1/2である。なお、本発明におけるSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(A)のSP値は、(A)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより所望の範囲にすることができる。
(A)は、100℃動粘度2.0〜4.5mm/sの潤滑油基油に溶解することが好ましい。ここで、溶解するとは、(A)100重量部を潤滑油基油400重量部に溶解させ、外観が均一であり、(A)の不溶解物がないことである。
(A)は、核磁気共鳴分析(13C−NMR)により得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト29−31ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト67−73ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が1.0以上となるものである。
M1/M2は1.0以上であることが必要であるが、好ましくは2.0以上、さらに好ましくは3.0以上、特に好ましくは4.0以上、最も好ましくは5.0以上である。また、M1/M2は好ましくは20以下であり、さらに好ましくは18以下、特に好ましくは16以下、最も好ましくは14以下である。M1/M2が1.0未満の場合は、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が悪化するおそれがある。また、M1/M2が14を超える場合は、必要とする省燃費性が得られない恐れがあり、溶解性や貯蔵安定性が悪化する恐れがある。
(A)は、核磁気共鳴分析(13C−NMR)により得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト10−20ppmの間のピークの合計面積M3と化学シフト25−35ppmの間のピークの合計面積M4の比M3/M4が0.20以上となるものである。
M3/M4は0.20以上であることが必要であるが、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上、最も好ましくは0.6以上である。また、M3/M4は好ましくは5.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.0以下、最も好ましくは1.5以下である。M3/M4が0.20未満の場合は、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が悪化するおそれがある。また、M3/M4が5.0を超える場合は、必要とする省燃費性が得られない恐れがあり、溶解性や貯蔵安定性が悪化する恐れがある。
(A)は、核磁気共鳴分析(13C−NMR)により得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト44−46ppmの間のピークの合計面積M5と化学シフト63−72ppmの間のピークの合計面積M6の比M5/M6が0.20以上となるものである。
M5/M6は0.20以上であることが必要であるが、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上、最も好ましくは0.6以上である。また、M5/M6は好ましくは3.0以下であり、さらに好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.8以下である。M5/M6が0.20未満の場合は、必要とする省燃費性が得られないばかりでなく、低温粘度特性が悪化するおそれがある。また、M5/M6が3.0を超える場合は、必要とする省燃費性が得られない恐れがあり、溶解性や貯蔵安定性が悪化する恐れがある。
なお、核磁気共鳴分析(13C−NMR)スペクトルは、(A)に希釈油が含まれる場合は、ゴム膜透析等により希釈油を分離したポリマーから得られるものである。
なお、全ピークの合計面積に対する化学シフト29−31ppmの間のピークの合計面積(M1)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレートの側鎖の特定のエチレン構造に由来する積分強度の割合を意味する。全ピークの合計面積に対する化学シフト67−73ppmの間のピークの合計面積(M2)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレート側鎖の特定のエーテル構造に由来する積分強度の割合を意味する。
全ピークの合計面積に対する化学シフト10−20ppmの間のピークの合計面積(M3)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレート側鎖の特定のメチル構造に由来する積分強度の割合を意味する。
全ピークの合計面積に対する化学シフト25−35ppmの間のピークの合計面積(M4)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレート側鎖の特定のメチレン構造に由来する積分強度の割合を意味する。
全ピークの合計面積に対する化学シフト44−46ppmの間のピークの合計面積(M5)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレート側鎖の特定のメチン構造に由来する積分強度の割合を意味する。
全ピークの合計面積に対する化学シフト63−72ppmの間のピークの合計面積(M5)は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対するポリ(メタ)アクリレート側鎖の酸素原子に隣接する炭素原子に由来する積分強度の割合を意味する。
M1/M2はポリ(メタ)アクリレート側鎖の特定のメチレン構造と特定のエーテル構造の割合を意味するが、同等の結果が得られるのであればその他の方法を用いてもよい。なお、13C−NMR測定にあたっては、サンプルとして試料0.1gに2mlの重クロロホルムを加えて希釈したものを使用し、測定温度は室温、共鳴周波数は100MHzとし、測定法は逆ゲート付デカップリング法を使用した。
上記分析により、
(a)化学シフト約10−74ppmの積分強度の合計(炭化水素の全炭素に起因する積分強度の合計)、及び
(b)化学シフト29−31ppmの積分強度の合計(特定のβ分岐構造に起因する積分強度の合計)、及び
(c)化学シフト67−73ppmの積分強度の合計(特定の直鎖構造に起因する積分強度の合計)
(d)化学シフト10−20ppmの積分強度の合計(特定のβ分岐構造に起因する積分強度の合計)、及び
(e)化学シフト29−31ppmの積分強度の合計(特定の直鎖構造に起因する積分強度の合計)
(f)化学シフト44−46ppmの積分強度の合計(特定のβ分岐構造に起因する積分強度の合計)、及び
(g)化学シフト63−72ppmの積分強度の合計(特定の直鎖構造に起因する積分強度の合計)
をそれぞれ測定し、(a)100%とした時の(b)の割合(%)を算出しM1とした。同様にして、(a)100%とした時の(c)、(d)、(e)、(f)、(g)の割合(%)を算出し、それぞれM2、M3、M4、M5、M6とした。
(A)の剪断安定性指数(以下PSSIと略記することもある。)は30以下である。下限は好ましくは1であり、さらに好ましくは2であり、特に好ましくは3であり、最も好ましくは5である。また、上限は好ましくは28、さらに好ましくは26、特に好ましくは24、最も好ましくは20である。PSSIが30を超える場合には剪断安定性や貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
(A)のMwは100,000〜1,000,000である。下限は好ましくは150,000以上であり、さらに好ましくは200,000以上であり、特に好ましくは250,000以上であり、最も好ましくは300,000以上である。また、上限は好ましくは800,000以下であり、さらに好ましくは700,000以下であり、特に好ましくは600,000以下であり、最も好ましくは550,000以下である。Mwが150,000未満の場合には粘度温度特性の向上効果や粘度指数向上効果が小さくコストが上昇するおそれがあり、Mwが1,000,000を超える場合には剪断安定性や潤滑油基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
(A)のMnは好ましくは50,000以上であり、更に好ましくは80,000以上であり、特に好ましくは100,000以上であり、最も好ましくは120,000以上である。また、好ましくは500,000以下であり、更に好ましくは300,000以下であり、特に好ましくは250,000以下であり、最も好ましくは200,000以下である。Mnが50,000未満の場合には粘度温度特性の向上効果や粘度指数向上効果が小さくコストが上昇するおそれがあり、Mnが500,000を超える場合には剪断安定性や潤滑油基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
(A)のMwとPSSIの比(Mw/PSSI)は、0.8×10以上であることが好ましく、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは1.5×10以上、さらに好ましくは1.8×10以上、特に好ましくは2.0×10以上である。Mw/PSSIが0.8×10未満の場合には、粘度温度特性が悪化すなわち省燃費性が悪化するおそれがある。
(A)のMwとMnの比(Mw/Mn)は、0.5以上であることが好ましく、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.1以上である。また、Mw/Mnは6.0以下であることが好ましく、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下である。Mw/Mnが0.5未満や6.0を超える場合には、粘度温度特性が悪化すなわち省燃費性が悪化するおそれがある。
(A)は、公知の製造方法によって得ることができ、具体的には前記の単量体を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
本発明の粘度指数向上剤は、(A)と、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(B)を併用してもよい。
(B)としては、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体等が挙げられる。
(B)の具体例としては、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
(A)と(B)を併用する場合の(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて、低温粘度の観点から好ましくは0.01〜30重量%であり、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
本発明における潤滑油基油は、100℃における動粘度が2.0〜4.5mm/sであり、粘度指数が95〜180であれば、その種類は特に限定されない。具体的には、原油を常圧蒸留及び/又は減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理のうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて精製したパラフィン系基油、あるいはノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油などのうち、上記条件を満たす潤滑油基油が使用できる。
本発明に係る潤滑油基油の好ましい例としては、原料油及びGTL(Gas to liquid)油から回収された潤滑油留分を、所定の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油基油を挙げることができる。原油由来の基油を高精製度鉱物基油と、GTL油由来の基油をGTL基油と、表現することもある。
なお、上記所定の精製方法としては、水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;酸性白土や活性白土などによる白土精製;硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸又はアルカリ)洗浄などが好ましい。本発明では、これらの精製方法のうちの1種を単独で行ってもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。また、2種以上の精製方法を組み合わせる場合、その順序は特に制限されず、適宜選定することができる。
また、上記水素化分解に使用される触媒は特に制限されないが、分解活性を有する複合酸化物(例えば、シリカアルミナ、アルミナボリア、シリカジルコニアなど)又は当該複合酸化物の1種類以上を組み合わせてバインダーで結着させたものを担体とし、水素化能を有する金属(例えば周期律表第VIa族の金属や第VIII族の金属などの1種類以上)を担持させた水素化分解触媒、あるいはゼオライト(例えばZSM−5、ゼオライトベータ、SAPO−11など)を含む担体に第VIII族の金属のうち少なくとも1種類以上を含む水素化能を有する金属を担持させた水素化異性化触媒が好ましく使用される。水素化分解触媒及び水素化異性化触媒は、積層又は混合などにより組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る潤滑油基油の100℃動粘度は、2.0〜4.5mm/sである。上限は好ましくは4.4mm/s以下、さらに好ましくは4.2mm/s以下、特に好ましくは4.0mm/s以下、最も好ましくは3.8mm/s以下である。一方、下限は好ましくは2.1mm/s以上、さらに好ましくは2.2mm/s以上、特に好ましくは2.5mm/s以上、最も好ましくは3mm/s以上である。ここでいう100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を示す。潤滑油基油成分の100℃動粘度が4.5mm/sを超える場合には、100℃におけるHTHS粘度、粘度指数、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られず、2.0mm/s以下の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなる。
また、本発明に係る潤滑油基油の40℃動粘度は、好ましくは80mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下、さらに好ましくは20mm/s以下、特に好ましくは18mm/s以下、最も好ましくは16mm/s以下である。一方、当該40℃動粘度は、このましくは6.0mm/s以上、より好ましくは8.0mm/s以上、さらに好ましくは12mm/s以上、特に好ましくは14mm/s以上、最も好ましくは15mm/s以上である。潤滑油基油成分の40℃動粘度が80mm/sを超える場合には、低温粘度特性が悪化し、また十分な省燃費性が得られず、6.0mm/s以下の場合は潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなる。
本発明に係る潤滑油基油のVIは、95〜180である。好ましくは100〜170、さらに好ましくは110〜160である。VIが95未満であると、熱・酸化安定性、揮発防止性及び摩擦係数が上昇する傾向にある。また、VIが180を超えると、低温粘度特性が低下する傾向にある。
なお、本発明でいう粘度指数とは、ASTM D−2270に準拠した粘度指数を意味する。
また、本発明における潤滑油基油の15℃における密度(ρ15)は、潤滑油基油成分の粘度グレードによるが、下記式(A)で表されるρの値以下であること、すなわちρ15≦ρであることが好ましい。
ρ=0.0025×(kv100)+0.816 (A)
[式中、kv100は潤滑油基油成分の100℃における動粘度(mm/s)を示す。]
なお、ρ15>ρとなる場合、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性、更には揮発防止性及び低温粘度特性が低下する傾向にあり、省燃費性を悪化させるおそれがある。
具体的には、本発明に係る潤滑油基油の15℃における密度(ρ15)は、好ましくは0.860以下、より好ましくは0.850以下、さらに好ましくは0.840以下、特に好ましくは0.822以下である。
なお、本発明でいう15℃における密度とは、JIS K 2249−1:2011に準拠して15℃において測定された密度を意味する。
潤滑油基油の100℃における動粘度(JIS−K2283で測定したもの)は、実効温度でのHTHS粘度の観点から好ましくは1〜15mm/sであり、更に好ましくは2〜5mm/sである。
潤滑油基油の曇り点(JIS−K2269で測定したもの)は、好ましくは−5℃以下であり、更に好ましくは−15℃以下である。潤滑油基油の曇り点がこの範囲内であると粘度指数向上剤及び潤滑油組成物の低温粘度が良好である。
また、本発明に係る潤滑油基油の流動点は−10℃以下が好ましく、より好ましくは−12.5℃以下、更に好ましくは−15℃以下である。流動点が前記上限値を超えると、潤滑油全体の低温流動性が低下する傾向にある。なお、本発明でいう流動点とは、JIS K 2269:1987に準拠して測定された流動点を意味する。
また、本発明に係る潤滑油基油のアニリン点(AP(℃))は、下記式(B)で表されるAの値以上であること、すなわちAP≧Aであることが好ましい。
A=4.3×(kv100)+100 (B)
なお、AP<Aとなる場合、熱・酸化安定性、更には揮発防止性及び低温粘度特性が低下する傾向にあり、また、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。なお、本発明でいうアニリン点とは、JIS K 2256:2013に準拠して測定されたアニリン点を意味する。
本発明に係る潤滑油基油のヨウ素価は、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1以下、特に好ましくは0.9以下であり、最も好ましくは0.8以下である。また、経済性との関係から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.03以上、特に好ましくは0.05以上である。潤滑油基油成分のヨウ素価を3以下とすることで、熱・酸化安定性を向上させることができる。なお、本発明でいうヨウ素価とは、JIS K 0070:1992の指示薬滴定法により測定したヨウ素価を意味する。
また、本発明に係る潤滑油基油における硫黄分の含有量は、100重量ppm以下であることが好ましく、50重量ppm以下であることがより好ましく、10重量ppm以下であることが更に好ましく、5重量ppm以下であることが特に好ましい。
また、本発明に係る潤滑油基油における窒素分の含有量は、好ましくは7重量ppm以下、より好ましくは5重量ppm以下、更に好ましくは3重量ppm以下である。窒素分の含有量が5重量ppmを超えると、熱・酸化安定性が低下する傾向にある。なお、本発明でいう窒素分とは、JIS K 2609:1998に準拠して測定される窒素分を意味する。
また、本発明に係る潤滑油基油の%CAは、5以下であることが必要であり、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下、特に好ましくは0.5以下である。潤滑油基油の%CAが前記上限値を超えると、熱・酸化安定性及び摩擦特性が低下する傾向にある。
また、本発明に係る潤滑油基油の%Cpは、70以上であることが好ましく、好ましくは80〜99、より好ましくは85〜95、さらに好ましくは87〜94、特に好ましくは90〜94である。潤滑油基油の%Cpが前記下限値未満の場合、熱・酸化安定性及び摩擦特性が低下する傾向にある。また、潤滑油基油の%Cpが前記上限値を超えると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
また、本発明に係る潤滑油基油の%CNは、好ましくは30以下、より好ましくは4〜25、更に好ましくは5〜13、特に好ましくは5〜8である。潤滑油基油の%CNが前記上限値を超えると、熱・酸化安定性及び摩擦特性が低下する傾向にある。また、%CNが前記下限値未満であると、添加剤の溶解性が低下する傾向にある。
なお、本発明でいう%Cp、%CN及び%CAとは、それぞれASTM D 3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、及び芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。つまり、上述した%Cp、%CN及び%CAの好ましい範囲は上記方法により求められる値に基づくものであり、例えばナフテン分を含まない潤滑油基油であっても、上記方法により求められる%CNが0を超える値を示すことがある。
また、本発明に係る潤滑油基油における飽和分の含有量は、100℃における動粘度が上記条件を満たしていれば特に制限されないが、潤滑油基油全量を基準として、好ましくは90重量%以上であり、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上であり、また、当該飽和分に占める環状飽和分の割合は、好ましくは40重量%以下であり、好ましくは35重量%以下であり、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下であり、更に好ましくは21重量%以下である。飽和分の含有量及び当該飽和分に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記条件を満たすことにより、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性を向上することができ、また、当該潤滑油基油に添加剤が配合された場合には、当該添加剤を潤滑油基油中に十分に安定的に溶解保持しつつ、当該添加剤の機能をより高水準で発現させることができる。更に、本発明によれば、潤滑油基油自体の摩擦特性を改善することができ、その結果、摩擦低減効果の向上、ひいては省エネルギー性の向上を達成することができる。
なお、本発明でいう飽和分とは、前記ASTM D 2007−93に記載された方法により測定される。
また、本発明に係る潤滑油基油における芳香族分は、5重量%以下が好ましく、より好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重量%以下であり、また、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは1.5重量%以上である。芳香族分の含有量が前記上限値を超えると、熱・酸化安定性及び摩擦特性、更には揮発防止性及び低温粘度特性が低下する傾向にある。
なお、本発明でいう芳香族分とは、ASTM D 2007−93に準拠して測定された値を意味する。芳香族分には、通常、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレン及びこれらのアルキル化物、更にはベンゼン環が四環以上縮合した化合物、ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ原子を有する芳香族化合物などが含まれる。
また、本発明に係る潤滑油基油の尿素アダクト値は、5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは2.5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である。また、十分な低温粘度特性の観点で、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは0.8重量%以上である。
ここで、本発明でいう「尿素アダクト値」とは、以下の方法により測定される値を意味する。秤量した試料油(潤滑油基油)100gを丸底フラスコに入れ、尿素200mg、トルエン360ml及びメタノール40mlを加えて室温で6時間攪拌する。これにより、反応液中に尿素アダクト物として白色の粒状結晶が生成する。反応液を1ミクロンフィルターでろ過することにより、生成した白色粒状結晶を採取し、得られた結晶をトルエン50mlで6回洗浄する。回収した白色結晶をフラスコに入れ、純水300ml及びトルエン300mlを加えて80℃で1時間攪拌する。分液ロートで水相を分離除去し、トルエン相を純水300mlで3回洗浄する。トルエン相に乾燥剤(硫酸ナトリウム)を加えて脱水処理を行った後、トルエンを留去する。このようにして得られた尿素アダクト物の試料油に対する割合(重量百分率)を尿素アダクト値と定義する。
本発明の潤滑油組成物においては、前記本発明に係る潤滑油基油を単独で用いてもよく、また、本発明に係る潤滑油基油を他の基油の1種又は2種以上と併用してもよい。なお、本発明に係る潤滑油基油と他の基油とを併用する場合、それらの混合基油中に占める本発明に係る潤滑油基油の割合は、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることが更に好ましい。
本発明に係る潤滑油基油と併用される他の基油としては、鉱油系基油としては、例えば100℃における動粘度が1〜100mm/sであり、溶剤精製鉱油、水素化分解鉱油、水素化精製鉱油、溶剤脱ろう基油などが挙げられる。
また、合成系潤滑油基油としては、100℃動粘度が前記条件を満たしていない、ポリ−α−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリ−α−オレフィンが好ましい。ポリ−α−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水素化物が挙げられる。
ポリ−α−オレフィンの製法は特に制限されないが、例えば、三塩化アルミニウム又は三フッ化ホウ素と、水、アルコール(エタノール、プロパノール、ブタノール等)、カルボン酸又はエステルとの錯体を含むフリーデル・クラフツ触媒のような重合触媒の存在下、α−オレフィンを重合する方法が挙げられる。
(A)と潤滑油基油との溶解パラメータの差の絶対値は、実効温度域でのHTHS粘度及び低温粘度の観点から、好ましくは0.8〜1.5(cal/cm1/2であり、更に好ましくは0.9〜1.4(cal/cm1/2、特に好ましくは1.0〜1.2(cal/cm1/2である。
潤滑油基油のSP値は、好ましくは7.9〜9.0(cal/cm1/2、更に好ましくは8.0〜8.5(cal/cm1/2、特に好ましくは8.0〜8.3(cal/cm1/2であり、最も好ましくは8.3(cal/cm1/2である。潤滑油基油のSP値が、7.9(cal/cm1/2未満であると、HTHS粘度と粘度指数が低くなりやすく、9.0(cal/cm1/2を超えると(A)が潤滑油基油に充分に溶解しないという問題がおきることがある。
潤滑油基油のSP値は、エステル油の種類と配合量により調整することができる。
潤滑油組成物の40℃動粘度と100℃動粘度の増粘比ΔKV40/ΔKV100は、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下、もっとも好ましくは2.3以下である。また、ΔKV40/ΔKV100は、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.0 以上であり、さらに好ましくは1.5以上であり、特に好ましくは2.0以上である。
ΔKV40/ΔKV100が0.5未満の場合には、粘度の増加効果や溶解性が小さくコストが上昇するおそれがあり、4.0を超える場合には、粘度温度特性の向上効果や低温粘度特性に劣るおそれがある。
ここで、ΔKV40はSK社製YUBASE4に(共)重合体(A)を1.0重量%添加したときの、40℃動粘度の増加分を意味し、ΔKV100はSK社製YUBASE4に(共)重合体(A)を1.0重量%添加したときの、100℃動粘度の増加分を意味する。
(A)の100℃におけるHTHS粘度(以下HTHS粘度100℃と略記する。)と150℃におけるHTHS粘度(以下HTHS粘度150℃と略記する。)の増粘比ΔHTHS100/ΔHTHS150は、2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.55以下である。また、ΔHTHS100/ΔHTHS150は、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.0以上であり、さらに好ましくは1.2以上であり、特に好ましくは1.4以上である。ΔHTHS100/ΔHTHS150が0.5未満の場合には、粘度の増加効果や溶解性が小さくコストが上昇するおそれがあり、2.0を超える場合には、粘度温度特性の向上効果や低温粘度特性に劣るおそれがある。
ここで、ΔHTHS100はSK社製YUBASE4に共重合体(A)を1.0%添加したときの、100℃におけるHTHS粘度の増加分を意味し、ΔHTHS150はSK社製YUBASE4に共重合体(A)を1.0%添加したときの、150℃におけるHTHS粘度の増加分を意味する。また、ΔHTHS100/ΔHTHS150は100℃におけるHTHS粘度の増加分と150℃におけるHTHS粘度の増加分の比を意味する。ここでいう100℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D4683に規定される100℃での高温高剪断粘度を示す。また、150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM D4683に規定される150℃での高温高剪断粘度を示す。
本発明における潤滑油組成物の100℃動粘度は、3.0〜8.5mm/sである。下限値として好ましくは3.5mm/s以上、更に好ましくは4.0mm/s以上、特に好ましくは4.5mm/s以上、最も好ましくは5.0mm/s以上である。また、上限値として好ましくは8.0mm/s以下、更に好ましくは7.5mm/s以下、特に好ましくは7.0mm/s以下、最も好ましくは6.5mm/s以下である。100℃における動粘度が3.0mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、8.5mm/sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
また、本発明の潤滑油組成物は、100℃動粘度及び粘度指数が上記要件を満たすことに加えて、以下の要件を満たすことが好ましい。
本発明の潤滑油組成物の100℃動粘度は、3.0〜8.5mm/sである。好ましくは4.2〜8.2mm/s、さらに好ましくは4.5〜8.0mm/s、特に好ましくは4.8〜7.8mm/s、最も好ましくは4.5〜7.6mm/s以ある。100℃動粘度が4.0mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、8.5mm/sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物の40℃動粘度は、4〜50mm/sであることが好ましく、好ましくは45mm/s以下、より好ましくは40mm/s以下、さらに好ましくは35mm/s以下、特に好ましくは30mm/s以下、最も好ましくは27mm/s以下である。一方、当該40℃動粘度は、5mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは10mm/s以上、さらに好ましくは15mm/s以上、特に好ましくは20mm/s以上である。40℃における動粘度が4mm/s未満の場合には、潤滑性不足を来たすおそれがあり、50mm/sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
また、本発明の潤滑油組成物のVIは、200〜400の範囲であることが好ましく、より好ましくは210〜350、さらに好ましくは220〜320、特に好ましくは240〜300、最も好ましくは260〜300である。本発明の潤滑油組成物のVIが200未満の場合には、HTHS粘度を維持しながら、省燃費性を向上させることが困難となるおそれがあり、さらに−35℃における低温粘度を低減させることが困難となるおそれがある。また、本発明の潤滑油組成物の粘度指数が350以上の場合には、低温流動性が悪化し、更に添加剤の溶解性やシール材料との適合性が不足することによる不具合が発生するおそれがある。
本発明の潤滑油組成物のHTHS粘度150℃は、1.4〜3.1mPa・sである。省燃費性及び摩耗防止の観点から、好ましくは1.5〜3.0mPa・s以下であり、更に好ましくは1.6〜2.9mPa・s以下であり、特に好ましくは1.7〜2.8mPa・s以下であり、最も好ましくは1.8〜2.7mPa・s以下である。ここでいうHTHS粘度150℃とは、ASTMD4683に規定される150℃での高温高剪断粘度を示す。HTHS粘度150℃が1.4mPa・s未満の場合には、蒸散性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、3.1mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物のHTHS粘度100℃は、上限について好ましくは9.0mPa・s以下、より好ましくは8.5mPa・s以下、更に好ましくは8.2mPa・s以下、特に好ましくは8.0mPa・s以下である。また、下限について好ましくは3.0mPa・s以上、より好ましくは3.5mPa・s以上、更に好ましくは3.8mPa・s以上、特に好ましくは4.0mPa・s以上、最も好ましくは4.5mPa・s以上である。ここでいうHTHS粘度100℃とは、ASTM ASTM D4683に規定される100℃での高温高剪断粘度を示す。HTHS粘度100℃が3.0mPa・s未満の場合には、蒸発性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、9.0mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
また、本発明の潤滑油組成物においては、150℃におけるHTHS粘度(HTHS粘度150℃)と100℃におけるHTHS粘度(HTHS粘度100℃)の比が下記条件を満たす。
HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃≧0.50
HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃は、好ましくは0.52〜1.0、更に好ましくは0.55〜0.9、特に好ましくは0.58〜0.8、最も好ましくは0.60〜0.70である。HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃が0.50未満の場合には十分な省燃費性能が得られないおそれがある。HTHS粘度150℃/HTHS粘度は、粘度指数向上剤の構成単量体の種類と比率及び/又は分子量、潤滑油基油の粘度指数により調整することができる。
また、本発明の潤滑油組成物においては、潤滑油組成物のVIとHTHS粘度100℃の比が下記条件を満たす。
VI/HTHS粘度100℃≧45
VI/HTHS粘度100℃は、好ましくは46〜70、さらに好ましくは48〜68、特に好ましくは50〜65、最も好ましくは55〜60である。VI/HTHS粘度100℃が45未満の場合には十分な省燃費性能が得られないおそれがある。VI/HTHS粘度100℃は粘度指数向上剤の構成単量体の種類と比率及び/又は分子量、潤滑油基油の粘度指数により調整することができる。
また、本発明の潤滑油組成物においては、PSSIが30以下である。好ましくは25以下であり、更に好ましくは20以下であり、特に好ましくは15以下である。PSSIが30を超える場合には剪断安定性や貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。PSSIは粘度指数向上剤の構成単量体の種類と比率及び/又は分子量、潤滑油基油の粘度指数により調整することができる。
本発明の潤滑油組成物における粘度指数向上剤の含有率は、潤滑油基油の重量に基づいて、粘度指数向上剤中の(A)の重量に換算して、好ましくは1〜30重量%である。
潤滑油組成物がエンジン油として使用される場合には、100℃の動粘度が4〜10mm/sの潤滑油基油に、(A)を2〜10重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がギヤ油として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜10mm/sの潤滑油基油に、(A)を3〜30重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物が自動変速機油(ATF及びbelt−CVTF等)として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜6mm/sの潤滑油基油に、(A)を3〜25重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がトラクション油として使用される場合には、100℃の動粘度が1〜5mm/sの潤滑油基油に、(A)を0.5〜10重量%含有しているものが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
本発明における潤滑油組成物は、自動車等における燃料消費量を低減させる用途において好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
温度調節装置、バキューム撹拌翼、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、末端不飽和基含有ポリブテン(商品名;「日油ポリブテン10N」、日油(株)製、Mn;1,000]280重量部、テトラヒドロフラン−ボロン・テトラヒドロフラン1mol/L溶液[和光純薬(株)製]400重量部、テトラヒドロフラン400重量部を投入し、25℃で4時間ヒドロホウ素化を行った。次いで水50重量部、3N−NaOH水溶液50容量部、30重量%過酸化水素水50重量部を投入して酸化した。分液ロートにて上澄み液を回収し、50℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)テトラヒドロフランを2時間かけて除去し、片末端水酸基含有重合体(Y2−1)を得た。
<製造例2>
温度調節装置及び撹拌機を備えたSUS製耐圧反応容器に、末端不飽和基含有ポリブテン(商品名;「日油ポリブテン200N」、日油(株)製、Mn:2,650]530重量部及び無水マレイン酸[和光純薬(株)製]25重量部を投入し、撹拌下220℃に昇温後、同温度で4時間エン反応を行った。次いで25℃まで冷却し、2−アミノエタノール20重量部を投入して、撹拌下130℃に昇温後、同温度で4時間イミド化反応を行った。120〜130℃で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の無水マレイン酸及び2−アミノアルコールを2時間かけて除去し、片末端水酸基含有重合体(Y3−1)を得た。
<実施例1〜5、比較例1〜2>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、表1に記載の潤滑油基油400重量部、表1に記載の単量体配合物100重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度20ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A1)〜(A5)及び(H1)〜(H2)を含有する粘度指数向上剤(R1)〜(R5)及び(S1)〜(S2)を得た。得られた共重合体(A1)〜(A5)及び(H1)〜(H2)のSP値を上記の方法で計算し、Mwを上記の方法で測定した。また、共重合体の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
<共重合体の基油溶解性の評価方法>
粘度指数向上剤(R1)〜(R5)及び(S1)〜(S2)の外観を目視で観察し、以下の評価基準で基油溶解性を評価した。
[評価基準]
○:外観が均一であり、共重合体の不溶解物がない
×:外観が不均一であり、共重合体の不溶解物が認められる
表1に記載の単量体(a)〜(h)の組成は、以下に記載した通りである。
(Y1−1):水素化ポリブタジエンの片末端水酸基含有重合体(商品名;KrasolHLBH−5000M、Cray Valley製、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレン比率;65モル%、水酸基価;10.4mgKOH/g、Mn5400)
(Y2−1):製造例1に記載のポリブテンの片末端不飽和基含有重合体
(Y3−1):製造例2に記載のポリブテンの片末端不飽和基含有重合体
(a1−1):(Y1−1)のメタクリル酸エステル化物
(a1−2):(Y2−1)のメタクリル酸エステル化物
(a1−3):(Y3−1)のメタクリル酸エステル化物
(b−1):メタクリル酸2−n−デシルテトラデシル
(b−2):メタクリル酸2−n−ドデシルヘキサデシル
(b−3):メタクリル酸2−n−ヘキシルオクチル
(b−4):メタクリル酸2−n−テトラデシルオクタデシル
(c−1):メタクリル酸メチル
(c−2):メタクリル酸n−ブチル
(c−3):メタクリル酸エトキシエチル
(c−4):メタクリル酸n−ブトキシエチル
(d−1):メタクリル酸n−ドデシル
(d−2):メタクリル酸n−テトラデシル
(d−3):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(e−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(f−1):ヒドロキシエチルメタクリレート
(g−1):メタクリロイロキシエチルホスフェート
<実施例6〜10、比較例3〜6:0W−20評価>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、表2に記載の潤滑油基油90部とパッケージ添加剤(Infineum P5741)10部を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm/s)になるように、表2に記載の粘度指数向上剤(R1)〜(R5)及び(S1)〜(S2)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V5)及び(W1)〜(W2)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V5)及び(W1)〜(W2)のHTHS粘度100℃、100℃動粘度、VI、PSSI及び低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
<実施例11〜15、比較例7〜8:0W−16評価>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、表3に記載の潤滑油基油90部とパッケージ添加剤(Infineum P5741)10部を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が1.60±0.05(mm/s)になるように、表3に記載の粘度指数向上剤(R1)〜(R5)及び(S1)〜(S2)を添加し、潤滑油組成物(V6)〜(V10)及び(W5)〜(W6)を得た。
潤滑油組成物(V6)〜(V10)及び(W5)〜(W6)のHTHS粘度100℃、100℃動粘度、VI、PSSI及び低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
<実施例16〜20、比較例9〜13:5W−30評価>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、表4に記載の潤滑油基油90部とパッケージ添加剤(Infineum P5741)10部を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.90±0.05(mm/s)になるように、表4に記載の粘度指数向上剤(R1)〜(R5)及び(S1)〜(S2)を添加し、潤滑油組成物(V11)〜(V15)及び(W7)〜(W10)を得た。
潤滑油組成物(V11)〜(V15)及び(W7)〜(W10)のHTHS粘度100℃、100℃動粘度、VI、PSSI及び低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。
表1〜4に記載の潤滑油基油の物性は、以下に記載した通りである。
(基油1):高精製度鉱物基油A(SK製YUBASE4、100℃動粘度4.2mm/s、40℃動粘度:19.5mm/s、VI:124、%Cp:76wt%、%CA:0.1wt%、尿素アダクト値:0)
(基油2):高精製度鉱物基油B(SK製YUBASE2、100℃動粘度2.2mm/s、40℃動粘度:7.4mm/s、VI:99、%Cp:78wt%、%CA:0.1wt%、尿素アダクト値:0)
(基油3):ポリ−α−オレフィン基油(Exxon Mobil製SpectraSyn4、100℃動粘度:4.0mm/s、40℃動粘度:18.0mm/s、VI:126、尿素アダクト値:0)
(基油4):鉱物基油(H&R Tudapetrol製SN80、100℃動粘度:3.4mm/s、40℃動粘度:15.4mm/s、VI:89、%Cp:63wt%、%Ca:3wt%)
<潤滑油組成物のPSSIの測定方法及び計算方法>
ASTM D 6278の方法で測定し、ASTM D 6022の方法で計算した。
<潤滑油組成物のHTHS粘度の測定方法>
ASTM D 5481の方法により、150℃と100℃で測定した。
<潤滑油組成物のVIの計算方法>
ASTM D 445の方法で40℃と100℃の動粘度を測定し、ASTM D 2270の方法で計算した。
<潤滑油組成物の低温粘度の測定方法>
JPI−5S−42−2004の方法で−40℃での粘度を測定した。
表2〜4の結果から明らかなように、本発明の潤滑油組成物は、剪断安定性に優れ、実効温度域でのHTHS粘度(HTHS100℃)が低く、粘度指数が高く、低温粘度が低くて優れることがわかる。一方、比較例潤滑油組成物は、剪断安定性、実効温度域でのHTHS粘度、粘度指数及び低温粘度のうち、少なくとも1つが劣ることがわかる。
本発明の潤滑油組成物は、駆動系潤滑油(MTF、デファレンシャルギヤ油、ATF及びbelt−CVTF等)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)、エンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)及びトラクション油として好適である。

Claims (10)

  1. 粘度指数向上剤と潤滑油基油とを含んでなる潤滑油組成物であって、前記粘度指数向上剤が下記一般式(1)で表される単量体(a)及び下記一般式(2)で表される単量体(b)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする(共)重合体(A)であり、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が2.0〜4.5mm/sであり、前記潤滑油基油の粘度指数が95〜180であり、下記1〜5を満たすことを特徴とする潤滑油組成物。
    (1)100℃における動粘度:3.0〜8.5mm/s
    (2)HTHS粘度150℃:1.4〜3.1mPa・s
    (3)HTHS粘度150℃/HTHS粘度100℃≧0.50
    (4)VI/HTHS粘度100℃≧45
    (5)PSSI≦30
    [Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−、−O(AO)−又は−NH−で表される基であって、Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(AO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい;Rはイソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを必須構成単位とする数平均分子量が1,000以上の炭化水素重合体から水素原子を1つ除いた残基;pは0又は1の数]
    [Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rはそれぞれ独立に炭素数6〜18の直鎖又は分岐アルキル基;qは0〜20の整数であり、qが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
  2. (A)と前記潤滑油基油との溶解パラメータの差の絶対値が0.8〜1.5である請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記潤滑油基油が、高精製度鉱物基油、GTL基油及び合成系潤滑油基油からなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. (A)が、さらに一般式(3)で表される単量体(c)、及び/又は炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)を構成単量体とする共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
    [Rは水素原子又はメチル基;−X−は−O−又は−NH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rは炭素数1〜4のアルキル基;rは0〜10の整数であり、rが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
  5. (A)が、構成単位として(A)の重量に基づいて単量体(a)、(b)及び(c)を合計して5重量%以上含有してなる(共)重合体である請求項4に記載の潤滑油組成物。
  6. (A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて、(a)を1〜80重量%、(b)を1〜80重量%、(c)を10〜80重量%及び(d)を1〜70重量%含有する共重合体である請求項4又は5に記載の潤滑油組成物。
  7. (A)が、更に窒素原子含有単量体((a)〜(c)を除く)(e)、水酸基含有単量体(f)、及びリン原子含有単量体(g)からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする共重合体である請求項6に記載の潤滑油組成物。
  8. (A)の重量平均分子量が100,000〜1,000,000である請求項1〜7のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  9. 更に、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含有してなる請求項1〜8のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  10. 自動車における燃料消費量を低減させるための、請求項1〜9のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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