JP2013203913A - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度指数向上効果が高く、潤滑油組成物の剪断安定性に優れる粘度指数向上剤を提供する。
【解決手段】炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の重量に基づく(a)の比率が50重量%以上であり、(A)のPSSIが20以下であり、(A)の重量平均分子量とPSSIの比が2×10以上である粘度指数向上剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘度指数向上剤及び粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物に関する。
自動車等に使用される潤滑油や作動油等は、高温になるほど粘度が低下するが、実用上は低温から高温までの広範囲にわたり、粘度ができるだけ変化しないことが望ましい。そこで潤滑油に粘度指数向上剤を添加して粘度の温度依存性を改善する方法が広く行われている。そのような粘度指数向上剤としては、メタクリル酸エステル共重合体(特許文献1〜3)、オレフィン共重合体(特許文献4)及びマクロモノマー共重合体(特許文献5)等が知られている。
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、粘度指数向上効果が十分ではなく、また、実用時に長時間運転後の剪断安定性が十分でないという課題があった。
特許第2732187号公報 特開2004−307551号公報 特許第3831203号公報 特開2005−200454号公報 特表2008−546894号公報
本発明の目的は、粘度指数向上効果が高く、潤滑油組成物の剪断安定性に優れる粘度指数向上剤を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の重量に基づく(a)の比率が50重量%以上であり、(A)のPSSIが20以下であり、(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する)とPSSIの比が2×10以上である粘度指数向上剤、並びに前記粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物である。
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、粘度指数向上効果が高く、剪断安定性に優れるという効果を奏する。
本発明の粘度指数向上剤は、炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
本発明における(共)重合体(A)は、炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を必須構成単量体とする。
炭素数14〜36の直鎖アルキル基としては、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘントリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、n−トリトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル基、n−ペンタトリアコンチル基及びn−ヘキサトリアコンチル基が挙げられる。
炭素数14〜36の直鎖アルキル基のうち、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の剪断安定性の観点から好ましいのは、炭素数14〜30の直鎖アルキル基であり、更に好ましいのは炭素数16〜28の直鎖アルキル基、特に好ましいのは炭素数16〜24の直鎖アルキル基である。
(a)の具体例としては、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−ノナデシル(メタ)アクリル酸n−エイコシル、(メタ)アクリル酸n−ヘンエイコシル、(メタ)アクリル酸n−ドコシル、(メタ)アクリル酸n−トリコシル、(メタ)アクリル酸n−テトラコシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタコシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサコシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプタコシル、(メタ)アクリル酸n−オクタコシル、(メタ)アクリル酸n−ノナコシル、(メタ)アクリル酸n−トリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘントリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−ドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−トリトリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−テトラトリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−ペンタトリアコンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキサトリアコンチル等が挙げられる。
共重合体(A)は、PSSIが20以下であり、MwとPSSIの比(Mw/PSSI)が2×10以上を満たす。
ここで、本発明でいう「PSSI」とは、ASTM D 6022−01(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278−02(Test Metohd for Shear Stability of Polymer Containing Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus)により測定されたデータに基づき計算された、ポリマーの永久剪断安定性指数(Permanent Shear Stability Index)を意味する。
(A)のPSSIは、剪断安定性の観点から、好ましくは18以下であり、更に好ましくは16以下、特に好ましくは14以下である。また、好ましくは2以上であり、更に好ましくは4以上、特に好ましくは6以上である。
MwとPSSIの比は、粘度指数向上能の観点から、好ましくは2.1×10以上であり、更に好ましくは2.2×10以上、特に好ましくは2.5×10以上である。また、好ましくは1×10以下であり、更に好ましくは8×10、特に好ましくは5×10である。
(A)のMwは、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは5,000〜2,000,000であり、更に好ましい範囲は、潤滑油組成物の用途によって異なり、表1に記載の範囲である。
Figure 2013203913
* :オートマチックトランスミッション油
** :ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** :マニュアルトランスミッション油
なお、(A)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、以下の条件で測定することができる。
<Mwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
標準 :ポリスチレン
(A)は、単量体(a)に加え、炭素数8〜60の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)、炭素数8〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)からなる群から選ばれる一種以上を構成単量体とする共重合体であることが、粘度指数向上効果の観点から好ましい。
炭素数8〜60の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)としては、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸3,5,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル基、(メタ)アクリル酸2,4,6−トリメチルヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−n−ドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチル−n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−n−オクチル−n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸1−n−ヘキシル−n−トリデシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソイコシル、(メタ)アクリル酸1−n−オクチル−n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−n−デシル−n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸2−n−ドデシル−n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸イソトリアコンチル、(メタ)アクリル酸2−n−テトラデシル−n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−n−ヘキサデシル−n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−n−ヘプタデシル−n−イコシル及び(メタ)アクリル酸2−n−ヘキサデシル−n−ドコシル、(メタ)アクリル酸2−オクチルノニル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンタデシルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸1−ヘキシルトリデシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソトリコンチル、(メタ)アクリル酸2−n−テトラデシル−n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−n−ヘプタデシル−n−イコシル、(メタ)アクリル酸2−n−ヘキサデシル−n−ドコシル、(メタ)アクリル酸2−n−イコシル−n−ドコシル、(メタ)アクリル酸2−n−テトラコシル−n−ヘキサコシル、(メタ)アクリル酸2−メチル−n−ペンタコンチル、(メタ)アクリル酸2−n−テトラデシル−n−テトラコンチル、(メタ)アクリル酸2−n−ドデシル−n−ヘキサテトラコンチル、(メタ)アクリル酸1−n−オクタコシル−n−トリコンチル、及びプロピレンオリゴマー(13〜20量体)から得られるオキソアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等が挙げられる。
(b)のうち好ましいのは、炭素数12〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは炭素数16〜32の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましいのは炭素数20〜28の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが挙げられる。
(c)のうち好ましいのは、炭素数1〜3の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチルである。
炭素数8〜13の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)としては、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、等が挙げられる。
(d)のうち好ましいのは、炭素数10〜13の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数12〜13の直鎖アルキルを有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸n−ドデシルである。
(A)は、更に窒素原子含有ビニル単量体(e)、水酸基含有ビニル単量体(f)及び/又はリン原子含有ビニル単量体(g)を構成単量体とする共重合体であることが、粘度指数向上効果の観点から好ましい。
窒素原子含有ビニル単量体(e)としては、以下の単量体(e1)〜(e4)が挙げられる。
アミド基含有ビニル単量体(e1):
(メタ)アクリルアミド、モノアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等のアミド基のみに窒素原子を有するものが挙げられる。
ニトロ基含有単量体(e2):
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1〜3級アミノ基含有ビニル単量体(e3):
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有ビニル単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有ビニル単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族ビニル系単量体[ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。なお、「(メタ)アリル」は、アリル又はメタリルを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ニトリル基含有ビニル単量体(e4):
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(e)のうち好ましいのは、(e1)及び(e3)であり、更に好ましいのは、ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
水酸基含有ビニル単量体(f):
水酸基含有芳香族ビニル単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等;
ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、ポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンポリオールのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(Mn:100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn:130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(Mn:110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(Mn:150〜230)ソルビタン等]等が挙げられる。
(f)のうち好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールである。
リン原子含有単量体(g)としては、以下の単量体(g1)〜(g2)が挙げられる。
リン酸エステル基含有単量体(g1):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイロキシ」は、アクリロイロキシ又はメタクリロイロキシを意味する。
ホスホノ基含有単量体(g2):
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイロキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
(g)のうち好ましいのは(g1)であり、更に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェートである。
(A)は、単量体(a)〜(g)に加え、以下の単量体(h)〜(n)を構成単量体としてもよい。
脂肪族炭化水素系ビニル単量体(h):
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)及び炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)等が挙げられる。
脂環式炭化水素系ビニル単量体(i):
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系ビニル単量体(j):
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類(k):
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
エポキシ基含有ビニル単量体(l):
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン元素含有ビニル単量体(m):
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のエステル(n):
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(a)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の剪断安定度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは50〜80重量%であり、更に好ましくは50〜75重量%、特に好ましくは50〜70重量%である。
(A)を構成する(b)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の剪断安定度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは10〜40重量%であり、更に好ましくは15〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
(A)を構成する(d)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
(A)を構成する(e)〜(n)の割合は、粘度指数向上効果の観点から、(A)の重量に基づいて、それぞれ独立に好ましくは0〜95重量%であり、更に好ましくは0〜90重量%、特に好ましくは0〜80重量%である。
(A)の溶解性パラメーター(以下SP値と略記する)は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは8.5〜9.5(cal/cm1/2であり、更に好ましくは9.0〜9.4(cal/cm1/2、特に好ましくは9.1〜9.3(cal/cm1/2である。
なお、(A)のSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(A)のSP値は、(A)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより8.3〜9.5(cal/cm1/2にすることができる。
(A)のSP値と基油のSP値の差の絶対値は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは0.5〜1.2であり、更に好ましくは0.6〜1.0、特に好ましくは0.7〜0.9である。
(A)の結晶化温度は、好ましくは0℃以下であり、更に好ましくは−20℃以下、特に好ましくは−30℃以下である。
なお、(A)の結晶化温度は、示差走査熱量計「UNIX(登録商標)DSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用し、粘度指数向上剤5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−60℃まで冷却したときに観測される結晶化温度である。
(A)は、公知の製造方法によって得ることができ、具体的には前記単量体を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、公知のアゾ系開始剤(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)、及びレドックス系開始剤(ベンゾイルパーオキサイドと第三アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
本発明の粘度指数向上剤は、(A)と、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体(B)を併用してもよい。
(B)としては、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル系重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜15の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
(B)の具体例としては、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
(A)と(B)を併用する場合の(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて、低温粘度の観点から好ましくは0.01〜30重量%であり、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる。基油としては、鉱物油(溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)、合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリ−α−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは鉱物油である。
基油の100℃における動粘度(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは1〜15mm/sであり、更に好ましくは2〜5mm/sである。
基油の粘度指数(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは90以上であり、更に好ましくは100以上である。
基油の曇り点(JIS−K2269で測定したもの)は、好ましくは−5℃以下であり、更に好ましくは−15℃以下である。基油の曇り点がこの範囲内であると潤滑油組成物の低温粘度が良好である。
本発明の潤滑油組成物における粘度指数向上剤の含有率は、基油の重量に基づいて、粘度指数向上剤中の(A)の重量に換算して、好ましくは1〜30重量%である。
潤滑油組成物がエンジン油として使用される場合には、100℃の動粘度が4〜10mm/sの基油に、(A)を2〜10重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がギヤ油として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜10mm/sの基油に、(A)を3〜30重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物が自動変速機油(ATF、belt−CVT及びMFT)として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜6mm/sの基油に、(A)を3〜25重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がトラクション油として使用される場合には、100℃の動粘度が1〜5mm/sの基油に、(A)を0.5〜10重量%含有しているものが好ましい。
本発明の潤滑油組成物における100℃のHTHS粘度は、省燃費性能の観点から6.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは5.5mPa・s以下であり、更に好ましくは5.3mPa・s以下、特に好ましくは5.0mPa・s以下、最も好ましくは4.5mPa・s以下である。また、3.0mPa・s以上であることが好ましく、好ましくは3.5mPa・s以上、より好ましくは3.8mPa・s以上、特に好ましくは4.0mPa・s以上、最も好ましくは4.2mPa・s以上である。
ここでいう100℃におけるHTHS粘度とは、ASTMD4683に規定される100℃での高温高剪断粘度を示す。100℃におけるHTHS粘度が3.0mPa・s未満の場合には、蒸発性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、6.0mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物における150℃のHTHS粘度は、省燃費性能の観点から3.5mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは3.0mPa・s以下であり、更に好ましくは2.8mPa・s以下、特に好ましくは2.7mPa・s以下である。また、2.0mPa・s以上であることが好ましく、好ましくは2.3mPa・s以上、より好ましくは2.4mPa・s以上、特に好ましくは2.5mPa・s以上、最も好ましくは2.6mPa・s以上である。
ここでいう150℃におけるHTHS粘度とは、ASTM ASTM D4683に規定される150℃での高温高剪断粘度を示す。150℃におけるHTHS粘度が2.0mPa・s未満の場合には、蒸発性が高く、潤滑性不足を来たすおそれがあり、3.5mPa・sを超える場合には必要な低温粘度及び十分な省燃費性能が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物は、150℃におけるHTHS粘度に対する100℃におけるHTHS粘度の比が下記式(P)で表される条件を満たすことが好ましい。
HTHS(100℃)/HTHS(150℃)≦2.5 (P)
[式中、HTHS(100℃)は100℃におけるHTHS粘度を示し、HTHS(150℃)は150℃におけるHTHS粘度を示す。]
HTHS(100℃)/HTHS(150℃)は、上記の通り2.5以下であること
が好ましく、より好ましくは2.4以下、更に好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.2以下である。HTHS(100℃)/HTHS(150℃)が2.04を超える場合には十分な省燃費性能や低温特性が得られないおそれがある。また、HTHS(100℃)/HTHS(150℃)は、好ましくは0.50以上であり、より好ましくは0.70以上、更に好ましくは1.00以上、特に好ましくは1.30以上である。HTHS(100℃)/HTHS(150℃)が0.50未満の場合には基材の大幅なコストアップや添加剤の溶解性が得られないおそれがある。
本発明の潤滑油組成物は、上記構成を有するため、省燃費性と低蒸発性及び低温粘度特性に優れており、ポリ−α−オレフィン系基油やエステル系基油等の合成油や低粘度鉱油系基油を用いずとも、150℃におけるHTHS粘度を維持しながら、省燃費性とNOACK蒸発量及び35℃以下における低温粘度とを両立させることができ、特に潤滑油の40℃及び100℃の動粘度と100℃におけるHTHS粘度を低減し、−35℃におけるCCS粘度(−40℃におけるMRV粘度)を著しく改善することができる。
例えば、本発明の潤滑油組成物によれば、−35℃におけるCCS粘度を2,500mPa・s以下、特に2,300mPa・s以下とすることができる。また、本発明の潤滑油組成物によれば、−40℃におけるMRV粘度を8,000mPa・s以下、特に6,000mPa・s以下とすることができる。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキル
ベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮
合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミ
ン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイン酸アミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオ
カーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合
物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェー
ト(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−
ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1、2>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)400重量部、表2に記載の単量体配合物100重量部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度:100ppm以下)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A1)〜(A4)、(H1)、(H2)からなる粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)を得た。得られた共重合体(A1)〜(A4)、(H1)、(H2)のSP値を上記の方法で計算した。Mw及びPSSIを上記の方法で測定し、Mw/PSSIを算出した。また、粘度指数向上剤の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<粘度指数向上剤の基油溶解性の評価方法>
粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)の外観を目視で観察し、以下の評価基準で基油溶解性を評価した。
[評価基準]
○:外観が均一であり、共重合体の不溶解物がない
×:外観が不均一であり、共重合体の不溶解物が認められる
Figure 2013203913
表2に記載の単量体(a)〜(e)の組成は、以下に記載した通りである。
(a−1):メタクリル酸n−ドコシル
(a−2):メタクリル酸n−エイコシル
(a−3):メタクリル酸n−テトラコシル
(b−1):メタクリル酸2−n−デシル−n−テトラデシル
(b−2):メタクリル酸2−n−オクチル−n−ノニル
(c−1):メタクリル酸メチル
(d−1):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(e−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
<実施例5〜8、比較例3、4>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R1)〜(R4)、(S1)、(S2)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V4)、(W1)、(W2)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V4)、(W1)、(W2)の粘度指数、HTHS粘度(80℃)、低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
<潤滑油組成物の粘度指数の測定方法>
JIS−K2283−1993の方法で測定した。
<潤滑油組成物のHTHS粘度の測定方法>
ASTM D 5481の方法で100℃で測定した。
<潤滑油組成物の剪断安定度(PSSI)の測定方法>
ASTM D 6278の方法で測定した。数値が低いほど剪断安定性に優れることを表す。
<潤滑油組成物の低温粘度(CCS粘度)の測定方法>
ASTM D 5293の方法で−40℃での粘度を測定した。
Figure 2013203913
表3の結果から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物(実施例5〜8)は、比較例3、4の潤滑油組成物と比較して、粘度指数向上効果が高く、剪断安定度が低い。
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、駆動系潤滑油(MTF、デファレンシャルギヤ油、ATF及びbelt−CVTF等)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)、エンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)及びトラクション油として好適である。

Claims (11)

  1. 炭素数14〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の重量に基づく(a)の比率が50重量%以上であり、(A)のPSSIが20以下であり、(A)の重量平均分子量とPSSIの比が2×10以上である粘度指数向上剤。
  2. (A)の溶解性パラメーターが8.5〜9.5(cal/cm1/2である請求項1に記載の粘度指数向上剤。
  3. (A)の溶解性パラメーターと基油の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.5〜1.2である請求項1又は2に記載の粘度指数向上剤。
  4. (A)が、(A)の構成単量体として更に炭素数8〜60の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)及び炭素数5〜13の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)からなる群から選ばれる一種以上を構成単量体としてなる共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  5. (A)が、(A)の構成単量体として更に窒素原子含有ビニル単量体(e)、水酸基含有ビニル単量体(f)及びリン酸基含有ビニル単量体(g)からなる群から選ばれる一種以上を構成単量体としてなる共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  6. (A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて(a)を50〜80重量%、(b)を0〜50重量%、(c)を10〜40重量%及び(d)を0〜50重量%含有する共重合体である請求項4又は5に記載の粘度指数向上剤。
  7. (A)の重量平均分子量が5,000〜2,000,000である請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物。
  9. 潤滑油組成物の150℃におけるHTHS粘度と100℃におけるHTHS粘度の比が下記式(P)で表される条件を満たすことを特徴とする請求項8に記載の潤滑油組成物。
    HTHS(100℃)/HTHS(150℃)≦2.5 (P)
    [式中、HTHS(100℃)は100℃におけるHTHS粘度を示し、HTHS(150℃)は150℃におけるHTHS粘度を示す。]
  10. 更に清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる一種以上の添加剤を含有してなる請求項8又は9に記載の潤滑油組成物。
  11. 基油の100℃の動粘度が1〜15mm/sであり、かつ基油の粘度指数が100以上である請求項8〜10のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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