JP2019156953A - 潤滑油基油組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、燃費の低減を目的とし、低温粘度を低減し、且つ、高温での比較的高い粘度を確保し、及び、低温下での粘度と高温下での粘度の差が小さい潤滑油基油組成物を提供することを目的とする。より詳細には、低温(例えば40℃)下においては粘度上昇が抑えられ、且つ、高温(例えば100℃)においては従来品と同等の比較的高い粘度を確保する潤滑油基油組成物を提供することを目的とする。
より詳細には、潤滑油基油と、片末端に炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造を有し、且つ、他の末端に(メタ)アクリロキシ基を有する化合物に由来する単位を有する(共)重合体を含有する潤滑油組成物であって、溶解パラメータ9.1〜9.5(cal/cm3)1/2を有する共重合体を特定量で含む潤滑油基油組成物が、高温での比較的高い粘度を確保し、且つ、低温での粘度上昇が抑制され低粘度を有することを見出し、本発明を成すに至った。
(A)潤滑油基油、及び
(B)片末端に炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造を有し、且つ、他の末端に(メタ)アクリロキシ基を有する化合物に由来する単位を有する(共)重合体
を含有する潤滑油基油組成物であって、前記(B)(共)重合体が溶解パラメーター(SP値)9.1〜9.5(cal/cm3)1/2を有し、潤滑油基油組成物の全重量に対する前記(B)(共)重合体の含有量が2〜20重量%である、前記潤滑油基油組成物を提供する。
本発明において潤滑油基油は特に制限されるものでない。鉱油及び合成油のいずれであってもよく、これらを単独で、または2種以上を併用することができる。
本発明における(B)成分は、片末端に炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造を有し、且つ、他の末端に(メタ)アクリロキシ基を有する化合物に由来する単位を有する(共)重合体である。本発明は、(共)重合体が、炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造を有することを特徴とする。炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造は長鎖の非極性構造である。該構造を有することにより、該(共)重合体は、低温(例えば40℃)下においては(共)重合体の主鎖構造が纏まり基油中で分散して基油の粘度上昇を抑制できる。また、高温(例えば100℃)になると(共)重合体の主鎖構造がほどけて、従来の基油粘度を維持することができる。これにより、低温(例えば40℃)下における基油の粘度を低減しながら、高温(例えば100℃)での比較的高い粘度を確保することができ、且つ、低温における基油粘度と高温における基油粘度の差を小さくすることができる。
(1)脂肪族不飽和炭化水素[炭素数2〜36のオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及びトリコセン等)、炭素数2〜36のジエン(例えば1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)等]
(2)脂環式不飽和炭化水素[例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等]
(3)芳香族基含有不飽和炭化水素(例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等)等が挙げられる。
これらのうち、HTHS粘度及び粘度指数の観点から、好ましくは脂肪族不飽和炭化水素であり、より好ましくは炭素数2〜36のオレフィン及び炭素数2〜36のジエンであり、更に好ましくは炭素数2〜16のオレフィン及び炭素数2〜10のジエンであり、特に好ましくはイソブテン、1−ブテン、2−ブテン又は1,3−ブタジエンを重合して成る構造が好ましい。
なお、上記数平均分子量(Mn)、及び、後述する共重合体(B)の重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。また、上記片末端のポリオレフィン構造の炭素数は、該数平均分子量をCH2の分子量14で割り算して得られる値とした。
<ポリオレフィン系単量体のMn、及び(B)共重合体のMwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
Aは炭素数2〜4のアルキレン基である。
炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。
mは0〜10の整数であり、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましくは0〜4の整数、更に好ましくは0〜2の整数である。
mが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、Aが2以上の互いに異なるアルキレン基である場合に(AO)m部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
−X1−のうち、実効温度域でのHTHS粘度の観点から好ましいのは、−O−及び−O(AO)m−であり、更に好ましくは−O−及び−O(CH2CH2O)−である。
イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを構成単位として含むポリオレフィンとしては、イソブテン、1−ブテン及び2−ブテンを構成単量体とする重合体、並びに1,3−ブタジエンを重合した1,2−付加物の末端二重結合を水素化した重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンは、ブロック重合体でもランダム重合体であってもよい。
イソブチレン及び/又は1,2−ブチレンを構成単位として含むポリオレフィンは、イソブチレン及び/又は1,2−ブチレン以外の構成単位を更に含んでもよい。構成単量体としては、イソブテン、1−ブテン及び2−ブテンを除く、上記の(1)脂肪族不飽和炭化水素、(2)脂環式不飽和炭化水素及び(3)芳香族基含有不飽和炭化水素等が挙げられる。ポリオレフィンが、二重結合を有する場合には、水素添加により、二重結合の一部又は全部を水素化したものであってもよい。
アルキレンオキサイド付加物(Y1);上記(1)脂肪族不飽和炭化水素、(2)脂環式不飽和炭化水素及び(3)芳香族基含有不飽和炭化水素(例えば炭素数2〜36のオレフィン等)等をイオン重合触媒(ナトリウム触媒等)存在下に重合して得られたポリオレフィンに、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等)を付加して得られたもの等。
ヒドロホウ素化物(Y2);炭化水素重合体のヒドロホウ素化反応物(例えばUS4,316,973号に記載のもの)等。
無水マレイン酸−エン−アミノアルコール付加物(Y3);二重結合を有する炭化水素重合体と無水マレイン酸とのエン反応で得られた反応物を、アミノアルコールでイミド化して得られたもの等。
ヒドロホルミル−水素化物(Y4);二重結合を有する炭化水素重合体をヒドロホルミル化し、次いで水素化反応して得られたもの(例えば特開昭63−175096号に記載のもの)等。
無水マレイン酸−エン−エチレンジアミン付加物(Y5);二重結合を有する炭化水素重合体と無水マレイン酸とのエン反応で得られた反応物を、エチレンジアミンでイミド化して得られたもの等。
(Y)のうちHTHS粘度及び粘度指数の観点から好ましいのは、(Y1)、(Y2)及び(Y3)であり、更に好ましいのは、(Y1)である。
qが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(R4O)q部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
単量体(b)のうち、粘度指数の観点から好ましいのは、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートである。
中でも、HTHS粘度と粘度指数の観点から好ましいのは、炭素数12〜32の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数12〜28の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは炭素数12〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
rが2以上の場合は、R7は同一でも異なっていてもよく、R7が2以上の互いに異なるアルキレン基である場合に(R7O)r部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
上記の中でも、粘度指数の観点から好ましいのは、炭素数12〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数14〜32の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、特に好ましいのは炭素数16〜28の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
共重合体(B)を構成する単量体(b)由来の繰り返し単位の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、共重合体(B)の重量に基づいて、好ましくは1〜80重量%であり、更に好ましくは5〜75重量%、特に好ましくは10〜70重量%、最も好ましいのは15〜65重量%である。
共重合体(B)を構成する単量体(a)と単量体(b)との合計の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、共重合体(B)の重量に基づいて、好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは15〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%、最も好ましいのは25〜75重量%である。
共重合体(B)を構成する単量体(c)由来の繰り返し単位の割合は、実効温度域でのHTHS粘度観点から、共重合体(B)の重量に基づいて、好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
共重合体(B)を構成する単量体(d)由来の繰り返し単位の割合は、実効温度域でのHTHS粘度の観点から、共重合体(B)の重量に基づいて、好ましくは0〜40重量%であり、更に好ましくは1〜35重量%、特に好ましくは2〜30重量%、最も好ましくは5〜20重量%ある。
共重合体(B)を構成する単量体(e)由来の繰り返し単位の割合は、実効温度域でのHTHS粘度及び低温粘度の観点から、共重合体(B)の重量に基づいて、好ましくは0〜40重量%であり、更に好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
共重合体(B)のSP値が、上記下限未満だと求められる温度-粘度特性が得られず、上記上限を超えると基油への溶解性が悪化するという問題がある。
なお、共重合体(B)のSP値は、Fedors法(PolymerEngineering and Science,February,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
共重合体(B)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより調整することができる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、工業化の観点から好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により共重合体(B)を得ることができる。
共重合体の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
(C)としては、(B)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体等が挙げられる。
(C)としては、例えば、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明の潤滑油基油組成物の40℃における動粘度(mm2/s)は10〜40mm2/sで、好ましくは12〜35mm2/sであり、より好ましくは13〜30mm2/sであり、更に好ましくは14〜25m2/sであり、最も好ましくは15〜20mm2/sである。本発明の潤滑油基油組成物の100℃における動粘度(mm2/s)は4〜20mm2/sで、好ましくは4.5〜18mm2/sであり、より好ましくは5〜16mm2/sであり、さらに好ましくは5.5〜14mm2/sであり、最も好ましくは6〜12mm2/sである。この潤滑油基油(A)と共重合体(B)と混合した際に、本発明の特徴を有する潤滑油基油組成物を得ることができる。
なお、本発明の潤滑油基油組成物は基油を含有しているため、共重合体(B)と基油との混合比率によっては、本発明の潤滑油基油組成物自身が潤滑油組成物として機能しうる。
添加剤の配合量は特に制限されず、適宜調整されればよい。本発明の潤滑油基油組成物は上述した通り、低温下での粘度上昇を抑制し、低温下での粘度と高温下での粘度との粘度差を小さくすることができる。該潤滑油基油組成物と添加剤とを含む潤滑油組成物においても、同等の効果を奏することが期待できる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)、アミド系及びアミン系化合物等;
(6)摩耗防止剤:
ジアルキルジチオリン酸亜鉛、リン酸化合物等
(7)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(8)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(9)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(10)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
なお、各添加剤をコンポーネント添加剤といい、コンポーネント添加剤を2種以上混合したものをパッケージ添加剤ということもある。
基油(A−1):鉱油(100℃の動粘度:2.2mm2/s、粘度指数:109)
基油(A−2):GTL基油(100℃の動粘度:2.7mm2/s、粘度指数:115)
基油(A−3):GTL基油(100℃の動粘度:4.1mm2/s、粘度指数:129)
(a):下記(Y1)のメタクリル酸エステル化物[Mn:5,000]
(Y1):水素化ポリブタジエンの片末端水酸基含有重合体(商品名;KrasolHLBH−5000M、Cray Valley製、1,2−ブチレン比率;65モル%、水酸基価;10.4mgKOH/g)[(Y1)の合計構成単位数に基づく、イソブチレン及び1,2−ブチレンの合計は65モル%、(Y1)の結晶化温度−60℃以下]
(b):ブトキシエチルメタクリレート
(c−1):メタクリル酸メチル
(c−2):メタクリル酸ブチル
(d−1):メタクリル酸n−ドデシル
(d−2):メタクリル酸n−テトラデシル
(e−1):メタクリル酸2−n−デシルテトラデシル
(e−2):メタクリル酸2−n−ドデシルヘキサデシル
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油(A−1)400重量部、単量体(a)〜(e−2)を上記表1に記載の共重合体(B1)の組成にて合計100重量部となる量、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度100ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(B1)及び基油(A−1)を含有する潤滑油基油組成物を得た。得られた共重合体(B1)のSP値を上記の方法で計算し、Mwを上記の方法で測定した。また、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数を下記の方法にて測定した。結果を表2に示す。
潤滑油基油組成物全体の重量に対する共重合体(B1)の含有量が7.5重量%となるように、基油(A−1)及び単量体(a)〜(e−2)の配合量を調整した以外は実施例1の手順を繰り返して重合反応を行い、共重合体(B1)及び基油(A−1)を含有する潤滑油基油組成物を得た。SP値、Mw、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数を下記の方法にて測定した。結果を表2に示す。
実施例3〜11で調製した潤滑油基油組成物における共重合体(B1)〜(B5)の単量体(a)〜(e−2)の構成は、上記表1に記載の通りである。実施例3〜11の各潤滑油基油組成物における基油(A−1)〜(A−3)及び共重合体(B1)〜(B5)の構成は下記表2に記載の通りである。表1及び2に記載の各構成となるように各単量体(a)〜(e−2)を基油(A−2)又は(A−3)に配合した他は上記実施例1の手順を繰り返して重合反応を行い、各実施例における潤滑油基油組成物を調製した。重合時間は適宜調整された。
なお、表2に記載の共重合体の添加量は、潤滑油基油組成物全体の量を100重量%とした、共重合体の重量割合である。
各潤滑油基油組成物について、SP値、Mw、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数を下記の方法にて測定した。結果を表2に示す。
比較例1は共重合体(B)を含有せず、基油(A−3)に粘度指数向上剤(Mw=350,000のポリメタクリレート)を表1の添加量含有した組成物であり、比較例4は基油(A−3)のみの比較例である。 各潤滑油基油組成物について、SP値、Mw、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数を下記の方法にて測定した。結果を表3に示す。
比較例2及び比較例3は基油(A−3)及びSP値が9.0である共重合体(B6)からなる潤滑油基油組成物である。比較例5は共重合体(B1)の含有量が本発明の範囲未満の潤滑油基油組成物である。各潤滑油基油組成物について、SP値、Mw、40℃における動粘度、100℃における動粘度、及び粘度指数を下記の方法にて測定した。結果を表3に示す。
動粘度は、ASTM D 445に準拠する方法にて40℃及び100℃にて測定した。また、粘度指数はASTM D 2270に準拠する方法にて計算した。
実施例1及び2の潤滑油基油組成物について40℃における動粘度と100℃における動粘度との差を示すグラフ(実線)、及び比較例2及び4の潤滑油基油組成物について40℃における動粘度と100℃における動粘度との差を示すグラフ(点線)を図1に示す。図1からもわかる通り、本発明の潤滑油基油組成物では、低温(40℃)での動粘度と高温(100℃)での動粘度の差が、比較例の潤滑油基油組成物における粘度差に比較して小さい。当該潤滑油基油組成物は、燃費の低減を可能とする。
Claims (13)
- (A)潤滑油基油、及び
(B)片末端に炭素数50〜1,000のポリオレフィン構造を有し、且つ、他の末端に(メタ)アクリロキシ基を有する化合物に由来する単位を有する(共)重合体
を含有する潤滑油基油組成物であって、前記(B)(共)重合体が溶解パラメーター(SP値)9.1〜9.5(cal/cm3)1/2を有し、潤滑油基油組成物の全重量に対する前記(B)(共)重合体の含有量が2〜20重量%である、前記潤滑油基油組成物。 - (B)共重合体が、前記単量体(a)に由来する単位と、前記単量体(b)に由来する単位と、さらに、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)、炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(d)、及び下記一般式(3)で示される単量体(e)から選ばれる1以上に由来する単位とを有する、請求項3記載の潤滑油基油組成物
(式(3)において、R6は水素原子又はメチル基であり、−X3−は−O−又は−NH−であり、R7は互いに独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R8及びR9は互いに独立に、炭素数4〜24の直鎖アルキル基であり、rは0〜20の整数であり、R7が2以上の互いに異なるアルキレン基である場合に(R7O)で示される単位はランダムに結合していてもブロック構造を有してもよい)。 - 前記(B)が、(B)共重合体の重量に基づいて、単量体(a)由来の繰り返し単位を1〜50重量%、単量体(b)由来の繰り返し単位を1〜80重量%、単量体(c)由来の繰り返し単位を0〜50重量%、単量体(d)由来の繰り返し単位を0〜40重量%及び単量体(e)由来の繰り返し単位を0〜40重量%で含有する、請求項3又は4に記載の潤滑油基油組成物。
- 前記(A)潤滑油基油が、100℃での動粘度1〜5mm2/sを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油基油組成物。
- 前記(B)(共)重合体が重量平均分子量(Mw)100,000〜1,000,000を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑油基油組成物。
- 40℃における動粘度10〜40mm2/sを有し、かつ100℃における動粘度4〜20mm2/sを有し、[(40℃における動粘度)/(100℃における動粘度)]≦3.3である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑油基油組成物。
- 粘度指数300以上を有する、請求項1〜8のいずれか1項記載の潤滑油基油組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項記載の潤滑油基油組成物と、金属清浄剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、及び摩耗防止剤から選ばれる添加剤の少なくとも1以上とを含有する潤滑油組成物。
- 内燃機関用である、請求項10記載の潤滑油組成物。
- ハイブリッド自動車用である、請求項10記載の潤滑油組成物。
- ギヤ油用である、請求項10記載の潤滑油組成物。
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