JP5005710B2 - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents
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から高温まで広い範囲にわたって粘度ができるだけ変化しないことが望ましい。そこで潤滑油に粘度指数向上剤と呼ばれる高分子化合物を添加して粘度の温度依存性を改善する方法が広く行われている。そのような高分子化合物としては、例えばメタクリル酸エステル共重合体(特許文献−1〜3参照)及びオレフィン共重合体(特許文献−4参照)が知られている。
近年、地球環境保護の気運が高まり、自動車の省燃費性がより一層要求されている。潤滑油の低粘
度化は粘性抵抗低減による省燃費化の有効な手段の一つであり、低粘度化を実現するための方法として低粘度基油に粘度指数向上剤を添加する方法があるが、従来の粘度指数向上剤を用いた場合、粘度指数は高い水準で確保することはできても、低粘度化による潤滑性の低下、特に金属疲労性が悪化するという問題があった。
即ち、本発明の課題は、粘度指数向上効果を高く保ちつつ、金属への吸着性に優れた粘度指数向上剤を提供することである。
すなわち本発明は、一般式(1)で示される単量体(a)の単位を、油溶性共重合体(A)の全重量に基づいて20〜94.5重量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b)の単位を5〜50重量%並びに水酸基含有単量体、アミド基含有単量体及びカルボキシル基含有単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体(c)の単位を0.5〜4.9重量%含有し、3,000〜1,000,000の重量平均分子量を有する油溶性共重合体(A)からなる潤滑油用粘度指数向上剤。
CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R (1)
式中、R1は水素原子又はメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数16〜36の分岐アルキル基であり、該分岐アルキル基中の連続するメチレン基の数は16個以下であり、nは0〜20の整数である。;20〜90重量%の該粘度指数向上剤及び10〜80重量%の希釈剤からなる粘度指数向上剤組成物;及び基油と該粘度指数向上剤又は該粘度指数向上剤組成物とからなり、粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有する潤滑油組成物;である。
一般式(1)におけるAはC2−4(炭素数2〜4を表す場合C2−4と表し、以下同様の表現を用いる。)
のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。これらの内好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基及びこれらの併用である。
R1は好ましくはメチル基である。
分岐アルキル基Rの炭素数は、粘度指数と低温粘度の観点から、好ましくは20〜32、更に好ましくは20〜28、特に好ましくは20〜24、最も好ましくは24である。
Rは通常16以下、粘度指数及び低温粘度の観点から、好ましくは2〜14、更に好ましくは4〜14、特に好ましくは6〜14、最も好ましくは10〜12のポリメチレン基を有する。尚、ポリメチレン基における炭素数には末端のメチル基の炭素原子も含まれる。
Rは通常1〜17個、好ましくは1〜12個、更に好ましくは1〜6個、特に好ましくは1個の分岐を有する。
好ましいRは一般式(2)で示される基である。
1)C15−16のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−C1−18アルキル−ヘキサデシル基(例えば、1−オクチルヘキサデシル基)及び2−C1−16アルキル−オクタデシル基(例えば、2−エチルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル及び2−ヘキサデシルオクタデシル基);
2)C13−14のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−C1−20アルキル−テトラデシル基(例えば、1−ヘキシルテトラデシル、1−デシルテトラデシル及び1−ウンデシルトリデシル基)及び2−C1−18アルキル−ヘキサデシル基(例えば、2−エチルヘキサデシル及び2−ドデシルヘキサデシル基);
3)C10−12のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−C1−22アルキル−ドデシル基(例えば、1−オクチルドデシル基)、2−C1−22アルキル−ドデシル基(例えば、2−ヘキシルドデシル及び2−オクチルドデシル基)及び2−C1−20アルキル−テトラデシル基(例えば、2−ヘキシルテトラデシル及び2−デシルテトラデシル基);
4)C6−9のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−C1−24アルキル−デシル基(例えば、2−オクチルデシル基)及び2,4−ジC1−23アルキル−デシル基(例えば、2−エチル−4−ブチル−デシル基);
5)C1−5のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシル及び2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基;
6)分岐アルキル基の2個又はそれ以上の混合物:
例えば、プロピレンオリゴマー(6〜11量体)、エチレン/プロピレンオリゴマー(モル比16/1〜1/11)、イソブテンオリゴマー(5〜8量体)及びC5−17のα−オレフィンオリゴマー(2〜6量体)等に対応するオキソアルコールのアルキル残基、2−イソオクチルイソドデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2000』の水酸基を除いた残基)並びに2−イソウンデシルイソペンタデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2600』の水酸基を除いた残基)。
これらの内で好ましくは2−オクチルドデシル及び2−デシルテトラデシルアクリレート、更に好ましくは、O−DM及びD−TM、特に好ましくはD−TMである。
(c11)水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル:
(c111)一般式(3)で示される(メタ)アクリレート;
CH2=C(R1)−COO−(A−O)m−H (3)
式中、R1及びAは一般式(1)におけるものと同じであり、mは1〜20(好ましくは1)の整数である。(c111)としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと略記)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、HEAと略記)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下、HPMAと略記)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のC2−4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(c112)3〜8個の水酸基を含有する多価アルコールの(メタ)アクリレート;
例えばC3−12のアルカンポリオール、その分子内又は分子間脱水物及び糖類等(例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖及びメチルグルコシド)の(メタ)アクリレート[グリセリンモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ又はジ(メタ)アクリレート及び蔗糖(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
(c12)C2−12のアルケノール:
例えば、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成されるもの)、及びC3−12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ブテン−4−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノール及び1−ドデセノール等]が挙げられる。
(c13)C4−12のアルケンジオール:
例えば、2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
(c14)C3−12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル:
例えば、C1−6ヒドロキシアルキルC3−12アルケニルエーテル[例えば、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び(c112)で挙げた多価アルコールのC3−12アルケニルエーテル{トリメチロールプロパンモノ又はジ(メタ)アリルエーテル及び蔗糖(メタ)アリルエーテル等}]が挙げられる。
(c15)水酸基含有芳香族単量体:
例えば、o−、m−又はp−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
(c16)単量体(c11)〜(c15)の(ポリ)オキシアルキレン(C2−4)エーテル:
例えば、(c11)〜(c15)の水酸基の内の少なくとも1個が−O−(A−O)n−A−OHで置換された単量体[但し、A及びnは一般式(1)と同じ]が挙げられる。
(c21)下記一般式(4)で示される(メタ)アクリルアミド類:
(c211)非置換及びアルキル置換(メタ)アクリルアミド;
例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド(以下、AAmと略記)、N−モノ−C1−4アルキル又はN,N−ジC1−4アルキル−置換(メタ)アクリルアミド[(ジ)メチル、(ジ)エチル、(ジ)イソ−プロピル、(ジ)n−ブチル及び(ジ)イソ−ブチル(メタ)アクリルアミド等]が挙げられる。
(c212)ヒドロキシアルキル置換アクリルアミド:
例えば、N−モノC1−4ヒドロキシアルキル又はN,N−ビス(C1−4ヒドロキシアルキル)置換(メタ)アクリルアミド[N−ヒドロキシメチル、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)又はN,N−ビス(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等]が挙げられる。
例えば、アシル系N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルn−又はイソ−プロピオンアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]及びN−ビニルラクタム[N−ビニルピロリドン等]が挙げられる。。
(c31)不飽和モノカルボン酸[メタクリル酸(以下、MAAと略記)、アクリル酸、(イソ)クロトン酸及びシンナミック酸等]。
(c32)不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等]。
(c33)不飽和ジカルボン酸のモノC1−8アルキルエステル[モノアルキルマレアート、モノアルキルフマレート及びモノアルキルイタコネート等]。
上記及び以下において、特別に規定しない限り%は重量%を示す。
(d11)としては、例えば、n−ドデシル、n−テトラデシル又はn−ヘキサデシルメタクリレート(以下、それぞれDDM、TDM、及びHDMと略記する)、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−トリデシル又はn−ペンタデシルメタクリレート、更にこれらに対応するアクリレート(n−ドデシルアクリレート等)並びにチーグラーアルコールの(メタ)アクリレートが挙げられる。
(d12)としては、例えばイソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル、イソドデシル、2−メチルウンデシル、イソトリデシル、2−メチルドデシル、イソテトラデシル、2−メチルトリデシル、イソペンタデシル又は2−メチルテトラデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(d1)としては、更に、直鎖C8−17アルコール及び分岐C8−17アルコールの混合物の(メタ)アクリレートが挙げられる。直鎖C8−17アルコール及び分岐C8−17アルコールの混合物としては、例えば、オキソアルコール[「ネオドール23」及び「ネオドール45」(シェル化学株式会社製)、「ドバノール23」及び「ドバノール45」(三菱化学株式会社製)並びに「オキソコール1213」及び「オキソコール1415」(日産化学株式会社製)]が挙げられる。
(A)の吸着INDEXは、好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上である。吸着INDEXが2以上であると、金属への吸着性が良好である。
(1)基油(「ダイアナフレシアW−8」出光興産(株)製、100℃での動粘度:2.3mm2/s。40℃での動粘度:8.06mm2/s)180部に、油溶性共重合体(A)20部を添加し、80℃で1時間撹拌して溶解させて評価油を調製する。
(2)評価油の40℃での動粘度(吸着試験前の40℃での動粘度)をJIS−K−2283の方法で測定する。
(3)評価油100部に酸化鉄(2価及び3価の混合物)(アルドリッチ社製の試薬、粒径:5ミクロン以下)10部を加え、25℃で、2時間撹拌後、濾紙でろ過し、ろ液の40℃での動粘度(吸着試験後の40℃での動粘度)を測定する。
(4)上記計算式にて吸着INDEXを小数点以下1桁まで求める。
吸着前の40℃での動粘度=10.68mm2/s
吸着後の40℃での動粘度=10.61mm2/s
基油[「ダイアナフレシアW−8」出光興産(株)製]の40℃での動粘度=8.06mm2/s;
メチルメタクリレート単位の側鎖長:3
2−デシルテトラデシルメタクリレート単位とメチルメタクリレート単位のモル比=40:60
2−デシルテトラデシルメタクリレート単位のモル分率=0.4
メチルメタクリレート単位のモル分率=0.6
平均側鎖長=16×0.4+3×0.6=8.2
(A)のMwの好ましい範囲は、(A)を含有する潤滑油組成物の用途によって異なるが、せん断安定性の観点から、好ましくは下記表2に記載の範囲である。(A)のMwは、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量又は連鎖移動剤量等により調整できる。
**:ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
***:マニュアルトランスミッション油
重合触媒としては、アゾ系触媒[例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、ADVNと略記)及びジメチル2,2−アゾビスイソブチレート]、過酸化物系触媒[例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド及びラウリルパーオキシド]が使用できる。
更に、必要により連鎖移動剤(例えば、C2−20のアルキルメルカプタン)を使用することもできる。反応温度は、通常50〜140℃、好ましくは60〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により得ることもできる。更に、共重合体の重合様式としては、ランダム付加重合又は交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合又はブロック共重合のいずれでもよい。
粘度指数向上剤をそのまま基油に添加するよりも、粘度指数向上剤組成物を添加する方が基油に溶解し易いという点で好ましい。
基油としては、鉱物油[例えば、溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油]並びに合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物が挙げられる。
基油の粘度指数は、好ましくは60以上、更に好ましくは100以上、特に好ましくは105以上であり、好ましくは180以下、更に好ましくは175以下、特に170以下である。
このような基油に本発明の粘度指数向上剤又は粘度指数向上剤組成物を配合した潤滑油組成物は、粘度指数が更に高くなり省燃費性が良好となる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)抗酸化剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ−及びジ−スルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油、フォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
JPI−5S−26−85の方法で−40℃の粘度を測定した。
(密度の測定方法)
JIS−K−2249の振動式の方法で行った。
(動粘度及び粘度指数の試験方法)
JIS−K−2283の方法で行った。
(せん断安定性の試験方法)
CEC L45−45−A−99の方法に従い試験時間を20時間とした。
撹拌装置、加熱冷却装置、減圧装置、温度計、滴下ロート及び窒素吹き込み管を備えた反応容器に、2−プロパノール25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表6に記載の単量体を合計100部、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタンを1.5部、ラジカル重合開始剤としてのADVN0.5部及び2−プロパノール6部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に70〜85℃に保ちながら、2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、85〜120℃で3時間かけて減圧下(10mmHg)に2−プロパノールを留去し、本発明の粘度指数向上剤(A1)〜(A9)及び比較の粘度指数向上剤(B1)〜(B4)を得た。得られた粘度指数向上剤のMw及び平均側鎖長を表6に示す。
(a1):2−デシルテトラデシルメタクリレート
(a2):2−オクチルドデシルメタクリレート
(a3):2−オクチルドデシルオキシエチルアクリレート
(b1):メチルメタクリレート
(b2):n−ブチルメタクリレート
(c1−1):ヒドロキシエチルメタクリレート
(c1−2):ヒドロキプロピルメタクリレート
(c2):メタクリルアミド
(c3):メタクリル酸
(d1):n−ドデシルメタクリレート
撹拌混合装置の付いたステンレス製容器に、得られる潤滑油組成物の100℃での動粘度が5.2±0.2(mm2/s)になり、かつ潤滑油組成物の合計が100部になるように基油(高粘度指数油;100℃での動粘度=4.6mm2/s、粘度指数=118、流動点=−17.5℃)と(A1)〜(A9)又は(B1)〜(B4)をそれぞれ仕込み、80℃で1時間混合し、本発明の潤滑油組成物(C1)〜(C9)及び比較の潤滑油組成物(D1)〜(D4)を作製した。
得られた潤滑油組成物の100℃での動粘度、粘度指数、−40℃での低温粘度、せん断安定性及び粘度指数向上剤の吸着INDEXの測定結果を表7に示す。
作機器用等の駆動系潤滑油[ギア油(マニュアルトランスミッション油及びデファレンシャル油等)及び自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、ベルトCVT油及びトロイダルCVT油等)等]、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)及びエンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)に好適に用いることができる。
Claims (8)
- 一般式(1)で示される単量体(a)の単位を、油溶性共重合体(A)の全重量に基づいて20〜94.5重量%、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b)の単位を5〜50重量%並びに水酸基含有単量体、アミド基含有単量体及びカルボキシル基含有単量体からなる群から選ばれる1種以上の単量体(c)の単位を0.5〜4.9重量%含有し、3,000〜1,000,000の重量平均分子量を有する油溶性共重合体(A)からなる潤滑油用粘度指数向上剤。
CH2=C(R1)−COO(A−O)n−R (1)
[式中、R1は水素原子又はメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数16〜36の分岐アルキル基であり、該分岐アルキル基中の連続するメチレン基の数は16個以下であり、nは0〜20の整数である。] - 一般式(2)におけるpが0又は1である請求項2記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 前記水酸基含有単量体が、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル(c11)、炭素数2〜12のアルケノール(c12)、炭素数4〜12のアルケンジオール(c13)、炭素数3〜12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル(c14)、水酸基含有芳香族単量体(c15)及び(c11)〜(c15)の(ポリ)オキシアルキレンエーテル(c16)からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 20〜90重量%の請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤及び10〜80重量%の希釈剤からなる粘度指数向上剤組成物。
- 基油と、請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤又は請求項5記載の粘度指数向上剤組成物とからなり、潤滑油用粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有する潤滑油組成物。
- 100℃での動粘度が1〜12mm2/sである請求項6記載の潤滑油組成物。
- 前記潤滑油組成物の用途が、ギヤー油、変速機油、トラクション油、作動油又はエンジン油である請求項6又は7記載の潤滑油組成物。
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