JP5340707B2 - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents
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即ち本発明は、一般式(1)で示される単量体からなる構成単位(a)並びにリン酸エステル基含有構成単位(b1)、ホスホノ基含有構成単位(b2)、アミノ基含有構成単位(b3)及びチオール基含有構成単位(b4)からなる群から選ばれる1種以上の構成単位(b)を含む油溶性共重合体(A)からなる潤滑油用粘度指数向上剤であって、前記共重合体(A)の重量に基づいて前記構成単位(a)を5〜90重量%及び前記構成単位(b)を0.5〜50重量%含有することを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤;20〜90重量%の該潤滑油用粘度指数向上剤及び10〜80重量%の希釈剤からなる潤滑油用粘度指数向上剤組成物;並びに基油と該潤滑油用粘度指数向上剤を含有し、潤滑油用粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有する潤滑油組成物である。
CH2=C(R1)−COO(A1−O)n−R2 (1)
式中、R1は水素原子又はメチル基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数16〜36の分岐アルキル基であり、該分岐アルキル基中の連続するメチレン基の数は16個以下であり、nは0〜20の整数である。
(1)C15-16のポリメチレン基を有する基:
例えば1−C1-18アルキル−ヘキサデシル基(例えば1−オクチルヘキサデシル基)及び2−C1-16アルキル−オクタデシル基(例えば2−エチルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル及び2−ヘキサデシルオクタデシル基);
(2)C13-14のポリメチレン基を有する基:
例えば1−C1-20アルキル−テトラデシル基(例えば1−ヘキシルテトラデシル、1−デシルテトラデシル及び1−ウンデシルトリデシル基)並びに2−C1-18アルキル−ヘキサデシル基(例えば2−エチルヘキサデシル及び2−ドデシルヘキサデシル基);
(3)C10-12のポリメチレン基を有する基:
例えば1−C1-22アルキル−ドデシル基(例えば1−オクチルドデシル基)、2−C1-22アルキル−ドデシル基(例えば2−ヘキシルドデシル及び2−オクチルドデシル基)並びに2−C1-20アルキル−テトラデシル基(例えば2−ヘキシルテトラデシル及び2−デシルテトラデシル基);
(4)C6-9のポリメチレン基を有する基:
例えば2−C1-24アルキル−デシル基(例えば2−オクチルデシル基)及び2,4−ジC1-23アルキル−デシル基(例えば2−エチル−4−ブチル−デシル基);
(5)C1-5のポリメチレン基を有する基:
例えば2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシル及び2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基;
(6)分岐アルキル基の2個又はそれ以上の混合物:
例えばプロピレンオリゴマー(6量体〜11量体)、エチレン/プロピレンオリゴマー(モル比16/1〜1/11)、イソブテンオリゴマー(5〜8量体)及びC5-17のα−オレフィンオリゴマー(2〜6量体)等に対応するオキソアルコールのアルキル残基。2−イソオクチルイソドデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2000』の水酸基を除いた残基)、2−イソウンデシルイソペンタデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2600』の水酸基を除いた残基)。
mが2以上の場合のA2は1種でも2種以上の併用でもよく、(O−A2)m部分はランダムでもブロックでもよい。
(1)アミノ基含有単量体を共重合する方法。
(2)アミノ基に変換しうる官能基を有する前駆体共重合体中の該官能基をアミノ基に変換する方法。
アミノアルキル(C1-8)(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート及びN−アミノエチル(メタ)アクリルアミド等]及びモノアルケニルアミン[モノアリルアミン等]が挙げられる。
2級アミノ基含有単量体:
モノアルキル(C1-6)アミノアルキル(C2-6)(メタ)アクリレート[モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びt−ブチルアミノエチルメタクリレート等]、複素環アミノ基含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びN−ビニルピロール等]及びジアリルアミン等が挙げられる。
ジアルキル(C1-8)アミノアルキル(C2-6)(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
(1)チオール基含有単量体を共重合する方法。
(2)チオール基に誘導しうる官能基を有する前駆体共重合体中の該官能基をチオール基に誘導する方法。
(1)及び(2)の内で好ましいのは、製造工程中の安定性の観点から(2)の方法である。
水酸基含有単量体としては、水酸基を1個含有するC5-8の(メタ)アクリレート[例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシエトキシエチル(メタ)アクリレート];水酸基を2〜8個含有する(メタ)アクリレート[例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖及びメチルグルコシドの(メタ)アクリレート];C2-6のアルケノール[例えばビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール及び3〜8個の水酸基を含有する多価アルコールのC3-6アルケニルエーテル{トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アリルエーテル等}];水酸基含有芳香族単量体(o−、m−又はp−ヒドロキシスチレン等);及び上記水酸基含有単量体のC2-4のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数1〜20)等が挙げられる。
メチル、エチル、n−又はイソプロピル及びn−、イソ−、sec−若しくはt−ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの内で、好ましいのはメチルメタクリレート(以下、MMAと略記)である。
** : ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** : マニュアルトランスミッション油
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ−及びジ−スルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物並びに塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油、フォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
*(試料に一級アミンを含有する場合、試料に対し同重量部のサリチルアルデヒド を均一混合し、室温で1時間処理したものを測定試料とした。)
JPI−5S−26−85の方法で−40℃の粘度を測定した。
JIS−K−2283の方法で行った。
CEC L45−45−A−99の方法に従い試験時間を20時間とした。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、窒素吹き込み管及び減圧装置を備えた反応容器に、2−プロパノール25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、単量体(D−TM90部、及びメタクリロイルオキシエチルホスフェート10部)、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタンを1.7部、ラジカル重合開始剤としてのADVN0.5部及び2−プロパノール6部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下、系内温度を70〜85℃に保ちながら、2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、85〜120℃で3時間かけて減圧度6mmHgで減圧下に2−プロパノールを留去して、粘度指数向上剤(A1)を得た。(A1)における各構成単位の含有量(重量%)、(A1)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
メタクリロイルオキシエチルホスフェート10部をメタクリロイルオキシエチルホスホン酸10部に代える以外は実施例1と同様にして、粘度指数向上剤(A2)を得た。(A2)における各構成単位の含有量(重量%)、(A2)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
実施例1と同様の反応容器にトルエン90部、ジイソブチルケトン200部及び2−(2−アミノエトキシ)エタノール50部を仕込み、130℃で4時間、還流させながら反応させた後、減圧度6mmHgでトルエン及び未反応のイソブチルケトンを除去した。30℃に冷却後、メタクリル酸メチル75部、ナトリウムメトキシド2.0部、フェノチアジン2.5部及びトルエン200部を仕込み、80℃で6時間、減圧度500mmHgで還流させながら反応させた後、減圧度6mmHgでトルエン及びメタクリル酸メチルを除去して、下記構造式のメタクリル酸とN−1−イソブチルイソペンチリデン−2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミンとのエステル(以下、IPEAMAと略記)を得た。
実施例1と同様の反応容器に、実施例3で製造した(A3)100部、エチレントリチオカルボナート20部及びTHFを500部仕込み、85℃で2時間還流させながら加熱撹拌を行い、開環反応させた。その後、85℃、減圧度6mmHgでTHFを除去した。次にメタノール500部で再沈殿し、メタノール200部で2回洗浄後、100℃で4時間、減圧度6mmHgで減圧乾燥し、粘度指数向上剤(A4)を得た。(A4)における各構成単位の含有量(重量%)、(A4)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
D−TM90部を2−オクチルドデシルオキシエチルメタクリレート90部に代えた以外は実施例1と同様にして、粘度指数向上剤(A5)を得た。(A5)における各構成単位の含有量(重量%)、(A5)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
D−TM90部を2−オクチルドデシルオキシエチルメタクリレート90部に、メタクリロイルオキシエチルホスフェート10部をメタクリロイルオキシエチルホスホン酸10部に代えた以外は実施例1と同様にして、粘度指数向上剤(A6)を得た。(A6)における各構成単位の含有量(重量%)、(A6)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート窒素吹き込み管及び減圧装置を備えた反応容器に、2−プロパノール25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、単量体(メタクリロイルオキシエチルホスフェート10部、HDM63部及びODM27部)、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタンを1.5部、ラジカル重合開始剤としてのADVN0.5部及び2−プロパノール6部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下、系内温度を70〜85℃に保ちながら、2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、85〜120℃で3時間かけて減圧度6mmHgで減圧下に2−プロパノールを留去して、比較用粘度指数向上剤(H1)を得た。(H1)における各構成単位の含有量(重量%)、(H1)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
D−TM80部をHDM56部及びODM24部に代える以外は実施例3と同様にして比較用粘度指数向上剤(H2)を得た。(H2)における各構成単位の含有量(重量%)、(H2)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
(A2)を(H2)に代える以外は実施例4と同様にして比較用粘度指数向上剤(H3)を得た。(H3)における各構成単位の含有量(重量%)、(H3)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
メタクリロイルオキシエチルホスフェート10部をMMA20部に、HDMの部数63部を56部に、ODMの部数27部を24部に代える以外は比較例1と同様にして比較用粘度指数向上剤(H4)を得た。(H4)における各構成単位の含有量(重量%)、(H4)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
メタクリロイルオキシエチルホスフェート10部をD−TM80部に、HDMの部数63部を14部に、ODMの部数27部を6部に代える以外は比較例1と同様にして比較用粘度指数向上剤(H5)を得た。(H5)における各構成単位の含有量(重量%)、(H5)のMw、SP値及びHLBを表5に示す。
(a1):2−デシルテトラデシルメタクリレート(D−TM)
(a2):2−オクチルドデシルオキシエチルメタクリレート
(b1):メタクリロイルオキシエチルホスフェート
(b2):メタクリロイルオキシエチルホスホン酸
(b3):2−(2−アミノエトキシ)エチルメタクリレート
(b4):2−(2−メルカプトエトキシ)エチルメタクリレート
(c1):メチルメタクリレート(MMA)
(d1):n−ヘキサデシルメタクリレート(HDM)
(d2):n−オクタデシルメタクリレート(ODM)
鉱物油(100℃での動粘度2.3mm2/s)35部に、(A1)〜(A6)及び(H1)〜(H5)それぞれ65部を120℃で混合溶解させて、粘度指数向上剤組成物(CA1)〜(CA6)及び比較用粘度指数向上剤組成物(CH1)〜(CH5)を得た。
撹拌混合装置の付いたステンレス製容器に、得られる潤滑油組成物の100℃の動粘度が14.3±0.2(mm2/s)になり、かつ潤滑油組成物の合計が100部になるように基油(高粘度指数油;100℃の動粘度=4.6mm2/s、粘度指数=118、流動点=−17.5℃)と(CA1)〜(CA6)及び(CH1)〜(CH5)をそれぞれ添加・混合し、潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物の100℃動粘度、粘度指数、−40℃での粘度及び剪断安定性の測定結果を表6に示す。
Claims (5)
- 一般式(1)で示される単量体からなる構成単位(a)並びにリン酸エステル基含有構成単位(b1)、ホスホノ基含有構成単位(b2)、アミノ基含有構成単位(b3)及びチオール基含有構成単位(b4)からなる群から選ばれる1種以上の構成単位(b)を含む油溶性共重合体(A)からなる潤滑油用粘度指数向上剤であって、前記共重合体(A)の重量に基づいて前記構成単位(a)を79.4〜90重量%及び前記構成単位(b)を0.5〜20.6重量%含有することを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤であって、(b3)が2−(2−アミノエトキシ)エチルメタクリレートであって、一般式(1)におけるR 2 が一般式(2)で示される基である潤滑油用粘度指数向上剤。
CH2=C(R1)−COO(A1−O)n−R2 (1)
[式中、R1は水素原子又はメチル基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、R2は炭素数16〜36の分岐アルキル基であり、該分岐アルキル基中の連続するメチレン基の数は16個以下であり、nは0 である。]
- 前記油溶性共重合体(A)が、アミノ基に変換しうる官能基を有する前駆体共重合体中の該官能基をアミノ基に変換して得られる油溶性共重合体及び/又はチオール基に誘導しうる官能基を有する前駆体共重合体中の該官能基をチオール基に誘導して得られる油溶性共重合体である請求項1記載の潤滑油用粘度指数向上剤。
- 20〜90重量%の請求項1又は2いずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤及び10〜80重量%の希釈剤からなる潤滑油用粘度指数向上剤組成物。
- 基油と請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油用粘度指数向上剤を含有し、潤滑油用粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有する潤滑油組成物。
- ギヤー油用、変速機油用、トラクション油用、作動油用又はエンジン油用である請求項4記載の潤滑油組成物。
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