JP5431910B2 - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、粘度指数向上剤、粘度指数向上剤組成物及び粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物に関する。
近年、地球環境保護の観点から、自動車の省燃費性及びロングライフ性の向上がより一層要求されており、自動車に使用されている潤滑油や作動油等の更なる粘度指数の向上や、実使用時のせん断による粘度低下の抑制が求められている。従来は、粘度指数向上剤のせん断安定性を向上させる方法として、比較的低分子量の高分子化合物を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献−1参照)。しかし、この方法では、せん断安定性の向上は見られるものの、粘度指数向上効果が低下するといった問題があった。
特開2002−302687号公報
本発明の目的は、粘度指数向上効果及びせん断安定性に優れた粘度指数向上剤を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、共重合体(A)及び一般式(1)で表されるアルコキシ化合物(D)を含有してなる粘度指数向上剤であって、前記(A)が、構成単量体として、炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a)並びに水酸基含有単量体(b1)、カルボキシル基含有単量体(b2)、リン酸エステル基含有単量体(b3)、ホスホノ基含有単量体(b4)、アミノ基含有単量体(b5)、アミド基含有単量体(b6)、チオール基含有単量体(b7)及びスルホン酸基含有単量体(b8)からなる群から選ばれる1種以上の単量体(b)を含有してなる共重合体である粘度指数向上剤;10〜90重量%の前記粘度指数向上剤及び10〜90重量%の希釈剤を含有してなる粘度指数向上剤組成物;基油と、前記粘度指数向上剤又は前記粘度指数向上剤組成物とを含有し、粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有してなる潤滑油組成物;である。
M−(OR (1)
式中、Mはアルミニウム原子、スズ原子、チタン原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種以上、n個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、nはMの原子価であって2〜4の整数である。
本発明の粘度指数向上剤は、潤滑油組成物に使用した際の粘度指数向上効果及びせん断安定性に優れる、といった効果を奏する。
本発明の粘度指数向上剤は、共重合体(A)及び一般式(1)で表されるアルコキシ化合物(D)を含有してなる粘度指数向上剤であって、前記(A)が、構成単量体として、炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a)並びに水酸基含有単量体(b1)、カルボキシル基含有単量体(b2)、リン酸エステル基含有単量体(b3)、ホスホノ基含有単量体(b4)、アミノ基含有単量体(b5)、アミド基含有単量体(b6)、チオール基含有単量体(b7)及びスルホン酸基含有単量体(b8)からなる群から選ばれる1種以上の単量体(b)を含有してなる。
本発明における炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a
)としては、炭素数1〜36の直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられるが、粘度指数向上効果の観点から、(a)のアルキル基の炭素数の違いにより分類した以下の(a1)〜(a4)の1種以上を併用するのが好ましい。なお、本発明における「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
(a1):炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル;アルキル基として直鎖又は分岐のものが含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル及び(メタ)アクリル酸−t−ブチル等が挙げられる。(a1)のうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸メチルである。
(a2):炭素数5〜17のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル;
アルキル基としては直鎖又は分岐のものが含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸イソへプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−n−イソオクチル、(メタ)アクリル酸−n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸−n−ドデシル、(メタ)アクリル酸イソドデシル、(メタ)アクリル酸−n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルペンタデシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプタデシル及び(メタ)アクリル酸イソヘプタデシル等が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、アルキル基が炭素数7〜17の直鎖又は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルであり、更に好ましいのは炭素数10〜17の直鎖又は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、特に好ましいのは炭素数12〜17の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルである。
(a3):炭素数18〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル;具体的には、(メタ)アクリル酸−n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸−n−ノナデシル、(メタ)アクリル酸−n−イコシル、(メタ)アクリル酸−n−ドコシル及び(メタ)アクリル酸−n−テトラコシル等が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、炭素数18〜20の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルであり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸−n−オクタデシルである。
(a4):炭素数18〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル;
(a4)の炭素数18〜36の分岐アルキル基としては、以下の基が挙げられる。
(a41)炭素数14〜15のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−アルキル(炭素数2〜18)−ヘキサデシル基(例えば1−オクチルヘキサデシル基等)及び2−アルキル(炭素数1〜16)−オクタデシル基(例えば2−エチルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基及び2−ヘキサデシルオクタデシル基等);
(a42)炭素数12〜13のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−アルキル(炭素数4〜20)−テトラデシル基(例えば1−ヘキシルテトラデシル基、1−デシルテトラデシル基及び1−ウンデシルトリデシル基等)及び2−アルキル(炭素数2〜18)−ヘキサデシル基(例えば2−エチルヘキサデシル基及び2−ドデシルヘキサデシル基等);
(a43)炭素数9〜11のポリメチレン基を有する基:
例えば1−アルキル(炭素数6〜22)−ドデシル基(例えば1−オクチルドデシル基等)、2−アルキル(炭素数6〜22)−ドデシル基(例えば2−ヘキシルドデシル基及び2−オクチルドデシル基等)及び2−アルキル(炭素数4〜20)−テトラデシル基(例えば2−ヘキシルテトラデシル基及び2−デシルテトラデシル基等);
(a44)炭素数5〜8のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−アルキル(炭素数8〜24)−デシル基(例えば2−オクチルデシル基等)及び2,4−ジアルキル(炭素数4〜23)−デシル基(例えば2,4−ジブチル−デシル基等);
(a45)炭素数1〜4のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシル基及び2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基等;
(a46)分岐アルキル基の2個又はそれ以上の混合物:
例えば、プロピレンオリゴマー(6〜11量体)、エチレン/プロピレンオリゴマー(モル比16/1〜1/11)、イソブテンオリゴマー(5〜8量体)及び炭素数5〜17のα−オレフィンオリゴマー(2〜6量体)等に対応するオキソアルコールのアルキル残基。2−イソオクチルイソドデシル基{「ファインオキソコール2000」[日産化学工業(株)製]の水酸基を除いた残基}、2−イソウンデシルイソペンタデシル基{「ファインオキソコール2600」[日産化学工業(株)製]の水酸基を除いた残基}。
前記(a41)〜(a46)のアルキル基のうちで好ましいのは、(a43)及び(a
44)であり、更に好ましいのは2−直鎖アルキル(炭素数8〜10)−直鎖アルキル(炭素数12〜14)基である。
(a4)の具体例としては、(メタ)アクリル酸−2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸−2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸−1−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸−2−ヘキシルドデシル、(メタ)アクリル酸−2−ヘキシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸−1−ヘキシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸−1−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸−1−ウンデシルトリデシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキサデシル及び(メタ)アクリル酸−2−ドデシルヘキサデシル等が挙げられる。
(a)が(a1)〜(a4)からなる群から選ばれる1種以上である場合の(a1)〜(a4)それぞれの含有率は以下の通りである。(a1)は、(a)の重量に基づき、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは10〜40重量%である。(a2)は、(a)の重量に基づき、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜90重量%であり、更に好ましくは0〜50重量%である。(a3)は、(a)の重量に基づき、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜50重量%であり、更に好ましくは0〜30重量%である。(a4)は、(a)の重量に基づき、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜90重量%であり、更に好ましくは0〜70重量%である。
本発明における単量体(b)としては、水酸基含有単量体(b1)、カルボキシル基含有単量体(b2)、リン酸エステル基含有単量体(b3)、ホスホノ基含有単量体(b4)、アミノ基含有単量体(b5)、アミド基含有単量体(b6)、チオール基含有単量体(b7)及びスルホン酸基含有単量体(b8)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
水酸基含有単量体(b1)としては、以下の(b11)〜(b16)が挙げられる。
(b11)水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル:
(b111)一般式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステル;
CH=C(R)−COO−(AO)−H (2)
式中、Rは水素原子又はメチル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、rは1〜20(好ましくは1)の数であり、具体的には、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエトキシエチル等が挙げられる。
(b112)3〜8個の水酸基を含有する多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;
3〜8価アルコール(例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖及びメチルグルコシド等)と(メタ)アクリル酸とのエステルが挙げられ具体的には、(メタ)アクリル酸のグリセリンモノ−又はジエステル、(メタ)アクリル酸のトリメチロールプロパンモノ−又はジエステル及び(メタ)アクリル酸の蔗糖エステル等が挙げられる。
(b12)炭素数2〜12のアルケノール;
ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)及び炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ブテン−4−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノール及び1−ドデセノール等]。
(b13)炭素数4〜12のアルケンジオール;
2−ブテン−1,4−ジオール等。
(b14)炭素数3〜12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル;
例えばヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜12)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び(b112)で例示した3〜8価アルコールのアルケニル(炭素数3〜12)エーテル[トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アリルエーテル及び蔗糖(メタ)アリルエーテル等]。
(b15)水酸基含有芳香族単量体;
o−、m−又はp−ヒドロキシスチレン等。
(b16)(b11)〜(b15)の(ポリ)オキシアルキレンエーテル;
(b11)〜(b15)の単量体が有する水酸基のうちの少なくとも1個が−O−(AO)−Hで置換された単量体[ただし、AO及びrは一般式(2)におけるAO及びrと同様である。]。
(b1)のうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは(b11)、(b12)、(b14)、(b15)及び(b16)であり、更に好ましいのは(b11)であり、特に好ましいのは(b111)であり、最も好ましいのは(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。
カルボキシル基含有単量体(b2)としては、以下の(b21)〜(b23)が挙げられる。
(b21)不飽和モノカルボン酸[メタクリル酸、アクリル酸、(イソ)クロトン酸及びシンナミック酸等]。
(b22)不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等]
(b23)不飽和ジカルボン酸のモノ(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル及びイタコン酸モノエチルエステル等]。
リン酸エステル基含有単量体(b3)としては、リン酸モノアルケニル(炭素数2〜12)エステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜12)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート等]、ポリ(n=2〜20)オキシエチレンモノ(メタ)アクリル酸エステルのリン酸エステル、リン酸ビニルモノアルキル(炭素数1〜24)エステル[リン酸ビニルモノメチルエステル及びリン酸ビニルモノエチルエステル等]、リン酸ビニルジアルキル(炭素数1〜24)エステル[リン酸ビニルジメチルエステル及びリン酸ビニルジエチルエステル等]及び(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜12)リン酸エステルのアルキル(炭素数1〜24)エステル[(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜12)リン酸エステルのモノメチルエステル等]等が挙げられる。
ホスホノ基含有単量体(b4)としては、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
アミノ基含有単量体(b5)としては、以下の(b51)〜(b53)が挙げられる。
(b51)1級アミノ基含有単量体;
(メタ)アクリル酸アミノアルキル(炭素数1〜8)[(メタ)アクリル酸アミノエチル及び(メタ)アクリル酸アミノプロピル等]、(メタ)アクリルアミド[N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド等]及びモノアルケニルアミン[モノアリルアミン等]等。
(b52)2級アミノ基含有単量体;
(メタ)アクリル酸−N−アルキル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜6)エステル[(メタ)アクリル酸−N−メチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸−N−エチルアミノエチルエステル及び(メタ)アクリル酸−N−t−ブチルアミノエチルエステル等]、複素環アミノ基含有ビニル単量体[(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びN−ビニルピロール等]及びジアリルアミン等が挙げられる。
(b53)3級アミノ基含有単量体;
(メタ)アクリル酸−N−ジアルキル(炭素数1〜8)アミノアルキル(炭素数2〜6)エステル[(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチルエステル及び(メタ)アクリル酸−N,N−ジ−t−ブチルアミノエチルエステル等]等が挙げられる。
アミド基含有単量体(b6)としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド[N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド及びN−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等]及びN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等]等が挙げられる。
チオール基含有単量体(b7)としては、アリルメルカプタン及び(メタ)アクリル酸−2−メルカプトエチル等が挙げられる。
スルホン酸含有単量体(b8)としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸及び2−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
本発明における共重合体(A)は、構成単量体として、(a)及び(b)以外に、更に1種以上のその他の単量体(c)を含有してもよい。
その他の単量体(c)としては、不飽和炭化水素(炭素数2〜20)(エチレン、プロピレン、イソブテン、ブテン、ジイソブチレン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン及びスチレン等)、アルキル(炭素数1〜10)又はアリール(炭素数6〜8)ビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)、エポキシ基含有不飽和単量体[(メタ)アクリル酸グリシジルエステル及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等]、ハロゲン原子含有不飽和単量体(塩化ビニル及び塩化ビニリデン等)、アルキル(炭素数1〜10)アルケニル(炭素数2〜10)エーテル[メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル及びメチル(イソ)プロペニルエーテル等]、アルケニルカルボキシレート{アルケニル(炭素数2〜10)カルボキシレート(炭素数1〜20)[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル及びn−オクタン酸ビニル等(好ましいのは酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)]等}、(b5)以外の窒素原子含有不飽和単量体{第4級アンモニウム塩基含有単量体[前記アミノ基含有単量体(b5)の4級化によって得られる第4級アンモニウム塩等]}及びニトリル基又はニトロ基含有単量体[(メタ)アクリロニトリル及びニトロスチレン等]及び不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸等)ジアルキル(炭素数1〜40)エステル(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、イタコン酸ジメチル及びイタコン酸ジエチル等)等]が挙げられる。
共重合体(A)は、粘度指数向上効果及びせん断安定性の観点から、(A)の重量に基づいて、下記の表1に示した重量%の構成単量体を含有するのが好ましい。
Figure 0005431910
本発明における共重合体(A)は、油溶性であることが好ましい。ここで油溶性とは、25℃の鉱物油100部(「YUBASE2」SKコーポレーション製)に、少なくとも0.5部の(A)が透明に溶解することを意味する。
共重合体(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する。)は、好ましくは5,000〜1,500,000である。Mwは、ポリスチレンを標準としたゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。Mwが5,000以上であれば粘度指数向上効果が向上し、1,500,000以下であればせん断安定性が更に良好となる。更に共重合体(A)のMwの好ましい範囲は、潤滑油組成物の用途によっても異なり、下記の表2に記載の範囲である。共重合体(A)のMwは、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量又は連鎖移動剤量等の重合条件を調整することにより調整可能である。
Figure 0005431910
* :オートマチックトランスミッション油
** :ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** :マニュアルトランスミッション油
共重合体(A)は、基油への溶解性及び粘度指数向上効果の観点から、好ましくは8.6〜11、更に好ましくは9.2〜10.5、特に好ましくは9.4〜9.8のSP値(溶解度パラメーター)を有する。SP値はFedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出することができる。共重合体(A)のSP値は、構成単量体のそれぞれのSP値を計算し、目的のSP値になるように単量体の種類とモル比を選択することにより調整できる。例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合、アルキル基の長さによりSP値を調整することができる。
共重合体(A)は、抗乳化性の観点から好ましくは0.5〜7、更に好ましくは1〜6.5、特に好ましくは1.5〜6のHLBを有する。本発明におけるHLBは、小田法のHLBであり、有機化合物の有機性と無機性の概念(「新・界面活性剤入門」藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行、p.197−201)に基づいて定義されるものである。
共重合体(A)は、公知の製造方法によって得ることができる。例えば前記の単量体(a)及び単量体(b)を、溶媒中で重合触媒存在下にラジカル重合することにより得られる。
溶媒としては、芳香族系溶媒(例えばトルエン、キシレン及び炭素数9〜10のアルキルベンゼン等)、炭素数6〜18の脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びオクタン等)、炭素数3〜8のアルコール系溶媒(2−プロパノール、1−ブタノール及び2−ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン等)、エステル油及び鉱物油等が使用できる。これらのうち、共重合体(A)の溶解性の観点から好ましいのはアルコール系溶媒であり、更に好ましいのは2−プロパノールである。
重合触媒としては、アゾ系触媒[例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(以下、AMBNと略記する。)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、ADVNと略記する。)及びジメチル2,2−アゾビスイソブチレート等]、過酸化物系触媒[例えばt−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド及びラウリルパーオキシド等]が使用できる。更に必要により、連鎖移動剤[例えば炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等]を使用することもできる。
ラジカル重合の重合温度は、通常50〜140℃であり、好ましくは60〜120℃である。
共重合体(A)は、前記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により得ることもできる。更に、共重合体の重合様式としては、ランダム付加重合又は交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合又はブロック共重合のいずれでもよい。
本発明におけるアルコキシ化合物(D)は、前記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)におけるMは、アルミニウム原子、スズ原子、チタン原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種以上である。これらのうち、せん断安定性の観点から好ましいのは、チタン原子、ケイ素原子及びジルコニウム原子であり、更に好ましいのはチタン原子である。
一般式(1)におけるRは、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基であり、せん断安定性の観点から好ましいのは炭素数1〜10のアルキル基であり、更に好ましいのは炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましいのは炭素数3又は4のアルキル基である。炭素数1〜18のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソへプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オプタデシル基及びn−オクタデシル基等が挙げられる。
一般式(1)におけるnはMの原子価であって、通常2〜4の整数であり、せん断安定性の観点から好ましくは3又は4である。
アルコキシ化合物(D)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
一般式(1)におけるMがアルミニウム原子であるアルコキシ化合物(D);トリメトキシアルミニウム、エトキシジメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム、トリn−オクトキシアルミニウム、トリn−ヘキサデトキシアルミニウム及びトリn−オクタデトキシアルミニウム等。
一般式(1)におけるMがスズ原子である化合物(D);ジメトキシスズ、ジn−オクタデトキシスズ、テトラメトキシスズ、ジエトキシジメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラn−ブトキシスズ、テトラn−オクトキシスズ、テトラn−ヘキサデトキシスズ及びテトラn−オクタデトキシスズ等。
一般式(1)におけるMがチタン原子であるアルコキシ化合物(D);テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタンテトラエトキシド、エトキシトリメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラn−オクトキシチタン、テトラn−ヘキサデトキシチタン及びテトラn−オクタデトキシチタン等。
一般式(1)におけるMがケイ素原子であるアルコキシ化合物(D);テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラn−オクトキシシラン、テトラn−ヘキサデトキシシラン及びテトラn−オクタデトキシシラン等。
一般式(1)におけるMがゲルマニウム原子であるアルコキシ化合物(D);テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトライソプロポキシゲルマニウム、テトラn−ブトキシゲルマニウム、テトラn−オクトキシゲルマニウム、テトラn−ヘキサデトキシゲルマニウム及びテトラn−オクタデトキシゲルマニウム等。
一般式(1)におけるMがジルコニウム原子であるアルコキシ化合物(D);テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラn−オクトキシジルコニウム、テトラn−ヘキサデトキシジルコニウム及びテトラn−オクタデトキシジルコニウム等。
本発明の粘度指数向上剤は、共重合体(A)及びアルコキシ化合物(D)を含有してなり、(A)、(D)の含有率は以下の通りである。
(A)の含有率は、粘度指数向上剤の重量に基づいて、せん断安定性の観点から好ましくは40〜99重量%であり、更に好ましくは60〜95重量%である。(D)の含有率は、粘度指数向上剤の重量に基づいて、せん断安定性の観点から好ましくは1〜60重量%であり、更に好ましくは5〜40重量%である。
本発明の粘度指数向上剤を製造する方法は特に限定されないが、例えば、共重合体(A)とアルコキシ化合物(D)を、撹拌混合装置及び温度調節機能を備えた混合槽に投入順序に制限なく仕込み、(A)の粘度が高い場合は、必要により50〜80℃に加温して均一に混合する方法が挙げられる。撹拌混合装置としては、攪拌羽根(羽根形状:カイ型及び三段パドル等)付き混合槽、ナウターミキサー、リボンミキサー、コニカルブレンダー、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バッチ混練機{バンバリー[Farrel(株)製]及びニーダー等}、連続混練機{FCM[Farrel(株)製]、LCM[(株)神戸製鋼所製]及びCIM[(株)日本製鋼所製]等}、単軸押出機及び二軸押出機等が挙げられる。
本発明の粘度指数向上剤組成物は、10〜90重量%の本発明の粘度指数向上剤及び10〜90重量%の希釈剤を含有してなる。粘度指数向上剤をそのまま基油に添加するよりも、粘度指数向上剤組成物を添加する方が基油に溶解し易いという点で好ましい。粘度指数向上剤組成物としては、共重合体(A)を溶液重合で製造し、化合物(D)を混合して得られた溶液状のもの、及び希釈剤中に共重合体(A)と化合物(D)の混合物を溶解して得られるもの等が挙げられる。
希釈剤としては、脂肪族系溶剤[炭素数6〜18の脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカリン及び灯油等)]、芳香族系溶剤{例えば炭素数7〜15の芳香族系溶剤[トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族系混合溶剤(トリメチルベンゼン及びエチルトルエン等の混合物)及び炭素数10〜11の芳香族系混合溶剤等]等}、鉱物油(例えば溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油)並びに合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]等が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上剤の溶解性の観点から好ましいのは鉱物油及び合成潤滑油であり、更に好ましいのは鉱物油である。
粘度指数向上剤組成物において、粘度指数向上剤、希釈剤の含有率は以下の通りである。粘度指数向上剤の含有率は、粘度指数向上剤組成物の重量に基づき、ハンドリング性の観点から好ましくは10〜90重量%であり、更に好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは25〜80重量%である。希釈剤の含有率は、粘度指数向上剤組成物の重量に基づき、ハンドリング性の観点から好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは15〜80重量%、特に好ましくは20〜75重量%である。
本発明の潤滑油組成物は、基油と前記粘度指数向上剤又は前記粘度指数向上剤組成物を含有してなり、粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて通常0.01〜45重量%含有する。
基油としては、鉱物油(溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)、合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは鉱物油である。
基油の100℃における動粘度は、好ましくは1〜18mm2/sであり、更に好ましくは2〜15mm2/sである。動粘度が1mm2/s以上であれば、液漏れや焼き付きが起こりにくく、18mm2/s以下であれば粘性抵抗低減により省燃費につながる。基油の粘度指数は、好ましくは60〜180であり、更に好ましくは100〜175、特に好ましくは105〜170である。このような基油と本発明の粘度指数向上剤を配合した潤滑油組成物は、粘度指数が更に高くなり省燃費性が良好となる。
基油の流動点(JIS K2269−1993年)は、好ましくは−5℃以下であり、更に好ましくは−10℃〜−70℃である。基油の流動点がこの範囲内であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が低くなる。
本発明の潤滑油組成物は、ギヤ油(デファレンシャル油及び工業用ギヤ油等)、マニュアルトランスミッション油(以下、MTFと略記する。)、変速機油[オートマチックトランスミッション油(以下、ATFと略記する。)及びベルト−CVT油等]、トラクション油(トロイダル−CVT油等)、ショックアブソーバー油、パワーステアリング油、作動油(建設機械用作動油及び工業用作動油等)及びエンジン油等に好適に用いられる。これらのうち好ましいのは、ギヤ油、MTF、変速機油、トラクション油及びエンジン油であり、更に好ましいのはデファレンシャル油、MTF、ATF、ベルト−CVT油及びエンジン油であり、特に好ましいのはデファレンシャル油、MTF、ATF及びベルト−CVT油である。
潤滑油組成物の用途と基油の動粘度に基づく潤滑油組成物中の粘度指数向上剤の好ましい含有量は、下記の表3の範囲である。
Figure 0005431910
本発明の潤滑油組成物は、更に、共重合体(A)以外の(メタ)アクリル酸アルキルを構成単量体とする(共)重合体(E)を含有してもよい。(E)としては、炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル等が挙げられる。
(E)の構成単量体である(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基は、12〜16の平均炭素数(以下、Cavと略記する。)を有することが好ましい。更に(E)は、(E)の重量に基づき、構成単量体として(メタ)アクリル酸直鎖アルキルを70〜100重量%含有し、(メタ)アクリル酸分岐アルキルを0〜30重量%含有することが好ましい。
(E)の具体例としては、メタクリル酸−n−ドデシル(以下、DDMと略記する。)/メタクリル酸−2−オクチルドデシル(以下、ODMと略記する。)(60〜90重量%/10〜40重量%、Cav=12.5〜14.0)共重合体、DDM/メタクリル酸−n−ヘキサデシル(以下、HDMと略記する。)(50〜90重量%/10〜50重量%、Cav=12.3〜13.8)共重合体、DDM/メタクリル酸n−テトラデシル(以下、TDMと略記する。)(30〜90重量%/10〜70重量%、Cav=12.2〜13.4)共重合体、アクリル酸−n−ドデシル(以下、DDAと略記する。)/DDM(10〜40重量%/90〜60重量%、Cav=12)共重合体、及びDDM/TDM/HDM/メタクリル酸メチル(以下、MMAと略記する。)(20〜45重量%/20〜45重量%/0〜20重量%/0.2〜20重量%、Cav=8.1〜13.5)共重合体等が挙げられる。
(E)のMwは、粘度指数向上効果及びせん断安定性の観点から、好ましくは10,000〜500,000であり、更に好ましくは15,000〜370,000である。
(E)は(A)と同様の方法で製造でき、(A)と同様の組成物(希釈剤による希釈物)の形態で使用できる。
本発明の潤滑油組成物は、(A)及び(E)をそれぞれ別々に基油に溶解して製造してもよく、また(A)及び(E)の混合物を基油に溶解して製造することもできる。
本発明の潤滑油組成物における(A)と(E)の合計含有率は、潤滑油組成物の重量に基づき、好ましくは0.8〜44.6重量%である。更に(A)と(E)の合計含有率は、潤滑油組成物の用途によっても異なり、潤滑油がエンジン油又はトラクション油の場合は、潤滑油組成物の重量に基づき、0.8〜17.8重量%であり、ギヤ油又はMTFの場合は、2.5〜44.6重量%であり、ATF又はベルト−CVTF油の場合は、2.5〜39.6重量%であり、作動油の場合は、0.8〜27.7重量%である。
本発明の潤滑油組成物における(A)と(E)の重量比[(A)/(E)]は、粘度指数向上効果の観点から、好ましくは70/30〜100/0であり、更に好ましくは80/20〜100/0である。
本発明における潤滑油組成物は、更に1種以上の各種添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキル
ベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮
合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミ
ン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオ
カーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ−又はジ−スルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化
合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェ
ート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−
ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
これらの添加剤(1)〜(9)は、潤滑油組成物の重量に基づいて、以下の表4記載の
量を使用することができる。
Figure 0005431910
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において特に定めない限り、部は重量部を示す。
<製造例1> 共重合体(A1)の製造
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、窒素吹き込み管及び減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸ジオクチル12部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表5記載の単量体混合物100部、ラジカル重合開始剤としてのAMBN0.18部、ADVN0.04部及びセバシン酸ジオクチル85部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部を窒素置換した後、密閉下、系内温度を70〜85℃に保ちながら、2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了後同温で2時間熟成した後、減圧下(−0.099MPa)120℃で3時間かけて低沸点物質を留去して共重合体(A1)を得た。
<製造例2、3> 共重合体(A2)、(A3)の製造;
表5記載の単量体に変更した以外は製造例1と同様にして、共重合体(A2)、(A3)を得た。
共重合体(A1)〜(A3)のMwは、GPCにより、以下の測定条件で測定した。測定結果を表5に示す。
<GPCによる(A)のMwの測定方法>
装置 : HLC−802A[東ソー(株)製]
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
なお、(A3)(アミノ基を有する共重合体)については、(A3)と同重量部のサリチルアルデヒドとを、室温で1時間混合したものを測定試料とした。
Figure 0005431910
表5記載の単量体(a)、(b)は以下の通りである。
MMA:メタクリル酸メチル
nHM:メタクリル酸−n−ヘキサデシル
DTM:メタクリル酸−2−デシルテトラデシル
HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
MA:メタクリル酸
tBAEM:メタクリル酸−2−t−ブチルアミノエチル
<実施例1〜8及び比較例1> 粘度指数向上剤の作製;
表6に記載した部数の共重合体(A)、アルコキシ化合物(D)を、撹拌器及び温度調節機能を備えた混合槽に仕込み、60〜70℃で1時間撹拌して粘度指数向上剤(X−1)〜(X−8)及び(X’−1)を作製した。
Figure 0005431910
表6記載のアルコキシ化合物(D)は以下の通りである。
TTB:テトラn−ブトキシチタン
ZTB:テトラn−ブトキシジルコニウム
TBS:テトラn−ブトキシシラン
ATB:トリn−ブトキシアルミニウム
TBT:テトラn−ブトキシスズ
GTB:テトラn−ブトキシゲルマニウム
<実施例9〜16、比較例2> 潤滑油組成物の作製;
実施例1〜8及び比較例1で得られた粘度指数向上剤(X−1)〜(X−8)及び(X’−1)とYUBASE4(SKコーポレーション製、100℃動粘度:4.221mm2/s、40℃動粘度:19.31mm2/s、粘度指数:125)を、得られる潤滑油組成物の100℃の動粘度が7.0(mm2/s)になり、かつ潤滑油組成物の合計が100部になるように混合溶解して潤滑油組成物(Y−1)〜(Y−8)及び(Y’−1)を作製した。これらの潤滑油組成物について、以下の方法で粘度指数を測定し、せん断安定性を評価した。結果を表7に示す。
<粘度指数の測定方法>
JIS−K−2283の方法で測定した。
<せん断安定性の評価方法>
JPI 5S−29−2006で規定された方法に従い、潤滑油組成物の粘度低下率
(%)を測定した。粘度低下率が低いほどせん断安定性に優れることを意味する。
Figure 0005431910
本発明の潤滑油組成物は、輸送用機器用及び各種工作機器用等の駆動系潤滑油[ギア油(マニュアルトランスミッション油及びデファレンシャル油等)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、ベルトCVT油及びトロイダルCVT油等)]、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)及びエンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)として好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 共重合体(A)及び一般式(1)で表されるアルコキシ化合物(D)を含有してなる粘度指数向上剤であって、前記(A)が、構成単量体として、炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a)並びに水酸基含有単量体(b1)、カルボキシル基含有単量体(b2)、リン酸エステル基含有単量体(b3)、ホスホノ基含有単量体(b4)、アミノ基含有単量体(b5)、アミド基含有単量体(b6)、チオール基含有単量体(b7)及びスルホン酸基含有単量体(b8)からなる群から選ばれる1種以上の単量体(b)を含有してなる共重合体である粘度指数向上剤。
    M−(OR (1)
    [式中、Mはアルミニウム原子、スズ原子、チタン原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はジルコニウム原子、n個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキル基、nはMの原子価であって2〜4の整数である。]
  2. 粘度指数向上剤の重量に基づいて、共重合体(A)を40〜99重量%、アルコキシ化合物(D)を1〜60重量%含有してなる請求項1記載の粘度指数向上剤。
  3. 前記単量体(b)が、水酸基含有単量体(b1)である請求項1又は2記載の粘度指数向上剤。
  4. 前記一般式(1)におけるMが、チタン原子、ケイ素原子又はジルコニウム原子である請求項1〜3いずれか記載の粘度指数向上剤。
  5. 前記一般式(1)におけるRが、炭素数3又は4のアルキル基である請求項1〜4いずれか記載の粘度指数向上剤。
  6. 前記(a)が、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a1)、炭素数5〜17のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a2)、炭素数18〜24の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a3)及び炭素数18〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル(a4)からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜5いずれか記載の粘度指数向上剤。
  7. 10〜90重量%の請求項1〜6いずれか記載の粘度指数向上剤及び10〜90重量%の希釈剤を含有してなる粘度指数向上剤組成物。
  8. 基油と、請求項1〜6いずれか記載の粘度指数向上剤又は請求項7記載の粘度指数向上剤組成物とを含有し、粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜45重量%含有してなる潤滑油組成物。
  9. ギヤー油用、変速機油用、トラクション油用、作動油用又はエンジン油用である請求項8記載の潤滑油組成物。
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