JP2023032849A - 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法 - Google Patents

圧力媒体及び圧力媒体の使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023032849A
JP2023032849A JP2021139185A JP2021139185A JP2023032849A JP 2023032849 A JP2023032849 A JP 2023032849A JP 2021139185 A JP2021139185 A JP 2021139185A JP 2021139185 A JP2021139185 A JP 2021139185A JP 2023032849 A JP2023032849 A JP 2023032849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure medium
pressure
general formula
alkyl group
medium according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021139185A
Other languages
English (en)
Inventor
健治 後藤
Kenji Goto
祐輔 中西
Yusuke Nakanishi
惠三 村田
Keizo Murata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2021139185A priority Critical patent/JP2023032849A/ja
Priority to PCT/JP2022/032316 priority patent/WO2023027192A1/ja
Publication of JP2023032849A publication Critical patent/JP2023032849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J3/00Processes of utilising sub-atmospheric or super-atmospheric pressure to effect chemical or physical change of matter; Apparatus therefor
    • B01J3/06Processes using ultra-high pressure, e.g. for the formation of diamonds; Apparatus therefor, e.g. moulds or dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/02Well-defined hydrocarbons
    • C10M105/04Well-defined hydrocarbons aliphatic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/08Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound containing oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/76Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/80Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound containing atoms of elements not provided for in groups C10M105/02 - C10M105/78
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M139/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing atoms of elements not provided for in groups C10M127/00 - C10M137/00
    • C10M139/02Esters of silicon acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M139/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing atoms of elements not provided for in groups C10M127/00 - C10M137/00
    • C10M139/04Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing atoms of elements not provided for in groups C10M127/00 - C10M137/00 having a silicon-to-carbon bond, e.g. silanes

Abstract

【課題】固化圧力が高く、引火点が室温よりも十分に高い温度である圧力媒体の提供。【解決手段】式(a1)で表される化合物及び式(a2)で表される化合物から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物を含む、圧力媒体である。JPEG2023032849000014.jpg2556JPEG2023032849000015.jpg4677【選択図】なし

Description

本発明は、圧力媒体及び圧力媒体の使用方法に関する。
近年、1.0GPaを超える超高圧下において、物質合成に関する研究や物質の物性変化に関する研究等が、広く行われている。
ところで、これらの研究においては、物質に対し、静水圧的に超高圧を印加する必要がある。そこで、物質に超高圧を印加する際には、通常、圧力媒体が使用される。
超高圧下において、圧力媒体に要求される特性としては、広い圧力範囲にわたって固化することなく、液体状態を維持できる特性が挙げられる。圧力印加の途中で圧力媒体が固化してしまうと、それ以上の圧力では一軸性が混在し、均一な圧縮ができなくなるためである。
このような要求特性を満たす圧力媒体について、近年、種々検討が行われている。一例を挙げると、特許文献1では、1-オレフィンオリゴマーからなる圧力媒体油について、室温での固化圧力が2.7GPaを達成したことが記載されている。
国際公開2007/058064号
特許文献1に記載されている圧力媒体は、室温において高い固化圧力を有するものであるが、近年、更に固化圧力が高い圧力媒体の創出が求められている。
加えて、安全性の観点から、圧力媒体には、引火点が室温よりも十分に高い温度(例えば60℃以上)であることも求められる。
そこで、本発明は、室温における固化圧力が2.7GPa超であり、引火点が室温よりも十分に高い温度である圧力媒体、及び当該圧力媒体の使用方法を提供することを課題とする。
なお、本明細書において、「室温」は、25℃を意味する。
本発明によれば、下記[1]~[2]が提供される。
[1] 下記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物(A)を含む、圧力媒体。
Figure 2023032849000001

[前記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za1は、炭素原子又はケイ素原子である。]
Figure 2023032849000002

[前記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za2は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、又は鉛原子である。]
[2] 上記[1]に記載の圧力媒体を介して物質に圧力を印加する、圧力媒体の使用方法。
本発明によれば、室温における固化圧力が2.7GPa超であり、引火点が室温よりも十分に高い温度である圧力媒体、及び当該圧力媒体の使用方法を提供することが可能となる。
本明細書に記載された数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
[圧力媒体の態様]
本実施形態の圧力媒体は、下記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物(A)を含む。
Figure 2023032849000003

[前記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za1は、炭素原子又はケイ素原子である。]
Figure 2023032849000004

[前記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za2は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、又は鉛原子である。]
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、上記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び上記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物(A)(以降の説明では、「成分(A)」ともいう。)が、上記課題を解決し得ることを見出した。
化合物(A1)及び化合物(A2)の固化圧力が高い理由は明確にはなっていないが、これらの化合物を構成する中心原子の電子軌道と、当該中心原子を取り囲むアルキル基又はアルコキシ基の電子軌道との重なりのバランスが適切であることが一因であると推察される。
本実施形態の圧力媒体は、成分(A)のみから構成されていることが好ましいが、本発明の効果を大きく損なうことのない範囲で、成分(A)以外の他の成分を含んでいてもよい。
本実施形態の圧力媒体において、成分(A)の含有量は、圧力媒体の全量基準で、好ましくは70質量%~100質量%、より好ましくは80質量%~100質量%、更に好ましくは90質量%~100質量%、より更に好ましくは95質量%~100質量%、更になお好ましくは98質量%~100質量%である。
以下、本実施形態の圧力媒体が含有する各成分について、詳細に説明する。
[成分(A)]
本実施形態の圧力媒体は、成分(A)を含む。
成分(A)は、上記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び上記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上である。
なお、上記一般式(a1)で表される化合物(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記一般式(a2)で表される化合物(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、室温における固化圧力をより高めやすくする観点から、成分(A)は、上記一般式(a2)で表される化合物(A2)を含むことが好ましく、化合物(A2)からなることがより好ましい。
成分(A)が上記一般式(a2)で表される化合物(A2)を含む場合、当該化合物(A2)の含有量は、成分(A)の全量基準で、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは60質量%~100質量%、更に好ましくは70質量%~100質量%、より更に好ましくは80質量%~100質量%、更になお好ましくは90質量%~100質量%である。
以下、化合物(A1)及び化合物(A2)について、詳細に説明する。
<化合物(A1)>
化合物(A1)は、下記一般式(a1)で表される化合物である。
Figure 2023032849000005
上記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。
アルキル基の炭素数が2以下である場合、引火点を室温よりも十分に高い温度にすることが困難である。
アルキル基の炭素数が7以上であると、固化圧力が低くなる。また、超高圧下での電気伝導測定等を行う場合、導電ペーストが電極に用いられることがある。アルキル基の炭素数が7以上であると、導電ペーストを溶解する恐れがある。
ここで、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、同一のアルキル基であってもよく、異なるアルキル基であってもよいが、本発明の効果をより発揮させやすくする観点から、同一のアルキル基であることが好ましい。
なお、本明細書において、「同一のアルキル基」とは、炭素数が同一であり、構造も同一であるアルキル基を意味する。
また、本発明の効果をより発揮させやすくする観点(特に、固化圧力をより高めやすくする観点)から、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14として選択し得るアルキル基の炭素数は、好ましくは3~5、より好ましくは4である。
また、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14として選択し得るアルキル基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよいが、本発明の効果をより発揮させやすくする観点からは、直鎖状であることが好ましい。
上記一般式(a1)中、Za1は、炭素原子又はケイ素原子である。
本発明の効果をより発揮させやすくする観点から、Za1は、ケイ素原子であることが好ましい。
<化合物(A2)>
化合物(A2)は、下記一般式(a2)で表される化合物である。
Figure 2023032849000006
上記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。
アルキル基の炭素数が2以下である場合、引火点を室温よりも十分に高い温度にすることが困難である。
アルキル基の炭素数が7以上である場合、固化圧力が低くなる。また、超高圧下での電気伝導測定等を行う場合、導電ペーストが電極に用いられることがある。アルキル基の炭素数が7以上であると、導電ペーストを溶解する恐れがある。
ここで、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、同一のアルキル基であってもよく、異なるアルキル基であってもよいが、本発明の効果をより発揮させやすくする観点から、同一のアルキル基であることが好ましい。
また、本発明の効果をより発揮させやすくする観点(特に、固化圧力をより高めやすくする観点)から、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24として選択し得るアルキル基の炭素数は、好ましくは3~5、より好ましくは3~4、更に好ましくは3である。
また、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24として選択し得るアルキル基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよいが、本発明の効果をより発揮させやすくする観点からは、直鎖状であることが好ましい。
上記一般式(a2)中、Za2は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、又は鉛原子である。
本発明の効果をより発揮させやすくする観点(特に、固化圧力をより高めやすくする観点)から、Za2は、好ましくはケイ素原子である。
<成分(A)以外の成分>
本実施形態の圧力媒体は、本発明の効果を大きく損なうことのない範囲で、成分(A)以外の他の成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
当該他の成分としては、例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、極圧剤、摩擦調整剤、防錆剤、消泡剤、及び粘度指数向上剤等から選択される1種以上の添加剤が挙げられる。
これらの添加剤の合計含有量は、圧力媒体の全量基準で、好ましくは0.01質量%~30質量%、より好ましくは0.01~20質量%、更に好ましくは0.05~15質量%、より更に好ましくは0.1~10質量%である。
また、本実施形態の圧力媒体は、本発明の効果を大きく損なうことのない範囲で、成分(A)の合成時に生じた原料化合物や副生成物が含まれていてもよい。
但し、上記原料化合物及び上記副生成物の含有量は、少ないことが好ましい。具体的には、上記原料化合物及び上記副生成物の含有量は、各々独立に、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
[圧力媒体の各種物性]
<固化圧力>
本実施形態の圧力媒体は、室温における固化圧力が、2.7GPa超である。そして、当該固化圧力は、好ましくは3.0GPa超、より好ましくは3.5GPa超、更に好ましくは4.1GPa超、より更に好ましくは4.5GPa以上、更になお好ましくは5.0GPa以上、一層好ましくは5.2GPa以上である。
したがって、本実施形態の圧力媒体は、超高圧環境下においても、液体状態を維持し、圧力媒体としての役割を十分に発揮し得る。
なお、本実施形態の圧力媒体の室温における固化圧力の上限値は特に制限されないが、通常、6.0GPa未満である。
なお、本明細書において、室温における固化圧力は、後述する実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
<40℃における動粘度>
本実施形態の圧力媒体において、40℃における動粘度は、圧力印加時において圧力媒体の圧力セルからの漏れを抑制する観点から、好ましくは1.0mm/s超、より好ましくは1.5mm/s以上、更に好ましくは2.0mm/s以上である。また、通常、10mm/s以下である。
なお、本明細書において、40℃における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
<融点>
本実施形態の圧力媒体において、融点は、低温でも固化せず、低温実験にも使用し得る圧力媒体とする観点から、好ましくは-50℃以下、より好ましくは-60℃以下、更に好ましくは-70℃以下である。
なお、本実施形態の圧力媒体の融点の下限値は特に制限されないが、通常、-100℃以上である。
なお、本明細書において、融点は、示差走査熱量測定法(以下、単に「DSC法」と表記する場合もある)により測定した値を意味する。
<引火点>
本実施形態の圧力媒体において、引火点は、室温よりも十分に高い温度として安全性を確保する観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上、更に好ましくは70℃以上である。
なお、本実施形態の圧力媒体の引火点の上限値は特に制限されないが、通常、100℃以下である。
なお、本明細書において、引火点は、JIS K2265-3:2007に準拠し、ペンスキーマルテンス密閉法(PM法)により測定した値を意味する。
[圧力媒体の用途]
本実施形態の圧力媒体は、室温における固化圧力が2.7GPa超であり、引火点が室温よりも十分に高い温度である。
そのため、本実施形態の圧力媒体は、物質に対して圧力を印加する圧力印加システムに使用される、圧力媒体として好適である。
したがって、本実施形態の圧力媒体によれば、下記(1)~(2)の方法が提供される。
(1)本実施形態の圧力媒体を介して物質に圧力を印加する、圧力媒体の使用方法。
(2)上記(1)において、圧力が2.7GPa超である、圧力媒体の使用方法。
なお、上記(2)の使用方法は、室温環境下又はその近傍の温度領域において実施される。
但し、圧力媒体を介して物質に所定の圧力を印加した後、当該圧力を保持した状態で当該圧力媒体を冷却し、当該圧力媒体を固化させて、物質に圧力を印加し続けるようにしてもよい。
ここで、本実施形態の圧力媒体は、既述のように、室温における固化圧力が、好ましくは3.0GPa超、より好ましくは3.5GPa超、更に好ましくは4.1GPa超、より更に好ましくは4.5GPa以上、更になお好ましくは5.0GPa以上、一層好ましくは5.2GPa以上である。
したがって、上記(2)の態様について、圧力の範囲は、これらの範囲のうちのいずれかを採用することができる。
[提供される本発明の一態様]
本発明の一態様によれば、下記[1]~[11]が提供される。
[1] 下記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物(A)を含む、圧力媒体。
Figure 2023032849000007


[前記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za1は、炭素原子又はケイ素原子である。]
Figure 2023032849000008


[前記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za2は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、又は鉛原子である。]
[2] 前記一般式(a1)において、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14が同一のアルキル基である、上記[1]に記載の圧力媒体。
[3] 前記一般式(a2)において、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24が同一のアルキル基である、上記[1]又は[2]に記載の圧力媒体。
[4] 前記一般式(a1)において、Za1がケイ素原子である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の圧力媒体。
[5] 前記一般式(a2)において、Za2がケイ素原子である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の圧力媒体。
[6] 25℃における固化圧力が、4.1GPa超である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の圧力媒体。
[7] 40℃における動粘度が、1.0mm/s超である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の圧力媒体。
[8] 融点が、-50℃以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の圧力媒体。
[9] 引火点が、70℃以上である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の圧力媒体。
[10] 前記第14族元素含有有機化合物(A)の含有量が、前記圧力媒体の全量基準で、70質量%~100質量%である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の圧力媒体。
[11] 上記[1]~[10]のいずれかに記載の圧力媒体を介して物質に圧力を印加する、圧力媒体の使用方法。
[12] 前記圧力が、4.1GPa超である、上記[11]に記載の使用方法。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1~3、比較例1~3]
下記化合物のいずれかから構成された圧力媒体について、下記(1)~(4)の各種物性を測定又は評価した。
<実施例1>
テトラ-n-プロポキシシラン
上記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24が、それぞれn-プロピル基であり、Za2がケイ素原子であり、化合物(A2)に該当する化合物である。
<実施例2>
テトラ-n-ブトキシシラン
上記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24が、それぞれn-ブチル基であり、Za2がケイ素原子であり、化合物(A2)に該当する化合物である。
<実施例3>
テトラ-n-ブチルシラン
上記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14が、それぞれn-ブチル基であり、Za1がケイ素原子であり、化合物(A1)に該当する化合物である。
<比較例1>
ヘキサエチルジシロキサン
下記構造式で表される化合物である。
Figure 2023032849000009
<比較例2>
テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン
下記構造式で表される化合物である。
Figure 2023032849000010
<比較例3>
テトラエトキシシラン
上記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24が、それぞれエチル基である化合物である。
[各種物性の測定又は評価方法]
(1)40℃における動粘度
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)融点
DSC法により測定した。
(3)引火点
JIS K2265-3:2007に準拠し、ペンスキーマルテンス密閉法(PM法)により測定した。
(4)固化圧力
25℃の環境下、立方体状に形成された加圧容器内にストレーンゲージを置き、圧力媒体を充填した。超高圧を印加するため、加圧容器の6方向から加圧し、このときのストレーンゲージの抵抗値を測定した。圧力と抵抗値との関係をグラフ化し、圧力に対する抵抗値の曲線が不連続に折れ曲がる点を固化圧力点として特定した。
なお、ストレーンゲージとは、板状の測定素子であり、圧縮されるに従い、抵抗値が下がる。圧力媒体が液体の状態を維持しているときには、素子全体が均等に圧縮されて縮むので素子の圧縮を検知するが、圧力媒体が固化した状態で加圧すると、固化した圧力媒体の圧縮を検知するため、ストレーンゲージの圧縮率が高まり、固化圧力点を境にして急激に抵抗値が減少する。このため、上記の圧力と抵抗値との関係のグラフにおいては、圧力に対する抵抗値の曲線が折れ曲がる点が出現し、当該点を「固化圧力点」として特定している。
なお、25℃の温度制御が困難な場合は、25℃近傍の2点の温度(25℃未満の温度と25℃超の温度)で測定し、直線内挿値として、25℃における固化圧力を算出してもよい。
結果を表1に示す。
Figure 2023032849000011
表1より、以下のことがわかる。
実施例1~3の圧力媒体は、固化圧力が高く、引火点が室温よりも十分に高い。
これに対し、比較例1及び2の圧力媒体は、固化圧力が低い。
比較例3の圧力媒体は、引火点が低い。
なお、実施例1~3及び比較例1~3の圧力媒体について、導電ペーストの溶解の有無を確認した結果、いずれも導電ペーストを溶解しないことが確認された。

Claims (12)

  1. 下記一般式(a1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(A2)からなる群から選択される1種以上の第14族元素含有有機化合物(A)を含む、圧力媒体。
    Figure 2023032849000012


    [前記一般式(a1)中、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za1は、炭素原子又はケイ素原子である。]
    Figure 2023032849000013


    [前記一般式(a2)中、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24は、各々独立に、炭素数3~6のアルキル基である。Za2は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、又は鉛原子である。]
  2. 前記一般式(a1)において、Ra11、Ra12、Ra13、及びRa14が同一のアルキル基である、請求項1に記載の圧力媒体。
  3. 前記一般式(a2)において、Ra21、Ra22、Ra23、及びRa24が同一のアルキル基である、請求項1又は2に記載の圧力媒体。
  4. 前記一般式(a1)において、Za1がケイ素原子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  5. 前記一般式(a2)において、Za2がケイ素原子である、請求項1~4のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  6. 25℃における固化圧力が、4.1GPa超である、請求項1~5のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  7. 40℃における動粘度が、1.0mm/s超である、請求項1~6のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  8. 融点が、-50℃以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  9. 引火点が、70℃以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  10. 前記第14族元素含有有機化合物(A)の含有量が、前記圧力媒体の全量基準で、70質量%~100質量%である、請求項1~9のいずれか1項に記載の圧力媒体。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の圧力媒体を介して物質に圧力を印加する、圧力媒体の使用方法。
  12. 前記圧力が、4.1GPa超である、請求項11に記載の使用方法。
JP2021139185A 2021-08-27 2021-08-27 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法 Pending JP2023032849A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021139185A JP2023032849A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法
PCT/JP2022/032316 WO2023027192A1 (ja) 2021-08-27 2022-08-29 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021139185A JP2023032849A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023032849A true JP2023032849A (ja) 2023-03-09

Family

ID=85321687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021139185A Pending JP2023032849A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023032849A (ja)
WO (1) WO2023027192A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5319071B2 (ja) * 2007-03-05 2013-10-16 出光興産株式会社 超高圧印加システム用の圧力媒体油
JP5431910B2 (ja) * 2009-12-22 2014-03-05 三洋化成工業株式会社 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物
RU2697550C2 (ru) * 2014-09-12 2019-08-15 Идемицу Козан Ко., Лтд. Гидравлическая масляная рабочая среда и способ применения указанной гидравлической масляной рабочей среды

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023027192A1 (ja) 2023-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107207858B (zh) 硅组合物
Kondo et al. Tribological properties of ionic liquids
JP5822100B2 (ja) イオン液体を基油とした錆止め性に優れる潤滑剤組成物
TW201211234A (en) Lubricant base oil and lubricant composition
CN108250760A (zh) 有机硅组合物和固化产物
JP2015527448A (ja) ケーブル充填材組成物
JP6639401B2 (ja) 圧力媒体油、及び該圧力媒体油の使用方法
JP2023032849A (ja) 圧力媒体及び圧力媒体の使用方法
JP5301078B2 (ja) 圧力媒体油
JP2021031642A (ja) 熱伝導性組成物
KR20240051930A (ko) 압력 매체 및 압력 매체의 사용 방법
JP5319071B2 (ja) 超高圧印加システム用の圧力媒体油
JP2009029981A (ja) 潤滑剤組成物
Cosme et al. Task–specific ionic liquids based on sulfur for tribological applications
CN117940538A (en) Pressure medium and method for using pressure medium
Ueno et al. Pressure and temperature effects on the density and viscosity of DMF-water mixtures
CN106544146A (zh) 一种密封润滑脂及其制备方法
JPH02284992A (ja) 電気粘性流体
JP2011026296A (ja) 新規イオン液体、及びその用途
JP6757278B2 (ja) 導電性潤滑油組成物
EP3877491B1 (en) Polyolefin compositions for grease and lubricant applications
JP5159089B2 (ja) 合成潤滑油
KR20230003770A (ko) 액체 금속 합금을 포함하는 온도 제어 장치
Gaciño et al. Density and isothermal compressibility for two trialkylimidazolium-based ionic liquids at temperatures from (278 to 393) K and up to 120 MPa
JP2021091834A (ja) 冷却用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240202