JP2020026519A - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、潤滑油組成物の高温下での粘度を高く保持し、スラッジ分散性に優れる分散型粘度指数向上剤が使用されており、そのような粘度指数向上剤としては、メタクリル酸エステル共重合体(特許文献1〜4)等が知られている。
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、低温粘度特性が十分ではなく、またハンドリング性が十分ではないという問題があった。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される単量体(a)と、アミノ基及び/又はアミド基を有し炭素数が3〜12である単量体(b)と、炭素数10〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリロイル単量体(c)とを必須構成単量体とする共重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の構成単量体の合計重量に基づいて、単量体(a)の含有量が10〜70重量%であり、アミノ基及び/又はアミドを有し炭素数が3〜12である単量体(b)の含有量が0.5〜5.0重量%であり、前記(メタ)アクリロイル単量体(c)の含有量が25〜86重量%である粘度指数向上剤である。
本発明の粘度指数向上剤は、下記一般式(1)で表される単量体(a)と、アミノ基及び/又はアミド基を有し炭素数が3〜12である単量体(b)と、炭素数10〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリロイル単量体(c)とを必須構成単量体とする共重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の構成単量体の合計重量に基づいて、単量体(a)の含有量が10〜70重量%であり、アミノ基及び/又はアミドを有し炭素数が3〜12である単量体(b)の含有量が0.5〜5.0重量%であり、前記(メタ)アクリロイル単量体(c)の含有量が25〜86重量%である粘度指数向上剤である。
本発明の粘度指数向上剤は共重合体(A)を含有する。
共重合体(A)は下記一般式(1)で表される単量体(a)を必須構成単量体とする。
nは0〜20の整数であり、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数である。nが2以上の場合のR2は、同一でも異なっていてもよい。
nが2以上の整数である場合に複数ある(R2O)は同一であっても異なっていてもよく、(R2O)n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
具体的には、2−メチルノニル基、2−メチルデシル基、2−メチルウンデシル基、2−メチルドデシル基、2−メチルトリデシル基、2−メチルテトラデシル基、2−エチルオクチル基、2−エチルノニル基、2−エチルデシル基、2−エチルウンデシル基、2−エチルドデシル基、2−エチルトリデシル基、2−プロピルヘプチル基、2−プロピルオクチル基、2−プロピルノニル基、2−プロピルデシル基、2−プロピルウンデシル基、2−プロピルドデシル基、2−ブチルヘキシル基、2−ブチルヘプチル基、2−ブチルオクチル基、2−ブチルノニル基、2−ブチルデシル基、2−ブチルウンデシル基、8−メチルノニル基、8−メチルデシル基、8−メチルウンデシル基、8−メチルドデシル基、8−メチルトリデシル基、8−メチルテトラデシル基、8−エチルオクチル基、8−エチルノニル基、8−エチルデシル基、8−エチルウンデシル基、8−エチルドデシル基、8−エチルトリデシル基、8−プロピルヘプチル基、8−プロピルオクチル基、8−プロピルノニル基、8−プロピルデシル基、8−プロピルウンデシル基、8−プロピルドデシル基、8−ブチルヘキシル基、8−ブチルヘプチル基、8−ブチルオクチル基、8−ブチルノニル基、8−ブチルデシル基又は8−ブチルウンデシル基等が挙げられる。
これらのうち、粘度指数向上効果及び低温粘度の観点から好ましくは2−メチルノニル基、2−メチルデシル基、2−メチルウンデシル基、2−メチルドデシル基、2−メチルトリデシル基、2−メチルテトラデシル基、8−メチルノニル基、8−メチルデシル基、8−メチルウンデシル基、8−メチルドデシル基、8−メチルトリデシル基及び8−メチルテトラデシルであり、更に好ましくは2−メチルウンデシル基、2−メチルドデシル基、2−メチルトリデシル基、2−メチルテトラデシル基及び8−メチルノニル基である。
これらのうち、低温粘度特性の観点から好ましくは(メタ)アクリル酸2−メチルノニル、(メタ)アクリル酸2−メチルデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルテトラデシル、(メタ)アクリル酸8−メチルノニル、(メタ)アクリル酸8−メチルデシル、(メタ)アクリル酸8−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸8−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸8−メチルトリデシル及び(メタ)アクリル酸8−メチルテトラデシルであり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸2−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルテトラデシル及び(メタ)アクリル酸8−メチルノニルである。
一般式(1)で表される単量体(a)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
アミノ基及び/又はアミド基を有し炭素数が3〜12である単量体(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を意味する。また、(c)としては、炭素数10〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び炭素数10〜22の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリルアミドが含まれる。
炭素数が10〜22の直鎖アルキル基としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基及びドコシル基等が挙げられ、低温粘度特性の観点から好ましくは12〜20の直鎖アルキル基であり、更に好ましくは12〜16の直鎖アルキル基である。
(メタ)アクリロイル単量体(c)として具体的には、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−ノナデシル、(メタ)アクリル酸n−エイコシル、(メタ)アクリル酸n−ヘンイコシル、(メタ)アクリル酸n−ドコシル、N−デシル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−テトラデシル(メタ)アクリルアミド、N−ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキサデシル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ドデシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、低温粘度特性の観点から好ましくは、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシルある。
(メタ)アクリロイル単量体(c)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
R5は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、イソプロピリデン基及びn−ブチレン基等が挙げられる。
mは0〜20の整数であり、粘度指数向上効果の観点から好ましくは0〜5の整数であり、更に好ましくは0〜2の整数である。mが2以上の場合のR5は、同一でも異なっていてもよい。
mが2以上の整数である場合に複数ある(R5O)は同一であっても異なっていてもよく、(R5O)n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
R6は炭素数10〜15の直鎖アルキル基であり、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基及びペンタデシル基等が挙げられる。これらのうち、ハンドリング性の観点から好ましくはドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基及びペンタデシル基である。
これらのうち、低温粘度の観点から更に好ましくは(メタ)アクリル酸n−ドデシル及び(メタ)アクリル酸n−トリデシルである。
一般式(2)で表される単量体(c1)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
混合物(a’’)は、炭素数10〜15の分岐アルキル基を有する脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アミンと、炭素数10〜15の直鎖アルキル基を有する脂肪族アルコール及び/又は脂肪族アミンとの混合物を公知の方法で(メタ)アクリル酸とエステル化又はアミド化すること等で得ることができる。
炭素数が20〜36の分岐アルキル基としては、2−オクチルドデシル基、2−イソオクチルイソドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−イソデシルイソテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−テトラデシルイコシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基及びイソヘキサデシルイソイコシル基等が挙げられ、低温粘度特性の観点から好ましくは炭素数20〜32の分岐アルキル基であり、更に好ましくは炭素数20〜24の分岐アルキル基である。
(メタ)アクリロイル単量体(d)としては、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−イソオクチルイソドデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−イソデシルイソテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルオクタデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルイコシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルオクタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルイコシル、(メタ)アクリル酸2−イソヘキサデシルイソイコシル、N−(2−オクチル)ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−イソオクチル)イソドデシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−デシル)テトラデシル(メタ)アクリルアミド及びN−(2−イソデシル)イソテトラデシル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、低温粘度特性の観点から好ましくは(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−イソオクチルイソドデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル及び(メタ)アクリル酸2−イソデシルイソテトラデシルであり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル及び(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルである。
(メタ)アクリロイル単量体(d)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
粘度指数向上効果の観点から好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びビニルアルコールである。
本発明における数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるものであり、ポリスチレンに換算して求めたものである。
水酸基含有単量体(e)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイルオキシイソプロピルホスフェート等]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を意味する。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
リン原子含有単量体(f)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
SP値が上記範囲内では共重合体(A)の基油への溶解性がさらに良好になる。
共重合体(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより所望の範囲にすることができる。
例えば、単量体として用いる(メタ)アクリロイル単量体のアルキル基の長さが長いものを多く用いれば共重合体(A)のSP値をより小さくすることができる。
アルキル基の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル及び(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられる。
10重量%以上であることで低温粘度特性が良好であり、70重量%以下であることで粘度指数及び低温粘度特性が良好となる。
0.5重量%以上であることで抗酸化性が良好となり、5.0重量%以下であることで低温粘度特性が良好となる。
25重量%以上であることで共重合体(A)のハンドリング性及び粘度指数が良好となり、89.5重量%以下であることで低温粘度特性が良好となる。
0重量%以上であると共重合体(A)のハンドリング性が良好となり、5重量%以下であると低温粘度特性が良好となる。
反応温度としては好ましくは50〜140℃、更に好ましくは60〜120℃である。
また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により得ることもできる。さらに、共重合体(A)の重合様式としては、ランダム付加重合又は交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合又はブロック共重合のいずれでもよい。
共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、粘度指数向上及び剪断安定性の観点から、1.0〜5.0が好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.5である。
Mw及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるものであり、ポリスチレンに換算して求めたものである。
共重合体(A)のMw及び分子量分布(Mw/Mn)は、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量又は連鎖移動剤量等により調整できる。
<共重合体(A)のMw及びMw/Mnの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
基油は、共重合体(A)の重合時に混合されていてもよく、(A)の重合後に混合してもよい。
粘度指数向上剤に含まれる共重合体(A)の重量割合は、ハンドリング性等の観点から、粘度指数向上剤の合計重量に基づいて、2〜50重量%であることが好ましい。
本発明の100℃における動粘度は、JIS−K2283で測定できる。
本発明の40℃における動粘度は、JIS−K2283で測定できる。
本発明の粘度指数は、JIS−K2283で測定できる。
添加剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの添加剤のそれぞれの含有量は潤滑油組成物全量を基準として0.1〜15重量%であることが好ましい。また各添加剤を合計した含有量は潤滑油組成物全量を基準として0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜20重量%である。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、窒素吹き込み管及び減圧装置を備えた反応容器に、基油I(鉱物油、SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm2/s、40℃動粘度:19.4mm2/s、粘度指数:122)100部を投入し、別のガラス製ビーカーに、表1又は表2に記載の単量体配合物(合計100部)、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン0.6部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5部を投入し、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに投入した。反応容器の気相部の窒素置換(気相酸素濃度:100ppm以下)を行った後、密閉下系内温度を70〜85℃に保ちながら、3時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、50重量%の共重合体(A−1)〜(A−16)又は(H−1)〜(H−5)を含んでなる粘度指数向上剤(R−1)〜(R−16)及び(S−1)〜(S−5)をそれぞれ得た。得られた共重合体(A−1)〜(A−16)及び(H−1)〜(H−5)のSP値を上記の方法で計算し、Mw及び分子量分布(Mw/Mn)を上記の方法で測定した。得られた粘度指数向上剤のハンドリング性は以下の方法で測定した。結果を表1〜2に示す。
ガラス試験官に粘度指数向上剤(R−1)〜(R−16)及び(S−1)〜(S−5)を採取し、25℃で24時間静置させた後、容器を90°の角度で5秒間傾けた時に液面が流動するかで評価した。
[評価基準]
○:粘度指数向上剤が流動する
×:粘度指数向上剤が流動しない
(a−1):メタクリル酸2−メチルウンデシル
(a−2):メタクリル酸2−メチルドデシル
(a−3):メタクリル酸2−メチルトリデシル
(a−4):メタクリル酸2−メチルテトラデシル
(a−5):メタクリル酸8−メチルノニル
(a’’−1):炭素数12〜13の直鎖アルコール及び分岐アルコール混合物(Sasol製Lial123、炭素数12/13=44/56重量%、2位の炭素に分岐を有する比率:55重量%、直鎖アルコール含有量:45重量%)とメタクリル酸とのエステル化物(単量体(a)と単量体(c)との混合物)
(a’’−2):炭素数14〜15の直鎖アルコール及び分岐アルコール混合物(Sasol製Lial145、炭素数14/15= 60/40重量%、2位の炭素に分岐を有する比率:60重量%、直鎖アルコール含有量:40重量%)とメタクリル酸とのエステル化物(単量体(a)と単量体(c)との混合物)
(b−1):メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル
(b−2):メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル
(b−3):ビニルピロリドン
(b−4):メタクリルアミド
(b−5):N,N−ジ−n−ブチルメタクリルアミド
(b−6):N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド
(c−1):メタクリル酸n−ドデシル
(c−2):メタクリル酸n−トリデシル
(c−3):メタクリル酸n−テトラデシル
(c−4):メタクリル酸n−ペンタデシル
(c−5):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(d−1):メタクリル酸2−オクチルドデシル
(d−2):メタクリル酸2−デシルテトラデシル
(e−1):2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(f−1):アクリロイルオキシエチルホスフェート
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油I(鉱物油、SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm2/s、40℃動粘度:19.4mm2/s、粘度指数:122)90部とパッケージ添加剤(Infineum P5741)10部を投入し、粘度指数向上剤組成物を添加した後の潤滑油組成物の100℃動粘度が8.20±0.1(mm2/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R−1)〜(R−16)及び(S−1)〜(S−5)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V16)及び(W1)〜(W5)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V16)及び(W1)〜(W5)の粘度指数、低温粘度及び抗酸化性を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。
JIS−K2283の方法に従って測定した。
ASTM D4686の方法に従って測定した。
JIS−K2514に準拠し、165.5℃で120時間、酸化安定性試験を実施し、試験前後での潤滑油組成物の全酸価の増加量(mgKOH/g)を測定した。数値が小さいほど、酸化安定性に優れることを表す。
一方、比較例6〜10の結果から、単量体(a)、(b)及び(c)のいずれかの含有量が本発明の範囲外であると、粘度指数向上性能、低温粘度特性及び抗酸化性のうち少なくとも1つの性能が劣ることが分かる。特に、単量体(a)の含有量が下限範囲外である比較例4の粘度指数向上剤を用いた比較例9の潤滑油組成物は、低温粘度が高く、低温粘度特性が劣ることが分かる。また、単量体(a)の含有量が上限範囲外である比較例1の粘度指数向上剤を用いた比較例6の潤滑油組成物は、低温粘度特性に劣り、さらに粘度指数向上性能にも劣ることが分かる。また、単量体(b)の含有量が下限範囲外である比較例2の粘度指数向上剤を用いた比較例7の潤滑油組成物は、低温粘度特性及び粘度指数往生性能には優れているものの、抗酸化性が極めて劣っていることが分かる。また、単量体(b)の含有量が上限範囲外である比較例3の粘度指数向上剤を用いた比較例8の潤滑油組成物は、低温粘度特性が劣ることが分かる。また、単量体(c)の含有量が下限範囲外である比較例5の粘度指数向上剤を用いた比較例10の潤滑油組成物は、低温粘度特性及び粘度指数向上性能が劣ることが分かる。また、単量体(c)の含有量が上限範囲外である比較例4の粘度指数向上剤を用いた比較例9の潤滑油組成物は、低温粘度特性が劣ることが分かる。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表される単量体(a)と、アミノ基及び/又はアミド基を有し炭素数が3〜12である単量体(b)と、炭素数10〜22の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリロイル単量体(c)とを必須構成単量体とする共重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(A)の構成単量体の合計重量に基づいて、単量体(a)の含有量が10〜70重量%であり、アミノ基及び/又はアミドを有し炭素数が3〜12である単量体(b)の含有量が0.5〜5.0重量%であり、前記(メタ)アクリロイル単量体(c)の含有量が25〜86重量%である粘度指数向上剤。
- 前記共重合体(A)が、構成単量体として更に、炭素数20〜36の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリロイル単量体(d)を含む請求項1に記載の粘度指数向上剤。
- 前記共重合体(A)の溶解性パラメーターが8.8〜9.3(cal/cm3)1/2である請求項1又は2に記載の粘度指数向上剤。
- 前記共重合体(A)が、構成単量体として(A)の構成単量体の合計重量に基づいて前記(d)を1〜5重量%含有する共重合体である請求項2又は3に記載の粘度指数向上剤。
- 前記共重合体(A)の重量平均分子量が10,000〜700,000である請求項1〜4のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
- 前記共重合体(A)が、構成単量体として更に、水酸基含有単量体(e)及び/又はリン原子含有単量体(f)を含む共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤と、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤とを含有してなる潤滑油組成物。
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