JP4602509B2 - 燃料油用保護膜形成向上剤及び燃料油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油用保護膜形成向上剤に関する。さらに詳しくは、金属に吸着膜を形成させることで作用する耐荷重添加剤、錆止め剤等の効果を向上させる保護膜形成向上剤および燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題への関心の高まりから、世界各国でディーゼル車の排ガス規制の強化と共に軽油中の硫黄含有量の低減が進められている。日本では1997年10月から硫黄含量が0.05重量%以下に規制強化された。その為、軽油基材について深度脱硫を行わなければならず、この過程において軽油中の潤滑性物質が一緒に除去され、潤滑性能が低下する事が知られている。ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプは軽油によって潤滑を行っているため、このような潤滑性の低下した軽油を使用すると、燃料噴射ポンプの異常摩耗、エンジンの回転不良などが起こるという事例が欧米諸国から報告されている。このような軽油の潤滑性低下に対して、ディーゼルエンジンの部品面からも対応されているが、燃料面からの対応も要求され、検討が行なわれてきた。その結果、現在のところ、軽油に摩耗防止剤等の耐荷重添加剤が添加されている。例えば、特定のエステル化合物系添加剤[国際公開第94/1760号パンフレット(1994)等]や、特定のカルボン酸化合物系添加剤(特開平10−110175号公報等)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のような添加剤は、十分な摩耗防止性を発現しない。又、量を増やし使用するとサイドエフェクト等に問題を生じる。
上記観点から、特に硫黄含量が低減された軽油であっても、サイドエフェクトに問題を生じない量、すなわち低添加量で優れた摩耗防止性良好となる添加剤が必要とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の単量体から構成され、かつ特定の物性値を有する重合体が、保護膜形成剤の性能を向上させることを見出し本発明に至った。
【0005】
すなわち本発明は、アルキルアルケニルエーテル、(メタ)アクリル酸エステル、脂肪酸ビニルエステルの群から選ばれる一種以上の単量体(a)を必須構成単位とする重合体(A)又は、ポリエーテルもしくはポリチオエーテル(B)からなり、該(A)又は該(B)が下記(I)〜(IV)を満たす、硫黄含量が0.001〜0.05重量%である燃料油用保護膜形成向上剤である。
(I)重量平均分子量が5,000〜500,000
(II)溶解性パラメーターが8.6〜9.4
(III)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−5℃以下
(IV)HLB値が0.5〜9.6
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明における(A)を構成する単量体(a)のうち、アルキルアルケニルエーテルとしては炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられ、これらのアルキルアルケニルエーテルのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−およびiso−プロピル基、n−、iso−、sec−およびt−ブチル基、n−、iso−、sec−およびネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−およびiso−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−およびiso−ノニル基、n−およびiso−デシル基、n−およびiso−ドデシル基、n−およびiso−トリデシル基、n−およびiso−テトラデシル基、n−およびiso−ペンタデシル基、n−およびiso−ヘキサデシル基、ならびにn−およびiso−オクタデシル基などが挙げられる。
【0007】
アルキルアルケニルエーテルのうち好ましくはアルキルビニルエーテルおよびアルキルアリルエーテルである。アルキルビニルエーテルのうち好ましくは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびn−プロピルビニルエーテルであり、アルキルアリルエーテルのうち好ましくは、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
【0008】
単量体(a)のうち、(メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(ポリ)アルキレングリコール[(ポリ)アルキレングリコールはアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールを表す。以下同様の表現を用いる。]またはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(グリシジルエーテル)のモノ(メタ)アクリル酸エステルなど、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(ポリ)アルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステルである。
【0009】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては前述の炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜22のアルキル基である。
【0010】
また、(ポリ)アルキレングリコールもしくはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステルにおける、(ポリ)アルキレングリコールを構成するアルキレン基としては、炭素数が2〜20のエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−ブチレン基、イソブチレン基、炭素数5〜20のα−アルキレン基、トリメチルエチレン基、テトラメチルエチレン基、スチレン基、α−メチルスチレン基、1,1−ジフェニルエチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基である。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が、通常1〜20の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は通常1〜50、好ましくは1〜20であり、数平均分子量は通常60〜2000であり、好ましくは60〜1000である。(ポリ)アルキレングリコールもしくはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数18)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール、(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0011】
ポリ(グリシジルエーテル)のモノ(メタ)アクリル酸エステルを構成するポリ(グリシジルエーテル)としては、炭素数が1〜12個のアルキル基、アルケニル基もしくは芳香族環を有するアルキルグリシジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテルもしくは芳香族グリシジルエーテルのグリシジル基を開環重合して得られる重合体が挙げられ、アルキルグリシジルエーテルとしては、例えば、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、n−およびiso−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなど、アルケニルグリシジルエーテルとしては、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、プロペニルグリシジルエーテルなど、芳香族グリシジルエーテルとしては、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。ポリ(グリシジルエーテル)のグリシジルエーテル単位の数は、通常1〜30、好ましくは1〜20であり、数平均分子量は通常60〜2000、好ましくは60〜1000である。
【0012】
脂肪酸ビニルエステルとしては、特に限定はないが、通常、脂肪酸中のアルキル基(直鎖もしくは分岐アルキル基)の炭素数が1〜30である脂肪酸のビニルエステルである。該アルキル基としては前述のアルキル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜22のアルキル基でありさらに好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基である。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニルなどが挙げられる。
【0013】
単量体(a)としては、ホモポリマーのSP値が8.0〜9.5であることが好ましく、8.2〜9.3であることが特に好ましい。
(A)中の単量体(a)の構成単位としての含量は、通常30〜100重量%、好ましくは40〜100重量%である。
重合体(A)は単量体(a)以外の単量体(例えば、オレフィン、共役ジエンなど)を構成単位として含有してもかまわない。
【0014】
本発明における重合体(A)は、通常の方法によって得ることができる。例えば前記の単量体を溶剤(例えば、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン、鉱物油など)中でラジカル重合することにより得られる。この場合、重合触媒としてアゾ系触媒(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなど)や過酸化物系(例えば、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど)を用いることができる。さらに、連鎖移動剤(例えば、炭素数2〜20のアルキルメルカプタンなど)を使用することもできる。反応温度としては、50〜140℃、好ましくは70〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合または懸濁重合により得ることもできる。さらに、単量体の重合様式としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
【0015】
本発明におけるポリエーテル又はポリチオエーテル(B)は、酸素又は硫黄を含むヘテロ環含有単量体を開環重合することによって得ることができる。構成する酸素もしくは硫黄を含むヘテロ環含有単量体の例としては、アルキレンオキサイド類[エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、2−ブテンオキサイド、炭素数5〜20のα−オレフィンオキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメチルエチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキサイド、1,1−ジフェニルエチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、オキセタン、オキサシクロブタン、オキサシクロブタン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピランなど]、アルケニレンオキサイド類[ブタジエンモノキサイドなど]、エピハロヒドリン類[エピフルオロヒドリン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなど]、グリシジルエーテル類[n−およびiso−ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−クロロエチルグリシジルエーテルおよびα−メチルエピクロルヒドリンなど]ならびにグリシドールなどが挙げられ、硫黄原子を含むヘテロ環含有単量体としては、上記の単量体の酸素原子を硫黄原子に代えた構造のもの(例えば、エチレンスルフィド、イソブチレンスルフィド、スチレンスルフィドなど)が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜12のヘテロ環を有する単量体であり、さらに好ましくは、炭素数3〜6の酸素原子を含むヘテロ環を有する単量体である。また(B)はこれら1種以上の単量体からなり、単独重合体、ランダム重合体、ブロック重合体のいずれであってもよい。
【0016】
また、本発明において重合体(B)には、上記単量体を開環重合(開環付加)して得られるもの、およびそれをさらに変性して得られるものが含まれる。開環重合の方法としては、活性水素(水酸基、アミノ基、カルボキルシル基、チオール基など)を含有する化合物に必要により適当な溶媒(鉱物油、キシレン等)中、重合触媒の存在下、酸素または硫黄を含むヘテロ環を有する単量体を開環付加または開環重合させる方法が挙げられる。
【0017】
上記の開環重合または開環付加に使用される活性水素を含有する化合物としては、水酸基含有化合物[例えば、2〜8価の多価アルコール(エチレングリコール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1、6−ヘキサンジオール,3−メチルペンタンジオール,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン,1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン,2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリト―ル,ジグリセリン,α−メチルグルコシド,ソルビト―ル,キシリット,マンニット,ジペンタエリスリト−ル,グルコ−ス,フルクト−ス,ショ糖などの4〜8価のアルコ―ルなど)および多価フェノ―ル類(ピロガロ―ル,カテコール,ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA,ビスフェノールF,ビスフェノールSなど)、トリアルカノールアミン類(トリエタノールアミン,トリプロパノールアミン)など]、アミノ基含有化合物[例えば、ポリアミン類(エチレンジアミン,プロピレンジアミン,トリメチレンジアミン,テトラメチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミンなど,ジエチレントリアミン,ビスヘキサメチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,ペンタエチレンヘキサミン、イソホロンジアミン、ピペラジン,N−アミノエチルピペラジン,ジアミノジフェニルスルホン,ベンジジン,チオジアニリン,ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン,2,6−ジアミノピリジン,m−アミノベンジルアミンなど)、モノ−およびジ−アルカノールアミン(モノエタノールアミン,モノイソプロパノールアミン,モノブタノールアミンなど)]、およびカルボキシル基含有化合物[例えば、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酪酸、イタコン酸、アジピン酸など)]などが挙げられる。
【0018】
上記の開環重合または開環付加に使用される重合触媒としては、アニオン重合触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物;メトキシナトリウム、ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、ブトキシカリウム等のアルカリ金属アルコラート化合物;テトラブチルアミン等のアルキルアミン)、カチオン重合触媒(例えば、アルミニウム、アンチモン、硼素、燐、鉄、亜鉛、チタン等の塩化物;塩酸、臭酸、硫酸、過塩素酸等の鉱酸)、配位アニオン重合触媒(例えば、トリエトキシ鉄等の金属アルコシドやアルカリ土類金属化合物と、アセチルアセトン等の活性水素化合物やルイス酸を組み合わせたもの)等]が挙げられる。
経済性、生産性の観点から、アニオン重合触媒による合成が好ましい。アニオン重合による(B)の合成は、上記活性水素を含有する化合物と上記重合触媒を加熱しながら酸素もしくは硫黄を含むヘテロ環含有単量体を反応させることによってできる。反応温度としては、40〜150℃、好ましくは90〜130℃である。
【0019】
開環重合して得られる生成物(末端の水酸基またはチオール基を有する)をさらに変性したものとしては、この水酸基またはチオール基を利用して変性してもよい。例えば、ジョイント反応が挙げられる。ジョイント反応の例としては、ポリカルボン酸化合物とのエステル化反応、ポリイソシアネート(トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど)とのウレタン化反応、ポリエポキシドとの開環付加反応、ジハロゲン化炭化水素との脱塩酸反応等が挙げられる。
【0020】
本発明において用いられる重合体(A)または(B)は、重量平均分子量が5,000〜500,000、 保護膜形成の向上性の観点から、好ましくは8,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜250,000である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算し求めた重量平均分子量である。
【0021】
本発明において用いられる重合体(A)または(B)は、溶解性パラメーターが8.6〜9.4、好ましくは8.8〜9.3、さらに好ましくは8.8〜9.2であり、溶解性パラメーターが上記範囲内では基油への溶解性が良好である。
なお、本発明における溶解性パラメーターは、Fedors法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出される値である。
【0022】
本発明において用いられる重合体(A)または(B)は示差走査熱量計により測定した結晶化開始温度が−5℃以下であり、保護膜形成の向上性の観点から、好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−15℃以下である。本発明の示差走査熱量計による結晶化開始温度は、PERKIN−ELMER社製UNIXDSC7を使用し、保護膜生成向上剤5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で140℃から−75℃まで冷却したときに観測される結晶化開始温度である。
【0023】
本発明において用いられる重合体(A)または(B)のHLB値は抗乳化性の観点から、通常0.5〜9.4であり、好ましくは、HLB値が1.0〜5.5である。さらに好ましくは、HLB値が1.5〜5.0である。
本発明のHLB値は、小田法(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P197、198)によって算出される値である。
【0024】
さらに、本発明において用いられる重合体(A)または(B)は、下記一般式(1)で表わされる立体障害ファクター(F){共重合体組成の場合は、構成単量体のモル分率に基づいて平均した値}が0〜17.0であることが好まく、さらに好ましくは0〜15.0である。
F=4X+Y (1)
【0025】
立体障害ファクター(F)とは、(A)または(B)の構成単量体単位において、側鎖が結合した主鎖の原子を0番目とした場合、側鎖の方向に数えて6番目に位置する原子の総数(X)(原子の種類にかかわらない)を4倍し、7番目に位置する原子の総数(Y)(原子の種類にかかわらない)との和で示される。
この立体障害ファクター(F)は、ポリマー主鎖からの見た側鎖の立体障害の大きさを便宜的に表したものであり、数字が大きいほど立体障害が大きくなる。
計算例を挙げると次のようになる。原子の右肩の数字は主鎖からの原子の順番を示している。なお複数の側鎖がある場合は、それらについても計算した総和を(F)とする。
【0026】
例a) n−ヘキシルメタクリレート単位の場合
【0027】
【化1】
【0028】
6番目の原子数=3、7番目の原子数=3
立体障害ファクター(F)=3×4+3=15
【0029】
例b)1,2−ブチレンオキサイド単位の場合
【0030】
【化2】
【0031】
6番目の原子数=0、7番目の原子数=0
立体障害ファクター(F)=0×4+0=0
【0032】
なお、(A)または(B)が共重合体の場合はそれぞれの構成単量体単位から計算される立体障害ファクター(F)からその共重合体を構成する単量体単位のモル分率に基づいて平均値を計算することによって立体障害ファクター(F)の平均値が求められる。
【0033】
例c)エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート=90/10モル比の共重合体
【0034】
【化3】
【0035】
6番目の原子数=1 6番目の原子数=0
7番目の原子数=3 7番目の原子数=0
構成単量体の立体障害 構成単量体の立体障害
ファクター(F)=1×4+3=7 ファクター(F)=0×4+0=0
モル比=90:10
立体障害ファクター(F)=7 ×0.9+0 ×0.1
=6.3
【0036】
保護膜形成剤(C)としては、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤等の耐荷重添加剤、錆止め剤等であり、例えば、桜井俊男「石油製品添加剤」(昭和48−5−15)(株)幸書房 p183〜p256に記載の添加剤が挙げられる。
耐荷重添加剤としては脂肪族カルボン酸類(好ましくは炭素数8〜20の脂肪族カルボン酸類)又は多価アルコールの脂肪酸エステル(好ましくは炭素数8〜20の脂肪酸エステル)が挙げられる。
錆止め剤としたはアルケニルコハク酸イミド類又は脂肪族カルボン酸類(好ましくは炭素数8〜20の脂肪族カルボン酸類)が挙げられる。
本発明における重合体(A)または(B)からなる保護膜形成向上剤は、金属へ吸着可能な極性基(例えが、カルボキシル基、スルフォン酸基、燐酸基、水酸基、エステル基、アミノ基)と親油基(例えば炭化水素基)を含有する油溶性界面活性剤からなる、保護膜形成剤(C)の膜形成性を向上させる添加剤である。
【0037】
本発明の保護膜形成向上剤の使用量については特に限定はないが、通常(C)の重量に対し、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量%である。
【0038】
本発明における保護膜形成向上剤は、0.001〜0.05重量%の超低硫黄燃料油用の添加剤である。0.001〜0.05重量%の超低硫黄燃料油の具体例としては、低硫黄原油(たとえば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素化脱硫処理工程を経て製造される超深度脱硫軽油;この超深度脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油が挙げられる。特に好ましくは、水素化脱硫処理工程を経て製造される超深度脱硫軽油を50重量%以上使用して製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油である。
【0039】
硫黄含量が0.001〜0.05重量%の超低硫黄燃料油に用いる、本発明における保護膜形成向上剤と(C)との合計使用量については特に限定はないが、通常5〜1000重量ppmであり、好ましくは10〜750重量ppm、さらに好ましくは、20〜500重量ppmである。
【0040】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%および部は重量%および重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
【0041】
製造例1
撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計を備えた反応容器に、トルエンを15部、単量体としてメチルビニルエーテル(a1)を85部を仕込み、減圧で脱水した後、カチオン重合開始剤として「サンエイドSI−60L」(三新化学株式会社製)0.7部を仕込み、100℃で20分間反応させた。得られたポリマーをメタノールで再沈殿し、メタノール87部で2回洗浄後、100℃で4時間減圧乾燥し本発明の保護膜生成向上剤(実1)を得た。
【0042】
製造例2
撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応容器に、トルエンを15部、単量体としてドデシルメタクリレート(a2)80.75部、メチルアリルエーテル(a3)4.25部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.34部、ラジカル重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル0.4部仕込み、窒素置換を行った後に密閉下85℃で4時間重合反応を行った。得られたポリマーをメタノールで再沈殿し、メタノール87部で2回洗浄後、100℃で4時間減圧乾燥し本発明の保護膜生成向上剤(実2)を得た。
【0043】
製造例3
単量体としてエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルメタクリレート(a4)85部を用いる以外は実施例2と同様にして行った。その結果、本発明の保護膜生成向上剤(実3)を得た。
【0044】
製造例4
撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、滴下用ボンベ備えた耐圧反応容器に、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)を20部、50%水酸化セシウム水溶液を0.5部仕込み、120℃で減圧脱水した後、単量体として1,2−ブチレンオキサイド(a5)600部を滴下用ボンベから10時間かけて滴下し、5時間熟成した後、減圧にて残存モノマーを除去した。得られたポリマーをトルエン350部で希釈し、水5部、2MgO・6SiO2・xH2O[「キョーワード600」(協和化学工業株式会社製)]5部加え70℃、30分撹拌した後、濾過し、120℃で4時間減圧乾燥し本発明の保護膜生成向上剤(実4)を得た。
【0045】
実1〜4の物性値を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
ディーゼル燃料油の潤滑性は、通常の摩擦摩耗評価のテーブル試験法、例えばファレックスブロックオンリング摩擦・摩耗試験機を用いた試験、BOCLE試験機を用いた試験(ASTM D5001)、SRV試験機(独国 オプチモル社製)を用いた試験、ディーゼル燃料油の潤滑性評価のために開発されたHFRR試験等により評価できる。特に、HFRR試験(英国PCSインスツルメンツ社製)による評価が実際の燃料ポンプの摩耗と相関が高いため、この試験機を用いて評価した。
【0048】
添加剤の防錆性はJIS K 2510 錆止め試験法によって行った。
評価は下記にしたがって行った。
【0049】
防錆性評価基準
○:試験片の表面に直径1mm以下の錆の斑点が6個を超えない場合
△:試験片表面の5%以下に錆が認められる場合
×:試験片表面の5%を超える錆が認められる場合
【0050】
実施例1〜4
硫黄含量0.003重量%のJIS2号相当のディーゼル燃料油に、脂肪酸系保護膜形成剤(50ppm)と、実1〜実4の保護膜形成向上剤(0.1ppm)を下記の割合で溶解させ、評価例1〜4の燃料油を作成した。得られた燃料油はいずれも透明で、カスミ等は確認されなかった。4種の燃料油について、温度60℃、ストローク長1mm、周波数50Hz、時間75分の条件でHFRR摩耗試験を行い、摩耗痕の大きさを測定した。併せて、防錆性試験についても実施した。評価結果を表2に示す。
【0051】
比較例1〜3
硫黄含量0.003重量%のJIS2号相当のディーゼル燃料油に、脂肪酸系摩耗防止剤を50ppm添加した燃料油(比較例1)、脂肪酸系摩耗防止剤を500ppm添加した燃料油(比較例2)、添加剤無添加(比較例3)を作成した。得られた燃料油はいずれも透明で、カスミ等は確認されなかった。4種の燃料油について、温度60℃、ストローク長1mm、周波数50Hz、時間75分の条件でHFRR摩耗試験を行い、摩耗痕の大きさを測定した併せて、防錆性試験についても実施した。評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明の保護膜形成向上剤を添加した系(実施例1〜4)では、未添加の比較例と比べ、
▲1▼.摩耗痕径が小さい
▲2▼.発錆度が低い
ことが明らかである。
これは、保護膜形成向上剤が、保護膜形成剤の金属への吸着膜形成作用を向上させるためと考えられる。
Claims (6)
- アルキルアルケニルエーテル、(メタ)アクリル酸エステル、脂肪酸ビニルエステルの群から選ばれる一種以上の単量体(a)を必須構成単位とする重合体(A)又は、ポリエーテルもしくはポリチオエーテル(B)からなり、該(A)又は該(B)が下記(I)〜(IV)を満たす、硫黄含量が0.001〜0.05重量%である燃料油用保護膜形成向上剤。
(I)重量平均分子量が5,000〜500,000
(II)溶解性パラメーターが8.6〜9.4
(III)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−5℃以下
(IV)HLB値が0.5〜9.6 - 単量体(a)のホモポリマーの溶解性パラメーターが8.0〜9.5である請求項1記載の燃料油用保護膜向上剤。
- 重合体(A)又は(B)の、下記一般式(1)で表される立体障害ファクター(F){共重合体組成の場合は、構成単量体のモル分率に基づいて平均した値}が0〜17.0である請求項1又は2記載の燃料油用保護膜形成向上剤。
一般式
F=4X+Y (1)
{構成単量体単位において、側鎖中の、主鎖から6番目に位置する原子の総数をX、7番目に位置する原子の総数をYとする。} - 耐荷重添加剤又は錆止め剤からなる保護膜形成剤と、請求項1〜3のいずれか記載の燃料油用保護膜形成向上剤と、硫黄含量が0.001〜0.05重量%である超低硫黄燃料油からなる燃料油組成物。
- 耐荷重添加剤が脂肪族カルボン酸類又は多価アルコールの脂肪酸エステルである請求項4記載の燃料油組成物。
- 錆止め剤がアルケニルコハク酸イミド類又は脂肪族カルボン酸類である請求項4記載の燃料油組成物。
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