JP4777738B2 - Adam活性阻害物質によるしわの防止または改善 - Google Patents

Adam活性阻害物質によるしわの防止または改善 Download PDF

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Description

本発明は、ADAM活性阻害物質を用いたしわの防止または改善、ならびにADAM活性阻害を指標とした抗しわ効果の評価方法に関するものである。
年をとるにつれて皮膚老化の1つの現象としてしわが増加するが、美容等の観点から特に女性においてしわの防止および改善に対する関心が非常に高まっている。しわは、その発生部位や発生メカニズム等によって、大じわ、小じわ、およびちりめんじわに大きく分類される。大じわは主に光老化によって額や首の後ろ等に生じる深いしわであり、小じわは目尻や口元に生じる比較的浅いしわであり、またちりめんじわは老人の腹部等の非露光部に生じるひだ状のしわである。
これまで、しわについての研究は主に光老化によって生じる大じわについて行われ、光老化による症状の1つとして扱われてきた。光老化については、発生メカニズム等についての研究が進んでおり、また動物モデルやヒトでの評価系も確立されている。光老化によるしわ形成の抑制の試みは、紫外線による皮膚への悪影響を防止または軽減することによるものがほとんどであり、例えば、紫外線による皮膚への障害を防止するために、酸化チタン、酸化亜鉛、パラメトキシ桂皮酸エステル、パラアミノ安息香酸エステル等の各種の紫外線吸収、散乱、遮蔽物質を配合した化粧料(サンスクリーン、サンプロテクト化粧品)が開発され、使用されている。また、UV照射により皮膚に生じたフリーラジカルがコラーゲンやエラスチン等の皮膚を構成する線維成分に対する悪影響を及ぼすことが分かっており、酸化防止剤を含む化粧料が提案されている(特許文献1)。さらには、UV暴露によって、コラーゲンやエラスチン等の真皮の結合組織を分解するMMPが誘発され、それによって真皮の結合組織が破壊されることが皮膚の光老化の1つの大きな要因であると考えられており、皮膚の光老化を防ぐために、例えば、UVA遮断剤と、UVB遮断剤と、レチノイド等のMMP阻害剤とを配合した皮膚の光老化を抑制するための組成物が提案されている(特許文献2)。
一方で、近年、中高年の女性における美容に対する関心の高まりから、加齢に伴う表皮角質層の保水能力の低下や表皮脂質の分泌低下による皮脂の減少によって顕在化する、目尻や口元に生じる小じわに対する関心が高まっている。小じわは、皮膚の乾燥が原因と考えられており、その発生メカニズムや、形態学的、組織学的、または生化学的変化等において、光老化によって生じる大じわとは大きく異なると考えられている。例えば、角質層水分量と小じわの程度に相関性があることがヒトにおいて検証されている(非特許文献1)。また、不飽和脂肪酸で継続的にバリア機能を破壊すると、表皮性のしわが生じることが報告されている(非特許文献2)。しかしながら、そのような小じわを生じた皮膚において、タンパクレベルまたは遺伝子レベルでどのような生化学的変化が生じているかについて十分解明されておらず、小じわの防止および改善は、グリセリン、ソルビトール、植物液エキス等の保湿剤やコラーゲン等を含む化粧料による皮膚の乾燥からの保護による対処に頼らざるを得なかった。保湿剤等による皮膚の乾燥からの保護のみでは、小じわを十分に防止・改善することはできず、より効果的に小じわを防止・改善することができる物質が強く望まれていた。
特表2001−508809号公報 特表2001−520677号公報 芋川ら、Fragrance Journal; 1992(11) 29-42 正木仁 香料会誌;2001 Vol.25, No. 1, 34-38
本発明は、上記のような事情に鑑み、皮膚における小じわ形成に関与する生化学的変化を解明し、かつその変化を抑制することができる物質を特定し、その物質を用いて、より効果的にしわを防止または改善することを目的とするものである。さらに、本発明は、上記の生化学的変化の抑制を指標として、より効率的かつ簡便に被験物質の抗しわ効果を評価できる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、ヘアレスマウスにテープストリッピングを繰り返し施すことによる皮膚の継続バリア破壊によって、ヒトの皮膚における小じわと同様の表皮および真皮の変化がマウスの皮膚に生じることを見出し、小じわマウスモデルを作成することに成功した。本発明は、かかる小じわマウスモデルにおいて、ADAM-9、ADAM-10およびADAM-17等の、ディスインテグリンとメタロプロテアーゼドメインを有するADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリーに属するタンパク質(以下ADAMと称する)、さらにはそれらADAMによって細胞膜からの遊離および活性化がなされるHB-EGF(ヘパリン結合性EGF様増殖因子;heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor)およびAmphiregulinの表皮における遺伝子発現が亢進していること、さらにはそれらADAMの阻害剤を塗布することによって、表皮および真皮の肥厚ならびにしわ形成を抑制できることの発見に基づくものである。
ADAM-9、ADAM-10およびADAM-17等のADAMは、皮膚の細胞表面に存在し、皮膚においてHB-EGF、Amphiregulin、TNF-α、TGF-α等の増殖因子を細胞膜から遊離させ活性化させる酵素である。皮膚のバリア破壊によって、皮膚においてそれらADAMが活性化されまたは発現亢進され、HB-EGF等の増殖因子の遊離・活性化を促進させ、表皮および真皮の肥厚を生じさせることが、小じわ形成の1つの重要な機構であると考えられる。したがって、皮膚におけるADAMの活性を抑制することによって、HB-EGF等の活性亢進を抑えることができ、表皮および真皮の肥厚を抑制して、しわ、特に小じわを防止または改善できると考えられる。図1に、皮膚におけるADAMの活性阻害によりしわを防止または改善する機構について説明した概略図を示す。
本発明のしわ防止または改善剤は、皮膚に存在するADAMの活性を阻害する物質からなることを特徴とする。
また、本発明のしわを防止または改善する方法は、皮膚に存在するADAMの活性を阻害する物質を皮膚に適用することを特徴とする。
皮膚に存在するADAMとして、例えばADAM-9、ADAM-10、ADAM-12、ADAM-15、ADAM-17およびADAM-19等が挙げられ、特にADAM-9、ADAM-10およびADAM-17は、細胞増殖因子の遊離・活性化に深く関与していることが分かっている。
本明細書において、「ADAMの活性を阻害する」とは、ADAMの酵素活性を阻害するのみならず、遺伝子の発現やタンパク質生成を阻害する等、皮膚におけるADAMの活性を低下させる任意の作用を含む。
本発明の抗しわ効果の評価方法は、ヒトまたは動物の皮膚、皮膚組織または細胞に被験物質を接触させ、前記皮膚、組織または細胞におけるADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを検出し、ADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを指標として被験物質の抗しわ効果を評価することを特徴とする。
ADAMとして、例えばADAM-9、ADAM-10またはADAM-17が挙げられる。
例えば、皮膚細胞、特に表皮角化細胞を用いることによって、迅速かつ効率的に多数の被験物質の抗しわ効果を評価することができる。
本明細書において、「抗しわ効果」とは、しわの形成を防止し、または形成されたしわを改善する任意の効果を意味する。
ADAMの活性を阻害する物質を皮膚に適用することによって、ADAM-9、ADAM-10およびADAM-17等の皮膚に存在するADAMの活性を阻害して、皮脂の減少や洗顔等の様々な要因によって生じる皮膚のバリア破壊によって誘起される表皮および真皮におけるHB-EGF等の増殖因子の遊離・活性化を抑制し、表皮や真皮の肥厚を抑えることができ、非常に効果的にしわ、特に小じわを防止または改善することが可能である。
また、本発明のADAM活性阻害を指標とした評価方法によって、効率的かつ簡便に、高い効果を有する抗しわ物質を特定することが可能である。
ADAMは、接着と細胞外タンパク質分解という2つの特性を有する多機能性タンパク質で、30種類以上のファミリーが存在するが、今尚その数は増加している。ADAMは、様々な動物および組織において発現されており、皮膚に存在するADAMとして、例えばADAM-9、ADAM-10、ADAM-12、ADAM-15、ADAM-17およびADAM-19等が挙げられる。特に、ADAM-9、ADAM-10およびADAM-17は、細胞増殖因子の遊離・活性化に深く関与していることが分かっている。
本発明において用いることができるADAMの活性を阻害する物質は、皮膚においてADAMの活性を低下させるものであれば特に限定されず、例えば、ADAMの酵素活性を阻害する物質、ADAM遺伝子の発現やタンパク質生成を阻害する物質等、任意のものを含む。またそれらは動植物由来物のような天然のものであっても、あるいは合成のものであっても差し支えない。
そのようなADAMの活性を阻害する物質として、限定はされないが、例えばTAPI-1(N- (R)- (2- (Hydroxyaminocarbonyl)methyl)- 4- Methylpentanoyl- L- Nal- L- Alanine 2- Aminoethyl amide;Immunex、Seattle、WA)、および4-メトキシベンゾヒドロキサム酸(4-Methoxybenzohydroxamic acid)等が例示される。
限定はされないが、本発明のADAMの活性を阻害する物質からなるしわ防止または改善剤は、好ましくは皮膚外用剤において使用する。
皮膚外用剤において、上記ADAMの活性を阻害する物質を1種単独でまたは2種以上を組合せて配合して差し支えない。また、皮膚外用剤におけるそれら物質の配合量は、その使用態様や製品形態等によって異なり特に限定はされないが、例えば、皮膚外用剤全量に対して、好ましくは0.001質量%から10質量%、より好ましくは0.005質量%から5質量%、さらに好ましくは0.01質量%から1質量%である。
本明細書において、「皮膚外用剤」は、化粧料、医薬品、医薬部外品等を含む。また、その剤型も、水溶液系、可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層など、任意の剤型を含む。また、シート状基剤に担持されたものも含む。
また、皮膚外用剤の採り得る製品形態および用途も任意であり、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル、ボディまたは頭皮用の外用剤として用いることが可能である。
皮膚外用剤は、ADAMの活性を阻害する物質の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の任意の成分を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。例えば、上記のADAMの活性を阻害する物質と、下記成分の1種または2種以上とを配合して皮膚外用剤を調製できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下 PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAメチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5- ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2- エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p- メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ−β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,1-カンファー、3-ベンジリデン-d,1-カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられ、任意の1種または2種以上を用いることができる。
紫外線散乱剤としては、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。
これら紫外線散乱剤は、通常、針状、紡錘状、球状、粒状の粉末が使用される。また、粒子径が0.1μm以下の微粒子粉末が好ましい。
メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も好ましい。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム重合体メチル エーテル 等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
その他には、例えば、ポリエチレングリコール,グリセリン、1,3-ブチレングリコール,エリスリトール,ソルビトール,キシリトール,マルチトール等の保湿剤;セルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,クインスシード,カラギーナン,ペクチン,マンナン,カードラン,コンドロイチン硫酸,デンプン,ガラクタン,デルマタン硫酸,グリコーゲン,アラビアガム,ヘパラン硫酸,ヒアルロン酸,ヒアルロン酸ナトリウム,トラガントガム,ケラタン硫酸,コンドロイチン,キサンタンガム,ムコイチン硫酸,ヒドロキシエチルグアガム,カルボキシメチルグアガム,グアガム,デキストラン,ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン,カルボキシメチルキチン,寒天等の増粘剤、エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン,トコフェロール,フィチン等の酸化防止剤;安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸,パラオキシ安息香酸アルキルエステル,ヘキサクロロフェン等の抗菌剤;アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸等の有機酸;ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2及びその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸,アスコルビン酸硫酸エステル(塩),アスコルビン酸リン酸エステル(塩),アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,δ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、セイヨウサンザシエキス、セイヨウオトギリソウエキス、アイリス・インエキス、アセンヤクエキス、イチョウ葉エキス、イブキジャコウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、ウオーターリリーエキス、エイジツエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、クチナシエキス、紅茶エキス、セイカリュウエキス、トルメンチラエキス、バラエキス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等の植物の抽出物、色素、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキセチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、中和剤、δ−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、パラベン等の防腐剤が挙げられる。
本方法において、上記のADAMを阻害する物質は、皮膚への適用が可能でかつ本発明の目的を達成できる限り、任意の形態で皮膚に適用することができ、また単独で適用しても、あるいは他の任意の成分と共に配合して適用してもよい。また適用する皮膚の場所も限定されず、頭皮を含む体表面のあらゆる皮膚を含む。本発明の方法は美容方法として用いられる。
本発明の抗しわ効果の評価方法は、ヒトまたは動物の皮膚、皮膚組織または細胞に被験物質を接触させる工程を含む。
本方法で用いることができるヒトまたは動物の皮膚は、本発明の目的を達成できる限り特に限定はされないが、例えば、皮膚にテープストリッピングを施して皮膚の角質層を剥離したヘアレスマウスの皮膚を用いることができる。ヘアレスマウスの皮膚にテープストリッピングを施すことによって皮膚の角質層を剥離して皮膚のバリアを継続的に破壊すると、小じわがマウスの皮膚に生じ、かつADAM-9、ADAM-10およびADAM-17等のADAMの酵素活性または遺伝子発現が亢進される。ADAMの活性の亢進によって、HB-EGF等の増殖因子の遊離・活性化が促進されて表皮および真皮の肥厚が生じることが、小じわ形成の1つの原因であると考えられる。従って、本発明の評価方法において、例えば、そのような継続バリア破壊によって亢進されたADAMの遺伝子発現を低下させる物質を特定することによって、抗しわ物質を効率的に特定できると考えられる。
本方法において用いる皮膚細胞は、皮膚の表皮部分を形成する上皮系細胞であり、表皮角化細胞等の表皮細胞、皮脂腺細胞、乳腺細胞、小腸上皮細胞、その他の粘膜上皮細胞等を例示することができる。これらの中でも、表皮細胞の一つである表皮角化細胞(ケラチノサイト)は、培養細胞の入手が容易であり、かつ、本検出方法が、表皮の状態に関連する発明であることから、表皮角化細胞が、本方法において好適な皮膚細胞である。また、皮膚細胞の提供源はヒトであることが好ましい。さらに、本方法において用いられる皮膚細胞は、培養された細胞を用いることが好ましい。この培養された皮膚細胞は、常法により調製することができる。
例えば、皮膚細胞が、ヒト表皮角化細胞である場合には、形成外科、皮膚科、外科手術等での余剰皮膚片から、脂肪組織や血液を除去し、さらには真皮部分をプロテアーゼ処理等により分離して得たヒト表皮を調製し、このヒト表皮から表皮角化細胞を分離し、KGM培地等を用いる常法により、初代培養を行うことができる。次に、常法により、ヒト表皮角化細胞の初代培養細胞を、プロテアーゼ等を用いて、継代培養を行い、所望する培養ヒト表皮角化細胞を得ることができる。なお、このような表皮角化細胞は、市販されており、本発明においては、かかる市販品を用いることも可能である。
ADAMの酵素活性の検出は、例えばHB-EGFなどのADAMの基質が遊離する量を測定することによって行うことができる。
また遺伝子発現レベルの検出は、例えば、RT-PCRやノーザンブロット法等を用いてcDNAを増幅および/または測定してもよいし、あるいはELISAやウェスタンブロット法等を用いてタンパク質を検出および/または測定してもよい。
ADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを指標として被験物質の抗しわ効果を評価する工程は、例えば、被験物質を添加しないかあるいはADAMの活性に影響を与えないことが分かっている物質を添加した皮膚、組織、細胞等を対照として用い、被験物質を添加した際のADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを、対照におけるADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルと比較することを含んでいてよい。例えば、対照におけるADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルと比較して、ADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを低下させる被験物質を、抗しわ効果を有する物質(抗しわ物質、あるいはしわ防止または改善剤)として特定することができる。
本発明の抗しわ効果の評価方法の使用態様は特に限定されず、例えば抗しわ物質のスクリーニングや評価等において用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
小じわマウスモデルの作製
皮脂の減少や洗顔等の様々な要因により皮膚のバリアが弱められまたは破壊されて、皮膚表面からの水分蒸散が増加することによって、皮膚が乾燥して小じわが形成されると考えられる。そこで、ヘアレスマウスにおいて、皮膚にテープストリッピングを繰り返し施すことによって、角質層を剥がして皮膚のバリアを破壊して、小じわマウスモデルを作製した。簡単に説明すると、ヘアレスマウス(HR-1, 雄6週齢、星野実験動物)の背部左側の皮膚に、経皮水分蒸散量(TEWL)(水分蒸散量測定装置MEECO;Meeco社、USAを用いて測定)が4〜6mg/cm2/hになるように回数を調整しながらセロハンテープを用いてテープストリッピングを施した。通常初回は4回程度で、最終的には7〜8回テープストリッピングを繰り返した。週3回、4週間継続してテープストリッピングを行った。背部右側は未処置のままにした。
図2に、上記のようにテープストリッピングを施した皮膚のレプリカ画像(図2A)、および皮膚組織切片をHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色したものの顕微鏡写真(図2B)を示す。レプリカ画像(図2A)において、テープストリッピング開始24時間後(24h)および48時間後(48h)に皮溝が深くなった後、1週間後(1W)には皮溝の方向が一定になり、4週間後(4W)にはしわ様の外観を示した。また、皮膚組織の顕微鏡写真(図2B)において、未処置(NT)のものと比較して、24時間後から表皮が肥厚し始め、2週間後(2W)においても表皮肥厚が維持された。以下の表1に、上記のように作製した小じわマウスモデルにおける形態学的、組織学的変化等を、UV照射(10週間)によって作製した光老化マウスモデルにおけるそれら変化と比較してまとめた。
上記の方法でテープストリッピングを施したマウスの皮膚は、ヒトの皮膚における小じわと同様の変化を示した。一方で、そのしわの外観や表皮肥厚等において、明らかにUV照射によって作製した光老化マウスモデルとは異なっており、上記の方法によって、光老化による大じわモデルとは全く異なる、小じわモデルを作製できたことが示唆された。
小じわマウスモデルにおける生化学的変化の検討
上記のように作製した小じわマウスモデルにおいて、表皮および真皮の肥厚が生じており、テープストリッピングによるバリア破壊の刺激によって、表皮および真皮において細胞増殖因子が活性化されていることが予測された。そこで、表皮に存在する細胞増殖因子であるHB-EGF、Amphiregulin、ならびにそれら増殖因子を細胞膜から遊離・活性化させる酵素であるADAM-9およびADAM-17の遺伝子発現について検討した。
遺伝子発現量の測定は、RT-PCR法を用いて行った。上記のように作製した小じわマウスモデルの左側(テープストリッピング処置:T)と右側(未処置:N)から経時的に採取した背部皮膚試料から全RNAを抽出し、cDNAを調製後、試験対象の遺伝子に特異的なプライマーを用いてRT-PCRを行った。また同様に、細胞あたりの発現量が一定であるハウスキーピング遺伝子のグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH; glyceraldehydes-3-phosphate-dehydrogenase)についても基準として測定した。
結果を図3に示す。ADAM-9およびADAM-17は、それぞれテープストリッピングを施した皮膚の24時間後、48時間後においてその遺伝子発現が亢進しており、またそれらADAMによって遊離・活性化されるHB-EGFおよび同じHB-EGFファミリーに属するAmphiregulinも24時間後から1週間後にかけてその遺伝子発現が亢進していた。
小じわマウスモデルにおける各種薬剤塗布による抗しわ効果の検討
次に、以下の表2に示す各種薬剤を塗布することによる、小じわマウスモデルにおける抗しわ効果について検討した。
上記の方法でヘアレスマウスにテープストリッピングを施し、各テープストリッピング処置の後に表2の各薬剤を100μlずつ塗布した。図4に、各薬剤を塗布した皮膚の1週間後、2週間後および4週間後のレプリカ画像(図4A)、ならびに4週間後の皮膚組織切片をHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色したものの顕微鏡写真(図4B)を示す。また、その結果を、以下の評価基準を用いてまとめたものを表3に示す:
○:改善
△:変化なし
×:悪化
ADAM活性阻害物質であるTAPI-1は、小じわマウスモデルにおいてしわ形成を抑制し、また表皮および真皮の肥厚も顕著に抑制した。一方、光老化マウスモデルでしわ形成防止効果を示したMMP阻害剤であるCGS27023A(N-ヒドロキシ-2-[[(4-メトキシフェニル)スルホニル]3-ピコリル]アミノ]-3-メチルブタンアミド塩酸塩](J. Med. Chem. 1997, Vol. 40, p.2525-2532)、ならびに保湿剤であるグリセリンは、小じわマウスモデルでは全くしわ形成を抑制することができず、また表皮および真皮の肥厚も抑制できなかった。さらに、肌荒れ促進作用を有する不飽和脂肪酸のオレイン酸は、しわ形成を促進させ、また表皮および真皮の肥厚も亢進させた。
これらの結果から、保湿剤のみでは小じわを十分に防止または改善することができず、皮膚においてADAMの活性を阻害して増殖因子の遊離・活性化を阻害することによって、表皮や真皮の肥厚を抑制して小じわを効果的に防止または改善し得ることが示唆された。また、光老化マウスモデルでしわ形成抑制効果を示したMMP阻害剤のCGS27023Aが、小じわマウスモデルではしわ形成を抑制できなかったことから、本発明におけるADAMを阻害する物質によるしわ形成の抑制が、MMP阻害剤とは別の機構による作用であることが示唆された。
新規なADAM活性阻害物質の探索および抗しわ効果の評価
次に、ADAM活性を阻害する新規な化合物を探索し、小じわマウスモデルにおいてその抗しわ効果を評価した。化合物の配合量は特に断りのない限り質量%である。
(1)ADAM活性阻害物質のスクリーニング
まず、HB-EGF-AP/HT-1080(ヒトHB-EGFのN末端に耐熱性アルカリフォスファターゼ(AP)を付加した融合蛋白質を強制的に発現するように改変したヒト線維肉腫由来培養細胞HT-1080)を用いてADAM酵素阻害活性を有する化合物のスクリーニングを行った。用いた細胞株HB-EGF-AP/HT-1080の細胞表面上にはアルカリフォスファターゼと融合した形でHB-EGF全長分子が発現している。この細胞をホルボールエステルで刺激すると、細胞膜表面上のADAM酵素が活性化されてHB-EGF分子を切断する。切断されて遊離型となったHB-EGFにはアルカリフォスファターゼが結合しているため、培養上清中のアルカリフォスファターゼ活性を測定することで化合物のADAM酵素阻害活性を間接的に測定できる。
具体的には、2.0 x 105 cells/ml になるように細胞数を調整したHB-EGF-AP/HT-1080を96ウェル培養用マイクロプレートに0.2 ml/wellずつ播種し、37℃で一晩培養した。培地を除去しPBS(-)で洗浄後、被験物質を含む培地を0.1 ml/wellずつ添加し、37℃で30分間インキュベートして前処置した。その後、培養上清を除去し、再度被験物質と60 nM TPA(ホルボールエステル:12-o-Tetradecanoylphorbol-acetate; Sigma P8139)を含む培地を0.2 ml/wellずつ添加し、さらに60分間インキュベートして処置した。処置終了後の各ウェルの培養上清0.1 mlをアルカリフォスファターゼ活性測定用マイクロプレートのウェルに移し、65℃にて10分間インキュベートし、内在性のアルカリフォスファターゼを失活させた。1 mg/ml のAP基質(p-nitrophenylphosphate,Wako; 141-02341)を0.1 ml/wellずつ各ウェルに添加し、直ちに各ウェルの405 nmでの吸光度を測定した。遮光して室温にて2時間インキュベートしたのち、再び各ウェルの405 nmでの吸光度を測定した。2時間インキュベート後の吸光度からAP基質添加直後の吸光度を減じたものを各ウェルの吸光度とした。0% 阻害コントロール(TPAのみを含む培地)の吸光度をA0、100% 阻害コントロール(培地のみ)の吸光度をA100、試料の吸光度をASとし、以下の式により阻害率(%)を算出した:

阻害率(%) = (A0-AS)/(A0-A100) * 100
その結果、4-メトキシベンゾヒドロキサム酸(4-Methoxybenzohydroxamic acid)に高いHB-EGF遊離抑制効果が認められ、ADAM活性を阻害することが示唆された。4-メトキシベンゾヒドロキサム酸の構造式を以下に示す。またその遊離阻害率を表4に示す。
(2)ADAM活性阻害物質の抗しわ効果の評価
次に、小じわマウスモデルを用いて、ADAM活性阻害物質であるTAPI-1および4-メトキシベンゾヒドロキサム酸の抗しわ効果について検討した。
ヘアレスマウス(HR-1, 雄6週齢、星野実験動物)の左側背部に経皮水分蒸散量(TEWL)(水分蒸散量測定装置MEECO;Meeco社、USAを用いて測定)が4-8mg/cm2/hになるようにテープストリッピングを週3回、4週間継続して行い、テープストリッピング処置直後に毎回、TAPI-1または4-メトキシベンゾヒドロキサム酸をそれぞれマウス左側背部に100μlずつ塗布した。4-メトキシベンゾヒドロキサム酸は、1%になるように50%エタノール水溶液に溶解させたものを用いた。またTAPI-1 (ペプチド研究所)は1mM の濃度で評価した。さらに、陰性対象として50%エタノール水溶液(Vehicle)を同様に塗布した。
4週間後のしわの発生状況を視感判定によりスコア化した。しわの発生状況の評価基準は「しわなし;0」、「うすいしわ;1」、「明らかなしわ;2」、「深いしわ;3」とし、0.5刻みで点数化した。評点が大きいほどしわが深いことを示す。各群の平均値および標準偏差を算出し、結果を図5に示す。
Vehicleのスコアが平均値で1.17であるのに対して、TAPI-1は0.43、4-メトキシベンゾヒドロキサム酸は0.91であり、それらADAM活性阻害物質はいずれもVehicleと比較して有意なしわ抑制効果を示した。
次に、マウス背部のレプリカをしわ解析装置(浜野エンジニアリング)を用いて解析し、しわ面積(%)を算出した。しわ面積のパーセンテージが低いほどしわ形成が抑制されていることを表す。結果を図6に示す。
図6より明らかなように、TAPI-1および4-メトキシベンゾヒドロキサム酸のしわ面積(%)の平均値はVehicleよりも有意に低く、それらADAM活性阻害物質は高いしわ抑制効果を示した。
これらの結果から、ADAM活性阻害物質であるTAPI-1および4-メトキシベンゾヒドロキサム酸は、ADAM酵素を阻害することにより表皮増殖因子であるHB-EGFの遊離を抑制し、しわを防止または改善し得ることが示唆された。
図1は、表皮におけるADAMの活性阻害によりしわを防止または改善する機構について説明した概略図 図2は、テープストリッピングを施したマウス皮膚のレプリカ画像(図2A)、および皮膚組織切片をHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色したものの顕微鏡写真(図2B) 図3は、小じわマウスモデルにおける、ADAM-9、ADAM-17、HB-EGF、およびAmphiregulinの遺伝子発現の変化を示す 図4は、小じわマウスモデルにおいて、各薬剤を塗布した皮膚のレプリカ画像(図4A)、および皮膚組織切片をHE(ヘマトキシリン−エオジン)染色したものの顕微鏡写真(図4B) 図5は、視感判定でのADAM活性阻害物質の抗しわ効果を示すグラフ 図6は、しわ面積(%)でのADAM活性阻害物質の抗しわ効果を示すグラフ

Claims (7)

  1. 皮膚に存在するADAM(a disintegrin and metalloprotease)の活性を阻害する物質からなるしわ防止または改善剤であって、該ADAMの活性を阻害する物質が4−メトキシベンゾヒドロキサム酸であることを特徴とするしわ防止または改善剤。
  2. 前記ADAMがADAM-9、ADAM-10またはADAM-17であることを特徴とする請求項1記載のしわ防止または改善剤。
  3. しわを防止または改善する美容方法であって、皮膚に存在するADAMの活性を阻害する物質を皮膚に適用することを含み、該ADAMの活性を阻害する物質が4−メトキシベンゾヒドロキサム酸であることを特徴とする美容方法。
  4. 前記ADAMがADAM-9、ADAM-10またはADAM-17であることを特徴とする請求項3記載の美容方法。
  5. 抗しわ物質のインビトロスクリーニング方法であって、ヒトまたは動物の皮膚細胞に被験物質を接触させ、前記細胞におけるADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを検出し、ADAMの酵素活性または遺伝子発現レベルを指標として抗しわ物質を特定することを特徴とする方法。
  6. 前記ADAMがADAM-9、ADAM-10またはADAM-17であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 表皮細胞を用いることを特徴とする請求項5または6記載の方法。
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