JP4575868B2 - しわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤および毛穴縮小剤 - Google Patents

しわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤および毛穴縮小剤 Download PDF

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Description

本発明はしわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤および毛穴縮小剤に関する。
さらに詳しくは、本発明は、乾燥等によりバリア機能が低下する際に惹起される皮膚の肥厚を抑制してこれらバリア機能低下に起因するしわ、特に小じわを予防・改善するしわ改善剤、皮脂が原因の不全角化を抑制する不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤、および毛穴周囲の皮膚を正常に保ち、毛穴のすり鉢状構造の目立ちを抑える毛穴縮小剤に関する。
皮膚の最外層に位置する角層は細菌や有害物質などの異物の接触や浸透から生体を保護すると共に、体内からの水分蒸散を防ぐことによって皮膚を健常な状態に保持するバリア機能を有する。過度の水仕事や冬場の乾燥、近年では夏場のクーラーの効き過ぎ等によりバリア機能が低下すると、皮膚表面からの経表皮水分蒸散量(trans epidermal water loss:TEWL)が増加し、相対的に角質水分量が低下する。角層水分量の低下により皮溝、皮丘から成る皮紋(きめ)が不規則化すると、皮膚はかさかさした肌荒れ状態を呈する(非特許文献1参照)。
小じわはこの肌荒れが慢性的に続くことにより、不規則になった皮紋が一定方向に流れてできると考えられており、実際に角層水分量の少ない肌状態の人では小じわの面積率が高いことが報告されている(非特許文献2参照)。一般的には乾燥状態が続くと小じわ形成が促進されるといわれているが、季節的な影響の他にも、現代女性はエアコンの普及により夏場でも肌が常に乾燥した環境下に置かれており、20代後半あたりから小じわに対する悩みが増大する。
この皮膚バリア機能低下を防ぎ、皮膚表面からの水分蒸散、ひいては肌荒れや小じわの発生を予防或いは改善するため、グリセリンやNMF(natural moisturizing factor)関連成分、コラーゲン誘導体等の保湿成分を肌に塗布して皮膚の水分保持を高める方法、プラセンタエキス、ビタミン類などの細胞賦活成分を用いて角化細胞のターンオーバーを促進する方法等が提案されているが、小じわ形成メカニズムに合致し、保湿作用以上の優れた小じわ改善効果を有する薬剤はほとんど開発されていないのが現状であった。
一方、近年特に若い女性を中心として、毛穴の目立ちに関する悩みが増えており、この目立ちを改善する皮膚外用剤が求められてきた。しかし毛穴の目立ちが発達するメカニズムが充分明らかではないこともあり、収斂化粧水や角栓の除去による対応が一般的となっている。あるいはファンデーションで見た目の改善を図ることも多い。
しかしながら、例えば収斂化粧水は、肌を引き締めることを目的にしており、アルコールにより一時的に皮膚表面温度を下げたり、有機酸などにより、蛋白質を凝固させたりする作用による。そのため、皮膚への負荷が大きく、また毛穴の目立ちの根本的な解決となっておらず、その効果も充分ではなかった。
また、グリコール酸やアスコルビン酸誘導体に毛孔縮小効果があるという報告もある(非特許文献3参照)ものの、その作用メカニズムや効果の程度など、不明な点も多い。
また、角栓除去は毛穴に詰まった角栓を物理的に除去する方法である。この方法では、物理的な力が肌にダメージを与えることもあり、皮膚への副作用が問題となることがあった。またその効果も一時的で、角栓がすぐに再生してしまうことや、除去すると逆に毛穴が大きくなってしまうこともあり、必ずしも効果は充分ではなかった。
本発明者らは毛穴の目立つメカニズムについて検討を行った結果、毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分が毛穴として認識され、この部分が広いと目立つこと、さらにこのすり鉢状部分の角層が不全角化状態(本来消失しているはずの核が残存している)であることを明らかにした。したがって、不全角化の抑制が毛穴部分に作用し、毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分の角層の不全角化を抑制すれば毛穴として認識される面積が減少し、毛穴縮小剤として機能することを見出した。また、毛穴の目立つ人は皮脂量が多く、特に不飽和脂肪酸の比率が高いこと、この不飽和脂肪酸は不全角化を引き起こすことを明らかにした。このことから、毛穴の目立ちは皮脂中の不飽和脂肪酸が要因となっている可能性が高いことを見出した(非特許文献4および非特許文献5参照)。
本発明者らはすでに、毛穴の目立つメカニズムに関しては皮脂が原因で起こる不全角化が一因になっていること、したがって毛穴部分における不全角化を改善することにより毛穴として認識される面積が減少し、毛穴の目立ちが改善されることを明らかにし、これらの知見に基づいて新規な不全角化抑制剤及び毛穴縮小剤を見出している(特許文献1参照)。
特開2004−2289号公報 曽根俊郎ら、香粧会誌 Vol. 15 No.2 (1991) 芋川玄爾ら、Fragrance Journal 1992-11, 29-42 矢沢等、フレグランスジャーナル、2002年、30巻、2号、p54〜58 飯田等、第102回日本皮膚科学会総会プログラム・抄録、2003年、103、p846 Katsuta et al., Cosmetics & Toiletries magazine、2004年、119巻、10号、p59-64
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを改善するしわ改善剤、優れた不全角化抑制効果ならびに肌荒れ防止・改善効果を有する新規な不全角化抑制剤及び肌荒れ防止・改善剤、及び毛穴の縮小効果を有する毛穴縮小剤を提供することにある。
本発明は、シリアチンまたはその塩からなることを特徴とするしわ改善剤である。
本発明は、シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする不全角化抑制剤である。
本発明は、シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする肌荒れ防止・改善剤である。
本発明は、シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする毛穴縮小剤である。
我々はこれまでにヘアレスマウス背部にテープストリッピングを継続的に行ってバリア機能を低下させることによって小じわ様のしわを有する動物モデル(バリア破壊しわモデル)を確立した。このモデル動物では角層水分量がコントロールと比較して6割程度に低下していた。組織では表皮および真皮肥厚が顕著で、しわが回復すると肥厚も収まることから、しわ形成と表皮および真皮肥厚には相関性があると考えられた(第30回日本研究皮膚科学会にて発表)。
この小じわモデルを用いて小じわ改善薬剤のスクリーニングを試みたところ、バリア回復促進作用を有するグリシンが小じわ抑制作用を示したが、グリシンは有効濃度では皮膚に対し刺激性を有するため小じわ改善剤として化粧品に配合することはできない。そこでグリシン誘導体であるグリシルグリシンのしわ抑制効果について検討したところ、小じわ改善効果を見出した(特願2005−120160号参照)。さらにシリアチンの効果についても検討したところ、グリシルグリシンと同様の非常に良好な小じわ改善効果を有することを発見した。
本発明において、不全角化抑制剤の「不全角化」とは、次のことをいう。
即ち、表皮角化細胞は基底層で増殖し、上層に移行して成熟し角層となる。角層に変化する際には細胞内の核が消失して、細胞が扁平化する。ところが表皮角化細胞が細胞内に核を有した未熟な状態で角層中に存在することがあり、これを不全角化という。不全角化が起こると角層重層剥離を起こす。
角層重層剥離が原因で毛穴が拡大されるようになると、毛穴が目立つようになる。したがって、角層不全角化を抑制するということが毛穴部分に作用すると、毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分の角層の不全角化を抑制するということとなり、毛穴として認識される面積が減少する。よって、不全角化抑制剤は毛穴縮小剤としても機能し、毛穴の目立ちを改善することができる。
本発明のしわ改善剤は、乾燥等によりバリア機能が低下した際に誘導されるしわ、特に小じわを改善することができる。
本発明の不全角化抑制剤は、角層の不全角化状態を抑制・改善する効果の高いものである。
本発明の肌荒れ防止・改善剤は、角層の剥離を防止し、肌荒れを防止・改善する効果の高いものである。
本発明の毛穴縮小剤は、角層の不全角化状態を抑制して毛穴を目立たなくさせる効果を有するものである。
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明で用いられるシリアチンは、下記化学式(1)で表わされる構造のものである。
〔化1〕
2N−CH2−CH2−PO32 ‥‥(1)
上記構造を有するシリアチンは、2−アミノエチルホスホン酸((2−Aminoethyl)phosphonic acid)の化学名で、1959年に反芻胃毛虫Rumen ciliateから見出された化合物である。一般にシリアチンは遊離状態では存在せず、生体内の脂質、タンパク質、核酸などの成分として幅広く含有されている(杉田陸海、オレオサイエンス、2003年、3巻、12号、p653−661参照)。生体内に含有されていることから、安全性が良好である。また、チロシナーゼ活性阻害を有すること(特公平4−69122公報参照)及びACE酵素阻害活性作用を有すること(玉利正人、第25回C−P化合物研究会 要旨集、2002年参照)が知られているが、抗シワ効果、不全角化抑制効果、肌荒れ防止・抑制効果、毛穴縮小効果を有することはこれまでに知られていない。
本発明に係るシリアチンは、公知の方法により合成することができる。また、動植物や微生物等から抽出・精製しても良い。また、本発明のシリアチンは公知の方法により無機塩または有機塩とすることができる。
本発明に用いられるシリアチンの塩としては、特に限定されないが、例えば無機塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等が挙げられる。有機塩としては、メチルアミン塩、ピリジン塩、トリメチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチル硫酸塩、p−トルエンスルフォン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ベタイン塩、グリシン塩、セリン塩、タウリン塩などが挙げられるが、本発明はこれに限らない。本発明においては、前記シリアチン及び/又はその塩が用いられる。
本発明に係るシリアチン並びにその塩は、いずれも後で証明するように優れた小じわ改善効果、不全角化抑制効果、肌荒れ防止・改善効果、毛穴縮小効果を有する。したがって、本発明に係るシリアチン又はその塩は、しわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤、毛穴縮小剤として有用である。
本発明の前記しわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤及び毛穴縮小剤は極めて応用範囲が広く、種々の分野に応用することができる。例えば皮膚外用剤としての応用が可能であり、具体的には、医薬部外品を含む化粧料、医薬品、食品等が挙げられる。
すなわち、シリアチン又はその塩は、小じわ改善成分、不全角化抑制成分、肌荒れ防止・改善成分、毛穴縮小成分として皮膚外用組成物に配合され、皮膚に対して優れた効果を発揮するしわ改善用皮膚外用剤、不全角化抑制用皮膚外用剤、肌荒れ防止・改善用皮膚外用剤、毛穴縮小用皮膚外用剤に調製される。
本発明に係るしわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤、毛穴縮小剤、すなわちシリアチン又はその塩を皮膚外用剤に配合する場合の含有量は、シリアチン又はその塩が溶解する範囲であれば特に限定されないが、シリアチン又はその塩の量として、本発明に係る皮膚外用剤全量中、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。
本発明の薬剤を配合した皮膚外用剤は、常法に従って製造すればよく、また皮膚外用剤を構成する成分として、シリアチン及び/又はその塩単独でも調製可能であるが、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油分、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、活性酸素消去剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、pH調整剤、中和剤等必要に応じて適宜配合される。
上記任意配合成分のうち、油分としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンサルコール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等の分岐鎖アルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、固形パラフィン、ビースワックス、硬化ヒマシ油、カルナウバロウ、バリコワックス等のワックス、牛脂、豚脂、羊脂、スクワラン、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油、ホホバ油、ヒマシ油、ラノリン等の動植物油脂、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリメチルプロパントリイソステアレート、イソプロピルミリステート、グリセロールトリ−2−エチルヘキサネート、ペンタエリスリトールテトラ−2−エチルヘキサネート、シリコーン油、ポリオキシエチレン(以下、POEとも記載する。)ポリオキシプロピレン(以下、POPとも記載する。)ペンタエリスリトールエーテル等の合成油等が挙げられる。
界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン界面活性剤;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン界面活性剤等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、シトステロール、ラノステロール等が挙げられる。
増粘剤としては、アラビアゴム、トラガントカム、ガラクタン、キャロプガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POE・POP共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等の水溶性高分子等が挙げられる。
キレート剤としては、シトラマル酸、アガル酸、グリセリン酸、シキミ酸、ヒノキチオール、没食子酸、タンニン酸、コーヒー酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ならびにこれらの類似体ならびにこれらのアルカリ金属塩およびカルボン酸エステル等が挙げられる。
活性酸素消去剤としては、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、カタラーゼ、β−カロチン、バイカリン、バイカレイン、ハイドロキノン誘導体、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、没食子酸、没食子酸誘導体、2−O−エチルアスコルビン酸、プロアントシアニジン、セサミン、エピセサミン、メリッサ抽出物、エンメイソウ抽出物、セージ抽出物、ローズマリー抽出物、エレウテロコック抽出物、イチョウ抽出物、チョウジ抽出物、クジン抽出物、ハマメリス抽出物、ソウハクヒ抽出物、バジル抽出物、オタネニンジン抽出物、トウキ抽出物、オウゴン抽出物、センキュウ抽出物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等が挙げられる。
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等が挙げられる。
薬効成分としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン等の美白剤、エストラジオール等のホルモン類;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。さらに多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。すなわちドクダミエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ボタンピエキス、ヘチマエキス、ユキノシタエキス、ユーカリエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ヤグルマギクエキス、海藻エキス、タイムエキス等が挙げられる。
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、カロチノイド等が挙げられる。
上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
本発明の薬剤を配合した皮膚外用剤は、医薬品,医薬部外品(軟膏剤,歯磨剤等)及び化粧品[洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等]の形態に広く適用可能である。なお、これらの形態に、上記皮膚外用剤の取り得る形態が限定されるものではない。
また、剤型も水溶液系,可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水―油2層系、水―油―粉末3層系等、幅広い剤型を取り得る。
本発明の薬剤を配合した皮膚外用剤を使用することにより、しわ、特に小じわを改善すると共に、肌荒れを防止し、不全角化を抑制して肌状態を改善し、また毛穴を縮小することで毛穴の目立ちを抑えた若々しくみずみずしい肌を提供することが可能である。
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ここで、配合量は質量%である。
実施例に先立ち、本発明のしわ改善剤、不全角化抑制剤、肌荒れ防止・改善剤、及び毛穴縮小剤の効果試験について述べる。
(1)しわ改善剤の効果試験(バリア破壊しわモデルを用いたシリアチンの小じわ改善効果測定方法)
ヘアレスマウス(HR−1, 雄6週齢、星野実験動物)の左側背部にTEWL(水分蒸散測定装置 Meeco(Meeco, USA)を用いて測定)が4〜8mg/cm2/hになるように調整しながらテープストリッピングを週3回、4週間継続して行い、毎回テープストリッピング処置直後に1%シリアチン/50%エタノール水溶液を100μlずつ塗布した。n数は6から7とした。ポジティブコントロールとして1mMグリシルグリシン/50%エタノール水溶液を用いた。
4週間後のしわの発生状況を4名の判定者が肉眼観察によりスコア化した。しわの発生状況は「しわなし;0」、「うすいしわ;1」、「明らかなしわ;2」、「深いしわ;3」とし、0.5刻みで点数化した。評点が大きいほどしわが深いことを示す。各群の平均値および標準偏差を算出して薬剤の効果を図1に示した。図1中、「GG」はポジティブコントロール(1mMグリシルグリシン/50%エタノール水溶液)の場合を示し、「Vehicle」は薬剤なし(50%エタノール水溶液)の場合を示す。図1より、グリシルグリシンとシリアチンは、Vehicleと比較して有意にしわ抑制効果を示すことがわかる。
次にマウス背部のレプリカをしわ解析装置(浜野エンジニアリング)によって解析し、しわ面積を算出した。しわ面積のパーセンテージが低いほどしわ形成が抑制されていることを表す。その結果を図2に示す。図2中、「GG」はポジティブコントロール(1mMグリシルグリシン/50%エタノール水溶液)の場合を示し、「Vehicle」は薬剤なし(50%エタノール水溶液)の場合を示す。図2に示すように、シリアチンはVehicleと比較して有意にしわ面積を抑制した。これらの結果からシリアチンは皮膚の肥厚を抑えることによってしわ形成を防止することが示された。
(2)肌荒れ改善および不全角化抑制効果試験(1)
シリアチンの1.5質量%水溶液(30質量%エタノールを含む)を調製した。なお、pHは1Nの水酸化カリウムを用いて7.0に調整した。
ヘアレスマウス(HR−1、オス6週齢、星野実験動物)の背部に10質量%オレイン酸(エタノールに溶解)100μLを塗布した。背部が乾いた後、30質量%エタノールまたは上記1.5質量%シリアチン水溶液を100μL塗布した。これを3日間継続し、その翌日経皮水分蒸散量(TEWL値)を測定した。各群4匹で実施した。塗布前との差を取り、それぞれの群での平均値を比較した。その結果を図3に示す。数値が小さいほど、肌荒れが改善していることを示す。図3中、OAはオレイン酸を示す。
また、塗布後に不全角化度も視感にて評価した。角層の剥離状態を観察し、0.0〜2.0まで0.25刻みで(数値の高いほど悪化を示す)判定を行い、その平均値を算出した。その結果を図4に示す。図4中、OAはオレイン酸を示す。
図3、図4から明らかなように、オレイン酸によって惹起される不全角化をシリアチンが有意に抑制し、かつ肌荒れを有意に改善する効果が認められた。
(3)不全角化抑制効果試験(2)
健常人男性5名の左腕前腕部に、10質量%オレイン酸80μLを丸型布片に染み込ませたパッチテスト用ばんそう膏(鳥居薬品)を貼布し、2時間閉塞を行った。剥離後、15質量%エタノール水溶液(対照)またはシリアチンの1.2質量%水溶液(15質量%エタノールを含む)を丸型布片に染み込ませたパッチテスト用ばんそう膏(鳥居薬品)を貼布し、さらに2時間閉塞を行った。これを3日間継続し、その翌日角層をテープ(12mm×17mm)で剥離し、ヘキスト33342で染色し、蛍光顕微鏡で有核細胞数を測定した。1〜4の4段階で不全角化度を評価した。目安は、レベル1が細胞数0〜50個、レベル2が51〜200個、レベル3が201〜500個、レベル4は501個以上とした。すなわち、数値が大きいほど不全角化度が大きい。判定の結果を表1に示す。
Figure 0004575868
表1から明らかなように、シリアチンに不全角化の抑制効果が認められた。
(4)ヒト毛穴縮小効果試験
健常人5人の男性頬部を用い、1ヶ月間1日100μLずつ3回試料を塗布する実験を行った。1.2質量%シリアチン水溶液(15質量%エタノールを含む)を塗布試料として調製した。なおpHは7.0になるように、1N水酸化カリウムで調整した。対照は15質量%エタノール水溶液を用い、1.2質量%シリアチン水溶液と対照試料を半面ずつ塗布した。
塗布連用前と連用後にレプリカを採取し、同一部位の毛穴の形状変化を、3次元レーザースキャン顕微鏡で観察した。毛穴の大きさは、視感判定により1〜13の13段階で評価し(数字が大きいほど毛穴が大きい)、塗布前後の評点の差(塗布後−塗布前)を算出して、各薬剤の有効性を検討した。視感判定の結果を表2に示す。
Figure 0004575868
表2から明らかなように、シリアチンに毛穴縮小効果が認められた。
以下に処方例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。調製された各製剤はいずれも、しわ改善用皮膚外用剤、不全角化抑制用皮膚外用剤、肌荒れ防止・改善用皮膚外用剤、及び毛穴縮小用皮膚外用剤として用いることができる。
[製剤例1]化粧水
成分 配合量(質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 4.0
(3)オレイルアルコール 0.1
(4)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(5)POE(15)ラウリルアルコールエステル 0.5
(6)エタノール 10.0
(7)シリアチン 3.0
(8)精製水 残余
(製法)
(8)に(1)および(2)を室温にて溶解し水相とした。(6)エタノールに他の成分を溶解し、先の水相に混合可溶化した。次いで(7)を添加した。その後濾過、充填し化粧水を得た。
[製剤例2]化粧水
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
(1)エタノール 10.0
(2)オレイルアルコール 0.1
(3)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(4)POE(15)ラウリルエーテル 0.5
(5)防腐剤 適量
(6)香料 適量
(水相)
(7)1,3−ブチレングリコール 6.0
(8)シリアチン 3.0
(9)グリセリン 4.0
(10)イオン交換水 残余
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合した。
[製剤例3]クリーム
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリルアルコール 6.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水添ラノリン 4.0
(4)スクワラン 9.0
(5)オクチルドデカノール 10.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)ポリエチレングリコール1500 4.0
(8)POE(25)セチルアルコールエステル 3.0
(9)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(10)シリアチン塩酸塩 0.2
(11)トコフェロール 0.1
(12)精製水 残余
(製法)
(12)に(6)、(7)を加え70℃に加熱調整する。(1)〜(5)を加熱溶解後、(8)〜(9)(11)を加え70℃に調整する。ここに(10)を添加する。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にし、脱気・濾過・冷却してグリームを得た。
[製剤例4]クリーム
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 5.0
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)イソプロピルミリステート 18.0
(4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)シリアチン 3.0
(7)水酸化カリウム 0.2
(8)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール、シリアチン及び水酸化カリウムを加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加えて予備乳化し、ホモミキサーで均一に乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
[製剤例5]クリーム
成分 配合量(質量%)
ステアリン酸 6.0
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
プロピレングリコール 10.0
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワレン 5.0
シリアチン 0.01
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
[製剤例6]美容液
成分 配合量(質量%)
(A相)
(1)エチルアルコール(95%) 10.0
(2)POE(20)オクチルドデカノール 1.0
(3)パントテニルエチルエーテル 0.1
(4)ASDA・4Na 1.5
(5)メチルパラベン 0.15
(6)エタノール 10.0
(B相)
(7)水酸化カリウム 0.1
(C相)
(8)グリセリン 5.0
(9)ジプロピレングリコール 10.0
(10)シリアチン塩酸塩 1.0
(11)カルボキシビニルポリマー 0.2
(12)精製水 残余
(製法)
(6)エタノールに(5)メチルパラベンと香料を加え、溶解した(アルコール相)。(12)精製水にこのアルコール相およびその他の成分を加え可溶化し、充填した。
[製剤例7]美容液
成分 配合量(質量%)
(A相)
95%エタノール 10.0
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
メチルパラベン 0.15
パントテニルエチルエーテル 0.1
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
シリアチン 2.0
イオン交換水 残余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いでB相を加えて混合した。
[製剤例8]乳液
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 5.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
(6)PEG1500 3.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)シリアチン 1.0
(9)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(10)エチルパラベン 0.3
(11)カルボキシビニルポリマー 0.05
(12)香料 適量
(13)イオン交換水 残余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解した(A相)。イオン交換水の残部にPEG1500、シリアチン及びトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
[製剤例9]ジェル
成分 配合量(質量%)
(1)95%エタノール 10.0
(2)ジプロピレングリコール 15.0
(3)POE(15モル)オレイルアルコールエーテル 2.0
(4)サルコシン 0.5
(5)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(6)シリアチン 0.5
(7)カルボキシビニルポリマー 1.0
(8)苛性カリ 0.15
(9)L−アルギニン 0.1
(10)香料 適量
(11)防腐剤 適量
(12)精製水 残余
(製法)
(12)に(4)および(7)を均一に溶解した(水相)。一方、(1)に(2)、(3)、および(5)、(6)、(10)を溶解し、これを水相に添加した。次いで(8)、(9)で中和させ増粘して、ゼリーを得た。
[製剤例10]ジェル
成分 配合量(質量%)
(1)95%エタノール 10.0
(2)ジプロピレングリコール 15.0
(3)POE(50)オレイルエーテル 2.0
(4)カルボキシビニルポリマー 1.0
(5)水酸化ナトリウム 0.15
(6)シリアチン 1.0
(7)メチルパラベン 0.2
(8)香料 適量
(9)イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均一に溶解した(A相)。95%エタノールにグリシルグリシン、シリアチン塩酸塩及びPOE(50)オレイルエーテルを溶解し、A相に添加した。水酸化ナトリウム以外の成分を添加後、水酸化ナトリウムを添加して中和増粘させた。
[製剤例11]パック
成分 配合量(質量%)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
シリアチン 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール(ケン化度90,重合度2000) 13.0
エタノール 7.0
イオン交換水 残余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いでこれをC相に加えて混合した。
[製剤例12]ピールオフ型パック
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
95%エタノール 10.0
POE(15モル)オレイルアルコールエーテル 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
(水相)
シリアチン 0.5
グルタチオン 3.0
アルブチン 3.0
ポリビニルアルコール 12.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
イオン交換水 残余
(製法)
80℃にて水相を調製し、50℃に冷却した。次いで、室温で調製したアルコール相を添加後均一に混合し、放冷した。
[製剤例13]粉末入りパック
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
95%エタノール 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
色剤 適量
(水相)
シリアチン 1.0
プロピレングリコール 7.0
亜鉛華 25.0
カオリン 20.0
イオン交換水 残余
(製法)
室温にて水相を均一に調製した。次いで、室温にて調製したアルコール相を添加し均一に混合した。
[製剤例14]粉末入りパック
成分 配合量(質量%)
(アルコール相)
95%エタノール 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
色剤 適量
(水相)
シリアチン塩酸塩 0.2
プロピレングリコール 7.0
亜鉛華 25.0
カオリン 20.0
イオン交換水 残余
(製法)
室温にて水相を均一に調製した。次いで、室温にて調製したアルコール相を添加し均一に混合した。
[製剤例15]固形パウダリ−ファンデ−ション
成分 配合量(質量%)
(1)タルク 15.0
(2)セリサイト 10.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)多孔性無水ケイ酸粉末 15.0
(5)窒化ホウ素 5.0
(6)二酸化チタン 5.0
(7)酸化鉄 3.0
(8)ステアリン酸亜鉛 5.0
(9)シリアチン 1.0
(10)流動パラフィン 残余
(11)トリイソオクタン酸グリセリン 15.0
(12)セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 適量
(14)香料 適量
(製法)
(1)〜(8)の各成分を混合粉砕したところへ、(9)〜(14)の各成分を混合したものを加えて攪拌混合し、容器に成型して固形ファンデ−ションを得た。
[製剤例16]油中水型乳化ファンデ−ション
成分 配合量(質量%)
(1)球状ナイロン 10.0
(2)多孔性無水ケイ酸粉末 8.0
(3)雲母チタン 2.0
(4)シリコーン処理セリサイト 2.0
(5)シリコーン処理マイカ 12.0
(6)シリコーン処理二酸化チタン 5.0
(7)シリコーン処理酸化鉄 2.0
(8)イオン交換水 残余
(9)シリアチン 2.0
(10)デカメチルシクロペンタンシロキサン 18.0
(11)ジメチルポリシロキサン 5.0
(12)スクワラン 1.0
(13)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(14)防腐剤 適量
(15)香料 適量
(製法)
(9)〜(15)の各成分を均一に混合溶解したものに、混合粉砕した(1)〜(7)を加えて分散させた。この分散液に、(8)を加えて乳化し、容器に充填して油中水型乳化ファンデ−ションを得た。
シリアチンを用いた場合のしわの発生状況をグリシルグリシンを用いた場合と共に、視感判定して示す図である。 シリアチンを用いた場合のしわ面積をグリシルグリシンを用いた場合と共に示す図である。 シリアチンを用いた場合の経皮水分蒸散量(TEWL値)の測定値を示す図である。 シリアチンを用いた場合の不全角化度を視感判定した結果を示す図である。

Claims (4)

  1. シリアチンまたはその塩からなることを特徴とするしわ改善剤。
  2. シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする不全角化抑制剤。
  3. シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする肌荒れ防止・改善剤。
  4. シリアチンまたはその塩からなることを特徴とする毛穴縮小剤。
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