JP4776111B2 - 製氷機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製氷、排水及び除氷の動作を含む製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、製氷板を上下方向に立てて配置し、製氷板の表面に製氷水を流して氷を製造するいわゆる流下式製氷機がある。かかる流下式製氷機では、製氷板に流された製氷水のうち氷結に至らなかった分は、製氷水タンクに戻され、再度製氷板へ供給される循環態様が採用されていた。このため、製氷水の循環が進むにつれて製氷水の中に含まれるミネラル分は濃縮され、できあがる氷が白濁する問題がある。よって、従来は、製氷工程の終了毎に製氷水の排水を行う排水工程が実施されていた。また、排水方法については専用の排水ポンプを用いて排水を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の排水態様は、製氷工程と除氷工程との間に排水工程を用意して排水を行っていたため、各工程が一巡するサイクルが長期化する問題があった。
従って、本発明は、各工程が一巡するサイクルを短縮させながら製氷水の排水を行うことができる製氷機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の製氷機は、製氷工程に氷を製造する製氷部と、製氷水を貯える製氷水タンクと、製氷水タンク内の製氷水を製氷部に供給する供給管と、供給管を介して製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて製氷部の除氷を行う除氷手段と、製氷部から落下した製氷水を製氷水タンクに案内するガイドとを備え、排水手段は、ガイドと製氷水タンクとの間に設けられ且つ製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように貯水部又は排水部に傾くことが可能なガターを有し、ガイドは、動作可能な仕切板を有し、仕切板は、動作することによって、ガターが貯水部又は排水部に傾くようにガイドからガターへの製氷水の流下場所を変更することを特徴とする。
また、本発明の製氷機は、製氷工程に氷を製造する製氷部と、製氷水を貯える製氷水タンクと、製氷水タンク内の製氷水を供給する供給管と、供給管を介して製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて製氷部の除氷を行う除氷手段とを備え、排水手段は、製氷部と製氷水タンクとの間に設けられ且つ製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように動くガターと、ガターに設けられた水タンクと、水タンクに水を供給するウォーターバルブとを有し、水タンクは、水が溜められることによってガターを傾けることを特徴とする。
また、本発明の製氷機は、製氷工程に氷を製造する製氷部と、製氷水を貯える製氷水タンクと、製氷水タンク内の製氷水を供給する供給管と、供給管を介して製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて製氷部の除氷を行う除氷手段とを備え、排水手段は、製氷部と製氷水タンクとの間に設けられ且つ製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように動き、一方の端部が塞がれた溝状をしたガターと、ガターに連結されてガターの上方でガターを支持する揺動可能な支持用アームと、駆動用アームを介してガターに連結される駆動手段とを有し、ガターは、駆動手段により支持用アームと共に移動することによって、製氷部から流下する製氷水を遮断したとき貯水部又は排水部の一方に製氷水を案内し、製氷部から流下する製氷水を遮断しないとき貯水部又は排水部の他方に製氷水を流下させることを特徴とする。
また、ガターの排水部側には製氷水をためてガターの傾動を助け且つ製氷水の水力を受けてガターの傾きを維持するガードが設けられていてもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係る製氷機を示す。また、図2に製氷機の構成を概念的に示す。なお、図1では、後述するガターなどの製氷水振り分けに関する機構の図示を省略している。図1及び図2を参照すると、製氷機1には、製氷部として上下方向に立てて配置される複数の製氷板3が設けられている。この製氷板3の表面には製氷水が流され、裏面には蒸発器である冷却管5が取り付けられている。冷却管5は圧縮機7などと共に冷凍回路9を構成する。それぞれの製氷板3の下方には、製氷板3にて氷結に至らずに落下する製氷水を集める集水樋11が設けられている。複数の集水樋11の下方には、全集水樋11の下流端から落下する製氷水を受けるガイド13が設けられている。ガイド13の下方には、製氷水タンク15が設けられている。製氷水タンク15の内部は、区画壁15aによって貯水部17と排水部19とに区分けされている。排水部19とガイド13との間には、ガター21が設けられている。貯水部17の下部には、貯水部17内の製氷水を製氷板3に供給する供給管23の一端が接続されている。供給管23の他端は、製氷板3上方に設けられている図示しない散水手段に接続されている。供給管23途中には、製氷水ポンプ24が設けられている。
【0006】
次に、ガイド13やガター21の周辺部の構造について図3及び図4をもとに説明する。ガター21は、長方形の底壁21aと、その底壁21aの長辺から立ち上がる一対の側壁21bとを備えている。ガター21は、ガイド13の延長方向とほぼ平行なロッド25によって回動可能に支持されている。ガター21はロッド25の右側部分(図3及び図4においてみて)が左側部分よりも長くなるように構成されており、換言するならガター21の重心がロッド25の右側に位置するようになっている。また、底壁21aの短辺には側壁がなく、底壁21aの右端21cは貯氷部17の上方に配置されており、左端21dは排水部19の上方に配置されている。よって、ガター21は、そこに何ら荷重が作用していない場合には、右端21cが左端21dよりも下方に位置するように水平方向から傾いており、ガター21のロッド25の左側部分に一定以上の水圧が作用しない限り、ガター21に落下した製氷水は、右端21cから貯水部17に落下するようになっている。ガイド13の出口13a付近には、製氷水の流れ方向を制御する仕切板27が回動可能に設けられている。仕切板27の下流端27aの左面には第1のばね29の一端が取り付けられ、仕切板27の右面には第2のばね31の一端が取り付けられている。第1のばね29の他端にはソレノイド33が接続されている。仕切板27は、左右両面に接続されたばね29,31の弾性力の釣り合いにより、ソレノイド33の非作動状態ではガイド13の延長方向とほぼ同方向を向くようになっている。
【0007】
次に、以上に説明した製氷機の動作について説明する。製氷工程が始まると、製氷水ポンプ24が起動し貯水部17内の製氷水が供給管23を通って製氷板3の表面に流される。また、圧縮機7が起動し冷却管5内に低温冷媒が流される。これにより、製氷板3の表面には徐々に氷が形成される。製氷板3に流された製氷水のうち氷結に至らなかった分は、製氷板3の下端から集水樋11に落下し、集水樋11を流れた後、さらにガイド13に落下する。ガイド13に落下した製氷水はガイド13を流れてガター21へ落下する。このとき、ガター21は上記のように左側部分に一定以上の水圧が作用しない限り右端21cが下がっている。よって、ガター21に落下した製氷水は右端21cから貯水部17へ落下し、上記のように再度、製氷に供される。製氷工程の前半は、このような製氷水の循環が行われる。尚、図3及び図4、さらに後述する図5及び図6における二点鎖線は水の流れを示す。
【0008】
次に、製氷板3の温度が所定温度になると排水工程も開始され、ソレノイド33が図5及び図6に示されるように第1のばね29を介して仕切板27を左側へと引っ張る。これにより、仕切板27は時計方向に回転し、その下流端27aがガター21のロッド25より左側部分の上方に位置し、上流端27bがガター21のロッド25より右側部分に対応する位置へ移動する。よって、ガイド13を流れる製氷水は、仕切板27によって左側へと案内されガター21のロッド25より左側部分に落下する。そして、ガター21は、仕切板27により案内された多量の製氷水の落下による水圧によって、反時計方向(図3、図5においてみて)に回転し、図5及び図6に示されるように左端21dが右端21cよりも下方に下がる。すなわち、ガター21の重心とロッド25との位置関係、さらに仕切板27の位置及び回転範囲は、仕切板27によって案内された製氷水の落下による水圧でガター21が回転できるように設定するものとする。ガター21の上記の回転により、ガター21に落下した製氷水は、左端21dから排水部19に落下する。排水部19には図示しないオバーフロー管が設けられており、排水部19内の製氷水は、かかるオバーフロー管より装置外へと排水される。このように、本実施の形態においては、製氷工程の後半に排水工程も行われる。排水工程が始まっても、製氷水ポンプ24及び圧縮機7は稼動しており、製氷水の製氷板3への供給及び冷媒の循環は継続される。また、上記の排水工程は、製氷板3の温度が所定温度になったときから始まり、製氷工程の終了まで継続される。このように、本実施の形態では、排水専用のポンプを設けずに製氷水ポンプを駆動させて排水を行う。よって、時間的に長くない排水工程のためだけに専用の排水ポンプを用意し、使用時間の割にはコストがかかり過ぎるといった問題や、製氷水ポンプが正常でも排水専用のポンプにトラブルが生じてそのために排水が不可能になるといった問題もない。なお、排水工程は、製氷板3の温度を基準に開始する態様には限定されず、製氷水タンク15の貯水部17の水位を基準に開始する態様でも良い。
【0009】
製氷工程の終了(それによって排水工程も終了)とほぼ同時に、除氷手段による除氷が行われる。なお、ガター21は、製氷工程が終了するとガター21の重心とロッド25との位置関係により、右端21cが下がったもとの状態に自然に戻る。本実施の形態では、除氷は、冷却管5へのホットガスの供給により行われる。冷却管5に供給されたホットガスにより、氷は、製氷板3との接触部が僅かに融解して除氷される。このように本実施の形態では、図7のように製氷工程の後半に吐出量が多い製氷水ポンプを用いて排水工程が行われ且つ製氷工程終了直後に除氷工程が開始されるので、従来のように製氷工程終了後に排水工程が始まり、排水工程の終了後に除氷工程が始まる場合よりも、各工程が一巡するサイクルを短縮することができ、製氷量の増大を図ることもできる。なお、除氷手段としては上記のホットガスによる態様に限定されるものではなく、他の態様、例えば除氷水を製氷部3の裏面に流す態様でもよい。
【0010】
実施の形態2.
図8〜図11をもとに本発明の実施の形態2に係る製氷機について説明する。実施の形態1では、仕切板27により製氷水の落下位置を変更し、それによりガター21を回転させていたが、本実施の形態2では、ウォーターバルブから流出する水を用いてガターを回転させる。すなわち、ガター41はガイド13の延長方向とほぼ直交するロッド45によって回動可能に支持され、ガター41の第1端41aは貯水部17の上方に位置し、第2端41bは排水部19の上方に位置する。ガター41の側壁にはロッド47が突設されている。ロッド47には、小タンク49がロッド47に対して回動可能に遊嵌されている。小タンク49は、矩形の底壁と、底壁の各辺から立ち上がる側壁とを備えている。小タンク49の底壁には、小孔51が穿設されている。小タンク49の上方には、小タンク49に水を供給するウォーターバルブ53が設けられている。
【0011】
次に、本実施の形態の動作について説明する。上記実施の形態1と同様な開始終了基準で製氷工程の途中から製氷工程の終了まで以下のようにして排水工程が行われる。排水工程前には、実施の形態1と同様にロッド45の位置とガター41の自重位置とのバランスによって第1端41aが下方に下がっている。排水工程が開始されると、ウォーターバルブ53から小タンク49に放水される。小タンク49の小孔51を通過可能な流量は毎分0.5リットル以下であり、ウォーターバルブ53からの放水量は毎分2〜5リットル程度なので、小タンク49には水が溜まる。そして、その重さによって、ガター41は第2端41bの方が第1端41aよりも下方に下がるように回転する。これにより、ガイド13を流れてきた製氷水は、ガター41に落下した後、第2端41bより排水部19に流下し、排水される。また、小タンク49に溜められた水は、小孔51を介して徐々に貯水部17に落下し、製氷水として用いられる。排水を停止する場合には、ウォーターバルブ53からの放水を停止させる。それにより、小タンク49内の水は小孔51から徐々に抜けていき、上述したロッド45の位置とガター41の自重位置とのバランスによってガター41は自然に第1端41aが下がった位置に戻る。
【0012】
実施の形態3.
図12〜図15をもとに本発明の実施の形態3に係る製氷機について説明する。実施の形態1及び2では、水圧(水の重さも含む)を利用してガターを回転させていたが、本実施の形態3では、モータにより直接回転させる。ガター61は、排水状態ではない姿勢において、矩形の底壁61aと、貯水部17の上方に位置する辺を除く底壁の3辺から立ち上がる側壁61bとを備えている。ガター61は、モータ63の回転軸65に一体的に固定されている。回転軸65の先端は、ブラケット67に支持されている。次に、本実施の形態の動作について説明する。上記実施の形態1及び2と同様な開始終了基準で製氷工程の途中から製氷工程の終了まで以下のようにして排水工程が行われる。排水工程前には、ガイド13からガター61に落下する製氷水は、ガター61の開放端61cから貯水部17に落下する。一方、排水工程が開始されると、図14及び図15に示されるようにモータ63によってガター61が回転される。ガター61の形状に関し、かかる回転前の底壁61aはガイド13の下流端の下方にあり、回転後の側壁61bの高さはガイド13の先端から排水部19までの製氷水落下経路に側壁61bが位置しないような高さに設定されている。よって、上記のガター61の回転後は、ガイド13から落下する製氷水は2点鎖線で示されるようにガター61に入ることなく排水部19まで落下し、排水される。
【0013】
実施の形態4.
図16〜図17をもとに本発明の実施の形態4に係る製氷機について説明する。実施の形態3のモータに代え、本実施の形態4は、ソレノイドでガターを回転させる。ガター71は、上部が開放され且つ貯水部17の上方に位置する側部も開放された容器状の部材であり、ブラケット73により回転可能に支持されている。ガター71には、上下方向に延長するアーム75の一端が接続されており、アーム75の他端にはソレノイド77が接続されている。ガター71は、ソレノイド77の非作動状態においては自重位置及び支持位置のバランスにより開口が上を向くように構成されている。次に、本実施の形態の動作について説明する。上記実施の形態1〜3と同様な開始終了基準で製氷工程の途中から製氷工程の終了まで以下のようにして排水工程が行われる。排水工程前には、ガイド13からガター71に落下する製氷水は、ガター71側部の開放から貯水部17に落下する。一方、排水工程が開始されると、図17に示されるようにソレノイド77が作動し、ガター71にはアーム75を介して上向きに引き上げられるような力が作用して回転する。ガター71は、回転前はガイド13の下流端から落下する製氷水を受けることができる形状であって、回転後はガイド13の先端から排水部19までの製氷水落下経路に当該側部が位置しないような高さの側部を有する形状に設定されている。よって、上記のガター71の回転後は、ガイド13から落下する製氷水は2点鎖線で示されるようにガター71に入ることなく排水部19まで落下し、排水される。
【0014】
実施の形態5.
図18〜図21をもとに本発明の実施の形態5に係る製氷機について説明する。実施の形態1〜4ではガターを回転させていたが、本実施の形態5ではガターを横移動させ、それによって製氷水の流れる先を変更する。ガター81は、その上方に配置された支持用アーム83によって支持される。ガター81と支持用アーム83の下部との間は相互に回転可能に接続されている。また、支持用アーム83もその上部において回転可能に支持されている。ガター81には、さらに、駆動用アーム85の一端が接続されており、駆動用アーム85の他端はソレノイド87に接続されている。ガター81と駆動用アーム85との間もまた相互に回転可能に接続されている。ガター81は、矩形の底壁81aと、貯水部17の上方に位置する辺を除く底壁の3辺から立ち上がる側壁81bとを備えている。
【0015】
次に、本実施の形態の動作について説明する。上記実施の形態1〜4と同様な開始終了基準で製氷工程の途中から製氷工程の終了まで以下のようにして排水工程が行われる。排水工程前には、図18及び図19に示されるようにガイド13からガター81に落下する製氷水は、ガター81の開放端81cから貯水部17に落下する。一方、排水工程が開始されると、図20及び図21に示されるようにソレノイド87が作動し、ガター81には駆動用アーム85を介して上方に引き上げられる力が付与される。しかしガター81は支持用アーム83により支持されているため、この力により支持用アーム83は揺動し且つガター81はほぼ回転することなく横方向に移動する。このガター81の移動態様は、ガイド13の先端から排水部19までの製氷水落下経路に底壁81aや側壁81bが位置しないようなものに予め設定されている。よって、上記のガター81の移動後は、ガイド13から落下する製氷水は2点鎖線で示されるようにガター81に入ることなく排水部19まで落下し、排水される。また、排水工程が終了しソレノイド87が非作動状態となると、支持用アーム83及び駆動用アーム85の接続位置と、支持用アーム83、駆動用アーム85及びガター81の各自重位置とのバランスにより、ガター81はガイド13から落下する製氷水を受けることができるもとの位置に自然に戻る。
【0016】
実施の形態6.
図22をもとに本発明の実施の形態6に係る製氷機について説明する。実施の形態1〜5では排水手段としてガターを設け、ガターを動かして製氷水の流れ先を変更して排水していたが、本実施の形態6ではガターを用いずに、排水を行う。製氷水タンク15内は貯水部17だけが設けられており、製氷水タンク15の上方には上記実施の形態のようなガターは設けられていない。その代わりに、排水手段として供給管23における製氷水ポンプ24の下流部に製氷水の排水・循環を切り換える切換え弁91が設けられている。
【0017】
次に、本実施の形態の動作について説明する。上記実施の形態1〜5と同様な開始終了基準で製氷工程の途中から製氷工程の終了まで以下のようにして排水工程が行われる。製氷工程の前半、すなわち排水工程前は、切換え弁91は循環状態にあり、製氷水タンク15内の製氷水は製氷水ポンプ24により供給管23を介して製氷部3に供給される。製氷工程の後半、すなわち排水工程が始まると、切換え弁91は排水状態となり、製氷水ポンプ24から吐出された製氷水の全部又は一部は切換え弁91から分岐されて供給管23の外へと排水される。そして、製氷工程が終了するとそれとほぼ同時に除氷手段による除氷が行われる。このように本実施の形態では、製氷工程の後半に吐出量が多い製氷水ポンプを用いて排水工程が行われ且つ製氷工程終了直後に除氷工程が開始されるので、従来のように製氷工程終了後に排水工程が始まり、排水工程の終了後に除氷工程が始まる場合よりも、各工程が一巡するサイクルを短縮することができ、製氷量の増大を図ることもできる。また、排水専用のポンプを設けずに製氷水ポンプを駆動させて排水を行うので、排水工程のためだけに専用の排水ポンプを用意し、使用時間の割にはコストがかかり過ぎるといった問題や、製氷水ポンプが正常でも排水専用のポンプにトラブルが生じてそのために排水が不可能になるといった問題もない。
【0018】
実施の形態7.
実施の形態2のガター41が貯水部17に製氷水が流れ落ちるように傾いている場合を図23に示す。軌跡cで示されるように製氷水はガイド13からガター41を介して貯水部17へ流れる。しかし、場合によっては、製氷水がガイド13からガター41に流れる落ちるときの水量によってガター41の動きが不安定になりがたついたり、また、軌跡a及びbで示すように、一部の製氷水が水の勢いやロッド45に当たって排水部19に散ってしまうことが考えられる。そこで本実施の形態では、更にガター41の安定性向上を図ると共に製氷水が排水部19へ飛散することをより確実に防ぐガター141を提供する。
【0019】
図24に本実施の形態の構成を示す。但し、ガターの構造以外は実施の形態2と同様であるため、ガターの構造以外の説明をここでは省略する。実施の形態2のガター41は、底壁の短辺には壁がない。即ち、第2端41bは完全に開放されていたが、本実施の形態のガター141の第2端141bには、上方向に向かう側壁としてガード144が設けられている。また、本実施の形態のガター141にはウエイト143が第1端141a付近のガター141の底壁の製氷水が流れる面の反対面に設けられている。更に、ガター141の第1端141aには下方向に向かう側壁142が設けられている。
【0020】
次に、本実施の形態の動作について図25を用いて説明する。(a)はウォーターバルブ53がまだ動作する前の状態、即ち、製氷水が貯水部17に流れ込んでいる状態を示している。(a)に示すようにウォーターバルブ53が作動しない限り、ガター141は貯水部に傾いている。ガイド13からガター141へ流れ落ちる製氷水の水量が多くとも、ガター141にウエイト143を設けたことにより、ガター141ががたつくことがなくなり、安定性がよい。更にガター141にガード144を設けたのでガター141に落下した製氷水がはねかえり排水部19へ飛散することを防ぐことができる。
【0021】
(b)はウォーターバルブ53が作動した直後の状態、即ち、ガター141が排水部19にやや傾き始めた状態を示している。(b)に示すように、ウォーターバルブ53が作動すると小タンク49に水が溜まり、その水の重さによって、今まで貯水部17に傾いていたガター141が反対側の排水部19に傾き始める。ガター141に設けられたガード144が製氷水をガード部分に溜める。このため、ウエイト143を設けても、傾きのレスポンスがよい。
【0022】
(c)はガター141が完全に排水部19に傾き、製氷水が排水部19に流れ込んでいる状態を示している。(c)に示すように、ガイド13から流れ落ちる製氷水がダガー141のガード144に当たりながら排水部19に流れ落ちる。従ってウエイト143を設けても、製氷水がガード144に当たることにより、水圧でガター141の傾きを維持することができる。
尚、ガターのがたつきを防止し、動作を安定させるため、ウエイト143を設ける代わりに、ガターのロッド45よりも貯水部17側を延長する様態でもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3に記載の本発明の製氷機によれば、サイクル毎の排水を行いながら製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始することができるので、各工程が一巡するサイクルを短縮することができ、製氷量の増大を図ることもできる。また、請求項1〜3に記載の本発明の製氷機によれば、上記効果に加え、さらに排水専用のポンプを設けずに製氷水ポンプを駆動させて排水を行うことができる。
また、請求項4に記載の本発明の製氷機によれば請求項1及び2に関する効果に加え、製氷水の水量に関わらずガイドの傾きが安定し、また、製氷水の排水部への飛散を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る製氷機の製氷板及び製氷水タンク近傍の詳細を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る製氷機の構成を概念的に示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す正面図である。
【図4】 図3の矢印Aに関する平面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る製氷機に関し排水工程中におけるガイドやガターの周辺構造を示す正面図である。
【図6】 図5の矢印Bに関する平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係る製氷機に関する1サイクルの各工程関係を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係る製氷機に関し排水工程中におけるガイドやガターの周辺構造を示す斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係る製氷機におけるガターの平面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2に係る製氷機におけるガターの側面図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図13】 図12の矢印Cに関する平面図である。
【図14】 本発明の実施の形態3に係る製氷機に関し排水工程中におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図15】 図14の矢印Dに関する平面図である。
【図16】 本発明の実施の形態4に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図17】 本発明の実施の形態4に係る製氷機に関し排水工程中におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図18】 本発明の実施の形態5に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図19】 図18の矢印Eに関する平面図である。
【図20】 本発明の実施の形態5に係る製氷機に関し排水工程中におけるガイドやガターの周辺構造を示す側面図である。
【図21】 図20の矢印Fに関する平面図である。
【図22】 本発明の実施の形態6に係る製氷機の構成を概念的に示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態2に係る製氷機の製氷水がガターに流れ落ちる様子を示す側面図である。
【図24】 本発明の実施の形態7に係る製氷機に関し非排水工程におけるガイドやガターの周辺構造を示す斜視図である。
【図25】 本発明の実施の形態7に関しガターの動作を示す側面図である。
【符号の説明】
3…製氷板(製氷部)、15…製氷水タンク、17…貯水部、19…排水部、23…供給管、24…製氷水ポンプ、21,41,61,71,81,141…ガター、27…仕切板、49…小タンク、53…ウォーターバルブ、63…モータ、77,87…ソレノイド、91…切換え弁、144…ガード。

Claims (4)

  1. 製氷工程に氷を製造する製氷部と、
    製氷水を貯える製氷水タンクと、
    前記製氷水タンク内の製氷水を供給する供給管と、
    前記供給管を介して前記製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、
    製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、
    前記製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて前記製氷部の除氷を行う除氷手段と
    前記製氷部から落下した製氷水を前記製氷水タンクに案内するガイドとを備え、
    前記排水手段は、前記ガイドと前記製氷水タンクとの間に設けられ且つ前記製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように前記貯水部又は前記排水部に傾くことが可能なガターを有し、
    前記ガイドは、動作可能な仕切板を有し、
    前記仕切板は、動作することによって、前記ガターが前記貯水部又は前記排水部に傾くように前記ガイドから前記ガターへの製氷水の流下場所を変更することを特徴とする製氷機。
  2. 製氷工程に氷を製造する製氷部と、
    製氷水を貯える製氷水タンクと、
    前記製氷水タンク内の製氷水を供給する供給管と、
    前記供給管を介して前記製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、
    製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、
    前記製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて前記製氷部の除氷を行う除氷手段とを備え、
    前記排水手段は、
    前記製氷部と前記製氷水タンクとの間に設けられ且つ前記製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように動くガターと、
    前記ガターに設けられた水タンクと、
    前記水タンクに水を供給するウォーターバルブとを有し、
    前記水タンクは、水が溜められることによって前記ガターを傾けることを特徴とする製氷機。
  3. 製氷工程に氷を製造する製氷部と、
    製氷水を貯える製氷水タンクと、
    前記製氷水タンク内の製氷水を供給する供給管と、
    前記供給管を介して前記製氷部に製氷水を圧送する製氷水ポンプと、
    製氷工程の途中から該製氷工程終了までの間、製氷水を排水する排水手段と、
    前記製氷工程終了とほぼ同時に除氷工程を開始させて前記製氷部の除氷を行う除氷手段とを備え、
    前記排水手段は、
    前記製氷部と前記製氷水タンクとの間に設けられ且つ前記製氷水タンクの貯水部と排水部とに製氷水を振り分けて流すように動き、一方の端部が塞がれた溝状をしたガターと、
    前記ガターに連結されて前記ガターの上方で前記ガターを支持する揺動可能な支持用アームと、
    駆動用アームを介して前記ガターに連結される駆動手段とを有し、
    前記ガターは、前記駆動手段により前記支持用アームと共に移動することによって、前記製氷部から流下する製氷水を遮断したとき前記貯水部又は前記排水部の一方に前記製氷水を案内し、前記製氷部から流下する製氷水を遮断しないとき前記貯水部又は前記排水部の他方に前記製氷水を流下させることを特徴とする製氷機。
  4. 前記ガターの排水部側には、製氷水をためてガターの傾動を助け且つ製氷水の水力を受けてガターの傾きを維持するガードが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の製氷機。
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