JP4776048B2 - 多層絶縁電線及びそれを用いた変圧器 - Google Patents
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Description
本発明は、絶縁層が2層以上の押出被覆層からなる多層絶縁電線とそれを用いた変圧器に関し、さらに詳しくは、絶縁層が、半田浴に浸漬すると短時間で除去されて導体に半田を付着させることができる、優れた半田付け性とともに、高周波特性が優れ、電気・電子機器などに組み込む変圧器の巻線やリード線として有用な多層絶縁電線とそれを用いた変圧器に関する。
背景技術
変圧器の構造は、IEC規格(International Electrotechnical Communication Standard)Pub.950などによって規定されている。即ち、これらの規格では、巻線において一次巻線と二次巻線の間には少なくとも3層の絶縁層(導体を被覆するエナメル皮膜は絶縁層と認定しない)が形成されていること又は絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線と二次巻線の沿面距離は、印加電圧によっても異なるが、5mm以上であること、また一次側と二次側に3000Vを印加した時に1分以上耐えること、などが規定されている。
このような規格のもとで、現在、主流の座を占めている変圧器としては、第2図の断面図に例示するような構造が採用されている。フェライトコア1上のボビン2の周面両側端に沿面距離を確保するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回しさらにこの絶縁テープの上に沿面距離を確保するための絶縁バリヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次巻線6が巻回された構造である。
ところで、近年、第2図に示した断面構造のトランスに代わり、第1図で示したように、絶縁バリヤ3や絶縁テープ層5を含まない構造の変圧器が登場しはじめている。この変圧器は第2図の構造の変圧器に比べて、全体を小型化することができ、また、絶縁テープの巻回し作業を省略できるなどの利点を備えている。
第1図で示した変圧器を製造する場合、用いる1次巻線4及び2次巻線6では、いずれか一方もしくは両方の導体4a(6a)の外周に少なくとも3層の絶縁層4b(6b)、4c(6c)、4d(6d)が形成されていることが前記したIEC規格との関係で必要になる。
このような巻線として導体の外周に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、さらにその上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、3層目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層構造の絶縁層を形成するものが知られている。また、ポリウレタンによるエナメル被覆がなされた導体の外周にフッ素樹脂を順次押出被覆して、全体として3層構造の押出し被覆層を絶縁層とする巻線が知られている(実開平3−56112号公報)。
しかしながら、前記の絶縁テープ巻の場合は、巻回する作業が不可避である為、生産性は著しく低く、その為電線コストは非常に高いものになっている。
また、前記のフッ素樹脂押出しの場合は、絶縁層はフッ素系樹脂で形成されているので、耐熱性及び高周波特性は良好であるという利点を備えているが、樹脂のコストが高く、さらに高剪断速度で引っ張ると外観状態が悪化するという性質があるために製造スピードを上げることも困難で、絶縁テープ巻と同様に電線コストが高いものになってしまう。さらには、この絶縁層の場合は半田浴に浸漬しても除去することができないため、例えば絶縁電線を端子に接続するときに行う端末加工に際しては、端末の絶縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しその上さらに半田付け又は圧着接続しなければならないという問題がある。
一方、ポリエチレンテレフタレートをベース樹脂とし、これにエチレン−メタアクリル酸共重合体のカルボキシル基の一部を金属塩にしたアイオノマーを混合した混和物で複数の押出し絶縁層を形成し、絶縁層の最上層としてポリアミド(ナイロン)を被覆した多層絶縁電線が実用化されており、これは電線コスト(材料コストと生産性)、半田付け性(絶縁電線と端子が直接接続できること)、及びコイル加工性(絶縁電線をボビンに巻回する時に絶縁電線相互の擦れ、ガイドノズルとの擦れなどにより絶縁層が破れてコイルの電気特性が損われてしまうようなことがないこと)が優れている(米国特許第5,606,152号明細書、特開平6−223634号公報)。
さらには、耐熱性を向上させるために前記のポリエチレンテレフタレートをベース樹脂とするものから、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)をベース樹脂にするものに変えたものも提案している。
これらのものは、耐熱性については、IEC950規格の2.9.4.4項の付属書U(電線)と1.5.3項の付属書C(トランス)に準拠した試験方法において耐熱E種に合格し問題ない。しかし、近年、変圧器の回路の中で使用される周波数が高周波化しており、今後の要求水準の高まりに対応するため、高周波化における電気特性のさらなる向上が要望されている。
また、押出被覆絶縁層上に自己融着層を有する多層絶縁電線において、高電圧高周波下でコロナによって線間近傍の密着部から自己融着層が削れることがあり、上記と同様に高電圧高周波下での物性の向上が望まれる。
このような問題を解決するために、本発明は、半田付け性、高周波特性、高電圧高周波下での絶縁皮膜の削れ防止性及びコイル加工性に優れ、工業的生産にも好適な多層絶縁電線を提供することを目的とする。
さらに本発明は、このような半田付け性、高周波特性、コイル加工性に優れた絶縁電線を巻回してなる、電気特性に優れ、高周波化しても電気特性の低下、コロナによる電線の削れ等の問題の生じない信頼性の高い変圧器を提供することを目的とする。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面とともに考慮することにより、下記の記載からより明らかになるであろう。
発明の開示
本発明の上記課題は次の多層絶縁電線及びこれを用いた変圧器によって達成された。
すなわち本発明は、
(1)導体と前記導体を被覆する2層以上の半田付け可能な押出絶縁層を有してなる多層絶縁電線であって、前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体を5〜40重量部配合した樹脂成分100重量部に対して、無機フィラー(B)を10〜80重量部配合した混和物により形成されている多層絶縁電線であって、前記混和物が前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、前記エチレン系共重合体及び前記無機フィラー(B)の含水率をそれぞれ0.02重量%以下にして混練された混和物であり、この混和物の含水率が0.02重量%以下である、ことを特徴とする多層絶縁電線、
(2)前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層以外の残りの絶縁層が熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)又は該樹脂100重量部に対して側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体を5〜40重量部配合した混和物で形成されていることを特徴とする(1)項に記載の多層絶縁電線、
(3)前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層が、無機フィラー(B)を20〜60重量部配合した混和物により形成されていることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の多層絶縁電線、
(4)前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線、
(5)前記無機フィラー(B)が酸化チタン及びシリカから選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線、
(6)前記無機フィラー(B)の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線、
(7)(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線において、被覆絶縁層の外側に、自己融着樹脂(C)を押出し自己融着層を形成したことを特徴とする多層絶縁電線、
(8)前記自己融着樹脂(C)が共重合ポリエステル樹脂又は共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする(7)項記載の多層絶縁電線、
(9)前記自己融着層が、自己融着樹脂(C)100重量部に無機フィラー(D)を10〜70重量部配合した混和物を押出し形成したものであることを特徴とする(7)又は(8)項記載の多層絶縁電線、
(10)前記無機フィラー(D)が酸化チタン及びシリカから選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする(9)項に記載の多層絶縁電線、
(11)前記無機フィラー(D)の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする(9)項に記載の多層絶縁電線、
(12)(1)〜(11)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線の外表面に、パラフィン及び/又はワックスを塗布したことを特徴とする多層絶縁電線、
(13)(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線の製造方法であって、前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層として、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体及び無機フィラー(B)を配合した混和物により絶縁層を押出被覆することを含んでなり、ここで、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、前記エチレン系共重合体及び前記無機フィラー(B)の含水率をそれぞれ0.02重量%以下の状態にした後混練して混和物とし、さらにこの混和物を含水率が0.02重量%以下の状態で導体の外側に押出して絶縁層を形成することを特徴とする多層絶縁電線の製造方法、及び
(14)(1)〜(12)項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線を用いてなることを特徴とする変圧器を提供するものである。
なお、本発明において最外層とは、押出被覆絶縁層の内で導体から最も遠い層をいう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、3層絶縁電線を巻線とする構造の変圧器の例を示す断面図である。
第2図は、従来構造の変圧器の一例を示す断面図である。
第3図は、静摩擦係数の測定方法を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明で用いる樹脂成分のうち、前記樹脂(A)は熱可塑性ポリエステル系樹脂であり、半田付け性の良い樹脂として公知のものから選んで使用できる。
この熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールあるいは脂環族ジオールとをエステル反応させて得られたものを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂などがあげられる。市販の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂としてはバイロン(東洋紡社製、商品名)、ベルペット(鐘紡社製、商品名)、帝人PET(帝人社製、商品名)等、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂としては帝人PBN(帝人社製、商品名)等、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂としては帝人PEN(帝人社製、商品名)等、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂としてはエクター(東レ社製、商品名)等があげられる。
また熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)には、樹脂の結晶化を抑制する働きをするものとして、側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体を配合することができる。特に多層絶縁層の最外層に用いる樹脂には、このエチレン系共重合体を配合する。このエチレン系共重合体により、形成した絶縁層の電気特性の経時劣化を抑制することができる。結合させるカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のような不飽和モノカルボン酸やマレイン酸、フマル酸、フタル酸のような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこれらの金属塩としては、Na、Zn、K、Mgなどの塩をあげることができる。
このようなエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体のカルボン酸成分の一部を金属塩にし、一般にアイオノマーと呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン(三井ポリケミカル社製、商品名))、エチレン−アクリル酸共重合体(例えば、EAA(ダウケミカル社製、商品名))、側鎖にカルボン酸成分を有するエチレン系グラフト重合体(例えば、アドマー(三井石油化学工業社製、商品名))などをあげることができる。このエチレン系共重合体は上記した樹脂100重量部に対して5〜40重量部配合することが好ましく、7〜25重量部がさらに好ましい。エチレン系共重合体が多すぎると絶縁層の耐熱性が著しく低下するばかりか半田付け性が悪化することがある。エチレン系共重合体を配合する場合、樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)系樹脂及びポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
本発明では、多層絶縁電線の高周波特性をさらに向上させるため、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と無機フィラー(B)を含む混和物より絶縁層を形成する。
本発明に使用できる無機フィラーとしては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク等があげられ、特に酸化チタン、シリカは樹脂への分散性がよく、粒子が凝集しにくく、絶縁層中にボイドが入りにくく、結果として、絶縁電線外観がよく、電気的特性の異常が起こりにくいので好ましい。また、無機フィラーは平均粒径5μm以下のものが好ましく、3μm以下のものがさらに好ましい。無機フィラーの平均粒径の下限には特に制限はないが、好ましくは0.01μm以上であり、さらに好ましくは0.1μm以上である。粒径が大きすぎるとボイドの混入や表面の平滑性の低下の問題等による電線外観の悪化をまねくことがある。一方、無機フィラーの平均粒径が小さすぎると嵩比重が小さくうまく混練りできない場合がある。また、吸水性の高い無機フィラーは電気特性を低下させることがあり、吸水性の低いものが好ましい。ここで吸水性が低いとは、室温(25℃)、相対湿度60%において含水率で0.02重量%以下をいう。
本発明の多層絶縁電線を製造するに際しては、絶縁層の原料に用いる熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、前記エチレン系共重合体及び無機フィラー(B)の各材料中に含まれる水分含有量を0.02重量%以下の状態に制御する必要がある。
熱可塑性ポリエステル系樹脂は高温高含水率下で溶融押出し等の溶融成形加工がなされると、加水分解がおこり低分子化して成形品の柔軟性が失われ、可とう性が大きく低下することが知られている。そのため、通常、熱可塑性ポリエステル系樹脂を成形する際には含水率を0.1重量%以下に管理した材料が供給される。
しかし、本発明においては、樹脂分にさらに無機フィラーを混練する必要があり、この場合には無機フィラーによる加水分解の促進作用がさらに加わることが見いだされ、物性低下を招かないためには、熱可塑性ポリエステル系樹脂、配合されるエチレン系共重合体および無機フィラーのいずれもが含水率0.02重量%以下に制御されていなければ、多層絶縁電線としての可とう性を保持できないことが判明した。
したがって、熱可塑性ポリエステル系樹脂、エチレン系共重合体及び無機フィラーそれぞれの材料の含水率を0.02重量%以下の状態にするために、本発明で使用する樹脂および無機フィラーには所定の乾燥を施す。具体的には、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂は、熱風循環式乾燥機或いは真空乾燥機を使い、ペレット状で120℃前後で8時間以上、エチレン系共重合体は、真空乾燥機を使いペレット状で、60℃前後24時間以上、無機フィラーは熱風式乾燥機を使い250℃前後で12時間以上乾燥することにより、それぞれ通常0.02重量%以下の含水率を得ることができる。
これらの含水率が0.02重量%以下に調整された材料は、窒素又は乾燥空気で置換された2軸混練機、単軸混練機等のホッパーに投入され混練され、ペレタイズされた混和物とする。さらに本混和物を上記の熱可塑性ポリエステル系樹脂と同様な条件で再び乾燥して含水率0.02重量%以下の混和物を得る。これを押出機のホッパーに供給し所定の押出条件で導体外周に押出被覆層を形成して本発明の多層絶縁電線を得ることができる。
上記のような方法で含水率を管理した材料により製造した多層絶縁電線では、無機フィラーの配合された絶縁層の熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量が3万以上であり、このように高い分子量であることが結果的に絶縁電線の可とう性の善し悪しの基準となっている。
なお、ここでいう含水率は、後述するカールフィッシャー式水分測定器にて測定した値である。
本発明に用いることのできる市販の無機フィラーとしては、酸化チタンではFR−88(商品名、古河機械金属社製、平均粒径0.19μm)、FR−41(商品名、古河機械金属社製、平均粒径0.21μm)、RLX−A(商品名、古河機械金属社製、平均粒径3〜4μm)、シリカではUF−007(商品名、龍森社製、平均粒径5μm)、5X(商品名、龍森社製、平均粒径1.5μm)、アルミナではRA−30(商品名、岩谷産業社製、平均粒径0.1μm)、炭酸カルシウムではVigot−15(商品名、白石工業社製、平均粒径0.15μm)、ソフトン(商品名、備北粉化工業社製、平均粒径3μm)等があげられる。
前記混和物における無機フィラー(B)の割合は、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して10〜80重量部である。10重量部未満では所望の高周波特性が得られない。また、耐ヒートショック性が悪く、導体に達する亀裂の発生を防止できない。また、80重量部を越える場合は、電線としての可とう性が著しく低下し、一方、この影響で電気特性(破壊電圧、耐圧)の悪化が生ずる。本発明における耐ヒートショック性とは、巻付けストレス(コイル加工を模擬した)による熱衝撃に対する特性である。このような耐熱性、高周波特性、耐ヒートショック性、その他の所望の電気特性のバランスからは、前記樹脂(A)100重量部に対し、無機フィラー(B)は10〜70重量部が好ましく、20〜60重量部がさらに好ましい。
また前記混和物には、本発明の目的とする作用効果を損なわない範囲で、他の耐熱性熱可塑性樹脂を添加することができる。添加できる耐熱性熱可塑性樹脂はそれ自体が半田付け性が良好なものが好ましく、例として、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂などがあげられる。
さらに前記混和物には、本発明の目的とする作用効果を損なわない範囲で、通常使用される添加剤、加工助剤、着色剤などを添加することができる。
本発明の多層絶縁電線の絶縁層は2層以上からなり、好ましくは3層である。この押出絶縁層の少なくとも1層は上記した熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び無機フィラー(B)を含んでなる混和物により形成された絶縁層である。該混和物より形成した絶縁層の位置は、何らかの原因により絶縁電線に部分放電開始電圧を越える電圧がかかると、その際には電線同士が接している部分の近傍から、コロナによる表面破壊(高電圧、高周波ほど強くなり、破壊が進行し易い)が始まる為に電気特性の悪化を招くことがあるので、これを防止するために、少なくとも最外層を含むのが好ましい。また、高周波特性をより向上させたい場合には、全ての層を該混和物より形成することもできるが、電気特性(破壊電圧、耐圧)が若干低下する場合があり、一部の層(特に好ましくは1〜2層)を該混和物により形成するか、或は外層ほど無機フィラーの配合割合を多くしたものより形成するのが好ましい。この場合に、最外層のみを該混和物により形成しても高周波V−t特性及び耐ヒートショック性を大きく改善できるが、外層ほど無機フィラーの配合割合を多くしたものは層間の密着性が向上しさらに好ましい。
また、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と無機フィラーを含む混和物より形成した絶縁層以外の絶縁層に使用できる樹脂としては、特に熱可塑性ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも特定のポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂が使用可能である。
熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)に用いることができるものとしてあげたものを用いることができ、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)について述べたと同様に、エチレン系共重合体を配合して使用できる。
ポリアミド樹脂については、ジアミンとジカルボン酸等を原料として公知の方法により製造されるものが使用できる。市販の樹脂としては、ナイロン6,6ではアミラン(東レ社製、商品名)及びマラニール(ICI社製、商品名)、ナイロン4,6ではユニチカナイロン46(ユニチカ社製、商品名)があげられる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、例えば脂肪族ジアルコールとジイソシアネート等を原料として公知の方法により製造されるものが使用できる。市販の樹脂としてはミラクトラン(日本ミラクトラン社製、商品名)等が使用できる。
耐熱性、半田付け性を考慮すると熱可塑性ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド樹脂が好ましい。また電気特性、高周波特性を考慮すると熱可塑性ポリエステル系樹脂が好ましく、エチレン系共重合体を配合した熱可塑性ポリエステル系樹脂がさらに好ましい。
ここで、多層絶縁層の少なくとも最外層が前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)に前記エチレン系共重合体を配合した樹脂成分と無機フィラー(B)を含む混和物で形成されると、その他の絶縁層には前記エチレン系共重合体を配合しない無変性の熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)を使用しても、電気特性の経時劣化(時間の経過による電気特性の低下)は起こらない。
さらに本発明においては、多層絶縁電線の押出被覆絶縁層の外側に、自己融着樹脂(C)を押出被覆して自己融着層を形成した多層絶縁電線とすることができる。この発明の形態において、その上に自己融着層が形成される押出被覆絶縁層としては、a)上記した熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と無機フィラー(B)を含む混和物より形成される絶縁層を少なくとも最外層に有する2層以上の絶縁層、あるいは、b)全てエチレン系共重合体を配合した熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)より形成された2層以上の絶縁層である。
このときの自己融着樹脂(C)は、低温あるいは低沸点溶剤で固着することが下層の絶縁層の特性に悪影響をあたえないため好ましく、樹脂としては共重合ポリエステル樹脂または共重合ポリアミド樹脂が好ましい。
共重合ポリアミド樹脂としては市販品ではプラタミド M1276、M1809、M1810及びM1610(エルフ・アトケム社製、商品名)、ベスタメルト X7079(ダイセルヒュルス社製、商品名)等が使用できる。
また共重合ポリエステル樹脂としては市販品ではベスタメルト4380(ダイセルヒュルス社製、商品名)、プラサーム M1333(エルフ・アトケム社製、商品名)等が使用できる。
本発明の自己融着層を有する多層絶縁電線においては、自己融着層として、自己融着樹脂(C)に無機フィラー(D)を配合した混和物を用いるのが高周波による電線のダメージを防止する上で好ましい。特に、前記b)の絶縁層の外側には自己融着層として無機フィラー(D)を配合した混和物を用いることが不可欠である。無機フィラー(D)は、自己融着樹脂(C)100重量部に対し10〜70重量部配合するのが好ましく、20〜60重量部がさらに好ましい。無機フィラー(D)が少なすぎると高周波特性の改善効果が得られず、多すぎると融着力が低下することがある。
自己融着層は線間を埋めるように形成されるが、高周波試験によると、ダメージは線間の、密着している部分近傍の削れから生ずる。ここに無機フィラー(D)を含有することで自己融着層が削れにくくなり、高周波下のコロナによるダメージを大きく軽減することができる。
本発明における自己融着層に配合することのできる無機フィラー(D)の具体例、好ましい例などは前記無機フィラー(B)について述べたと同様である。
本発明の多層絶縁電線は、前記の2層以上の押出被覆絶縁層の外側、または前記自己融着層の外側に、電線の最上層として特定の作用を有する被覆層を設けてもよい。本発明の絶縁電線には、必要に応じ表面処理剤としてパラフィン、ワックス(脂肪酸、蝋)等を使用することができる。エナメル巻線に使用される冷凍機用オイルでは滑り性が悪く、コイル加工時に削れ粉が発生しやすいが、パラフィンやワックスを常法により塗布することでこの問題が解決できる。
本発明に用いられる導体としては、金属裸線(単線)、または金属裸線にエナメル被覆層や薄肉絶縁層を設けた絶縁電線、あるいは金属裸線の複数本またはエナメル絶縁電線もしくは薄肉絶縁電線の複数本を撚り合わせた多心撚り線を用いることができる。これらの撚り線(いわゆるリッツ線)の撚り線数は、高周波用途により随意選択できる。また、線心(素線)の数が多い場合(例えば19−、37−素線)、撚り線ではなくてもよい。撚り線ではない場合、例えば複数の素線を略平行に単に束ねるだけでもよいし、または束ねたものを非常に大きなピッチで撚っていてもよい。いずれの場合も断面が略円形となるようにすることが好ましい。ただし、薄肉絶縁材料はポリウレタン樹脂、エステルイミド変性ポリウレタン樹脂、尿素変性ポリウレタン樹脂等のようにそれ自体半田付け性が良好な樹脂などである必要があり、例えば日立化成社製商品名WD−4305、東特塗料社製商品名TPU−F1、TSF−200、TPU−7000などが使用できる。さらには導体に半田又は錫メッキすることも半田付け特性を改善する手段となる。
本発明の好ましい実施態様をあげると、多層絶縁電線は、3層からなる押出被覆絶縁層を有し、全体の厚みは3層では60〜180μmの範囲内にあるようにすることが好ましい。このことは、絶縁層の全体の厚みが薄すぎると得られた耐熱多層絶縁電線の電気特性の低下が大きく、実用に不向きな場合があり、逆に厚すぎると半田付け性の悪化が著しくなる場合があることによる。さらに好ましい範囲は70〜150μmである。また上記の3層の各層の厚みは20〜60μmに設定することが好ましい。
また、本発明の自己融着層を有する多層絶縁電線において、自己融着層の厚さは、融着力を確保するために絶縁層と同様な20〜60μmが好ましく、25〜40μmがさらに好ましい。
本発明の多層絶縁電線を使用した変圧器は、IEC950規格を満足するのはもちろんのこと、絶縁テープ巻していないので小型化が可能でしかも耐熱性及び高周波特性が高いので厳しい設計に対しても対応できる。
本発明の多層絶縁電線は、前記第1図で示したものを含むどのようなタイプの変圧器にも巻線として用いることができる。このような変圧器は1次巻線と2次巻線がコア上に層状に巻かれているのが普通であるが、1次巻線と2次巻線を交互に巻いた変圧器(特開平5−152139号)でもよい。また本発明の変圧器は、上記の多層絶縁電線を1次巻線及び2次巻線の両方に使用してもよいが、片方に3層の押出絶縁層を有する絶縁電線を使用する場合は、他方はエナメル線でよい。なお、2層の押出絶縁層からなる絶縁電線をどちらか一方の巻線のみに使用し、もう一方にエナメル線を使用する場合には、両巻線間に1層の絶縁テープを介在させるとともに沿面距離をとるための絶縁バリアが必要となる。
本発明の多層絶縁電線は、耐熱E種を満足し、かつヒートショックによる亀裂の発生がなく、さらに高周波における電気特性も良好であるという優れた作用効果を奏する。また、本発明の多層絶縁電線は半田付け性、コイル加工性に優れるため、端末加工時には直接半田付けを行うことができ、変圧器の巻線やリード線として好適に使用できる。さらに、本発明の自己融着層を有する多層絶縁電線においては、高周波で線間の密着している部分の近傍から生ずる自己融着層の削れが阻止され、高周波下におけるコロナによる電線のダメージの発生を防止できる。本発明の絶縁電線を用いた変圧器は、回路に高周波を使用しても電気特性の低下がなく電気特性が優れ、電線のダメージも防止され、高周波化の進む電気・電子機器用としての要求を満足することができる。
実施例
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜15及び比較例1〜5
導体として、線径0.4mmの軟銅線および線径0.15mmの軟銅線に絶縁ワニスTPU−F1(東特塗料社製、商品名)を6μm厚に被覆した絶縁線心7本を撚り合わせた撚り線を用意した。表1〜5に示した各層の押出被覆用樹脂の配合(組成は重量部を示す)及び厚さで、導体上に順次押出し被覆し、表面処理して多層絶縁電線を製造した。
得られた多層絶縁電線について、下記の試験方法で各特性を測定、評価した。
なお、各実施例及び比較例で用いた表1〜5に示した樹脂、無機フィラーは以下の通りである。
(樹脂(A)及びその他の樹脂)
PET:ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、TR−8550(商品名、帝人社製)
PCT:ポリエステル樹脂(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、エクター676(商品名、東レ社製)
PEN:ポリエステル樹脂(ポリエチレンナフタレート)、TN−8060(商品名、帝人社製)
EAA:エチレン−アクリル酸共重合体、EAA(商品名、ダウケミカル社製)
アイオノマー:エチレン−メタクリル酸共重合体(アイオノマー)、ハイミラン 1855(商品名、三井ポリケミカル社製)
PUE:ポリウレタン樹脂、ミラクトランE(商品名、日本ミラクトラン社製)
PA:ポリアミド樹脂(ナイロン4,6)、F−5001(商品名、ユニチカ社製)
(無機フィラー(B)及び(D))
酸化チタン1:FR−88(商品名、古河機械金属社製)、平均粒径0.19μm
酸化チタン2:RLX−A(商品名、古河機械金属社製)、平均粒径3〜4μm
シリカ1:UF−007(商品名、龍森社製)、平均粒径5μm
シリカ2:5X(商品名、龍森社製)、平均粒径1.5μm
シリカ3:A−1(商品名、龍森社製)、平均粒径10μm
(自己融着樹脂(C))
共重合PA1:共重合ポリアミド、ベスタメルトX7079(商品名、ダイセルヒュルス社製)
共重合PA2:共重合ポリアミド、プラタミドM1276(商品名、エルフ・アトケム社製)
共重合PE:共重合ポリエステル、プラサームM1333(商品名、エルフ・アトケム社製)
(試験方法)
▲1▼半田付け性
電線の末端約40mmの部分を温度400℃の溶融半田に浸漬し、浸漬した30mmの部分に半田が付着するまでの時間(秒)を測定した。この時間が短い程、半田付け性に優れることを表す。数値はn=3の平均値。
▲2▼絶縁破壊電圧
JIS C 3003-1984 11.(2)の2個より法で測定した。
▲3▼耐熱性
IEC規格950規格の2.9.4.4項の付属書U(電線)と1.5.3項の付属書C(トランス)に準拠した下記の試験方法で評価した。
直径6mmのマンドレルに多層絶縁電線を荷重118MPa(12kg/mm2)をかけながら10ターン巻付け、215℃で1時間加熱、さらに165℃で72時間加熱し、さらに25℃95%の雰囲気に48時間保持し、その後すぐに3000Vで1分間電圧を印加し短絡しなければE種合格と判定した(判定はn=5にて評価し、n=1でもNGになれば不合格とした)。
▲4▼耐ヒートショック性
IEC 851−6 TEST 9によって評価した。自己径(1D)の巻付け後、215℃の恒温槽に30分間置いて皮膜の亀裂が生じないか確認した。亀裂が生じなければ良好とした。
▲5▼高周波V−t特性
JIS C 3003-1984 11.(2)の2個より法で試験片を作成し、印加電圧3.5kV、周波数100kHz、パルス長10μsで短絡するまでの寿命(分)を測定した。
▲6▼静摩擦係数(コイル加工性)
第3図に示した装置で測定した。第3図中、7は多層絶縁電線を示し、8は荷重板であり、9は滑車、10は荷重を示す。質量がW(g)の荷重板8が動き始めた時の荷重10の質量をF(g)とすると、求める静摩擦係数はF/Wである。
この数値が小さい程、表面の滑り性が良く、コイル加工性も良い。
▲7▼含水率
カールフィッシャー式水分測定器にて測定した。加熱温度は200℃とした。なお、実施例1〜15及び比較例1〜4に用いた材料はいずれも含水率が0.02重量%以下となるまで乾燥して用いた。なお、比較例5においては、PETとしては含水率0.1重量%としたものを用い、PET以外の材料は他の実施例、比較例と同様に含水率0.02重量%以下としたものを用いた。
結果を表1、2、3、4および5に示す。
実施例1〜15の絶縁電線は全て耐熱E種合格であり、半田付け性、耐ヒートショック性も良好で、高周波特性も優れていた。また、固形パラフィン又は脂肪酸ワックスで表面処理したものについては特に静摩擦係数が低く、コイル加工性が良好であった。
実施例1は3層すべてを本発明で規定する無機フィラー(B)を含む混和物より形成したので、絶縁破壊電圧の若干の低下は見られるが耐熱性をはじめ各特性は良好であり、特に高周波特性は良好である。
実施例2は最外層を含む2層に無機フィラー(B)を含む混和物を用い、各特性は良好かつバランスが良い。
実施例3及び4は最外層のみに無機フィラー(B)を含む混和物を用い、各特性は良好でバランスがよいが、実施例1、2と比較すると高周波特性はやや低い。
実施例5は実施例3及び4よりも膜厚が厚く、電気特性は良好であるが、半田付け性は実施例3及び4よりは低い。
実施例6は、3層すべてを本発明で規定する無機フィラー(B)を含む混和物より形成した絶縁層上に、無機フィラー(D)を含む混和物で自己融着層を形成した多層絶縁電線であり、各特性は良好で、特に高周波特性が優れている。
実施例7は、第3層の絶縁層に無機フィラー(B)を含む混和物を用い、その上に無機フィラーを含まない自己融着層を形成したものである。
実施例8、9は第3層の絶縁層を無機フィラー(B)を含む混和物で形成した絶縁層上に、無機フィラー(D)を含む混和物で自己融着層を形成した多層絶縁電線であり各特性は良好でバランスが良い。
実施例10はエチレン系共重合体を配合した熱可塑性ポリエステル系樹脂のみで形成した3層の絶縁層上に無機フィラー(D)を含む混和物で自己融着層を形成した多層絶縁電線であり、自己融着層のみに無機フィラーを用いても高周波特性が大きく向上することがわかる。
実施例11は導体に7本被覆撚り線を使用しているため、高周波特性をはじめとして各特性が特に良好である。
実施例12及び13は第1及び2層を熱可塑性ポリエステル系樹脂のみで形成し、第3層を熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と無機フィラー(B)を配合した混和物で形成したものであるが実施例3及び4と変わらない特性を示している。
実施例14及び15は実施例12及び13と同様の絶縁構成の上に無機フィラー(D)を含む混和物で自己融着層を形成した多層絶縁電線であり、高周波特性が向上している。
これに対し比較例1は、無機フィラー(B)を含有する絶縁層を有しない多層絶縁電線であり、耐熱性評価においてはE種合格レベルにあるものの、高周波特性は実施例1〜15に比べ著しく低かった。
比較例2は無機フィラー(B)が120重量部と多すぎるので、常態の可とう性の低下が大きく、この影響で耐熱性、破壊電圧、耐ヒートショック性が不良であり、高周波特性も低かった。
比較例3は無機フィラー(B)が多すぎ、しかも粒径が10μmと大きいため電線の外観が悪く、各特性も全般的に低い。
比較例4は、エチレン系共重合体が多く配合されている為、耐熱性と半田付け性の悪化がみられる。
比較例5では、熱可塑性ポリエステル系樹脂として含水率0.1重量%のPETを用い、他の材料は含水率を0.02重量%に制御して混練りした以外、実施例4と同様にして多層絶縁電線を製造した。このため、他の実施例、比較例では熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)の重量平均分子量が3万以上であったのに比べて、比較例5ではPET樹脂の重量平均分子量は1.7万と低かった。比較例5ではPET樹脂の分子量低下により得られた電線の可とう性が劣り、電線巻き付け後の試験、評価である耐熱性、耐ヒートショック性がいずれも劣っていた。
産業上の利用可能性
本発明の多層絶縁電線は、耐熱E種を満足し、かつヒートショックによる亀裂の発生がなく、さらに高周波における電気特性も良好であるため、コンピュータ、家電部品、通信機器などの高周波機器に用いるのに好適なものである。また、本発明の多層絶縁電線は半田付け性、コイル加工性に優れるため、端末加工時には直接半田付けを行うことができ、変圧器の巻線やリード線として好適なものである。さらに、本発明の自己融着層を有する多層絶縁電線においては、高周波で線間の密着している部分から生ずる自己融着層の削れが阻止され、高周波下におけるコロナによる電線のダメージの発生を防止できるため、コンピュータ、家電部品、通信機器などの高周波機器に用いるのに好適なものである。
また、本発明の多層絶縁電線を用いた変圧器は、回路に高周波を使用しても電気特性の低下がなく電気特性が優れ、電線のダメージも防止され、高周波化の進む電気・電子機器用として好適なものである。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
Claims (14)
- 導体と前記導体を被覆する2層以上の半田付け可能な押出絶縁層を有してなる多層絶縁電線であって、前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体を5〜40重量部配合した樹脂成分100重量部に対して、無機フィラー(B)を10〜80重量部配合した混和物により形成されている多層絶縁電線であって、前記混和物が前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、前記エチレン系共重合体及び前記無機フィラー(B)の含水率をそれぞれ0.02重量%以下にして混練された混和物であり、この混和物の含水率が0.02重量%以下である、ことを特徴とする多層絶縁電線。
- 前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層以外の残りの絶縁層が熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)又は該樹脂100重量部に対して側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体を5〜40重量部配合した混和物で形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の多層絶縁電線。
- 前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層が、無機フィラー(B)を20〜60重量部配合した混和物により形成されていることを特徴とする請求の範囲第1又は2項に記載の多層絶縁電線。
- 前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線。
- 前記無機フィラー(B)が酸化チタン及びシリカから選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線。
- 前記無機フィラー(B)の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1〜5項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線。
- 請求の範囲第1〜6項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線において、被覆絶縁層の外側に、自己融着樹脂(C)を押出し自己融着層を形成したことを特徴とする多層絶縁電線。
- 前記自己融着樹脂(C)が共重合ポリエステル樹脂又は共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求の範囲第7項記載の多層絶縁電線。
- 前記自己融着層が、自己融着樹脂(C)100重量部に無機フィラー(D)を10〜70重量部配合した混和物を押出し形成したものであることを特徴とする請求の範囲第7又は8項記載の多層絶縁電線。
- 前記無機フィラー(D)が酸化チタン及びシリカから選ばれた少なくとも1種を含んでなることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の多層絶縁電線。
- 前記無機フィラー(D)の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の多層絶縁電線。
- 請求の範囲第1〜11項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線の外表面に、パラフィン及び/又はワックスを塗布したことを特徴とする多層絶縁電線。
- 請求の範囲第1〜9項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線の製造方法であって、前記絶縁層の最外層を含む少なくとも1層として、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、側鎖にカルボン酸成分もしくは前記カルボン酸成分の金属塩を有するエチレン系共重合体及び無機フィラー(B)を配合した混和物により絶縁層を押出被覆することを含んでなり、ここで、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、前記エチレン系共重合体及び前記無機フィラー(B)の含水率をそれぞれ0.02重量%以下の状態にした後混練して混和物とし、さらにこの混和物を含水率が0.02重量%以下の状態で導体の外側に押出して絶縁層を形成することを特徴とする多層絶縁電線の製造方法。
- 請求の範囲第1〜12項のいずれか1項に記載の多層絶縁電線を用いてなることを特徴とする変圧器。
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