JP3349257B2 - 多層絶縁電線、それを用いたトランス - Google Patents

多層絶縁電線、それを用いたトランス

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JP3349257B2 JP09326194A JP9326194A JP3349257B2 JP 3349257 B2 JP3349257 B2 JP 3349257B2 JP 09326194 A JP09326194 A JP 09326194A JP 9326194 A JP9326194 A JP 9326194A JP 3349257 B2 JP3349257 B2 JP 3349257B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁層が3層または4
層以上になっている多層絶縁電線とそれを用いたトラン
スに関し、更に詳しくは、各絶縁層の層識別のための絶
縁層相互間の剥離性が優れ、かつ半田浴に浸漬するとそ
の絶縁層が短時間で除去されて導体に半田を付着させる
ことができるので半田付け特性に優れ、また、コイル加
工性が優れていて、電気・電子機器などに組込むトラン
スの巻線やリード線として用いて有用な多層絶縁電線と
それを用いたトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】変圧器の構造は、IEC規格(Internat
ional Electrotechnical Communication Standard) Pu
b. 950,65などによって規定されている。すなわち、こ
れらの規格では、巻線において導体を被覆するエナメル
皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻線の間に
は少なくとも3層の絶縁層が形成されているかまたは絶
縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線と二次巻
線の沿面距離は、印加電圧によっても異なるが、5mm以
上であること、また一次側と二次側に3000Vを印加
したときに1分以上耐えること、などが規定されてい
る。
【0003】そのため、現在、主流の座を占めている変
圧器では、例えば、フェライトコアに鍔付きのボビンを
嵌め込み、そのボビンの周面両側端に沿面距離を確保す
るための絶縁バリヤを配置した状態でエナメル被覆され
た一次巻線を巻回したのち、この一次巻線の上に、絶縁
テープを少なくとも3層巻回し、更にこの絶縁テープ層
の上に沿面距離を確保するための絶縁バリヤを配置した
のち、同じくエナメル被覆された二次巻線を巻回した構
造になっている。
【0004】ところで、近年、上記した構造の変圧器に
代わり、絶縁バリヤや絶縁テープ層を含まない構造の変
圧器が登場しはじめている。この変圧器は、従来構造の
変圧器に比べて、巻線の占積率が小さくなるので全体を
小型化することができ、また、絶縁テープの巻回作業を
省略できるなどの利点を備えている。
【0005】この新規構造の変圧器を製造する場合、用
いる一次巻線および二次巻線では、いずれか一方もしく
は両方の導体の外周に少なくとも3層の絶縁層が形成さ
れていること、しかもこれらの各絶縁層の間では互いの
層間剥離が可能であることが前記したIEC規格との関
係で必要になる。このような巻線としては、まず導体の
外周に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、
更にその上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、
3層目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層
構造の絶縁層を形成したものが知られている。また、ポ
リウレタンによるエナメル被覆がなされた導体の外周に
フッ素系樹脂を順次押出被覆して、全体として3層構造
の押出被覆層を絶縁層とする巻線が知られている(実開
平3−56112号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
巻線の場合は、絶縁テープの巻回作業が不可避であるた
め生産性は著しく低くなり、そのため製造コストは上昇
するという問題がある。また、後者の巻線の場合、絶縁
層はフッ素系樹脂で形成されているので、耐熱性や層間
剥離性は良好であるという利点を備えているが、逆にい
えば、層間の密着性が悪いため絶縁電線としての信頼性
を確保することが困難である。
【0007】更には、この絶縁層の場合は半田浴に浸漬
しても除去することができないため、例えば絶縁電線を
部品のリードピンに接続するときに行う端末加工に際し
ては、端末の絶縁層を信頼性の低い機械的な手段で予め
剥離しなければならないという問題がある。このような
問題を解決するために、本発明者らは、1層目と2層目
の絶縁層をいずれもポリエステル系樹脂の押出被覆層で
形成し、最外層である3層目の絶縁層をポリアミド樹脂
で形成した3層絶縁電線を既に出願した(特願平5−2
70484号)。
【0008】しかしながら、この3層絶縁電線には次の
ような不満がある。すなわち、ポリエステル系樹脂は比
較的軟質であるため、この電線をコイル加工したとき
に、最外層に加わる巻張力に基づく圧縮力を受けて、2
層目,1層目の絶縁層(ポリエステル系樹脂層)は厚み
方向に若干圧縮変形する。このように製造されたコイル
に通電すると、導体からの抵抗発熱を受けてポリエステ
ル系樹脂は軟化し、しかも上記巻張力は常時作用してい
るので、上記した2層目,1層目の絶縁層における圧縮
変形はなお一層進行して絶縁層の厚みが薄くなり、結局
は全体として絶縁層がつぶれた状態になる。このような
状態にまでたち至ると、絶縁層の電気絶縁性が低下す
る。
【0009】また、1層目,2層目の絶縁層はいずれも
ポリエステル系樹脂であるため、上記した軟化の過程で
相互に密着してしまい、層間の剥離識別が困難になる。
本発明は、従来の3層絶縁電線または多層絶縁電線にお
ける上記した問題を解決し、IEC規格を充足すること
はもち論のこと、絶縁層の耐熱性,耐軟化性が優れ、ま
た絶縁層を薄くすることができ、更には、長期間使用さ
れたのちであっても絶縁層の良好な層間剥離性を期待す
ることができる多層絶縁電線とそれを用いたトランスの
提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、導体と前記導体を被覆する
3層以上の絶縁層とから成る多層絶縁電線において、導
体側から1層目および3層目の絶縁層が、いずれも、熱
可塑性ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリアミド樹脂を
主成分とする樹脂混和物の押出被覆層であり、かつ、2
層目の絶縁層は、(a)脂肪族アルコール成分と酸成分
とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂
100重量部に対し、側鎖にカルボン酸もしくはカルボ
ン酸の金属塩を有するエチレン系共重合体5〜40重量
部を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層(以下、押出
被覆層aという)、(b)全部もしくは一部が脂環族ア
ルコール成分と酸成分とを結合して形成される熱可塑性
直鎖ポリエステル樹脂を主成分とする押出被覆層(以
下、押出被覆層bという)、または、(c)全部もしく
は一部が脂環族アルコール成分と酸成分とを結合して形
成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に
対し、側鎖にカルボン酸もしくはカルボン酸の金属塩を
有するエチレン系共重合体50重量部以下を配合して成
る樹脂混和物の押出被覆層(以下、押出被覆層cとい
う)のいずれかであることを特徴とする多層絶縁電線が
提供される。
【0011】本発明の多層絶縁電線は、導体の表面が3
層以上の絶縁層で被覆されているものである。それら絶
縁層のうち、導体から数えて1層目,2層目,3層目の
絶縁層は後述する構成になっていることを必須条件とす
る。そして3層目の絶縁層の上には、4層目,5層目…
…と任意の層数の絶縁層が形成されていてもよい。ま
ず、本発明の多層絶縁電線における1層目の絶縁層は、
熱可塑性ポリアミド樹脂またはそれを主成分とする樹脂
混和物の押出被覆層である。
【0012】この1層目の絶縁層は、導体との密着性も
良好で、かつ、ポリエステル系樹脂よりも機械的強度が
優れ、しかも軟化温度は高い。したがって、コイル加工
時の巻張力とコイル使用時の導体発熱により、2層目,
3層目の絶縁層につぶれ現象が発生しても、この1層目
の絶縁層は変形能が小さいので、上記つぶれ現象が導体
にまで波及することが有効に防止され、絶縁特性の低下
は抑制される。
【0013】この1層目の絶縁層を形成する熱可塑性ポ
リアミド樹脂としては、例えば、4−ナイロン,6−ナ
イロン,10−ナイロン,11−ナイロン,12−ナイ
ロン,4,6−ナイロン,6,6−ナイロン,6,10
−ナイロン,6,12−ナイロン、またはそれらの共重
合ナイロン(いずれも、デュポン社製の商品名)をあげ
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよい
し、また2種以上を適宜に混和して用いてもよい。
【0014】これらの熱可塑性ポリアミド樹脂のうち
4,6−ナイロンは、他のナイロンに比べて、融点が2
0〜30℃高い290℃程度と耐熱性に優れているの
で、例えば厚み60μm程度の絶縁層にした場合であっ
ても、コイル使用時における熱変形を起こしにくく、1
層目の絶縁層の素材として好適である。また、上記した
熱可塑性ポリアミド樹脂に、例えば、エチレン−メタア
クリル酸共重合体,エチレン−アクリル酸共重合体,熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポ
リカーボネート系樹脂などの1種または2種以上を変性
樹脂として混和してもよい。
【0015】その場合、上記した変性樹脂の熱可塑性ポ
リアミド樹脂に対する混和の割合が多すぎると、絶縁層
の耐熱性や耐軟化性が低下して、コイル加工時の巻張力
や通電時における導体発熱によって絶縁層の変形が起こ
りやすくなり、また少なすぎると、絶縁層と導体との密
着性が低下して、いわゆる鞘抜けなどが起こることもあ
る。したがって、混和の割合は、熱可塑性ポリアミド樹
脂100重量部に対し、5〜50重量部に設定されるこ
とが好ましい。とくに好ましくは10〜30重量部であ
る。
【0016】これらの混和する樹脂のうち、熱可塑性直
鎖ポリエステル樹脂は好ましいものである。この熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸
またはその一部が脂肪族ジカルボン酸で置換されている
ジカルボン酸と脂肪族ジオールとのエステル反応で得ら
れたものが用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂(PET),ポリブチレンテレフタレート樹
脂(PBT),ポリエチレンナフレート樹脂,ポリシク
ロヘキサンメチレンテレフタレート樹脂(PCT)など
を代表例としてあげることができる。
【0017】また、熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂の外
に、ポリカーボネート樹脂,ポリウレタン樹脂なども変
性樹脂として好適である。これらはそれぞれ単独で用い
てもよいし、2種以上を適宜に混和して用いてもよい。
次に、2層目の絶縁層について説明する。2層目の絶縁
層は、前記した押出被覆層a,押出被覆層b,押出被覆
層cのいずれかで形成される。
【0018】押出被覆層aを形成する樹脂混和物は、後
述する熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂とエチレン系共重
合体とを必須成分とする。このうち、熱可塑性直鎖ポリ
エステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸またはその
一部が脂肪族ジカルボン酸で置換されているジカルボン
酸と脂肪族ジオールとのエステル反応で得られたものが
好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(PET),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PB
T),ポリエチレンナフレート樹脂などを代表例として
あげることができる。
【0019】この熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂の合成
時に用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸,イソフタル酸,テレフタルジカルボン酸,ジ
フェニルスルホンジカルボン酸,ジフェノキシエタンジ
カルボン酸,ジフェニルエーテルカルボン酸,メチルテ
レフタル酸,メチルイソフタル酸などをあげることがで
きる。これらのうち、とくにテレフタル酸は好適なもの
である。
【0020】芳香族ジカルボン酸の一部を置換する脂肪
族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸などをあげることができる。これらの脂
肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の3
0モル%未満であることが好ましく、とくに20モル%
未満であることが好ましい。一方、エステル反応に用い
る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコー
ル,ヘキサンジオール,デカンジオールなどをあげるこ
とができる。これらのうち、エチレングリコール,テト
ラメチルグリコールは好適である。また、脂肪族ジオー
ルとしては、その一部がポリエチレングリコールやポリ
テトラメチレングリコールのようなオキシグリコールに
なっていてもよい。
【0021】押出被覆層aを形成する樹脂混和物の他の
必須成分は、例えば、ポリエチレンの側鎖にカルボン酸
もしくはカルボン酸の金属塩を結合させたエチレン系共
重合体である。このエチレン系共重合体は、前記した熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化を抑制する働きを
し、そのことにより、コイル加工時に加わる負荷に基づ
く押出被覆層のクラック発生を防止したり、形成した絶
縁層の電気的特性の経時劣化を抑制する。
【0022】結合させるカルボン酸としては、例えば、
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸のような不飽和
モノカルボン酸や、マレイン酸,フマル酸,フタル酸の
ような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこ
れらの金属塩としては、Zn,Na,K,Mgなどの塩
をあげることができる。このようなエチレン系共重合体
としては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体の
カルボン酸の一部を金属塩にし、一般にアイオノマーと
呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン;商品名、三井ポリ
ケミカル(株)製),エチレン−アクリル酸共重合体
(例えば、EAA;商品名、ダウケミカル社製),側鎖
にカルボン酸を有するエチレン系グラフト重合体(例え
ば、アドマー;商品名、三井石油化学工業(株)製)を
あげることができる。
【0023】この樹脂混和物において、熱可塑性直鎖ポ
リエステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、
前者100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲
に設定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合
は、形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくな
り、そのため、コイル加工時に絶縁層の表面に微小クラ
ックが発生する、いわゆるクレージング現象が多発す
る。また、絶縁層の経時劣化が進んで絶縁破壊電圧の大
幅な低下を引き起こすようになる。他方、配合量が40
重量部より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく低下し
てしまう。両者の好ましい配合割合は、前者100重量
部に対し、後者は7〜25重量部である。
【0024】つぎに、押出被覆層bを形成する材料は、
以下のような熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂である。す
なわち、全部または一部が脂環族アルコールのシクロヘ
キサンジメタノールであるアルコール成分と酸成分とを
結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂であ
り、具体的には、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート樹脂(PCT)をあげることができる。この樹
脂は前記したPETなどに比べてより優れた耐熱性を備
えている。
【0025】このようなPCT系樹脂としては、例え
ば、EKTAR−DN,EKTAR−DA,EKTAR
−GN(商品名、東レ(株)製)を好適なものとして使
用することができる。また、絶縁層の経時劣化に基づく
絶縁破壊電圧の低下を抑制することを考えると、変性樹
脂として、例えば、ポリカーボネート樹脂,ポリウレタ
ン樹脂などを、熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重
量部に対して10〜100重量部配合することが好まし
い。なお、一層目および3層目の絶縁層との剥離性を適
度に保つために、ポリアミド樹脂を添加することが好適
である。
【0026】押出被覆層cを形成する樹脂混和物は、前
記したPCT系樹脂などと、押出被覆層aの形成に用い
た樹脂混和物における必須成分であるエチレン系共重合
体との樹脂混和物である。この樹脂混和物において、P
CT系樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、前者
100重量部に対し、後者は50重量部以下に設定され
る。
【0027】エチレン系共重合体の配合量を50重量部
より多くすると、PCT系樹脂の優れた耐熱性が低下し
てしまい、形成された絶縁層の耐熱性に問題が生ずるか
らである。両者の好ましい配合割合は、前者100重量
部に対し、後者5〜30重量部である。本発明の多層絶
縁電線における3層目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド
樹脂またはこれを主成分とする樹脂混和物で形成され
る。この3層目の絶縁層は表面における摩擦係数が比較
的小さく、また機械的強度も優れているので、電線のコ
イル加工時における最外層へのクラック発生などの損傷
を最小限に抑制することができる。また2層目の絶縁層
(ポリエステル系樹脂層)との密着性も低いので、最外
層に損傷が生じた場合でもその損傷が2層目の絶縁層に
波及する事態は抑制される。その結果、コイル加工後の
絶縁特性の低下を防止することができる。
【0028】更に、この3層目の絶縁層は、2層目の絶
縁層がポリエチレン系共重合体の配合量が少ない押出被
覆層aまたは押出被覆層cで形成されている場合や、シ
クロヘキサンジメタノールの使用量が少ないPCT系樹
脂から成る押出被覆層bで形成されている場合に、この
2層目の絶縁層の経時劣化を緩和する働きをする。この
3層目の絶縁層を形成する熱可塑性ポリアミド樹脂とし
ては、例えば、4−ナイロン,6−ナイロン,10−ナ
イロン,11−ナイロン,12−ナイロン,4,6−ナ
イロン,6,6−ナイロン,6,10−ナイロン,6,
12−ナイロン、またはそれらの共重合ナイロン(いず
れも、デュポン社製の商品名)をあげることができる。
とくに、4,6−ナイロンは耐熱性に優れているという
点で好適である。
【0029】また、これらの熱可塑性ポリアミド樹脂
に、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレ
ン−アクリル酸共重合体,ポリエチレン,前記した熱可
塑性直鎖ポリエステル樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリ
カーボネート樹脂などの1種または2種以上を混和して
もよい。この場合、混和の割合は、ポリアミド樹脂10
0重量部に対し3〜50重量部であることが好ましい。
【0030】本発明の多層絶縁電線は、1層目用の熱可
塑性ポリアミド樹脂またはそれを主成分として含む樹脂
混和物を導体の外周に押出被覆して所望厚みの1層目の
絶縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁層の外周に
前記した2層目用の熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂また
はそれを主成分として含む樹脂混和物を押出被覆して所
望厚みの2層目の絶縁層を形成し、更に、この2層目の
絶縁層の外周に3層目用の熱可塑性ポリアミド樹脂また
はそれを主成分として含む樹脂混和物を押出被覆して所
望厚みの3層目の絶縁層を形成することにより製造され
る。
【0031】このとき、1層目および3層目の各押出被
覆時に用いる樹脂は、熱可塑性ポリアミド樹脂またはそ
れを主成分として含む樹脂混和物であればよく、同種で
あっても異種であってもよい。また、本発明の多層絶縁
電線において、1層目と3層目の絶縁層の形成に、4,
6−ナイロンまたは4,6−ナイロン100重量部に対
し他の混和樹脂を20重量部以下に配合して成る樹脂混
和物を用い、2層目の絶縁層の形成に、シクロヘキサン
ジメタノールで60モル%以上置換されているPCT系
樹脂100重量部に対し、他の混和樹脂を20重量部以
下配合して成る樹脂混和物を用いると、電線の耐熱クラ
スをIEC Pub.172で規定するE種レベル(1
20℃)からB種レベル(130℃)にまで向上させる
ことができる。
【0032】上記した本発明の多層絶縁電線を用いると
本発明のトランスを得ることができる。本発明のトラン
スにおいては、一次巻線,二次巻線の両方またはいずれ
か一方に本発明の多層絶縁電線を用いる。その場合、一
次巻線と二次巻線との間には絶縁テープを介在させる必
要はないが、介在させてもよい。
【0033】
【作用】請求項1の多層絶縁電線は、各絶縁層がいずれ
も樹脂の押出被覆によって形成されるので製造時の生産
性は非常に高くなる。また、各絶縁層は互いの層間では
異種材料が接触した状態にあるので層間剥離性は良好で
ある。そして、端末加工時には、直接半田付けを行うこ
とができる。
【0034】1層目と3層目の絶縁層の耐つぶれ特性が
優れているので、コイル加工時の巻張力やコイル使用時
の導体発熱に起因する絶縁層のつぶれ現象が導体表面に
まで波及しなくなる。そして、2層目の絶縁層は押出被
覆層a,押出被覆層b、または押出被覆層cで形成され
ているので、耐熱性が良好であるとともに、PET系樹
脂やPCT系樹脂の結晶化が抑制され、絶縁層の絶縁破
壊電圧の低下が起こりずらい。
【0035】また、3層目の絶縁層は熱可塑性ポリアミ
ド樹脂またはそれを主成分とする樹脂混和物で形成され
ているので、外表面の摩擦係数は小さくなり、コイル加
工時における電線表面の損傷が抑制される。請求項2の
多層絶縁電線では、2層目の絶縁層を、脂環族アルコー
ル成分としてシクロヘキサンジメタノールを用いた押出
被覆層bまたは押出被覆層cで形成しているので、耐熱
性が向上する。
【0036】請求項3の多層絶縁電線では、1層目およ
び/または3層目の絶縁層が4,6−ナイロンまたはそ
れを主成分とする樹脂混和物で形成されるので、耐熱性
は一層向上し、絶縁層全体の厚みを60μm程度にまで
薄肉化することができる。請求項4の多層絶縁電線は、
1層目の絶縁層が熱可塑性ポリアミド樹脂に変性樹脂を
配合して成る樹脂混和物で形成されているので、1層目
の絶縁層と導体との密着性が適正であり、いわゆる鞘抜
けなどは起こらなくなる。
【0037】請求項5のトランスは、請求項1〜4の多
層絶縁電線を用いて製造されるので、IEC規格を満足
することはもち論のこと、絶縁テープを廃止して、巻線
の占積率は小さく、小型化することができる。
【0038】
【実施例】
実施例1〜6,比較例1〜5 表1に示した各成分を表示の割合(重量部)で混練し
て、各押出被覆層用の樹脂混和物を調製した。導体とし
て線径0.6mmの軟銅線を用意し、その外周に、上記樹脂
混和物を押出被覆して、表示の厚みで1層目の押出被覆
層を形成したのち、2層目の押出被覆層を形成し、更に
2層目の外周に上記樹脂混和物を押出被覆して3層絶縁
電線を製造した。
【0039】
【表1】
【0040】以上の11種類の3層絶縁電線につき、下
記の仕様で各種の特性を測定した。 半田付け性:電線の末端約40mmの部分を温度400℃
の溶融半田に浸漬し、浸漬した30mmの部分に半田が付
着するまでの時間(秒)を測定。この時間が短いほど半
田付け性に優れていることを表す。
【0041】電気絶縁性:製造直後の2層被覆,3層被
覆のそれぞれの電線につき、JISC3003で規定す
る2個撚り法に準じ、かつ片方に裸銅線を用い、そのと
きの絶縁破壊電圧を測定。また、3層被覆の電線につい
ては、大気中に1年間放置したのち上記と同じ方法で絶
縁破壊電圧を測定し、電気絶縁性の経時変化を調べた。
【0042】耐熱性:3層被覆電線と裸銅線をJISC
3003に準拠して2個撚りし、その状態で、温度20
0℃、および230℃で1週間の加熱処理をそれぞれ行
ったのち絶縁破壊電圧を測定。この値が大きいほど耐熱
性に優れていることを表す。なお、230℃で1週間の
加熱処理による評価でB種レベルのものは、絶縁破壊電
圧の低下は非常に少ないものであると評価できる。
【0043】耐クレージング性:電線を6ヶ月間大気中
に放置したのち、その電線を直径12mmのコイル巻き枠
に整列機械巻きし、そのときに電線表面にクレージング
が発生したか否かを観察。 層間剥離性:絶縁層の長手方向を約50cmに亘りカッタ
ーナイフで切り裂いたのち、電線の周方向にも、1本、
全周に亘って切込みを入れ、電線の一端をよじり器に固
定し、他端をよじり器のチャックに挟んで電線を真っ直
ぐに保持し、この状態でチャックを回転させて電線を長
手方向を中心としてよじり、3層の絶縁層が各層に剥離
する回転数を調べた。なお、剥離は、周方向に切込みを
入れた部分の一部の皮膜が剥離した時点とする。この回
転数が少ないものほど層間剥離性に優れている。
【0044】コイル加工性:一辺が7mmの正方形断面を
有する導電性角芯に、コイルを加工機を用いて6kgの張
力をかけながら電線を整列巻き(50ターン)し、電線
と角芯の間に電圧3000Vを印加したときに、絶縁破
壊が起こるまでの時間を測定。この試験はコイル各10
個ずつで行い、結果は平均値で評価。この時間が長いほ
ど、コイル加工時に絶縁層に損傷が起こっていないこ
と、すなわちコイル加工性に優れていることを表す。な
お、ガイドノズルとしては、先端の孔径が電線の外径よ
り0.05mm大きいものを用い、また線速は20m/分に
設定した。
【0045】耐軟化性:JISC3003で規定する交
差法に準拠し、荷重を600g,3kgとしたときの短絡
温度を測定。この値が高いほど絶縁層の耐軟化性は優れ
ていてつぶれ現象が起きずらいことを表す。
【0046】
【表2】
【0047】表2で示した結果から以下のことが明らか
になる。 1)耐軟化性の結果で明らかなように、実施例の3層絶
縁電線は、いずれも、荷重600gと3kgとにおける短
絡温度の差が小さく、コイル使用時の導体発熱と巻張力
による絶縁層をつぶす作用に対する耐性が優れている。 2)側鎖にカルボン酸などを有するエチレン系共重合体
(以下、変性材という)と熱可塑性ポリエステル樹脂と
からなる樹脂混和物で2層目を形成した実施例1,2の
3層絶縁電線は、とくに半田付け特性に優れており、他
の特性も良好である。
【0048】3)PCT系樹脂の混和物で2層目を形成
し、1層目と3層目をいずれも4,6−ナイロンで形成
した実施例3,4の3層絶縁電線は、230℃で評価し
た耐熱性が非常に優れており、絶縁層全体の厚みを60
μm以下に薄肉化しても優れた特性を備えている。 4)PCT系樹脂の混和物で2層目を形成した実施例
5,6の3層絶縁電線は、絶縁層全体の厚みが60μm
と薄くても、耐熱性や半田付け性などの特性はバランス
がとれている。
【0049】5)上記変性材を配合せず、熱可塑性ポリ
エステル樹脂単独で1層目と2層目を形成した比較例1
の絶縁電線は、特性の経時変化が著しい。 6)他方、変性材が過剰(60重量部)に配合された樹
脂混和物で2層目を形成した比較例2の絶縁電線は、耐
熱性が悪い。 7)比較例3は、2層目と3層目を変性材が配合された
熱可塑性ポリエステル樹脂で形成したものであるため、
層間剥離性が悪い。また3層目が熱可塑性ポリアミド樹
脂で形成されていないため表面のすべり性が不足してコ
イル加工性が悪い。
【0050】8)フィルムを巻いて絶縁層を形成した比
較例4の絶縁電線は、半田付けできず、また、絶縁破壊
電圧が低く絶縁特性が悪い。更に、コイル加工性の結果
も悪い。 9)テフロン樹脂で絶縁層を形成した比較例5の3層絶
縁電線の場合、耐熱性は優れているものの半田付けでき
ないだけでなく、層間剥離性は8回であり、層間の密着
性が悪すぎる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
の多層絶縁電線は、生産性が非常に高く、層間剥離性も
良好である。そして、端末加工時には、直接半田付けを
行うことができる。更に、コイル加工時の巻張力やコイ
ル使用時の導体発熱に起因する絶縁層のつぶれ現象が導
体表面にまで波及しなくなる。そして、絶縁層の絶縁破
壊電圧の経時低下が起こりずらい。また、外表面の摩擦
係数は小さくなり、コイル加工時における電線表面の損
傷が抑制されるなどの長所を有する。
【0052】請求項2の多層絶縁電線では、脂環族アル
コール成分としてシクロヘキサンジメタノールを用いた
ので、耐熱性が向上する。請求項3の多層絶縁電線で
は、耐熱性は一層向上し、絶縁層全体の厚みを60μm
程度にまで薄肉化することが可能である。請求項4の多
層絶縁電線は、熱可塑性ポリアミド樹脂に変性樹脂を配
合して成る樹脂混和物を用いたので、1層目の絶縁層と
導体との密着性が適正であり、いわゆる鞘抜けなどは起
こりにくくなる。
【0053】これらの多層絶縁電線は、IEC規格を満
足する新規構造の変圧器の巻線やリード線として有用で
ある。請求項5のトランスは、IEC規格を満足するこ
とはもち論のこと、絶縁テープを廃止して、巻線の占積
率は小さく、小型化することができる。また、絶縁特性
は優れ、しかもその経時劣化は小さくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信之 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−175059(JP,A) 特開 昭58−152307(JP,A) 特開 昭59−130008(JP,A) 特開 昭51−20253(JP,A) 特開 昭58−147902(JP,A) 特開 平4−164627(JP,A) 特開 平4−174909(JP,A) 特開 昭58−137905(JP,A) 実開 平3−110721(JP,U) 実開 平4−101315(JP,U) 実開 平4−16823(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/02 H01B 3/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体と前記導体を被覆する3層以上の絶
    縁層とから成る多層絶縁電線において、導体側から1層
    目および3層目の絶縁層が、いずれも、熱可塑性ポリア
    ミド樹脂または熱可塑性ポリアミド樹脂を主成分とする
    樹脂混和物の押出被覆層であり、かつ、2層目の絶縁層
    は、 (a)脂肪族アルコール成分と酸成分とを結合して形成
    される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対
    し、側鎖にカルボン酸もしくはカルボン酸の金属塩を有
    するエチレン系共重合体5〜40重量部を配合して成る
    樹脂混和物の押出被覆層、 (b)全部もしくは一部が脂環族アルコール成分と酸成
    分とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹
    脂を主成分とする押出被覆層、または、 (c)全部もしくは一部が脂環族アルコール成分と酸成
    分とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹
    脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸もしくはカル
    ボン酸の金属塩を有するエチレン系共重合体50重量部
    以下を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層、のいずれ
    かであることを特徴とする多層絶縁電線。
  2. 【請求項2】 前記脂環族アルコール成分がシクロヘキ
    サンジメタノールである請求項1の多層絶縁電線。
  3. 【請求項3】 前記1層目および/または3層目の絶縁
    層が、4,6−ナイロンまたは4,6−ナイロンを主成
    分とする樹脂混和物から成る請求項1の多層絶縁電線。
  4. 【請求項4】 前記1層目の絶縁層が、熱可塑性ポリア
    ミド樹脂に、熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂,ポリカー
    ボネート樹脂またはポリウレタン樹脂を配合して成る樹
    脂混和物の押出被覆層である請求項1の多層絶縁電線。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4の多層絶縁電
    線のいずれか1つを用いたことを特徴とするトランス。
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