昨今、多品種少量生産に適する工業製品(例えば、自動車、各種電気製品、パソコン等々)の生産ラインとしては、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、それらの組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインが知られている。
このような異機種同時組立ラインの中には、各組立ステーションにおいて、様々な機種の組み立て作業を熟練作業員でなくとも誤りなく実施できるように、部品取り出しガイド表示器付きの部品棚を使用した組立支援システムが採用されているものも存在する(例えば、特許文献1参照)。
一般に、この種の部品取り出しガイド表示器付きの部品棚を使用した組立支援システムは、詳細は後述するが、「生産工程管理装置」と、「部品棚」と、「部品棚管理装置」と、を含んで次のように構成される。
生産工程管理装置は、組立ラインに含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するコンピュータ・システムで構成されるものであり、通常、組立ラインの現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置される。
部品棚は、組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、組立に必要な部品を収容するための複数の間口を有すると共に、それら複数の間口のそれぞれには、間口表示器と間口検知器とが設けられる。
部品棚管理装置は、例えばプログラマブル・コントローラ(PLC)やプログラマブル・ターミナル(PT)等を含んで構成され、組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ生産工程管理装置と通信ネットワークを介して結ばれる。
また、生産工程管理装置は、詳細は後述するが、「上位側受信手段」と、「使用部品テーブル記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「機種/部品・ベース変換手段」と、「更新操作手段」と、「部品割付テーブル更新手段」と、「生産計画ダウンロード手段」と、「部品割付テーブルダウンロード手段」とを含んで構成される。
上位側受信手段は、各機種(例えば、自動車生産ラインであれば車種が相当)を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を所定生産台数(例えば、100台)分について所定の上位装置(例えば、その会社の生産計画情報を生成する基幹システムが相当)から所定のネットワークを介して受信する。
使用部品テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成され、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブルを記憶する。
部品割付テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成され、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、その組立ステーションに含まれる部品棚の各間口を示す間口情報とその間口に割り付けられる部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる間口別部品割付テーブルを記憶する。
機種/部品・ベース変換手段は、使用部品テーブル記憶手段に記憶される機種別使用部品テーブルを参照することにより、受信手段にて上位装置から受信される機種ベースの生産計画情報を各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報へと変換する。
更新操作手段は、ノートパソコン等のパソコンで構成され、前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの登録内容を当該生産工程管理装置の側の操作で更新する。
部品割付テーブル更新手段は、更新操作手段の登録操作又は削除操作で入力される入力間口情報と部品情報とに基づいて前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容を更新する。
生産計画ダウンロード手段は、機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
部品割付テーブルダウンロード手段は部品割付テーブル更新手段にて更新された間口別部品割付テーブルを、該当する組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
また、各組立ステーションの部品棚管理装置は、詳細は後述するが、「生産計画記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「運転モード用の制御手段」と、を含んで次のように構成される。
生産計画記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を記憶する。
部品割付テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブルを記憶する。
運転モード用の制御手段には、部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報に基づいて、各組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報を生成する使用間口情報生成手段と、使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各組立作業における使用部品対応間口の間口表示器の表示動作を制御する間口表示器制御手段と、が含まれている。
以上の構成よりなる組立支援システムによれば、各組立ステーションの部品棚においては、組立対象となる機種の順番に合わせて、その機種の組立に必要な部品を収めた間口の間口表示器が点灯するため、間口表示器の点灯にしたがって、その間口から部品を取り出すだけで、各機種の組立に必要な部品を容易に取得でき、様々な機種の組み立て作業を熟練作業員でなくとも誤りなく実施できる利点がある。
しかも、生産計画情報の提供元となる上位装置と各組立ステーションの部品棚管理装置との間には、各組立ステーションへの情報変換機能乃至情報仕分け機能を有する生産工程管理装置が介在されているため、上位装置の側では、単に、各機種(例えば、自動車生産ラインであれば車種が相当)を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を送り出すだけで、各組立ステーションの部品棚管理装置にはその部品棚の制御の適した情報が自動的に提供される利点もある。
特開2003−40406号公報
各組立ステーションに設置された部品棚において、どの間口にどの部品を割り付けるかは、組立作業時の作業能率に大きな影響を与える重要な要素である。各部品の形状や大きさ、さらには、使用数又は使用頻度は区々である一方、部品棚を構成する各間口の大きさ、高さ、作業者との距離等々も区々であるから、各部品をいずれかの間口に割り付けるにあたっては、それらの部品側及び間口側の個性を十分に考慮した上で、各部品を最適な間口に割り付けねばならない。
部品棚における間口毎の部品割付は、生産工程管理装置に記憶された間口別部品割付テーブルの内容により定義される。したがって、部品割付作業にあたっては、この部品割付テーブルの内容を適切に定義しなければならない。
この間口毎の部品割付作業は、各組立ステーションにおけるの組立作業者ではなくて、生産ラインの設計担当者に委ねられるのが通例である。すなわち、生産ラインの設計担当者は、現物、写真、カタログ等々から各部品の個性を認識すると共に、組立ステーションに赴いて実際に部品棚を観察することで各間口の個性を認識し、その上で、組立ステーションとは離隔された事務所等の遠隔場所に設置された生産管理装置の端末(ノート型パソコン等)において、各間口を指定してその間口に割り付けるべき部品に対応する部品コードを入力することにより、生産工程管理装置に記憶された間口別部品割付テーブルの内容を適切に定義する。
ところで、組立作業者の立場をいかに考慮したとしても、生産ラインの設計担当者の側の考え方だけで、組立作業者が完全に満足するような完璧な部品割付を行うことは必ずしも容易なことではない。また、当初は完璧であったとしても、その後、機種毎の生産頻度の変化等により、取り出しやすい位置の間口に収容される部品の使用頻度が減少したり、逆に取り出しにくい位置の間口に収容される部品の使用頻度が増加する等して、使い勝手の悪い部品割付となることもあり得る。このような場合、各組立ステーションにおける組立作業者の側で、2つの間口間で部品を入れ替えたり、いずれかの間口に収容されている部品を別の空の間口に入れ替えたりする等のように、部品割付を容易に変更することができれば便利なことは言うまでもない。
しかしながら、従来の組立支援システムにあっては、間口別部品割付テーブルの内容を変更するには、組立ラインの現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置された生産管理装置の端末(ノート型パソコン等)を操作せねばならないから、各組立ステーションの組立担当者にとっては、その都度、作業現場から離れて生産管理装置の端末まで出向かねばならず、煩雑に耐えない。
また、仮に、生産管理装置の操作端末と同様な端末が各組立ステーションにあったとしても、各組立ステーションの組立作業員は、間口別部品割付テーブルの変更操作に必要な間口コードや部品コードに普段接する機会はないから、そのような端末が身近にあったとしても、使い勝手が悪く、事実上、用をなさないであろう。
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、各組立ステーションにおける組立作業者の側で、それぞれの組立ステーションにある部品棚に対応する生産管理装置側の間口別部品割付テーブルの内容を、間口コードや部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、容易に変更可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムを提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的課題は、以下の構成を有する異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムにより解決することができる。
すなわち、この組立支援システムは、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムである。
この組立支援システムには、詳細は後述するが、「生産工程管理装置」と、「部品棚」と、「部品棚管理装置」と、が含まれている。
生産工程管理装置は、前記組立ラインに含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するもので、前記組立ラインの現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置される。
部品棚は、前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ組立に必要な部品を収容するための複数の間口を有すると共に、前記複数の間口のそれぞれには、間口表示器と間口検知器とが設けられる。
部品棚管理装置は、前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ前記生産工程管理装置と通信ネットワークを介して結ばれる。
また、前記生産工程管理装置には、「上位側受信手段」と、「使用部品テーブル記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「機種/部品・ベース変換手段」と、「更新操作手段」と、「第1の部品割付テーブル更新手段」と、「第2の部品割付テーブル更新手段」と、「生産計画ダウンロード手段」と、「部品割付テーブルダウンロード手段」とが含まれている。
上位側受信手段は、各機種を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を所定生産台数分について所定の上位装置から受信する。
使用部品テーブル記憶手段は、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブルを記憶する。
部品割付テーブル記憶手段は、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、その組立ステーションに含まれる部品棚の各間口を示す間口情報とその間口に割り付けられる部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる間口別部品割付テーブルを記憶する。
機種/部品・ベース変換手段は、前記使用部品テーブル記憶手段に記憶される機種別使用部品テーブルを参照することにより、受信手段にて上位装置から受信される機種ベースの生産計画情報を各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報へと変換する。
更新操作手段は、前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの登録内容を当該生産工程管理装置の側の操作で更新する。
第1の部品割付テーブル更新手段は、前記更新操作手段の登録操作又は削除操作で入力される入力間口情報と部品情報とに基づいて前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容を更新する。
第2の部品割付テーブル更新手段は、前記部品棚管理装置から通知されたテーブル更新要求に含まれる検知間口情報と部品情報とに基づいて前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容を更新する。
生産計画ダウンロード手段は、前記機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
部品割付テーブルダウンロード手段は、前記第1、第2の部品割付テーブル更新手段にて更新された間口別部品割付テーブルを、該当する組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
また、前記各組立ステーションの部品棚管理装置には、詳細は後述するが、「生産計画記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「部品情報読取器」と、「モード設定手段」と、「運転モード用の制御手段」と、「登録モード用の制御手段」と、が含まれている。
生産計画記憶手段は、前記生産工程管理装置から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を記憶する。
部品割付テーブル記憶手段は、前記生産工程管理装置から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブルを記憶する。
部品情報読取器は、機械読取可能なコードを使用して記録された部品情報を読み取り可能とされる。
モード設定手段は、動作モードを少なくとも運転モードと登録モードとに設定可能とされる。
前記運転モード用の制御手段には、詳細は後述するが、「使用間口情報生成手段」と、「間口表示器制御手段」と、が含まれている。
使用間口情報生成手段は、前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報に基づいて、各組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報を生成する。
間口表示器制御手段は、前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各組立作業における使用部品対応間口の間口表示器の表示動作を制御する。
前記登録モード用の制御手段には、詳細は後述するが、「検知間口情報生成手段」と、「部品情報生成手段」と、「通知手段」と、が含まれている。
検知間口情報生成手段は、前記部品棚の各間口に設けられた間口検知器からの検知信号に基づいて該当する検知間口情報を生成する。
部品情報生成手段は、前記部品情報読取器の読み取り操作により登録対象となる部品情報を生成する。
通知手段は、前記検知間口情報生成手段により生成された検知間口情報と前記部品情報生成手段により生成された登録対象部品情報とを含むテーブル更新要求を前記工程管理装置へと通知する。
このような構成によれば、前記各組立ステーションの部品棚管理装置において、動作モードを登録モードに設定すると共に、その設定状態において、前記間口検知器及び前記部品情報読取器を操作すれば、検知間口情報生成手段の作用によって、前記部品棚の各間口に設けられた間口検知器からの検知信号に基づいて該当する検知間口情報が生成され、また、前記部品情報生成手段の作用によって、前記部品情報読取器の読み取り操作により登録対象となる部品情報が生成され、さらに、通知手段の作用によって、前記検知間口情報生成手段により生成された検知間口情報と前記部品情報生成手段により生成された登録対象部品情報とを含むテーブル更新要求を前記工程管理装置へと通知される。
すると、生産工程管理装置の側においては、第2の部品割付テーブル更新手段の作用によって、前記部品棚管理装置から通知されたテーブル更新要求に含まれる検知間口情報と部品情報とに基づいて前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容が更新される。
そのため、本発明によれば、前記各組立ステーションの部品棚管理装置において、動作モードを登録モードに設定すると共に、その設定状態において、前記間口検知器及び前記部品情報読取器を操作することにより、前記生産工程管理装置側の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容を遠隔更新可能となり、各組立ステーションにおける組立作業者の側で、それぞれの組立ステーションにある部品棚に対応する生産管理装置側の間口別部品割付テーブルの内容を、間口コードや部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、容易に変更可能となる。
上記の組立支援システムは、好ましい実施形態においては、前記生産工程管理装置及び前記各組立ステーションの部品棚管理装置は、つぎのように構成されていてもよい。
すなわち、前記生産工程管理装置において、前記生産計画ダウンロード手段は、前記機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へと所定生産台数分だけまとめてダウンロードするように仕組まれている。
また、前記各組立ステーションの部品棚管理装置において、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段は、前記生産工程管理装置から前記生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を所定生産台数分まとめて記憶できる記憶容量を有している。
また、前記通常モード用の制御手段において、前記間口表示器制御手段は、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された所定生産台数分の間口ベースの生産計画情報から順次に詠み出される各1台分の使用間口対応の間口情報と、前記部品棚の各間口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各生産機種の組立作業に必要な部品と対応する各間口の間口表示器の表示動作を制御するように仕組まれている。
さらに、前記登録モード用の制御手段において、前記間口情報生成手段は、ダウンロードされて前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶される更新後の間口別部品割付テーブルの内容を参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶されている所定生産台数分の部品ベースの生産計画情報を間口ベースの生産計画情報に再変換するように仕組まれている。
このような構成によれば、各組立ステーションの部品棚管理装置においては、生産工程管理装置から前記生産計画ダウンロード手段を介して予めダウンロードされる所定生産台数分の生産計画情報に基づいて、各生産機種の組立作業に必要な部品と対応する各間口の間口表示器の表示動作が制御されるため、ネットワークの異常が発生する等してダウンロードが一時的に不能となる事態が発生したとしても、直ちに生産ラインにおける組み立て作業が停止しないと言う利点がある一方、登録モードにおいて、生産工程管理装置側から更新後の間口別部品割り付けテーブルがダウンロードされた場合には、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶されている所定生産台数分の部品ベースの生産計画情報は、更新後の間口別部品割付テーブルの内容を参照することにより、間口ベースの生産計画情報に自動的に再変換されるため、既にダウンロード済みの生産計画についても、新たな間口別部品割り付けテーブルに対応するものに自動的に再生される。
このとき、前記生産工程管理装置に、前記生産ライン上の各組立ステーションにて使用可能な全部品に関する部品情報を登録してなる部品マスタを記憶させた部品マスタ記憶手段が含まれており、かつ前記第2の部品割付テーブル更新手段は、前記部品棚管理装置から通知されたテーブル更新要求に含まれる登録対象部品情報を前記部品マスタ記憶手段に記憶された部品マスタと照合し、照合一致のときには、前記間口別部品割付テーブルの内容を更新するのに対して、照合不一致のときには、前記間口別部品割付テーブルの内容を更新しないように仕組まれていれてもよい。
このような構成によれば、各組立ステーション側で使用希望の部品が未承認の部品である場合には、生産工程管理装置側の間口別部品割付テーブルの内容は更新されないため、各組立ステーション側からの間口別部品割り付けテーブルの更新を許容しつつも、未承認の部品が勝手に使用されて組み立て作業が行われる危険を回避することができる。
なお、以上一連の発明において、前記部品棚管理装置において、登録モード用の制御手段には、前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルの内容に基づいて、いずれの部品も割り付けられていない間口を検索し、検索された間口に対応する間口表示器を所定の表示態様で動作させる登録可能間口案内手段が含まれていてもよい。
このような構成によれば、部品棚において、いずれかの間口が空の状態にあったとしても、その理由が部品が割り付けられていないためなのか、それとも、たまたま部品が使用され尽くして補給待ちの状態にあるためなのかを、作業者に対して一目瞭然に把握させることができ、作業者は新たに部品を割り付けることが可能な間口を直ちに探し出すことができる。
また、同様に、以上一連の発明において、前記各組立ステーションの部品棚管理装置において、前記モード設定手段は、運転モードと登録モードとに加えて、削除モードにも設定可能とされており、かつ削除モード用の制御手段が設けられていてもよい。
このとき、前記削除モード用の制御手段は、前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブル内の間口使用状況情報に基づいて削除候補となる部品情報を案内表示する削除候補案内表示手段と、前記削除候補案内表示手段により案内表示された削除候補となる部品情報の中から所望の部品情報を選択するための削除対象選択手段と、前記削除対象選択手段にて削除対象として選択された部品情報と間口情報とを含む更新要求を前記生産工程管理装置へと通知する通知手段と、を含んでいる。
このような構成によれば、削除モードに設定すると、前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブル内の間口使用状況情報に基づいて削除候補となる部品情報が案内表示されるから、その中から所望の部品情報を選択する操作を行うだけで、選択された部品情報と間口情報とを含む更新要求が前記生産工程管理装置へと通知され、これにより所望の部品情報を生産工程管理装置側の間口別部品割付テーブルから削除することができる。
なお、以上一連の発明において、前記間口検知器は、各間口の部品取出側の面又は部品補給側の面に設けられ、手動操作で作動するスイッチであってもよいし、各間口の部品取出側の面又は部品補給側の面に設けられ、間口への物体侵入により作動する光電センサであってもよい。又、以上一連の発明において、前記間口表示器は、各間口の部品取出側の面又は部品補給側の面に設けられる表示ランプであってもよい。
このような構成によれば、それらのスイッチや光電センサ、さらには表示ランプは、元々この種の取り出しガイド機能付の部品棚においては付属されているものであるから、既存の設備を流用することで、格別のコストアップを来さない利点がある。
又、以上一連の発明において、前記部品情報読取器は、部品収容箱等に表示された一次元又は二次元の光学コードを読取可能な光学コードリーダ、磁気コードリーダ、又はRFIDタグリーダであってもよい。
このような構成によれば、部品棚の各間口に部品箱ごと部品を収納するような場合には、その部品箱の側面等や別途用意した部品情報リスト表示シートに、一次元や二次元の光学コード、磁気コード、RFIDタグ等により部品情報を付することとすれば、部品情報読取器を使用した読み取り操作を行うだけで、部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、部品情報を簡単に入力させることができる。
また、以上一連の発明において、前記部品棚管理装置は、クライアント本体として機能するプログラマブル・コントローラと、ヒューマンマシン・インタフェースとして機能するプログラマブル・ターミナルとから構成され、前記部品棚管理装置を構成する生産計画記憶手段、部品割付テーブル記憶手段、運転モード用の制御手段、及び登録モード用の制御手段の各機能は、前記プログラマブル・コントローラのユーザプログラムにより実現され、かつ前記部品棚管理装置を構成する動作モード設定手段の機能は、前記プログラマブル・ターミナルにより実現されるものであれば、本発明を特別な専用制御装置を使用せずとも手軽に実現することができる。
本発明によれば、各組立ステーションにおける組立作業者の側で、それぞれの組立ステーションにある部品棚に対応する生産管理装置側の間口別部品割付テーブルの内容を、間口コードや部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、容易に変更可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムを提供することができる。
以下に、この発明に係る組立支援システムの好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先に説明したように、本発明に係る組立支援システムが適用される異機種同時生産ラインは、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能としたものである。
この異機種同時生産ラインは、自動車、家電製品、コンピュータ、各種電子機器等々のような様々な工業製品に適用することができ、またその全長も、電子機器の製造ライン等のような10m乃至数10mの小規模なものから、自動車の製造ライン等の数100m又はそれ以上の大規模なものまで様々である。
また、ここで言う「複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ライン」には、連続する1本の搬送ラインに沿って、複数の組立ステーションが配置されていて、組立途中製品は一切停止せずに、各組立ステーションの前を通過するもの(連続搬送式)と、相前後する組立ステーション間を独立した搬送ラインで結び、個々の組立ステーションでは、上流側の搬送ラインから組立途中製品を受け取ったのちに、静止状態において、決められた組立作業を実行し、組立作業が完了したのちの組立途中品を下流側の搬送ラインに送り出すもの(断続搬送式)との双方が含まれている。
さらに、連続搬送式の組立ラインには、組立作業者を各組立ステーションに配置したままで、各組立ステーションの前を通過する間に、組立途中製品に対して所定の組立作業を行うもの(作業者静止型)と、組立作業者を搬送ライン上に載せて組立途中品と一緒に一定の搬送区間流れながら所定の組み立て作業を行うもの(作業者移動型)とが含まれている。
異機種同時生産ラインの一例を示すレイアウト図が図1に示されれている。なお、図示の異機種同時生産ラインは、自動車の製造ラインとして構成されるものであり、また前述の連続搬送式かつ作業者移動型のものに相当するものである。
同図に示されるように、組立ライン1は、自動車の組立途中製品を搬送する機能を有する連続する1本の搬送帯10で構成されており、この搬送帯10の進行方向右脇には、複数の組立ステーションが互いに適当な前後距離を隔てて配置されている。なお、この例では、それら複数の組立ステーションのうちの相前後する2つの組立ステーション、すなわち、(N)番目の組立ステーションと(N+1)番目の組立ステーションのみが示されている。また、符号13は、補給されるべき部品を運搬するための多連運搬車である。
搬送帯10は、進行方向へ等間隔に区切られて複数の区画領域10a,10a,・・・が形成されている。それらの区画領域10a,10a,・・・のそれぞれには、一台の自動車の組立途中品11と、その組立途中品の組立作業を担当する一人の組立作業者12とが載せられている。
各組立ステーション(例えば第(N)組立ステーション、第(N+1)組立ステーション)のそれぞれには、詳細は後述する、部品取出用ガイド機能付きの部品棚2と、その部品棚を管理する部品棚管理装置3とが配置されている。
部品棚の一例を示す説明図(その1)が図7に、同(その2)が図8にそれぞれ示されている。これらの説明図は、部品棚2を裏側(部品を補給する側)から見たものである。それらの図から明らかなように、部品棚2は複数の間口(部品収容部の意味)21を有する。図では、各間口21は同一形状とされ、また縦横に配列されているが、実際のところ、各間口21の形状乃至配列は区々であり、縦長のもの、横長のもの、背の高いもの又は低いもの等々が混在した部品棚も存在する。
間口21を形作る構造材としては、自動車部品を扱うような場合には、一般的には、図19及び図20に示されるように、パイプ材が使用される。各間口21は、組立ライン1に面する部品取出用開口と、それと反対側に位置する部品補給用開口とを有する。各間口21の底板は、部品棚によっては、部品補給用開口から部品取出用開口へ向かうにつれて降下する傾斜面とされ、この傾斜面には、好ましくは、転動用ローラや転動用鋼球が配置されている。
各間口21に収容されるべき部品は、大型の部品については、そのまま、バラバラの状態で直に収容されるのに対して、比較的に小型で定型の部品については、例えば図20及び図21に示されるように、一定個数まとめて部品箱5ごと収容される。
のちに詳細に説明するように、各部品箱5のそれぞれには、部品箱内に収容される部品に関する部品関連情報をバーコードで表示してなるラベル51が貼付されている。ここで、ラベル51にバーコードで表示される部品関連情報としては、当該部品の部品名、部品識別コード、1箱あたりの収容個数、製造者コード、製造年月日等々を挙げることができる。
各間口21の部品補給用開口から供給される部品箱5は、傾斜底面を有する場合には、各間口21の傾斜底面に配置された転動用ローラや転動用鋼球に案内されて、部品補給用開口の側から部品取出用開口の側へと自重で移動する。これにより、部品箱5は間口21内を自重で移動して、部品の取り出し易い開口の間近の所定位置へとセットされる。
部品棚5において、各間口21の部品取出用開口、又は、各間口21の部品取出用開口及び部品補給用開口には、間口表示器22と間口検知器23とが取り付けられる。部品取出用開口に取り付けられる間口表示器22及び間口検知器23は、主として、部品取出用間口の案内(間口表示器22の場合)及び部品が取り出されたことの確認(間口検知器の場合)のために供される。これに対して、部品補給用開口に取り付けられる間口表示器22及び間口検知器23は、部品補給のための案内(間口表示器22の場合)及び部品が補給されたことの確認(間口検知器の場合)のために供される。なお、図2の例にあっては、間口表示器22はPLC31のOUTスレーブ24の出力でオンオフ駆動され、間口検知器23からの入力信号はINスレーブ25を介してPLCに取り込まれる。
間口表示器22及び間口検知器23の具体的な構造としては、様々な態様のものを採用することができる。図7に示される部品棚の場合、間口表示器22としては表示ランプ22aが、また間口検知器23としてはレバースイッチ23aがそれぞれ採用されている。一方、図8の例にあっては、間口表示器22としては表示ランプ22bが、また間口検知器23としては多光軸光電センサ23bがそれぞれ採用されている。後に詳細に説明するように、本発明の要部である部品登録操作のためには、部品補給用開口に取り付けられる間口表示器22及び間口検知器23が使用される。
なお、図7及び図8において、符号32は後述する部品棚管理装置3の操作部として機能するプログラマブル・ターミナル(PT)であり、符号34は部品棚周辺の組立作業者に対して各種の警告を与えるための警告灯である。
次に、本発明に係る組立支援システムの全体構成図が図2に示されている。同図に示されるように、この組立支援システムには、詳細は後述するが、生産工程管理装置4と、部品棚2と、部品棚管理装置3と、が含まれている。
生産工程管理装置4は、組立ライン1に含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するもので、組立ライン1の現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置されている。
部品棚2は、組立ライン1に含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ組立に必要な部品を収容するための複数の間口21を有すると共に、複数の間口21のそれぞれには、先に図7及び図8を参照して説明したように、間口表示器22と間口検知器23とが設けられている。
部品棚管理装置3は、先に図1を参照して説明したように、組立ライン1に含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ生産工程管理装置4と通信ネットワーク(NET2)を介して結ばれる。
以下、生産工程管理装置4、部品棚管理装置3、及び部品棚2のそれぞれについて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成をより詳細に説明する。
先ず、生産工程管理装置4について説明する。生産工程管理装置4は、図2に示されるように、サーバを含む複数のコンピュータにより構成され、そのハードディスク等の記憶手段には、後述する、部品マスタ(MST)が記憶される記憶手段(M1)と、機種ベースの生産計画情報(INFO12)が記憶される記憶手段(M2)と、使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)が記憶される記憶手段(M3)と、使用部品テーブル(TB1が記憶される記憶手段(M4)と、部品割付テーブル(TB21)が記憶される記憶手段(M5)と、が少なくとも設けられている。
生産工程管理装置4の基本処理を示すフローチャートが図11に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、ステップ1101では、上位装置100から機種ベースの生産計画情報(INFO11)を受信して、記憶手段(M2)に機種ベースの生産計画情報(INFO12)として記憶する処理(上位側受信手段)が実行される。
上位装置100の構成図が図3に示されている。同図に示されるように、上位装置100と生産工程管理装置4とはネットワーク(NET1)で結ばれている。上位装置100のハードディスク等の記憶手段(M0)には、図示のように、各機種(自動車の場合には車種に相当)を示す機種情報(機種1、機種1、機種5・・・・・機種3)と、その機種の生産順番を示す生産順番情報(1、2、3,・・・・・n)と、を含む機種ベースの生産計画情報(INFO11)が記憶されている。
そして、ステップ1101の処理においては、この機種ベースの生産計画情報(INFO11)が、上位装置100から生産工程管理装置4へと、ネットワーク(NET1)を介して送信され、生産工程管理装置4ではこれを受信して、記憶手段(M2)に機種ベースの生産計画情報(INFO12)として記憶するのである。
図11に戻って、続くステップ1102においては、機種ベースの生産計画情報(INFO12)を記憶手段(M2)から読み出すと共に、これを記憶手段(M4)に記憶された機種別使用部品テーブル(TB1)を参照することにより、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)に変換し、これを記憶手段(M3)に記憶する処理(機種/部品・ベース変換手段)が実行される。
各組立ステーション毎の機種別使用部品テーブル(TB1)の内容を示す説明図が図4に、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)が図5に示されている。図4に示されるように、記憶手段(M4)には、自己が管理する複数の組立ステーション(組立ステーション1、組立ステーション2、組立ステーション3、・・・)のそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報(機種1、機種2、機種3、・・・)とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報(部品1、部品2、・・・部品n)とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブル(TB1)が格納されている。なお、図の例にあっては、組立ステーション1に関しては、機種1の場合、部品1は使用(○)、部品2は不使用、・・・部品nは使用(○)、同様にして、機種2の場合、部品1は不使用、部品2は使用(○)、・・・部品nは使用(○)とされている。
そして、ステップ1102の処理においては、図3に示されるものと同様な機種ベースの生産計画情報(INFO12)に含まれる各順番の機種(機種1、機種2、機種3、・・・)をキーとして、図4に示される機種別使用部品テーブル(TB1)を参照することにより、機種ベースの生産計画情報(INFO12)を、図5に示されるように、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)に変換すると共に、これを記憶手段(M3)に格納するのである。
図11に戻って、続くステップ1103においては、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)を記憶手段(M3)から読み出すと共に、これをネットワーク(NET2)を介して、各該当する組立ステーション(・・・,N−1,N,N+1,・・・)の部品棚管理装置3を構成するPLC(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)へとダウンロードする処理(生産計画ダウンロード手段)が実行される。後述するように、こうしてダウンロードされる使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)は、各該当するPLC(31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)のメモリ内に設けられた記憶手段(M6)に使用部品ベースの生産計画情報(INFO22)として格納される。
次に、部品棚管理装置3について説明する。各組立ステーションの部品棚管理装置3は、図2の例にあっては、制御の中枢機能を担うプログラマブル・コントローラ(PLC)(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)と、入力操作部や出力表示部として機能するプログラマブル・ターミナル(PT)(・・・,32(N−1),32(N),32(N+1),・・・)と、機械読取可能なコードを使用して記録された部品情報を読み取り可能な部品情報読取器33として機能するバーコードリーダ(・・・,33(N−1),33(N),33(N+1),・・・)と、を含んで構成されている。
そして、各PLC(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)のメモリ内には、生産工程管理装置4から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報(INFO21)を記憶するための生産計画記憶手段(M6)(図5参照)と、生産工程管理装置4から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブル(TB21)を記憶するための部品割付テーブル記憶手段(M7)(図9参照)と、が設けられている。
さらに、後述する部品棚管理装置3の各機能(モード設定手段、運転モードの制御手段、登録モードの制御手段、削除モードの制御手段)は、PLC31に所定のユーザプログラムを組み込むことにより実現されている。
部品棚管理装置3を構成するPLC31の処理全体を示すゼネラルフローチャートが図13に、同装置のモード設定処理を示すフローチャートが図14に、プログラマブル・ターミナル(PT)の表示例を示す図が図18にそれぞれ示されている。
部品棚管理装置3を構成するプログラマブル・ターミナル(PT)32が起動されると、そのタッチ画面上には、図示しないが、「運転モード」ボタン、「登録モード」ボタン、「削除モード」ボタンが表示される。この状態において、それらのボタンの1つがタッチ操作されると、図14に示されるモード設定処理が割込により実行される。このモード設定処理が、動作モードを少なくとも「運転モード」と「登録モード」と「削除モード」とに設定可能なモード設定手段として機能することとなる。
図14において、処理が開始されると、先ず、タッチ入力を取り込んだのち(ステップ1401)、その内容が「運転モード」か「登録モード」か「削除モード」かに応じて(ステップ1402,1404,1406)、運転モードへの設定処理(ステップ1403)、登録モードへの設定処理(ステップ1405)、削除モードへの設定処理(ステップ1407)のいずれか1つが実行される。
一方、図13のゼネラルフローチャートにおいては、ステップ1301では、生産工程管理装置4から使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)を所定生産台数分(例えば、100台分)だけダウンロードする。こうしてダウンロードされた所定生産台数分の生産計画情報は、記憶手段(M6)内に使用部品ベースの生産計画情報(INFO22)として格納される。
続いて、動作モードが「運転モード」か、「登録モード」か、「削除モード」かに応じて、運転モード処理(ステップ1303)、登録モード処理(ステップ1305)、削除モード処理(ステップ1307)の1つが選択的に実行され、以後、所定の終了指令が与えられるまで(ステップ1308)、以上の処理(ステップ1303,1305,1307)が繰り返し実行される。
運転モード処理の詳細を示すフローチャートが図15に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、ステップ1501及び1502によって、部品割付テーブル記憶手段(M7)に記憶された間口別部品割付テーブル(TB22)(図9参照)を参照することにより、部品棚管理装置3内の生産計画記憶手段(M6)に記憶された部品ベースの生産計画情報(INFO22)(図5参照)に基づいて、各組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報(INFO31)(図10参照)を生成する処理(使用間口情報生成手段)が実行される。
生産計画記憶手段(M6)に記憶された部品ベースの生産計画情報(INFO22)の内容が図5に示されている。同図に示されるように、部品ベースの生産計画情報(INFO22)は、この例にあっては、各生産順番の機種とその機種の一連の使用部品とを互いに関係付けて記憶することにより構成されている。また、部品割付テーブル記憶手段(M7)に記憶された間口別部品割付テーブル(TB22)の内容が図9に示されている。同図に示されるように、間口別部品割付テーブル(TB22)は、この例にあっては、各間口番号(間口コード)とその間口の割付部品(部品コード)とを互いに関連づけて記憶することにより構成されている。さらに、生産機種毎の使用部品対応の間口情報(INFO31)が図10に示されている。同図に示されるように、生産機種毎の使用部品対応の間口情報(INFO31)は、この例にあっては、各生産順番の機種とその機種の一連の使用部品対応の間口番号(間口コード)とを互いに関係付けて記憶することにより構成されている。
そして、ステップ1501においては、その時点の生産順位に対応する一連の使用部品コードが図5に示される生産計画情報(INFO22)から読み出され、続くステップ1502においては、図9に示される間口別使用部品割付テーブル(TB22)を参照することにより、読み出された一連の使用部品コードから一連の間口番号(間口コード)が生成される。
続くステップ1503〜1507では、上述の使用間口情報生成手段(ステップ1501,1502)により生成される使用間口情報である一連の間口番号(間口コード)と、部品棚2の各間口21の表側開口の間口検知器23からの検知信号とに基づいて、各組立作業における使用部品対応間口の表側開口の間口表示器22の表示動作を制御する処理(間口表示器制御手段)が実行される。
すなわち、ステップ1503においては、該当間口の表示器の表示処理を実行することにより、一連の間口番号(間口コード)に対応する間口の表側開口の間口表示器22が点灯されて、組立作業者に対して部品の取り出しが指示され、その状態において、表側開口の間口検知器23の作動が待機される(ステップ1504NO)。この状態において、組立作業者がいずれかの間口から部品を取り出すと、検知器作動との判定が行われ(ステップ1504YES)、続いてその作動した検知器が部品取り出しを指示した間口の検知器であるか否かの判定が行われ、それ以外の間口の検知器であれば(ステップ1505NO)、所定のエラー処理が実行されて(ステップ1506)、例えば、警告灯34(図7、図8参照)が点灯するのに対して、該当する間口の検知器であれば(ステップ1505YES)、以上一連の処理(ステップ1503〜1505)が、全ての指定間口から部品取り出しが完了するまで(ステップ1507NO)、繰り返される。この運転モード処理(ステップ1501〜1507)は、生産計画情報(INFO22)を構成する全ての機種について繰り返される。
このように部品棚管理装置3の運転モードにおいては、上位装置100の側から機種ベースの生産計画情報(INFO11)を送り出しさえすれば、生産工程管理装置4の作用により、各組立ステーションの部品棚管理装置3のそれぞれは、部品ベースの生産計画情報(INFO22)及び間口別部品割付テーブル(TB22)を自動的に取得することができるため、以後、各組立ステーションの部品棚管理装置3のそれぞれの作用により、組立作業者に対して、各機種の組立作業に必要な部品が指示され、熟練作業者ならずとも、組み立て作業を誤りなく実施することが可能となる。
次に、部品棚において、ある間口の部品割付を削除したり、ある間口から別の間口へと部品割付を変更したり、空の間口にある部品を割り付けたり、と言った部品割付の更新作業について説明する。
この例における組立支援システムにあっては、このような部品割付の変更や削除等にかかる部品割付テーブルの更新を、生産工程管理装置側における操作と部品棚管理装置側の操作との双方で可能としている。なお、ここで言う、生産工程管理装置側における操作とは、従前よりこの種の組立支援システムに備えられていた機能であり、部品棚管理装置側の操作というのが、本出願で新たに備えられた機能である。
先ず、最初に、生産工程管理装置側の操作による部品割付テーブルの更新処理について説明する。生産工程管理装置4の操作により部品割付を更新する場合には、生産工程管理装置4に備え付けられた端末(ノートパソコン等)において、登録操作又は削除操作を行う。先に述べたように、生産工程管理装置4は、組立ライン1の現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置されている。
この例にあっては、なんらかの部品が登録されている間口に関して、登録されている部品を別の部品に変更する場合には、先ず、その登録部品を削除するための削除要求操作を行わねばならない。削除要求操作は、削除されるべき部品情報(例えば、部品コード等)と削除されるべき間口情報(例えば、間口コード等)と削除されるべき部品棚に係る組立ステーション情報とを少なくとも含んだ部品削除命令を入力することで行われる。
すると、図12のフローチャートにおいて、通信を介する命令受信でない(ステップ1201NO)→端末操作である(ステップ1208YES)→部品割付テーブル登録要求でない(ステップ1202NO)→部品割付テーブルの削除要求である(ステップ1203YES)と進み、その後、記憶手段(M2)に格納された部品割付テーブル(TB21)の更新処理(ステップ1206)が実行され、部品割付テーブル(TB21)の内容(図9参照)は、特定された間口に関して、登録されている部品が削除される。
次に、削除された間口に新たに別の部品を登録するための登録操作を行う。登録操作の場合には、登録されるべき部品情報(例えば、部品コード等)と登録されるべき間口情報(例えば、間口コード等)と登録されるべき部品棚に係る組立ステーション情報とを少なくとも含んだ部品登録命令を入力することで行われる。
すると、図12のフローチャートにおいて、通信を介する命令受信でない(ステップ1201NO)→端末操作あり(ステップ1208YES)→部品割付テーブル登録要求である(ステップ1202YES)→と進み、その後、命令に含まれる部品情報(部品コード等)を部品マスタ(MST)の登録済み部品情報(部品コード等)と照合する処理(ステップ1204)が実行される。
部品マスタ(MST)は記憶手段(M1)に格納されており、その内容が図6に示されている。同図に示されるように、部品マスタ(MST)には、登録済みの部品に対応する部品コード(部品0001、部品0002、部品0003、・・・)のそれぞれについて、メーカー、型式、置き場所、1箱の収容個数等々の部品関連情報が互いに関連づけて記憶されている。そして、上述の処理(ステップ1204)では、例えば登録要求された部品コードがそれらの登録済み部品コードと照合される。
ここで、登録要求された部品コードが登録済み部品コードのいずれとも一致しないと判定されると(ステップ1205NO)、登録要求された部品は未承認部品であると認識されて、部品割付テーブルの更新は行われず、直ちに、処理は終了する。これに対して、登録要求された部品コードが登録済み部品コードのいずれかと一致すると(ステップ1205YES)、登録要求された部品は認証済みの部品と認識されて、記憶手段(M2)に格納された部品割付テーブル(TB21)の更新処理(ステップ1206)が実行される。すると、部品割付テーブル(TB21)の内容(図9参照)は、特定された空の間口に関して、特定された割付部品が書き込まれる。
一方、部品割付テーブルが更新(削除、登録を含む)されるたびに(ステップ1206)、更新後の部品割付テーブルは該当する組立ステーションの部品棚管理装置3へとダウンロードされる(ステップ1207)。すると、図示しないが、部品棚管理装置3の側においては、ダウンロードありの判定が行われ、そのダウンロードされた新たな部品割付テーブル(TB21)の内容にて、部品棚管理装置3の記憶手段(M7)に格納された部品割付テーブル(TB22)の内容が更新される(ステップ1707)。
次に、本発明の要部である部品棚管理装置側3の操作による部品割付テーブル(TB21)の更新処理について説明する。部品棚管理装置側3の操作による部品割付テーブル(TB21)の更新処理においても、なんらかの部品が登録されている間口に関して、登録されている部品を別の部品に変更する場合には、先ず、その登録部品を削除し、しかるのち、その削除された空の間口へ所望の部品に相当する部品コードを登録しなければならない。
部品棚管理装置3に備え付けられたプログラマブル・ターミナル(PT)のタッチ画面において、削除モードへの設定操作を行うと、先に図14を参照して説明したように、削除モードへの設定処理(ステップ1407)が実行される。削除モード処理の詳細が図17に示されている。
同図において、処理が開始されると、図18に示されるように、プログラマブル・ターミナル(PT)32の画面32a上には、部品割付テーブル(TB22)の内容に対応する図表32bのほか、登録ボタンPB1、削除ボタンPB2、キャンセルボタンPB3、作業終了ボタンPB4、MAINボタンPB5、次画面指示ボタンPB6、前画面指示ボタンPB7が表示され(ステップ1701)、その状態において、選択入力を待機する状態となる(ステップ1702)。
この状態において、部品割付テーブル(TB22)の内容に対応する図表32bにおいて、削除したい間口や部品に相当する横一列の表示行がタッチ操作で選択されかつ削除ボタンPB2がタッチ操作されると、削除のための選択操作有りとの判定が行われて(ステップ1702YES)、選択された部品情報(部品コード等)及び間口情報(間口コード等)の取得処理(ステップ1703)、部品情報及び間口情報を含む部品割付テーブル削除要求命令の生成処理(ステップ1704)が実行され、続いて、生成された部品割付テーブル削除命令は生産工程管理装置4へと送信(通知)される(ステップ1705)。
その後、生産工程管理装置4の側から更新後の新たな部品割付テーブル(TB21)がダウンロードされるのを待機する状態となり(ステップ1706)、新たな部品割付テーブル(TB21)がダウンロードされるのを待って(ステップ1706YES)、その新たな部品割付テーブル(TB21)の内容にて、部品棚管理装置3の記憶手段(M7)に格納された部品割付テーブル(TB22)の内容を更新して(ステップ1707)、処理を終了する。
一方、図12に戻って、部品割付テーブル削除要求命令を受信した生産工程管理装置4の側では、通信を介する命令受信あり(ステップ1201YES)→部品割付テーブル登録要求でない(ステップ1202NO)→部品割付テーブル削除要求である(ステップ1203YES)と進み、その後、記憶手段(M2)に格納された部品割付テーブル(TB21)の更新処理(ステップ1206)が実行され、部品割付テーブル(TB21)の内容(図9参照)は、通信を介して受信された削除命令で特定された間口に関して、登録されている部品が削除される。以後、更新後の部品割付テーブルは削除要求元となる組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードされ(ステップ1207)、以下は先に説明したように、図17に戻って、新たな部品割付テーブル(TB21)の内容にて、部品棚管理装置3の記憶手段(M7)に格納された部品割付テーブル(TB22)の内容を更新して(ステップ1707)、処理を終了することとなる。
次に、削除された空の間口へ所望の部品に相当する部品コードを登録するための操作について説明する。部品棚管理装置3に備え付けられたプログラマブル・ターミナル(PT)のタッチ画面において、登録モードへの設定操作を行うと、先に図14を参照して説明したように、登録モードへの設定処理(ステップ1405)が実行される。登録モード処理の詳細が図16に示されている。
同図において、処理が開始されると、空き間口の補給側開口の間口表示器22を点滅させながら(ステップ1601)、いずれかの間口の補給側開口の間口検知器23が作動するのを待機する状態となる(ステップ1602NO)。ここで、空き間口の認識は、記憶手段(M7)に格納されている間口別部品割付テーブル(TB22)内の空き間口(部品コードが登録されていない間口)を検索することにより行われる。
すると、図7又は図8に示されるように、部品棚の各間口21の部品補給側開口に取り付けられた間口表示器(例えば、表示ランプ22a,22b)が点滅することにより、作業者はどの間口が部品割付されていない空き間口であるかを一目瞭然に理解することができる。
特に、この間口表示器22の点滅が行われることにより、いずれかの間口が物理的に空の状態のとき、それが部品がたまたま使用され尽くして補給待ちの状態の為なのか、それとも部品割付が行われていない状態の為なのかを誤りなく認識することができる。
この状態において、作業者は、図19に示されるように、その間口表示器22が点滅している間口へと、登録要求にかかる部品を部品箱5ごと挿入(補給)する。すると、図19の例であれば、間口検知器23である多光軸光電センサ23bが作動することにより、図16のフローチャートにおいて、検知器作動との判定が行われ(ステップ1602YES)、続いて、作動した検知器と対応する検知間口情報(間口コード等)が自動的に生成される。なお、当業者には明らかなよう、この検知間口情報の自動生成処理については、例えば、各間口検知器23の状態を走査する順番と間口情報とを互いに関連づけたテーブルを予め用意する等により容易に実現することができる。
続いて、こうして自動生成された間口情報に関して、それが空き間口に相当する間口情報であるか否かが判定され、空き間口ではないと判定された場合には(ステップ1604NO)、所定のエラー処理が実行されて、例えば、部品棚2の上部に取り付けられた警告灯(図7、図8参照)が作動して、作業者に対して警告が発せられる。
これに対して、自動生成された検知間口情報が空き間口に相当するものと判定されると(ステップ1604YES)、続いて、バーコードリーダ33から部品情報(部品コード等)を読み込む処理(ステップ1605)が実行される。したがって、部品棚2の空き間口へと、図19に示されるように、部品箱5を挿入した後、図20に示されるように、バーコードリーダ33により、部品箱5の側面に貼付されたラベル51に対する読み込み操作を行うと、ラベル51に表示された部品情報(例えば、部品コード、メーカー名、型式、置き場所、1箱の収容個数等々)がバーコードリーダ33により光学的に読み取られる(ステップ1605)。
続いて、登録ボタンPB1がタッチ操作されると、ステップ1603で自動生成された検知間口情報とステップ1605でバーコードリーダから読み込まれた部品情報とから部品割付テーブル登録要求命令が生成され(ステップ1606)、こうして生成された部品割付テーブル登録命令は、生産工程管理装置4へと送信(通知)される(ステップ1607)。
すると、図12に戻って、通信を介する命令受信あり(ステップ1201YES)→部品割付テーブル登録命令である(ステップ1202YES)と進んで、その後、命令に含まれる部品情報(部品コード等)を部品マスタ(MST)の登録済み部品情報(部品コード等)と照合する処理(ステップ1204)が実行される。
先に説明したように、部品マスタ(MST)は記憶手段(M1)に格納されており、その内容が図6に示されている。同図に示されるように、部品マスタ(MST)には、登録済みの部品に対応する部品コード(部品0001、部品0002、部品0003、・・・)のそれぞれについて、メーカー、型式、置き場所、1箱の収容個数等々の部品関連情報が互いに関連づけて記憶されている。そして、上述の処理(ステップ1204)では、例えば登録要求された部品コードがそれらの登録済み部品コードと照合される。
ここで、登録要求された部品コードが登録済み部品コードのいずれとも一致しないと判定されると(ステップ1205NO)、登録要求された部品は未承認部品であると認識されて、部品割付テーブルの更新は行われず、直ちに、処理は終了する。これに対して、登録要求された部品コードが登録済み部品コードのいずれかと一致すると(ステップ1205YES)、登録要求された部品は認証済みの部品と認識されて、記憶手段(M2)に格納された部品割付テーブル(TB21)の更新処理(ステップ1206)が実行される。すると、部品割付テーブル(TB21)の内容(図9参照)は、特定された空の間口に関して、特定された割付部品が書き込まれる。
そして、部品割付テーブルが更新されると(ステップ1206)、更新後の部品割付テーブルは登録要求元となる組立ステーションの部品棚管理装置3へとダウンロードされる(ステップ1207)。すると、図16に戻って、部品棚管理装置3の側においては、ダウンロードありの判定が行われ(ステップ1608YES)、そのダウンロードされた新たな部品割付テーブル(TB21)の内容にて、部品棚管理装置3の記憶手段(M7)に格納された部品割付テーブル(TB22)の内容が更新される(ステップ1609)。
このように、以上説明した組立支援システムによれば、各組立ステーションの部品棚管理装置3において、動作モードを登録モードに設定すると共に、その設定状態において、間口検知器23及びバーコードリーダ33を操作すれば、部品棚2の各間口21に設けられた間口検知器23からの検知信号に基づいて該当する検知間口情報が自動生成され、バーコードリーダ33の読み取り操作により登録対象となる部品情報が生成され、自動生成された検知間口情報とバーコードリーダを介して生成された登録対象部品情報とを含むテーブル更新要求が生産工程管理装置4へと通知される。
すると、生産工程管理装置4の側においては、部品棚管理装置3から通知されたテーブル更新要求に含まれる検知間口情報と部品情報とに基づいて間口別部品割付テーブルの内容が更新される。
そのため、本発明によれば、各組立ステーションの部品棚管理装置3において、動作モードを登録モードに設定すると共に、その設定状態において、間口検知器(例えば、レバースイッチ23a、多光軸光電センサ23b等)及び部品情報読取器を構成するバーコードリーダ33を操作することにより、生産工程管理装置4の側の間口別部品割付テーブル(TB21)の内容を遠隔更新可能となり、各組立ステーションにおける組立作業者の側で、それぞれの組立ステーションにある部品棚2に対応する生産管理装置4の側の間口別部品割付テーブル(TB21)の内容を、間口コードや部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、容易に変更可能となる。
また、各組立ステーションの部品棚管理装置3においては、生産工程管理装置4から予めダウンロードされる所定生産台数(例えば、100台)分の生産計画情報(INFO22)に基づいて、各生産機種の組立作業に必要な部品と対応する各間口の間口表示器22の表示動作が制御されるため、ネットワーク(NET2)の異常が発生する等してダウンロードが一時的に不能となる事態が発生したとしても、直ちに生産ラインにおける組み立て作業が停止しないと言う利点がある一方、登録モードにおいて、生産工程管理装置4の側から更新後の間口別部品割り付けテーブル(TB21)がダウンロードされた場合には、部品棚管理装置3内の所定生産台数(例えば、100台)分の部品ベースの生産計画情報は、更新後の間口別部品割付テーブル(TB22)の内容を参照することにより、間口ベースの生産計画情報(INFO31)に自動的に再変換されるため、既にダウンロード済みの生産計画についても、新たな間口別部品割り付けテーブル(TB22)に対応するものに自動的に再生される。
また、生産工程管理装置4には、生産ライン上の各組立ステーションにて使用可能な全部品に関する部品情報を登録してなる部品マスタ(MST)を記憶させた部品マスタ記憶手段(M1)が含まれており、かつ部品棚管理装置3から通知されたテーブル更新要求に含まれる登録対象部品情報を部品マスタ記憶手段(M1)に記憶された部品マスタ(MST)と照合し、照合一致のときには、間口別部品割付テーブル(TB21)の内容を更新するのに対して、照合不一致のときには、間口別部品割付テーブル(TB21)の内容を更新しないように仕組まれているため、各組立ステーション側からの間口別部品割り付けテーブルの更新を許容しつつも、未承認の部品が勝手に使用されて組み立て作業が行われる危険を回避することができる。
また、部品棚管理装置3は、間口別部品割付テーブル(TB22)の内容に基づいて、いずれの部品も割り付けられていない間口を検索し、検索された間口に対応する間口表示器22を点滅態様で動作させるように仕組まれているため、部品棚2において、いずれかの間口21が空の状態にあったとしても、その理由が部品が割り付けられていないためなのか、それとも、たまたま部品が使用され尽くして補給待ちの状態にあるためなのかを、作業者に対して一目瞭然に把握させることができ、作業者は新たに部品を割り付けることが可能な間口を直ちに探し出すことができる。
また、部品棚管理装置3は、削除モードに設定すると、間口別部品割付テーブル(TB22)内の空き間口情報に基づいて削除候補となる部品情報が案内表示されるから、その中から所望の部品情報を選択する操作を行うだけで、選択された部品情報と間口情報とを含む更新要求が前記生産工程管理装置へと通知され、これにより所望の部品情報を生産工程管理装置側の間口別部品割付テーブルから削除することができる。
なお、以上の組立支援システムにおいて、部品情報読取器としては、部品収容箱5等に表示された一次元又は二次元の光学コードを読取可能な光学コードリーダ、磁気コードリーダ、又はRFIDタグリーダであってもよい。このような構成によれば、部品棚2の各間口21に部品箱5ごと部品を収納するような場合には、その部品箱5の側面等や別途用意した部品情報リスト表示シートに、一次元や二次元の光学コード、磁気コード、RFIDタグ等により部品情報を付することとすれば、部品情報読取器を使用した読み取り操作を行うだけで、部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、部品情報を簡単に入力させることができる。
また、以上の組立支援システムにおいて、部品棚管理装置3は、クライアント本体として機能するプログラマブル・コントローラと、ヒューマンマシン・インタフェースとして機能するプログラマブル・ターミナルとから構成され、前記部品棚管理装置を構成する生産計画記憶手段、部品割付テーブル記憶手段、運転モード用の制御手段、及び登録モード用の制御手段の各機能は、前記プログラマブル・コントローラのユーザプログラムにより実現され、かつ前記部品棚管理装置を構成する動作モード設定手段の機能は、前記プログラマブル・ターミナルにより実現されるものであるから、本発明を特別な専用制御装置を使用せずとも手軽に実現することができる。