JP3581791B2 - 物品管理システム、無線タグ、物品管理棚 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、物流の分野等に用いると好適な物品管理システム、そのシステムに用いられる無線タグ及び物品管理棚に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の物流の分野などに用いられている物品管理システムは、例えば、物品をバーコードなどにより管理しているが、管理区画との対応付けは専ら人手によっている。従って、ある管理区画にどの様な商品が幾つ在庫となっているかなどについては、帳簿やコンピュータにより確認できるが、実際に在庫があるかは人が確認せざるを得なかった。
【0003】
また、入庫の際には、入庫の確認を行い、人が帳簿へ記入したりコンピュータへ入力を行う必要があった。更に、入庫や出庫の際に、所望物品の管理区画への進入は作業員が目視により確認を行いながら行き来するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、実際に在庫を的確に確認することができない問題があり、また、管理や処理の多くが人手によらざるを得ないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記のような従来の物品管理システムが有する問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、各区画に収納される物品の管理を適切に、また、人手を少なく行える物品管理システムを提供することである。また、この物品管理システムに用いると好適な無線タグ及び物品管理棚を提供することである。更に、各区画に物品を収納する場合の処理を効率的に行い得る物品管理システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る物品管理システムは、物品を収容する複数の区画それぞれに設けられ、区画を識別するバーコード情報と区画に収容された物品の情報が格納される区画用メモリであって、予め当該メモリに固有のユニーク識別情報が記憶されている区画用メモリと、前記区画に収容される各物品に設けられ、物品を識別するバーコード情報と当該物品の商品名情報及び収納位置情報が格納される物品用メモリであって、予め当該メモリに固有のユニーク識別情報が記憶されている物品用メモリと、複数の区画それぞれに設けられ、区画用メモリに対する情報のリードライト及び物品用メモリに対する情報のリードを行うための区画内情報リードライト手段と、区画用メモリ及び物品用メモリとなるメモリに対して情報のリードライトを行う可動式の情報リードライト手段と、前記区画用メモリ及び前記物品用メモリに貼着するラベルにバーコード情報を含む情報を印刷する印刷手段と、印刷すべきバーコード情報を前記印刷手段へ送ると共に、送ったバーコード情報と対応する区画用メモリまたは物品用メモリにおける固有の識別情報を対応させて記憶したテーブルを作成する一方、前記可動式の情報リードライト手段に指示を与えて、対応の区画用メモリまたは物品用メモリとなるメモリに上記印刷したバーコード情報を書き込ませる管理手段とを具備し、
前記管理手段は、
前記区画の1区画毎に区分された領域を有し、区分された領域にはバーコード情報が予め記憶され、このバーコード情報に対応して区画用メモリのユニーク識別情報が記憶される第1のデータベースと、
発注番号毎に区分された領域を有し、区分された領域にはバーコード情報が予め記憶され、このバーコード情報に対応して物品用メモリのユニーク識別情報、商品名、収納位置情報が記憶される第2のデータベースとを有し、
前記管理手段は、
区画に設けるラベルに印刷するバーコード情報の要求があると、前記第1のデータベースに記憶されている1つの区分された領域に記憶されているバーコード情報を取り出し、前記印刷手段へ送ってラベルにバーコード情報を印刷させると共に、該バーコード情報が印刷されたラベルを貼付する区画用メモリに前記バーコード情報を書き込み、該区画用メモリに記憶されたユニーク識別情報を前記情報リードライト手段から得て、このユニーク識別情報を前記バーコード情報が記憶されている第1のデータベースの該当領域に書き込み、第1のデータベースの情報と区画用メモリの情報とを一致させる一方、
発注番号のバーコード情報に対応する発注データの要求があると、前記第2のデータベースから要求に係る発注番号のバーコード情報に対応する商品名、棚位置情報を取り出し、前記印刷手段へ送ってラベルにバーコード情報を印刷させると共に、該バーコード情報が印刷されたラベルを貼付する物品用メモリに前記バーコード情報及び商品名、棚位置情報を書き込み、該物品用メモリに記憶されたユニーク識別情報を前記情報リードライト手段から得て、このユニーク識別情報を前記バーコード情報が記憶されている第2のデータベースの該当領域に書き込み、第2のデータベースの情報と物品用メモリの情報とを一致させることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る物品管理システムは、情報を表示するための可動式の表示手段を具備し、前記管理手段は、前記可動式の情報リード手段へ指示を与え、区画用メモリまたは物品用メモリとなるメモリから記憶されたバーコード情報を含む情報を読み出させ、当該バーコード情報を含む情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る物品管理システムでは、各区画には、情報を表示する区画用表示手段が備えられ、物品に設けられている物品用メモリに書き込まれている区画識別情報と、当該物品が収容された区画の区画用メモリに書き込まれている区画識別情報との比較に基づき前記区画用表示手段にて適切・不適切を示す情報を表示する表示制御手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る物品管理システムでは、管理手段は、区画内の物品用メモリに書き込まれている情報に基づき、区画用メモリの情報の更新を区画内情報リードライト手段へ指示することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る物品管理システムでは、管理手段には、データベースが備えられ、管理手段は区画内情報リードライト手段により得られた各区画毎の情報に基づき前記データベースの情報を更新することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る物品管理システムでは、前記管理手段は、物品を区画へ搬送する物品搬送装置に固有の識別情報が書き込まれていると共に、搬送する物品に関する情報が書き込まれている搬送装置用データベースを更に具備し、前記物品搬送装置には、前記固有の識別情報が書き込まれていると共に、搬送する物品に関する情報がリードライト可能な搬送装置用メモリが備えられ、前記管理手段へ必要な要求を送り、前記管理手段から送られた情報を受け取る可動式のコンピュータとを具備し、この搬送装置を用いて物品の搬送を行う際に、前記可動式のリードライト手段により前記搬送装置用メモリの情報を読み取って、前記コンピュータからこの情報を前記管理手段へ送ると、前記管理手段から前記搬送装置用データベースに記憶されている搬送する物品に関する情報が送られ、前記可動式の表示手段に表示されることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項7に係る物品管理システムでは、区画における前記物品搬送装置の位置を検出する位置検出手段と、前記物品搬送装置の移動に関する誘導表示を行うための誘導表示手段と、前記位置検出手段からの検出結果に基づき前記誘導表示手段の誘導表示を制御する誘導表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項8に係る物品管理システムでは、区画用メモリ、物品用メモリ及び搬送装置用メモリは、樹脂によりモールドされカード状のタグとされており、当該タグの表面には、区画、物品または搬送装置を識別する番号及びバーコードが付されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態に係る物品管理システム、それに用いられる無線タグおよび物品管理棚を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。図1に、物品管理システムを示す。この物品管理システムには、物品管理棚1が備えられている。物品管理棚1には、複数の室(区画)2−11〜2−33が設けられ、各室2−11〜2−33には物品が収納される。
【0016】
各室2−11〜2−33には、無線タグ3−11〜3−33が設けられている。この無線タグ3(3−11〜3−33)は、図2に示されるように、偏平のカード状であり、表面には、室を識別する番号Nと対応するバーコード31が付されている。無線タグ3の内部には、情報をリードライト可能なメモリを有するLSI32と、アンテナからの電磁誘導によりLSI32内のメモリの情報を読み出しを可能にすると共にメモリに情報を書き込み可能とするアンテナリード33−1、33−2が設けられ、これらは樹脂によりモールドされている。そして、無線タグ3の裏面側には、電磁遮蔽フィルム34が貼着され、この電磁遮蔽フィルム34は樹脂35により封止されている。
【0017】
各室2−11〜2−33の天井には、無線タグリードライト用のアンテナ装置4−11〜4−33が設けられている。また、各室2−11〜2−33には、状況表示器(区画用表示手段)5−11〜5−33が設けられている。図3に、室2(2−11〜2−33)の詳細構成を示す。室2の表面には、電磁遮蔽フィルム21が設けられ、その裏面には電磁遮蔽フィルム21の遮蔽効果を低減させる低減物質である例えばプラスチック22が塗布され、または、プラスチック22のシートが敷設により設けられている。
【0018】
アンテナ装置4(4−11〜4−33)は、室2が広く大きい場合には図4に示されるように、モータ41を有する。モータ41の軸42が大略「くの字」状に曲げられて、その先端にアンテナ40が所定の傾斜を持たされて接続されている。天井からは軸42の屈曲部を摺動させるリング43がアーム44により吊り下げられている。この構成おいて、モータ41が回転すると軸42の屈曲部がリング43内で摺動し、アンテナ40が室2内のほぼ全部をカバーするように周回する。
【0019】
図1に示される物品管理システムには、システムを管理するサーバ6(管理手段)が備えられ、このサーバ6には、データベース7が設けられている。サーバ6は、CPU、主メモリ、入力装置、表示装置、プリンタ、データベース7用の外部記憶装置、通信制御装置等が設けられている。サーバ6には通信装置13を介してネットワーク8が接続されている。ネットワーク8には、通信装置14−2を介して棚列管理装置9が接続されている。また、ネットワーク8には通信装置14−1を介して棚管理装置11が接続されている。棚列管理装置9はワークステーション等のコンピュータにより構成されている。棚管理装置11は、1つの物品管理棚1に対応して設けられる。従って、物品管理棚1が複数設けられるシステムでは、複数の棚管理装置11がそれぞれ通信装置を介して、ネットワーク8に接続され、棚列管理装置9、サーバ6から制御される。
【0020】
棚管理装置11には、無線タグRW(リードライト)装置12−1〜12−3が接続され、また、状況表示器5−11〜5−33が接続されている。無線タグRW装置12−1には、アンテナ装置4−11、4−21、4−31が接続され、無線タグRW装置12−2には、アンテナ装置4−12、4−22、4−32が接続され、無線タグRW装置12−3には、アンテナ装置4−13、4−23、4−33が接続されている。
【0021】
棚列管理装置9に接続されるネットワーク10には、通信装置14を介して、移動物感知センサ17と状況報知装置18が接続され、ネットワーク8に接続される通信装置15には、可動式データ収集装置19が接続されている。通信装置13、14、14−1、14−2、15と各装置の間は、有線回線または無線回線により接続される。移動物感知センサ17は可動式データ収集装置19の進入及び退出を検出するものであり、状況報知装置18は可動式データ収集装置19が進入しているかなどを表示するランプ等で構成される。可動式データ収集装置19には、図2に示した無線タグ3の表面に設ける番号Nやバーコード31を印刷したラベルを出力するためのプリンタ16が接続される。
【0022】
図5には、可動式データ収集装置19の構成が示されている。可動式データ収集装置19は、物品を搬送する物品搬送装置でもあり、それぞれ、パレット等を積載したキャリア、ピッキングカート、フォークリフトなどと称される。可動式データ収集装置19には、パネルコンピュータ20、バーコードリーダ23、無線タグRW装置24、管理装置25、無線タグアンテナ26が設けられ、これらはバッテリー27の電力供給を受けている。管理装置25は有線または無線による通信機能を有している。
【0023】
サーバ6に備えられたデータベース7には、図6に示されるように、発注データベース、出庫データベース、パレットデータベース、棚データベース、商品データベースが設けられている。発注データベースは、発注番号毎に区分され、発注番号毎に、発注した商品に関し、バーコードの情報に対応して商品名、棚位置などの情報が記憶されるように構成されている。棚データベースには、各物品管理棚の各室のバーコード情報に対応して当該室に設けられた無線タグに記憶されたタグIDとそこに収納されている商品のタグIDが記憶されるように構成されている。商品データベースには、各物品管理棚に収納されている各商品のタグIDに対応してバーコード情報や商品名等が記憶されるように構成されている。出庫データベースには、出庫番号毎に区分され、出庫番号毎に、出庫する商品に関し、バーコードの情報に対応して商品名、棚位置、タグIDなどの情報が記憶されるように構成されている。パレットデータベースには、バーコード情報に対応して当該パレット(商品を一時的に積載する搬送板や搬送容器)に設けられたタグIDと当該パレットに収納されている各商品のタグIDが記憶されるように構成されている。
【0024】
発注データベース、出庫データベース、パレットデータベース、棚データベースでは、当初、バーコードだけが記憶されている。また、商品データベースには、当初は何等の情報も記憶されていない。物品管理棚1の各室に無線タグを設ける場合等に、図7に示されるフローチャートによる初期処理が行われる。無線タグのLSIのメモリには、当初、図8に示すタグIDだけが記憶されている。このタグIDは、各無線タグそれぞれにユニークな識別情報であり、これを変更(書き換え)できないように構成されている。
【0025】
そして、物品管理棚1の各室に無線タグを設ける場合に、例えば、可動式データ収集装置19のパネルコンピュータ20から入力を行い、物品管理棚1の各室に設ける無線タグに貼着するラベルに印刷するバーコード情報を要求する。すると、サーバ6は、図6の棚データベースに当初記憶されているバーコード情報を読み出し、ネットワーク8、通信装置15、可動式データ収集装置19を介して、プリンタ16へ送出する。プリンタ16はこの情報に基づき、バーコード等の印刷を行い、ラベルを発行する(S1)。作業員は、発行されたラベルを物品管理棚1の第1番目の室に設ける無線タグに貼着する(S2)。この時、可動式データ収集装置19の無線タグRW装置24にも上記バーコード情報が送られてきており、無線タグアンテナ26を介して無線タグのメモリに書き込まれる(S3)。この結果、物品管理棚1の第1番目の室に設ける無線タグのメモリには、図8(a)に示されているように、タグIDとバーコード情報が記憶されることになる。
【0026】
更に、可動式データ収集装置19の無線タグRW装置24は無線タグアンテナ26を介して物品管理棚1の第1番目の室に設ける無線タグのメモリに記憶されている情報を読み取り、この情報を上記バーコード情報が送られてきた経路を逆に辿ってサーバ6へ送ることにより、サーバ6のデータベース7における棚データベースでは上記バーコード情報に対応してタグIDが書き込まれ、センタ(サーバ6)と端末(可動式データ収集装置19)側のデータの一致化が図られる(S4)。以下同様にして、物品管理棚1の全ての室に設ける無線タグに対しての処理を行う。
【0027】
次に、各パレットに無線タグを設ける場合に、図7に示されるフローチャートによる初期処理が行われる。この結果、各パレットに設けられる無線タグのメモリには、タグIDに対応してバーコード情報が書き込まれて図8(a)に示されるようになり、サーバ6のデータベース7におけるパレットデータベースではバーコード情報に対応してタグIDが書き込まれ、サーバ6と可動式データ収集装置19側のデータの一致化が図られる。
【0028】
更に、図13に示されるような物品管理棚1が複数設けられたシステムでは、各物品管理棚間にパレットを積載したキャリア等を進入させるための誘導を行うために、床に無線タグが設けられる。この場合にも、図7に示されるフローチャートによる初期処理が行われる。サーバ6は、バーコード情報と共にどの物品管理棚間であるかを示す位置情報送ってくるので、図8(c)に示されているように、タグIDに対応付けられてバーコード情報と位置情報が記憶されることになる。また、データベース7には、バーコード情報と位置情報に対して、タグIDが記憶される。
【0029】
以上のようにして準備が整うと、受注製品の受入れ検査がなされることになる。この場合の処理を図9のフローチャートに基づき説明する。以降の図において、画面ノードはパネルコンピュータ20を指し、無線タグRWノードは無線タグRW装置24、無線タグアンテナ26を指す。作業員が、パネルコンピュータ20を用いて発注番号のバーコード(BC)を入力して(S11)、対応の発注データを要求を送出する(S12)。これを受けたサーバ6は、発注番号のバーコードに対応する発注データを発注データベースにおいて検索し(S13)、検索した発注データを返送する(S14)。
【0030】
発注データを受け取ったパネルコンピュータ20はこれを受けて表示を行う(S15)。この発注データは、プリンタ16へも送出されており、プリンタ16はこの情報に基づき、各商品に対応するバーコード等の印刷を行い、図7において説明したようにラベルを発行する(S1)。ラベルは、対応の無線タグに貼着され、また図7において説明した無線タグのメモリに対する書込処理が行われる。この結果、商品に設ける無線タグのメモリには、図8(b)に示されるように、タグID、バーコード情報の他に、商品名、梱包の内部に入れられている個数、生産日、入庫日、収納すべき棚位置などが書き込まれる。次に、作業員は、無線タグアンテナ26を用いてパレットに設けられている無線タグのメモリからバーコード情報等を読み出す(S16)。これを受けたパネルコンピュータ20は、上記の情報に基づきパレットに関する情報を表示する(S17)。
【0031】
次に作業員は、パネルコンピュータ20を用いて表示に係るパレットに対応する情報を要求を送出する(S18)。これを受けたサーバ6は、送信されてきたパレットのバーコード等に対応するデータをパレットデータベースにおいて検索し(S19)、検索したパレットデータを返送する(S20)。この返送された情報をパネルコンピュータ20が表示する(S21)。ここで、作業員は検査収納(検収)する商品(物品)を表示されている発注データ中から指定し(S22)、該当の商品を対応の無線タグと共に取り出し、パレットに載せて無線タグ(保管タグ)を商品に添付する(S23)。
【0032】
次に、作業員は、無線タグアンテナ26を用いて上記商品に添付した無線タグのメモリからバーコード情報等を読み出し(S24)、これをパネルコンピュータ20へ送信する(S25)。パネルコンピュータ20は、受け取った情報を表示するので(S26)、これを確認して確認した旨の入力を行う(S27)。これに対応してパネルコンピュータ20は、表示した商品の情報を入庫データとして送信する(S28)。
【0033】
サーバ6は、物品の入庫を確認し(S29)、物品の保管位置が決定され在庫の情報を更新する(S30)。つまり、図8(b)に示されるようなデータが送られてくるので、データベース7の商品データベースに当該データを転記して在庫の情報の更新がなされる。一方、パネルコンピュータ20においては、当該パレットに積載された商品の情報を更新する(S31)。この情報は、無線タグアンテナ26を用いて商品に設けられている無線タグへ送信され、当該無線タグのメモリに書き込まれる(S32)。従って、商品に設けられている無線タグのメモリには、搭載されたパレットの識別情報が書き込まれる。
【0034】
更に、パネルコンピュータ20はパレットに商品が満載されたかを作業員に入力させる表示を行い(S33)、満載されていない旨の入力があると、ステップS22からの処理を行う。一方、パレットに商品が満載された旨の入力があると、パレットの積載情報がパネルコンピュータ20からサーバ6へ送信される(S34)。これにより、データベース7のパレットデータベースに当該データが書き込まれ、パレット情報の更新がなされる(S35)。また、パネルコンピュータ20が保持しているパレットの積載情報(パレットに積載された商品のタグID等)が、パレットに設けられている無線タグのメモリに書き込まれ、無線タグの情報更新が行われる(S36)。そして、次に商品を積載するパレットについてステップS16以降の処理がなされる。
【0035】
以上の処理により、図10に示されるように、商品がパレットへ搭載され(S37)、商品とパレットのバーコードやタグID等の識別情報がサーバへ通知された(S38)状態となる。次に、物品管理棚1に商品を収容するための保管棚の情報をサーバ6へ受け取り(S39)、これにより収納作業を行う。この図10におけるステップS39以降の収納作業を、図12を参照して説明する。
【0036】
まず、作業員は入庫する商品を搭載したパレットを選択する(S41)。一方、棚管理装置11は立ち上げ時に、無線タグRW装置12−1〜12−3を用いて、棚列管理装置9は、棚管理装置11を介して棚列の状況を確認保持しておく(S42)。作業員は、無線タグアンテナ26を用いて上記パレットに添付された無線タグのメモリからバーコード情報等を読み出し(S43)、これをパネルコンピュータ20へ送信する(S44)。パネルコンピュータ20は、上記パレットのバーコード情報等を用いてパレット情報の要求をサーバ6へ送る(S45)。
【0037】
これに応えて、サーバ6は、対応するパレット情報を検索し(S46)、検索したパレット情報を返送する(S47)。このとき、パレットデータベースのバーコードに対応して記憶されている商品のタグIDと、この商品のタグIDに対応して商品データベースに記憶されている保管位置(棚位置)の情報を返送する。この情報を受けたパネルコンピュータ20は、パレットに積載された商品を保管する位置情報を表示する(S48)。また、パネルコンピュータ20は、無線タグアンテナ26を用いて上記パレットに添付された無線タグのメモリから積載物の情報を取り出し、上記サーバ6から返送されてきた情報との整合性を検出する(S49)。
【0038】
パネルコンピュータ20から作業員は、棚列管理装置9に対して表示されている各商品の位置から、次に保管する商品の位置の情報を送信して確認を求める(S50)。このとき棚列管理装置9は、棚列作業状況の確認を行っており(S51)、上記パネルコンピュータ20から送られた位置の情報に対応する棚管理情報を返送する(S52)。パネルコンピュータ20は返送された棚管理情報に基づき、該当商品の棚入れ作業が可能か否かを検出する(S53)。ここで棚入れ作業が不可能であることが検出されると、ステップS50へ戻り、更に次の商品について棚入れ作業が可能であるかに関する情報の取得を行う。
【0039】
一方、ステップS53において、棚入れ作業が可能であることが検出されると、パネルコンピュータ20は保管すべき商品と保管位置の情報を表示する(S54)。これを見て、作業員は商品を保管すべき目的の棚列へ移動した後、該当商品を棚から下ろし(S55)、該当商品に添付された無線タグの番号を確認する(S56)と共に、無線タグアンテナ26を用いて無線タグのメモリから情報を取り出しパネルコンピュータ20へ送信する(S57)。パネルコンピュータ20は、この送られてきた情報に基づき棚入れを指定した商品が取り出されたか否かを検出し、誤りがあると「取出商品不適切」などメッセージを表示し、また、メッセージを点滅させる(S58)。適切に棚入れがなされると、入庫した商品に関する情報をサーバ6へ送信する(S59)。これを受けてサーバ6はデータベース7にパレットデータベースにおける該当のパレットに係る積載情報を更新(記憶されていた商品タグIDを消去)して(S60)、棚データベースにおける該当の棚の室に係る保管情報を更新する(S61)。したがって、上記パレットデータベースにおいて消去された商品のタグID等が棚データベースにおける該当の物品管理棚1の室の識別情報に対応して書き込まれる。
【0040】
上記のステップS55において、パレットから下ろされた商品は、作業員によって物品管理棚1の該当する室に収納される(S62)。作業員は、該当商品に添付された無線タグの番号により適切な棚入れを確認する(S63)。棚管理装置は、無線タグRW装置12−1〜12−3によりアンテナ4−11〜4−33を動作させて該当する室から、上記収納された商品に添付された無線タグのメモリから情報を読み出し、棚位置情報が当該室に対応しない場合には状況表示器5の誤操作ランプを点灯して(S64)棚入れが不適切であることを知らせる。棚入れが適切である場合には、棚管理装置は、無線タグRW装置12−1〜12−3によりアンテナ4−11〜4−33を動作させて当該室に添付された無線タグのメモリの情報を更新する(S65)。
【0041】
図1に示した物品管理システムでは、図の制限から物品管理棚1が1つであるが、通常は図13に示されるように、複数の物品管理棚1−1〜1−3が設けられる。物品管理棚1−1〜1−3のいずれの通路であるかを検出するための無線タグ51−1〜51−4が床に貼着または埋設されている。無線タグ51−1〜51−4は、図2に示した無線タグと同一の構成である。各物品管理棚1−1〜1−3の通路の入口側壁には、移動物感知センサ17−1〜17−6が添付されている。各物品管理棚1−1〜1−3の屋根には、点灯回転するライト等よりなる状況報知装置18−1〜18−4が設けられている。
【0042】
図11には、上記図13に示す構成において、パレットを積載したキャリア等(可動式データ収集装置19と同じ。このパレットを積載したキャリア等を、以下、単に「キャリア」という。)が物品管理棚1−1〜1−3間の通路に進入するときに、棚列管理装置9により行われる作業中表示の処理のフローチャートが示されている。ここでは、移動物感知センサ17−1の設けられた通路について説明を行うが、他の通路についても同様に処理がなされる。棚列管理装置9は、移動物感知センサ17−1からの信号により通路に対するキャリアの進入を検出しており(S66)、進入があるとレジスタiの値を「1」歩進させる(S67)。そして、歩進させたレジスタiの値を判定し(S68)、「1」であれば状況報知装置18−1を点灯し作業中を表示する(S69)。
【0043】
点灯を行った後には、棚列管理装置9は、移動物感知センサ17−1からの信号により通路に対するキャリアの退出を検出し(S71)、退出がなければステップS66へ戻って処理を継続する。ここで、再びキャリアの進入があるとレジスタiの値は「2」以上となり、ステップS68からステップS70へ進み、状況報知装置18−1を点灯しまま回転させ、二重進入の警報を表示する(S70)。二重進入の警報に気付いてキャリアを退出させると移動物感知センサ17−1からの信号により通路からキャリアが退出したことが検出でき、ステップS71においてYESへ分岐し、レジスタiの値を「1」減少させる(S72)。
【0044】
そして、減少させたレジスタiの値が「0」であるかを判定し(S73)、「0」でなければ、減少させたレジスタiの値を判定し(S75)、「1」に戻っていれば状況報知装置18−1を点灯し作業中を表示し(S69)、レジスタiの値は「2」以上であれば、状況報知装置18−1を点灯しまま回転させ、二重進入の警報表示を継続する(S70)。また、全てのキャリアが退出すると、ステップS73においてYESへ分岐し、状況報知装置18−1を消灯させて作業中のキャリアがないことを示す(S74)。上記レジスタiの内容に基づき棚列管理装置9は、図12のステップS52において棚列管理情報の返送を行い、棚入れが可能か不可能かを伝える。
【0045】
可動データ収集装置19は、上記のような処理を行っている棚列管理装置9により指示を受けるなどして、各物品管理棚1−1〜1−3間の通路を移動するので、この場合の処理を図15のフローチャートに基づき説明する。パネルコンピュータ20は画面に次に移動する位置を表示するので、作業員が確認する(S76)。
【0046】
パネルコンピュータ20は、棚列管理装置9に対して、表示されている位置の棚列の作業情報を求める(S77)。このとき棚列管理装置9は、棚列作業状況の確認を行っており(S77A)、上記パネルコンピュータ20から送られた位置の棚列における作業情報を返送する(S78)。この情報は、図11において説明したレジスタiに基づく情報である。パネルコンピュータ20は返送された棚列の作業情報を受け取り(S79)、これに基づき、該当棚への移動が可能か否かを検出する(S80)。ここで移動が不可能であれば、ステップS76へ戻って他の通路への移動について調べる。
【0047】
ステップS80において移動が可能であることを検出すると、無線タグ51−1〜51−4から得ている位置情報に基づき、目的棚列内にあるのかを検出する(S81)。目的棚列内でなければ、棚列管理装置9に対して外部へ移動することを通知し(S82)、移動を行う(S83)。
【0048】
棚列管理装置9は、移動物感知センサ17−1〜17−6からの信号により通路に対するキャリアの退出を確認し(S84)、状況報知装置18−1〜18−4の該当する装置を消灯し(S85)、当該棚列の作業中表示を取り消し、パネルコンピュータ20へ当該棚列外へ移動した旨の送信を行う(S86)。これを受けたパネルコンピュータ20は、自装置の位置として「棚列外」を設定し(S87)、目的の棚へ移動することを該当の棚列管理装置9へ通知する(S88)。これを受けて該当の棚列管理装置9は、移動物感知センサ17−1〜17−6を起動し(S89)、状況報知装置18−1〜18−4の該当する装置において進入可能を点滅により表示する(S90)。
【0049】
一方、キャリアにおいては、作業員が移動すべき位置認識タグ(無線タグ51−1〜51−4のいずれか)の情報を入力して表示し、目的の棚列への移動を行う(S91)。そして、移動すべき位置認識タグを通過すると、目的の棚列へ移動したことを該当の棚列管理装置9へ通知する(S92)。この通知は、例えば、無線タグアンテナ26により、図14に示されるように、床の無線タグからの情報取得を試みて(S101)、床の無線タグのメモリから情報を読み取りこれを送出する(S102)ことにより実行することができる。
【0050】
目的の棚列へ移動したことの送信を受けた該当の棚列管理装置9は、移動物感知センサ17−1〜17−6を起動中として待ち受けており(S93)、移動物感知センサ17−1〜17−6のいずれかからの信号を受けて、棚列にキャリアが進入したことを検出し、棚列内部の移動を検出した旨をパネルコンピュータ20へ通知する(S94)。これを受けたパネルコンピュータ20は、自装置の位置として「棚列外」を「棚列内」へ変更し(S95)、目的棚番号(室番号)を棚列管理装置9へ通知する(S96)。棚列管理装置9は、該当の状況報知装置を点灯し作業中を表示し、目的棚番号に対応する棚管理装置11へ保管棚(室)を表示する指示を送る(S97)。棚管理装置11は、該当する状況表示器5にて保管棚(室)であることを示す表示を行わせ、無線タグRW装置12−1〜12−3によりアンテナ4−11〜4−33を動作させて当該室に添付された無線タグのメモリの情報を読み取る(S98)。
【0051】
図14には、可動式データ収集装置19の無線タグアンテナ26を用いて収納先に係る目的室を検索する動作が示されている。床タグを通過して物品管理棚の前へ到来すると、無線タグアンテナ26を室に設けられた無線タグに当てて情報を読み出す(S103)。パネルコンピュータ20は、読み出した情報と自装置に保持してある収納先に係る目的室の情報を比較して該当の室かを検出する(S104)。該当の室であると、パネルコンピュータ20において収納先に係る目的室である旨の表示が行われる(S105)。作業員は、当該室に商品を入れると(S106)、パネルコンピュータ20は無線タグアンテナ26を商品に添付された無線タグから情報を取り出し、正しい室へ収容したのかを検出する(S107)、誤りの場合には誤りのメッセージを表示する(S108)。そして、収納する商品があるかをパネルコンピュータ20は、無線タグアンテナ26を用いて検出し(S109)、移動を床タグからの情報の有無により検出し(S110)、移動しない場合には、無線タグアンテナ26を室に設けられた無線タグに当てて情報を読み出す(S103)処理を行う。移動した場合には、ステップS102からの処理を行う。
【0052】
図16には、本実施例のシステムにより行われる自動棚卸し処理のフローチャートが示されている。サーバ6において、オペレータは自動棚卸し処理の起動を行い、処理範囲を例えば、棚列の識別情報により指定する(S111)。これに応じて、サーバ6は該当の棚列管理装置9に対して起動要求を送信する(S112)。起動要求を受けた棚列管理装置9は、対応する棚管理装置11へ各棚の各室に添付された保管タグ(無線タグ)の情報を読み取るように指示を送出する(S113)。サーバ6は更に必要な別の棚列管理装置9に対して起動要求を送信する(S115)。これに対応する処理は、ステップS113、S114の説明の通りである。
【0053】
サーバ6は、棚管理装置11へ読み取った保管情報を送るように指示を送出し(S116)、棚管理装置11は各無線タグRW装置により読み取りを行わせて情報を取得し(S117)、これを保管単位(室単位)に転送する(S118)。サーバ6は情報を受け取り確認して保持し(S119)、データベース7の在庫情報を検索し(S120)、転送された情報とデータベース7の情報との整合性を確認する(S121)。
【0054】
具体的には、棚列データベースから商品タグIDを得て、これにより商品データベースの内容を検索し、各商品の情報を得て、転送されてきた情報との比較を行うことになる。そして、在庫情報と不一致となった商品の情報を作成し(S122)、全ての棚卸しの処理が終了したかを検出し(S123)、終了していなければステップS116からの処理を継続する。全ての棚卸しの処理が終了した場合には、在庫情報と不一致となった商品の情報についてプリントアウトするなどの終了処理を行い(S124)、棚卸し処理の終了メッセージを該当の棚列管理装置9へ送信する(S125)。棚列管理装置9は、これを受けて棚卸し処理の終了メッセージを該当の棚管理装置11へ送信する(S126)。棚管理装置11読み出してある各室の無線タグの情報をそれぞれに書き込む(S127)。そして、棚列管理装置9、棚管理装置11は、起動の指示により動作を開始するスリープモードへ移行する。
【0055】
図17には、本実施例のシステムにより行われる出荷時に物品管理棚から商品を取り出しパレットに載せるまでの処理のフローチャートが示されている。棚管理装置11は立ち上げ時に、無線タグRW装置12−1〜12−3を用いて、棚列管理装置9は、棚管理装置11を介して棚列の状況を確認保持しておく(S128)。作業員が、パネルコンピュータ20を用いて出荷番号のバーコード(BC)を入力して(S129)、対応の出荷データを要求を送出する(S130)。これを受けたサーバ6は、出荷番号のバーコードに対応する出荷データを出荷データベースにおいて検索し(S131)、検索した出荷データを返送する(S132)。出荷データを受け取ったパネルコンピュータ20はこれを受けて表示を行う(S133)。
【0056】
パネルコンピュータ20はパレットの変更(新規の選択を含む)が必要かをメッセージを表示するなどして尋ねる(S134)。必要な場合には、作業員はその旨の応答操作を行い、パレットを選択する(S135)。作業員は、無線タグアンテナ26を用いて上記パレットに添付された無線タグのメモリからバーコード情報等を読み出し、これをパネルコンピュータ20へ送信する(S136)。パネルコンピュータ20は、上記パレットのバーコード情報等を用いてパレット情報の要求をサーバ6へ送る(S137)。
【0057】
これに応えて、サーバ6は、対応するパレット情報を検索し(S138)、検索したパレット情報を返送する(S139)。この情報を受けたパネルコンピュータ20は、パレットに積載された商品に関する積載情報の初期化を実行する(S140)。パネルコンピュータ20から作業員は、棚列管理装置9に対して表示されている出庫に係る各商品から、次に出庫する商品の情報を送信して確認を求める(S141)。
【0058】
上記において棚列管理装置9は、棚列作業状況の確認を行い(S142)、上記パネルコンピュータ20から送られた商品の情報に対応する棚列管理情報を返送する(S143)。パネルコンピュータ20は返送された棚列管理情報に基づき、該当商品の出荷作業が可能か否かを検出する(S144)。ここで出荷作業が不可能であることが検出されると、ステップS141へ戻り、更に次の商品について出荷作業が可能であるかに関する情報の取得を行う。
【0059】
一方、ステップS144において、出荷作業が可能であることが検出されると、パネルコンピュータ20は出荷すべき商品と保管位置の情報を表示する(S145)。これを見て、作業員は該当商品を棚から下ろし、パレットに載せる(S146)。棚管理装置は、無線タグRW装置12−1〜12−3によりアンテナ4−11〜4−33を動作させて該当する室の商品に添付された無線タグのメモリから情報を読み出すと共に室に添付されている無線タグのメモリから情報を読み出し、上記取り去られた商品のタグID等を確認し(S147)、予定された商品以外の商品が取り出されたときには状況表示器5の誤操作ランプを点灯して(S148)出荷が不適切であることを知らせる。商品の取り出しが適切である場合には、棚管理装置は、無線タグRW装置12−1〜12−3によりアンテナ4−11〜4−33を動作させて当該室に添付された無線タグのメモリの情報を更新する。
【0060】
無線タグアンテナ26によりパネルコンピュータ20のパレットの積載情報がパレットに設けられている無線タグのメモリにパレットに積載された商品のタグID等が書き込まれ、無線タグの情報更新が行われる(S149)。パネルコンピュータ20はパレットに積載された商品に関する情報を表示し、サーバ6に対して当該情報を転送する(S150)。
【0061】
サーバ6は、物品の出荷を確認し、在庫の情報から当該商品を削除するなどの更新処理を実行する(S151)。更に、サーバ6は、データベース7のパレットデータベースと棚データベースの情報の更新も行う(S152)。一方、パネルコンピュータ20はパレットのが商品で一杯になったかをメッセージを表示するなどして尋ねる(S153)。パレットが一杯となった場合には、ステップS134からの処理が行われ、パレットに商品を積載できるスペースがある場合には、ステップS141からの処理が行われる。
【0062】
図18には、本実施例のシステムにより行われる出荷処理であって、パレットに載せた商品をトラックに積み込むまでの処理のフローチャートが示されている。まず、作業員は商品が積載されたパレットを選択し(S154)、無線タグアンテナ26を用いて上記パレットに添付された無線タグのメモリ及び積載された商品のメモリからバーコード情報等を読み出し(S155)、これらをパネルコンピュータ20へ送信する(S156)。パネルコンピュータ20は、上記パレット及び商品のバーコード情報等を表示すると共に、パレット情報の要求をサーバ6へ送る(S157)。
【0063】
これに応えて、サーバ6は、対応するパレット情報を検索し(S158)、検索したパレット情報を返送する(S159)。この情報を受けたパネルコンピュータ20は、パレット及び商品のバーコード情報等とサーバ6から送られてきた情報を比較して不一致の場合に、異常表示を行う(S160)。そして、詳細な検査等が行われる。異常がなければ、作業員はパレットの商品をトラックに積み込む(S161)。
【0064】
パネルコンピュータ20では、パレットに積載された商品の出荷確認入力がなされ(S162)、無線タグアンテナ26を用いて上記パレットに添付された無線タグのメモリの初期化が行われる(S163)。パネルコンピュータ20から、サーバ6に対してパレットに積載された商品の出荷確認を通知すると、パレットに積載された商品の情報に対し出荷処理を行い(S164)、ベータベース7におけるパレット情報の初期化を行う(S165)。
【0065】
以上の通り、本実施例では、各商品、物品管理棚1の各室、各パレットに無線タグを設けて、その中のメモリに対し管理のための情報を書込み、読み出し、また変更するので、常に商品の管理位置などが適切に管理され、人手を多く要することがない。
【0066】
また、可動式データ収集装置19に対する誘導も、センサ、無線タグや表示装置を用いて適切に行うことができる。
【0067】
更に、棚卸しは、遠隔からサーバ6により行うことができ、この点においても人手を要することがない。そして、棚卸しにより異常が発見されたときに、その位置や商品を特定して適切な確認、検査を行うことが可能である。
【0068】
なお、以上の実施の形態においては、無線タグのタグIDとバーコードの情報を別情報として説明したが、無線タグのタグIDをデータベースにおいてバーコード結び付け、無線タグのタグIDにより商品の管理を一元化するようにしても良い。このようにすると、1つの情報で管理を行うことができ、管理を簡素化できる利点がある。
【0069】
また、上記実施の形態においては、物品管理棚1の室を用いた管理を示したが、例えば、アンテナによる電波の到達範囲を区画として商品を床に置き、無線タグを用いたシステムを構成することもできる。
【0070】
更に、人や物の進入を感知するセンサを設け、人や物の進入を感知した場合や、サーバ6側からの要求がないときには、システムの各装置をスリープモードとして待機させると、消費電力の低減を図ることができ、しかも商品の盗難等に対するセキュリティシステムを構築することも可能である。また、本実施の形態では、サーバ6が集中管理を行うシステムを示したが、例えば、棚列管理装置を複数設けて、サバー6に代えて管理を分散して行うようにしても良く、また、各棚管理装置がサバー6に代わって管理を分散して行う分散処理システムとしても良い。このような構成とした場合には、サーバ6や棚列管理装置は必要な場合、下位の装置から必要に応じて情報を収集するなどの処理を行う。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る物品管理システムでは、区画には、区画識別情報と区画に収容された物品の情報が格納される区画用メモリが設けられ、物品には、物品識別情報と当該物品の情報が格納される物品用メモリが設けられており、区画用メモリの情報と物品用メモリの情報とをリードし、物品の管理が行われるので、区画に収容されている物品の情報を適切に把握した管理が行われる効果がある。
【0072】
以上説明したように請求項3に係る物品管理システムでは、各区画には、情報を表示する区画用表示手段が備えられ、物品に設けられている物品用メモリに書き込まれている区画識別情報と、当該物品が収容された区画の区画用メモリに書き込まれている区画識別情報との比較に基づき前記区画用表示手段にて適切・不適切を示す情報を表示するので、区画内に物品を収容する場合に、適切・不適切を示す情報が表示され、収納作業を適切に行うことができる。
【0073】
以上説明したように請求項4に係る物品管理システムでは、区画内の物品用メモリに書き込まれている情報に基づき、区画用メモリの情報の更新が指示されるので、区画内に収容された物品に関する情報が、区画に設けられた区画用メモリの情報に反映され、メモリを用いたコンピュータによる物品の管理を適切に行うことが可能である。
【0074】
以上説明したように請求項5に係る物品管理システムでは、データベースが備えられ、メモリのリードライトにより得られた各区画毎の情報に基づき前記データベースの情報が更新されるので、システムのデータベースの情報と区画とその区画の物品の情報とが一致しており、データベースを用いた物品の管理を適切に行うことができる。
【0075】
以上説明したように請求項6に係る物品管理システムでは、物品を区画へ搬送する装置には搬送装置用メモリが備えられており、このメモリに搬送する物品に関する情報をリードライトし、適切に入庫及び出庫を行うことができる。
【0076】
以上説明したように請求項7に係る物品管理システムでは、区画における物品搬送装置の位置を検出し、この検出結果に基づき前記物品搬送装置の移動に関する誘導表示を行うための誘導表示を制御するので、物品搬送装置の移動に関する誘導表示がなされ、物品の搬送を適切に行うことが可能である。
【0077】
以上説明したように請求項8に係る物品管理システムでは、区画用メモリ、物品用メモリ及び搬送装置用メモリは、樹脂によりモールドされカード状のタグとされており、当該タグの表面には、区画、物品または搬送装置を識別する番号及びバーコードが付されているので、タグの内容を外部から人が確認することができ便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る物品管理システムの構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る無線タグを示す図であり、(a)は平面図、(b)はI−I線断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る物品管理棚の構成を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る物品管理棚に設けられるアンテナ装置の構成を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る物品管理システムに用いられる可動式データ収集装置の構成図。
【図6】本発明の実施の形態に係る物品管理システムに備えられるデータベースの内部構成を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける無線タグに貼付するラベル発行処理を示す図。
【図8】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける無線タグの内容を示す図。
【図9】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける発注製品受け入れ時の処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける発注製品受け入れ時の要部処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける可動式データ収集装置の誘導処理を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける受注製品の棚入れ処理を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施の形態に係る物品管理システムの可動式データ収集装置の誘導のための構成図。
【図14】本発明の実施の形態に係る物品管理システムの可動式データ収集装置による商品の棚入れを説明するためのフローチャート。
【図15】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける目的棚への移動処理を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける棚卸し処理を示すフローチャート。
【図17】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける出荷製品取り出し処理を示すフローチャート。
【図18】本発明の実施の形態に係る物品管理システムにおける出庫処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 物品管理棚 2 室
3 無線タグ 4 アンテナ装置
5 状況表示器 6 サーバ
7 データベース 8、10 ネットワーク
9 棚列管理装置 11 棚管理装置
12−1〜12−3 無線タグRW装置
13、14、、14−1、14−2、15 通信装置
16 プリンタ 17 移動物感知センサ
18 状況報知装置 19 可動式データ収集装置
Claims (8)
- 物品を収容する複数の区画それぞれに設けられ、区画を識別するバーコード情報と区画に収容された物品の情報が格納される区画用メモリであって、予め当該メモリに固有のユニーク識別情報が記憶されている区画用メモリと、
前記区画に収容される各物品に設けられ、物品を識別するバーコード情報と当該物品の商品名情報及び収納位置情報が格納される物品用メモリであって、予め当該メモリに固有のユニーク識別情報が記憶されている物品用メモリと、
複数の区画それぞれに設けられ、区画用メモリに対する情報のリードライト及び物品用メモリに対する情報のリードを行うための区画内情報リードライト手段と、
区画用メモリ及び物品用メモリとなるメモリに対して情報のリードライトを行う可動式の情報リードライト手段と、
前記区画用メモリ及び前記物品用メモリに貼着するラベルにバーコード情報を含む情報を印刷する印刷手段と、
印刷すべきバーコード情報を前記印刷手段へ送ると共に、送ったバーコード情報と対応する区画用メモリまたは物品用メモリにおける固有の識別情報を対応させて記憶したテーブルを作成する一方、前記可動式の情報リードライト手段に指示を与えて、対応の区画用メモリまたは物品用メモリとなるメモリに上記印刷したバーコード情報を書き込ませる管理手段と
を具備し、
前記管理手段は、
前記区画の1区画毎に区分された領域を有し、区分された領域にはバーコード情報が予め記憶され、このバーコード情報に対応して区画用メモリのユニーク識別情報が記憶される第1のデータベースと、
発注番号毎に区分された領域を有し、区分された領域にはバーコード情報が予め記憶され、このバーコード情報に対応して物品用メモリのユニーク識別情報、商品名、収納位置情報が記憶される第2のデータベースとを有し、
前記管理手段は、
区画に設けるラベルに印刷するバーコード情報の要求があると、前記第1のデータベースに記憶されている1つの区分された領域に記憶されているバーコード情報を取り出し、前記印刷手段へ送ってラベルにバーコード情報を印刷させると共に、該バーコード情報が印刷されたラベルを貼付する区画用メモリに前記バーコード情報を書き込み、該区画用メモリに記憶されたユニーク識別情報を前記情報リードライト手段から得て、このユニーク識別情報を前記バーコード情報が記憶されている第1のデータベースの該当領域に書き込み、第1のデータベースの情報と区画用メモリの情報とを一致させる一方、
発注番号のバーコード情報に対応する発注データの要求があると、前記第2のデータベースから要求に係る発注番号のバーコード情報に対応する商品名、棚位置情報を取り出し、前記印刷手段へ送ってラベルにバーコード情報を印刷させると共に、該バーコード情報が印刷されたラベルを貼付する物品用メモリに前記バーコード情報及び商品名、棚位置情報を書き込み、該物品用メモリに記憶されたユニーク識別情報を前記情報リードライト手段から得て、このユニーク識別情報を前記バーコード情報が記憶されている第2のデータベースの該当領域に書き込み、第2のデータベースの情報と物品用メモリの情報とを一致させることを特徴とする物品管理システム。 - 情報を表示するための可動式の表示手段を具備し、
前記管理手段は、前記可動式の情報リード手段へ指示を与え、区画用メモリまたは物品用メモリとなるメモリから記憶されたバーコード情報を含む情報を読み出させ、当該バーコード情報を含む情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。 - 各区画には、情報を表示する区画用表示手段が備えられ、
物品に設けられている物品用メモリに書き込まれている区画識別情報と、当該物品が収容された区画の区画用メモリに書き込まれている区画識別情報との比較に基づき前記区画用表示手段にて適切・不適切を示す情報を表示する表示制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。 - 管理手段は、区画内の物品用メモリに書き込まれている情報に基づき、区画用メモリの情報の更新を区画内情報リードライト手段へ指示することを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。
- 管理手段には、データベースが備えられ、管理手段は区画内情報リードライト手段により得られた各区画毎の情報に基づき前記データベースの情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。
- 前記管理手段は、物品を区画へ搬送する物品搬送装置に固有の識別情報が書き込まれていると共に、搬送する物品に関する情報が書き込まれている搬送装置用データベースを更に具備し、
前記物品搬送装置には、前記固有の識別情報が書き込まれていると共に、搬送する物品に関する情報がリードライト可能な搬送装置用メモリが備えられ、
前記管理手段へ必要な要求を送り、前記管理手段から送られた情報を受け取る可動式のコンピュータとを具備し、
この搬送装置を用いて物品の搬送を行う際に、前記可動式のリードライト手段により前記搬送装置用メモリの情報を読み取って、前記コンピュータからこの情報を前記管理手段へ送ると、前記管理手段から前記搬送装置用データベースに記憶されている搬送する物品に関する情報が送られ、前記可動式の表示手段に表示されることを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。 - 区画における前記物品搬送装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記物品搬送装置の移動に関する誘導表示を行うための誘導表示手段と、
前記位置検出手段からの検出結果に基づき前記誘導表示手段の誘導表示を制御する誘導表示制御手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。 - 区画用メモリ、物品用メモリ及び搬送装置用メモリは、樹脂によりモールドされカード状のタグとされており、当該タグの表面には、区画、物品または搬送装置を識別する番号及びバーコードが付されていることを特徴とする請求項6に記載の物品管理システム。
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