JP4775291B2 - 放射線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
たとえば、有機エレクトロルミネッセントディスプレイ(有機ELD)の背面キャップにおいては、パネルを薄型化するため、背面キャップにガラスを用いることが検討されている。この背面ガラスキャップは、ガラス基板をエッチングすることにより形成されている。エッチングする際には、ガラス基板の上にフォトレジスト膜を形成し、所望の領域のみをエッチング加工している。
板に塗布しパターニングした後に、例えばフッ酸を含むエッチング液(以下「エッチャント」ともいう。)に浸漬し、エッチングしている。
トエッチング加工する際のレジスト膜の形成に好適な放射線硬化性樹脂組成物を提供することである。
な密着性を有し、エッチング時のサイドエッチングを抑制し、さらに長時間のエッチングでも剥がれることなく、精度よく所望のパターン加工ができるレジスト膜を形成することができる放射線硬化性樹脂組成物、および該組成物を用いた各種基板の製造方法を提供することにある。
(A)側鎖にフッ素化炭化水素基を有するラジカル重合性化合物(a)に由来する構造単位と、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(b)に由来する構造単位と、フェ
ノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(c1)および/または共重合体合成後にフェノール性水酸基に変換できる官能基を有するラジカル重合性化合物(c2)に由来するフェノール性水酸基を有する構造単位とを含有する共重合体(I)を含むアルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、および
(C)放射線ラジカル重合開始剤
を含有することを特徴とする。
本発明に係るエッチングにより形成されたパターン(以下「エッチングパターン」ともいう。)を有するガラス基板の製造方法は、上記本発明の放射線硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とする。
またはSiNの絶縁膜で被覆された基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とする。
膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とする。
に対して十分な密着性を有し、エッチング時のサイドエッチングを抑制し、さらに長時間のエッチングでも剥がれることなく、精度よく所望のパターン加工ができるレジスト膜を形成することができ、各種基板のエッチング加工を精度良く行うことができる。
[放射線硬化性樹脂組成物]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、(A)側鎖にフッ素化炭化水素基を有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物および(C)放射線ラジカル重合開始剤を含有する。また、本発明の組成物は、さらに(D)密着助剤を含有してもよい。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂(A)は、側鎖にフッ素化炭化水素基を有するラジカル重合性化合物(a)に由来する構造単位(以下「構造単位(a)」という。)と、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(b)に由来する構造単位(以下「構造単位(b)」という。)と、フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(c1)および/または共重合体合成後にフェノール性水酸基に変換できる官能基を有するラジカル重合性化合物(c2)(以下、(c1)および(c2)を総称して「ラジカル重合性化合物(c)」ともいう。)に由来する構造単位(以下「構造単位(c)」という。)とを含有する共重合体(I)を含む。また、前記共重合体(I)は、前記ラジカル重合性化合物(a)、(b)および(c)以外の他のラジカル重合性化合物(d)に由来する構造単位(以下「構造単位(d)」という。)をさらに含有してもよい。
本発明で用いられる側鎖にフッ素化炭化水素基を有するラジカル重合性化合物(a)は、少なくとも1つの水素がフッ素で置換された炭化水素基を側鎖に有するラジカル重合性化合物であり、たとえば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートおよびパーフルオロオクチルエチルアクリレートなどの炭素数2〜10のフッ素化アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有する基板に対して十分な密着性を有し、エッチング時のサイドエッチングを抑制し、さらに長時間のエッチングでも剥がれることなく、精度よく所望のパターン加工ができるレジスト膜を形成することができる組成物が得られる。
本発明で用いられるカルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−サクシノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−マレイノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート(市販品としては、例えば東亞合成(株)製「アロニックスM−5300」)、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(市販品としては、例えば東亞合成(株)製「アロニックスM−5400」)、アクリル酸ダイマー(市販品としては、例えば東亞合成(株)製「アロニックスM−5600」)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(市販品としては、例えば東亞合成(株)製「アロニックスM−5700」)等のモノカルボン酸;およびマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸などのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体などが挙げられる。これらの化合物は1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好ましい。
本発明で用いることができるフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(c1)としては、たとえば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノールおよび4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの中では、p−ヒドロキシスチレンまたはα−メチル−p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
本発明で用いることができる他のラジカル重合性化合物(d)は、上記ラジカル重合性化合物(a)、(b)、(c)および下記エポキシ基を有するラジカル重合性化合物(e)以外のラジカル重合性化合物である。
アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル類、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、ニトリル基含有重合性化合物、アミド結合含有重合性化合物、ビニル類、アリル類、塩素含有重合性化合物および共役ジオレフィンなどを挙げることができる。
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン等の芳香族ビニル類;
2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等
の芳香族アリル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物;
酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類
などが挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記他のラジカル重合性化合物(d)を共重合させることにより、共重合体(I)の機械的特性を適度にコントロールすることができ、アルカリ水溶液に対する溶解性を調整することもできる。
上記共重合体(I)は、上記ラジカル重合性化合物(a)、(b)および(c)ならびに必要に応じて上記ラジカル重合性化合物(d)を、後述する重合溶媒中で、後述する触媒を用いて、公知の方法により共重合させることにより得ることができる。
0である。
上記共重合体(I)を製造する際に用いられる重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。これらの中では、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
上記共重合体(I)を製造する際に用いられる重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2−ジメチ
ルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1'−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などを挙げることができる。過酸化物をラジカル重合開始剤として使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
本発明で用いることができる、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物(e)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルα−エチル(メタ)アクリレート、グリシジルα−n−プロピル(メタ)アクリレート、グリシジルα−n−ブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、シクロヘキセンオキシド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中では、グリシジルメタクリレート、6,7−エポキシヘプチルメタクリレート、6,7−エポキシブチルα−エチルアクリレートが特に好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂(A)は、上記共重合体(I)をそのまま用いてもよく、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂を含有してもよい。
可溶性樹脂(A’)は、下記反応式に示すように、上記共重合体(I)のカルボン酸と上記エポキシ基を有するラジカル重合性化合物(e)とを、例えば臭化テトラブチルアンモニウムなどのアンモニア系触媒を用いて反応させることで得られる。
本発明で用いられる少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物(B)」ともいう。)は、分子中にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する常温で液体または固体の化合物であり、一般にはエチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を持つ(メタ)アクリレート化合物、もしくはビニル基を持つ化合物が好ましく用いられる。(メタ)アクリレート化合物としては、単官能性化合物と多官能性化合物とに分類されるが、いずれの化合物も用いることができる。
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシロキシメチルエチルエーテル、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明で用いられる放射線ラジカル重合開始剤(C)としては、例えば、ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−アセトキシベンゾフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、1−[2−メチル−4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、α,α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;[1,2'−ビスイミダゾール]−3,3',4,4'−テトラフェニル、[1,2'−ビスイミダゾール]−1,2'−ジクロロフェニル−3,3',4,4'−テトラフェニルなどのビスイミダゾール類、ジ−tert−ブチルパ−オキサイドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。
ェノン類、フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1,2'−ビスイミダゾール類と4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノンとメルカプトベンゾチアゾールとの併用、ルシリンTPO(商品名)、イルガキュア651(商品名)、イルガキュア369(商品名)が好ましい。
本発明のレジスト樹脂組成物は、ガラス基板またはSiO2もしくはSiN等の絶縁膜
で被覆された基板との密着性を向上させるために、密着助剤(D)を含有してもよい。このような密着助剤(D)としては、トリアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤(D’)が好ましい。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、上述したアルカリ可溶性樹脂(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、放射線ラジカル重合開始剤(C)および密着助剤(D)の他に、必要に応じて、溶剤(E)や各種添加剤などの他の成分を含有してもよい。
溶剤(E)としては、上記アルカリ可溶性樹脂(A)および各成分を均一に溶解させることができ、また各成分と反応しないものが用いられる。このような溶剤(E)としては、上記アルカリ可溶性樹脂(A)を製造する際に用いられる重合溶剤と同様の溶剤を用いることができ、さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒を添加することもできる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、熱重合禁止剤を添加することができる。このような熱重合禁止剤としては、たとえば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4'
−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4',4”−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、
4,4',4”−エチリデントリスフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどを挙げることができる。上記熱重合禁止剤の使用量は、上記アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して好ましくは5重量部以下である。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。
上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
<酸無水物>
本発明の感放射線性樹脂組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、たとえば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートなどの酸無水物を添加してもよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物を調製するには、上記成分(A)、(B)および(C)ならびに必要に応じて上記成分(D)や、その他の成分を公知の方法で混合して攪拌する。例えば、攪拌羽根を有するSUS製調製タンクに各原料を必要量投入し、室温下において均一になるまで攪拌する。また必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて得られた組成物をろ過してもよい。
次に、上述した本発明の放射線硬化性樹脂組成物を用いたウェットエッチングにより形成されたエッチングパターンを有する各種基板の製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物をガラス基板またはSiO2膜もしくはSiN膜等の
絶縁膜で被覆された基板に塗布し、加熱により溶媒を除去することにより所望のレジスト膜を形成することができる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物の塗膜の乾燥条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さなどによって異なるが、通常は40〜160℃、好ましくは60〜120℃で、3〜15分程度である。乾燥時間が短すぎると、現像時の密着状態が悪くなり、また、長すぎると熱かぶりによる解像度の低下を招くことがある。
得られた塗膜に所望のパターンを有するフォトマスクを介し、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線などの放射線を照射することにより、露光部を硬化させることができる。
(3)現像
放射線照射後の現像方法としては、アルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な非露光部を溶解、除去し、露光部のみを残存させ、所望のパターンの硬化膜を得る。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物から得られる塗膜は、前記の放射線照射のみでも、十分に硬化させることができるが、追加の放射線照射(以下「後露光」という。)や加熱によってさらに硬化させることができる。
上記のようにして硬化膜のパターンが形成された各種基板をエッチングする方法としては、公知の方法が採用される。すなわち、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法、減圧下で物理的または化学的にエッチングするドライエッチング法、あるいはこれらを組み合わせる方法が挙げられる。
ング(図1:w2−w1)が発生する。したがって、レジスト組成物とガラス基板との密着性が悪いと、レジスト組成物とガラス基板との界面にエッチング液が浸透しやすく、サイ
ドエッチング量が増加する。
式中、w1はパターン寸法、w2は横方向のエッチング幅、dはw2のエッチング方向に
対して垂直方向のエッチング幅を表し、単位はすべてμmである。すなわち、このサイドエッチング値が高い程、サイドエッチング量が多いことを示し、サイドエッチング値が2であればサイドエッチングがまったく発生せず、等方的にエッチングが進行する理想的なエッチングであることを示す。
エッチング後、レジスト膜を基板から剥離する。ここで使用される剥離液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分や、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアニリン等の第3級アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウムの有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン単独またはこれらの混合溶液に溶解したものが挙げられる。これらの剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法およびパドル法等の方法で剥離することも可能である。具体的には、ジメチルスルホキシドに2重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを溶解した剥離液を30〜80℃に加温し、上記基板を5〜30分間浸漬し、攪拌することでレジスト膜を剥離することができる。
<合成例1> アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成
還流器のついたフラスコを窒素置換した後、2,2'−アゾイソブチロニトリル(重合開始剤)3.0g、乳酸エチル(溶媒)150g、アクリル酸10g、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン30g、イソボルニルアクリレート23gおよびn−ブチルアクリレート19g、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート18gを仕込み、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。完全に溶解した後、溶液の温度を80℃まで上昇させ、この温度で7時間重合を行った。その後、溶液を100℃に昇温して1時間重合を行い、共重合体を含む反応溶液を得た。
表1に記載の組成に変更した以外は、合成例1と同様にして、アルカリ可溶性樹脂(A−2)〜(A−16)をそれぞれ合成した。なお、表1中の記号は以下のとおりである。a−1:2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート
a−2:2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート
a−3:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート
a−4:パーフルオロオクチルエチルアクリレート
b−1:アクリル酸
b−2:メタクリル酸
c−1:α−メチル−p−ヒドロキシスチレン
d−1:イソボルニルアクリレート
d−2:n−ブチルアクリレート
d−3:トリシクロデカニルアクリレート
e−1:グリシジルメタクリレート
表2に示す種類および量の成分(A)、(B)、(C)および(D)と、界面活性剤と
してSF−8428(東レ・ダウコーニング社製)0.3gとをサンプル管に秤量した。その際、アルカリ可溶性樹脂(A)については、固形分量が100gとなるように添加した。これに、溶剤(E)として乳酸エチルを、樹脂溶液からの持ち込み分も含めて150gとなるように添加した。次いで、これを完全に溶解するまで攪拌し、放射線硬化性樹脂組成物を得た。得られた放射線硬化性樹脂組成物を用いて下記のようにして実用特性を評価した。得られた結果を表3に示す。なお、表2中の各成分は以下のとおりである。
B−1:アロニックスM8060(東亜合成(株)製)
B−2:イソボルニルアクリレート
C−1:イルガキュアCGI369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
D−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
E−1:乳酸エチル
(1)解像性
約10cm角にきりだしたガラス基板(旭硝子社製PD200)上にスピンコーターを用いて上述の放射線硬化性樹脂組成物を塗布した後、ホットプレートにて100℃で5分間ベークして、膜厚20μmの塗膜を形成した。次に、解像度測定用のパターンマスクを介して、超高圧水銀灯(ウシオ電機社製USH−1000KS)を用いて600mJ/cm2の紫外線で露光した。これを、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水
溶液で現像した。その後、脱イオン水にて流水洗浄し、スピン乾燥して試験体であるパターン状硬化物を得た。その後、オーブンで130℃、30分加熱した。これを走査型電子顕微鏡で観察し、解像度を測定した。ここで、解像度とは50×50μmの正方形パターンの解像で判断した。解像されている場合を「○」、解像されていない場合を「×」とした。
上記(1)で得られたパターン状硬化物を有するガラス基板と、シリコン基板上にSiO2膜を形成したSiO2基板を用いて上記(1)と同様にして作製したパターン状硬化物を有するSiO2基板とを試験体として、9%フッ酸、9%硫酸水溶液に室温で15分浸
漬した。その後、水洗し乾燥させた。パターン状硬化物が基板から全く剥がれない場合を「○」、一部剥がれた場合を「△」、全て剥がれた場合を「×」とした。
上記(2)で得られた基板を、剥離液THB−S2(JSR社製)中に、50℃にて10分間、攪拌しながら浸漬を行い被試験体を得た。この試験体の断面を示査操作型電子顕微鏡で観察し、図1に示すように、パターン寸法(w1)、横方向のエッチング量(w2)および垂直方向のエッチング量(d)(単位:μm)を測定し、上記式(Eq-1)に代入して、サイドエッチング値を求めた。サイドエッチング値が3未満の場合を「◎」、3以上5未満の場合を「○」、5以上の場合を「×」とした。
上記(3)で得られた試験体を走査型電子顕微鏡で観察を行い、レジスト残渣が認められない場合を「○」、残渣が認められた場合を「×」とした。
2:レジスト組成物
w1:パターン寸法
w2:横方向のエッチング量
d:垂直方向のエッチング量
Claims (8)
- (A)側鎖にフッ素化炭化水素基を有するラジカル重合性化合物(a)に由来する構造単位と、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(b)に由来する構造単位と、フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(c1)および/または共重合体合成後にフェノール性水酸基に変換できる官能基を有するラジカル重合性化合物(c2)に由来するフェノール性水酸基を有する構造単位とを含有する共重合体(I)を含むアルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、および
(C)放射線ラジカル重合開始剤
を含有することを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物。 - 上記共重合体(I)が、上記ラジカル重合性化合物(a)、(b)、(c1)および/または(c2)以外の他のラジカル重合性化合物(d)に由来する構造単位をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
- 上記アルカリ可溶性樹脂(A)が、上記共重合体(I)と、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物(e)とを反応させて得られる不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂(A’)であることを特徴とする請求項2に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
- 上記不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂(A’)が、上記ラジカル重合性化合物(a)に由来する構造単位1〜30重量%と、上記ラジカル重合性化合物(b)に由来する構造単位1〜30重量%と、上記ラジカル重合性化合物(c1)および/または(c2)に由来する構造単位1〜50重量%とを含有し、残分が上記ラジカル重合性化合物(d)に由来する構造単位である共重合体(I)100重量部に、上記ラジカル重合性化合物(e)0.1〜20重量部を反応させて得られることを特徴とする請求項3に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
- (D)トリメトキシシラン基を有する密着助剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とするエッチングにより形成されたパターンを有するガラス基板の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物を、SiO2またはSiNの
絶縁膜で被覆された基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とする絶縁膜の加工方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物を、SiO2またはSiNの
絶縁膜で被覆された基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、フッ酸を用いてエッチング加工する工程とを含むことを特徴とするエッチングにより形成されたパターンを有する基板の製造方法。
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