JP2001290265A - 感放射線性樹脂組成物及びこれを用いたフォトリソグラフィ - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びこれを用いたフォトリソグラフィ

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JP2001290265A
JP2001290265A JP2000104038A JP2000104038A JP2001290265A JP 2001290265 A JP2001290265 A JP 2001290265A JP 2000104038 A JP2000104038 A JP 2000104038A JP 2000104038 A JP2000104038 A JP 2000104038A JP 2001290265 A JP2001290265 A JP 2001290265A
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JP2000104038A
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Toru Kimura
徹 木村
Yasuaki Yokoyama
泰明 横山
Hozumi Sato
穂積 佐藤
Katsutoshi Igarashi
勝利 五十嵐
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエーハ基板等にホールを穿つドラ
イエッチングに耐えられる低温クラック耐性のある厚膜
のマスクパターンが得られる感放射線性樹脂組成物及び
これを用いたフォトリソグラフィを提供すること。 【解決手段】(A)アルカリ可溶性共重合体100重量
部に対して、(B)一般式(1)で示される化合物7〜
38重量部 CH2=CR1COOCH2CH(OH)CH2-R3-CH2- CH(OH)CH2-OCOCR2=CH2 (1) (C)一分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜
6個有する化合物2〜25重量部及び(D)放射線重合
開始剤10〜50重量部を含有することを特徴とする感
放射線性樹脂組成物及び−20℃以下に冷却してドライ
エッチングするフォトリソグラフィ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感放射線性樹脂組
成物に関し、さらに詳しくは、回路基板の製造及び半導
体や電子部品の加工に際して実施されるドライエッチン
グ工程のマスク形成に好適な感放射線性樹脂組成物並び
にフォトリソグラフィーに関する。
【0002】
【従来の技術】回路基板、半導体或いは電子部品の製造
にはフォトファブリケーションが用いられ、なかでもフ
ォトリソグラフィ技術が重要である。フォトリソグラフ
ィにおけるエッチングは、ドライエッチングとウエット
エッチングとがあるが、本発明はドライエッチングに関
する。例えば、シリコンウエーハ(基板)上にデバイス
を製造するとき、感放射線性樹脂組成物(フォトレジス
ト)を塗布されたウエーハは、プリベークされた後、露
光工程に送られる。ここでウエーハは、露光装置にセッ
トされ、マスク・パターンが転写される。露光されたウ
エーハは、必要に応じ熱処理後、現像処理され、フォト
レジストパターンを有するウエーハとなる。このフォト
レジストパターンをマスクとして、エッチングを行い、
ウエーハの表面を選択除去し、マスクと同じパターンに
加工する。ウエーハ表面に残存するレジストは、レジス
ト剥離液を用いて或いは灰化処理により剥離され、次の
工程に送られる。
【0003】近年、デバイスの小型化、高密度化が急激
に進んでおり、LSIを電子機器に搭載するための多ピ
ン実装、さらには三次元化が求められている。このよう
なデバイスの三次元化では、上下チップの導通を得るた
めウエーハにホール(貫通孔)を形成することが必須に
なってきているが、これにはフォトリソグラフィ技術が
用いられる。このようなホールは、数10〜100μm
の深さを必要とされている。数10〜100μmの深さ
のドライエッチングに要する時間は、従来の薄膜レジス
トのエッチングの数倍以上の時間となる。このため、同
時にエッチングを受けるフォトレジストマスク層も20
μm以上、望ましくは30〜50μmの厚膜化が必要
で、しかもアスペクト比1以上の解像性が必要である。
又、エッチングの深さが大きいためエッチングに要する
時間も大となり、このためエッチングされるウエーハの
温度上昇が著しくなってレジストマスクの変形が生じた
り、エッチング深度が大きいため側壁形状の制御が困難
となって解像性が低下することなどが問題となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の問題点を背景になされたもので、数10〜100
μmの深さのドライエッチングに耐えられるドライエッ
チングマスク材となり得る新規な感放射線性樹脂組成物
とこれを用いたフォトリソグラフィを提供する。ウエー
ハにホールを開ける場合には、ドライエッチング時間が
長くなるため、レジストマスクは厚膜であることが必要
であるが、一方、長時間のドライエッチングは、基板や
マスク材の温度を上昇させるので、レジストマスクが変
質したり変形したりして、エッチングの制御が困難にな
る問題があった。本発明者らはこの問題を解決するため
に鋭意研究の結果、エッチングに際して−20℃以下、
望ましくは−30℃以下に冷却された台にレジストマス
クを有するウエーハ(基板)を装着してエッチングを開
始することにより、エッチング中の温度上昇の上限が抑
えられ、マスク材の温度上昇による問題が解決できるこ
とを見出した。しかしながら、従来の厚膜用感放射線性
樹脂組成物を使用して厚膜のレジストマスクを形成した
基板を、例えば−20℃以下に冷却すると、レジストマ
スクにクラックが発生し、正常なエッチングが出来ない
という問題があった。そこで低温クラック耐性がある感
放射線性樹脂組成物について鋭意研究の結果、この問題
を解決した新規な感放射線性樹脂組成物を発明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、20μm以
上の厚膜化が可能であり、アスペクト比1以上の解像性
を有し、エッチングに際して該厚膜を−20℃以下に冷
却してもクラックを発生せず、しかもエッチングに際し
ての選択比が高く、エッチング後に剥離液等で容易に剥
離可能な感放射線性樹脂組成物を得て、本発明に到達し
たものである。
【0006】即ち、本発明の第1は、(A)ガラス転移
温度(Tg)の少なくとも一つが100℃以下であるア
ルカリ可溶性共重合体100重量部に対して、(B)一
般式(1)で示される化合物7〜38重量部、 CH2=CR1COOCH2CH(OH)CH2−R3−CH2−CH(OH)CH2 −OCOCR2=CH2 (1) (ここでR1、R2は、各々独立に水素原子又はメチル基
であり、R3は 化学式−Cn2nm− (nは2〜2
0,mは2〜10の整数から選ばれる)で示される2価
の有機基) (C)一分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜
6個有する化合物2〜25重量部(但し、(B)+
(C)=15〜55重量部)、及び(D)放射線重合開
始剤10〜50重量部、を含有することを特徴とする感
放射線性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】本発明の第2は、アルカリ可溶性共重合体
を含有する感放射線性樹脂組成物であって、これを基板
上に膜厚30μmに形成した後、紫外線を0.4J/c
2照射して硬化させ、次いでー20℃に5分間冷却し
てから倍率20倍の光学顕微鏡で該硬化膜を観察して、
膜面にクラックが認められないものであることを特徴と
する感放射線性樹脂組成物を提供するものである。第2
の発明で使用するアルカリ可溶性共重合体を含有する感
放射線性樹脂組成物は、好ましくは前記第1の発明の感
放射線性樹脂組成物である。
【0008】本発明の第3は、アルカリ可溶性共重合体
を含有する感放射線性樹脂組成物を用いたフォトリソグ
ラフィにおいて、(1)感放射線性樹脂組成物を基板上
に20μm以上の厚さの膜に形成する工程、(2)該膜
にフォトマスクを介して放射線を照射し、次いで現像し
て所定のパターンを有する硬化膜付き基板を得る工程、
及び(3)前記硬化膜付き基板を−20℃以下に冷却後
ドライエッチングする工程、以上の3工程を含むことを
特徴とするフォトリソグラフィを提供するものである。
第3の発明で使用するアルカリ可溶性共重合体を含有す
る感放射線性樹脂組成物は、好ましくは前記第1の発明
の感放射線性樹脂組成物である
【0009】
【発明の実施の形態】<感放射線性樹脂組成物>始めに
第1の発明の感放射線性樹脂組成物について説明する。 (A)アルカリ可溶性共重合体:本発明に用いられる
(A)ガラス転移温度(Tg)の少なくとも一つが10
0℃以下であるアルカリ可溶性共重合体は、アルカリ可
溶性を有する共重合体(以下、「共重合体(A)」又は
「(A)成分」ともいう。)であり、好ましくは、(A
1)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物から
なる構成成分(以下、「(A1)成分」ともいう。)、
(A2)炭素数3以上のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルからなる構成成分(以下、
「(A2)成分」ともいう。)、(A3)脂環族基を有
する(メタ)アクリレート及びイソプロペニルフェノー
ルから選ばれる1種以上のモノマーからなる構成成分
(以下、「(A3)成分」ともいう。)、及び(A4)
その他のモノマーからなる構成成分(以下、「(A4)
成分」ともいう。)からなるものである。
【0010】共重合後、(A1)成分となるモノマーと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−
サクシノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−マレ
イノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−ヘキサヒ
ドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、ω−カル
ボキシーポリカプロラクトンモノアクリレート(市販品
としては、例えば東亞合成(株)製アロニックスMー5
300)、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート
(市販品としては、例えば同社製アロニックスM−54
00)、アクリル酸ダイマー(市販品としては、例えば
同社製アロニックスMー5600)、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート(市販品として
は、例えば同社製アロニックスM−5700)などの1
つのカルボキシル基を有するラジカル重合性化合物;マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタ
コン酸などのジカルボン酸などの複数のカルボキシル基
を有するラジカル重合性化合物などがある。これらの化
合物は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用でき
る。これらの中ではアクリル酸、メタクリル酸、2−ヘ
キサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好まし
く、特にメタクリル酸が好ましい。
【0011】(A1)成分からなる構成成分は、共重合
体(A)中、好ましくは1〜50重量%、より好ましく
は3〜40重量%、特に好ましくは3〜30重量%であ
る。(A1)成分からなる構成成分が1重量%未満で
は、共重合体がアルカリ現像液に溶解し難く、現像後に
膜残りを生じ十分な解像度を得ることができないことが
ある。一方、50重量%を越えると、共重合体のアルカ
リ現像液に対する溶解性が大きくなりすぎて露光部の溶
解、すなわち膜減りが大きくなることがある。
【0012】共重合後、(A2)成分となるモノマーと
しては、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロ
ピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ter
t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレートなどがある。これらの化合物は単独で
もしくは2種以上組み合わせて使用できる。これらの中
では、n−ブチルアクリレートが特に好ましい。
【0013】(A2)成分からなる構成成分は、共重合
体(A)中、好ましくは10〜80重量%、より好まし
くは10〜75重量%、特に好ましくは10〜70重量
%である。(A2)成分からなる構成成分が10重量%
未満では、共重合体のガラス転移温度(Tg)が100
℃を越えることがあり、低温での耐クラック性が得られ
ないことがある。一方、80重量%を越えると、共重合
体の疎水性が著しく大きくなりアルカリ現像液に溶解し
難くなるので、現像後に膜残りを生じ十分な解像度を得
ることができないことがある。
【0014】(A3)脂環族基を有する(メタ)アクリ
レート及びイソプロペニルフェノール(α−メチルヒド
ロキシスチレン)から選ばれる1種以上のモノマーから
なる構成成分((A3)成分)は、耐プラズマ性付与に
有効であり、後者はアルカリ可溶性にも有効である。共
重合後、(A3)成分となるモノマーとしては、脂環族
基を有する(メタ)アクリレートには、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙
げられ、イソプロペニルフェノールとしては、o−イソ
プロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノー
ル、p−イソプロペニルフェノールなどが挙げられる。
これらの中では、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ
ート及びイソプロペニルフェノールが好ましく、特にジ
シクロペンタニルメタクリレート及びp−イソプロペニ
ルフェノールが好ましい。
【0015】(A3)成分からなる構成成分は、共重合
体(A)中、好ましくは10〜60重量%、より好まし
くは15〜55重量%である。60重量%を越えると共
重合体のガラス転移温度(Tg)が100℃を越えるこ
とがあり、10重量%未満では感放射線組成物の硬化膜
の耐プラズマ性が不十分となることがある。
【0016】(A4)その他のモノマーからなる構成成
分とは、前記(A1)、(A2)及び(A3)以外の、
かつ、(A1)、(A2)及び(A3)と共重合可能な
モノマーである。(A4)成分は、主として共重合体
(A)のアルカリ可溶性および機械的特性を調整しパタ
ーニング特性を適度にコントロールする目的で使用され
る。例えば、前記(A2)及び(A3)成分以外の(メ
タ)アクリル酸エステル類、ジカルボン酸ジエステル
類、芳香族ビニル類、芳香族アリル類、ニトリル基含有
重合性化合物、アミド結合含有重合性化合物、脂肪酸ビ
ニル類、塩素含有重合性化合物、共役ジオレフィン類等
を挙げることができる。
【0017】(A2)及び(A3)成分以外の(メタ)
アクリル酸エステル類としては、次式で示される化合物
が挙げられる。 CH2=C(R4)COO−(Cp2pO)q−Cr2r + 1 (但し、R4は、水素原子又はメチル基、pは2〜6か
ら選ばれる整数、qは1〜5から選ばれる整数、rは0
又は1〜6から選ばれる整数である。) 具体的には、メトキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、ブトキシジプロピレングリコール
(メタ)アクリレートなどがある。
【0018】上記の他に、フェニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アク
リル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、フマル
酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジ
エステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒド
ロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン等の芳香族ビ
ニル類、2−アリルフェノール、4−アリルフェノー
ル、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−
6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフ
ェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノー
ル、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族アリル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのニトリル基含有重合性化合物;アクリルア
ミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化
合物;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類;塩化ビニル、
塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;1,3−
ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル等を用いることができ
る。これらの化合物は単独でもしくは2種類以上組み合
わせて用いることができる。好ましいものは、メトキシ
ジプロピレングリコールアクリレート及び共役ジオレフ
ィン類である。共重合体(A)中に占める(A4)成分
に由来する構成単位は、好ましくは0〜30重量%、よ
り好ましくは0〜20重量%である。
【0019】共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)
はゲルパーミエーションクロマト法ポリスチレン換算で
好ましくは1,000〜100,000であり、より好
ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは
3,000〜20,000である。重量平均分子量が
1,000未満では、本発明の感放射線性樹脂組成物を
塗膜としたとき十分な塗膜強度が得られないことがあ
り、重量平均分子量が100,000を越えると、十分
な解像性が得られないことがある。
【0020】上記方法で得られる共重合体(A)のガラ
ス転移温度(Tg)は、複数のガラス転移温度がある場
合は少なくとも1つのガラス転移温度が、100℃以
下、好ましくは20℃以上95℃以下、特に好ましくは
30℃以上90℃以下の範囲内である。ガラス転移温度
が100℃を越えると、本発明の感放射線性樹脂組成物
の硬化物の低温での耐クラック性が不十分となることが
あり、20℃未満では本発明の組成物の膜の硬さが不十
分となることがある。共重合体(A)は、前記(A1)
〜(A4)成分のモノマーを溶媒中にて、通常ラジカル
重合開始剤を用い、10〜100℃で重合して製造され
る。
【0021】共重合体(A)を製造するための重合溶媒
としては、例えばメタノール、エタノール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
エチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
などの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレン
グリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのア
ルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒド
ロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルアミルケ
トン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ
酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−
3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸
メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキ
シプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステ
ル類が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多
価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールの
アルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類
などが好ましい。
【0022】共重合体(A)を製造するための重合触媒
としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例え
ば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス−4−メトキシ−2−ジメチルバレロニ
トリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、
ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ
ピバレート、1,1’−ビス−(tert−ブチルペル
オキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸
化水素などを挙げることができる。過酸化物をラジカル
重合開始剤に使用する場合、還元剤を組み合わせてレド
ックス型の開始剤としてもよい。
【0023】(B)一般式(1)で示される化合物:本
発明で使用する(B)一般式(1)で示される化合物
(以下、「化合物(B)」または「(B)成分」ともい
う。)は、次式で示されるものである。 CH2=CR1COOCH2CH(OH)CH2−R3−CH2−CH(OH)CH 2 −OCOCR2=CH2 (1) (ここでR1、R2は、各々独立に水素原子又はメチル基
であり、R3は 化学式−Cn2nm− (nは2〜20,mは2〜10の整数から選ばれる)で
示される2価の有機基を表す。) R3は、例えば次が挙げられる。 −O(CH26−O− −OCH2CH(CH3)−O− −OCH2CH(OH)CH2−O− −O(CH(CH3)CH2−O)t− (tは2〜5
の整数から選ばれる) −O(CH2CH(CH3)−O)t− (tは2〜5
の整数から選ばれる) −O(CH2CH2O)u− (uは2〜10
の整数から選ばれる) 一般式(1)において、R1、R2は好ましくは水素原子
である。R3は現像性の点から、特に好ましくは −OCH2CH(OH)CH2−O− である。(B)成分の特に好ましい例は、グリセリンジ
グリシジルエーテルジアクリレートである。
【0024】一般式(1)で示される化合物((B)成
分)は、本発明の感放射線性樹脂組成物中、(A)成分
100重量部に対して7〜38重量部、好ましくは9〜
35重量部使用される。(B)成分が7重量部未満では
本発明の感放射線性樹脂組成物の光硬化物の低温での耐
クラック性が不十分となり、38重量部を越えると感放
射線性樹脂組成物の保存安定性が低下し、解像性を維持
することが困難になることがある。
【0025】(C)一分子中に(メタ)アクリロイルオ
キシ基を3〜6個有する化合物:本発明で使用する
(C)一分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜
6個有する化合物(以下、「(C)成分」ともいう。)
は、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2ー
ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。好ましくはトリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロール
プロパントリアクリレートである。
【0026】(C)成分は、市販されている化合物をそ
のまま用いることもできる。市販されている化合物の具
体例としては、アロニックスM−309、同M−31
0、同M−400、同M−7100、同M−8030、
同M−8060、同M−8100、同M−9050、
(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMP
TA、同DPCA−20、DPCA−30、同DPCA
−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)
製)、ビスコート#295、同300、同260、同3
60、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機
化学工業(株)製)、フォトマー4149(サンノプコ
(株)製)等をあげることができる。
【0027】これら(C)成分は、単独でまたは2種以
上を併用してもよく、アルカリ可溶性を有する共重合体
(A)100重量部に対して2〜25重量部、好ましく
は5〜25重量部、特に好ましくは5〜20重量部であ
る。2重量部未満であると、露光時の感度が低下しやす
く、25重量部を越えると共重合体(A)との相溶性が
悪くなり、保存安定性が低下したり、剥離液で剥離する
ことが困難になることがある。化合物(B)と(C)成
分の合計量は、共重合体(A)100重量部に対して1
5〜55重量部、好ましくは20〜50重量部である。
合計量が15重量部未満であると放射線硬化が不十分な
場合があり、55重量部を越えると膜の剥離が困難とな
ることがある。
【0028】(D)放射線重合開始剤:本発明で使用す
る(D)放射線重合開始剤(以下、「(D)成分」とも
いう。)は、放射線、即ち、紫外線、可視光線、遠紫外
線、X線、電子線等の照射によりラジカル等を生じて重
合を開始する化合物である。例えばベンジル、ジアセチ
ルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン
類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロイ
ンエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントン、チオキサントン4−スルホン酸、ベンゾフ
ェノン、4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N’−ジエチル
アミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2−
ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェ
ニル)−ブタン−1−オン、α,α−ジメトキシ−α−
アセトキシベンゾフェノン、1−[2−メチル−4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロ
パノン、アセトフェノン、p−メトキシアセトフェノ
ン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメ
トキシ−α−フェニルアセトフェノン、α,α−ジメト
キシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェ
ノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−
ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、
トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;
[1,2’−ビスイミダゾール]−3,3’,4,4’−テ
トラフェニル、[1,2’−ビスイミダゾール]−1,
2’−ジクロロフェニル−3,3’,4,4’−テトラフ
ェニルなどのビスイミダゾール類、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイドなどの過酸化物;2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどの
アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられ、また、
市販品としては、イルガキュア184、651、50
0、907、CGI369、CG24−61、ダロキュ
ア1116、1173(以上、チバスペシャルティケミ
カルズ(株)製)、ルシリンLR8728、ルシリンT
PO(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UC
B社製)などを挙げることができる。また、必要に応じ
てメルカプトベンゾチオアゾール、メルカプトベンゾオ
キサゾールのような水素供与性を有する化合物を上記放
射線重合開始剤と併用することもできる。
【0029】上述した種々の放射線重合開始剤の中で好
ましい化合物としては、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、1−[2−メチル−4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホ
リノフェニル)−ブタン−1−オン、α,α−メトキシ
−α−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン
類、フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニル
スルホン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、1,2’−ビスイミダゾール
類と4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンとメルカ
プトベンゾチアゾールとの併用、ルシリンTPO、イル
ガキュア651などを挙げることができる。これらの化
合物は単独でまたは2種以上組み合わせて使用すること
ができる。その使用量は、共重合体(A)100重量部
に対して10〜50重量部、好ましくは10〜40重量
部、特に好ましくは15〜35重量部である。この使用
量が10重量部未満であると、酸素による失活の影響
(感度の低下)を受けやすく、また50重量部を越える
と、相溶性が悪くなったり、保存安定性が低下する傾向
がある。また、これら放射線重合開始剤は放射線増感剤
と併用することも可能である。
【0030】その他の成分:本発明の組成物は、上述の
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分か
らなるが、必要に応じて、(E)重合抑制剤、(F)溶
剤、その他各種の添加剤などの成分を使用することがで
きる。 又、(B)成分、(C)成分以外の重合性化合
物を併用することができる。
【0031】(E)重合抑制剤:本発明の組成物には、
プレベーク時の熱かぶりによる現像性の低下を抑えるた
めに重合抑制剤(熱重合禁止剤)を添加することができ
る。重合抑制剤としては、ピロガロール、ベンゾキノ
ン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチル
カテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノ
ン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチ
ルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピル
エーテル、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス
(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエ
チリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,
4’−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェ
ノール、4,4’,4”−エチリデントリス(2−メチ
ルフェノール)、4,4’,4”−エチリデントリスフ
ェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどを
挙げることができる。
【0032】(F)溶剤:本発明では、上述の(A)成
分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び必要に応
じて添加される(E)成分その他の添加剤を均一に混合
する目的で、又、本発明の感放射線性樹脂組成物を塗布
するのに適当な粘度にするために、溶剤を添加すること
ができる。溶剤としては、共重合体(A)および各成分
を均一に溶解させることができ、また各成分と反応しな
いものが用いられる。このような溶剤としては、共重合
体(A)を製造する際に用いられる重合溶剤と同様の溶
剤を用いることができ、さらに、N−メチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルム
アニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテ
ル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カ
プリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジ
ルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ
酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソル
ブアセテートなどの高沸点溶媒を添加することもでき
る。
【0033】これらの溶剤の中で、溶解性、各成分との
反応性および塗膜形成の容易性から、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル
類;エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコール
のアルキルエーテルアセテート類;3−エトキシプロピ
オン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−
ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエス
テル類;ジアセトンアルコールなどのケトン類が好適で
ある。上記溶剤の使用量は、用途、塗布方法などに応じ
て適宜決めることができるが、通常、(A)成分100
重量部に対して10〜300重量部、好ましくは50〜
150重量部である。
【0034】本発明の感放射線性樹脂組成物には(B)
成分、(C)成分以外の、(B)成分、(C)成分と共
重合可能な重合性化合物を使用することができる。具体
的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ter
t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)
アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウン
デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、アミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)ア
クリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、tert−オクチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メ
タ)アクリレート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)ア
クリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、アク
リル酸アミド、メタクリル酸アミド、(メタ)アクリロ
ニトリル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0035】上記の重合性化合物は、本発明の感放射線
性樹脂組成物の硬化物の低温クラック耐性や機械的強度
の調整を目的として使用され、その使用量は(A)成分
100重量部に対して20重量部以下が好ましい。
【0036】本発明の感放射線性樹脂組成物には、塗布
性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面
活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、
例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケ
ミー社製)、メガファックF142D、同F172、同
F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業
(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170
C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリ
ーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−11
3、同S−131、同S−141、同S−145(以
上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、
同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、
東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名
で市販されているフッ素系界面活性剤、ラウリルジメチ
ルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロ
キシエチル、イミダゾリニウムベタイン、イミダゾリニ
ウムベタインなどの両性界面活性剤を使用することがで
きる。これらの界面活性剤の配合量は、共重合体(A)
100重量部に対して5重量部以下が好ましい。
【0037】本発明の感放射線性樹脂組成物には、基板
との接着性を向上させるために接着助剤を使用すること
もできる。接着助剤としては、官能性シランカップリン
グ剤が有効である。ここで、官能性シランカップリング
剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシア
ネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシラ
ンカップリング剤を意味し、具体例としてはトリメトキ
シシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランなどを挙げることができる。その
配合量は、共重合体(A)100重量部当たり20重量
部以下が好ましい。
【0038】また、本発明の感放射線性樹脂組成物に
は、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行なうた
めに、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、
n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸など
のモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、
p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3
−ロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒド
ロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモ
ノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキ
サントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカ
ルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク
酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水
トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイ
ミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二
無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無
水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット
酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレング
リコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無
水トリメリテートなどの酸無水物を添加することもでき
る。
【0039】さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物に
は必要に応じて充填材、着色剤、粘度調整剤などを添加
することもできる。充填材としては、シリカ、アルミ
ナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、
粉末ガラスなどを挙げることができる。着色剤として
は、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム
などの体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺
青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブ
ラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パ
ーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジ
ジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーンなどの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの
塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレ
ンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローな
どの酸性染料が挙げられる。また、粘度調整剤として
は、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末など
を挙げることができる。これら添加剤の配合量は、組成
物の本質的な特性を損なわない範囲であればよく、好ま
しくは、得られる組成物に対して50重量%以下であ
る。
【0040】感放射線性樹脂組成物の調製:本発明の感
放射線性樹脂組成物を調製するには、充填材および顔料
を添加しない場合には、前記(A)、(B)、(C)、
(D)の各成分と、必要に応じてその他の成分とを通常
の方法で混合、攪拌するだけでよく、充填材および顔料
を添加する場合にはディゾルバー、ホモジナイザー、3
本ロールミルなどの分散機を用いて、これらの成分を分
散、混合させればよい。また必要に応じて、さらにメッ
シュ、メンブレンフィルターなどを用いて各成分または
得られる組成物をろ過してもよい。なお、(A)成分の
共重合体は、通常、重合後の重合体溶液をそのまま感放
射線性樹脂組成物の調製に使用する。
【0041】<フォトリソグラフィ>次に、本発明のフォ
トリソグラフィについて説明する。 1.塗膜の形成方法:本発明においては、上述した感放
射線性樹脂組成物を溶液状にてシリコンウエーハ等から
なる所定の基板上に塗布し、加熱等により溶媒を除去す
ることによって所望の塗膜を形成することができる。基
板上への塗布方法は、スピンコート法、ロールコート
法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などが適用で
きる。塗膜の厚さは、目的に応じて決められるが、本発
明では、乾燥後の厚さが通常20〜100μm、好まし
くは30〜100μmとなるように塗布する。膜厚が2
0μm未満ではドライエッチングのマスク材として不十
分なことがある。なお、本発明組成物の塗膜の乾燥条件
は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さな
どによって異なるが、通常は60〜160℃、好ましく
は80〜150℃で、5〜20分間程度である。乾燥時
間が短かすぎると、現像時の密着状態が悪くなり、ま
た、長すぎると熱かぶりによる解像度の低下を招くこと
がある。本発明の感放射線性樹脂組成物は、ドライフィ
ルムとした後、基板に貼りつけて使用することもでき
る。ドライフィルムの膜厚は、通常20〜100μmで
あり、30〜100μmが好ましい。
【0042】2.放射線照射方法:得られた感放射線性
樹脂組成物塗膜に所定のパターンを有するフォトマスク
を介し、放射線を照射して、例えばスルーホールパター
ンや配線パターン以外の露光部を硬化させることができ
る。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、
X線、電子線などを意味し、光源として、低圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ア
ルゴンガスレーザーなどを用いることができる。好まし
くは波長300〜500nmの紫外線または可視光線を
用いる。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配
合量、塗膜の厚さなどによって異なるが、例えば高圧水
銀灯使用の場合、0.1〜1.5J/cm2である。
【0043】3.現像方法:放射線照射後の現像方法と
しては、アルカリ性水溶液を現像液として用いて、非露
光部を溶解、除去し、露光部のみを残存させ、所定パタ
ーンの硬化膜を得る。現像液としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチ
ルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−
nープロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノール
アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリ
ジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウ
ンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5
−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することがで
きる。また上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタ
ノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加
した水溶液を現像液として使用することもできる。現像
時間は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚
さなどによって異なるが、通常30〜360秒間であ
り、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パド
ル法、スプレー法、シャワー法などのいずれでもよい。
現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガン
などを用いて風乾させたり、ホットプレート、オーブン
など加熱下で乾燥させる。
【0044】4.後処理:本発明の組成物からなる感光
性塗膜は、前記の放射線照射のみでも、十分に硬化させ
ることができるが、用途に応じてさらに、追加の放射線
照射(以下、後露光という)や加熱によってさらに硬化
させることができる。後露光としては、前記放射線照射
方法と同様の方法で行なうことができ、放射線照射量は
特に限定されるものではないが、高圧水銀灯使用の場合
0.1〜2.0J/cm2が好ましい。また、加熱する
際の方法は、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置
を用いて、所定の温度、例えば60〜120℃で所定の
時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オー
ブン中では5〜60分間加熱処理をすればよい。この後
処理によって、さらに良好な特性を有する所定パターン
の硬化膜を得ることができる。
【0045】5.ドライエッチング処理:必要に応じ前
記の後処理を行った基板を、ウエーハテーブル上に装着
し、−20℃以下、好ましくは−30℃以下に冷却し
て、ドライエッチングを行う。基板はドライエッチング
により温度が上昇し、同時に感放射線性樹脂組成物硬化
物からなるマスクパターンの温度が上昇し、マスクパタ
ーンが変質してマスクの機能が低下することがある。こ
のため、本発明ではマスクの温度上昇を抑えるためにマ
スクの初期温度を低く設定するためウエーハテーブルを
冷却する。
【0046】感放射線性樹脂組成物硬化物からなる膜
は、低温にするとクラックを発生し易いが、本発明の感
放射線性樹脂組成物は、基板上に膜厚30μmに形成し
た後、紫外線を0.4J/cm2照射して硬化し、次い
で−20℃で5分維持した後に、倍率20倍の光学顕微
鏡で該硬化膜を観察して、膜面にクラックが認められな
いものであることが好ましい。−20℃で5分維持の条
件でクラックが生じると、パターン通りのエッチングが
行われないし、又はクラックが発生しない温度までしか
冷却しないで使用する必要があり、マスクパターンの温
度上昇を抑えることが困難となる。
【0047】6.剥離処理:エッチング処理した基板か
ら、本発明の感放射線性樹脂組成物の硬化膜を剥離する
には、50〜80℃にて攪拌中の剥離液に該基板を5〜
30分間浸漬すればよい。ここで使用される剥離液とし
ては、例えば、第4級アンモニウム塩の水溶液や第4級
アンモニウム塩とジメチルスルホキシドと水との混合溶
液を挙げることができる。
【0048】上述のごとく、本発明のフォトリソグラフ
ィは、(1)感放射線性樹脂組成物を基板上に20μm
以上、好ましくは30μm以上の厚さの膜に形成する工
程、(2)該膜にフォトマスクを介して放射線を照射し
て硬化し、次いで現像して所定のパターンを有する硬化
膜付き基板を得る工程、及び(3)前記硬化膜付き基板
を−20℃以下、好ましくは−30℃以下に冷却したウ
エーハテーブル上でドライエッチングする工程、以上の
3工程を含むことを特徴とするものである。さらに、前
記のフォトリソグラフィに用いる感放射線性樹脂組成物
は、本発明の感放射線性樹脂組成物が好適に使用され
る。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。また、
特にことわりの無い限り、部は重量部、%は重量%を示
す。 <特性の評価方法> (1)解像性と残膜率 シリコンウェーハ上にスピンナーを用いて、感放射線性
樹脂組成物を塗布した後、90℃で5分間ホットプレー
ト上でプレベークして、膜厚30μmの塗膜を形成す
る。次に、解像度測定用のパターンマスクを介して、超
高圧水銀灯(オスラム社製HBO−1000W/D)を用
いて0.4J/cm2の紫外線で露光する。これを、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド0.5%水溶液で
現像する。この後、流水洗浄し、スピン乾燥して試験体
であるパターン状硬化物を得る。これを走査型電子顕微
鏡で観察し、25μmの正方形パターン及び30μmの
正方形パターンが解像されているか否かを観察する。2
5μmの正方形パターンが解像されているときはアスペ
クト比1.2で解像されたのであり、30μmの正方形
パターンが解像されているときはアスペクト比1.0で
解像されたことになる。本発明では、膜厚30μmでア
スペクト比1以上で解像されるとき、解像性「○」、解
像されていない場合「×」で示す。残膜率とは、現像後
の膜厚を現像前(プレベーク後)の膜厚で除して、10
0を掛けた値である。残膜率は高い方が優れている。
【0050】(2)低温クラック耐性 前記解像性と残膜率の評価のために作成したものと同じ
パターン状硬化物の試験体を、予め−20℃に冷却した
アルミ板(厚さ1cm)上に5分間放置して冷却する。そ
の後、試験体の温度を室温まで戻してから倍率20倍の
光学顕微鏡で表面状態を観察する。このとき、試験体塗
膜にクラックが発生していないものを「○」、発生して
いるものを「×」とする。
【0051】(3)剥離性 前記解像性と残膜率の評価のために作成したものと同じ
パターン状硬化物の試験体を、50℃にて攪拌中の剥離
液(0.5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及
び1.5%の水を含むジメチルスルホキシド溶液)に、
5分間浸漬後取出し、水洗、乾燥してから、基板表面を
走査型電子顕微鏡で観察する。このとき、パターン状硬
化物の残さが認められない場合を「○」、残さが認めら
れる場合を「×」とする。
【0052】(4)重量平均分子量 テトラヒドロフランを溶媒に用い、38℃におけるゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い
てポリスチレン換算で求める。
【0053】(5)ガラス転移温度(Tg) 共重合体から乾燥フィルムを作成し、これを示差走査熱
量分析装置(DSC;デュポン社製)を用いてJIS
K7121に準じて測定する。
【0054】<共重合体(A)の合成> (1)合成例 ドライアイス/メタノール還流器のついたフラスコを窒
素置換した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイ
ソブチロニトリル3.0g、重合溶媒として3−エトキ
シプロピオン酸エチル(略号;EEP)150gを仕込
み、重合開始剤が完全に溶解するまで攪拌した。引き続
いて、メタクリル酸20.0g、n−ブチルアクリレー
ト20.0g、ジシクロペンタニルメタクリレート4
5.0g、メトキシジプロピレングリコールアクリレー
ト10.0g、及びイソプレン5.0gを仕込んだ後、
ゆるやかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を90℃
に上昇させ、この温度で4時間重合を行った。重合転化
率は99%以上であった。その後、多量のメタノール中
に滴下して反応生成物を凝固させた。その凝固物を水洗
後、凝固物と同重量のテトラヒドロフランに再溶解し、
多量のメタノールで再度凝固させた。この再溶解ー凝固
操作を3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時
間真空乾燥し、目的とする共重合体を得た。この共重
合体の重量平均分子量は11,000、ガラス転移温度
は89℃であった。
【0055】(2)合成例 重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)3.0gを用いた以外は、合成例
と同じ条件で共重合体の製造を行い、重合転化率99
%以上で共重合体を得た。この共重合体の重量平均分
子量は10,000、ガラス転移温度は89℃であっ
た。
【0056】(3)合成例 モノマーとして、メタクリル酸5.0g、n−ブチルア
クリレート60.0g、及びp−イソプロペニルフェノ
ール35.0gを用い、溶媒としてプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート(略号;PGMEA)
を用い、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で7
時間重合を行いた以外は、合成例と同じ条件で共重合
体の製造を行い、重合転化率90%以上で共重合体を得
た。この共重合体の重量平均分子量は8,000、ガラ
ス転移温度は79℃であった。
【0057】(4)合成例 (比較例用の共重合体) モノマーとして、メタクリル酸20.0g、ジシクロペ
ンタニルメタクリレート45.0g、スチレン15.0
g、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルオキシメタクリ
レート15.0g、及びイソプレン5.0gを用い、溶
液の温度を90℃に上昇させ、この温度で4時間重合を
行いた以外は、合成例と同じ条件で共重合体の製造を
行い、重合転化率99%以上で共重合体を得た。この
共重合体の重量平均分子量は13,000、ガラス転移
温度は119℃であった。
【0058】実施例1 共重合体(A)成分として前記共重合体100部を、
溶剤3−エトキシプロピオン酸エチル(略号;EEP)
100部に溶解し、さらに放射線重合開始剤2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド(BASF社製、ルシリンTPO)22部およびイルガ
キュア651(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
12部、(B)成分としてグリセリンジグリシジルエー
テルジアクリレート20部、(C)成分としてエチレン
オキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト(サンノプコ(株)製 フォトマー4149)20部、界面
活性剤としてBM−1000(BM ケミー社製)0.3
部及び(E)成分重合抑制剤として1,1,3−トリス
(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−
フェニルプロパン1部を加え、これらが完全に溶解する
まで攪拌し、感放射線性樹脂組成物を製造した。この感
放射線性樹脂組成物の残膜率、解像性、低温クラック耐
性及び剥離性の評価試験を前記の方法で行い、残膜率9
6%、解像性「○」、低温クラック耐性「○」、剥離性
「○」の結果を得た。
【0059】上記方法により作製したパターン状硬化物
のついたシリコン表面を、フッ素系ガス(CF4、C2
6、及びSF6の混合ガス)をエッチングガスとして使用
し、エッチングガス流量50sccm、圧力100mT
orr、高周波電力300W、エッチング初期温度−2
0℃の条件でドライエッチングし、選択比3〜3.5
で、100μmのホールを形成した。
【0060】実施例2〜14 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の
各成分を表1に示したとおり使用した以外は、実施例1
と同様にして感放射線性樹脂組成物を製造した。実施例
2、3は、(B)成分の量を変えた他は、実施例1と同
じものである。実施例4、5は、(C)成分の量を変え
た他は、実施例1と同じものである。実施例6は、
(D)成分の種類と量を変えた他は、実施例1と同じも
のである。実施例7、8、9は、(F)成分の種類を変
えた他は、実施例1と同じものである。実施例10は、
(C)成分の種類を変えた他は、実施例1と同じもので
ある。実施例11は、(B)成分の種類を変えた他は、
実施例1と同じものである。
【0061】実施例12は、(A)成分の種類を共重合
体に変えた他は、実施例1と同じものである。実施例
13は、(A)成分の種類を共重合体に変え、更に
(E)成分の量を変えた他は、実施例1と同じものであ
る。実施例14は、(B)成分、(C)成分の量を変
え、更に(D)成分の種類と量を変えた他は、実施例1
3と同じものである。以上の実施例の残膜率、解像性、
低温クラック耐性及び剥離性の評価試験を前記の方法で
行った結果、全て良好な結果を得た。表1に実施例1〜
14の感放射線性樹脂組成物の組成と評価結果を示し
た。
【0062】
【表1】
【0063】表1の略号の説明 B成分 GDG−A;グリセリンジグリシジルエーテルジアクリ
レート DDG−A;ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルジアクリレート C成分 EO−TMPTA;エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリアクリレート(サンノプコ(株)製、
フォトマー4149) PETA ;ペンタエリスリトールトリアクリレート
【0064】D成分 246TM; 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキサイド(BASF社製、ルシリンTP
O) 222PA; 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、イル
ガキュア651) 44NN ;4,4’−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノン E成分 TR ; 1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−3−フェニルプロパン
【0065】F成分 EEP ;3−エトキシプロピオン酸エチル MMP ;3−メトキプロピオン酸メチル PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート EL ; 乳酸エチル その他の成分 界面活性剤;(BMケミー社製 BM−1000)
【0066】比較例1 比較例1は、共重合体の代りにガラス転移温度が本発
明の共重合体Aの条件をはずれたものを用いた以外は実
施例1と同じものであるが、低温クラック耐性が劣るも
のであった。
【0067】比較例2 (B)成分が本発明の範囲外であること以外は、実施例
1と同じものである。解像性と低温クラック耐性が不可
であった。 比較例3 (B)成分が本発明の範囲外であること以外は、実施例
1と同じものである。剥離性が不可であった。
【0068】比較例4 (D)成分が本発明の範囲外であること以外は、実施例
1と同じものである。残膜率が79%と低かった外、解
像性が不可であった。 比較例5 (D)成分が本発明の範囲外であること以外は、実施例
1と同じものである。解像性と剥離性が不可であった。 比較例6 (C)成分が本発明の範囲外の例であるが、剥離性が不
可であった。表1に、比較例1〜6の実験条件と評価結
果を示した。
【0069】表1によれば、本発明の感光性樹脂組成物
の実施例1〜14は、膜厚30μmで、高残膜率かつ良
好な解像性を示し、しかも得られたパターン状硬化物は
−20℃の低温にしてもクラックが発生せず、剥離性も
良好であることが判る。又、本発明の感放射線性樹脂組
成物の条件外である比較例1〜6は、評価項目の1つ以
上において劣るものであった。
【0070】
【発明の効果】本発明の感放射線性樹脂組成物は、アル
カリ現像液に対する現像性が良好であり、20μm以上
の厚膜で十分な解像性を有し、マスクパターンの剥離性
も優れている。特に、この組成物からなる膜を放射線照
射により硬化してなるマスクパターンは、−20℃以下
でもクラックを生じないため、−20℃以下の低温でド
ライエッチングを開始できるので、ドライエッチングに
際しての温度上昇を抑えられ、高い選択比で、より深い
エッチングが可能である。このためシリコンウエーハ等
の基板に深さ100μmのホールを穿つことが可能であ
り、微細加工を必要とする回路基板の製造のみならず、
近年必要性が増しているLSI基版の多層化に役立つも
のである。又、本発明のフォトリソグラフィは、マスク
パターンを有するウエーハ基板のドライエッチングを−
20℃以下から開始することを特徴とするものであり、
これによりドライエッチング時のマスクパターンやウエ
ーハ基板の上昇温度を低く抑えることが可能になり、感
放射線性樹脂組成物の利用範囲を広げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/302 H (72)発明者 五十嵐 勝利 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA03 AA09 AA13 AA16 AB15 AB16 AC01 AD01 BC13 BC43 BC65 BC82 BC83 BC86 BJ00 CA00 CB14 CB41 CB43 CB45 CB60 CC03 CC20 FA41 2H096 AA26 BA05 EA02 GA08 HA23 5F004 DA01 DA02 DA18 DB01 DB23 EA30 5F056 DA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ガラス転移温度(Tg)の少なく
    とも一つが100℃以下であるアルカリ可溶性共重合体
    100重量部に対して、(B)一般式(1)で示される
    化合物7〜38重量部 CH2=CR1COOCH2CH(OH)CH2−R3−CH2−CH(OH)CH2 −OCOCR2=CH2 (1) (ここでR1、R2は、各々独立に水素原子又はメチル基
    であり、R3は 化学式−Cn2nm− (nは2〜2
    0,mは2〜10の整数から選ばれる)で示される2価
    の有機基を表す。) (C)一分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3〜
    6個有する化合物2〜25重量部(但し、(B)+
    (C)=15〜55重量部)、及び(D)放射線重合開
    始剤10〜50重量部、を含有することを特徴とする感
    放射線性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される化合物におい
    て、R1及びR2が水素原子であり、R3が化学式(2)
    で示されるものである請求項1に記載の感放射線性樹脂
    組成物。 −O−CH2−CH(OH)−CH2−O− (2)
  3. 【請求項3】 (C)一分子中に(メタ)アクリロイル
    オキシ基を3〜6個有する化合物が、エチレンオキサイ
    ド変性トリメチロールプロパントリアクリレートである
    請求項1又は2記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)アルカリ可溶性共重合体が、(A
    1)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物から
    なる構成成分が3〜30重量%、(A2)炭素数3以上
    のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テルからなる構成成分が10〜70重量%、(A3)脂
    環族基を有する(メタ)アクリレート及びイソプロペニル
    フェノールから選ばれる1種以上のモノマーからなる構
    成成分が15〜55重量%並びに(A4)その他のモノ
    マーからなる構成成分が0〜20重量%からなるもので
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    感放射線性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 更に(E)重合抑制剤及び(F)溶剤を
    含有する請求項1〜4のいずれかに記載の感放射線性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 アルカリ可溶性共重合体を含有する感放
    射線性樹脂組成物であって、これを基板上に膜厚30μ
    mに形成した後、紫外線を0.4J/cm2照射して硬化
    させ、次いで−20℃に5分間冷却してから倍率20倍
    の光学顕微鏡で該硬化膜を観察して、膜面にクラックが
    認められないものであることを特徴とする感放射線性樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 アルカリ可溶性共重合体を含有する感放
    射線性樹脂組成物が請求項1記載の感放射線性樹脂組成
    物であることを特徴とする請求項6記載の感放射線性樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 アルカリ可溶性共重合体を含有する感放
    射線性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィにおい
    て、(1)感放射線性樹脂組成物を基板上に20μm以
    上の厚さの膜に形成する工程、(2)該膜にフォトマス
    クを介して放射線を照射して硬化し、次いで現像して所
    定のパターンを有する硬化膜付き基板を得る工程、及び
    (3)前記硬化膜付き基板を−20℃以下に冷却したウ
    エーハテーブル上でドライエッチングする工程、以上の
    3工程を含むことを特徴とするフォトリソグラフィ。
  9. 【請求項9】 アルカリ可溶性共重合体を含有する感放
    射線性樹脂組成物が請求項1記載の感放射線性樹脂組成
    物であることを特徴とする請求項8記載フォトリソグラ
    フィ。
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