JP4774430B2 - 電気自動車及び蓄電装置の制御方法 - Google Patents
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Description
前記放電手段は、例えば、放電抵抗器、補機、低電圧バッテリ、水素タンクの流量制御弁、エアコンプレッサ及び燃料電池の冷却ポンプの少なくとも1つを含むことができる。
以下、この発明の一実施形態に係る電気自動車について図面を参照して説明する。
(1)全体構成
図1は、この発明の電気自動車10の回路図である。電気自動車10は、電力システム12と、モータユニット20とを有する。電力システム12は、FCユニット40と、バッテリユニット60と、統合制御部100{以下「統合ECU100」(ECU:Electric Control Unit)}とを有する。
モータユニット20は、モータ22に加え、パワー・ドライブ・ユニット24(以下「PDU24」と称する。)と、減速機26と、シャフト28と、車輪30と、モータ制御部32(以下「モータECU32」と称する。)とを備える。
FCユニット40は、FC42に加え、水素タンク44と、エアコンプレッサ46と、FC制御部48(以下「FC ECU48」と称する。)と、逆流防止用ダイオード50と、電圧センサ52と、電流センサ54とを有する。
バッテリユニット60は、バッテリ62に加え、バッテリ制御部64(以下「バッテリECU64」と称する。)と、電圧センサ66と、コンタクタ68a、68bと、DC/DCコンバータ70と、コンバータ制御部72(以下「コンバータECU72」と称する。)と、平滑コンデンサ74、76と、電圧センサ78、80と、電流センサ82、84と、ダウンバータ86と、補機88と、低電圧バッテリ90と、低電圧バッテリ制御部92(以下「低電圧バッテリECU92」と称する。)と、コンタクタ94と、放電抵抗器96と、コンタクタ98とを有する。
統合ECU100は、モータ22の要求電力(モータ要求電力Pmr_req)[W]やFCユニット40(エアコンプレッサ46等)の要求電力、補機88の要求電力等に基づいて、モータECU32、FC ECU48、バッテリECU64、コンバータECU72及び低電圧バッテリECU92を制御する。
車両状態を検出する各種スイッチ及び各種センサとしては、上述した電圧センサ52、66、78、80、電流センサ54、82、84の他、通信線102に接続されるイグニッションスイッチ110(以下「IGSW110」と称する。)、アクセルセンサ112、ブレーキセンサ114、車速センサ116及び外気温センサ118等がある。外気温センサ118は、電気自動車10の外気温Tex[℃]を検出する。
図2には、バッテリ62の残容量SOCを制御するフローチャートが示されている。残容量SOCの制御は、バッテリECU64、コンバータECU72、低電圧バッテリECU92及び統合ECU100が協調して行う。ステップS1において、統合ECU100は、IGSW110がオンにされたかどうかを判定する。IGSW110がオフの場合(S1:No)、ステップS1を繰り返す。IGSW110がオンの場合(S1:Yes)、ステップS2において、電気自動車10の運転時における制御である運転時制御が実行される。
以上のように、本実施形態では、IGSW110がオフにされ、電気自動車10の運転が停止されたとき、バッテリ62の残容量SOCは、電気自動車10の次回の起動を確保するための起動確保下限閾値TH_SOC3以上に設定されるため、電気自動車10の次回の起動を確実に行うことができる。また、IGSW110がオフにされたとき、バッテリ62の残容量SOCは、連続的にその残容量SOCが維持されてもバッテリ62の劣化を抑制することが可能な第1上限閾値TH_SOC1(連続的劣化抑制上限閾値)以下に設定されるため、電気自動車10の運転停止時におけるバッテリ62の劣化を抑制することができる。さらに、電気自動車10の運転停止後にバッテリ62の残容量SOCが第1上限閾値TH_SOC1になるまで放電するため、電気自動車10の運転中は、運転停止時とは別の方法でバッテリ62の残容量SOCを制御可能となり、バッテリ62の残容量SOCの制御をより好適に行うことができる。その結果、電気自動車10の運転時には、バッテリ62の残容量SOCに運転停止時とは異なる制限を加えることで、より良好な運転性能を発揮することも可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、FC42とバッテリ62を備える電力システム12を電気自動車10に搭載したが、これに限られず、別の対象に搭載してもよい。例えば、電力システム12を船舶や航空機等の移動体に用いることもできる。或いは、電力システム12を家庭用電力システムとして用いてもよい。この場合、風力発電システム、太陽発電システム等、一時的に電力を発生させる発電機と組み合わせることが好ましい。また、上記実施形態では、電力システム12の負荷として走行用のモータ22を挙げたが、電力システム12の用途に応じて別の負荷とすることもできる。
上記実施形態では、バッテリ62と並列にモータ22(負荷)に接続される発電装置として、FC42を用いたが、エンジンとオルタネータを組み合わせた発電装置等、他の発電装置を用いることもできる。
上記実施形態では、主としてバッテリECU64により、バッテリ62の残容量SOCを制御したが、これに限られず、例えば、主として統合ECU100により制御することもできる。
上記実施形態では、残容量SOC[%]に基づく制御を行ったが、バッテリ電圧Vbatに基づく制御を行うこともできる。すなわち、残容量SOCとバッテリ電圧Vbatとは一対一に対応するため、上述の制御における残容量SOCをバッテリ電圧Vbatに置き換えて行うことも可能である。この場合、各閾値(第1上限閾値TH_SOC、第2上限閾値TH_SOC2及び起動確保下限閾値TH_SOC3)は、バッテリ電圧Vbatに対応する値に変更される。
上記実施形態では、IGSW110がオンのときとオフのときの2通りの場合を説明したが、一般的な車両では、キーをキーシリンダから抜き取り、制御系を停止した状態(制御系停止状態)、及びキーをキーシリンダに挿してスタート位置に回すことで、前記制御系が全体的に動作可能な状態(全体的動作可能状態)に加え、キーを「アクセサリ(ACC)」位置に回すことで、エンジン又はモータの動作は停止するがオーディオ機器等のアクセサリは動作可能な状態(部分的動作可能状態)をIGSW110により切り替えることができるものがある。上記実施形態は、このような車両にも適用することができる。この場合、部分的動作可能状態において、バッテリ62の充電を許可するか禁止するかは適宜選択可能である。
上記実施形態では、バッテリ62を放電させるための手段として、補機88、低電圧バッテリ90及び放電抵抗器96を設けたが、その他の放電手段があれば、これらはなくてもよい。その他の放電手段としては、例えば、FCユニット40の水素タンク44の流量制御弁(図示せず)、エアコンプレッサ46、FC42の冷却ポンプ(図示せず)を挙げることができる。
上記実施形態では、電気自動車10の運転時において、バッテリ62の残容量SOCの最頻値SOCmodeが、第1上限閾値TH_SOC1以下のとき(図3のS18:Yes)、第1放電処理を行わず、最頻値SOCmodeが、第1上限閾値TH_SOC1を超えるとき(S18:No)、第1放電処理を行った(S19)。換言すると、運転時の最頻値SOCmodeの目標値として、第1上限閾値TH_SOC1を用いたが、起動確保下限閾値TH_SOC3以上、第1上限閾値TH_SOC1以下であれば、当該目標値は、これに限られず、電力システム12の仕様に応じて適宜変更可能である。
上記実施形態では、外気温センサ118が検出した外気温Texを用いて、第1上限閾値TH_SOC1(停止時充電上限閾値)、第2上限閾値TH_SOC2(運転時充電上限閾値)及び軌道確保下限閾値TH_SOC3を設定したが、これに限られない。例えば、バッテリ温度Tbatに基づき、第1上限閾値TH_SOC1、第2上限閾値TH_SOC2及び起動確保下限閾値TH_SOC3を設定することもできる。或いは、第1上限閾値TH_SOC1、第2上限閾値TH_SOC2及び起動確保下限閾値TH_SOC3を固定値として設定することもできる。
上記実施形態では、図5のような方法で停止時制御を行ったが、これに限られない。例えば、図6に示す方法で停止時制御を行うこともできる。
22…モータ(負荷) 42…燃料電池(発電装置)
62…バッテリ(蓄電装置)
64…バッテリECU(検出部、制御部)
66…電圧センサ(検出部) 68a、68b…コンタクタ
70…DC/DCコンバータ 74、76…平滑コンデンサ
86…ダウンバータ 88…補機
90…低電圧バッテリ 118…外気温センサ
Preg…モータ回生電力 SOC…残容量
SOCmode…残容量の最頻値 Tbat…バッテリ温度
Tex…外気温
TH_SOC1…第1上限閾値(停止時充電上限閾値、連続的劣化抑制上限閾値、運転時充電目標値)
TH_SOC2…第2上限閾値(運転時充電上限閾値)
TH_SOC3…下限閾値 Vbat…バッテリ電圧
V1…1次電圧
Claims (10)
- 駆動モータと、
前記駆動モータに電力を供給する発電装置と、
前記駆動モータに対して前記発電装置と並列に接続され、前記発電装置の発電電力を蓄電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置の残容量又は電圧を検出する検出部と、
前記蓄電装置の残容量又は電圧を制御する制御部と
を備える電気自動車であって、
前記制御部は、前記電気自動車の運転が停止されたとき、前記蓄電装置の残容量又は電圧が停止時充電上限閾値になるまで前記蓄電装置を放電手段により放電させ、
前記停止時充電上限閾値は、前記電気自動車の次回の起動を確保するための起動確保下限閾値以上、且つ連続的にその残容量又は電圧が維持されても前記蓄電装置の劣化を抑制することが可能な連続的劣化抑制上限閾値以下に設定され、
前記電気自動車は、さらに、前記電気自動車の外気温を検出する外気温センサを備え、
前記制御部は、前記外気温が低いほど前記停止時充電上限閾値を高く設定する
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1記載の電気自動車において、
前記放電手段は、放電抵抗器、補機、低電圧バッテリ、水素タンクの流量制御弁、エアコンプレッサ及び燃料電池の冷却ポンプの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1又は2記載の電気自動車において、
前記電気自動車は、補機及び低電圧バッテリの少なくとも一方を備え、
前記制御部は、
前記起動確保下限閾値以上、且つ前記停止時充電上限閾値以下である運転時充電目標値を設定し、
前記電気自動車の運転時において、所定走行期間又は所定走行距離の前記蓄電装置の残容量若しくは電圧の平均値、中央値、ピーク値若しくは最頻値が、前記運転時充電目標値を上回るとき、前記蓄電装置から前記駆動モータ、前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一つへの電力供給を許可し、
前記平均値、前記中央値、前記ピーク値又は前記最頻値が、前記運転時充電目標値を下回るとき、前記蓄電装置から前記駆動モータ、前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一つへの電力供給を制限する
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1又は2記載の電気自動車において、
前記電気自動車は、補機及び低電圧バッテリの少なくとも一方を備え、
前記制御部は、
前記起動確保下限閾値以上、且つ前記停止時充電上限閾値以下である運転時充電目標値を設定し、
前記電気自動車の運転時において、前記蓄電装置の残容量又は電圧の現在値が、前記運転時充電目標値を上回るとき、前記蓄電装置から前記駆動モータ、前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一つへの電力供給を許可し、
前記現在値が、前記運転時充電目標値を下回るとき、前記蓄電装置から前記駆動モータ、前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一つへの電力供給を制限する
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気自動車において、
前記蓄電装置は、前記駆動モータの回生電力を蓄電可能であり、
前記制御部は、前記電気自動車の運転時において、前記停止時充電上限閾値よりも大きく、且つ一時的であれば前記蓄電装置の劣化が生じない又は劣化が軽微である一時的劣化抑制上限閾値以下に設定される運転時充電上限閾値まで前記蓄電装置の充電を許可する
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1又は請求項1若しくは請求項2に従属する請求項5記載の電気自動車において、
前記電気自動車は、補機及び低電圧バッテリの少なくとも一方を備え、
前記制御部は、前記電気自動車の運転が停止されたとき、前記蓄電装置から前記放電手段としての前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一方に電力供給することにより、前記蓄電装置の残容量又は電圧が前記停止時充電上限閾値になるまで前記蓄電装置を放電させる
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気自動車において、
前記電気自動車は、さらに、
前記蓄電装置及び前記発電装置と、前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一方との間に配置されたダウンバータと、
前記蓄電装置と、前記発電装置及び前記ダウンバータとの間に配置されたコンタクタと
を備え、
前記制御部は、
前記蓄電装置の残容量又は電圧が、前記停止時充電上限閾値を上回っているとき、前記ダウンバータにより前記蓄電装置の出力電圧を降圧させて前記補機又は前記低電圧バッテリに印加させ、
前記蓄電装置の残容量又は電圧が、前記停止時充電上限閾値を下回ったとき、前記ダウンバータの降圧動作を停止して前記補機及び前記バッテリの少なくとも一方への電圧印加を停止させ、その後、前記コンタクタを開く
ことを特徴とする電気自動車。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気自動車において、
前記電気自動車は、さらに、
前記蓄電装置及び前記発電装置と、前記補機及び低電圧バッテリの少なくとも一方との間に配置されたダウンバータと、
前記蓄電装置と、前記発電装置及び前記ダウンバータとの間に配置されたコンタクタと、
前記ダウンバータ及び前記コンタクタと、前記発電装置との間に配置されたDC/DCコンバータと、
前記ダウンバータ及び前記コンタクタと、前記DC/DCコンバータとの間に配置された平滑コンデンサと
を備え、
前記制御部は、
前記DC/DCコンバータの1次側の電圧が前記停止時充電上限閾値を上回っているとき、前記ダウンバータにより前記蓄電装置の出力電圧を降圧させて前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一方に印加させ、
前記DC/DCコンバータの1次側の電圧が前記停止時充電上限閾値を下回ったとき、前記コンタクタを開き、その後、前記平滑コンデンサに蓄えられている電力を前記ダウンバータを介して前記補機及び前記低電圧バッテリの少なくとも一方に供給し、その後、前記ダウンバータを停止する
ことを特徴とする電気自動車。 - 駆動モータに電力を供給する発電装置と、前記駆動モータに対して前記発電装置と並列に接続され、前記発電装置の発電電力を蓄電可能な蓄電装置と、前記蓄電装置の残容量又は電圧を検出する検出部と、前記蓄電装置の残容量又は電圧を制御する制御部とを備える電気自動車における蓄電装置の制御方法であって、
前記駆動モータの動作が停止されたとき、前記制御部により、前記蓄電装置の残容量又は電圧が停止時充電上限閾値になるまで前記蓄電装置を放電手段により放電させ、
前記停止時充電上限閾値は、前記駆動モータの次回の起動を確保するための起動確保下限閾値以上、且つ連続的にその残容量又は電圧が維持されても前記蓄電装置の劣化を抑制することが可能な連続的劣化抑制上限閾値以下に設定され、
外気温センサにより、前記電気自動車の外気温を検出し、
前記制御部により、前記外気温が低いほど前記停止時充電上限閾値を高く設定する
ことを特徴とする蓄電装置の制御方法。 - 請求項9記載の蓄電装置の制御方法において、
前記制御部により、前記起動確保下限閾値以上、且つ前記停止時充電上限閾値以下である運転時充電目標値を設定し、
前記駆動モータの動作時において、前記制御部により、所定期間の前記蓄電装置の残容量又は電圧の平均値、中央値、ピーク値又は最頻値が、前記運転時充電目標値を上回るとき、前記制御部により、前記蓄電装置から前記駆動モータ及び前記電気自動車の補機の少なくとも一方への電力供給を許可し、
前記平均値、前記中央値、前記ピーク値又は前記最頻値が、前記運転時充電目標値を下回るとき、前記制御部により、前記蓄電装置から前記駆動モータ及び前記電気自動車の補機の少なくとも一方への電力供給を制限する
ことを特徴とする蓄電装置の制御方法。
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