JP4772938B2 - ロータリーダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、蓋や扉等の開閉体が開閉する際の回転動作を遅動させるために用いられるロータリーダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロータリーダンパとしては、シリコンオイル等の粘性液体を利用したものが知られている。この粘性液体を利用したロータリーダンパは、一般に、本体ケースの軸心に沿って配設される回転軸と、該回転軸と本体ケースとの間に形成される空間を仕切るように設けられる隔壁部と、該隔壁部により仕切られた粘性液体が充填される液体室内で、前記回転軸の回転に伴って回転し得るように設けられるベーン部材とを有して構成されている。そして、制御対象物である開閉体の軸部等に連結された回転軸が該開閉体の回転動作に連動して回転するのに伴って、液体室内で回転するベーン部材によって押圧される粘性液体が、液体室内にベーン部材が配設されることによって形成された第1及び第2の室間を移動する際に生ずる抵抗により所定の制動力を発揮して、開閉体の回転動作を遅動させることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のロータリーダンパでは、本体ケース内に配設される回転軸を回転可能に支持する軸受部と、回転軸と本体ケースとの間に形成される空間を仕切るように設けられる隔壁部が、それぞれ別部材から構成されているので、回転軸が挿通される軸受部の軸受孔の軸心と、回転軸の外周面に摺接するように形成される隔壁部の軸心とを、同軸上に配することは極めて困難であり、ある程度のガタが生じるように形成している。このため、本体ケースの軸心に沿って回転軸を配設した場合に、該回転軸の外周面と隔壁部の内面との間、ベーン部材の端面と軸受部の端面との間に隙間が生じ易く、粘性液体として、低粘度のものを用いた場合には、かかる隙間から漏れ出てしまうため、大きな制動力を発揮させることが困難であった。一方、高粘度の粘性液体を用いた場合には、かかる隙間から僅かに漏れ出るものの、大きな制動力を発揮させることは可能である。しかし、高粘度のものは、第1及び第2の室間を移動する際の流動性が劣るため、回転軸の回転に伴ってベーン部材が回転しても、それに対する応答性が悪く、また、液体室内への充填作業に手間と時間がかかるなどの不都合がある。また、発揮する制動力が大きくなるに従って内圧も大きくなるが、従来の軸受部では内圧に対する強度不足のため、大きな内圧を発生させることができなかった。
【0004】
一方、従来、回転軸が一方向に回転した場合にのみ制動力を発揮する一方向性のロータリーダンパでは、回転軸と共に回転し粘性液体を押圧するベーン部材に、粘性液体の流動を制御する弁が設けられている。しかしながら、小型で、しかも大きな制動力を発揮させるには、回転軸の軸部を太くする必要があり、相対的にベーン部材の厚みが薄くなるため、ロータリーダンパが小型化するほど、弁の形成が困難であった。このため、弁を形成するために、ベーン部材にある程度の厚みを持たせる必要があるので、大きな制動力を発揮するロータリーダンパの小型化が困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、回転軸と隔壁部との間に生じる隙間を極めて小さくすること、及び軸受部の内圧に対する強度を高めて大きな内圧を発生させることが可能で、低粘度の粘性液体を用いた場合でも大きな制動力を発揮することができるロータリーダンパを提供することを課題とする。また、本発明は、大きな制動力を発揮する一方向性のロータリーダンパにおいて、ベーン部材の厚みを薄くすることができ、それにより、小型化を図ることが可能なロータリーダンパを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のロータリーダンパは、本体ケース、回転軸、軸受部材、隔壁部及びベーン部材を有するロータリーダンパであって、前記回転軸は、前記本体ケースの軸心に沿って設けられ、前記軸受部材は、前記本体ケースとは別個に形成された後、前記本体ケース内に設けられ、前記ベーン部材は、前記本体ケースと前記回転軸との間に形成される空間を軸心方向に沿って仕切るように設けられる前記隔壁部によって仕切られた液体が充填される液体室内で、前記回転軸の回転に伴って回転し得るように設けられており、前記軸受部材が、前記本体ケースの各端部付近において前記回転軸を回転可能に支持する軸受部と、該各軸受部の間に設けられる前記隔壁部とを有して構成される1つの部材であることを特徴とする。
請求項2に記載のロータリーダンパは、請求項1記載のロータリーダンパであって、前記一体的に形成された各軸受部の軸心と、隔壁部の軸心とが同軸上であることを特徴とする。
請求項3に記載のロータリーダンパは、請求項1又は2記載のロータリーダンパであって、前記回転軸は、中空部を有すると共に、該中空部の周壁を厚み方向に貫通し、前記液体室内に前記ベーン部材が配設されることにより形成された第1及び第2の室間を移動する液体が流通可能な還流孔を有し、さらに、該中空部内に、該回転軸が制動力発揮方向に回転した場合には、該還流孔を通過して前記第1の室から第2の室へと移動する液体の流れを遮断する弁機構を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載のロータリーダンパは、請求項3記載のロータリーダンパであって、前記回転軸の中空部の周壁に、該周壁を厚み方向に貫通するオリフィスが形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載のロータリーダンパは、請求項4記載のロータリーダンパであって、前記弁機構は、厚み方向に貫通する孔部と、外周面における該孔部と連通する位置に、幅と深さのいずれか少なくとも一方が円周方向に沿って異なる形状に形成された溝部とからなる流量調整部を周壁に有すると共に、前記回転軸の中空部内に、軸心を中心として回転可能に、かつ任意の回転位置で該流量調整部と前記オリフィスとが連通するように嵌挿されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図において、符号1は本発明の一の実施の形態に係るロータリーダンパであり、2は本体ケース、3は回転軸、4はベーン部材、5は後述するように隔壁部として機能する部位を備えた軸受部材、6は弁機構である。
【0008】
本体ケース2は、両側の端部21,22が開口形成された略円筒形に形成され、その内部には、各端部21,22を閉塞するように、軸受部材5が設けられている。
【0009】
軸受部材5は、図6に示したように、軸心方向の長さが本体ケース2の軸心方向の長さとほぼ同じであると共に、本体ケース2の内径とほぼ同じ外径を有し、かつ後述する回転軸3の外径とほぼ同じ内径を有する略円筒形に形成された後、その軸心方向中央部分が略コ字状に切り欠かれて形成されており、両側にそれぞれ軸心方向に所定の厚みを有する部位51,52が、本体ケース2の各端部21,22を閉塞するように本体ケース2内に配置された後、取付ネジ9によって該本体ケース2に取り付けられ固定されている(図1参照)。
【0010】
そして、上記のように形成された軸受部材5の軸心方向に貫通する孔部54に後述する回転軸3が挿通されることにより、該回転軸3が本体ケース2の軸心に沿って配設されると共に、軸受部材5の両側にそれぞれ軸心方向に所定の厚みを有する部位51,52が、該回転軸3を回転可能に支持する軸受部として機能するようになっている。
【0011】
また、この各軸受部51,52間に位置する、軸受部材5の中途部53は、軸受部材5が上記のように本体ケース2内に配設されることにより、その外面が本体ケース2の内周面に密着し、その内面が後述する回転軸3の外周面に摺接するように配置される(図3〜図5参照)。これにより、かかる中途部53は、後述する回転軸3と本体ケース2との間に形成される空間を軸心方向に沿って仕切る隔壁部として機能するようになっている。
【0012】
このように本実施の形態に係るロータリーダンパ1では、各軸受部51,52と中途部(隔壁部)53が、一体的に形成され、また、後述する回転軸3の外周面に、それぞれ摺接する各軸受部51,52の軸受孔と隔壁部53の内面は、もともと、軸受部材5を軸心方向に貫通し、かつ回転軸3に対してほとんど遊びなく形成することが容易な一の孔部54から成り、各軸受部51,52の軸心と隔壁部53の軸心とが同軸上であるため、本体ケース2の軸心に沿って回転軸3を配設した場合に、該回転軸3の外周面と隔壁部53の内面との間に生ずる隙間を極めて小さくすることができる。また、これにより、後述する回転軸3は、その軸心を、各軸受部51,52及び隔壁部53の軸心とほぼ一致させて配設されることから、各軸受部51,52の内側面51a,52aと後述するベーン部材4の各端面4a,4bとの間に生ずる隙間も極めて小さくすることができる(図1参照)。また、各軸受部51,52と中途部(隔壁部)53が一体的に形成されることにより、各軸受部51,52の内圧に対する強度を高めることができ、その結果、大きな内圧を発生させることが可能になる。
【0013】
なお、本体ケース2内において、後述する回転軸3と本体ケース2との間に形成され、軸受部材5を構成する隔壁部53により仕切られた空間が液体室7であり、この液体室7内には、シリコンオイル等の粘性を有する液体8が充填されている(図3〜図5参照)。液体8としては、高粘度のもの、低粘度のもののいずれも使用することができるが、高粘度のものは、前述したように、液体室7内に充填する際の作業性が悪い等の不具合があるため、本実施の形態では、低粘度のものを使用している。
【0014】
また、液体室7内には、軸心方向の長さが液体室7の軸心方向の長さ(軸受部材5の各軸受部51,52の内側面51a,52a間の長さ)とほぼ同じで、かつ径方向に所定の厚みを有する断面略円弧状に形成されたベーン部材4が配設されている。このベーン部材4は、図1に示したように、各端面4a,4bがそれぞれ軸受部材5の各軸受部51,52の内側面51a,52aに摺接し、また、図3〜図5に示したように、外面4cが本体ケース2の内周面に摺接し、さらに、内面4dが後述する回転軸3の外周面に密着して配置されるように、取付ネジ10により回転軸3に取り付けられ固定されている(図1及び図5参照)。そして、このように配設されるベーン部材4によって、液体室7内は、ベーン部材4を挟んで2つの室(第1及び第2の室)71,72に分離される一方、ベーン部材4は、かかる液体室7内で、次述する回転軸3の回転に伴って回転可能になっている。
【0015】
回転軸3は、図1に示したように、一端31側の軸部が上記したように軸受部材5の各軸受部51,52内に挿通され、該軸受部51,52よって回転可能に支持されている一方、他端32側の軸部が軸受部材5の片側の軸受部52から外方へ突出するように配置されて、本体ケース2の軸心に沿って配設されている。
【0016】
回転軸3の一端31側には、図2に示したように、回転軸3の軸心に沿って中空部33が設けられており、この中空部33は、後述する弁機構6が配設される大径部33aと、該大径部33aよりも回転軸3の他端32寄りに位置して形成される小径部33bとから構成され、大径部33aの開口部付近には、後述する弁機構6に形成された雄ネジ部62aと螺合する雌ネジ部33cが形成されている。
【0017】
また、回転軸3の一端31側には、上記した液体室7内でベーン部材4が回転することにより押圧される液体8が、第1及び第2の室71,72間を移動する際に流通可能な還流孔が設けられている。この還流孔は、図3に示したように、中空部33の大径部33aと連通するように、回転軸3の第2の室72側に配置される周壁を厚み方向に貫通する第1の還流孔34と、図4に示したように、中空部33の小径部33bと連通するように、回転軸3の第1の室71側に配置される周壁を厚み方向に貫通する第2の還流孔35とから構成されている。
【0018】
また、図3に示したように、回転軸3の一端31側における第1の還流孔34に略対向する位置には、中空部33の大径部33aと連通するように、回転軸3の第1の室71側に配置される周壁を厚み方向に貫通する小孔から成るオリフィス36が設けられている。このオリフィス36は、一以上設けられていることが好ましい。また、後述するように、回転軸3が制動力発揮方向に回転した場合に、液体室7内でベーン部材4に押圧される液体8は、このオリフィス36を通過して第1の室71から第2の室72へと移動するため、オリフィス36の口径や数量を適宜調整することにより、第1及び第2の室71,72間を移動する液体8の流量を調節可能であり、それにより、ロータリーダンパ1が発揮する制動力を調整することができる。
【0019】
なお、従来、本体ケース内の所定の部位に、ベーン部材に押圧される液体が通過可能なチョーク溝を設け、このチョーク溝の幅や深さを調整することで、制動力の調整(特性の変更)を行うものがあるが、チョーク溝の形成ないし形状の変更は一般に困難である。それに対し、上記したオリフィス36は、ドリルにより回転軸3に小孔を開けるだけで形成することができるため、従来のものより制動力の調整を容易に行うことができる。
【0020】
弁機構6は、図2に示したように、一端6a側に最も大きい外径を有する部分(大径部)61を有し、また、この大径部61に隣接し、大径部61よりも小さい外径を有する部分62には、その外周に雄ネジ部62aが形成されている。また、弁機構6の他端6b側に位置する最も小さい外径を有する部分(小径部)63は、回転軸3に形成された中空部33を構成する大径部33aの内径とほぼ同じ外径を有しており、かかる小径部63には、該小径部63を径方向に貫通する第1及び第2の孔部63a,63bが形成されている。第1の孔部63aは、小径部63の軸心方向略中央に位置して形成され、また、小径部63の周壁には、この第1の孔部63aと連通するように、円周方向に沿って溝部63cが設けられている(図2及び図3参照)。一方、第2の孔部63bは、小径部63の端面(弁機構6の他端6b)寄りに位置して形成され、この第2の孔部63b内には、後述するボール弁64の動きを規制するピン65が設けられている。
【0021】
また、小径部63の内部には、その軸心に沿って、液体8が通過する液体通過孔66が形成されている。この液体通過孔66は、小さい内径を有する部分66aと、大きい内径を有する部分66bとを有して形成されており、上記した第1の孔部63aは、小径部63を径方向に貫通して形成されることで、かかる小さい内径を有する部分66aと連通している。また、小さい内径を有する部分66aと大きい内径を有する部分66bとの境界部には、小さい内径を有する部分66aよりも大きい直径を有する球状に形成され、液体8の流動を制御するボール弁64が配設されている。
【0022】
なお、図2において、符号67は、上記した液体通過孔66から液体8が外部へ漏出することを防止する栓であり、この栓67は、液体通過孔66の内径よりも大きい直径を有する球状に形成され、押さえネジ68により弁機構6の他端6b方向へ押さえつけられるようにして、液体通過孔66の開口部を閉塞するように配設されている。
【0023】
かかる弁機構6は、小径部63の周壁に設けられた溝部63cが、回転軸3に形成された第1の還流孔34とオリフィス36にそれぞれ連通するように、小径部63が回転軸3の中空部33を構成する大径部33a内に嵌挿され、大径部61に隣接し、大径部61よりも小さい外径を有する部分62の外周に形成された雄ネジ部62aを回転軸3の中空部33を構成する大径部33aに形成された雌ネジ部33cに螺合させて回転軸3に固定されている。
【0024】
上記した各部材から構成されるロータリーダンパ1は、回転軸3の他端32側を制御対象となる開閉体の軸部(図示せず)に連結し、本体ケース2を所定の位置に配設して使用される。そして、開閉体が開閉する際の回転動作に伴って、開閉体の軸部及びこれに連結された回転軸3が回転すると、それに伴って、ベーン部材4が液体室7内で回転する。この場合、図3に示したように、回転軸3が制動力発揮方向(図上、時計回り方向)に回転すると、ベーン部材4は、外面4cを本体ケース2の内周面に摺接させながら回転し、第1の室71内の液体8を押圧する。押圧された液体8は、回転軸3に形成された第2の還流孔35とオリフィス36の双方へ流れ込む。この際、第2の還流孔35へ流れ込んだ液体8は、回転軸3の中空部33を構成する小径部33bを通過して、弁機構6に形成された液体通過孔66を構成する大きい内径を有する部分66bへと流れ込むが、かかる部分66bへ流れ込む液体8の圧力によって、ボール弁64が、液体通過孔66を構成する小さい内径を有する部分66aと大きい内径を有する部分66bとの境界部に押しつけられ、かかる境界部を閉塞するため、第2の還流孔35を通過して第1の室71から第2の室72へと移動しようとする液体8の流れが遮断される。一方、オリフィス36へ流れ込んだ液体8は、弁機構6に形成された溝部63c及び第1の孔部63aを通過し、さらに、回転軸3に形成された第1の還流孔34を通過して、第2の室72内へと流れ込む。
【0025】
このように、ロータリーダンパ1では、回転軸3が制動力発揮方向に回転した場合には、ベーン部材4によって押圧される第1の室71内の液体8がオリフィス36のみを通じて第2の室72へと移動するようになっている。そして、液体8がオリフィス36を通過する際に抵抗が生じて、回転軸3の回転速度を遅動させる力が働く。その結果、開閉体に所定の制動力が付与され、その回転動作が緩慢となる。
【0026】
なお、本実施の形態では、図3に示したように、オリフィス36が、回転軸3の一端31側に形成された中空部33の周壁に、円周方向に沿って、かつ相互に所定の間隔をおいて複数形成されている。このため、回転軸3が制動力発揮方向に回転していくに従って、軸受部材5を構成する隔壁部53の内面により、図上、下方に設けられているものから順に閉塞されていく。従って、作用する抵抗は徐々に大きくなる。そして、すべてのオリフィス36が閉塞されると、液体8の流動が行われなくなり、ロック状態となる。
【0027】
また、本実施の形態では、上記した形状に形成された軸受部材5を具備することにより、隔壁部53と回転軸3との間に生じる隙間を極めて小さいものにすることができる。従って、液体8として低粘度のものを使用した場合でも、その液体8が隔壁部53と回転軸3との間からほとんど流出しないため、ロータリーダンパ1は大きな制動力を発揮することができる。なお、本実施の形態では、図3〜図5に示したように、ベーン部材4の内外面4d,4cにそれぞれシール部材4e,4fを配設し、ベーン部材4の外面4cと本体ケース2の内周面との間、及びベーン部材4の内面4dと回転軸3の外周面との間からの液体8の流出をも防止している。
【0028】
一方、図3に示したように、回転軸3が非制動力発揮方向(図上、反時計回り方向)に回転すると、ベーン部材4は、外面4cを本体ケース2の内周面に摺接させながら回転し、第2の室72内の液体8を押圧する。押圧された液体8は、回転軸3に形成された第1の還流孔34へ流れ込み、弁機構6に形成された溝部63c及び第1の孔部63aへと流入し、その一部が回転軸3に形成されたオリフィス36を通過して第1の室71内へと流れ込む。それと共に、第1の孔部63aに流入した液体8は、さらに弁機構6に形成された液体通過孔66を構成する小さい内径を有する部分66aへと流れ込む。そして、液体8が液体通過孔66の小さい内径を有する部分66aに流れ込む際の圧力により、ボール弁64がピン65に当接するように移動して、液体通過孔66の小さい内径を有する部分66aと大きい内径を有する部分66bとの境界部が開放される。これにより、液体8は、液体通過孔66の大きい内径を有する部分66b、回転軸3に形成された中空部33を構成する小径部33b及び第2の還流孔35をも経由して、第1の室71内に流れ込む。
【0029】
このように、ロータリーダンパ1では、回転軸3が非制動力発揮方向に回転した場合には、ベーン部材4によって押圧される第2の室72内の液体8が上記した経路を通過して、速やかに、かつほとんど抵抗を生じることなく第1の室71へと移動するため、開閉体の回転動作に対して、ほとんど影響を与えることがない。
【0030】
また、ロータリーダンパ1のように、回転軸が一方向に回転した場合にのみ制動力を発揮する一方向性のものは、前述したように、従来、液体の流動を制御するための弁をベーン部材に形成していたため、かかる弁を形成するためにベーン部材の厚みを薄くすることが困難であったが、ロータリーダンパ1によれば、液体8の流動を制御する弁機構6が回転軸3の中空部33内に設けられているため、ベーン部材4の厚みに関わりなく弁機構6を設けることができる。従って、ベーン部材4の厚みを薄くすることが可能である。その結果、かかる構造を採用することで、大きな制動力を発揮する一方向性のロータリーダンパにおいても、小型化を図ることができる。
【0031】
なお、上記した実施の形態では、弁機構6が、小径部63を径方向に貫通する第1の孔部63aと、該第1の孔部63aと連通するように、小径部63の円周方向に沿って、ほぼ均一の幅と深さを有する溝部63cとを備えて構成され(図2及び図3参照)、第1の孔部63a及び溝部63cが液体8の流通部としての機能を果たしているが、これらを次のように形成することもできる。
【0032】
すなわち、図7に示したように、第1の孔部63aを、小径部63の周壁を厚み方向に貫通するように形成し、また、溝部63cを、小径部63の外周面における該第1の孔部63aと連通する位置に、該小径部63の軸心とは偏心させて所定の幅をもって溝加工を施すことにより、溝の深さが小径部63の円周方向に沿って異なる形状になるよう形成することにより、かかる第1の孔部63a及び溝部63cが液体8の流通部としての機能を果たすほか、後述するように、液体8の流量調整部としての機能をも果たすようにすることができる。但し、溝部63cの形状は、その幅を小径部63の円周方向に沿って異なる形状に形成してもよく、また、その幅と深さの両方を小径部63の円周方向に沿って異なる形状に形成してもよい。
【0033】
かかる構成の弁機構6は、小径部63の周壁に設けられた第1の孔部63aと溝部63cとからなる流量調整部が、回転軸3に形成された第1の還流孔34とオリフィス36にそれぞれ連通するように、小径部63が回転軸3の中空部33を構成する大径部33a内に嵌挿され、前述した弁機構6と同様に、大径部61に隣接し、大径部61よりも小さい外径を有する部分62の外周に形成された雄ネジ部62aを回転軸3の中空部33を構成する大径部33aに形成された雌ネジ部33cに螺合させて回転軸3に固定される。但し、弁機構6は、上記の雄ネジ部62aと雌ネジ部33cとの螺合状態を緩めることにより固定状態が解除され、回転軸3の中空部33を構成する大径部33a内で、その軸心を中心として回転可能であると共に、任意の回転位置で固定された場合でも、溝部63cが小径部63の円周方向に沿って形成されているため、該溝部63c及び第1の孔部63aからなる流量調整部と、回転軸3に形成された第1の還流孔34及びオリフィス36との連通した状態が維持される(図7及び図8参照)。
【0034】
そして、かかる弁機構6を備えるロータリーダンパ1によれば、弁機構6を所定の角度回転させるだけで、液体室7内に充填された液体8が第1及び第2の室71,72間を移動する際の流量を調整することが可能であり、また、それにより、制御対象物に合わせて発揮する制動力を容易に調整することができる。すなわち、図7に示したように、弁機構6の流量調整部を構成する第1の孔部63aが略垂直方向に沿って配置されるように、弁機構6を回転軸3に配設した場合には、ベーン部材4によって押圧される第1の室71内の液体8は、複数のオリフィス36のうちの第1及び第2のオリフィス36a,36bの両方を通じて弁機構6の流量調整部(溝部63c及び第1の孔部63a)に流れ込み、回転軸3の周壁に形成された第1の還流孔34を経て第2の室72内へと移動する。そして、この場合の液体8が移動する際に生じる抵抗を標準とすれば、図8に示したように、弁機構6を所定の角度、例えば、反時計回り方向に約45度回転させた場合には、第1の室71内の液体8は、複数のオリフィス36のうちの第2のオリフィス36bが弁機構6を構成する小径部63の外周面によって閉塞されるため、第1のオリフィス36aのみを通じて弁機構6の流量調整部に流れ込み、第1の還流孔34を経て第2の室72内へと移動するため、すなわち、液体8が第1及び第2の室71,72間を移動する際の流量が制限されるため、この際に生じる抵抗は、上記した標準の抵抗よりも大きくなる。その結果、ロータリーダンパ1が発揮する制動力もそれに対応して大きなものとなる。
【0035】
また、上記した実施の形態では、本体ケース2が略円筒形に形成されているが、図9に示したように、この本体ケース2に、板状の第1の取付板11を突設し、また、回転軸3に、第1の取付板11と同様に板状に形成された第2の取付板12を連結することにより構成される、いわゆるヒンジ型のロータリーダンパ1を提供することもできる。第1及び第2の取付板11,12には、それぞれこれらを開閉体又はその支持体に取付固定するための固定ネジが挿通される複数のネジ挿通孔11a,12aが形成されている。なお、第2の取付板12は、その両側にそれぞれ付設される、回転軸3に備えられた弁機構6の一端6aに連結される第1の連結板12bと、回転軸3の他端32に連結される第2の連結板12cとを介して回転軸3に連結されている。
【0036】
かかるヒンジ型のロータリーダンパ1は、一般のヒンジと同様に、開閉体とその支持体との連結部に配置され、開閉体を開閉可能に支持するよう、第1の取付板11が開閉体又はその支持体のうちのいずれか一方に取り付けられる一方、第2の取付板12が開閉体又はその支持体のうちのいずれか他方に取り付けられて使用される。そして、このヒンジ型のロータリーダンパ1によっても、本体ケース2の内部構造は、前述したロータリーダンパ1を構成する本体ケース2の内部構造と同様に構成されているため、液体8として低粘度のものを使用した場合でも大きな制動力を発揮して、開閉体が開閉する際の回転動作を遅動させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のロータリーダンパは、本体ケースの軸心に沿って配設される回転軸と、該回転軸と本体ケースとの間に形成される空間を軸心方向に沿って仕切るように設けられる隔壁部と、該隔壁部により仕切られた液体が充填される液体室内で、前記回転軸の回転に伴って回転し得るように設けられるベーン部材とを有するロータリーダンパにおいて、前記回転軸を回転可能に支持し、前記本体ケースの各端部付近に配設される軸受部と、前記隔壁部とが一体的に形成されているため、回転軸と隔壁部との間に生じる隙間を極めて小さくすることが可能である。また、軸受部の内圧に対する強度が高められ、大きな内圧を発生させることが可能である。その結果、本体ケース内に充填される液体として低粘度のものを用いた場合でも、該液体が本体ケース内を移動する際に生ずる抵抗の損失を非常に少なくすることができると共に、軸受部が大きな内圧に耐え得るため、大きな制動力を発揮することが可能である。
【0038】
また、前記回転軸が、中空部を有すると共に、該中空部の周壁を厚み方向に貫通し、前記液体室内に前記ベーン部材が配設されることにより形成された第1及び第2の室間を移動する液体が流通可能な還流孔を有し、さらに、該中空部内に、該回転軸が制動力発揮方向に回転した場合には、該還流孔を通過して前記第1の室から第2の室へと移動する液体の流れを遮断する弁機構を備えて構成されることにより、大きな制動力を発揮する一方向性のロータリーダンパにおいて、ベーン部材の厚みを薄くすることが可能であり、それにより、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施の形態に係るロータリーダンパを示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示したロータリーダンパの一部を示す拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のA−A部断面図である。
【図4】図4は、図1のB−B部断面図である。
【図5】図5は、図1のC−C部断面図である。
【図6】図6は、軸受部材を示す断面図である。
【図7】図7は、弁機構の他の形態を説明するための断面図である。
【図8】図8は、弁機構の他の形態を説明するための断面図である。
【図9】図9は、ヒンジ型に構成されるロータリーダンパを示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図である。
【符号の説明】
1 ロータリーダンパ
2 本体ケース
3 回転軸
4 ベーン部材
5 軸受部材
6 弁機構
7 液体室
8 液体

Claims (5)

  1. 本体ケース、回転軸、軸受部材、隔壁部及びベーン部材を有するロータリーダンパであって、
    前記回転軸は、前記本体ケースの軸心に沿って設けられ、
    前記軸受部材は、前記本体ケースとは別個に形成された後、前記本体ケース内に設けられ、
    前記ベーン部材は、前記本体ケースと前記回転軸との間に形成される空間を軸心方向に沿って仕切るように設けられる前記隔壁部によって仕切られた液体が充填される液体室内で、前記回転軸の回転に伴って回転し得るように設けられており、
    前記軸受部材が、前記本体ケースの各端部付近において前記回転軸を回転可能に支持する軸受部と、該各軸受部の間に設けられる前記隔壁部とを有して構成される1つの部材であることを特徴とするロータリーダンパ。
  2. 請求項1記載のロータリーダンパであって、前記各軸受部の軸心と、隔壁部の軸心とが同軸上であることを特徴とするロータリーダンパ。
  3. 請求項1又は2記載のロータリーダンパであって、前記回転軸は、中空部を有すると共に、該中空部の周壁を厚み方向に貫通し、前記液体室内に前記ベーン部材が配設されることにより形成された第1及び第2の室間を移動する液体が流通可能な還流孔を有し、さらに、該中空部内に、該回転軸が制動力発揮方向に回転した場合には、該還流孔を通過して前記第1の室から第2の室へと移動する液体の流れを遮断する弁機構を備えていることを特徴とするロータリーダンパ。
  4. 請求項3記載のロータリーダンパであって、前記回転軸の中空部の周壁に、該周壁を厚み方向に貫通するオリフィスが形成されていることを特徴とするロータリーダンパ。
  5. 請求項4記載のロータリーダンパであって、前記弁機構は、厚み方向に貫通する孔部と、外周面における該孔部と連通する位置に、幅と深さのいずれか少なくとも一方が円周方向に沿って異なる形状に形成された溝部とからなる流量調整部を周壁に有すると共に、前記回転軸の中空部内に、軸心を中心として回転可能に、かつ任意の回転位置で該流量調整部と前記オリフィスとが連通するように嵌挿されていることを特徴とするロータリーダンパ。
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