JP4772355B2 - X線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線を使用して被検体を透過するX線診断装置に関し、特に、マスク画像のX線照射位置とコントラスト画像のX線照射位置とがずれた場合に発生する不具合を解消する機能を具備するX線診断装置に関する。
X線診断装置とは、被験者の体内を透過したX線の強弱を濃淡画像として表示する画像診断装置である。診断・治療等の目的に応じて種々のものが存在する。透過X線は、間接撮影又は直接撮影によって可視化することができる。
間接撮影は、被検体を透過したX線をイメージインテンシファイア(以下、I.I.とする)で光に変換し、その光を撮像管または固体撮像素子にて電気信号に変換し、表示装置に撮像してX線透過像を得るものである。この撮影では、被検体内部の造影剤の流れや動きを表示装置に時系列的に表示して観察することができる。そして最近では、I.I.光学系による散乱線の影響を抑え、被検体を透過したX線を電気信号に変換する平面検出器の装置も商品化されている。一方、直接撮影は、透過したX線を直接視野サイズの大きなX線フィルムに感光させてX線像を得るものである。これらの手法によって得られた画像は、さまざまな画像処理(例えば、当該透過像を扱う拡大/諧調/空間フィルタ処理と、時系列的に蓄積された透過像の最小値/最大値トレース処理、サブトラクション処理、ノイズを除去するための加算処理等)を施して表示装置に表示することができる。
このようなX線診断装置を用いた透過X線像撮影手順の一例を説明すると、次のようである。すなわち、まず検査技師は、患者年齢・性別・検査部位・特殊事項(患者状態、妊娠状態、医学的注意事項、造影剤アレルギー、特殊な介助)等の情報(以下、患者の検査情報とする)を基にして定められたX線透視条件(管電圧、管電流、透視時間等。以下、初期透視条件とする)を設定し、このX線透視条件に合致したX線を被検体に照射して、X線透視像を表示装置上に表示する。そして所望の診断領域がX線撮影範囲になるようにX線管、I.I.保持装置などを位置決めする。また、体側面の直接線による画質への影響を防止するためにX線絞りや補償フィルタなどで照射野が均一なX線透過率になるように準備する。
次に、撮影X線スイッチを押すことで被検体にX線を照射し、X線照射位置・角度毎に得られたマスク透過像とコントラスト透過像とのサブトラクションを実施し、表示装置にリアルタイムで表示する。医師等は、表示された透過像を観察し、また必要に応じて透過像をプリントアウトして、血管系の検査や、バリウムのような造影剤を使用した非血管系の消化管を診断する。
この様にサブトラクション像を取得する撮影においては、マスク像を撮影する位置とコントラスト像を撮影する位置との間にずれがないようにする必要がある。その為の技術として、例えば寝台天板の位置情報に基づいて、位置駆動制御方式によりX線曝射タイミングを制御し、両画像のX線照射位置を調整するものがある(例えば、特許文献1参照。)これは、具体的に次のような内容である。
すなわち、ボーラスチェースDSA(Digital Subtraction Angiograpy)や回転DSAの術式にて連続的に検査するX線診断装置においては、患者への検査時間の短縮、患者の動態ボケを低減するために、往路でマスク像を収集し、復路でコントラスト像を収集する。このとき、往路及び復路ともに撮影系を停止せず、また、コントラスト像収集のためのX線をマスク像と同じ位置で曝射するために、マスク像のX線曝射開始位置とX線曝射終了位置を厳密にコントロールし、逆方向でコントラスト像を収集する場合には、マスク像のX線曝射終了位置で、コントラスト像のX線曝射開始を行い、マスク像のX線曝射開始位置で、コントラスト像のX線曝射を終了する。この様にX線曝射開始位置とX線曝射終了位置とを基準に駆動制御することで、曝射位置誤差を改善することができる。
しかしながら、従来の位置駆動制御方式には、例えば次に述べる問題点がある。
第1の問題点は、支持器の移動を伴う撮影においては、固体検出器のチャージフラッシング(CF)に要する時間が移動に対して無視できるレベルの検出器(代表例としてCCD)に対してしか有効ではないことである。換言すれば、平面検出器のように無視できない検出器に対しては、ずれのない位置検出後の実曝射タイミングのずれによる前記支持器の移動誤差が生じて、診断能のあるサブトラクション画像をリアルタイムで提供できない。
より具体的には、ボーラスチェースDSA撮影においては、被験者の血管にヨード等の造影剤を注入して、診断部位を診断しつつ保持装置のCアームを可変速で移動させながら、造影剤の流れを追いながら撮影を行なう。このため、リアルタイム性の高い画像提供が要求される。映像系として従来タイプのI.I./CCD固体撮像素子を用いたシステムでは、固体撮像素子に自然蓄積される電荷は一般に2〜3μsでクリアされる。このため、チャージフラッシングの実行からX照射までのタイムラグは、図15(b)に示すように殆どなく、従って、Cアームを移動させながらの撮影においても移動誤差は0.1ピクセル未満で済み、それによるアーチファクトの影響を考慮する必要はない。
一方、平面検出器(FPD)においては原理的に、電荷がTFTアレイに蓄積され、X線照射前にチャージフラッシング(CF)により放出しないと、X線検出膜のオフセット画像(固定ノイズ成分)が変動することとなり、診断に足るS/Nを保持できないという固体検出器特有のデメリットが生じてしまう。この4〜5百万画素に対してのCFに要する時間(図15(a)に示す期間TCF)は、CCD固体撮像素子の数μsに比較して、十数ms(1万倍以上)も必要とされる。この期間TCFにおいてもCアームが移動しているため、従来のI.I./CCD固体撮像素子のように、マスク画像照射位置とコントラスト画像照射位置の機械的位置精度を保持することができない。
第2の問題点として、従来の位置駆動制御方式では通常固定間隔で撮影するため、実際の造影剤の流れる速度とは無関係にX線照射位置に造影剤が辿り着く時刻を予測して支持器を移動させなければならない。従って、撮影系の移動が加速度を伴うボーラスチェースDSAにおいては、支持器の移動制御が大変困難なものとなる。特に、CFが必要となる平面検出器を用いるシステムにおいては、そのCF間に発生する移動量についても考慮する必要があり、困難を極める。
一方、DSA撮影におけるその他のアーチファクトを軽減する技術として、X線照射位置ごとにマーカを有するサポータを装着して撮影後、マーカのずれを基にして補正サブトラクションするものがある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この手法は、検査前のマーカの固定やX線照射位置/撮影間隔固定といった造影剤の流速を無視した検査方法であり、造影剤の流速を考慮するものに比して精度上問題がある。
特開2003−126074号公報 特開2000−278606号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、無駄な被爆を受けることなく、造影剤の移動速度・拡散状況に合わせて支持器を移動させながら、従来に比してより診断能の高いサブトラクション像を提供することができるX線診断装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、被検体を搭載する寝台と、前記被検体に対してX線を曝射するX線発生手段と、前記X線発生手段からのX線を検出するX線検出手段とが設けられた支持器と、前記寝台に対する前記支持器の相対的位置を移動させる移動機構と、前記相対的位置を検出する位置検出手段と、前記移動機構により前記支持器を前記被検体の体軸に沿って相対的に移動させながら前記被検体に対してX線を照射し画像を撮影する場合、前記X線発生手段のX線曝射タイミングを制御する制御手段であって、前記検出された相対的位置が予め設定されるX線照射可能範囲に存在するか否かを判定し、前記相対的位置がX線照射可能範囲に存在すると判定されたときのみ、前記X線発生手段からX線を照射する制御する制御手段と、前記制御手段の制御に基づくX線照射時における前記相対的位置に関する情報を前記位置検出手段から取得し、これをX線照射位置として、造影剤注入前に撮影された前記被検体のマスク像と共に記憶する記憶手段と、前記マスク像のX線照射位置と、造影剤注入後に撮影された前記被検体のコントラスト像のX線照射位置とのうち少なくとも一方を画素単位又は画素の定数倍の単位で移動させることで、前記マスク像と前記コントラスト像との間のずれ量を補正する補正処理を実行する補正手段と、前記補正処理の後、前記コントラスト像から前記マスク像を差し引くことで、サブトラクション像を生成する画像生成手段と、前記サブトラクション像を表示する表示手段と、を具備することを特徴とするX線診断装置である。
以上本発明によれば、無駄な被爆を受けることなく、造影剤の移動速度・拡散状況に合わせて支持器を移動させながら、従来に比して診断能の高いサブトラクション像を提供することができるX線診断装置を実現できる。
以下、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本実施形態に係るX線診断装置の外観図を示している。図3は、X線診断装置に用いられる平面検出器11の構成を示す図である。これらの図を用いて、X線診断装置の構成について説明する。
図1、図2に示すように、本X線診断装置は、架台1、Cアーム移動機構2、起倒機構3、Cアーム回転機構4、Cアーム5、X線管7、X線絞り器8、天板9、天板保持部10、平面検出器11を具備している。
架台1は、撮影系を有するCアーム及び当該Cアームを移動させるための種々の機構、被検体を搭載させる天板及び当該天板の保持機構等を架設するための設置台である。
Cアーム移動機構2は、X線管7及び平面検出器11を被検体Pの体軸方向に移動させて撮影するために、Cアーム5を体軸方向に直線移動する機構である。
起倒機構3は、天板9やCアーム5等を回転させるための機構である。
Cアーム回転機構4は、X線管7及び平面検出器11を診断部位の角度に設定するために、被検体Pの体軸を中心として、Cアーム5を回転させる機構である。
Cアーム5は、Cアーム回動機構4に対して図1矢印Aの方向への円弧状のスライドが可能な状態で取り付けられている。このCアーム5の両端内側には、X線管7及びX線絞り器8と平面検出器11が、天板9および被検体Pを挟むようにして取り付けられている。
X線管7は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子を高電圧によって加速させてタングステン陽極に衝突させX線を発生させる。
X線絞り器8は、X線管7と被検体の間に設けられ、X線管7のX線焦点から曝射されたコーン状のX線ビームを整形し、所要の立体角のX線ビームを形成する。
天板9は、被検体Pを搭載するためのベッドであり、被検体Pの長手方向や横手方向に移動する。なお、天板9及びCアーム5は、後述するCアーム・天板制御部16によってその移動量、移動タイミング、移動速度が制御される。
天板保持部10は、天板9を保持し、当該天板9を被検体Pの体軸方向に移動させる。
平面検出器11は、被検体Pを透過したX線を電荷に変換して蓄積する。当該平面検出器11に蓄積された電荷は、ゲートドライバ(図4参照)によってX線画像信号として読み出され、画像データ生成部(図4参照)によって画像データに変換される。なお、平面検出器11は、X線を直接電荷に変換するもの(直接型)と、光に変換した後電荷に変換するもの(間接型)とがある。本実施の形態では前者を例に説明するが後者であっても構わない。以下、直接型の平面検出器11の具体的な構造について、図3を参照しながら説明する。
平面検出器11には、図3に示すように、微小な検出素子51を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成されている。各々の検出素子51はX線を感知し、入射X線量に応じて電荷を生成する光電膜52と、この光電膜52に発生した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサ53と、この電荷蓄積コンデンサ53に蓄積された電荷を所定のタイミングで読み出すTFT(薄膜トランジスタ)54を備えている。以下では説明を簡単にするために、例えば、検出素子51が列方向(図3の上下方向)、及びライン方向(図3の左右方向)に2素子づつ配列されている場合の平面検出器11の構成について説明する。
図3の光電膜52−11、52−12、52−21、52−22の第1の端子と、電荷蓄積コンデンサ53−11、53−12、53−21、53−22の第1の端子とが接続され、更に、その接続点はTFT54−11、54−12、54−21、54−22のソース端子へ接続される。一方、光電膜52−11、52−12、52−21、52−22の第2の端子は、図示しないバイアス電源に接続され、電荷蓄積コンデンサ53−11、53−12、53−21、53−22の第2の端子は接地される。更に、ライン方向のTFT54−11及びTFT54−21のゲートはゲートドライバ21の出力端子22−1に共通接続され、また、TFT54−12、及びTFT54−22のゲートはゲートドライバ21の出力端子22−2に共通接続される。
一方、列方向のTFT54−11及び54−12のドレイン端子は信号出力線59−1に共通接続され、また、TFT54−21及び54−22のドレイン端子は信号出力線59−2にそれぞれ共通接続される。そして、信号出力線59−1、59−2は画像データ生成部11aに接続されている。
図3のゲートドライバ21は、X線照射によって検出素子51の光電膜52で発生し電荷蓄積コンデンサ53にて蓄積される信号電荷を読み出すために、TFT54のゲート端子に読み出し用の駆動パルスを供給する。
次に、本X線診断装置の機能・動作について図4を参照しながら説明する。図4は、本X線診断装置の内部構成を含むブロック図である。図4に示すように、本X線診断装置は、高電圧発生部12、X線発生部13、X線検出部14、機構部15、画像演算・記憶部16、システム制御部17、操作部19、表示部30を具備している。
高電圧発生部12は、X線制御部12a、高電圧発生器12bを有している。高電圧発生部12は、X線管7の陰極から発生する熱電子を加速するために、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させる。X線制御部12aは、システム制御部17からの指示信号に従い、高電圧発生器12bにおける管電流、管電圧、照射時間等のX線照射条件の設定を行う。
X線検出部14は、平面検出器11、画像データ生成部11aゲートドライバ21、を有している。画像データ生成部11aは、平面検出器11から読み出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器23と、この電荷・電圧変換器23の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器24と、平面検出器11からライン単位でパラレルに読み出されるデジタル変換された画像信号をシリアルな信号に変換するパラレル・シリアル変換器25とを備えている。
機構部15は、Cアーム・天板制御部40、Cアーム移動機構2、Cアーム回転機構3、Cアーム5と天板9との相対的位置を検出するCアーム・天板位置検出部42、起倒機構43を有している。Cアーム・天板制御部40は、システム制御部からの制御信号に従い、被検体Pの診断対象部位に対して最適なX線管焦点−X線検出器間距離(SID)、X線コーンビームの形状、X線ビームの被検体Pに対する入射角度、更にはCアーム5や天板9などの移動スピードなどの制御を行う。
当該機構部15により、Cアーム5を移動させる機構は、次のようである。すなわち、図1、図2に示したように、架台1は床に設置され、この架台1に起倒機構3が回動自在に保持される。また、起倒機構3と天板保持部10は連結され、この天板保持部10は天板9の片端と連結されて天板9を支えている。また、起倒機構3に対してCアーム移動機構2は、図2矢印Aで示した方向に直線状にスライドが可能な状態で保持され、このCアーム移動機構2にはCアーム回動機構3が回動自在で保持されている。
画像演算・記憶部16は、マスク像ずれ補正部16a、画像データ記憶回路16bを有している。マスク像ずれ補正部16aは、システム制御部17を介してCアーム・天板位置検出部42からの信号に基づいて、マスク像を撮影するためのX線照射位置とコントラスト像を撮影するためのX線照射位置とのずれ量を画素単位又は画素の定数倍の単位で計算し、両画像の位置を一致させるためにマスク像を得られたずれ量だけ移動させる補正処理を実行する。
なお、X線照射位置とは、X線照射を開始した時のCアーム5と天板9との相対的位置と、X線照射を完了した時のCアーム5と天板9との相対的位置とによって定義される。
また、本実施形態においては、上記のようにマスク像の位置とコントラスト像の位置と一致させるためにマスク像を移動させる構成としたが、コントラスト像、又はマスク像及びコントラスト像の双方を移動させることで、両画像の位置を一致(対応)させる構成としてもよい。
画像データ記憶回路16は、X線検出部14においてライン単位または、フレーム単位で順次出力されるX線透過画像データおよび、そのときのX線照射位置データから、予めキャリブレーションされた情報に基づいて長尺画像データを生成し、そのマスク長尺画像データから、コントラストシーケンスにおける個々のマスク画像の切り出し保存を行う。また、画像データ記憶回路16は、マスク像ずれ補正部16aによってずれ量が補正されたマスク像を、X線検出部14から受け取るコントラスト像から差分することで、サブトラクション像を生成する。
システム制御部17は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作部19から送られてくる操作者の指示や撮影条件などの情報を一旦記憶した後、これらの情報に基づいてX線画像データの収集や表示の制御、あるいは移動機構に関する制御などシステム全体の制御を行う。
操作部19は、表示パネル、キーボード、各種スイッチ、マウス等を備えたインターラクティブなインターフェイスである。装置の操作者は、操作部19において、被検体(患者)情報、被検体Pあるいは診断対象部位に対して最適なX線照射条件、X線管焦点−X線検出器間距離、X線コーンビームの形状、X線ビームの被検体Pに対する入射角度、更にはCアーム5や天板9の移動スピードなどの各種撮影条件や機構部15の移動制御などの設定、あるいは撮影開始のコマンド信号の入力などを行う。これらの設定信号やコマンド信号は、システム制御部17を介して各ユニットに送られる。なお、上記X線照射条件としてX線管7に印加する管電圧、管電流、X線の照射時間などがあり、被検体情報として検査部位、検査方法、被検体の体格、過去の診断履歴などがある。
また、操作部19より被検体ID(患者ID)を入力することにより、上記被検体情報、あるいは、この被検体情報に基づく各種撮影条件は予め保存されている装置外部の記憶媒体などからネットワークを介して自動的に読み出され、操作者は表示部30のモニタ34、あるいは操作部19の表示パネルに表示されるこれらの情報や設定条件に対して、変更の必要がある場合のみ操作部19より変更のための入力を行ってもよい。
表示部30は、画像演算・記憶部16に保存されている複数のマスクX線透過画像データ、コントラストX線透過画像データ、あるいは長尺画像データの中から抽出された所望の画像データ、画像演算・記憶部16の画像処理・マスク画像ずれ補正部16aにおいて生成されるX線透過サブトラクション画像データなどの表示を行う。この表示部30は、上記各種画像データと、これらの画像データの付帯情報である数字や各種文字などを合成して一旦保存する表示用画像記憶回路31と、このX線画像データや付帯情報をアナログ信号に変換するD/A変換器32と、このアナログ信号をTVフォーマット変換して映像信号を生成するフォーマット変換回路33と、その映像信号を表示する液晶、あるいはCRTのモニタ34から構成される。
また、特に表示用画像記憶回路31は、後述するずれ量補正処理によって発生するアーチファクトを低減させるために、サブトラクション像におけるマスク像及びコントラスト像のそれぞれをずらした領域(双方の画像が重ならない領域)に対して、黒化処理(又はグラデーション処理)を施す。
以上述べた本X線診断装置は、上記の基本構成の他に、さらに図示しないインターフェイスを備え、各種画像データは、このインターフェイスを介して外部のハードディスクやDVDあるいはMODなどの記録媒体に保管され、更に、レーザイメージャなどによりフィルム上に出力される。また、インターフェイスはネットワークに接続され、画像データや検査情報はこのネットワークを介して院内外のデータ記録システムに保管され、更には院内外の観察システムに転送、表示されて医師による診断に用いられる。
(画像間ずれ量補正機能)
次に、本X線診断装置が有する画像間ずれ量補正機能について説明する。この補正機能は、例えばボーラスチェースDSAを実行する際においてマスク像のX線照射位置とコントラスト像のX線照射位置がずれた場合に、Cアーム5と天板9との相対的位置に基づいて、マスク像の被検体位置とコントラスト像の被検体位置とをピクセル単位又はピクセルの定数倍の単位で事後的に合わせるものである。ピクセルの定数倍の単位で位置合わせする場合には、数学的に良く知られたアフィン変換、スプライン関数による補間処理等を用いることができる。
また、本補正機能は、画像取得段階においてもマスク像−コントラスト像間のずれが最小限となるように、X線照射タイミングを後述する方式により制御する。本補正機能は、I.I.を用いたシステムにも有効であるが、画像間のずれを検出素子単位で把握することができ、また撮影直前にチャージフラッシュを行うためマスク像のX線照射位置とコントラスト像のX線照射位置がずれやすい平面検出器を用いるシステムにおいて、特に実益がある。
画像間ずれ量補正機能の具体的な内容は、上記したように、X線照射等のタイミング制御、得られたマスク像とコントラスト像との間のずれ量計算、二つの段階に大きく分けることができる。以下、これらの各機能について説明する。
まず、マスク像及びコントラスト像を撮影する際のX線照射等のタイミングは、X線照射可能範囲に基づいて制御される。このX線照射可能範囲とは、後述するマスク像−コントラスト像間のずれ量計算によって調整可能なCアーム5と天板9との相対的位置の許容範囲であり、予め予測され設定されるものである。なお、X線照射可能範囲は、マスク収集の解剖学的位置に応じた、あるいは、被験者の造影剤の流れに応じて、撮影領域別に個々に範囲設定することも可能である。
図5(a)乃至(e)は、マスク像撮影シーケンス及びコントラスト像撮影シーケンスにおけるX線照射等のタイミングチャートを示した図である。図5(a)に示すように、まず、Cアーム・天板位置検出部42により、Cアーム5と天板9との相対的位置がX線照射可能範囲にあることを知らせるストローブ信号が、X線制御部120に供給される。システム制御部17は、このストローブ信号が供給されている期間はCアーム5と天板9との相対的位置がX線照射可能範囲にあると判別し、当該期間においてのみX線平面検出器11のチャージフラッシング、及びX線管7からのX線照射を実行する。
すなわち、システム制御部17は、例えば図5(b)に示すように、ストローブ信号とほぼ同時にX線平面検出器11のチャージフラッシングが実行されるようにゲートドライバ21を制御し、当該チャージフラッシングが終了しかつストローブ信号が供給されている場合(Cアーム5と天板9との相対的位置がX線照射可能範囲にある場合)、例えば図5(c)に示すようなタイミングにてX線制御部12aを制御してX線照射を実行する。また、Cアーム・天板位置検出部42は、図5(d)に示すようにX線照射の開始タイミング(時刻t1a)に併せてX照射開始位置を検出し、図5(e)に示すようにX線照射の終了タイミング(時刻t1b)に併せてX照射終了位置を検出する。
こうして得られるX線画像は、X線照射位置(X線照射開始位置とX線照射終了位置)と共に画像データ記憶回路16bに記憶される。なお、X線照射位置は、図5(d)、(e)に示すように、X線照射開始位置(時刻t2aにおける位置、t2bにおける位置)、及びX線照射終了位置(時刻t3aにおける位置、t3bにおける位置)の合計4つのパラメータにより定義される。これ以外に、X線照射開始位置を時刻t2aに検出された位置とし、X線照射終了位置を時刻t3aに検出された位置とし、合計2つのパラメータによってX線照射位置が定義される構成、またはX線照射開始位置を時刻t2a乃至時刻t2bにおいて検出された領域の中心位置とし、X線照射終了位置を時刻t3a乃至時刻t3bにおいて検出された領域の中心位置とし、同じく合計2つのパラメータによってX線照射位置が定義される構成としてもよい。
上記X線照射等のタイミングに従ったX線画像撮影は、Cアーム・天板位置検出部42からストローブ信号が供給されている限り、設定されたシーケンス撮影の時間内において繰り返し実行される。なお、チャージフラッシング中にCアーム5と天板9との相対的位置がX線照射可能範囲を逸脱したとき(ストローブ信号の供給かなくなったとき)は、当該チャージフラッシングに対応するX線照射はキャンセルされる。
なお、本X線診断装置においては、図5の例に限定されず、同一のX線照射可能範囲において、複数枚のX線画像を撮影することも可能である。例えば、図6に示すようにCアーム5の軌道が前後する場合であっても、菱形で示された各位置はX線照射可能範囲内に存在する。従って、Cアーム・天板位置検出部42からX線照射可能範囲を知らせるストローブ信号が供給されている状況となり、時刻t乃至tの各位置において、複数枚のX線画像撮影を実行することができる。
コントラスト像の位置からのマスク像の位置のずれ量計算は、次の様にして実行される。図7は、X線照射可能範囲におけるコントラスト像のX線照射位置からのずれに対応して、マスク像のX線照射位置を補正するロジックを図示したものである。すなわち、Rを撮影視野サイズとすれば、ずれ量はマスク像のX線照射位置前後のそれぞれにおいて、各フレーム毎(マスク像毎)に次式で求められる。
(1)(C-long)cont≧ (C-long)mask の場合:
(scroll)mask = [(C-long)cont - (C-long)mask]*1024/R
(2)(C-long)cont< (C-long)maskの場合:
(scroll)mask = [(C-long)cont - (C-long)mask]*1024/R + 1024
なお、上記各式において、添え字「mask」はマスク像を、添え字「cont」は当該マスク像のX線照射位置に基づいて選択された、対応するコントラスト像を、「C-long」は天板長手方向(被検体の体軸方向)に沿って得られた画像のX線照射位置を、「scroll」はずれ量を、それぞれ意味するものとする。
こうして得られるマスク像のずれ量(scroll)maskに基づいて、マスク画像ずれ補正部16aは、コントラスト像に対してマスク像をどれだけのピクセル分に相当するかを計算する。得られた結果は、補正ピクセルXとして、図8に示すように他の情報(例えば、X線照射開始位置Xs、X線照射終了位置Xe、X線照射可能範囲λ等)と共に、画像データ記憶回路16b内のマスク画像・コントラスト画像収集パラメータ記憶テーブルに自動的に登録される。
(画像表示)
本X線診断装置は、上記画像間ずれ量補正が施されたサブトラクション画像をリアルタイム表示する。その際、高い診断効果を得るため、及び上記ずれ量補正処理によって発生するアーチファクトを低減させるために、ずらした領域に図9に示すような黒化処理(又はグラデーション処理)を施してモニタ34に表示する。
なお、上記黒化処理では、マスク像とコントラスト像との間の相対的な移動量が多いほど、当該黒化処理される領域が広くなる。従って、黒化処理が施される領域をできるだけ小さくし、診断に供する画像領域をなるべく広くするため、上記ずれ補正処理において、マスク画像とコントラスト画像それぞれをずらす構成であってもよい。
すなわち、例えばマスク像とコントラスト像とをそれぞれずれ量を相殺するように、ずれ量の半分ずつ移動させることで、アーチファクトを分散させて黒化処理を施し、診断しやすい画像情報を提供しながら検査を続行することが可能となる。
(撮影動作)
次に、本X線診断装置を用いて、被検体下肢部のボーラスチェースDSA撮影を実行する際の一連の動作について説明する。
図10、図11は、被検体下肢部のボーラスチェースDSA撮影において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。図10に示すように、まず、X線診断装置の電源が投入されると(ステップS1)、本X線診断装置は、同じ医療施設内に設置されている図示しないサーバと接続状態となる。
次に、操作者により患者IDが操作部19から入力されることによって、システム制御部17の図示にないCPUは、サーバの記憶回路に既に保存されている患者情報やこの患者情報に対応した各種撮影条件の中から、患者IDに対応した患者情報及び各種撮影条件を読み出し、例えば、操作部19の表示パネルに表示する。表示された各種撮影条件から所望の条件(X線照射条件、X線管焦点−X線検出器間距離、X線コーンビームの形状、Cアーム5の回転速度や移動速度などの情報)が選択されると、当該条件はシステム制御部17の図示しない記憶回路に保存されると共に、対応する各制御部等に供給されて、図示しない夫々の記憶回路に保存される(ステップS2)。
次に、操作者は、被検体Pの鼠蹊部に造影剤注入用のカテーテルを挿入し、操作部19においてX線発生部1及び平面検出器11の初期位置設定コマンドを入力する(ステップS3)。このコマンド信号が操作部19よりシステム制御部17に送られると、システム制御部17は機構部15のCアーム・天板制御部6に対して制御信号を送り、その制御信号に基づいてCアーム・天板制御部6は、Cアーム移動機構2及びCアーム回転機構3に駆動信号を供給して、X線発生部1及び平面検出器11を初期位置に設定する。
次に、X線発生部1及び平面検出器11の初期位置への設定及び絞り・撮影間隔・移動速度等が確定したならば操作者は被検体Pに対して造影剤を注入し、更に画像データ収集の開始コマンドを操作部19にて行うことにより、システム制御部17の制御下で、Cアーム5の初期位置から所定の方向への移動を開始する(ステップS4)。
次に、マスク像の撮影が開始される(ステップS5)。すなわち、図5に示したシーケンスに従って、X線照射可能範囲を示すストローブ信号の検出(ステップS5a)、及び当該ストローブ信号検出中におけるチャージフラッシング(ステップS5b)及びX線照射(ステップS5c)、X線照射開始位置・X線照射終了位置の検出(ステップS5d)を実行する。なお、得られた画像及びX線照射位置情報は、対応付けて画像データ記憶回路13に記憶される。
次に、図5に示したシーケンスに従って、コントラスト像の撮影が実行される(ステップS6:ステップS6a乃至S6d)。
コントラスト像が撮影されると、システム制御部17によって、当該コントラスト像のX線照射位置に対応した(最も近い)X線照射位置を持つ、サブトラクション処理の対象となるマスク画像(対象マスク像)を、画像データ記憶回路13から検索する(ステップS7)。
対象マスク像が検索されると、画像処理・マスク画像ずれ補正部13は、当該対象マスク像の位置情報とコントラスト位置情報のずれ量を算出し(ステップS8)、これに従ってマスク像を移動させコントラスト像の位置と対応させるずれ量補正処理を実行する(ステップS9)。
ずれ量補正処理によりマスク像とコントラスト像との位置合わせが実行されると、コントラスト像からマスク像を差し引くことでサブトラクション画像が生成される。生成されたサブトラクション画像は、ずれ補正処理によってずらした領域に黒化処理してモニタ34に表示する(ステップS10)。
以下、コントラスト像を撮影するシーケンス中においては、ステップS6乃至ステップS10の処理が繰り返され、サブトラクション画像がリアルタイムで表示される。医師は、撮影終了まで、撮影ボタンを押しつづけ、アーチファクトの軽減された画像観察しながら、検査・診断を続行する。
以上述べたように、本X線診断装置の画像間ずれ補正機能によれば、下肢造影撮影等でのポストプロセス処理(後処理)において、マスク像のX線照射位置とコントラスト像のX線照射位置との間のずれを画素単位で調整することができる。従って、調整後の画像によりサブトラクション画像をリアルタイムで生成し表示することで、アーチファクトが少なく従来に比してより診断能の高いサブトラクション像を提供することができる。
また、上記補正機能では、Cアームと天板との相対的位置がX線照射可能範囲に存在する場合にのみ、X線照射を実行する。従って、造影剤の移動速度・拡散状況に合わせてCアームを任意に移動させた場合であっても、同一のX線照射可能範囲内に存在するマスク像、及びコントラスト像を用いて、信頼しうる上記ずれ補正処理を実行することができる。従って、再度の撮り直し等を行う必要がなく、その結果患者に対する被曝の低減、操作者の作業負担の軽減を実現することができる。
また、本X線診断装置によれば、サブトラクション像を表示する際、マスク像とコントラスト像とをずらした領域に黒化処理(又はグラデーション処理)を施す。これにより、高い観察効果を得ることができ、また、ずれ量補正処理によって発生するアーチファクトを低減させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、チャージフラッシング期間中におけるCアーム移動量を予測し、当該移動量を考慮して、マスク像撮影におけるX線照射位置及びコントラスト像撮影におけるX線照射位置との間の位置ずれをできる限り小さくするものである。
(画像間ずれ量補正機能)
本実施形態に係る画像間ずれ量補正機能について説明する。本画像間ずれ量補正機能は、例えば図11のステップS6bにおいて、チャージフラッシング期間中のCアーム移動距離を予測し、マスク用X線照射位置とコントラスト用X線照射位置とを一致させることができる好適な位置において、チャージフラッシングを開始するものである。なお、本画像間ずれ量補正機能は、システム制御部17により、Cアーム位置、Cアーム移動速度、マスク像用X線照射位置、チャージフラッシング期間等を用いて実現される。
図14は、本実施形態に係る画像間ずれ量補正機能を説明するための図であり、X線照射可能位置(a)、マスク用チャージフラッシング位置(b)、マスク用X線照射位置(c)、コントラスト用チャージフラッシング位置(d)、コントラスト用X線照射位置(e)をそれぞれ模擬的に示している。なお、図中x軸は、天板9の長手方向に沿った座標軸である。
X線照射可能位置(範囲)信号は、想定された一定速度でCアームが移動した場合のマスク用X線照射位置とコントラスト用X線照射位置のずれを補正したサブトラクション画像が臨床上診断可能な範囲を設定するものであるが、そのときのCアーム移動加速度を求めることにより、想定速度到達時間や超加速度により移動距離の誤差を相殺するように、X線照射可能位置(範囲)信号の幅Xと開始位置X、終了位置Xを制御することができる。マスク用照射位置Xまでの到達時間をt(=(X−X)/v)とすると、現在の加速度aと想定速度vとからL=(∫adt−v)・tだけ上昇加速度を持つ場合には、Xの位置をXの手前に変更することで精度を上げることができる。逆に、下降加速度の場合には、Xの位置をXの方向に変更することで、X−X間の到達時間を最小にすることで精度を上げることができる。
チャージフラッシング期間T、チャージフラッシング期間中におけるCアームの移動距離Lは、L=v・Tとなる。従って、図14に示すように、マスク像撮影後、x軸方向の下流側からCアームを移動させ、目標とするコントラスト用X線照射開始位置(すなわち、マスク像用X線照射終了位置)xにおいてコントラスト用X線照射を開始したい場合には、例えばx+L(=v・T)の位置より下流側からチャージフラッシングを開始すればよい。
ところで、現実には、装置の個体差、チャージフラッシング時間のCアーム移動距離予測位置計算に要する時間(オーバーヘッド)、Cアーム移動加速度等により、x+L(=v・T)の位置検出からコントラスト用X線照射開始までには、若干のタイムラグが発生する可能性がある。従って、実用性の観点から、図14に示す様に調整範囲yを導入し、位置x=x+L+yの位置からX線曝射を開始する構成としてもよい。位置xにおいてチャージフラッシングを開始しコントラスト撮影を行った結果、マスク用X線照射位置とコントラスト用X線照射位置においてずれが発生している場合には、第1の実施形態において説明した内容に従って、ずれ量補正処理をさらに行うようにすればよい。なお、調整範囲yは、マスク画像ずれ補正部16aに事前に登録されるものであり、操作部19からの所定の操作によって任意の値を選択することが可能である。また、操作者や検査手技に応じて自動的に選択するようにしてもよい。
また、コントラスト用チャージフラッシングを開始する位置は、当然ながらX線照射可能範囲X内に存在することが好ましい。従って、例えば図14において、コントラスト用チャージフラッシング開始位置xからコントラスト用X線照射開始位置xまでの距離L(=x−x)をチャージフラッシング可能範囲Lと定義すれば、撮影条件として、チャージフラッシング可能範囲L≦X線照射可能範囲Xを満たすことが好ましい。
以上述べた構成によれば、チャージフラッシング期間中のCアーム移動距離を考慮して、コントラスト用チャージフラッシングを開始することができる。従って、第1の実施形態において説明した効果に加えて、さらにマスク用X線照射位置とコントラスト用X線照射位置とを高精度で位置合わせすることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。具体的には、次の様な変形例を挙げることができる。
(1)下肢造影撮影等においては、ボーラスチェースDSAの他に、図12に示すように、使用する造影剤の種類に応じてコントラスト像のピークトレース、又はボトムトレースすることでリアルタイムに造影進行を観察する撮影、又はコントラスト像の加算処理によりリアルタイムに造影進行を観察する撮影等が実行される場合がある。係る各撮影においても、X線照射可能範囲に従うX線照射を実行することにより、造影剤の進行を適切に追跡することができ、より高いS/Nで血管描出能を高めた画像をリアルタイムで表示することができる。
(2)本X線診断装置では、平面検出器の歪のない特性を生かして、画像データ記憶回路に記憶されたマスク像から、図13に示すように、ピクセルキャリブレーションにより長尺画像を生成することができる。また、この長尺画像は、X線照射可能範囲に従うX線照射を実行することにより、より精度の高いものにすることができる。この長尺画像から、撮影計画にしたがってカットし、任意のマスク像を再構成することも可能である。
従来の技術によれば、マスク画像は、コントラスト画像収集位置にて同数枚撮影していた。本X線診断装置によれば、上記長尺画像を作成するための最低限のマスク像を撮影するだけで、任意のマスク像を再構成することができる。その結果、術者・患者の被曝低減を実現することができる。
また、上記長尺画像から撮影計画に従った任意の位置のマスク像を再構成し、これとコントラスト像とのX線照射位置のずれをポストプロセス処理(後処理)により補正してサブトラクション画像を生成することで、アーチファクトが低減され診断能の高い画像を提供することができる。
また、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は、本実施形態に係るX線診断装置の外観図を示している。 図2は、本実施形態に係るX線診断装置の外観図を示している。 図3は、X線診断装置に用いられる平面検出器11の構成を示す図である。 図4は、本X線診断装置の内部構成を含むブロック図である。 図5(a)乃至(e)は、マスク像撮影シーケンス及びコントラスト像撮影シーケンスにおけるX線照射等のタイミングチャートを示した図である。 図6は、同一のX線照射可能範囲において、複数枚のX線画像を撮影する場合のCアームの軌道を例示した図である。 図7は、X線照射可能範囲におけるコントラスト像のX線照射位置からのずれに対応して、マスク像のX線照射位置を補正するロジックを図示したものである。 図8は、画像データ記憶回路16bに記憶されるマスク画像・コントラスト画像収集パラメータ記憶テーブルの一例を示した図である。 図9は、黒化処理(又はグラデーション処理)が施されたサブトラクション像を例示した図である。 図10は、被検体下肢部のボーラスチェースDSA撮影において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。 図11は、被検体下肢部のボーラスチェースDSA撮影において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。 図12は、コントラスト像のピークトレース処理(又はボトムトレース処理)を説明するための図である。 図13は、本X線診断装置によって生成される長尺画像を概念的に示した図である。 図14は、本実施形態に係る画像間ずれ量補正機能を説明するための図であり、X線照射可能位置(a)、マスク用チャージフラッシング位置(b)、マスク用X線照射位置(c)、コントラスト用チャージフラッシング位置(d)、コントラスト用X線照射位置(e)をそれぞれ模擬的に示している。 図15は、マスク像撮影におけるX線照射とCFとのシーケンス(マスクシーケンス)、及びコントラスト像撮影におけるX線照射とCFとのシーケンス(コントラストシーケンス)を示した図である。
符号の説明
1…架台、2…Cアーム移動機構、3…起倒機構、4…Cアーム回転機構、5…Cアーム、7…X線管、8…X線絞り器、9…天板、10…天板保持部、11…平面検出器、11a…画像データ生成部、12…高電圧発生部、13…X線発生部、14X線検出部、15…機構部、16…画像演算・記憶部、16a…マスク像ずれ補正部、16b…画像データ記憶回路、17…システム制御部、19…操作部、21…ゲートドライバ、30…表示部、31…表示用画像記憶回路、32…D/A変換器、33…フォーマット変換回路、34…モニタ、40…Cアーム・天板制御部、41…Cアーム回転移動機構、42…Cアーム・天板位置検出部

Claims (4)

  1. 被検体を搭載する寝台と、
    前記被検体に対してX線を曝射するX線発生手段と、前記X線発生手段からのX線を検出するX線検出手段とが設けられた支持器と、
    前記寝台に対する前記支持器の相対的位置を移動させる移動機構と、
    前記相対的位置を検出する位置検出手段と、
    前記移動機構により前記支持器を前記被検体の体軸に沿って相対的に移動させながら前記被検体に対してX線を照射し画像を撮影する場合、前記X線発生手段のX線曝射タイミングを制御する制御手段であって、前記検出された相対的位置が予め設定されるX線照射可能範囲に存在するか否かを判定し、前記相対的位置がX線照射可能範囲に存在すると判定されたときのみ、前記X線発生手段からX線を照射する制御する制御手段と、
    前記制御手段の制御に基づくX線照射時における前記相対的位置に関する情報を前記位置検出手段から取得し、これをX線照射位置として、造影剤注入前に撮影された前記被検体のマスク像と共に記憶する記憶手段と、
    前記マスク像のX線照射位置と、造影剤注入後に撮影された前記被検体のコントラスト像のX線照射位置とのうち少なくとも一方を画素単位又は画素の定数倍の単位で移動させることで、前記マスク像と前記コントラスト像との間のずれ量を補正する補正処理を実行する補正手段と、
    前記補正処理の後、前記コントラスト像から前記マスク像を差し引くことで、サブトラクション像を生成する画像生成手段と、
    前記サブトラクション像を表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記判定により前記相対的位置がX線照射可能範囲に存在すると判定された場合に、前記支持器の前記被検体に対する現在の移動速度と前記X線検出手段の蓄積電荷除去に要する時間とから、前記X線検出手段の蓄積電荷除去に要する時間において前記支持器が前記被検体に対して移動する移動距離を計算し、
    前記マスク像のX線照射位置と前記コントラスト像のX線照射位置とが一致するように、計算された前記移動距離と前記マスク像のX線照射位置とを基準とした前記相対的位置において、前記X線検出手段の蓄積電荷除去を実行すること、
    を具備することを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記記憶手段は、前記制御手段の制御に基づくX線照射時における前記相対的位置に関する情報を前記位置検出手段から取得し、これをX線照射位置として、造影剤注入前に撮影された前記被検体の複数のマスク像及び造影剤注入後に撮影された前記被検体の複数のコントラスト像と対応付けて記憶し、
    前記複数のコントラスト像に対して、前記造影剤の種類に応じて最大値トレース処理又は最小値トレース処理を施すトレース処理手段をさらに具備すること、
    を特徴とする請求項2記載のX線診断装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記支持器が前記被検体に対して下降加速度を持って移動する場合には、前記移動距離に基づいて前記X線照射可能範囲を狭くして蓄積電荷除去後の目標照射位置を計算し、
    前記支持器が前記被検体に対して上昇加速度を持って移動する場合には、前記移動距離に基づいて前記X線照射可能範囲を広く蓄積電荷除去後の目標照射位置を計算し、
    前記X線照射可能範囲におけるX線照射回数を必要最小限にするように、計算された前記目標照射位置と前記マスク像のX線照射位置とを一致させて、前記X線発生手段からX線を照射させること、
    を具備することを特徴とする請求項3記載のX線診断装置。
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