JP2006218216A - X線診断装置及びx線撮影方法 - Google Patents

X線診断装置及びx線撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 平面検出器の部分撮像領域を用いてX線撮影を行なう際に、部分撮影領域を被検体に接近して設定することによりX線被曝量の低減をはかる。
【解決手段】 平面検出器21の撮像可能領域内に部分撮像領域を設定して被検体150に対し斜め方向からX線撮影を行なう際に、平面検出器21の近傍に装着した干渉検知部8によって平面検出器21と被検体150との干渉(接触)を検知する。一方、移動可否報知部9は、干渉検知部8から供給された検知信号に基づいて部分撮像領域の移動方向とこの移動方向に対する移動可否を判定し、得られた移動可否情報を表示部6において報知する。そして、移動機構部3及び部分撮像領域設定部7は、前記移動可否情報に基づいて平面検出器21及びこの平面検出器21における部分撮像領域を所定方向に移動することにより部分撮像領域と被検体150との距離を短縮する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線診断装置及びX線撮影方法に係り、特に、部分読み出しが可能な平面検出器を用いてX線撮影を行なうX線診断装置及びX線撮影方法に関する。
X線診断装置やMRI装置、あるいはX線CT装置などを用いた医用画像診断は、コンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
X線診断は、近年ではカテーテル手技の発展に伴い循環器分野を中心に進歩を遂げている。循環器診断用のX線診断装置は、X線発生部とX線検出部、これらを保持する保持機構と、寝台(天板)及び信号処理部を備えている。そして、保持機構はCアームあるいはΩアームが用いられ、天板片持ち方式の寝台と組み合わせることによって受検者(以下では、被検体と呼ぶ)に対して最適な位置や角度からのX線撮影を可能にしている。
X線診断装置のX線検出部に用いられる検出器は、従来、X線フィルムやI.I.(イメージ・インテンシファイア)が使用されてきた。このI.I.を用いたX線撮影方法では、X線発生部のX線管から発生したX線によって被検体を照射し、このとき被検体を透過して得られるX線投影データ(以下では、投影データと呼ぶ)は、I.I.において光学画像に変換され、更に、この光学画像はX線TVカメラによって撮影され電気信号に変換される。そして、電気信号に変換された投影データはA/D変換後、モニタに表示される。このため、I.I.を用いた撮影方法は、フィルム方式では不可能であったリアルタイム撮影を可能とし、又、デジタル信号で投影データの収集ができるため、種々の画像処理が可能となった。
このようなI.I.を使用したX線撮影方法の一つとして、I.I.の撮像面(以下では、撮像可能領域と呼ぶ。)の略中心部に設定された撮像領域(以下では、部分撮像領域と呼ぶ。)において検出された投影データを光学画像として所定の大きさに拡大表示する方法が臨床の場で行なわれている。この場合、I.I.の前記撮像面に生成された投影データは、電子レンズによって所定の大きさに拡大されI.I.の出力面において光学画像として出力される。
しかしながら、I.I.の端部では、中央部と比較して許容できない画像歪が発生し解像度が劣化する。このため、拡大表示をする場合にはI.I.の中央部に設定された比較的狭い部分撮像領域のみを使用し、この部分撮像領域に被検体の撮影対象部位を対応させるために被検体を天板(寝台)と共に移動させる必要があった。X線撮影中における上述の被検体移動は、特に、造影剤を用いた循環器領域の検査において高い頻度で行なわれ、被検体にとって大きな負担となっていた。
一方、前記I.I.に替わるものとして、近年、微小な固体センサが2次元配列されたX線平面検出器(以下、平面検出器)が注目を集め、その一部は既に実用化の段階に入っている。この平面検出器は、I.I.の欠点であった端部の画像歪が極めて少ないため、如何なる領域を用いても拡大表示を行なうことができる。
そして、上述の平面検出器を使用した拡大表示では、X線絞り器の移動によってX線照射方向を制御し、X線検出部あるいは被検体を移動することなく被検体の撮影対象部位を更新する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−318877号公報
ところで、X線診断装置では、X線検出部において検出されるX線透過量の平均値が略一定になるようにX線管から照射されるX線量が制御されるため、被検体に照射されるX線量(X線被曝量)を低減させた状態で高感度の画像データを得るためにはX線検出部の部分撮像領域を被検体に可能な限り接近させることが望ましい。
しかしながら、被検体表面に対してX線検出部の表面が傾斜して設定される場合にはX線検出部の端部と被検体表面が干渉(接触)し、又、バイプレーンシステムによるX線撮影では、各々のX線検出部の端部が互いに干渉する場合が多い。このため、X線検出部の中心部分に設定した部分撮像領域を用いX線撮影を行なう場合には、この部分撮像領域を被検体に接近させることが困難となる。
図16は、被検体150の体軸(Y軸)に対してX線検出部21の撮像面をα度傾斜させて設定した場合を示しており、この場合、X線検出部21を被検体150に近づけることによりその端部が被検体150の体表面に接触するため、X線検出部21の中央部に設定された部分撮像領域21−Xを被検体150に接近させることが困難となる。従がって、被検体150を透過したX線は、部分撮像領域21−Xと被検体150との距離の増大に伴って減衰して部分撮像領域21−Xにて検出され、この減衰に伴う感度劣化を補償するために高X線量のX線がX線管15より被検体150に照射される。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、X線検出部に対する干渉情報に基づいてX線検出部における部分撮像領域の位置を変更することにより、被検体に対するX線被曝量を低減した状態で高感度の画像データを生成することが可能なX線診断装置及びX線撮影方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のX線診断装置は、被検体に対してX線を放射するX線管を有したX線発生手段と、前記被検体を透過したX線を検出する平面検出器を有したX線検出手段と、前記平面検出器の撮像可能領域に対して部分撮像領域を設定する部分撮像領域設定手段と、前記部分撮像領域にて検出した前記被検体の透過X線に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記平面検出器と前記被検体との干渉を検知する干渉検知手段と、この干渉検知手段による検知信号に基づいて前記部分撮像領域の移動可否の判定及び報知を行なう移動可否報知手段とを備えたことを特徴としている。
又、請求項3に係る本発明のX線診断装置は、被検体に対してX線を放射する第1のX線管及び第2のX線管を有したX線発生手段と、前記被検体を介し前記第1のX線管から放射されたX線を検出する第1の平面検出器と前記第2のX線管から放射されたX線を検出する第2の平面検出器を有したX線検出手段と、前記第1の平面検出器及び前記第2の平面検出器の各々の撮像可能領域に対して部分撮像領域を設定する部分撮像領域設定手段と、前記部分撮像領域にて検出した前記被検体の透過X線に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1の平面検出器と前記第2の平面検出器との干渉を検知する干渉検知手段と、この干渉検知手段による検知信号に基づいて前記部分撮像領域の移動可否の判定及び報知を行なう移動可否報知手段とを備えたことを特徴としている。
一方、請求項11に係る本発明のX線撮影方法は、画像データ生成手段が、被検体の周囲で移動する1つ又は複数の平面検出器における部分撮像領域にて検出された投影データに基づいて画像データを生成するステップと、干渉検知手段が、前記平面検出器と前記被検体あるいは他の平面検出器との干渉を検知するステップと、移動可否報知手段が、前記干渉検知手段による干渉検知結果に基づいて前記平面検出器の干渉部位方向に対する前記部分撮影領域の移動可否を判定するステップと、前記移動可否報知手段が、前記移動可否の情報を報知するステップと、部分撮像領域設定手段が、前記移動可否報知手段によって報知された移動可否の情報に基づいて前記部分撮像領域を前記平面検出器の干渉部位方向に移動するステップとを有することを特徴としている。
本発明によれば、X線検出部に対する干渉情報に基づいてX線検出部における部分撮像領域の位置を変更することにより、被検体に対するX線被曝量を低減した状態で高感度の画像データを生成することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の第1の実施例では、平面検出器の撮像可能領域内に所定サイズの部分撮像領域を設定して当該被検体の体軸に対し斜め方向からX線撮影を行なう際に、平面検出器の近傍に装着した干渉検知部によって平面検出器と被検体との干渉(接触)を検知する。そして、移動可否報知部は、干渉検知部から供給された検知信号に基づいて部分撮像領域と被検体との距離短縮を目的とした部分撮像領域の移動方向とこの移動方向に対する移動可否を判定し、得られた移動可否情報を報知する。
次いで、前記移動可否情報に基づいて平面検出器及びこの平面検出器における部分撮像領域を所定方向に移動することにより部分撮像領域と被検体との距離を短縮する。
(装置の構成)
本発明の第1の実施例におけるX線診断装置の構成につき図1乃至図9を用いて説明する。図1は、X線診断装置の全体構成を示すブロック図、図2は、X線診断装置に用いられるX線絞り器の構造を示す図、図3及び図4は、平面検出器及びX線検出部の構成を示す図である。
図1のX線診断装置100は、被検体150に対してX線を発生するためのX線発生部12と、被検体150を透過したX線を2次元的に検出すると共に、この検出結果に基づいて投影データを生成するX線検出部2と、X線発生部12のX線照射部1とX線検出部2(以下、これらを纏めて撮像系と呼ぶ。)を保持する図示しない保持部と、被検体150を載置する天板17と、前記撮像系及び天板17の移動とその制御を行なう移動機構部3と、X線検出部2において生成された投影データに基づいて画像データの生成と保存を行なう画像データ生成記憶部5と、この画像データ生成記憶部5において生成された画像データを表示する表示部6を備えている。
更に、X線診断装置100は、X線検出部2における部分撮像領域を設定する部分撮像領域設定部7と、X線検出部2の近傍に装着された干渉検知部8と、この干渉検知部8から出力された検知信号に基づいて部分撮像領域の移動可否あるいは移動方向の判定とその報知を行なう移動可否報知部9と、各種撮像条件の設定や各種コマンドの入力等を行なう入力部10と、X線診断装置100の上記各ユニットを統括して制御するシステム制御部11を備えている。
X線発生部12は、X線照射部1と高電圧発生部4から構成されており、X線照射部1はX線管15とX線絞り器16を備え、高電圧発生部4は、高電圧発生器42と高電圧制御部41を備えている。X線照射部1のX線管15は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子を高電圧によって加速させてタングステン陽極に衝突させX線を発生する。
一方、X線絞り器16は、撮影対象部位にのみX線を照射することによって被曝線量の低減と画質向上を行なう目的で用いられており、例えば、図2に示すようにX線管15から照射されたコーンビームをX線検出部2の撮像可能領域内に設定された部分撮像領域に照射させるための線錐制限羽根(上羽根)161と、上羽根161に連動して散乱線や漏れ線量の低減を行なうための下羽根162や焦点外X線を効果的に低減させるための図示しない焦点外X線低減羽根(円形羽根)が設けられている。又、吸収量が少ない媒質を透過したX線を選択的に低減させてハレーションを防止するための補償フィルタ163を備えている。
更に、X線絞り器16は、上述の上羽根161、下羽根162、円形羽根及び補償フィルタ163(以下、これらを纏めてX線絞り羽根160と呼ぶ。)を移動しX線照射角度βを設定するための移動機構164(移動機構164−a乃至164−c)を備えている。
次に、図1の高電圧発生部4における高電圧発生器42は、X線管15の陰極から発生する熱電子を加速するために、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させ、高電圧制御部41は、システム制御部11を介して入力部10から供給されたX線照射条件に基づいて高電圧発生器42の管電流/管電圧、照射時間、照射繰返し周期等を制御する。
又、X線検出部2は、被検体150を透過したX線を電荷に変換して蓄積する平面検出器21と、平面検出器21に蓄積された電荷を読み出すためのゲートドライバ22と、読み出された電荷からX線投影データを生成する投影データ生成部13を備えている。尚、X線検出方式には、X線を直接電荷に変換する方式と、一旦光に変換した後電荷に変換する方式があり、本実施例では前者を例に説明するが後者であっても構わない。
即ち、平面検出器21は、図3に示すように微小な検出素子51を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成されており、各々の検出素子51はX線を感知し、入射X線量に応じて電荷を生成する光電膜52と、光電膜52に発生した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサ53と、電荷蓄積コンデンサ53に蓄積された電荷を所定のタイミングで読み出すTFT(薄膜トランジスタ)54を備えている。以下では説明を簡単にするために、例えば、検出素子51が列方向(図3の上下方向)、及びライン方向(図3の左右方向)に2素子づつ配列されている場合の平面検出器21の構成について説明する。
図3に示した平面検出器21では、光電膜52−11、52−12、52−21、52−22の第1の端子と、電荷蓄積コンデンサ53−11、53−12、53−21、53−22の第1の端子とが接続され、更に、その接続点はTFT54−11、54−12、54−21、54−22のソース端子へ接続される。一方、光電膜52−11、52−12、52−21、52−22の第2の端子は、図示しないバイアス電源に接続され、電荷蓄積コンデンサ53−11、53−12、53−21、53−22の第2の端子は接地される。更に、ライン方向のTFT54−11及びTFT54−21のゲートはゲートドライバ22の出力端子22−1に共通接続され、又、TFT54−12、及びTFT54−22のゲートはゲートドライバ22の出力端子22−2に共通接続される。
又、列方向のTFT54−11及び54−12のドレイン端子は信号出力線59−1に共通接続され、TFT54−21及び54−22のドレイン端子は信号出力線59−2にそれぞれ共通接続される。そして、信号出力線59−1、59−2は投影データ生成部13に接続されている。
一方、ゲートドライバ22は、X線照射によって検出素子51の光電膜52で発生し電荷蓄積コンデンサ53にて蓄積される信号電荷を読み出すために、TFT54のゲート端子に読み出し用の駆動パルスを供給する。
図1に戻って、X線検出部2の投影データ生成部13は、平面検出器21から読み出された電荷を電圧に変換する電荷/電圧変換器23と、電荷/電圧変換器23の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器24と、平面検出器21からライン単位でパラレルに読み出されデジタル変換されたX線投影データを時系列信号に変換するパラレル/シリアル変換器25を備えている。尚、上述の電荷/電圧変換器23及びA/D変換器24は、平面検出器21における信号出力線59と等しいチャンネル数から構成されている。
次に、X線検出部2の更に詳細な構成を示した図4と平面検出器21の部分撮像領域21−Xにおける信号読み出しのタイムチャートを示した図5を用いてX線検出部2の基本動作を説明する。但し、図4では実際に信号が読み出される上述の部分撮像領域21−Xのみを示している。
図4において、平面検出器21における部分撮像領域21−Xはライン方向にM個、列方向にN個2次元配列された検出素子51から構成されている。この部分撮像領域21―Xにおいて、ライン方向に配列されたM個の検出素子51のそれぞれの駆動端子(即ち、図3に示すTFT54のゲート端子)は共通接続され、ゲートドライバ22の出力端子に接続される。例えば、ゲートドライバ22の出力端子22−1は検出素子51−11、51−21、51−31、・・・51−M1の各駆動端子に接続され、ゲートドライバ22の出力端子22−Nは検出素子51−1N、51−2N、51−3N、・・・51−MNの各駆動端子に接続される。
一方、列方向に配列されたN個の検出素子51のそれぞれの出力端子(即ち、図3に示すTFT54のドレイン端子)は信号出力線59に共通接続され、この信号出力線59は、投影データ生成部13の電荷/電圧変換器23の入力端子に接続される。例えば、検出素子51−11、51−12、51−13、・・・51−1Nの出力端子は信号出力線59−1に共通接続され、この信号出力線59−1は電荷/電圧変換器23−1に接続される。同様にして、検出素子51−M1、51−M2、51−M3、・・・51−MNの出力端子は信号出力線59−Mに共通接続され、この信号出力線59−Mは電荷/電圧変換器23−Mに接続される。
図5は、X線の照射タイミング、ゲートドライバ22の出力信号及び検出素子51の出力信号を示したものであり、システム制御部11からの制御信号に基づいて、X線照射部1は図5(a)の時間t0a乃至t0bの期間に被検体150に対してX線を照射し、検出素子51は被検体150を透過したX線を受信して、そのX線照射強度に比例した信号電荷を電荷蓄積コンデンサ53(図3参照)に蓄積する。このX線照射が終了すると、検出素子51の電荷蓄積コンデンサ53に蓄積された電荷を読み出すために、システム制御部11はゲートドライバ22にクロックパルスを供給し、ゲートドライバ22は、その出力端子22−1乃至22−Nから図5(b)乃至図5(d)に示すような駆動パルスを順次出力する。但し、図5では出力端子22−3までの駆動パルス、及び第1乃至第3ラインの出力信号のみを図示している。
TFT54のゲート端子に読み出し用の駆動パルス(ON電圧)が供給されると、TFT54が導通(ON)状態となり、電荷蓄積コンデンサ53に蓄えられた信号電荷が信号出力線59に出力される。
図5(a)の時間t0a乃至t0bの期間においてX線の照射が行われた後、ゲートドライバ22の出力端子22−1は時間t1a乃至t1bの期間においてON電圧になり(図5(b))、第1ラインの検出素子51−11、51−21,・・・,51−M1を駆動する。これにより第1ラインの検出素子51−11、・・・51−M1の電荷蓄積コンデンサ53−11、・・・53−M1に蓄積された信号電荷が信号出力線59−1乃至59−Mに出力される。信号出力線59−1乃至59−Mに出力された信号電荷は、電荷/電圧変換器23−1乃至23−Mにおいて電荷から電圧に変換され、更に、A/D変換器24−1乃至24−Mにおいてデジタル信号に変換され、パラレル/シリアル変換器25のメモリ25−1乃至25−Mに保存される。そして、システム制御部11は、メモリ25−1乃至25−Mに一旦保存した読み出しデータをシリアルに読み出して、第1ラインのX線投影データとして画像データ生成記憶部5に保存する。
同様にして、時間t2a乃至t2bの期間においてゲートドライバ22は、その出力端子22−2のみをON電圧にして(図5(c))、第2ラインの検出素子51−12、51−22、51−32,・・・,51−M2に蓄積された信号電荷を信号出力線59−1乃至59−Mに読み出す。この読み出された信号電荷は、電荷/電圧変換器23−1乃至23−MやA/D変換器24−1乃至24−Mにて同様な処理が施されパラレル/シリアル変換器25のメモリ25−1乃至25−Mに保存される。そして、システム制御部11は、メモリ25−1乃至25−Mに保存した第2ラインの読み出しデータをシリアルに読み出して、X線投影データとして画像データ生成記憶部5に保存する。
以下同様にして、ゲートドライバ22の出力端子22−3乃至22−Nが順次ON電圧になると、第3ライン乃至第Nラインに配置された検出素子51の電荷蓄積コンデンサ53に蓄積していた信号電荷を順次信号出力線59−1乃至59−Mに出力する。この信号電荷は、電荷/電圧変換器23−1やA/D変換器24−1を介してパラレル/シリアル変換器25に一旦記憶される。更に、パラレル/シリアル変換器25の記憶したデータをシリアルに読み出して、第3ライン乃至第NラインのX線投影データとして画像データ生成記憶部5に保存される。このようにして、X線管15から照射されたX線照射角度βのX線は平面検出器21の撮像可能領域内に設定された部分撮像領域21−Xにおいて検出され、このとき生成された投影データは画像データ生成記憶部5に保存される。
図1に戻って、移動機構部3は、天板17を被検体150の体軸方向(図1のY方向)及び体軸に対して垂直な方向(図1のX方向)に移動させるための天板移動機構32と、X線検出部2の平面検出器21を後述の方向に移動させるための検出器移動機構33と、X線照射部1及びX線検出部2(撮像系)が取り付けられた図示しない保持部を被検体150の周囲で回動させるための保持部移動機構34と、天板移動機構32、検出器移動機構33及び保持部移動機構34を制御する機構制御部35と、X線照射部1のX線絞り器16における移動機構164を制御する絞り移動制御部31を備えている。
そして、機構制御部35は、システム制御部11を介して入力部10から供給される制御信号に基づいて保持部を被検体150の周囲で回動させるための駆動信号を保持部移動機構34に供給し、X線照射位置及びX線照射方向の設定を行なう。又、機構制御部35は、システム制御部11からの制御信号に基づき天板移動機構32に対し駆動信号を供給して被検体150を所定位置に設定し、検出器移動機構33に対し駆動信号を供給して平面検出器21を所定位置に設定する。
一方、絞り移動制御部31は、システム制御部11からの制御信号に基づき、X線絞り器16における移動機構164に対してX線絞り羽根160を所定位置に移動するための駆動信号を供給し、平面検出器21の撮像可能領域に設定された部分撮像領域21−Xに対応したX線照射角度βを設定する。
次に、X線絞り羽根160の開度によって決定されるX線照射角度βとX線検出器21における部分撮像領域21−Xの関係につき図6を用いて説明する。尚、上述の絞り移動制御部31は、被検体150を透過したX線が後述の部分撮像領域設定部7によって設定された部分撮像領域21−Xの範囲内に照射されるようにX線照射角度βを設定する。
図6において、X線絞り羽根160のX方向開度Ax及びY方向開度Ayの各々によって設定されるX線照射角度をβx及びβy、X線照射部1のX線管15から平面検出器21の部分撮像領域21−Xまでの距離をSID(Source-Image-Distance)とすれば、部分撮像領域21−XにおけるX方向の撮像幅Lx及びY方向の撮像幅Lyは次式(1)によって示され、X線照射角度βx及びβyを設定するX線絞り羽根160のX方向開度Ax及びY方向開度Ayが絞り移動制御部31によって設定される。
Figure 2006218216
次に、画像データ生成記憶部5は、表示部6に表示するための画像データを生成する機能を有し、図示しない記憶回路と演算回路を備えている。そして、前記記憶回路には、X線検出部2における投影データ生成部13のパラレル/シリアル変換器25によってライン方向の時系列信号に変換された投影データが順次保存されて画像データが生成される。一方、前記演算回路は、生成された画像データに対し、必要に応じて輪郭強調やS/N改善等を目的とした画像処理演算を行なう。
表示部6は、画像データ生成記憶部5に保存されている画像データの表示を行なうためのものであり、画像データの表示に際しては、その付帯情報との合成と所定の表示フォーマットへの変換を行なって表示データを生成する表示データ生成回路61と、生成された表示データに対してD/A変換とTVフォーマット変換を行なって映像信号を生成する変換回路62と、この映像信号を表示するモニタ63を備えている。
一方、部分撮像領域設定部7は、予め設定された拡大表示用の部分撮像領域データに基づいて平面検出器21の撮像可能領域の略中央部にて部分撮像領域を設定し、次いで、後述の移動可否報知部9における報知情報に基づいて入力部10から入力された部分撮像領域移動コマンドに従がい前記部分撮像領域を所定位置に移動する。
又、干渉検知部8は、例えば、X線検出部2における平面検出器21の周囲に装着された複数個の接触センサ81を備え、平面検出器21の端部と被検体150の体表面との干渉(接触)を検知する。図7は、接触センサ81の装着位置の具体例を示したものであり、平面検出器21の周辺には、例えば、マイクロスイッチを有した4つの独立な接触センサ81−1乃至81−4が取り付けられ、これらの接触センサ81−1乃至81−4の各々は信号線82−1乃至82−4を介してシステム制御部11に接続されている。
そして、移動可否報知部9は、図示しない演算回路と表示パネルあるいは音声出力部(スピーカ)を備えており、干渉検知部8の接触センサ81−1乃至81−4から供給される干渉の検知信号に基づいて干渉部位あるいは干渉方向を判定し、更に、この判定結果と既に設定あるいは更新されている部分撮像領域21−Xの位置情報に基づいて部分撮像領域21−Xの前記干渉方向への移動可否を判定する。そして、得られた移動可否情報を表示パネルあるいは音声出力部によって操作者に報知する。但し、上述の移動可否情報を表示部6のモニタ63において画像データと共に表示してもよい。
次に、画像データと共に表示される移動可否情報の1例を図8を用いて示す。図8(a)は、被検体150の体軸(Y軸)に対して斜めに設定された平面検出器21を示している。そして、平面検出器21の端部に装着された接触センサ81−3が被検体150に接触した場合、移動可否報知部9は、この接触センサ81−3から供給された検知信号に基づいて部分撮像領域21−Xの移動方向(即ち干渉方向)を判定し、更に、部分撮像領域21−Xの前記移動方向への移動可否を判定する。
そして、部分撮像領域21−Xの移動が可能と判定した場合、移動可否報知部9は、その移動方向の情報をシステム制御部11を介して表示部6に供給し、表示部6の表示データ生成回路61は、このとき得られた画像データ631と部分撮像領域21−Xの移動方向を示す移動方向マーカ632を合成してモニタ63に表示する。この場合、図8(b)に示すように、部分撮像領域21−Xの移動方向に対応する画像データ631の下端部に移動方向マーカ632が表示される。
一方、図9は、部分撮像領域21−Xの移動可否を説明するための図であり、部分撮像領域21−Xの移動方向は、接触センサ81−3が装着された平面検出器21の下端部方向となる場合を示している。
図9において、図9(a)は、平面検出器21の撮像可能領域21−Yの略中心部に対して部分撮像領域21−Xが設定された場合を示しており、破線で示した位置まで部分撮像領域21−Xを移動させることが可能となるため移動可否報知部9は「移動可」の報知と移動方向の報知を行なう。一方、図9(b)は、部分撮像領域21−Xが既に撮像可能領域21−Yの下端部に位置した状態にある場合を示しており、更に下方に移動させることは不可能となるため移動可否報知部9は「移動不可」の報知を行なう。但し、既に述べたように、部分撮像領域21−Xは、通常、撮像可能領域21−Yの略中央部に初期設定されるため最初の端部への移動は可能となる。
次に、入力部10は、キーボード、トラックボール、ジョイスティック、マウスなどの入力デバイスや表示パネル、あるいは各種スイッチ等を備えたインタラクティブなインターフェースであり、被検体情報の入力、X線照射条件の設定、撮像系位置の設定、平面検出器21における部分撮像領域21−Xの初期位置の設定、通常表示モード/拡大表示モードの選択、更には、部分撮像領域移動コマンドや撮影開始コマンド等の入力を行なう。
又、システム制御部11は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部10から供給された被検体情報、X線照射条件、撮像系位置、部分撮像領域の初期位置等の情報を前記記憶回路に一旦保存した後、これらの情報に基づきX線撮影を行なうための制御を統括的に行なう。尚、前記記憶回路には拡大表示における部分撮像領域のサイズ情報等が予め保管されている。
(X線撮影の手順)
次に、図10に示すフローチャートに沿って本実施例におけるX線撮影の手順について説明する。尚、以下の手順の説明では、部分撮像領域21−Xによって得られた投影データに基づいて生成された画像データを拡大表示する場合について述べるが、これに限定されない。
X線診断装置100の操作者は、先ず、入力部10において被検体情報の入力と拡大表示モードの選択を行ない、更に、拡大表示モードにおけるX線照射条件の設定や撮像系のX線管―平面検出器間距離(SID)の初期設定等を行なう(図10のステップS1)。
そして、上述の初期設定が終了したならば、操作者は、入力部10においてX線撮影を開始するためのコマンドを入力し(図10のステップS2)、このコマンド信号がシステム制御部11に供給されることによってX線撮影が開始される。
このとき、撮影開始コマンド信号を受信したシステム制御部11は、予め自己の記憶回路に保管されていた拡大表示における部分撮像領域の位置情報を読み出して部分撮像領域設定部7に供給し、部分撮像領域設定部7は、供給された部分撮像領域の位置情報に基づいて平面検出器21における撮像可能領域の略中心部に部分撮像領域21−Xを設定する。
一方、システム制御部11は、上述の部分撮像領域の位置情報とX線管―平面検出器間距離(SID)の情報を絞り移動制御部31に供給し、絞り移動制御部31は、部分撮像領域21−Xの範囲内にX線を絞りこむためにシステム制御部11から供給された上述の情報に基づいてX線絞り器16の移動機構164を駆動しX線絞り羽根160を所定開度に設定する(図6参照)。
次いで、システム制御部11は、拡大表示におけるX線照射条件をX線発生部12の高電圧制御部41に供給する。そして、高電圧制御部41は、供給されたX線照射条件に基づき高電圧発生器42を制御して所定の高電圧をX線照射部1のX線管15に印加し、X線管15は、X線絞り器16を介し被検体150に対してX線を照射する。この場合のX線照射角度は、既に図6に示したようにX線絞り器16におけるX線絞り羽根160のX方向開度Ax及びY方向開度Ayに依存し、X方向にβx、Y方向にβyに設定される。そして、被検体150を透過したX線は、その後方に設けられた平面検出器21の部分撮像領域21−Xにおいて検出される。
平面検出器21の部分撮像領域21−Xは、図4に示したようにライン方向と列方向に2次元配列された検出素子51から構成されており、被検体150を透過したX線を受信してそのX線透過量に比例した信号電荷を検出素子51の電荷蓄積コンデンサ53に蓄積する。X線照射が終了すると、システム制御部11からクロックパルスが供給されたゲートドライバ22は、前記部分撮像領域21−Xに対して駆動パルスを供給し検出素子51の電荷蓄積コンデンサ53に蓄積されたライン方向の信号電荷を列方向に順次読み出す。
次に、読み出された信号電荷は、投影データ生成部13における電荷/電圧変換器23において電圧に変換され、更に、A/D変換器24においてデジタル信号に変換された後パラレル/シリアル変換器25のメモリにおいて1ライン分の投影データとして一旦保存される。そして、システム制御部11は、保存された投影データをライン単位でシリアルに順次読み出して画像データ生成記憶部5の記憶回路に保存し、被検体撮影部位に対する2次元の画像データを生成する。
一方、画像データ生成記憶部5の演算回路は、必要に応じて前記記憶回路に保存された2次元の画像データを読み出し、輪郭強調やS/N改善を目的とした画像処理演算を行なう。そして、処理後の画像データを前記記憶回路に再度保存する。
次に、表示部6の表示データ生成回路61は、画像データ生成記憶部5の記憶回路に保存された画像データを読み出し、所定の拡大表示フォーマットに変換して表示データを生成する。そして、変換回路62は、この表示データに対してD/A変換とTVフォーマット変換を行なって映像信号を生成し、モニタ63に表示する(図10のステップS3)。
次いで、操作者は、上述の画像データの観測下にて、保持部を所定方向に回動/移動させるための指示信号を入力部10にて入力し、システム制御部11を介して回動/移動指示信号を受信した移動機構部3の機構制御部35は、保持部移動機構34に対し駆動信号を供給して保持部を被検体150の周囲で回動/移動させる。このとき保持部に取りつけられた撮像系(X線照射部1及びX線検出部2)は保持部と共に回動/移動し所望の撮影位置に設定される。更に、この撮影位置において、X線管―平面検出器間距離(SID)を縮小するための調整が行なわれる(図10のステップS4)。
以下では、X線検出部2の平面検出器21とX線照射部1のX線管15及びX線絞り器16を被検体150の体軸に垂直な軸(X軸)の周囲で回動して所望の撮影角度を設定する場合について述べるが、これに限定されるものではなく任意の方向に回動してもよい。
図11は、平面検出器21の移動方法を示したものであり、この図11において、平面検出器21とX線管15及びX線絞り器16の絞り羽根160は、X軸を中心として回動し所望の撮影位置(角度)αを設定する。次いで、X線管―平面検出器間距離(SID)を短縮するために平面検出器21をX線管15の方向(ZZ方向)に移動する。尚、図11において、ZZ方向への移動前及び移動後の平面検出器21及び部分撮像領域21−Xを夫々S1及びS2で示している。
このとき、平面検出器21の端部に設けられた干渉検知部8の接触センサ81−3が被検体150の体表面に接触したならば検知信号を発生し、この検知信号はシステム制御部11に供給される(図10のステップS5)。
一方、この検知信号を受信したシステム制御部11は、平面検出器21のX線管方向への移動を一旦停止する。そして、システム制御部11を介して前記検知信号を受信した移動可否報知部9は、被検体150の体表面に接触した接触センサ81−3の位置情報から部分撮像領域21−Xの移動方向を判定し、更に、平面検出器21の撮像可能領域の大きさと中心座標及びこの撮像可能領域に設定されている部分撮像領域21−Xの大きさと中心座標に基づいて部分撮像領域21−Xの前記移動方向に対する移動可否を判定する(図10のステップS6)。
次に、移動可否報知部9は、上述のステップ6における判定によって得られた移動可否情報をシステム制御部11を介して表示部6に供給し、表示部6のモニタ63において画像データと共に表示され(図8参照)、操作者に報知される(図10のステップS7)。尚、上述の部分撮像領域21−Xに関する移動可否情報は、移動可否報知部9が備えた表示パネルあるいは音声出力部(スピーカ)に出力し操作者に報知してもよい。
表示部6のモニタ63あるいは移動可否報知部9の表示パネルや音声出力部において部分撮像領域21−Xの移動が可能である旨が報知された場合、この移動可否情報を観測した操作者は、入力部10において部分撮像領域21−Xを所定方向(干渉方向)に移動するためのコマンド信号を入力する。
そして、システム制御部11を介してこのコマンド信号を受信した部分撮像領域設定部7は、平面検出器21における部分撮像領域21−Xの位置を接触センサ81−3が装着されている方向(即ち、干渉方向)に移動し、更に、システム制御部11を介して部分撮像領域21−Xの移動情報を受信した機構制御部35は、検出器移動機構33を制御し平面検出器21を前記部分撮像領域の移動方向と反対の方向に移動する(図10のステップS8)。そして、新たに設定された部分撮像領域21−Xを用いてX線撮影が行なわれる(図10のステップS9)。
図12は、平面検出器21とこの平面検出器21における部分撮像領域21−Xの移動方法を示したものであり、例えば、部分撮像領域21−Xを中央部に有した平面検出器21が被検体150の点Aで干渉(接触)した場合、部分撮像領域21−Xは、平面検出器21の撮像可能領域内で接触センサ81−3の方向(YY方向)にΔYY(図示せず)だけ移動し、一方、平面検出器21は、同一平面上を反対方向(−YY方向)にΔYY(図示せず)だけ移動する。
次いで、平面検出器21の端部に装着された接触センサ81−3が被検体150の体表面に干渉するまで平面検出器21をX線管15の方向(ZZ方向)にΔZZだけ移動する。この場合、部分撮像領域21−XのYY方向への移動距離ΔYYと平面検出器21の−YY方向への移動距離ΔYYは略等しく設定されるため移動後の部分撮像領域21−Xの中心は常にX線管15から照射されるX線ビームの中心軸上(ZZ軸上)に設定され、しかも、上述の部分撮像領域21−X及び平面検出器21のZZ方向への移動により部分撮像領域21−Xを被検体150に対してΔZZだけ接近させることが可能となる。尚、図12では、図11の場合と同様にして移動前及び移動後の平面検出器21及び部分撮像領域21−Xを夫々S1及びS2で示している。
一方、上述のステップ7において、移動可否報知部9が部分撮像領域21−Xの移動が不可である旨を報知した場合には、部分撮像領域21−Xを移動させることなくX線撮影を続行する(図10のステップS10)。
以上述べた本発明の第1の実施例によれば、平面検出器の撮像可能領域に設定された部分撮像領域を用いてX線撮影を行なう際に、平面検出器と被検体との干渉情報に基づいて前記部分撮像領域を撮影可能領域内で移動することにより、被検体と平面検出器との距離が短縮されるためX線撮影における感度が向上する。
又、本実施例における被検体と平面検出器との距離短縮により、被検体に対するX線被曝量を低減した状態で高感度の画像データを生成することが可能となる。
尚、上述の第1の実施例における干渉検知部8は、マイクロスイッチ等を用いた接触センサ81を備えている場合について述べたが、非接触センサを用いても構わない。例えば、被検体150との間の静電容量の変化から干渉距離を検知する方法が好適である。このような非接触センサを用いることにより、平面検出器21が被検体150に接触する直前でその移動を停止することができるため、被検体150に不快感を与えることがなく、高い安全性を確保することができる。
又、上述の実施例では、実際の被検体150の体表面に対する平面検出器21の干渉の有無を検知する場合について述べたが、例えば、システム制御部11の記憶回路に被検体150を半円柱で近似した被検体干渉モデルの位置情報を予め保管し、平面検出器21の端部あるいは周辺部の位置情報と前記被検体干渉モデルの位置情報を比較することによって干渉の有無を検知してもよい。
次に、本発明の第2の実施例につき図13及び図14を用いて説明する。この第2の実施例では、2つの撮像系を有したバイプレーンシステムを用いて複数方向からX線撮影を行なう際に、各々の撮像系における平面検出器に設定した部分撮像領域を用いてX線撮影を行なうと共に、上記平面検出器の少なくとも何れかの近傍に装着した干渉検知部によって平面検出器間の干渉(接触)を検知する。そして、移動可否報知部は、干渉検知部から得られた検知信号に基づいて部分撮像領域と被検体との距離短縮を目的とした部分撮像領域の移動方向とこの移動方向に対する移動可否を判定し、得られた移動可否情報を報知する。
次いで、前記移動可否情報に基づいて平面検出器における部分撮像領域を所定方向に移動することにより部分撮像領域と被検体との距離を短縮する。尚、本実施例において使用される2つの撮像系とこれらの撮像系を用いて画像データの生成及び表示を行なうための各ユニットの構成は上述の第1の実施例の場合と同様であるため説明を省略する。
図13は、本実施例における平面検出器の設定方法を説明するための図であり、このバイプレーンシステムでは、平面検出器21aとX線管15aを備えた第1の撮像系と平面検出器21bとX線管15bを備えた第2の撮像系を用い、被検体150の斜線部で示した撮影対象部位に対してX線撮影を行なう。この場合、平面検出器21aの中心部には部分撮像領域21−Xaが、又、平面検出器21bの中心部には部分撮像領域21−Xbが夫々設定され、これらの部分撮像領域にて得られた投影データに基づいて拡大表示用画像データの生成と表示が行なわれる。
このようなバイプレーンシステムを用いたX線撮影では、X線管15a及び15bから放射されるX線ビームの交差領域に被検体150の撮影対象部位を配置しなくてはならない。しかしながら、部分撮像領域21−Xa及び21−Xbが平面検出器21a及び21bの中央部に設定された従来の撮影方法では、図13(a)に示すように前記撮影対象部位を平面検出器21a及び21bに接近させた場合X線ビームの交差領域に配置することが不可能となるため図13(b)のように所定の距離を確保しなくてはならない。そして、この距離増大に伴なう検出感度の劣化を補償するために高X線量のX線をX線管15a及び15bから放射されるため被検体150に対するX線被曝量が増大する。
図14は、上述の問題点を改善した本実施例における部分撮影領域の移動方法を示したものであり、図14(a)に示すように、バイプレーンシステムにおける平面検出器21a及び21bの少なくとも何れかの端部に接触センサあるいは非接触センサを有した干渉検知部8aを備えている。そして、夫々の撮像系によって得られる画像データの観察下にて被検体150の撮影対象部位が表示されるように平面検出器21a及び21bを互いに接近させる。
このとき、平面検出器21aの端部と平面検出器21bの端部が干渉(接触)したならば平面検出器21aの端部に設けられた干渉検知部8aは検知信号を発生してシステム制御部11に供給し、システム制御部11は、移動機構部3を制御して平面検出器21a及び21bの移動(接近)を停止する。そして、システム制御部11を介して前記検知信号を受信した移動可否報知部9は、平面検出器21a及び21bの撮像可能領域の大きさと中心座標及びこの撮像可能領域に設定されている部分撮像領域21−Xa及び21−Xbの大きさと中心座標に基づいて部分撮像領域21−Xa及び21−Xbの干渉方向への移動の可否を判定する。
次に、移動可否報知部9は、この移動可否情報を表示部6のモニタ63あるいは自己の表示パネルや音声出力部を用いて操作者に報知さする。そして、部分撮像領域21−Xa及び21−Xbの移動が可能である旨が報知された場合、操作者は、入力部10において部分撮像領域21−Xa及び21−Xbを干渉方向に移動するためのコマンド信号を入力する。
システム制御部11を介して前記コマンド信号を受信した部分撮像領域設定部7は、平面検出器21aの部分撮像領域21−Xa及び平面検出器21bの部分撮像領域21−Xbを干渉方向に移動する(図14(b)参照)。次いで、操作者は、この状態で生成された画像データを表示部6のモニタ63において観察し、被検体150の撮影対象部位の位置が適当でない場合(即ち、撮影対象部位がX線ビームの交差領域の中央部に設定されていない場合)には2つの撮像系あるいは被検体150を載置した天板17を図の垂直方向(Z方向)に移動して好適な距離に調整する。そして、新たに設定された部分撮像領域21−Xa及び21−Xbを用いてX線撮影が行なわれる。
以上述べた本発明の第2の実施例によれば、バイプレーンシステムにおける2つの平面検出器の各々に設定した部分撮像領域を用いてX線撮影を行なう際に、平面検出器間の干渉情報に基づいて前記部分撮像領域を移動することにより、被検体を平面検出器に接近させることが可能となるためX線撮影における感度が向上する。
又、本実施例における被検体と平面検出器との距離短縮により、被検体に対するX線被曝量を低減した状態で高感度の画像データを生成することが可能となる。
尚、上述の第2の実施例では、平面検出器21−Xaと平面検出器21−Xbの干渉を接触センサあるいは非接触センサによって検出する場合について述べたが、干渉検知部8aは、2つの平面検出器の位置情報を常時計測し、この位置情報に基づいて干渉の有無を検知してもよい。
又、上述の第2の実施例では、平面検出器21a及び21bにおける部分撮像領域21−Xa及び21−Xbの両方を干渉方向に移動させる場合について述べたが、何れか一方のみを移動させてもよい。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく変形して実施することが可能である。例えば、上述の第1の実施例及び第2の実施例では平面検出器21のみを移動する場合について述べたが、例えば、図15に示すように平面検出器21とX線管15及びX線絞り器16を一体化して移動させてもよい。このような移動方法を行なうことにより、X線管15から放射されたX線は図示しないグリッドに対し常に並行に入射するためX線感度を劣化させることがない。
又、上記実施例では画像データ観察下にて撮像系あるいは平面検出器21を移動する場合について述べたが、これに限定されるものではない。又、平面検出器21は単独で移動してもよいがX線検出部2の他のユニットと共に移動してもよい。
更に、部分撮像領域21−Xの設定を行なう部分撮像領域設定部7を入力部10とは独立に備えた場合について述べたが、入力部10が上述の機能を兼ね備えても構わない。
一方、移動可否の報知方法として移動方向マーカを画像データと共に表示する方法について述べたが、移動可否情報の文言等を表示する方法であってもよい。
本発明の第1の実施例におけるX線診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例におけるX線絞り器の構造を示す図。 同実施例における平面検出器の構成を示す図。 同実施例におけるX線検出部の構成を示すブロック図。 同実施例の平面検出器における信号読み出しを示すタイムチャート。 同実施例におけるX線絞り羽根の開度と部分撮像領域の関係を示す図。 同実施例における接触センサの装着位置を示す図。 同実施例における移動可否情報の表示例を示す図。 同実施例における部分撮像領域の移動可否を説明するための図。 同実施例におけるX線撮影の手順を示すフローチャート。 同実施例における平面検出器の移動方法を示す図。 同実施例における平面検出器と部分撮像領域の移動方法を示す図。 本発明の第2の実施例における平面検出器の設定方法を説明するための図。 同実施例における部分撮像領域の移動方法とその効果を説明するための図。 本発明の第1の実施例及び第2の実施例の変形例における平面検出器の移動方法を説明するための図。 従来法における問題点を説明するための図。
符号の説明
1…X線照射部
2…X線検出部
3…移動機構部
4…高電圧発生部
5…画像データ生成記憶部
6…表示部
7…部分撮像領域設定部
8…干渉検知部
9…移動可否報知部
10…入力部
11…システム制御部
12…X線発生部
13…投影データ生成部
15…X線管
16…X線絞り器
17…天板
21…平面検出器
22…ゲートドライバ
23…電荷/電圧変換器
24…A/D変換器
25…パラレル/シリアル変換器
31…絞り移動制御部
32…天板移動機構
33…検出器移動機構
34…保持部移動機構
35…機構制御部
41…高電圧制御部
42…高電圧発生器
61…表示データ生成回路
62…変換回路
63…モニタ
100…X線診断装置

Claims (11)

  1. 被検体に対してX線を放射するX線管を有したX線発生手段と、
    前記被検体を透過したX線を検出する平面検出器を有したX線検出手段と、
    前記平面検出器の撮像可能領域に対して部分撮像領域を設定する部分撮像領域設定手段と、
    前記部分撮像領域にて検出した前記被検体の透過X線に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記平面検出器と前記被検体との干渉を検知する干渉検知手段と、
    この干渉検知手段による検知信号に基づいて前記部分撮像領域の移動可否の判定及び報知を行なう移動可否報知手段とを
    備えたことを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記平面検出器を移動する検出器移動手段を備え、前記移動可否報知手段によって報知された前記部分撮像領域の移動可否情報に基づいて、前記部分撮像領域設定手段は、前記部分撮像領域を前記撮像可能領域内の所定方向に移動し、前記検出器移動手段は、前記平面検出器を前記部分撮像領域の移動方向に対して反対方向に移動することを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 被検体に対してX線を放射する第1のX線管及び第2のX線管を有したX線発生手段と、
    前記被検体を介し前記第1のX線管から放射されたX線を検出する第1の平面検出器と前記第2のX線管から放射されたX線を検出する第2の平面検出器を有したX線検出手段と、
    前記第1の平面検出器及び前記第2の平面検出器の各々の撮像可能領域に対して部分撮像領域を設定する部分撮像領域設定手段と、
    前記部分撮像領域にて検出した前記被検体の透過X線に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記第1の平面検出器と前記第2の平面検出器との干渉を検知する干渉検知手段と、
    この干渉検知手段による検知信号に基づいて前記部分撮像領域の移動可否の判定及び報知を行なう移動可否報知手段とを
    備えたことを特徴とするX線診断装置。
  4. 前記部分撮像領域設定手段は、前記移動可否報知手段によって報知された前記部分撮像領域の移動可否情報に基づいて、前記部分撮像領域を前記撮像可能領域内の所定方向に移動することを特徴とする請求項3記載のX線診断装置。
  5. 前記部分撮像領域設定手段は、前記部分撮像領域を前記平面検出器の干渉部位方向に移動することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載したX線診断装置。
  6. 前記移動可否報知手段は、前記移動可否の情報を前記画像データ生成手段が生成した画像データと共に表示することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載したX線診断装置。
  7. 前記移動可否報知手段は音声出力手段を備え、前記移動可否の情報を音声によって報知することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載したX線診断装置。
  8. 前記干渉検知手段は、前記平面検出器の周囲に備えられた接触センサあるいは非接触センサにより前記干渉を検知することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載したX線診断装置。
  9. 前記干渉検知手段は、前記平面検出器の位置情報と予め設定された被検体干渉モデルの位置情報に基づいて前記干渉を検知することを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  10. 前記X線発生手段は、前記X線管が放射したX線を前記部分撮像領域に絞りこむX線絞り手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載したX線診断装置。
  11. 画像データ生成手段が、被検体の周囲で移動する1つ又は複数の平面検出器における部分撮像領域にて検出された投影データに基づいて画像データを生成するステップと、
    干渉検知手段が、前記平面検出器と前記被検体あるいは他の平面検出器との干渉を検知するステップと、
    移動可否報知手段が、前記干渉検知手段による干渉検知結果に基づいて前記平面検出器の干渉部位方向に対する前記部分撮影領域の移動可否を判定するステップと、
    前記移動可否報知手段が、前記移動可否の情報を報知するステップと、
    部分撮像領域設定手段が、前記移動可否報知手段によって報知された移動可否の情報に基づいて前記部分撮像領域を前記平面検出器の干渉部位方向に移動するステップとを
    有することを特徴とするX線撮影方法。
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