JP4771447B2 - 蒸散器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸散性薬剤を含浸した薬剤担持体に空気を通過させることにより薬剤を蒸散するようにした蒸散器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の蒸散器は広く知られており、例えば実開平2−116452号全文明細書に示されたものがある。この従来のものは、中心部を中空にした円筒容器を円方向に隔壁にて数分割し、これの1つおきの区割の内側面と外側面に通風孔を設けると共に、それぞれに異なる薬剤を含浸させた粒状の薬剤担持体を入れ、この円筒容器を、この円筒容器の内径と外径のそれぞれに密着する構成の2重円筒構成になっており、かつ、内外の両筒に、内外とも1ケ所だけに上記円筒容器の1つの区割の通気孔の幅に合った通風口を設けた外部容器内にセットし、円筒容器を回転して、これの1つの区割を外部容器の通風口の位置に合わせることにより、外部容器の内筒の内側より供給される空気が円筒容器の区割内を通って外方へ吹き出され、これにより、上記円筒容器の区割内に収納した薬剤担持体から薬剤が蒸散されて外方へ拡散されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の蒸散器にあっては、薬剤担持体を収納した円筒容器の内側から外方へ向けて空気を供給して、薬剤担持体間を通過した後に外部へ放出されるようになっているため、外部容器の内側から送風する空気は上記薬剤担持体間を通る間にこれの勢いが弱められてしまい、内部容器の外方へ放散される空気の勢いは弱く、蒸散薬剤を含有した空気の到達距離が短くならざるを得ず、これを補うためには外部容器に備えるファンの送風量を増やさなければならず、これは装置の大型化を招くという問題がある。
【0004】
一方上記した従来の蒸散器にあっては、円筒容器を回転することにより、蒸散薬剤の種類を変えることができる反面、各区割に収納される薬剤担持体の量は決められているため、適用空間、使用有効期間等の仕様諸元が限定されたものになってしまい、これらの仕様諸元が異なる状態で使用することができなかった。
【0005】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、送風機の大きさに対して、この送風機よりの風にて蒸散される薬剤の拡散到達距離を大きくすることができ、また、適用空間及び使用有効期間等の仕様諸元を必要に応じて任意に変えることができるようにした蒸散器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る蒸散器は、通気性を有する内壁と外壁にて中空の2重円筒状に形成され、上端を中央部に上記中空部に開口する開口筒を有する天板にて閉じ、下端を底板にて閉じてなり、内壁と外壁との間に薬剤を含浸させた薬剤担持体を容器内で通気性を有する状態で充填してなる薬剤容器と、一端部に吸込筒を有し、他端部に通風孔を有する筒体内に上記吸込筒から吸い込んだ空気を通風孔から放出するようにしたファンを設けたファン装置とからなり、薬剤容器の開口筒にファン装置の吸入筒を係脱可能に嵌め合して接続してなる構成になっている。
そしてこの蒸散器において、薬剤容器の外壁の上端部を部分的に非通気性にした。
【0007】
また、本発明に係る蒸散器は、通気性を有する内壁と外壁にて中空の2重円筒状に形成され、上端を中央部に上記中空部に開口する開口筒を有する天板にて閉じ、下端を中央部に上記天板を設けた開口筒に係脱可能に嵌合する開口筒を有する底板にて閉じてなり、それぞれの内壁と外壁との間に薬剤を含浸させた薬剤担持体を容器内で通気性を有する状態で充填してなる複数の薬剤容器を、底板側の開口筒に天板側の開口筒を嵌合することにより順次連結し、連結方向一端側に位置する薬剤容器の天板側の開口筒に、一端部に吸込筒を有し、他端部に通風孔を有する筒体内に、上記吸込筒から吸い込んだ空気を通風孔から放出するようにしたファンを設けたファン装置の吸込筒を係脱可能に嵌合して接続し、連結方向他端側に位置する薬剤容器の底板側の開口筒を閉じてなる構成になっている。
そして上記各蒸散器において、薬剤容器を構成する内壁と外壁の通気性の開口率を30〜90%にし、さらにこれらの連結部にスポンジ、ゴム、0リング等のパッキン材を介装させた。
【0008】
【作 用】
ファン装置の吸引空気により薬剤容器内の薬剤蒸気が吸引され、この薬剤蒸気はファン装置のファンにて直接ファン装置の外部へ吹き出されていく。このとき、薬剤容器内の薬剤担持体を充填した薬剤容器の上端部に、薬剤担持体が押しつまって隙間があいても、薬剤容器のファン装置側端部の外周を非通気性にしたことにより、この空間内へ外側から空気が吸入されることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1、図2は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図中1はファン装置、2はこのファン装置1に対して係脱可能に結合できるようにした薬剤容器である。
【0010】
ファン装置1は一端を開放した円筒体3と、この円筒体3の開放側を係脱可能に閉じる蓋体3aとからなる枠体内にファン4、モータ5及び電池6等の送風のための必要部材が収納してある。円筒体3の底板には円筒状の吸込筒7が設けてある。そしてこの吸込筒7より、円筒体3の開口部にわたって拡開状にしたダクト8が設けてあり、このダクト8内にファン4がモータ5の駆動軸に連結して配置されている。このファン装置1はファン4がモータ5にて回転することにより吸込筒7より空気を吸い込むようにした構造になっている。
【0011】
蓋体3aには多数の通風孔9が設けてある。なお上記モータ5はこの蓋体3aの中心部に取り付けてあり、また電池6は上記ダクト8より外側に配置され、蓋体3aを閉じることにより係合保持されるようになっているが、これらの配置及び係合は図示の状態に限るものではなく、設計上任意にとることができる。
【0012】
薬剤容器2は2重円筒状になっており、これの上端側は、中央部に上記ファン装置1の吸込筒7に係脱可能に嵌合する開口筒10を有する天板11にて閉じられている。また、下端は底板12にて係脱可能に閉じられている。そしてこれの内壁13と外壁14には多数の通風孔15が設けてあり、この内側に薬剤を含浸させた薬剤担持体16が収納されている。ファン装置1の底板と薬剤容器2の天板11との間に気密具としてのスポンジまたはゴム等のパッキン17が介装してある。
【0013】
図3は上記第1の実施の形態の変形例を示すもので、ファン装置1と薬剤容器2との結合が、それぞれの吸込筒7と開口筒10の間に0リング18を介装して係合されている。そしてこの例では、薬剤容器2の外壁14の上端部の幅wにわたって盲状になっていて、この部分の通気性がないようにしてある。この部分は外周に非通気性のテープを巻いた構成にしてもよい。
【0014】
このように、あらかじめ薬剤容器2の通気性部分の側面の上端部に通気性のない部分を施しておくことにより、使用中に薬剤容器2の上端部に隙間が生じても、薬剤担持体16のない部分を通過する気流が生じることがなくなり、無駄な気流の発生を防止することができる。この通気性のない部分の幅wは2〜20mmであればその目的を十分に達成することができる。
【0015】
図4は本発明の第2の実施の形態を示すもので、薬剤容器2は複数の容器2a,2b,2c…にて構成されている。この各容器2a,2b,2cは同一構成となっていて、ファン装置1に対して直列状に任意の数にわたって連結できるようになっている。
【0016】
容器2a,2b,2cはそれぞれ通気性を含む内壁13aと外壁14aの2重構造になっていて、天板11aには上記ファン装置1の吸込筒7に係脱可能に嵌合する開口筒10aがまた底板12aには上側の開口筒10aに係脱可能に嵌合する開口筒20が設けてあり、それぞれの内部に粒状の薬剤担持体16が充填されている。21は最下端に位置する容器2cの開口筒20を閉じる蓋である。
【0017】
上記薬剤担持体16に含浸する薬剤としては、害虫防除剤、消臭剤、香料、防菌・防カビ剤等で、いずれも風を当てることにより蒸散性を有しているものである。そしてこれらには、例えば以下のようなものが例示できる。
【0018】
(害虫防除剤)
ピレスロイド系殺虫剤:アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−プラレトリン、レスメトリン、dl・d−T80−レスメトリン、エンペントリン、テラレスリン、トランスフルスリン、フラメトリン、フェノトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フェンフルスリン等
【0019】
このほかに、害虫成長制御剤としてピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルプ等が、また、害虫忌避剤としてディート、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、p−ジクロルベンゼン、カプリン酸ジエチルアミド、カンファー等が、さらに、機能性天然精油に、アニス油、オレンジ油、カシア油、グレープフルーツ油、シソ油、クローブ油、シトロネラ油、シナモン油、ハッカ油、ヒバ油、ヒノキ油、ペパーミント油、ユーカリ油、レモングラス油、ゼラニウム油、フェンネル油等である。
【0020】
(消臭剤)
シトロネラ油、レモングラス油、ボルニルアセテート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸エチル等。
【0021】
(香料)
動物性、植物性の天然香料、或いは炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類等の人工香料。
【0022】
(防菌防黴剤)
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、フェノール、チモール、o−フェニルフェノール、ヒノキチアゾール等。
【0023】
また、上記薬剤を担持する薬剤担持体16の材質は、これらの薬剤を担持できるものであれば何でもよい。例としてセルロース質(パルプ)、無機鉱物(ゼオライト等)、樹脂等が挙げられる。
【0024】
そして上記薬剤担持体16の形状は、薬剤容器2の通風孔15から抜け落ちず、かつ通気性を確保できるものであれば何ら問わない。例えば、糸状、繊維状、シート状物を折りたたんだもの、粒状、ペレット状等が挙げられる。そして粒状であれば直径2〜15mmが好ましく、より好ましくは3〜10mmである。2mmより小さいと通風孔15より抜け落ちてしまうおそれがあるほか、細密充填された場合に通気性が悪くなる。15mmより大きいと、薬剤容器2への充填効率が悪くなるばかりか、比表面積が小さくなり、薬剤蒸散の効率が悪くなる。
【0025】
一方、上記薬剤担持体16を収納する薬剤容器2の大きさは、本発明の特性である蒸散効率の高さを生かし、コンパクトな機器を提供するという目的から、外径が5〜20cm、内径が2〜18cm、高さが2〜40cmの大きさが適当である。なお、上記した第3の実施の形態では、この高さの範囲内で複数に分割した大きさの容器2a,2b,2c…を用いる。
【0026】
また、薬剤容器2の内壁表面積(ファン吸引側)の外壁表面積(外気導入側)に対する割合は、、25〜95%が好ましく、より好ましくは35〜85%である。これが25%以下であると外気導入に対してファン吸引の抵抗が大きすぎて効率的ではない。また95%以上であると、内径が大きくなり、薬剤容器2の全体に対して薬剤担持体16を収納する容積が小さくなり、効率的ではない。
【0027】
さらに、薬剤容器2の外径Dと、高さHの比は、D:H=3:1〜1:3の範囲であることが望ましい。これを大きく外れると、各部位における通気量のばらつきが大きくなりすぎ、結果として効率的な薬剤の蒸散が行われなくなる。
【0028】
薬剤容器2の構成材料としては、通気性を有する部分には金属、合成樹脂、紙・布等、種類は問わないが、経済性、成形の容易さ等から合成樹脂が好ましく、中でも内容物に対する耐薬品性等の点から、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が好ましい。また、通風孔15の形状としては、網状、格子状、各種模様抜き等が例示できる。
【0029】
そして、通気性を有する部分の開口率(面積)は30〜90%が好ましく、より好ましくは40〜80%である。90%を超えると中空体自体の強度が保てなかったり、異物が入り込んだりする恐れがあるほか、内容物がこぼれ出てしまう。また、開口率が30%より低いと通気の障害となりエネルギーのロスとなるばかりか、薬剤容器2の重量も増し、経済的でない。
【0030】
ファン装置1の電源としては、上記各実施の形態では電池6を用いた例を示したが、これはAC、DCの電源等、モータ5を駆動できる電源であれば何ら問わない。本発明の特性である蒸散効率の高さを生かすという点では、アルカリ及びマンガン乾電池の他に、ニッカド、リチウム、水素充電池、太陽電池等を用いたDC電源が好ましい。
【0031】
またこの装置のファン4としては、送風機能を有するものなら何ら問わない。
例として、シロッコファン、プロペラ(軸流)ファン等が挙げられる。また、上述の電源およびファンにあわせモータの選択は任意であるが、本発明の特性である蒸散効率の高さを生かすという点では電源、ファン、モータを組み合わせ駆動した場合の消費電流は5〜300mA程度が好ましい。5mA以下では送風能力が弱すぎ、300mA以上では電源の消耗が激しく、乾電池の場合寿命が短すぎる。また、駆動時の送風量はその用途にもよるが、10〜500L/分が効率的である。
【0032】
上記構成において、モータ5にてファン4を駆動することにより、底板12、蓋21にて閉じられた薬剤容器2の内壁13の内側の空気がファン装置1側へ吸引され、これの蓋体4より外方へ放出される。このときの薬剤容器2からの吸引空気は薬剤容器本体2の外壁14の外側から吸引され、この間に薬剤容器2内に収納した薬剤担持体16に含浸された薬剤が蒸散してこの空気と共にファン装置1より放出拡散される。
【0033】
(実施例1)
図1、図2にて示した第1の実施の形態の蒸散器において、薬剤容器2の内壁13の径を40mm、外壁14の径を80mm、高さを80mmに、さらに吸込筒7の内径を30mmにすると共に、両壁13,14を目開き2mmの金網にて構成し、この容器内に蒸散可能な香料を含浸させた粒状の薬剤担持体16を充填した。またファン装置1との連結部(吸込口7)の内径を30mmにした。ファン装置1のファン4は直径30mm、その風量は毎分50リットルのものを使用した。そしてこれをファン付き芳香器として33m2(10坪)の部屋で4ケ月間稼動させた。
【0034】
その結果、小型のファンであるにもかかわらず、香料は部屋全体にいきわたり適度な芳香が3ヶ月間以上にわたって持続し、33m2という大きな空間に加え小型のファンであっても芳香蒸散器としてその機能を発揮させることができた。
【0035】
(実施例2)
この実施例2では、図3に示した構成、すなわち、ファン装置1と薬剤容器2との連結部を、吸込筒7と開口筒10とこの間に0リング18を介在させて嵌合、また薬剤容器2の外壁14の上端から所定の幅wにわたって通風孔15を有しない盲状の円筒状になっている。
【0036】
この図3に示した蒸散器において、薬剤容器2の内壁13の径を40mm、外壁14の径を80mm、高さを200mmに、さらに吸込筒7の内径を30mmにすると共に、外壁14の上端部の盲部分の15mmを残した部分と内壁13の全面を目開き2.5mmの金網にて構成し、この容器内に蒸散性を有する殺虫剤を含浸させた粒状の薬剤担持体16を充填した。ファン装置1のファン4は直径30mm、その風量は毎分50リットルのものを使用した。そして、これをファン付殺虫器として66m2(20坪)の部屋で連続して3ヶ月間稼動させた。
【0037】
その結果、小型のファンであるにもかかわらず、殺虫効力は部屋全体にいきわたり、その効力は3ヶ月間にわたって持続した。このとき、薬剤容器2内の粒状の薬剤担持体16は振動によって容器上部に8mmの空間ができたが、容器本体2の外壁14の上部が15mmにわたって盲部となってこの幅15mmの部分からは空気が吸入されないため、容器内の薬剤担持体16からの殺虫剤の蒸散には何ら障害はなかった。
【0038】
(実施例3)
図4に示した第2の実施の形態の連結型の蒸散器で、各容器2a,2b,2cの内壁13aを30mm、外壁14aを70mm、高さを40mmに、ファン装置1の吸込筒7の内径を25mmにすると共に、容器の両壁13a,14aを目開き2.5mmの金網にて構成し、各容器2a,2b,2c内に薬剤担持体16を充填した。ファンを装置1のファン4は直径25mm、その風量は毎分35リットルのものを用いた。
【0039】
この実施例3では、薬剤容器2として1個の容器2aのみを用いた場合、16.5m2(5坪)の部屋で連続1ヶ月の効力があることが確認されている。そしてこの薬剤容器2として2個の容器2a,2bを、また3個の容器2a,2b,2cを連結して用いた場合の持続効果を調べたところ、2個連結で2ヶ月、3個連結で3ヶ月と、容器の連結数に比例した持続効果が得られ、しかも容器の数を増加させても、ファン装置1による送風性能が変化することが全くなかった。
【0040】
上記した各実施例にて確認できるように、通気性を有する内外壁内に薬剤担持体を充填した薬剤容器の開口筒にファン装置1の吸気側を連結し、ファン装置1にて上記薬剤容器2の薬剤担持体間を通る空気を吸引し、これをファン装置1の吐出側から外部へ拡散するようにしたことにより、33〜66m2という大きな部屋であり、しかも、小型のファン4であっても蒸散器としての機能を十分発揮させることができることが判明した。
【0041】
上記したように、本発明に係る蒸散器はファン装置1にて、薬剤容器側から空気を吸引し、これをファン装置より排出するようにしたが、この吸引式の効果を確認するために、ファン4による風の方向を逆にしてファン装置から吹き出した空気を上記薬剤容器2を経て外部へ放出する、いわゆる吹き出し式のものとを以下の実験にて比較した。
【0042】
蒸散器は図1、図2に示したものを用いた。そしてファン4は風速は1m/s、風量50L/分、薬剤はトランスフルスリン8%、実験場所は図5に示す11m×6m、高さ2.5mの部屋21で、試供虫はアカイエカを10匹入れたネット状の袋(1)〜(9)を図5に示すように、部屋21の長手方向両側部と中央部のそれぞれの短手方向の3個所の合計9個所に床より1mの位置に配置した。そして蒸散器Aを部屋21の一端部に、風の吹き出し方向を部屋21の中央側へ向けて床より1mの部屋で配置した。このときの経過時間(10分〜130分、10分間隔)における各袋内のアカイエカの落下仰転数を調べた。
【0043】
その結果で、ファン装置を吸込式にし、ファン装置の吹き出し側を部屋側へ向けて配置し、薬剤−ファン−吹き出しの順に風が流れる場合(本発明)を表1に、またファン装置を吹き出し式にし、薬剤容器側を部屋側へ向けて配置し、ファン−薬剤−吹き出しの順に風が流れる場合を表2に示す。
【0044】
図5において、(1)〜(3)の袋は揮散器の前方1m以内に位置しており、(4)〜(6)の袋は約5m、(7)〜(9)の袋は約10mの距離にある。
【0045】
表1、表2において、蒸散器Aから近い(1)〜(3)の袋内のアカイエカは双方とも30〜40分で10匹全部が落下仰転した。そして(4)〜(6)の袋のものは吹き出し式のものでは表2に示すように全てのアカイエカが落下仰転するのに120分〜130分かかったのに対し、吸い込み式のものでは表1に示すように50〜60分で全てが落下仰転した。さらに、(7)〜(9)の袋のものでは、吹き出し式のものでは表2に示すように、130分経過しても全く落下仰転しないのに対して、吸い込み式のものでは表1に示すように、130分で大略全てのアカイエカが落下仰転した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、薬剤容器からファン装置にて、薬剤容器内の薬剤担持体を通った空気が吸引され、この空気がファン装置から直接外部へ放出されるため、蒸散器より放出される空気の勢いが強く、従って薬剤蒸気を含む空気の拡散到達距離が大きくなり、小型のファンを用いた蒸散器でもって大きな部屋での拡散効力を発揮することができる。
【0049】
また、薬剤容器のファン装置側の端部の外周を非通気性にしたことにより、薬剤担持体を充填した薬剤容器の上部に空間ができたとしても、この空間への空気の吸入は上記非通気性部分にてさえ切られるため、薬剤容器からの薬剤蒸気の吸込み効果が上記薬剤容器上部の空間によって損なわれることがない。
【0050】
また、薬剤容器を連結可能にした複数の容器にて構成したことにより、使用条件に合わせて薬剤容量を変えることができると共に、部分的な交換もすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の他例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図5】実験用部屋での実験の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ファン装置、2…薬剤容器、2a,2b,2c…容器、3…円筒体、3a…蓋体、4…ファン、5…モータ、6…電池、7…吸込筒、8…ダクト、9,15…通風孔、10,10a,20…開口筒、11,11a…天板、12…底板、13,13a…内壁、14,14a…外壁、16…薬剤担持体、17…パッキン、18…0リング、21…蓋。
Claims (5)
- 通気性を有する内壁と外壁にて中空の2重円筒状に形成され、上端を中央部に上記中空部に開口する開口筒を有する天板にて閉じ、下端を底板にて閉じてなり、内壁と外壁との間に薬剤を含浸させた薬剤担持体を容器内で通気性を有する状態で充填してなる薬剤容器と、
一端部に吸込筒を有し、他端部に通風孔を有する筒体内に上記吸込筒から吸い込んだ空気を通風孔から放出するようにしたファンを設けたファン装置とからなり、
薬剤容器の開口筒にファン装置の吸入筒を係脱可能に嵌め合して接続してなる
ことを特徴とする蒸散器。 - 薬剤容器の外壁の上端部を部分的に非通気性にしたことを特徴とする請求項1記載の蒸散器。
- 通気性を有する内壁と外壁にて中空の2重円筒状に形成され、上端を中央部に上記中空部に開口する開口筒を有する天板にて閉じ、下端を中央部に上記天板を設けた開口筒に係脱可能に嵌合する開口筒を有する底板にて閉じてなり、それぞれの内壁と外壁との間に薬剤を含浸させた薬剤担持体を容器内で通気性を有する状態で充填してなる複数の薬剤容器を、
底板側の開口筒に天板側の開口筒を嵌合することにより順次連結し、
連結方向一端側に位置する薬剤容器の天板側の開口筒に、
一端部に吸込筒を有し、他端部に通風孔を有する筒体内に上記吸込筒から吸い込んだ空気を通風孔から放出するようにしたファンを設けたファン装置の吸込筒を係脱可能に嵌合して接続し、
連結方向他端側に位置する薬剤容器の底板側の開口筒を閉じてなる
ことを特徴とする蒸散器。 - 薬剤容器を構成する内壁と外壁の通気性を有する部分の開口率を30〜90%にしたことを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項記載の蒸散器。
- 連結部にスポンジ、ゴム、0リング等のパッキン材を介装させた請求項1、2、3、4のいずれか1項記載の蒸散器。
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