JPH0824522B2 - 殺虫剤カートリッジ及び殺虫装置 - Google Patents

殺虫剤カートリッジ及び殺虫装置

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JPH0824522B2
JPH0824522B2 JP4337817A JP33781792A JPH0824522B2 JP H0824522 B2 JPH0824522 B2 JP H0824522B2 JP 4337817 A JP4337817 A JP 4337817A JP 33781792 A JP33781792 A JP 33781792A JP H0824522 B2 JPH0824522 B2 JP H0824522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレストランやホテル等の
厨房に出没する不衛生な昆虫を除去する殺虫剤をプレー
トに含浸させ、厨房不使用時にのみ揮散させ、単にカー
トリッジを交換するのみの短時間の操作で全てのプレー
トの交換をすることができる殺虫剤カートリッジ及びこ
れを用いた殺虫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、厨房の害虫を駆除するためにはホ
ウ酸等の毒物を配合した食品を暗所に置いたり、室内を
密閉して毒ガスで燻蒸する方法等が行われていた。毒ガ
スによる燻蒸は手間がかかり、しかもガスの匂いを昆虫
自体が嫌い、早めに逃げ出すため除去効率が悪く、一度
の燻蒸で完全に除去することができなかった。
【0003】より優れた殺虫方法として、DDVP等の
殺虫剤をプラスチック発泡体などのプレートに含浸さ
せ、複数枚のプレートを殺虫装置に収納し、送風機によ
り殺虫剤の気化ガスを室内に放出していた。厨房使用中
は殺虫剤の放出を防止するため、送風機の稼働を停止し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によってもプレートの殺虫剤ガス放出力は次第に低
下し、1〜3ケ月に一度はすべてのプレートを交換しな
ければならなかった。この交換作業は昼間、すなわち、
厨房使用中に行われ、使用済のプレートを1枚ずつ取出
し、新しいプレートを密封袋から取出して装置内の所定
場所に1枚ずつ装着していく作業であり、比較的長時間
を要するものであった。したがって、室内の環境悪化や
作業者への悪影響が憂慮されていた。
【0005】一方、日々の使用にあたっては、人間の居
ない夜間に作動させ、働く人が出勤する1〜2時間前に
送風機の稼働を停止させ、室内のガスが消滅する頃人が
室内に入るようにプログラムされている。しかしなが
ら、この方法は揮発性の殺虫剤を使用する関係上、たと
え送風機が稼働していなくとも殺虫剤ガスの室内への漏
出は避けがたく、衛生上も好ましいものではなかった。
そこで、室内使用時には殺虫剤の室内漏洩を皆無にし、
人の居ない時にのみ殺虫剤ガスが放出されると共に、プ
レートの交換にあたり、短時間に全プレートを交換でき
る装置が求められていた。
【0006】
【課題解決の手段】本発明は、上記課題を解決すること
を目的とし、その構成は、相対向する上下面に開口部を
有する角形の筒状容器内に、殺虫剤を含浸させた複数枚
のプレートを、筒状容器の相対向する一対の壁面と平行
に、且つ、通気用間隙を残して並列に配列したカートリ
ッジ本体を、空気がプレート間間隙を通過できるように
開封可能に密封したことを特徴とし、更に、上下に脱着
可能な下本体と上本体とからなる殺虫装置であって、下
本体には下部に排気口を設け、下本体の上部の内周に、
中央部に下部通気口を残して上記殺虫剤カートリッジ載
置用の棚を固着し、該棚面に電磁弁によって上下動し、
上行或いは下降したとき上記下部通気口を密封する下部
遮蔽体を設ける一方、上本体には上部に給気口を設け、
該給気口より下部の内周に、中央部に上部通気口を残し
て殺虫剤カートリッジ密封用の棚を固着し、該棚面に電
磁弁によって上下動し、下降或いは上行したとき上記上
部通気口を密封する上部遮蔽体を設け、装置内に送風機
を設けたことを特徴とする。
【0007】本発明に用いるプレートはウレタンフォー
ム等の連続気泡性プラスチック発泡体、不織布、繊維集
合体、スポンジ等多孔性の素材であって、殺虫剤の溶媒
におかされないものはすべて使用できる。プレート素材
に自立性がない場合には自立性を有する素材で補強す
る。プレートには可及的に濃厚な揮発性殺虫剤溶液を含
浸させる。揮発性殺虫剤は揮発性であれば特に限定はな
く、DDVP(ジクロルビニルリン酸ジメチル)その誘
導体、同族体などが挙げられるが、特に昆虫の嫌わない
匂いを有するものが好ましい。含浸させるにあたって
は、一般にエマルジョン或いは有機溶剤に溶解した溶液
を含浸させる。
【0008】殺虫剤を含浸したプレートはカートリッジ
内に収納、配列する。カートリッジは角型の筒状容器で
あり、上下両端は開放して開口部とする。複数枚のプレ
ートを一定の間隔を保って筒状容器の一方の壁面と平
行、且つ、並列に配列して収納する。並列に配列させる
にあたっては、相対向する両壁内面にガイドを設けた
り、プレート自体に間隙が残るような突出物を設けるな
ど公知の方法は全て使用できる。
【0009】筒状容器の素材は特に限定がなく、プラス
チック(発泡、無発泡)、板紙、段ボール紙等一定の保
形性があればよい。好ましくは通気性のない素材であ
る。素材自体が通気性の場合は樹脂等を含浸させ、或い
は塗布して通気孔を遮断する。保存時は気密性の袋、容
器に収納することが好ましい。
【0010】必要に応じ、カートリッジの上面及び下
面、すなわち、カートリッジの両開口部に上蓋及び下蓋
を設ける。上蓋及び下蓋は少なくともプレートとプレー
トとの間隙に対応する部位が通気性であることを要す
る。カートリッジの開口部に気密に嵌合する上蓋及び下
蓋が好ましい。例えば、カートリッジの開口部に気密に
嵌合する枠体を設け、必要に応じ桟で補強し、前面に網
を張着する方法などがある。更に上蓋及び下蓋の外面に
封緘紙を貼着して保存し、この封緘紙を剥がして使用す
る。封緘紙は気密性であることが好ましいが、封緘紙、
筒状容器共に通気性であっても気密な袋或いは容器に入
れて保存すれば差支えない。
【0011】本発明の殺虫装置は上本体と下本体とに分
割可能である。一般には下本体の外周に上本体が気密に
連結する形態が好ましい。上本体と下本体が気密に連結
しない場合には、カートリッジの筒状容器素材の下端及
び上端を気密に押圧する手段を設け、筒状容器素材が気
密性を有することを要する。殺虫装置内には送風機を設
ける。送風機を設ける部位は吸気口から流入した空気を
排気口から流出させるに都合の良い位置である。好まし
くは排気口のやや上部で棚の下部ある。
【0012】排気口の上部の内周の全面には中央部に下
部通気口を残して棚を設け、この棚の上面に、好ましく
はパッキン材を貼着して気密性を向上させる。パッキン
材を貼着する場合には空気は下部通気口のみを通過す
る。
【0013】棚の下面には下部通気口を完全に覆う下部
遮蔽体を設け、この下部遮蔽体を電磁弁の作用により上
下動できるようにし、上行した場合には棚下面と密着
し、下部通気口を完全に遮蔽する。或いは棚上面に下部
遮蔽体を設け、下部遮蔽体の下降により下部通気口を密
封することもできる。下本体の棚上部に開口部を上下に
してカートリッジを装着する。この際、カートリッジの
一部が下本体から脱着容易な程度に露出していることが
好ましい。
【0014】上本体と下本体が連結した状態で、上本体
の、収納したカートリッジの上部を押さえる位置の内周
の全面に、中央部に上部通気口を残して棚を設ける。好
ましくはこの棚の下面に、カートリッジの筒状容器の素
材の上面を棚素材と気密に連結するパッキン材を貼着す
る。棚の上面には上部通気口を完全に覆う上部遮蔽体を
設け、この上部遮蔽体を電磁弁の作用により上下動でき
るようにし、下降した場合には棚上面と気密に密着し、
上部通気口を完全に遮蔽する。電磁弁により上部遮蔽体
が下降した場合には、下部遮蔽体は上行し、上部遮蔽体
が上行した場合には、下部遮蔽体は下降するようにす
る。上本体の上部には複数の穿孔を穿設し、給気口とす
る。
【0015】棚にパッキンを設けない場合には殺虫剤ガ
スが棚と筒状容器素材との間隙から漏洩するおそれがあ
るため、上本体と下本体を気密に連結すればよい。上本
体と下本体を気密に連結するには、上本体と下本体との
連結部位にフランジを設け、パッキンを挟んで連結する
か、環状のパッキン材を挟んで上本体と下本体を挟んで
嵌合連結する方法など公知の気密密封方法を使用するこ
とができる。
【0016】
【作用】本発明殺虫装置は使用時において送風機が作動
し、電磁弁により、上部遮蔽体及び下部遮蔽体は上下動
して共に開口した状態にある。給気口から導入された空
気は上部通気口を通過してカートリッジ内に入り、プレ
ートとプレートとの間隙を通過する間に殺虫剤ガスを含
有し、下部通気口から出て送風機により排気口から排出
される。排出される空気は殺虫剤ガスに富んだものとな
り、殺虫効果を発現する。
【0017】一方、不使用時においては、送風機が止ま
り、電磁弁により、上部遮蔽体及び下部遮蔽体は上部通
気口及び下部通気口共に密封された状態になるように上
下動する。棚は全て本体の外周に密着して設けられてい
るため、上本体と下本体が気密に嵌合している場合には
カートリッジ内のプレートに含浸された殺虫剤は外部に
漏洩することができず、不使用時の人体及び食品の安全
が確保される。上本体と下本体が気密に連結していない
場合には、筒状容器が気密性素材からなり、棚にパッキ
ンが設けられているならば殺虫剤ガスは全く漏洩しな
い。
【0018】また、プレートの交換にあたっては、上本
体を外し、カートリッジごと取出し、新しいカートリッ
ジを挿入するのみで足り、1〜2分で行うことができ
る。
【0019】
【実施例】図1は本発明の1実施例のカートリッジ分解
斜視図、図2は殺虫装置の不使用時の一部切欠を有する
断面図、図3は殺虫装置の使用時の一部切欠を有する側
面図、図4は図2のIV−IV線断面図である。
【0020】1は筒状容器であり、ポリプロピレン製の
上下に開口部2を有する角形の筒状体である。互いに対
向する壁面3、3’の内面にガイド4を設けた。ガイド
4は一定幅の突条であり、この突条と突条との間に溝が
形成され、この溝に殺虫剤を含浸したプレート5を挿入
した。プレート5は連続気泡性のポリウレタン発泡体を
用い、自立性を有し内部にDDVPを含浸させた。筒状
容器1の上下両面には上蓋6と下蓋7をそれぞれ嵌合さ
せた。
【0021】本実施例においては上蓋6と下蓋7は同一
形状とし、周囲を筒状容器1の内周と一致する枠体8で
囲繞し、桟で補強した。更に網9を張設し、保存、流通
時に殺虫剤ガスの揮散を防止するための封緘紙10を気
密に貼着した。したがって、使用の際は、封緘紙10を
剥がして使用する。保管、流通に際し、カートリッジを
充分に気密に保てる容器或いは密封袋に収納するのであ
れば封緘紙10は不用である。
【0022】図2は不使用状態を示し、図3は使用状態
を示す。11は下本体、12は上本体であり、13は連
結部である。本実施例においては、下本体11の下面と
上本体12の上面にそれぞれフランジを設け、パッキン
を挟んで気密に連結したが、単に上本体を下本体上に被
せるだけの空気が自由に通過できる構造であってもよ
い。
【0023】14は排気口であり、15は送風機であ
る。送風機15により殺虫装置内に揮発した殺虫剤ガス
を効率的に排気口から空気と共に排出する。16は下本
体の内周を囲繞して設けた棚であり、棚16上にはパッ
キン17を貼着した。棚16に囲繞された空間は下部通
気口18である。下部通気口18の下面には下部通気口
18を完全に覆う下部遮蔽体19を設け電磁弁20によ
り上下動させる。図2は下部遮蔽体19が上行した状態
であり、下部通気口が閉じられ、カートリッジの筒状体
1の側壁もパッキン17により気密に保持されているた
め、殺虫剤ガスは全く漏洩しない。なお、仮想線は下部
通気口が開いた状態を示した。
【0024】上本体12の上部には給気口21を穿設す
る。カートリッジを装入し、上本体12と下本体11を
連結した状態で、筒状体1の側壁の上端に接する部位に
棚16’を上本体の内周を囲繞して設ける。好ましくは
棚16’の下面にパッキン17を貼着する。棚17’に
囲繞された部位に上部通気口22が形成される。上部通
気口22の上面には上部通気口22を完全に覆う上部遮
蔽体23を設け、電磁弁24により上下動させる。図2
は上部遮蔽体23が下降した状態であり、上部通気口2
2が閉じられ、カートリッジの筒状体1の側壁もパッキ
ン17により気密に保持されているため、殺虫剤ガスは
全く漏洩しない。なお、仮想線は上部通気口が開いた状
態を示した。
【0025】25は電磁弁を支持する支持体であり、2
6は使用時に送風機15の回転を開始させ、上部遮蔽体
23を上行させ、下部遮蔽体18を下降させるタイマー
である。使用状態は図3或いは図2の仮想線で示すよう
な状態であり、給気口21から導入された空気は、図3
の矢印に示すように、上部通気口22を通過し、カート
リッジのプレート5間の間隙を通過し、この間に殺虫剤
を含有した空気となる。この空気は送風機15の作用に
より下方に吸引され、下部遮蔽体19が下降しているた
め下部通気口18をを通過して排気口14から排出され
る。その結果室内の殺虫剤ガス濃度は次第に増加してい
く。
【0026】本実施例においては使用時に上部遮蔽体は
上行し、下部遮蔽体は下降し、送風機が作動するように
したが、下部遮蔽体或いは上部遮蔽体を、棚とパッキン
との間に設けるならば、使用時に上部遮蔽体が下降し、
下部遮蔽体が上行するようにセットすることも可能であ
る。したがって、送風機が停止し、下部遮蔽体及び上部
遮蔽体が共に下降した時に下部通気口及び上部通気口を
密封することもできる。
【0027】本発明は特にゴキブリに対し顕著な効果が
みられ、バルサン燻蒸後の厨房に設置したところ、1晩
で約100匹のゴキブリの死体が存在した。
【0028】カートリッジの交換にあたっては、上本体
12を外し、カートリッジをそのまま引出し、新しいカ
ートリッジを開封し、上下の封緘紙10を剥がして下本
体11に挿入し、上本体12を連結するのみでよい。
【発明の効果】本発明により、室内に人が居る場合には
全く殺虫剤が放出されず、人が居ない時にのみ殺虫剤が
放出されるると共に、プレートが含浸した殺虫剤が減少
し、交換の必要が生じた場合にはカートリッジごと、き
わめて容易に交換することができる安全且つ取扱い容易
な殺虫剤カートリッジ及び殺虫挿入を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施例のカートリッジ分解斜
視図である。
【図2】図2は殺虫装置の不使用時の一部切欠を有する
断面図である。
【図3】図3は殺虫装置の使用時の一部切欠を有する側
面図である。
【図4】図4は図2のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 筒状容器 2 開口部 3 壁面 4 ガイド 5 プレート 6 上蓋 7 下蓋 8 枠体 9 網 10 封緘紙 11 下本体 12 上本体 13 連結部 14 排気口 15 送風機 16 棚 17 パッキン 18 下部通気口 19 下部遮蔽体 20、24 電磁弁 21 給気口 22 上部通気口 23 上部遮蔽体 25 支持体 26 タイマー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する上下面に開口部を有する角形
    の筒状容器内に、殺虫剤を含浸させた複数枚のプレート
    を、筒状容器の相対向する一対の壁面と平行に、且つ、
    通気用間隙を残して並列に配列したカートリッジ本体
    を、空気がプレート間間隙を通過できるように開封可能
    に密封したことを特徴とする殺虫剤カートリッジ。
  2. 【請求項2】 カートリッジの筒状容器に気密な素材を
    用いたことを特徴とする請求項第1項記載の殺虫剤カー
    トリッジ。
  3. 【請求項3】 筒状容器の上下面の開口部と嵌合する枠
    体からなる上蓋及び下蓋を設け、該上蓋及び下蓋がプレ
    ート間間隙に通気できる空間を有することを特徴とする
    請求項第1項又は第2項記載の殺虫剤カートリッジ。
  4. 【請求項4】 上下に脱着可能な下本体と上本体とから
    なる殺虫装置であって、下本体には下部に排気口を設
    け、下本体の上部の内周に、中央部に下部通気口を残し
    て殺虫剤カートリッジ載置用の棚を固着し、該棚面に電
    磁弁によって上下動し、上行或いは下降したとき上記下
    部通気口を密封する下部遮蔽体を設ける一方、上本体に
    は上部に給気口を設け、該給気口より下部の内周に、中
    央部に上部通気口を残して殺虫剤カートリッジ密封用の
    棚を固着し、該棚面に電磁弁によって上下動し、下降或
    いは上行したとき上記上部通気口を密封する上部遮蔽体
    を設け、装置内に送風機を設けたことを特徴とする殺虫
    装置。
  5. 【請求項5】 下本体の棚上面にパッキン材を貼着し、
    上本体の棚下面にパッキン材を貼着したことを特徴とす
    る請求項第4項記載の殺虫装置。
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