JP4765539B2 - 電圧駆動型半導体素子のゲート駆動回路及びこれを用いた電力変換装置 - Google Patents
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図9に従来のゲート駆動装置の回路例を示す。図9は各アームに電圧駆動型半導体素子が複数個直列接続された電力変換装置における従来の1アーム分の回路構成例を示したものである。また、図9は電圧駆動型半導体素子としてIGBTを適用し、IGBTを4個直列接続した場合の例である。
第2の発明においては、最も低電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子を1段目とし、最も高電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子をn段目(但し、nは整数)として、各アームに電圧駆動型半導体素子がn個直列接続された電力変換装置において、各電圧駆動型半導体素子にはゲート駆動回路をそれぞれ備え、電圧駆動型半導体素子とゲート駆動回路を接続するゲート線をそれぞれ互いに磁気結合回路により磁気結合し、直流正極端子と交流端子との間にあるアームにおいて、n段目以外のゲート駆動回路に、この磁気結合に基づいて発生する電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出結果に応じてオンオフ信号を出力するホールド回路を接続し、n段目のゲート駆動回路に制御回路からのオンオフ信号を入力する。
図1に示すように、各IGBT1〜4には、ゲート駆動回路14〜17が接続され、IGBTとゲート駆動回路を接続するゲート線がそれぞれ互いに磁気結合回路5〜7によって磁気結合されている。そして、1段目以外のゲート駆動回路15〜17に、電圧検出回路8〜10と、ホールド回路11〜13を接続し、1段目のゲート駆動回路14に、制御回路18を接続した構成である。
これと同時に電圧検出回路8が磁気結合回路5の二次側に発生する電圧VTr2を検出し、その検出結果を受けてホールド回路11がオン信号を出力し続けるため、ゲート駆動回路15のゲートオン信号(順バイアス電圧)が維持され、IGBT2がオン動作を継続する。この時、ホールド回路11の出力に検出遅れΔtを生じる可能性があるが、磁気結合回路5によって、スイッチングタイミングが調整される(IGBT1とIGBT2は既にオン動作を開始している)ため問題はない。尚、この磁気結合によるスイッチングタイミングを調整する方法は、特許文献2に開示されている通りである。以上の動作によって、IGBT1とIGBT2がターンオンする。
これと同時に電圧検出回路8が磁気結合回路5の二次側に発生する電圧VTr2を検出し、その検出結果を受けてホールド回路11がオフ信号を出力し続けるため、ゲート駆動回路15のゲートオフ信号(逆バイアス電圧)が維持され、IGBT2がオフ動作を継続する。この時、ホールド回路11の出力に検出遅れΔtを生じる可能性があるが、ターンオン時と同様に、磁気結合回路5によって、スイッチングタイミングが調整される(IGBT1とIGBT2は既にオフ動作を開始している)ため問題はない。以上の動作によって、IGBT1とIGBT2がターンオフする。
以上より、4段目のゲート駆動回路に制御信号線(例えば光ファイバケーブル)を接続するだけで、スイッチングタイミング差なく、直列接続されたIGBTを同時にスイッチングすることが可能となる。
以上より、2段目のゲート駆動回路に制御信号線(例えば光ファイバケーブル)を接続するだけで、スイッチングタイミング差なく、直列接続されたIGBTを同時にスイッチングすることが可能となる。
図6は直流から交流を作り出す2レベルインバータまたは交流から直流を作り出す2レベルコンバータの1相分を示すブロック図である。ここで、40は上スイッチングアーム、43は下スイッチングアーム、52はコンデンサ、46は交流端子、47は直流正極端子、49は直流負極端子である。単相交流の場合には上スイッチングアーム40と下スイッチングアーム43の直列回路が2個、三相交流の場合には3個、各々直流コンデンサ52と並列接続される。スイッチングアーム40と43のスイッチング動作により、交流端子46の電位は直流正極端子の電位と直流負極端子の電位で変動する。
コンデンサ52の電圧を仮にEdとすると、交流端子46の電圧は上スイッチングアーム40がオンの時はEd、下スイッチングアーム43がオンの時は0となる。ここで、スイッチングアーム40、43を仮にIGBT4個の直列回路で構成した場合、各IGBTオフ時の電圧分担はEd/4となる。従って、上スイッチングアーム40がオフ、下スイッチングアーム43がオンの状態(即ち交流端子46の電圧が0の状態)では、上スイッチングアーム40の各IGBTのエミッタ端子電圧は直流正極端子側IGBTから順次3Ed/4、2Ed/4、Ed/4、0となる。この状態から、下スイッチングアーム43がオフ、上スイッチングアーム40がオンの状態に切り替わると、上スイッチングアーム40の各IGBTのエミッタ端子電圧は全てEdとなる。以上の結果、上スイッチングアーム40の各IGBTエミッタ端子電圧の変動は直流正極端子側IGBTから順次Ed/4、2Ed/4、3Ed/4、Edとなる。
また、下スイッチングアーム43においては、上スイッチングアーム40がオン、下スイッチングアーム43がオフの状態(即ち交流端子46の電圧がEdの状態)では、下スイッチングアーム40の各IGBTのエミッタ端子電圧は直流負極端子側IGBTから順次0、Ed/4、2Ed/4、3Ed/4となる。この状態から、上スイッチングアーム40がオフ、下スイッチングアーム43がオンの状態に切り替わると、下スイッチングアーム43の各IGBTのエミッタ端子電圧は全て0となる。以上の結果、下スイッチングアーム43の各IGBTのエミッタ端子電圧の変動は直流負極端子側IGBTから順次0、Ed/4、2Ed/4、3Ed/4となる。
コンデンサ44、45の電圧を仮に各々Ed/2、各スイッチングアームのIGBTの直列数を4、各IGBTの番号をスイッチングアーム内で電位の高い方から順次、40スイッチングアームでは401〜404、41スイッチングアームでは411〜414、42スイッチングアームでは421〜424、43スイッチングアームでは431〜434とし、交流端子46の電圧が0→Ed/2→Edと変化する時の各IGBTのエミッタ電圧を表1に示す。
表1からわかるように、モード1からモード2に移行する時、下スイッチングアーム43の各IGBTのエミッタ端子の電圧変動は直流負極端子49側から順次、0、Ed/8、2Ed/8、3Ed/8となり、上スイッチングアーム41の各IGBTのエミッタ端子の電圧変動は直流中性点端子(48)側(ダイオード50のカソード側)IGBTから順次Ed/8、2Ed/8、3Ed/8、4Ed/8となる。上スイッチングアーム40は変化なし、下スイッチングアーム42ではIGBT4個とも同じでEd/2となる。
次に、モード2からモード3に移行する時には、下スイッチングアーム42の各IGBTのエミッタ端子の電圧変動は交流端子46側から順次3Ed/8、2Ed/8、Ed/8、0となり、上スイッチングアーム40の各IGBTのエミッタ端子電圧変動は直流正極端子側から順次Ed/8、2Ed/8、3Ed/8、4Ed/8となる。この時、下スイッチングアーム43では電圧変動なし、上スイッチングアーム41ではIGBT4個とも同じでEd/2となる。
尚、モード3からモード2へ移行する時、モード2からモード1へ移行する時も同様であるので説明は省略する。
一方、制御回路とゲート駆動回路を接続する場合、スイッチング素子の電圧変動が大きいと浮遊容量を通ってノイズ電流が流れ込み、制御回路が誤動作するなどの障害が生じるため、対策が必要となる。以上の説明からわかるように、3レベル変換装置においては、交流端子46と直流正極端子47との間にある上スイッチングアーム40,41におけるゲート駆動回路の構成は、図4に示した直流正極側端子47に最も近いIGBTのゲート駆動回路17を制御回路18と接続することにより、制御回路へのノイズ電流の流入を抑制することができる。
また、交流端子46と直流負極端子47との間にあるスイッチングアーム42,43におけるゲート駆動回路の構成は、図1に示した直流負極側端子47に最も近いIGBTのゲート駆動回路17を制御回路18と接続することにより、制御回路へのノイズ電流の流入を抑制することができる。
8〜10、19〜21・・・電圧検出回路
11〜13、22〜24・・・ホールド回路
14〜17・・・ゲート駆動回路 18、35・・・制御回路
25・・・交流電源 26・・・整流器
27、44、45、52・・・コンデンサ
28〜33、40〜43・・・スイッチングアーム
34・・・モータ負荷 50、51・・・ダイオード
46・・・交流端子 47直流正極端子
48・・・直流中性点端子 49・・・直流負極端子
Claims (3)
- 最も低電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子を1段目とし、最も高電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子をn段目(但し、nは整数)として、各アームに電圧駆動型半導体素子がn個直列接続された電力変換装置において、各電圧駆動型半導体素子にはゲート駆動回路をそれぞれ備え、電圧駆動型半導体素子とゲート駆動回路を接続するゲート線をそれぞれ互いに磁気結合回路により磁気結合し、m段目(m=1〜nの整数)以外のゲート駆動回路に、この磁気結合に基づいて発生する電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出結果に応じてオンオフ信号を出力するホールド回路を接続し、m段目のゲート駆動回路に制御回路からのオンオフ信号を入力したことを特徴とする電圧駆動型半導体素子のゲート駆動装置。
- 最も低電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子を1段目とし、最も高電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子をn段目(但し、nは整数)として、各アームに電圧駆動型半導体素子がn個直列接続された電力変換装置において、各電圧駆動型半導体素子にはゲート駆動回路をそれぞれ備え、電圧駆動型半導体素子とゲート駆動回路を接続するゲート線をそれぞれ互いに磁気結合回路により磁気結合し、直流正極端子と交流端子との間にあるアームにおいて、n段目以外のゲート駆動回路に、この磁気結合に基づいて発生する電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出結果に応じてオンオフ信号を出力するホールド回路を接続し、n段目のゲート駆動回路に制御回路からのオンオフ信号を入力したことを特徴とする電力変換装置。
- 最も低電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子を1段目とし、最も高電圧側に接続された電圧駆動型半導体素子をn段目(但し、nは整数)として、各アームに電圧駆動型半導体素子がn個直列接続された電力変換装置において、各電圧駆動型半導体素子にはゲート駆動回路をそれぞれ備え、電圧駆動型半導体素子とゲート駆動回路を接続するゲート線をそれぞれ互いに磁気結合回路により磁気結合し、直流負極端子と交流端子との間にあるアームにおいて、1段目以外のゲート駆動回路に、この磁気結合に基づいて発生する電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出結果に応じてオンオフ信号を出力するホールド回路を接続し、1段目のゲート駆動回路に制御回路からのオンオフ信号を入力したことを特徴とする電力変換装置。
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