JP4765217B2 - (r)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法 - Google Patents

(r)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
医薬中間体として有用な化合物である(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルは(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルをシアノ化することにより製造することができることが知られている。
しかし、(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルをシアノ化して(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを製造する反応の収率が低いため、高純度の(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを得るためには未反応まま残存する(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを除く工程が必須であった。
さらに、未反応の(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを除くためには(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの熱分解を抑制するために低温低圧下で減圧蒸留する方法及びある種の溶剤の存在下に蒸留する方法等の特殊な精製操作が必要とされていた(特開平10−231278号公報)。
本発明は高純度(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを特殊な精製操作を経ることなく製造する方法を提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討した結果、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させ、次いでアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させ、次いで(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸とジアルキル硫酸とを反応させることにより(S)−4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルが実質的に残存しない(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルが簡便に得られ、特殊な精製操作を経ることなく高純度の(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルが得られることを見出し本発明を完成した。
【0004】
すなわち、本発明は4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させ、次いでアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させ、次いでジアルキル硫酸と反応させることを特徴とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の原料である4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルとしては、例えばC1−C8アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、へプチルエステル及びオクチルエステル等)が挙げられる。
【0006】
まず、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させる第1のプロセスについて説明する。
【0007】
第1のプロセスに用いられる4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有する微生物の菌体又は菌体処理物としては、例えばペニシリウム(Penicillium)属に属する菌株の菌体または菌体処理物が挙げられ、具体的には例えばペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)の菌体又は菌体処理物が挙げられ、さらに具体的には例えばペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)IFO4631の菌体又は菌体処理物が挙げられる。
【0008】
ここで第1のプロセスに用いられる微生物の培養について説明する。
第1のプロセスに用いられる微生物は炭素源、窒素源、有機塩、無機塩等を適宜含有する各種の微生物培養用の培地中で培養することができる。
【0009】
該培地中に含まれる炭素源としては、例えばグルコース、スクロース等の単糖類、でんぷん等の多糖類、グリセロール、有機酸類及び廃糖蜜が挙げられ、窒素源としては、例えば酵母エキス、肉エキス、ペプトン、カザミノ酸、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティープリカー(corn steep liquor)、綿実粉、乾燥酵母、硫安及び硝酸ナトリウムが挙げられ、有機塩及び無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム、炭酸カルシウム、酢酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第1鉄及び塩化コバルトが挙げられる。
【0010】
微生物の培養方法としては、例えば固体培養、液体培養(試験管培養、フラスコ培養、ジャーファーメンター培養等)が挙げられる。
培養温度及び培養液のpHは第1のプロセスに用いられる微生物が培養できる範囲で任意に定めることができるが、例えば培養温度については15〜45℃の範囲内、培養液のpHについては4〜8の範囲内を挙げることができる。
微生物の培養時間は、培養条件により適宜定めることができるが、通常は1〜7日間の範囲内である。
【0011】
培養により得られた微生物の菌体はそのまま第1のプロセスに用いることができる。微生物の菌体をそのまま用いる方法としては、培養液をそのまま反応に用いる方法、培養液を遠心分離することにより菌体を集め、該菌体を緩衝液等で洗浄した湿菌体を用いる方法等が含まれる。
【0012】
第1のプロセスには培養により得られた微生物の菌体処理物を用いることもできる。反応に用いることができる菌体処理物としては、培養により得られた菌体を有機溶媒(アセトン、エタノール等)処理したもの、凍結乾燥処理したもの、アルカリ処理したもの及び菌体を物理的又は酵素的に破砕したものを挙げることができる。さらに菌体処理物には、菌体に前記の処理を施した後、公知の方法により固定化処理したものも含まれる。
【0013】
上記微生物の菌体又は菌体処理物を4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに作用させる方法としては、上記微生物の菌体又は菌体処理物と4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルとを混合して反応させる方法が挙げられる。
【0014】
第1のプロセスの反応は下記の式で示される。
【化1】
Figure 0004765217
【0015】
該反応は通常、水の存在下で行われ、この場合の水は緩衝液の形態であってもよく、緩衝液に用いられる緩衝剤としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸のアルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
反応時の水層のpHは反応が進行する範囲で適宜変化させることができるが、通常pH3〜10の範囲内である。
該反応はさらに疎水性有機溶媒を用いて、水と疎水性有機溶媒との二層系で行うこともできる。この場合に用いられる疎水性有機溶媒としては、例えばギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクチルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロイピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
また、反応液には必要に応じてグルコース、スクロース、フルクトース等の糖類、界面活性剤等を加えることもできる。
【0016】
反応温度は通常0〜60℃の範囲であり、反応時間は通常0.5時間から10日間の範囲である。
反応の終点は、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを加え終わった後に、例えば反応液中の4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルの量を、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー又は薄層クロマトグラフィー等により測定することにより確認することができる。
反応終了後は反応液を有機溶媒抽出、濃縮等の後処理を行うことにより(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを単離でき、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、蒸留等によりさらに精製することもできる。
【0017】
次に、(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルをアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させて(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸を製造する第2のプロセスについて説明する。
該プロセスの反応は以下の式で示される。
【化1】
Figure 0004765217
【0018】
該反応に用いられる金属シアン化物としては例えばシアン化ナトリウム及びシアン化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウムが挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、例えばアルカリ土類金属塩化物及びアルカリ土類金属臭化物が挙げられ、具体的には例えば塩化カルシウムが挙げられる。
【0019】
該反応は通常水の存在下で行われ、必要に応じてアルコール等の有機溶媒を加えることもできる。
反応温度は通常−10〜100℃、好ましくは−10〜40℃の範囲であり、反応時間は通常0.5〜48時間の範囲である。
反応に用いられる金属シアン化物の量は、(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステル1モルに対して、通常0.8〜2.0モルの割合である。
反応に用いられるアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の量は(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステル1モルに対して、通常アルカリ金属水酸化物とアルカリ土類金属ハロゲン化物との合計量として、通常0.8〜5.0モルの割合である。
【0020】
該反応の反応終点は例えば反応液中の(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの量をガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー又は薄層クロマトグラフィー等により測定することにより確認することができる。
反応終了後は例えば反応混合物に酸性水(塩酸、硫酸等の無機酸の水溶液又はクエン酸等の有機酸の水溶液等)を加えた後、有機溶媒抽出し、得られる有機層を乾燥、濃縮することにより(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸を単離することができる。
【0021】
次に、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸にジアルキル硫酸を反応さ(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを製造する第3のプロセスについて説明する。
該プロセスの反応は以下の式で示される。
【化3】
Figure 0004765217
【0022】
該反応は通常溶媒中、塩基の存在下に行われる。
反応に用いられるジアルキル硫酸は一般式R’2SO4(式中、R’は低級アルキル基を表す。)で示される化合物であり、具体的には例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が挙げられる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、水及びこれらの混合物が挙げられ、塩基としては、例えば4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミンが挙げられる。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応に用いられる試剤の量は、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸1モルに対して、ジアルキル硫酸は通常0.7〜3モルの割合であり、塩基は通常1〜3モルの割合である。
反応時間は通常0.1〜24時間の範囲内である。
該反応の反応終点は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー又は薄層クロマトグラフィー等の分析手段を用いて(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸の量を確認することにより決定することができる。
反応終了後は、反応液に重曹水を加えた後、有機溶媒抽出し、得られる有機層を濃縮することにより(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを単離することができ、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、蒸留等によりさらに精製することもできる。
【0023】
なお、第2のプロセスの後、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸を単離することなく、例えば反応混合物に酸性水(塩酸、硫酸等の無機酸の水溶液又はクエン酸等の有機酸の水溶液等)を加えた後、有機溶媒抽出した溶液を必要により乾燥して、第3のプロセスに用いることもできる。この場合、反応に用いられる試剤の量は、(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステル1モルに対して、ジアルキル硫酸は通常0.7〜3モルの割合であり、塩基は通常1〜3モルの割合である。
【0024】
本発明の製造法において用いられる出発物質の4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルはアセト酢酸エステルを公知の方法に準じて臭素化することにより製造することができる化合物である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0026】
実施例
500ml坂口フラスコに液体培地(1Lの水にポテト抽出物200g及びデキストロース20gを加え、滅菌したもの)100mlを入れ、ペニシリウム・シトリナムIFO4631の菌体を植菌した。これを30℃で好気条件下、振盪培養した。その後、培養液を遠心分離し、菌体を集めた。この菌体を氷冷した生理食塩水5ml及び氷冷したアセトン300mlに懸濁した後、濾過した。得られた菌体を室温で減圧乾燥してペニシリウム・シトリナムIFO4631アセトン処理菌体を得た。この操作を15回行いペニシリウム・シトリナムIFO4631アセトン処理菌体を全量で150g得た。
リン酸緩衝液(pH6.5)1500gにグルコース75g、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸0.85g、グルコースデヒドロゲナーゼ(グルコース“アマノ”2;アマノエンザイム社製)0.11gを溶解し、ここに30℃で酢酸ブチル1300g及び4−ブロモ−3−オキソブタン酸メチル37gを加えた。さらに、前述のペニシリウム・シトリナムIFO4631アセトン処理菌体150gを加え攪拌した。攪拌中、反応液に15%炭酸ナトリウム水溶液を徐々に加えることにより、反応液のpHを6.5±0.5に保持した。
24時間攪拌後、反応混合物にセライト90gを加え、減圧濾過した。濾液を分液して得られた有機層を減圧濃縮して(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸メチル28gを得た。(化学純度88%、光学純度97%ee)
なお、生成物の絶対立体配置は(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸メチルの標品と比較することにより決定した。
【0027】
(化学純度分析条件)
ガスクロマトグラフィー
カラム:HR−20M(0.53mm×30m、1μm)(信和化工製)
カラム温度:120℃→3℃/分→150℃(5分)→10℃/分→200℃(5分)
キャリアガス:ヘリウム(20ml/分)
検出器:FID
【0028】
(光学純度分析条件)
高速液体クロマトグラフィー
カラム:キラルセルOD(4.6mmφ×25cm、10μm)
移動層:n−ヘキサン/イソプロピルアルコール=80/20(0.5ml/分)
カラム温度:40℃
検出器:UV(220nm)
【0029】
水50gに塩化カルシウム23g、水酸化カルシウム8.4gを加え、室温で20分間攪拌した。ここに上記(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸メチル28gを5分間かけて滴下し、さらに室温で10分間攪拌した。その後、反応液を氷冷し、シアン化ナトリウム8.7gを加え、続いて内温25〜33℃で4.5時間攪拌した。反応液に濃塩酸を加え、反応液のpHを1未満とした後、酢酸エチルで5回抽出した。有機層を合わせて減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチル200mlに溶解した。この酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸の溶液を得た。
【0030】
上記の(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸の溶液に氷冷下で、トリエチルアミン20g及び硫酸ジエチル27gを滴下し、室温まで自然昇温させながら攪拌した。さらに55〜63℃で40分間攪拌した後、氷冷し、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加えた。その後、有機層を分液し、水層は酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣を減圧蒸留し、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エチル14gを得た。(純度95%;光学純度97%ee
MS(EI,m/z) 157(M+
1H−NMR(δ,ppm,CDCl3):1.29(t,3H)、2.57−2.71(m,4H)3.57(d,1H)、4.20(q,2H)、4.30−4.39(m,1H)
[α]D 25 −28°(c 1.02,CHCl3
【発明の効果】
本発明により(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルが簡便に得ることができる。

Claims (4)

  1. 4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有するペニシリウム属に属する菌株の菌体又は菌体処理物を作用させ、生成物をアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させ、次いでジアルキル硫酸と反応させることを特徴とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法。
  2. 4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有するペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)に属する菌株の菌体又は菌体処理物を作用させ、生成物をアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させ、次いでジアルキル硫酸と反応させることを特徴とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法。
  3. 4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルに、4−ブロモ−3−オキソブタン酸エステルを(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エステルに還元する能力を有するペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)IFO4631株の菌体又は菌体処理物を作用させ、生成物をアルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下に金属シアン化物と反応させ、次いでジアルキル硫酸と反応させることを特徴とする(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法。
  4. アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムであり、アルカリ土類金属ハロゲン化物が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜に記載の(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシブタン酸エステルの製造法。
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