JP3917069B2 - 7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法 - Google Patents

7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法 Download PDF

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P33/00Preparation of steroids

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、式(I)
【0002】
【化1】
Figure 0003917069
【0003】
で示される7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法に関する。本発明により得られる7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドは、例えば、下式で示されるスクアラミン(squalamine)などの医薬の合成中間体として有用である。
【0004】
【化2】
Figure 0003917069
【0005】
スクアラミンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、真菌などに対する強力な抗菌活性を有するとともに、抗ガン活性を有することが報告され、新たな抗生物質として注目されている化合物である(特許文献2、非特許文献4など参照)。
【0006】
【従来の技術】
従来、スクアラミンはサメの肝臓から抽出されていたが、その抽出効率が0.001〜0.002重量%と極めて低いため、化学的合成方法の検討が行われてきた。スクアラミンの化学的合成方法としては、1)3β−アセトキシ−5−コレン酸を出発原料とする方法(非特許文献1参照)、2)3β−ヒドロキシ−5−コレン酸を出発原料とする方法(特許文献1、非特許文献2参照)、3)21−ヒドロキシ−20−メチル−プレグナ−4−エン−3−オンを出発原料とする方法(特許文献2、非特許文献3参照)、4)スティグマステロールを出発原料とする方法(特許文献2、非特許文献4参照)が知られている。
【0007】
【特許文献1】
WO 94/19366公報(図1a、図1bおよび図1c)
【特許文献2】
WO 98/24800公報(図10A、図10B、図15B、図16Aおよび図16B)
【非特許文献1】
テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、1994年、第35巻、第8103頁
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1995年、第60巻、第5121頁
【非特許文献3】
オルガニック・レターズ(Org.Lett.)、2000年、第2巻、第2922頁
【非特許文献4】
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1998年、第63巻、第3786頁および第8599頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記1)、2)および3)の方法でそれぞれ出発原料として用いる3β−アセトキシ−5−コレン酸、3β−ヒドロキシ−5−コレン酸、21−ヒドロキシ−20−メチル−プレグナ−4−エン−3−オンはいずれも高価である。また、上記1)の方法ではスクアラミンを得るまでに17工程を要し、2)の方法では19工程を要するなど反応操作が煩雑である。したがって、これらの方法はスクアラミンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。
【0009】
一方、上記4)の方法では、出発原料として用いるスティグマステロールは安価に入手可能であるが、スクアラミンの合成までには20工程を要する。また、4)の方法では、3位水酸基を選択的に酸化する工程で使用する炭酸銀が高価であること、低温下でのオゾン酸化工程を経由するので特殊な反応設備が必要なこと、などの問題点が存在しており、この方法も必ずしも工業的に有利な方法とはいえない。
【0010】
本発明の目的は、スクアラミンなどの医薬の合成中間体として有用な化合物を、入手容易な原料より、高純度で効率よく製造し得る方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を原料として選び、該3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩をシュードモナス(Pseudomonas)属に属する細菌を用いた変換反応に付すことにより、新規な化合物である7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドが高純度で効率よく得られることを先に見出し、特許出願するに至った(特願2002−188849号明細書参照)。
【0012】
本発明は、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を基質として7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを生産するアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属するアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(PTA−4778)である細菌を、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を含む培地で培養することを特徴とする7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属する細菌は、アルカリゲネス フェカリス D4020(Alcaligenes faecalis D4020)菌株(FERM BP−182)菌株に変異処理を施して得られたアルカリゲネス フェカリス D4020−K15(Alcaligenes faecalis D4020−K15)菌株(FERM BP−204)に更に変異処理を施して得られたアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(ATCC(American Type Culture Collection):ブダペスト条約による国際寄託当局;受託番号 PTA−4778)である
【0014】
親株として用いたアルカリゲネス フェカリス D4020−K15(Alcaligenes faecalis D4020−K15)菌株(FERM BP−204)は、3α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を含む培地で培養した場合、12α−ヒドロキシ−プレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20−カルバルデヒドを著量生産する微生物として知られている(特公平1−028758号公報参照)が、これを親株として導かれた変異株の一つであるアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(PTA−4778)は、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を含む培地で培養した場合、7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを選択的に蓄積することがわかった。
【0015】
アルカリゲネス フェカリス D4020(Alcaligenes faecalis D4020)菌株およびアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株の菌学的性質を以下の表1および表2に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0003917069
【0017】
【表2】
Figure 0003917069
【0018】
アルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株のもともとの親株であるアルカリゲネス フェカリス D4020(Alcaligenesfaecalis D4020)菌株はアルカリゲネス属フェカリスに属する細菌であり(特公平1−028758号公報参照)、一般に突然変異株はその親株と同じ種に属するものと考えられていること、および上記の表1に示した菌学的性質より、アルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株はアルカリゲネス属フェカリス種(Alcaligenes faecalis)に属する細菌であると判定した。
【0019】
本菌株は、アルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株と命名され、PTA−4778として米国のATCC(American Type Culture Collection):ブダペスト条約による国際寄託当局)国際寄託、保管されている。
【0020】
本発明による7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの生産は、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を基質として、7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを生産するアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属するアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(PTA−4778)である細菌を、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を含む培地で培養することにより行う。
【0021】
3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸の塩としては、例えば、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩またはカルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。培地中の3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩の濃度は、1〜30g/Lの範囲であるのが好ましく、単離効率、細菌に対する阻害性などの観点からは5〜20g/Lの範囲であるのがより好ましい。
【0022】
培地は、上記のアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属するアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(PTA−4778)である細菌が資化利用できる栄養源を含有するものであればよい。炭素源としては、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を単一炭素源としてもよく、または3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩にグルコース、グリセリン、ペプトン、肉エキス、酵母エキスなどを併用してもよい。窒素源としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの無機窒素源;ペプトン、肉エキス、酵母エキスなどの有機窒素源などが用いられる。また、この他にリン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加される。
【0023】
培養条件に特に制限はないが、培養温度は28〜32℃の範囲であるのが好ましく、29〜31℃の範囲であるのがより好ましい。また、培地のpHは、7〜9の範囲であるのが好ましく、7.7〜8.6の範囲であるのがより好ましい。培養時間は、12時間〜3日間の範囲であるのが好ましい。培養は、振盪培養または通気攪拌培養などの好気条件下に行う。
【0024】
このようにして細菌の培養を行うことにより、原料である3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩が細菌により変換され、培養液中に7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドが蓄積する。この際、蓄積された7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドは、基質の3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩に比して、水に対する溶解度が著しく小さいため、培養液中に析出沈澱する。該7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの分離採取は、例えば、沈澱している7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを含む培養液を静置し、浮遊している菌体を含む培養液からデカンテーションにより分離することにより行うか、遠心分離または濾過助剤を用いる操作により得られる、菌体と7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを含む混合物にメタノールを加えて、7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを溶解させた後、菌体およびその他の不溶物を除去して得られるメタノール溶液からメタノールを減圧下に留去させることにより行う。この際、水を加えてメタノールを留去させると、7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドは針状結晶として析出するため、分離回収が容易となる。
【0025】
7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒド、例えば(20S)−7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドは、その20位ホルミル基を還元することにより(20S)−7α,21−ジヒドロキシ−20−メチル−プレグナ−4−エン−3−オン(後述の参考例2参照)に誘導される。この化合物は、さらに、非特許文献3に記載された方法によりスクアラミンに変換される。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0027】
参考例1
アルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株の取得方法
培地1(普通寒天培地)の斜面培地に一晩生育させたアルカリゲネス フェカリス D4020−K15(Alcaligenes faecalis D4020−K15)菌株の1白金耳を、予め試験管に準備した培地2(ブイヨン液体培地)の10mlに植菌し、30℃、200rpで一晩振盪培養した。得られた培養液の1mlを予め試験管に準備した培地2(前記のとおり)の10mlに植菌し、6時間振盪培養した。得られた培養液を0.45μmのメンブレンフィルターで無菌的に濾過集菌し、0.1Mリン酸緩衝液20mlで洗浄した後、同緩衝液25mlに該フィルターに付着した菌を懸濁させた。得られた菌液のうち4mlに終濃度が50μg/mlとなるようにN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンを添加し、30℃で45分間振盪することにより、突然変異処理を行った。突然変異処理を施した菌液は、直ちに上記のリン酸緩衝液で10倍に希釈し、これを培地1の平板培地に500〜1000個のコロニーを出現させるように希釈して塗布した後、30℃で一晩静置培養を行った。出現したコロニーをランダムに培地1の平板培地に釣菌(50個/プレート)し、翌日それぞれを培地1(前記のとおり)の斜面培地に植菌した。こうして得られた生育菌株を、予め滅菌した培地3(組成:3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸10g、水酸化ナトリウム1.1g、硝酸アンモニウム2g、リン酸二水素一カリウム1g、リン酸水素二カリウム6g、硫酸マグネシウム0.5g、ペプトン0.5g、酵母エキス0.5g、グルコース0.5g、水道水1L、pH7.8)の10mlを含む試験管に2白金耳植菌し、30℃、200rpで24時間、振盪培養した。得られたそれぞれの培養液中の生産物を薄層クロマトグラフィーにより検定し、目的とする7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを選択的に蓄積している一菌株を見出し、これをアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株と命名した。
【0028】
実施例1
アルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)を培地1(前記のとおり)の斜面培地に植菌し、30℃で1日間培養した。次に、生育した菌体の2白金耳を3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸を含む培地3(前記のとおり)の液体培地10ml、2本に植菌し、30℃で一晩振盪培養した後、得られた培養液を同組成の培地3(前記のとおり)の100mlが入った500ml容の坂口フラスコ2本にそれぞれ植菌し、30℃、200rpで12時間培養した。これをさらに1.8Lの培地3(前記のとおり)を含む3L容量の小型発酵槽に植菌し、31℃、通気量0.5VVM、500rpmにて通気攪拌培養を行った。変換が進むと目的物が析出するためにpHが上昇するので2N−HClにてpHを8.0〜8.3になるように調整した。変換の状態は適宜薄層クロマト法(展開溶媒:クロロフォルム/アセトン/酢酸=9/1/1、発色液として硫酸/エタノール=1/1を噴霧し、130℃で加熱)により分析し、原料の3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸のスポットがなくなった15時間で培養を停止した。この培養液を5000rpmで30分間遠心分離処理を行い、得られた菌体と生成物の混合物に水500mlを入れて懸濁させた後、再度遠心分離処理を行うことにより該混合物の洗浄を行った。該混合物にメタノール500mlを添加して生成物を溶解した後、濾過して清澄なメタノール溶液を得た。該メタノール溶液に水200mlを加えた後、ロータリーエバポレーター(バス温40℃)によりメタノールを一部留去し、次いで、得られた濃縮液を室温まで冷却した。晶析した固形物を濾取し、乾燥することにより、下記の物性を有する(20S)−7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒド13.9g(収率83.6mol%)を得た。
【0029】
得られた(20S)−7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの一部を取り、これにメタノールを加えて1%溶液とし、この溶液をODS−80TM(商品名、東ソー株式会社製、4.6mm×150mm)カラム(カラム温度40℃、カラムオーブン;Shimadzu CTO−6A 株式会社島津製作所製)を備えた高速液体クロマトグラフィー(ポンプ部;モデル510 ウォーターズ社製)に注入した。移動相として水/メタノール=27/73(リン酸50μl/L添加)を1ml/分で流し、検出を屈折率方式(検出器;Shodex RI−71 昭和電工株式会社製)で行った。得られたクロマトグラムにおける各ピークの面積比(データ処理;ShimadzuC−R7A plus 株式会社島津製作所製)から上記(20S)−7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの純度を求めたところ、94.8%であった。
【0030】
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS基準、ppm)δ:9.568(1H,d,J=3.95Hz),5.427(1H,d,J=1.98Hz),3.97−3.98(1H,bs),2.635(1H,ddd,J=2.96,2.96,14.84Hz),2.30−2.55(4H,m),1.10−2.10(14H,m),1.205(3H,s),1.139(3H,d,J=5.94Hz),0.769(3H,s)
【0031】
参考例2
(20S)−7α,21−ジヒドロキシ−20−メチル−プレグナ−4−エン−3−オンの合成
実施例1と同様にして得られた(20S)−7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒド2.00g(5.81mmol)にエタノール20mlを加え、攪拌しながら氷冷した。得られた溶液に、水素化ホウ素ナトリウム0.11g(2.91mmol)を加えた後、氷冷下で1時間撹拌した。得られた反応液に3%塩酸を加えて中和し、エタノールを減圧下で留去した。残留物に酢酸エチル100mlおよび水20mlを加え洗浄し、次いで、水層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、減圧下で濃縮することにより、下記の物性を有する(20S)−7α,21−ジヒドロキシ−20−メチル−プレグナ−4−エン−3−オン1.77g(収率88%)を得た。
【0032】
H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS基準、ppm)δ:5.796(1H,s),3.965(1H,brd,J=1.98Hz),3.632(1H,dd,J=2.96,10.88Hz),3.371(1H,dd,J=6.92,10.88Hz),2.612(1H,ddd,J=2.97,2.97,14.84Hz),2.415(1H,dd,J=2.97,14.84Hz),2.3−2.5(m,2H),1.0−2.1(m,15H),1.194(3H,s),1.052(3H,d,J=6.92Hz),0.740(3H,s)
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、スクアラミンなどの医薬の合成中間体として有用な7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを高純度で効率よく製造することができる。

Claims (1)

  1. 3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を基質として7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドを生産するアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属するアルカリゲネス フェカリス:D4020−K15−M34(Alcaligenes faecalis:D4020−K15−M34)菌株(PTA−4778)である細菌を、3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸および/またはその塩を含む培地で培養することを特徴とする7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法。
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