JP4929700B2 - カルボン酸の製造法 - Google Patents
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Description
で示されるアルデヒド化合物に、当該アルコール化合物、または、アルデヒド化合物を対応するカルボン酸化合物に変換する能力を有するロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)に属する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させることを特徴とする、式(3):
で示されるカルボン酸化合物の製造法(以下、本発明製造法と記すこともある);
2.前記微生物が、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC15610株、または、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)ATCC19148株である前項1記載の製造法;
3.前記微生物が1級または2級のアルコールを添加した培地で製造した微生物である前項1又は2記載の製造法;
4.添加する1級または2級のアルコールが1級または2級の炭素数1〜5のアルコール類である前項3記載の製造法;
5.添加する1級または2級のアルコールがメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノールである前項3記載の製造法;
等を提供するものである。
R2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の炭素数1−7のアルキル基が例示される。
R2で示されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6−20のアリール基が例示される。
具体的には、式(1)のアルコール化合物としては、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、2−メチル−1−ヘプタノール、2−メチル−1−オクタノール、2−メチル−1−ノナノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、5−フェニル−1−ペンタノール、6−フェニル−1−ヘキサノールなどが例示される。また、式(2)で示されるアルデヒド化合物としては、具体的には、1−プロピオンアルデヒド、1−ブタナール、1−ペンタナール、1−ヘキサナール、1−ヘプタナール、1−オクタナール、1−ノナナール、2−メチルプロパナール、2−メチルブチルアルデヒド、2−メチルバレルアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒドなどが例示される。また、生成するカルボン酸化合物は具体的にはプロピオン酸、n-酪酸、n-吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、イソ酪酸、2−メチル−酪酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、2−メチルノナン酸、3−フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、5−フェニルペンタン酸、6−フェニルヘキサン酸などが例示される。
窒素源としては、例えば、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、カザミノ酸、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティプリカー(corn steep liquor)、綿実粉、乾燥酵母、硫安及び硝酸ナトリウムが挙げられ、有機塩及び無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム、炭酸カルシウム、酢酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第1鉄及び塩化コバルトが挙げられる。
試験管に滅菌済み培地(1Lの水に、グルコース20g、ポリペプトン5g、酵母エキス3g、肉エキス3g、硫酸アンモニウム0.2g、リン酸2水素カリウム1g及び硫酸マグネシウム7水和物0.5gを加えた後、pHを7.0に調整したもの)5mlを入れ、これにRhodococcus rhodochrous ATCC15610株、または、Rhodococcus sp. ATCC19148株を植菌した。これを30℃で好気条件下、振盪培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を分離することにより、生菌体を得た。ねじ口試験管に0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1ml入れ、これに上記の生菌体を加えた後、懸濁した。当該懸濁液に、アルコール化合物、または、アルデヒド化合物を最終濃度として1%(w/v)となるように)を添加した後、得られた混合物を30℃で24時間振盪させた。
(含量分析条件1)
カラム:Cadenza CD−C18(4.6mmφ×15cm、3μm)(Imtakt社製)
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 メタノール
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
10 80:20
20 50:50
30 50:50
30.1 80:20
流量:0.5ml/分、カラム温度:40℃、検出:220nm
(含量分析条件2)
カラム:DB−1(0.53mmX30m、1.5μm)(J&W Scientific製)
カラム温度:70℃(0分)→4℃/分→170℃(0分)→30℃/分→290℃(5分)
キャリアーガス:ヘリウム(流量:7ml/分)、検出器:FID、注入量:1μl
実施例2 (本発明製造法による、アルコール化合物、または、アルデヒド化合物からのカルボン酸化合物の製造例(その2))
試験管に滅菌済み培地(1Lの水に、1−プロパノール20g、ポリペプトン5g、酵母エキス3g、肉エキス3g、硫酸アンモニウム0.2g、リン酸2水素カリウム1g及び硫酸マグネシウム7水和物0.5gを加えた後、pHを7.0に調整したもの)5mlを入れ、これにRhodococcus rhodochrous ATCC15610株、または、Rhodococcus sp. ATCC19148株を植菌した。これを30℃で好気条件下、振盪培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を分離することにより、生菌体を得た。ねじ口試験管に0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1ml入れ、これに上記の生菌体を加えた後、懸濁した。当該懸濁液に、アルコール化合物、または、アルデヒド化合物を最終濃度として1%(w/v)となるように)を添加した後、得られた混合物を30℃で24時間振盪させた。
カラム:Cadenza CD−C18(4.6mmφ×15cm、3μm)(Imtakt社製)
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 メタノール
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
10 80:20
20 50:50
30 50:50
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:220nm
カラム:DB−1(0.53mmX30m、1.5μm)(J&W Scientific製)
カラム温度:70℃(0分)→4℃/分→170℃(0分)→30℃/分→290℃(5分)
キャリアーガス:ヘリウム(流量:7ml/分)
検出器:FID
注入量:1μl
試験管に滅菌済み培地(1Lの水に、表3で示された各種アルコール類20g、ポリペプトン5g、酵母エキス3g、肉エキス3g、硫酸アンモニウム0.2g、リン酸2水素カリウム1g及び硫酸マグネシウム7水和物0.5gを加えた後、pHを7.0に調整したもの)5mlを入れ、これにRhodococcus rhodochrous ATCC15610株、または、Rhodococcus sp. ATCC19148株を植菌した。これを30℃で好気条件下、振盪培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を分離することにより、生菌体を得た。ねじ口試験管に0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1ml入れ、これに上記の生菌体を加えた後、懸濁した。当該懸濁液に、1,2−ブタンジオールを最終濃度として1%(w/v)となるように)を添加した後、得られた混合物を30℃で24時間振盪させた。
(含量分析条件)
カラム:Cadenza CD−C18(4.6mmφ×15cm、3μm)(Imtakt社製)
移動相:A液 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液 メタノール
時間(分) A液(%):B液(%)
0 80:20
10 80:20
20 50:50
30 50:50
30.1 80:20
流量:0.5ml/分
カラム温度:40℃
検出:220nm
Claims (5)
- 青酸非存在下、式(1):
(式中、R1は水素、炭素数1〜8のアルキル基、または、水酸基を表し、R2は炭素数1〜7のアルキル基、または、炭素数6〜20のアリール基を表す。)
で示されるアルコール化合物、または式(2)
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を表す。)
で示されるアルデヒド化合物に、当該アルコール化合物、または、アルデヒド化合物を対応するカルボン酸化合物に変換する能力を有するロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)に属する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させる式(3):
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を表す。)
で示されるカルボン酸化合物の製造法であり、かつ、前記微生物が、式(1)で示されるアルコール化合物または式(2)で示されるアルデヒド化合物に前記微生物の菌体又は菌体処理物を作用させる前に、1級または2級のアルコールを添加した培地で培養して製造した微生物であることを特徴とする製造法。 - 青酸非存在下、式(1):
(式中、R 1 は水素、炭素数1〜8のアルキル基、または、水酸基を表し、R 2 は炭素数1〜7のアルキル基、または、炭素数6〜20のアリール基を表す。)
で示されるアルコール化合物、または式(2)
(式中、R 1 、R 2 は前記と同じ意味を表す。)
で示されるアルデヒド化合物に、当該アルコール化合物、または、アルデヒド化合物を対応するカルボン酸化合物に変換する能力を有するロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC15610株、または、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)ATCC19148株の微生物の菌体又は菌体処理物を作用させる式(3):
(式中、R 1 、R 2 は前記と同じ意味を表す。)
で示されるカルボン酸化合物の製造法であり、かつ、前記微生物が、式(1)で示されるアルコール化合物または式(2)で示されるアルデヒド化合物に前記微生物の菌体又は菌体処理物を作用させる前に、1級または2級のアルコールを添加した培地で培養して製造した微生物であることを特徴とする製造法。 - R 1 が、水素、メチル基、または、水酸基であり、R 2 が、炭素数1〜7のアルキル基、または、ベンジル基である請求項1又は2記載の製造法。
- 1級または2級のアルコールが、炭素数1〜5の1級または2級のアルコールである請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
- 1級または2級のアルコールが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、または2,2−ジメチル−1−プロパノールである請求項1〜3のいずれか記載の製造法。
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