JP4765170B2 - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置の製造方法に関し、特には基板間に充填された封止樹脂部内に発光素子を設けてなる表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア指向の商品を初めとし、人間と機械とのインタ−フェ−スの重要性が高まってきている。人間がより快適に効率良く機械操作するためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔に、そして瞬時に、充分な量取り出す必要があり、その為にディスプレイを初めとする様々な表示素子について研究が行われている。
【0003】
また、機械の小型化に伴い、表示素子の小型化、薄型に対する要求も日々、高まっているのが現状である。例えば、ノート型パ−ソナルコンピュ−タ、ノート型ワ−ドプロセッサなどの、表示素子一体型であるラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディスプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。液晶ディスプレイは、様々な製品のインタ−フェ−スとして用いられており、ラップトップ型情報処理機器はもちろんのこと、小型テレビや時計、電卓を初めとし、我々の日常使用する製品に多く用いられている。
【0004】
ところが、液晶ディスプレイは、自発光性でないためバックライトを必要とし、このバックライト駆動に液晶を駆動するよりも電力を必要する。また、視野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子には適していない。さらに、液晶分子の配向状態による表示方法なので、視野角の中においても、角度によりコントラストが変化してしまう。しかも、液晶は基底状態における分子のコンフォメーションの変化を利用して表示を行っているので、ダイナミックレンジが広くとれない。これは、液晶ディスプレイが動画表示には向かない理由の一つになっている。
【0005】
これに対し、自発光性表示素子は、プラズマ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が研究されている。
【0006】
プラズマ表示素子は低圧ガス中でのプラズマ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適しているものの、薄型化、コストの面での問題を抱えている。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携帯用デバイスには適していない。
【0007】
無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレイ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様に、交流バイアス駆動であり駆動には数百V必要であり、ユ−ザ−に受け入れられなかった。しかし、技術的な発展により、今日ではカラ−ディスプレイ表示に必要なRGB三原色の発光には成功しているが、青色発光材料が高輝度、長寿命で発光可能なものがあまり無く、また、無機材料のために、分子設計などによる発光波長等の制御は困難であり、コンスーマー向けのフルカラ−デバイス化は困難であると思われる。
【0008】
一方、有機化合物による電界発光現象は、1960年代前半に強く蛍光を発生するアントラセン単結晶への、キャリア注入による発光現象が発見されて以来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、しかも単結晶であった為、有機材料へのキャリア注入という基礎的研究として行われていた。
【0009】
しかし、1987年にEastman Kodak社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機電界発光素子を発表して以来、各方面でRGB三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造、作製法等の研究開発が盛んに行なわれている。
【0010】
さらに、有機材料の特徴である分子設計等により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有する有機電界発光素子のカラ−ディスプレイへの応用研究も盛んに行われ始めている。
【0011】
図9には、このような発光素子(有機電界発光素子)を用いた表示装置の一構成例を示す。この図に示す表示装置に用いられる発光素子は、例えばガラス等からなる平板状の基板1上に設けられている。この発光素子2は、例えばアノード電極として設けられた下部電極3、この下部電極3上に順次積層された正孔輸送層4、発光層5および電子輸送層6、さらにこの上部に設けられたカソード電極となる上部電極7によって構成されている。このように構成された発光素子2では、下部電極3及び上部電極7から注入された電子と正孔とが発光層5にて再結合する際に生じる発光光が、基板1側または上部電極7側から取り出される。
【0012】
ところで、有機電界発光素子のカラ−ディスプレイへの応用を行う上で、RGB三原色の安定した発光は必要不可欠な条件である。しかしながら、有機電界発光素子を長時間駆動することにより、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生し、このダークスポットの成長が有機電界発光素子の寿命を短くしている原因のひとつとなっている。
【0013】
ダークスポットは一般的に駆動直後は肉眼では見えない程度の大きさで発生し、これを核として連続駆動により成長していくことが知られている。また、ダークスポットは駆動を行わない保存状態でも発生し、経時的に成長することが知られている。
【0014】
ダ−クスポットの原因は色々考えられるが、外的要因としては、水分や酸素のデバイス内への浸入による有機層の結晶化、カソ−ドメタル電極の剥離等が考えられる。内的要因としては、カソ−ドメタルの結晶成長によるショ−ト、発光に伴う発熱による有機層の結晶化、劣化等がダ−クスポットの要因として考えられている。
【0015】
そこで、このような構成の発光素子を用いた表示装置は、例えば図10に示すように、発光素子2が設けられている基板1上の表示領域10を封止樹脂13で覆い、この封止樹脂13を挟み込む状態で基板1に対向させてガラス板のような平板状の封止基板14が貼り付けられ、これによって基板1と封止基板14との間に充填された封止樹脂13中に表示領域10(発光素子2)を封止している。
【0016】
このような構成の表示装置を製造する場合、先ず、基板1上の表示領域10に発光素子2を形成し、表示領域10全体を覆う状態で未硬化の封止樹脂13を基板1上に供給する。次いで、基板1と対向させた状態で、封止樹脂13上に封止基板14を載置することで、封止樹脂13に対して封止基板14を貼り合わせた後、封止樹脂13を硬化させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図10に示した構成の表示装置においては、平板状の基板1に対して平板状の封止基板14の貼り付けが行われるため、これらの間に気泡が混入し易い。したがって、封止樹脂13中に発光素子2を封止しているものの、この気泡内に封じ込められている大気中の水分や酸素による発光素子2の劣化を防止することはできない。そして特に、この表示装置が封止基板14側から光を取り出す、いわゆる上面発光型である場合、このような気泡部分はそのまま非発光部となり、良好な表示特性を得ることができない不良品となってしまう。
【0018】
また、基板1と封止基板14とを貼り合わせるためには、発光素子2が形成された基板1に対して一枚ずつ封止基板14を貼り付けるといった非常に手間のかかる工程を行う必要がある。しかも、この工程においては、上述したように気泡が混入しないように注意を払いながら作業を行う必要があり、このことからも、この貼り付け工程が表示装置の生産性を低下させる要因になっている。
【0019】
そこで本発明は、気泡を混入させることなく、しかもより簡便に基板間に発光素子を封止することが可能な表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の表示装置の製造方法は、基板上に窒化チタンあるいは窒化シリコンからなる封止層によって被覆された発光素子を形成する工程と、基板と封止基板とを、基板と封止基板との間に一定の間隔を保持して基板の長手方向に送りだす工程と、基板の発光素子形成面及び前封止基板の表面の少なくとも一方に未硬化の封止樹脂を供給する工程と、基板と封止樹脂とを、これらの端部側から順に未硬化の封止樹脂を介して互いに押し圧し、貼り合わせる工程と、基板と封止基板とを張り合わせたのち、未硬化の封止樹脂を硬化させる工程とを含むものである。
【0023】
以上のような表示装置の製造方法では、基板及び封止基板の少なくとも一方がフィルムによって構成されている。このため、基板と封止基板とを封止樹脂を介して互いに押し圧する際、フィルム側を自在に湾曲させることで、押し圧部分の移動方向の下流側において基板と封止基板との間隔を保つことができる。そして、押し圧部分の移動方向の下流側において基板と封止基板との間隔を保ちながら、押し圧部分を移動させることで、基板と封止基板との間の大気を追い出しながらこれらを貼り付けることができるため、貼り付け部分への気泡の混入を抑えることができる。
【0024】
このような製造方法において、基板及び封止基板のうちの少なくとも一方を構成するフィルムは、押し圧部分にロール状から巻き出されて供給されるようにしても良い。さらに、封止樹脂の供給箇所は、基板と封止基板との押し圧部分の移動方向の下流側において押し圧部分と共に移動させても良い。このような構成にすることで、基板と封止基板との連続した貼り付けが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の表示装置およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
尚、ここでは発光素子として有機電界発光素子を用いた表示装置の各実施形態の説明を行う。しかし、本発明の表示装置は、発光素子として有機電界発光素子を用いたものに限定されることはなく、例えば無機電界発光素子のような自発光型の発光素子を用いた表示装置に広く適用可能である。また、従来の技術において図9及び図10を用いて説明した構成要素と同様の部材には、同一の符号を付した。
【0027】
図1に示す実施形態の表示装置と、従来の技術で説明した表示装置との異なるところは、発光素子2が形成される基板101及びこの発光素子2を封止するために設けられた封止基板104として、フィルムが用いられているところにある。
【0028】
すなわち発光素子2は、フィルム状の基板(以下、基板フィルムと記す)101の発光領域10に形成されており、この発光素子2を覆う封止樹脂13上に、基板フィルム101に対向させてフィルム状の封止基板(以下、封止フィルムと記す)104が設けられているのである。
【0029】
ここで、基板フィルム101及び封止フィルム104としては、ロール形状に巻き付けることが可能な程度に自在に湾曲するように、材料及び膜厚が選定されたものであることとし、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエステルなどのポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース類、ビニル系樹脂などを適宜の膜厚に成形したものであることとする。
【0030】
そして特に、基板フィルム101及び封止フィルム104のうち、発光素子2における発光光を取り出す側に設けられているフィルムは、透明材料で構成されていることとする。また、発光光を取り出す側に設けられているフィルムは、反射防止機能を有する材料からなるもの、円偏光機能を有する材料からなるもの、母材フィルム層の表面に反射防止機能を有する層を形成してなるもの、さらには母材フィルム層の表面に円偏光機能を有する層を形成してなるもの等、既に市販されているフィルムを用いることで、生産性を向上させることができる。
【0031】
また、これらの基板フィルム101及び封止フィルム104間に充填される封止樹脂13は、例えば二液混合型のエポキシ樹脂や、熱硬化型樹脂、さらには紫外線硬化樹脂(UVレジン)などが用いられる。
【0032】
次に、このような構成の表示装置に用いられる有機電界発光素子の構成を図2に基づいて説明する。有機電界発光素子(以下、単に発光素子と記す)2は、例えばこの表示装置が基板フィルム101側から発光光を取り出す「透過型」である場合、透明な基板フィルム101上に、スパッタリングによって形成された透明な下部電極3を備えている。この下部電極3は、例えばアノード電極として用いられるもので、この下部電極3上には、正孔輸送層4、発光層5及び電子輸送層6が順次設けられ、さらにこの電子輸送層6上にカソード電極となる上部電極7が設けられ、これによって発光素子2が構成されている。
【0033】
尚、下部電極3は、アノード電極として用いられることに限定されず、カソード電極として用いられるものであっても良い。また同様に上部電極7は、カソード電極として用いられることに限定されず、下部電極3がカソード電極として用いられる場合には、アノード電極として用いられるものであることとする。ただし、透過型の表示装置の場合には下部電極3が透明材料で構成されることとする。
【0034】
さらに、表示装置が封止フィルム104側から発光光を取り出す「上面発光型」である場合、アノード電極またはカソード電極として用いられる上部電極7が、透明材料で構成されることとする。またこの場合、基板フィルム101は透明材料に限定されることはなく、TFT(thin film transistor)が形成されたTFT基板フィルムを用いても良い。
【0035】
ここで、発光素子2を構成するカソード電極材料としては、効率良く電子を注入するために、電極材料の真空準位からの仕事関数の小さい金属を用いることが好ましく、例えば、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)等の仕事関数の小さい金属を単体で、または他の金属との合金として安定性を高めて使用しても良い。
【0036】
一方、アノード電極材料としては、効率良く正孔を注入するために、電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えば金(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金、さらには上述してITO等を用いることとする。
【0037】
また、これらのカソード電極材料及びアノード電極材料は、単一材料からなるものであっても複数の材料を積層してなるものであっても良い。
【0038】
そして、下部電極3と上部電極7との間には、少なくとも有機材料からなる発光層5が設けられることとし、必要に応じてこの発光層5のアノード電極側に正孔輸送層、発光層5のカソード電極側に電子輸送層、電子注入層などの有機層が適宜選択された順に配置されていることとする。例えば、下部電極3がアノード電極として構成されている場合には、上述したように、下部電極3上に正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6及びカソード電極としての上部電極7が順次設けられていることとする。また、各層を構成する材料に限定条件はなく、例えば正孔輸送層であるならば、ベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの正孔輸送材料を用いることができる。
【0039】
これらの各有機層は、それぞれが複数層からなる積層構造であっても良く、発光層5は、正孔輸送性発光層、電子輸送性発光層であっても良い。
【0040】
さらに、発光層5の発光スペクトルの制御を目的として、微量分子の共蒸着を行っても良く、例えば、ベリレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質を微量含む有機薄膜であっても良い。
【0041】
また、このような発光素子において、下部電極3の周囲には、絶縁膜8が設けられており、さらにこれらの構成材料を覆う状態で封止層9が設けられていることとする。この封止層9は、例えば窒化チタンやチッ化シリコン、ゲルマニウム酸化物等からなるもので、発光素子2の保護膜となるものであり、例えば樹脂材料(例えば接着剤や封止樹脂)などの発光素子2への侵入を防止するためのものであることとする。このような封止層9は、例えばCVD法やスパッタ法等の手法によって発光素子2を覆う状態で基板フィルム101上に形成される。
【0042】
次に、上述した構成の表示装置の製造方法を、図1及び図2とともに、図3に基づいて説明する。
【0043】
先ず、表示装置の製造に用いる貼り合わせ装置の一構成例を説明する。図3に示す貼り合わせ装置は、基板フィルム101を載置するためのステージ301を備えている。このステージ301には、ステージ301上に載置された基板フィルム101をその長手方向に移動させる基板送り機構(図示省略)が設けられていることとする。
【0044】
またこのステージ301には、ステージ301上で移動する基板フィルム101をその幅方向に亘って押し圧する押し圧機構303が備えられていることとする。この押し圧機構303は、例えば、1組の回動自在なローラ303a,303bを、ステージ301の載置面を挟んで上下に配置してなるもので、ローラ303a,303b間に挟持された基板フィルム101及び封止フィルム104の積層体に対して所定の圧力が加えられるように構成され、基板送り機構による基板フィルム101の移動方向に対して回動方向を平行にした状態で設けられている。尚、押し圧機構303の構成は、このようなローラ303a,303bで挟み込む機構に限定されることはなく、基板フィルム101の移動に伴い、その押し圧部分が基板フィルム101の長尺方向に対して相対的に移動する構成で有ればよい。
【0045】
このステージ301の上部には、封止フィルム104が巻き付けられた供給ロール305が配置されている。この供給ロール305は、所定のトルクを有しており、例えば、押し圧機構303を構成するローラ303a,303bに対して平行でかつ幅方向の位置を一致させた状態で設けられていることとする。
【0046】
さらに、ステージ301上部における供給ロール305と押し圧機構303との中間位置には、供給ロール305から供給された封止フィルム104を掛け渡すための支持ローラ307が配置されている。この支持ローラ307は、例えば、ロール301と平行でかつ幅方向の位置を一致させた状態で設けられている。
【0047】
そして、ステージ301の上部で、かつ基板フィルム101に対する押し圧機構303の移動方向の下流側(すなわち、図中矢印で示したフィルム基板101の移動方向に対する押し圧機構303よりも上流側)には、未硬化の封止樹脂13をステージ301上の基板フィルム101に対して供給するための供給ヘッド309が配置されている。
【0048】
この供給ヘッド309は、例えば未硬化の封止樹脂13を滴下するシリンジとして構成されるか、または未硬化の封止樹脂13を噴霧供給するものとして構成されていても良く、基板フィルム101の幅方向に対して封止樹脂13を均一に供給可能であることが好ましい。ただし、未硬化の封止樹脂13を噴霧供給するものである場合、ステージ301上の基板フィルム101への封止樹脂13の供給に限定されることはなく、支持ローラ307に掛け渡されて押し圧機構303に挟持される直前の封止フィルム104の裏面側部分に対して封止樹脂13を供給するように構成されたものとすることもできる。
【0049】
次に、この貼り合わせ装置を用いた表示装置の製造手順を説明する。
先ず、基板フィルム101上の表示領域10に、図2を用いて説明した構成の発光素子2を形成し、この発光素子2を覆う状態で基板フィルム101上に封止層9を形成する。ここで、基板フィルム101は、長尺状のフィルム材であっても良い。この場合、例えば基板フィルム101の長手方向に沿って複数の表示領域10が所定間隔を設けて配列され、各表示領域10に発光素子2が形成されることとする。
【0050】
また、長尺状の基板フィルム101の短手方向の幅と略同一幅を有する封止フィルム104を用意する。この封止フィルム104は、例えば所定のトルクを有して回転する供給ロール305に巻きつけられていることとする。
【0051】
次に、表示領域10を上方に向けた状態で基板フィルム101をその長手方向端部側からステージ301上に送り出す。また、供給ロール305に巻き付けられた封止フィルム104を、その端部側から引き出して支持ロール307上に掛け渡し、基板フィルム101の端部と封止フィルム104の端部とを重ね合わせた状態で押し圧機構303のロール303a,303b間に挿入する。またこれと同時に、基板フィルム101上(または封止フィルム104の裏面側)に、供給ヘッド309から未硬化の封止樹脂13を供給する。この際、基板フィルム101上の発光素子2が十分に封止される程度の量の未硬化の封止樹脂13を供給する。
【0052】
以上によって、基板フィルム101上に封止樹脂13を介して封止フィルム104を重ね合わせた一体物が、ステージ301に設けられた基板送り機構によって、押し圧機構303を通過する。この際、押し圧機構303のローラ303a,303bによって封止フィルム104と基板フィルム101とが互いに押し圧される。この押し圧部分は、基板フィルム101及び封止フィルム104の供給端部側から基板フィルム101の移動方向(図中矢印方向)と逆方向に移動する。また、押し圧機構303の移動方向に対して押し圧機構303よりも下流側において、封止フィルム104が支持ロール307に掛け渡されており、またこの封止フィルム104を供給する供給ロール305が所定のトルクを有することから、押し圧機構303よりも下流側においては封止フィルム104と基板101との間の間隔が保たれ、押し圧機構303部分で初めて基板フィルム101と封止フィルム104とが重ね合わされることになる。
【0053】
以上のようにして押し圧機構303部分において基板フィルム101と封止フィルム104とを貼り合わせた後、所定の硬化時間を設けて封止樹脂13を硬化させる。ただしこの際、封止フィルム104が透明材料からなり、封止樹脂13として紫外線硬化樹脂を用いた場合には、押し圧機構303の移動方向に対する押し圧機構303よりも上流側において、封止フィルム104側から紫外線を照射することによって封止樹脂13を硬化させる。
【0054】
以上によって、基板フィルム101と封止フィルム104との間に充填された封止樹脂13中に発光素子2を封止してなる表示装置が得られる。
【0055】
このような製造方法では、基板フィルム101と封止フィルム104とを貼り合わせる際、封止フィルム104を支持ロール307に掛け渡してから押し圧機構303部分に供給することで、基板フィルム101及び封止フィルム104に対する押し圧機構303の移動方向の下流側において基板フィルム101と封止フィルム104との間に間隔が保たれる。そして、押し圧機構303の移動方向の下流側において基板フィルム101と封止フィルム104との間隔を保ちながら、押し圧部分が移動することになるため、基板フィルム101と封止基板フィルム104との間の大気を追い出しながらこれらを貼り付けることができ、貼り付け部内(すなわち封止樹脂13内)への気泡の混入を抑えることができる。
【0056】
つまり、気泡の混入を確実に防止した表示装置を簡便に得ることが可能になるのである。そして、このような気泡の混入が抑えられた表示装置は、気泡中の水分や酸素による発光素子2の劣化を抑えることができる。また、特にこの発光素子2が「上面発光型」である場合には、気泡による非発光部が生じることを防止でき、良好な表示特性を得ることができる。
【0057】
さらに、上述した製造方法においては、長尺状の封止フィルム104が、押し圧機構303に対してロール305から巻き出されて供給され、また封止樹脂13の供給箇所が、基板フィルム101に対して押し圧機構303と共に移動するため、複数の基板フィルム101または長尺状の封止フィルム104に対して連続した貼り付けを行うことが可能になる。
【0058】
以上の結果、表示装置の表示特性の向上及び生産性の向上を図ることが可能になる。
【0059】
尚、上述した実施形態においては、封止フィルム104をロール状に巻き付けた状態から押し圧機構303に供給する場合を説明した。しかし、封止フィルム104は、ロール状に巻き付けた状態からの供給に限定されることはない。
【0060】
また、発光素子2を覆う状態で成膜された封止層9が自在に屈曲する材料からなるものであれば、ロール状に巻き付けた長尺状の基板フィルム101をその端部側から順次ステージ301上に供給することも可能である。この場合、図3で示した基板フィルム101と封止フィルム104との配置状態を逆にしても良い。
【0061】
また、図3で示した基板フィルム101と封止フィルム104との配置状態を逆とした場合、基板フィルム101は、ロール状に巻き付けた状態からの供給に限定されることはない。
【0062】
尚、図3で示した基板フィルム101と封止フィルム104との配置状態を逆とした場合、貼り合わせ装置におけるステージ301は、基板フィルム101に対する押し圧機構303の移動方向の上流側の載置面が、基板フィルム101に対して紫外線を照射するための紫外線照射窓となる石英板401で構成されていることが好ましい。この石英板401は、ステージ301上を移動する基板フィルム101の幅方向に亘り、かつ所定速度で移動する基板フィルム101上の紫外線硬化樹脂(封止樹脂13)を十分に硬化させることが可能な長さで設けられることとする。
【0063】
このような石英板401が設けられた貼り合わせ装置においては、図3で示した基板フィルム101と封止フィルム104との配置状態を逆とし、封止フィルム104が透明材料からなる場合、押し圧機構303を通過した基板フィルム101−封止フィルム104間の封止樹脂13に対して、封止フィルム104側から紫外線を照射することが可能になる。このため、紫外線照射による封止樹脂13の硬化を、基板フィルム101と封止フィルム104との貼り合わせに連続して行うことが可能になる。
【0064】
また、上記実施形態においては、発光素子2が形成される基板フィルム101と封止フィルム104とを押し圧機構303を構成するローラ303a,303bによって、これらの両側から押し圧する場合を説明した。しかし、押し圧機構303は、基板フィルム101と封止フィルム104のどちらか一方を他方側に押し圧する構成であっても良い。このような押し圧機構としては、例えばステージ301の載置面上に押し圧機構となる1本のローラを設けることで実現できる。
【0065】
さらに、上記実施形態においては、発光素子2が形成される基板と、これに対向して貼り付けられる封止基板との両方をフィルム状とした場合を説明した。しかし、発光素子2が形成される基板と封止基板とのどちらか一方がフィルム状であり、他方が平板状の基板(例えばガラス基板)である場合であっても同様である。ただしこの場合、表示装置の製造工程においては、平板状の基板に対してフィルム側を押し圧することで、平板状の基板とフィルムとを封止樹脂を介して圧着することが望ましい。
【0066】
またこの他にも、図4に示すように、ステージ301の下方に、封止フィルム104(または基板フィルム101)が巻き付けられた供給ロール305、及び支持ローラ307を配置し、ステージ301上を移動するガラス基板1(または封止ガラス基板14)に対して、下方から封止フィルム104(または基板フィルム101)を供給する構成であっても良い。この場合、封止樹脂(13)を供給するための供給ヘッド(図示省略)は、ステージ301の基板載置面と支持ローラ307との間に設けられることとする。尚、このような構成の貼り合わせ装置は、発光素子2が形成される基板と封止基板との両方がフィルムからなる場合であっても、適用可能である。
【0067】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0068】
(実施例1)
先ず、30mm×30mmのガラス基板1上の表示領域10に、発光素子2を形成した。この際、アノード電極となる下部電極としてITO(膜厚約100nm)を形成し、SiO2蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを作製した。
【0069】
次に正孔輸送層として図5に示すTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nm蒸着(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)した。この蒸着されたTPDの上に、電子輸送性を持った発光材料であるアルミキノリン錯体Alq3(トリス(8−キノリノ−ル)アルミニウム)(図6参照)を発光層として50nm(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)蒸着した後、カソ−ド電極としてLi(リチウム)を約0.5nm蒸着(蒸着速度〜0.03nm/sec.)し、カソード電極封止層としてAlSiCu(Si-1.0重量パーセント、Cu-0.5重量パーセント)を200nm蒸着した。更に、封止を完全に行うためにAuGe電極を200nm蒸着し有機電界発光素子を作製した。
【0070】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。電流密度100mA/cm2での輝度は6400cd/m2であった。発光スペクトルの形状からAlq3からの発光であることは明らかであった。
【0071】
上記方法で発光素子2を形成したガラス基板1に対し封止フィルム104を接着した。この際、フィルム膜厚1mmのPETフィルムを封止フィルム104とし、この封止フィルム104をロール状にして貼り合わせ装置に設置した。そして、封止樹脂13として二液混合型エポキシ樹脂(長瀬チバガイギ−製アラルダイド)をシリンジ状の供給ヘッドから基板1上に供給しながら、基板1上に封止樹脂13を介して封止フィルム104をロールにて圧着した。接着作業は水分、酸素濃度が1ppm以下の環境で行われた。その後、3時間放置することにより、封止樹脂13を硬化させた。
【0072】
この様にして作製された表示装置を、気温20℃、相対湿度20%下の外気中で5ma/cm2で定電流駆動する駆動試験を行ったところ(初期輝度230cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0073】
(実施例2)
ロール状に巻き付けられたPETフィルムを基板フィルム101とし、この基板フィルム101上の30mm×30mmを1デバイスとした表示領域10に発光素子2を形成した。この際、アノード電極となる下部電極としてITO(膜厚約100nm)を形成し、SiO2蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを作製した。
【0074】
次に、正孔注入層として図7に示すm−MTDATA(4,4',4''-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)を真空蒸着法により真空下で30nm、正孔輸送層として図8に示すα−NPD(α-naphtyl phenil diamine)を真空蒸着法により真空下で30nm蒸着(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)し、電子輸送性発光層としてAlq3(8-hydroxy quinorine alminum)を50nm蒸着し、カソ−ド電極としてLiを約0.5nm蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec.)し、カソード電極封止層としてAlCu(Cu-1重量パーセント)を200nm蒸着した。更に、封止を完全に行うためにAuGe電極を200nm蒸着して発光素子2を作製した。
【0075】
尚、ロール状で供給される基板フィルム101上には、連続して発光素子2を作製することも可能であり、また素子毎に作製することも可能であった。
【0076】
こうして作製された発光素子2の特性を測定したところ、最大発光波長は520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。電流密度400mA/cm2での輝度は26000cd/m2であった。発光スペクトルの形状からAlq3からの発光であることは明らかであった。
【0077】
上記方法で発光素子2が形成された基板フィルム101に対し、実施例1と同様にしてPETフィルムからなる封止フィルム104を接着した。
【0078】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0079】
(実施例3)
実施例2と同様の手順で、基板フィルム101上に有機電界発光素子を形成した。
【0080】
上記方法で発光素子2を形成した基板フィルム101に対し、封止ガラス基板14を接着した。この際、ステージ上にセットされた基板フィルム101の発光素子2形成面上に、封止樹脂13として紫外線硬化樹脂(スリーボンド製30Y-332)をシリンジから供給しながら、この基板フィルム101の上部にセットした封止ガラス基板14に対して、基板フィルム101側からのロール押圧にて当該基板フィルム101を圧着した。接着作業は水分、酸素濃度が1ppm以下の環境で行われた。また圧着後直ちに封止ガラス基板14側から紫外線を照射して、封止樹脂13を硬化させた。
【0081】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0082】
(実施例4)
実施例1と同様の手順でガラス基板1上に発光素子2を作製した。
【0083】
上記方法で発光素子2を形成したガラス基板1に対し、PETフィルムからなる封止フィルム104を接着した。この際、ステージ上にセットされた封止フィルム104上に、封止樹脂13として紫外線硬化樹脂(スリーボンド製30Y-332)をシリンジから供給しながら、発光素子2形成面を下方に向けて封止フィルム104の上部にセットしたガラス基板1に対して、封止フィルム104側からのロール押圧にて当該封止フィルム104を圧着した。接着作業は水分、酸素濃度が1ppm以下の環境で行われた。また圧着後、封止基板14側から紫外線を照射して、封止樹脂13を硬化させた。
【0084】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0085】
(実施例5)
実施例1と同様の手順でガラス基板1上に発光素子2を作製した後、実施例4と同様にして発光素子2を形成した基板1に対してPETフィルムからなる封止フィルム104を圧着させた。圧着後直ちに、ステージに設けられた石英板を通して封止フィルム104側から紫外線を照射して、封止樹脂13を硬化させた。
【0086】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0087】
(実施例6)
実施例2と同様の手順でPETフィルムからなる基板フィルム101上に発光素子2を形成した。
【0088】
上記方法で発光素子2を形成した基板フィルム101に対し、PETフィルムからなる封止フィルム104を接着した。この際、ステージ上に供給される封止フィルム104上に、封止樹脂13として紫外線硬化樹脂(スリーボンド製30Y-332)をシリンジから供給しながら、発光素子2形成面を下方に向けて封止フィルム104の上部にセットした基板フィルム101側からのロール押し圧にて、当該封止フィルム104に基板フィルム101を圧着した。接着作業は水分、酸素濃度が1ppm以下の環境で行われた。圧着後直ちに、ステージに設けられた石英板を通して封止フィルム104側から紫外線を照射して、封止樹脂13を硬化させた。
【0089】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0090】
(実施例7)
実施例2と同様の手順でPETフィルムからなる基板フィルム101上に発光素子2を形成した後、発光素子2を覆う状態でCVD法によって窒化チタンを形成し、さらに封止の効果を高めた。
【0091】
上記方法で発光素子2を形成した基板フィルム101に対し、実施例6と同様にして、PETフィルムからなる封止フィルム104を接着し、封止樹脂13を硬化させた。
【0092】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。
【0093】
またさらに、この表示装置を、温度60℃、相対湿度60%雰囲気の恒温槽内にて1mA/cm2で定電流駆動したところ(初期輝度200cd/m2)、駆動後1時間では倍率10倍のファインダーを通して観察することによるダークスポットは5個以下という少ない数に抑えることが可能であった。
【0094】
(実施例8)
先ず、30mm×30mmのガラス板からなる基板1上の表示領域10に、発光素子2を形成した。この際、アノード電極となる下部電極としてCr(膜厚約200nm)を形成し、SiO2蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを作製した。
【0095】
次に正孔輸送層としてTPDを真空蒸着法により真空下で約50nm蒸着(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)した。この蒸着されたTPDの上に、電子輸送性を持った発光材料であるAlq3を発光層として50nm(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)蒸着した後、カソ−ド電極としてMg−Agを約0.5nm蒸着(蒸着速度〜0.03nm/sec.)し、カソード電極封止層として窒化シリコン膜を3μm蒸着した。
【0096】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。電流密度100mA/cm2での輝度は6400cd/m2であった。発光スペクトルの形状からAlq3からの発光であることは明らかであった。
【0097】
上記方法で発光素子2を形成した基板1に対し実施例1と同様にして封止フィルム104を接着した。この様にして作製された表示装置は、封止フィルム104側から発光光を取り出す「上面発光型」の表示装置となった。
【0098】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度230cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。これにより、封止樹脂13への気泡の混入がないことが確認された。
【0099】
(実施例9)
有機発光素子2を形成する基板として、ロール状に巻き付けられたPETフィルムからなる基板フィルム101を用いたこと以外は、実施例8と同様にして表示装置を作製した。この様にして作製された表示装置は、封止フィルム104側から発光光を取り出す「上面発光型」の表示装置となった。
【0100】
この様にして作製した表示装置の駆動試験を、実施例1と同様の条件にて行ったところ(初期輝度230cd/m2)、駆動後1時間では発光面には肉眼で観察できるダークスポットはなく、倍率10倍のファインダーを通して観察することによってもダークスポットは認められなかった。これにより、封止樹脂13への気泡の混入がないことが確認された。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の表示装置の製造方法によれば、発光素子が設けられた基板及びこれに対して対向して貼り合わされる封止基板の少なくとも一方を自在に湾曲するフィルムを用い、基板及び封止基板との間に未硬化の封止樹脂を供給する。この後、基板及び封止基板を押し圧して貼り合わせるようにしたので、気泡の混入を確実に防止しながら基板と封止基板とを連続的に貼り合わせることが可能になる。この結果、表示装置の生産性の向上を図ることが可能になるとともに、ダークスポットのない良好な表示特性を有する表示装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の表示装置に用いる有機電界発光素子の一構成例を示す図である。
【図3】本発明の表示装置の製造方法の一例を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の表示装置の製造方法の他の例を説明するための斜視図である。
【図5】実施例において正孔輸送層に用いたTPDの構造式である。
【図6】実施例において電子輸送性発光層に用いたAlq3の構造式である。
【図7】実施例において正孔注入層に用いたm−MTDATAの構造式である。
【図8】実施例において正孔輸送層に用いたα−NPDの構造式である。
【図9】有機電界発光素子の構成を示す断面図である。
【図10】従来の表示装置の一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…有機電界発光素子(発光素子)、13…封止樹脂、14…封止基板、101…基板フィルム、104…封止フィルム

Claims (5)

  1. 基板上に形成されると共に、窒化チタンあるいは窒化シリコンからなる封止層によって被覆された発光素子を覆う状態で封止樹脂が設けられ、当該封止樹脂を介して前記基板と対向して封止基板が貼り合わされると共に、前記基板及び前記封止基板の少なくとも一方が湾曲自在なフィルムからなる表示装置の製造方法であって、
    前記基板上に発光素子を形成する工程と、
    前記基板と封止基板とを、前記基板と封止基板との間に一定の間隔を保持して前記基板の長手方向に送りだす工程と、
    前記基板の発光素子形成面及び前記封止基板の表面の少なくとも一方に未硬化の封止樹脂を供給する工程と、
    前記基板と前記封止基板とを、これらの端部側から順に前記未硬化の封止樹脂を介して互いに押し圧し、貼り合わせる工程と、
    前記基板と封止基板とを張り合わせたのち、前記未硬化の封止樹脂を硬化させる工程と
    を含む表示装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、前記基板及び前記封止基板のうちの少なくともに一方を構成するフィルムは、前記押し圧部分にロール状から巻き出されて供給される、表示装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、前記基板及び前記封止基板の少なくとも一方に対する前記未硬化の封止樹脂の供給箇所は、前記基板と前記封止基板との押し圧部分の移動方向の下流側において前記押し圧部分と共に移動する、表示装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、前記未硬化の封止樹脂は、前記基板及び前記封止基板の少なくとも一方に対してシリンジから供給される、表示装置の製造方法。
  5. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、前記未硬化の封止樹脂は、前記基板及び前記封止基板の少なくとも一方に対して噴霧供給される、表示装置の製造方法。
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