JP2003068470A - 表示素子 - Google Patents
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- JP2003068470A JP2003068470A JP2001252357A JP2001252357A JP2003068470A JP 2003068470 A JP2003068470 A JP 2003068470A JP 2001252357 A JP2001252357 A JP 2001252357A JP 2001252357 A JP2001252357 A JP 2001252357A JP 2003068470 A JP2003068470 A JP 2003068470A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 初期劣化による輝度の低下を抑え、長期信頼
性の高い表示装置を提供する。 【解決手段】 陰極15と陽極13との間に、少なくと
も発光層14cを含む有機層14を挟持してなる表示素
子11において、陰極15および陽極13のうちの少な
くとも一方は、ランタノイド元素を含有する。ランタノ
イド元素は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プ
ラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウ
ム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、カドリニウム(G
d)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、
ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム
(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム
(Lu)のうちの少なくとも1つであることとし、例え
ば酸化物として含有されていることとする。
性の高い表示装置を提供する。 【解決手段】 陰極15と陽極13との間に、少なくと
も発光層14cを含む有機層14を挟持してなる表示素
子11において、陰極15および陽極13のうちの少な
くとも一方は、ランタノイド元素を含有する。ランタノ
イド元素は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プ
ラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウ
ム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、カドリニウム(G
d)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、
ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム
(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム
(Lu)のうちの少なくとも1つであることとし、例え
ば酸化物として含有されていることとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーディスプレ
イなどに用いられる表示素子に関し、特には有機層を備
えた自発光型の表示素子に関する。
イなどに用いられる表示素子に関し、特には有機層を備
えた自発光型の表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア指向の商品を初め
とし、人間と機械とのインターフェースの重要性が高ま
ってきている。人間がより快適に効率良く機械操作する
ためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔
に、そして瞬時に、充分な量取り出す必要があり、その
為にディスプレイを初めとする様々な表示素子について
研究が行われている。
とし、人間と機械とのインターフェースの重要性が高ま
ってきている。人間がより快適に効率良く機械操作する
ためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔
に、そして瞬時に、充分な量取り出す必要があり、その
為にディスプレイを初めとする様々な表示素子について
研究が行われている。
【0003】また、機械の小型化に伴い、表示素子の小
型化、薄型化に対する要求も日々、高まっているのが現
状である。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、
ノート型ワードプロセッサなどの、表示素子一体型であ
るラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る
進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディ
スプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。
液晶ディスプレイは、様々な製品のインターフェースと
して用いられており、ラップトップ型情報処理機器はも
ちろんのこと、小型テレビや時計、電卓を初めとし、我
々の日常使用する製品に多く用いられている。
型化、薄型化に対する要求も日々、高まっているのが現
状である。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、
ノート型ワードプロセッサなどの、表示素子一体型であ
るラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る
進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディ
スプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。
液晶ディスプレイは、様々な製品のインターフェースと
して用いられており、ラップトップ型情報処理機器はも
ちろんのこと、小型テレビや時計、電卓を初めとし、我
々の日常使用する製品に多く用いられている。
【0004】ところが、液晶ディスプレイは、自発光性
でないためバックライトを必要とし、このバックライト
駆動に液晶を駆動するよりも電力を必要する。また、視
野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子に
は適していない。さらに、液晶分子の配向状態による表
示方法なので、視野角の中においても、角度によりコン
トラストが変化してしまう。しかも、液晶は基底状態に
おける分子のコンフォメーションの変化を利用して表示
を行っているので、ダイナミックレンジが広くとれな
い。これは、液晶ディスプレイが動画表示には向かない
理由の一つになっている。
でないためバックライトを必要とし、このバックライト
駆動に液晶を駆動するよりも電力を必要する。また、視
野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子に
は適していない。さらに、液晶分子の配向状態による表
示方法なので、視野角の中においても、角度によりコン
トラストが変化してしまう。しかも、液晶は基底状態に
おける分子のコンフォメーションの変化を利用して表示
を行っているので、ダイナミックレンジが広くとれな
い。これは、液晶ディスプレイが動画表示には向かない
理由の一つになっている。
【0005】これに対し、自発光性表示素子は、プラズ
マ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が
研究されている。
マ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が
研究されている。
【0006】プラズマ表示素子は低圧ガス中でのプラズ
マ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適し
ているものの、薄型化、コストの面での問題を抱えてい
る。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携
帯用デバイスには適していない。
マ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適し
ているものの、薄型化、コストの面での問題を抱えてい
る。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携
帯用デバイスには適していない。
【0007】無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレ
イ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様に、交
流バイアス駆動であり駆動には数百V必要であり、ユー
ザーに受け入れられなかった。しかし、技術的な発展に
より、今日ではカラーディスプレイ表示に必要なRGB
三原色の発光には成功しているが、青色発光材料が高輝
度、長寿命で発光可能なものがあまり無く、また、無機
材料のために、分子設計などによる発光波長等の制御は
困難であり、コンスーマー向けのフルカラーデバイス化
は困難であると思われる。
イ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様に、交
流バイアス駆動であり駆動には数百V必要であり、ユー
ザーに受け入れられなかった。しかし、技術的な発展に
より、今日ではカラーディスプレイ表示に必要なRGB
三原色の発光には成功しているが、青色発光材料が高輝
度、長寿命で発光可能なものがあまり無く、また、無機
材料のために、分子設計などによる発光波長等の制御は
困難であり、コンスーマー向けのフルカラーデバイス化
は困難であると思われる。
【0008】一方、有機化合物による電界発光現象は、
1960年代前半に強く蛍光を発生するアントラセン単
結晶への、キャリア注入による発光現象が発見されて以
来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、し
かも単結晶であった為、有機材料へのキャリア注入とい
う基礎的研究として行われていた。
1960年代前半に強く蛍光を発生するアントラセン単
結晶への、キャリア注入による発光現象が発見されて以
来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、し
かも単結晶であった為、有機材料へのキャリア注入とい
う基礎的研究として行われていた。
【0009】しかし、1978年にEastman K
odak社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可
能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機電界発
光素子を発表して以来、各方面でRGB三原色の発光、
安定性、輝度上昇、積層構造、作製法等の研究開発が盛
んに行なわれている。
odak社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可
能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機電界発
光素子を発表して以来、各方面でRGB三原色の発光、
安定性、輝度上昇、積層構造、作製法等の研究開発が盛
んに行なわれている。
【0010】さらに、有機材料の特徴である分子設計等
により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄
型、自発光性等の優れた特徴を有する有機電界発光素子
のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われ始め
ている。
により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄
型、自発光性等の優れた特徴を有する有機電界発光素子
のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われ始め
ている。
【0011】図8には、このような表示素子(有機電界
発光素子)の一構成例を示す。この図に示す表示素子1
は、例えばガラス等からなる透明な基板2上に設けられ
ている。この表示素子1は、基板2上に設けられたIT
O(Indium Tin Oxide:透明電極)からなる陽極3、こ
の陽極3上に設けられた有機層4、さらにこの上部に設
けられた陰極5とで構成されている。有機層4は、陽極
側から、例えば正孔注入層4a、正孔輸送層4bおよび
電子輸送性の発光層4cを順次積層させた構成となって
いる。このように構成された表示素子1では、陰極から
注入された電子と陽極から注入された正孔とが発光層4
cにて再結合する際に生じる光が基板2側から取り出さ
れる。
発光素子)の一構成例を示す。この図に示す表示素子1
は、例えばガラス等からなる透明な基板2上に設けられ
ている。この表示素子1は、基板2上に設けられたIT
O(Indium Tin Oxide:透明電極)からなる陽極3、こ
の陽極3上に設けられた有機層4、さらにこの上部に設
けられた陰極5とで構成されている。有機層4は、陽極
側から、例えば正孔注入層4a、正孔輸送層4bおよび
電子輸送性の発光層4cを順次積層させた構成となって
いる。このように構成された表示素子1では、陰極から
注入された電子と陽極から注入された正孔とが発光層4
cにて再結合する際に生じる光が基板2側から取り出さ
れる。
【0012】またこのような構成の他にも、基板2側か
ら順に、陰極5、有機層4、陽極3を順次積層した構成
や、さらには上方に位置する電極(上部電極)を透明材
料で構成することで、基板2と反対側から光を取り出す
ようにした、いわゆる上面発光型の表示素子もある。そ
して特に、基板上に薄膜トランジスタ(thin film tran
sistor:以下TFTと記す)を設けて成るアクティブマ
トリックス型の表示装置においては、TFTが形成され
た基板上に上面発光型の表示素子を設けた、いわゆるT
AC(Top Emitting Adoptive Current device)構造と
することが、発光部の開口率を向上させる上で有利にな
る。
ら順に、陰極5、有機層4、陽極3を順次積層した構成
や、さらには上方に位置する電極(上部電極)を透明材
料で構成することで、基板2と反対側から光を取り出す
ようにした、いわゆる上面発光型の表示素子もある。そ
して特に、基板上に薄膜トランジスタ(thin film tran
sistor:以下TFTと記す)を設けて成るアクティブマ
トリックス型の表示装置においては、TFTが形成され
た基板上に上面発光型の表示素子を設けた、いわゆるT
AC(Top Emitting Adoptive Current device)構造と
することが、発光部の開口率を向上させる上で有利にな
る。
【0013】このようなTAC構造の表示装置におい
て、上部電極が陰極である場合、この上部電極は、例え
ばLi2Oや、CsO等の金属酸化物層を用いて構成さ
れる。また、これらの金属酸化物層上にMg−Ag層を
積層させる場合もある。
て、上部電極が陰極である場合、この上部電極は、例え
ばLi2Oや、CsO等の金属酸化物層を用いて構成さ
れる。また、これらの金属酸化物層上にMg−Ag層を
積層させる場合もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな自発光型の表示素子、特には有機層を備えた発光素
子を用いて表示装置を構成する場合、表示素子の長寿命
化および信頼性の確保が最も重要な課題の一つである。
うな自発光型の表示素子、特には有機層を備えた発光素
子を用いて表示装置を構成する場合、表示素子の長寿命
化および信頼性の確保が最も重要な課題の一つである。
【0015】一般的に、表示素子の寿命は、輝度の低下
を伴う初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度によ
って決定される。つまり、表示素子の長寿命化を達成す
るためには、表示素子の初期劣化およびその後の定常的
な劣化の速度を小さく抑えることが重要になる。
を伴う初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度によ
って決定される。つまり、表示素子の長寿命化を達成す
るためには、表示素子の初期劣化およびその後の定常的
な劣化の速度を小さく抑えることが重要になる。
【0016】そこで本発明は、表示素子の初期劣化およ
びその後の定常的な劣化の速度を小さく抑えることが可
能で、これにより長時間の安定した発光を与えることが
可能な表示素子を提供することを目的とする。
びその後の定常的な劣化の速度を小さく抑えることが可
能で、これにより長時間の安定した発光を与えることが
可能な表示素子を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の表示素子は、陰極と陽極との間に、少
なくとも有機発光層を含む有機層を挟持してなる表示素
子において、陰極および陽極のうちの少なくとも一方
は、ランタノイド元素を含有することを特徴としてい
る。ランタノイド元素は、酸化物として陰極および陽極
のうちの少なくとも一方に含有されていることとする。
また、ランタノイド元素は、有機物と混在した状態で、
陰極および陽極のうちの少なくとも一方に含有されてい
ても良く、この場合ランタノイド元素は酸化物で有って
も良い。
るための本発明の表示素子は、陰極と陽極との間に、少
なくとも有機発光層を含む有機層を挟持してなる表示素
子において、陰極および陽極のうちの少なくとも一方
は、ランタノイド元素を含有することを特徴としてい
る。ランタノイド元素は、酸化物として陰極および陽極
のうちの少なくとも一方に含有されていることとする。
また、ランタノイド元素は、有機物と混在した状態で、
陰極および陽極のうちの少なくとも一方に含有されてい
ても良く、この場合ランタノイド元素は酸化物で有って
も良い。
【0018】さらに、ランタノイド元素を含有する電極
は、ランタノイド元素を含有する層と、他の金属酸化物
を含む層との複数層で構成され、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の少なくとも一方の酸化物を含有する層
との積層構造を備えている。そして特に、有機層とラン
タノイド元素を含有する層との間に、他の金属酸化物を
含む層としてLi2OおよびCs2Oの少なくとも一方を
含有する層が設けられていることとする。
は、ランタノイド元素を含有する層と、他の金属酸化物
を含む層との複数層で構成され、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の少なくとも一方の酸化物を含有する層
との積層構造を備えている。そして特に、有機層とラン
タノイド元素を含有する層との間に、他の金属酸化物を
含む層としてLi2OおよびCs2Oの少なくとも一方を
含有する層が設けられていることとする。
【0019】このような構成とした場合には、表示素子
における初期劣化に伴う輝度の低下を小さく抑えること
ができる。また、ランタノイド元素の酸化物は透過率が
高いため、陰極および陽極のうち発光光の取り出し側と
なる電極に用いることで、光取り出し効率の向上が図ら
れる。
における初期劣化に伴う輝度の低下を小さく抑えること
ができる。また、ランタノイド元素の酸化物は透過率が
高いため、陰極および陽極のうち発光光の取り出し側と
なる電極に用いることで、光取り出し効率の向上が図ら
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表示素子の実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の表示素子の一構成例を示
す断面図である。この図に示す表示素子11は、基板1
2上に形成されており、基板12上に設けられた陽極1
3、この陽極13上に設けられた有機層14、およびこ
の有機層14上に設けられた陰極15を備えている。以
下の説明においては、陽極13から注入された正孔と陰
極15から注入された電子とが電子輸送性の発光層14
cで結合する際に生じた発光光を、基板2と反対側の陰
極15側から取り出す上面発光型(いわゆるTAC構
造)の表示素子の構成を説明する。
す断面図である。この図に示す表示素子11は、基板1
2上に形成されており、基板12上に設けられた陽極1
3、この陽極13上に設けられた有機層14、およびこ
の有機層14上に設けられた陰極15を備えている。以
下の説明においては、陽極13から注入された正孔と陰
極15から注入された電子とが電子輸送性の発光層14
cで結合する際に生じた発光光を、基板2と反対側の陰
極15側から取り出す上面発光型(いわゆるTAC構
造)の表示素子の構成を説明する。
【0022】先ず、表示素子11が設けられる基板12
は、ガラスのような透明基板や、シリコン基板、さらに
はフィルム状のフレキシブル基板等の中から適宜選択し
て用いられることとする。また、この表示素子を用いて
構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリック
ス方式である場合、基板12として、画素毎にTFTを
設けてなるTFT基板が用いられる。
は、ガラスのような透明基板や、シリコン基板、さらに
はフィルム状のフレキシブル基板等の中から適宜選択し
て用いられることとする。また、この表示素子を用いて
構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリック
ス方式である場合、基板12として、画素毎にTFTを
設けてなるTFT基板が用いられる。
【0023】そして、この基板12上に下部電極として
設けられる陽極13は、例えばITOのような透明電極
材料で構成されており、スパッタリング法によって形成
されている。また、この陽極13は、ITOの他にも、
効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位から
の仕事関数が大きいもの、例えばクロム(Cr)、金
(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)
との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)
との合金、さらにはこれらの金属や合金の酸化物等を、
単独または混在させた状態で用いられる。さらに、この
表示装置は、上面発光型であるため、より効果的に基板
12と反対側から発光光を取り出すためには、陽極13
に光反射性を有する材料を用いることが好ましい。
設けられる陽極13は、例えばITOのような透明電極
材料で構成されており、スパッタリング法によって形成
されている。また、この陽極13は、ITOの他にも、
効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位から
の仕事関数が大きいもの、例えばクロム(Cr)、金
(Au)、酸化スズ(SnO2)とアンチモン(Sb)
との合金、酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)
との合金、さらにはこれらの金属や合金の酸化物等を、
単独または混在させた状態で用いられる。さらに、この
表示装置は、上面発光型であるため、より効果的に基板
12と反対側から発光光を取り出すためには、陽極13
に光反射性を有する材料を用いることが好ましい。
【0024】尚、この表示素子を用いて構成される表示
装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場
合、陽極13は、TFTが設けられている画素毎にパタ
ーニングされていることとする。そして、陽極13の上
層には、ここでの図示を省略した絶縁膜が設けられ、こ
の絶縁膜の開口部から、各画素の陽極13表面を露出さ
せていることとする。
装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場
合、陽極13は、TFTが設けられている画素毎にパタ
ーニングされていることとする。そして、陽極13の上
層には、ここでの図示を省略した絶縁膜が設けられ、こ
の絶縁膜の開口部から、各画素の陽極13表面を露出さ
せていることとする。
【0025】また、有機層14は、陽極13側から順
に、正孔注入層14a、正孔輸送層14bおよび電子輸
送性の発光層14cを積層してなる。これらの各層は、
例えば真空蒸着法、スピンコート法、さらには他の方法
によって形成される。各層を構成する材料に限定条件は
なく、例えば正孔輸送層14bであるならば、ベンジジ
ン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン
誘導体、ヒドラゾン誘導体などの正孔輸送材料を用いる
ことができる。さらに、発光層14cの発光スペクトル
の制御を目的として、発光層14cの形成において微量
分子の共蒸着を行っても良く、例えば、ベリレン誘導
体、クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質を微量
含む有機薄膜を発光層14cとしても良い。
に、正孔注入層14a、正孔輸送層14bおよび電子輸
送性の発光層14cを積層してなる。これらの各層は、
例えば真空蒸着法、スピンコート法、さらには他の方法
によって形成される。各層を構成する材料に限定条件は
なく、例えば正孔輸送層14bであるならば、ベンジジ
ン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン
誘導体、ヒドラゾン誘導体などの正孔輸送材料を用いる
ことができる。さらに、発光層14cの発光スペクトル
の制御を目的として、発光層14cの形成において微量
分子の共蒸着を行っても良く、例えば、ベリレン誘導
体、クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質を微量
含む有機薄膜を発光層14cとしても良い。
【0026】尚、有機層14は、このような層構造に限
定されることはなく、少なくとも発光層14cを有する
構成であれば、必要に応じた積層構造を選択することが
できる。例えば、発光層14cは、正孔輸送性の発光層
14cであっても良く、また発光層14c上にさらに電
子輸送層を設けた構成であっても良い。また、以上の各
有機層、例えば正孔注入層14a、正孔輸送層14bお
よび電子輸送性の発光層14cは、それぞれが複数層か
らなる積層構造であっても良い。
定されることはなく、少なくとも発光層14cを有する
構成であれば、必要に応じた積層構造を選択することが
できる。例えば、発光層14cは、正孔輸送性の発光層
14cであっても良く、また発光層14c上にさらに電
子輸送層を設けた構成であっても良い。また、以上の各
有機層、例えば正孔注入層14a、正孔輸送層14bお
よび電子輸送性の発光層14cは、それぞれが複数層か
らなる積層構造であっても良い。
【0027】次に、陰極15は、有機層14側から順に
第1層15a、第2層15b、および第3層15cを積
層させた3層構造で構成されている。
第1層15a、第2層15b、および第3層15cを積
層させた3層構造で構成されている。
【0028】第1層15aは、仕事関数が小さく、かつ
光透過性の良好な材料を用いて構成される。このような
材料として、例えばリチウム(Li)の酸化物であるL
i2Oや、セシウム(Cs)の酸化物であるCs2O、さ
らにはこれらの酸化物の混合物を用いることができる。
また、第1層15aはこのような材料に限定されること
はなく、例えば、カルシウム(Ca)、バリウム(B
a)等のアルカリ土類金属、リチウム(Li),セシウ
ム(Cs)等のアルカリ金属、さらにはインジウム(I
n)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等の仕事関数
の小さい金属、さらにはこれらの金属の酸化物等を、単
体でまたはこれらの金属および酸化物の混合物や合金と
して安定性を高めて使用しても良い。
光透過性の良好な材料を用いて構成される。このような
材料として、例えばリチウム(Li)の酸化物であるL
i2Oや、セシウム(Cs)の酸化物であるCs2O、さ
らにはこれらの酸化物の混合物を用いることができる。
また、第1層15aはこのような材料に限定されること
はなく、例えば、カルシウム(Ca)、バリウム(B
a)等のアルカリ土類金属、リチウム(Li),セシウ
ム(Cs)等のアルカリ金属、さらにはインジウム(I
n)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等の仕事関数
の小さい金属、さらにはこれらの金属の酸化物等を、単
体でまたはこれらの金属および酸化物の混合物や合金と
して安定性を高めて使用しても良い。
【0029】また、第2層15bは、ランタノイド元素
を含有する材料層であることとする。この第2層15b
に含有されるランタノイド元素としては、ランタン(L
a)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネ
オジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム
(Eu)、カドリニウム(Gd)、テルビウム(T
b)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、
エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウ
ム(Yb)およびルテチウム(Lu)等のうちから少な
くとも1つが選択される。これらのランタノイド元素
は、安定した原材料の形態が存在するため、容易に用い
ることができる。
を含有する材料層であることとする。この第2層15b
に含有されるランタノイド元素としては、ランタン(L
a)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネ
オジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム
(Eu)、カドリニウム(Gd)、テルビウム(T
b)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、
エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウ
ム(Yb)およびルテチウム(Lu)等のうちから少な
くとも1つが選択される。これらのランタノイド元素
は、安定した原材料の形態が存在するため、容易に用い
ることができる。
【0030】これらのランタノイド元素は、例えば酸化
物とて用いられている。このような酸化物としては、L
a2O3、CeO2、Pr2O3、Pr6O11、Nd2O3、S
m2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、H
o2O3、Er2O3、Tm2O 3、Yb2O3、Lu2O3のう
ちの少なくとも1種類が選択される。
物とて用いられている。このような酸化物としては、L
a2O3、CeO2、Pr2O3、Pr6O11、Nd2O3、S
m2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、H
o2O3、Er2O3、Tm2O 3、Yb2O3、Lu2O3のう
ちの少なくとも1種類が選択される。
【0031】またこの他にも、第2層15bに含有され
るランタノイド元素は、他の組成のランタノイド元素酸
化物、ランタノイド金属の状態で含有されていても良
い。
るランタノイド元素は、他の組成のランタノイド元素酸
化物、ランタノイド金属の状態で含有されていても良
い。
【0032】そして、第2層15bは、これらのランタ
ノイド元素の酸化物や、ランタノイド金属で構成されて
いても良いし、これらと共に他の金属材料や酸化物を用
いて構成されていても良い。
ノイド元素の酸化物や、ランタノイド金属で構成されて
いても良いし、これらと共に他の金属材料や酸化物を用
いて構成されていても良い。
【0033】さらに、第2層15bには、有機物が含有
されていても良い。第2層15bに含有される有機物
は、薄膜形成性が良好であれば良く、好ましくは正孔輸
送性や電子輸送性を有する材料が用いられることとす
る。このような有機物の具体例としては、アルミキノリ
ン錯体(Alq3)、スチリルアミン誘導体、フタロシ
アニン誘導体等を用いることができるが、これに限定さ
れることはない。尚、この第2層15bが陰極15を構
成するものであることを考慮すると、有機物として電子
輸送性を有する材料がさらに好ましく用いられるが、こ
れに限定されることはない。
されていても良い。第2層15bに含有される有機物
は、薄膜形成性が良好であれば良く、好ましくは正孔輸
送性や電子輸送性を有する材料が用いられることとす
る。このような有機物の具体例としては、アルミキノリ
ン錯体(Alq3)、スチリルアミン誘導体、フタロシ
アニン誘導体等を用いることができるが、これに限定さ
れることはない。尚、この第2層15bが陰極15を構
成するものであることを考慮すると、有機物として電子
輸送性を有する材料がさらに好ましく用いられるが、こ
れに限定されることはない。
【0034】そして、第3層15cは、光透過性を有し
かつ導電性が良好な材料で構成されることとする。そし
て特に、この表示装置が有機層14での発光光を共振さ
せて取り出すキャビティ構造で構成される場合には、例
えばMg−Agのような半透過性反射材料を用いて第3
層15cを構成する。これにより、この第3層15cの
界面と、光反射性を有する陽極13の界面で発光光を反
射させてキャビティ効果を得る。ただし、第2層15b
が有機物を含まない層である場合、この第3層15c
は、第2層15bに有機物を含有させた層であっても良
く、さらにはこの層上にMg−Agのような半透過性反
射材料層を積層させた構成であっても良い。第3層15
cが、第2層15bに有機物を含有させた層からなる場
合には、ランタノイド元素の含有量を制御することで第
3層15cに反射性を持たせてキャビティ効果を得る。
さらに、第3層15cが上述した積層構造からなる場合
には、下層の層の膜厚によってキャビティ長を制御する
ことができる。
かつ導電性が良好な材料で構成されることとする。そし
て特に、この表示装置が有機層14での発光光を共振さ
せて取り出すキャビティ構造で構成される場合には、例
えばMg−Agのような半透過性反射材料を用いて第3
層15cを構成する。これにより、この第3層15cの
界面と、光反射性を有する陽極13の界面で発光光を反
射させてキャビティ効果を得る。ただし、第2層15b
が有機物を含まない層である場合、この第3層15c
は、第2層15bに有機物を含有させた層であっても良
く、さらにはこの層上にMg−Agのような半透過性反
射材料層を積層させた構成であっても良い。第3層15
cが、第2層15bに有機物を含有させた層からなる場
合には、ランタノイド元素の含有量を制御することで第
3層15cに反射性を持たせてキャビティ効果を得る。
さらに、第3層15cが上述した積層構造からなる場合
には、下層の層の膜厚によってキャビティ長を制御する
ことができる。
【0035】尚、以上の第1層15a、第2層15b、
および第3層15cは、真空蒸着法、スパッタリング
法、さらにはプラズマCVD法などの手法によって形成
される。また、この表示素子を用いて構成される表示装
置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場
合、陰極15は、ここでの図示を省略した上述の絶縁膜
と有機層14とによって、陽極13と絶縁された状態で
基板12上にベタ膜状で形成され、各画素に共通電極と
して用いられる。
および第3層15cは、真空蒸着法、スパッタリング
法、さらにはプラズマCVD法などの手法によって形成
される。また、この表示素子を用いて構成される表示装
置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場
合、陰極15は、ここでの図示を省略した上述の絶縁膜
と有機層14とによって、陽極13と絶縁された状態で
基板12上にベタ膜状で形成され、各画素に共通電極と
して用いられる。
【0036】このように構成された表示素子では、陰極
15の第2層15bがランタノイド元素を含有するラン
タノイド層となっている。このようなランタノイド元素
を含有する陰極15を備えた表示装置は、次の実施例で
グラフを用いて具体的に説明するように、ランタノイド
元素を含有しない従来の表示素子との比較において、初
期劣化による輝度の低下を小さく抑えることが可能にな
る。したがって、表示素子の寿命特性、さらにはこの表
示素子を用いて構成された表示装置の寿命特性の向上を
図ることが可能になる。
15の第2層15bがランタノイド元素を含有するラン
タノイド層となっている。このようなランタノイド元素
を含有する陰極15を備えた表示装置は、次の実施例で
グラフを用いて具体的に説明するように、ランタノイド
元素を含有しない従来の表示素子との比較において、初
期劣化による輝度の低下を小さく抑えることが可能にな
る。したがって、表示素子の寿命特性、さらにはこの表
示素子を用いて構成された表示装置の寿命特性の向上を
図ることが可能になる。
【0037】特に、上述したようにランタノイド元素を
その酸化物として用いた場合、上記した各ランタノイド
元素の酸化物は光透過率が大きいため、陰極15の光透
過性を確保することができる。したがって、陰極15側
からの光の取り出し効率を良好に維持することが可能に
なる。
その酸化物として用いた場合、上記した各ランタノイド
元素の酸化物は光透過率が大きいため、陰極15の光透
過性を確保することができる。したがって、陰極15側
からの光の取り出し効率を良好に維持することが可能に
なる。
【0038】特に、ランタノイド元素が含有されている
層(ここでは第2層15b)に、有機物が含有させるこ
とで、この層の光透過率をさらに向上させることが可能
になる。
層(ここでは第2層15b)に、有機物が含有させるこ
とで、この層の光透過率をさらに向上させることが可能
になる。
【0039】しかも、ランタノイド元素の酸化物を原料
とした成膜は、基板温度を制御することなく常温での真
空蒸着やスパッタ成膜が可能であるため、有機層14に
影響を与えることなく有機層14の上部に形成すること
ができる。
とした成膜は、基板温度を制御することなく常温での真
空蒸着やスパッタ成膜が可能であるため、有機層14に
影響を与えることなく有機層14の上部に形成すること
ができる。
【0040】以上のことから、図1を用いて説明した構
成の表示素子11は、TFTが形成された基板を用いた
上面発光型の表示装置、すなわちTAC構造の表示装置
用の表示素子として極めて有効に用いることができ、そ
の光取り出し効率を確保しつつも寿命特性の向上を図る
ことが可能になるのである。
成の表示素子11は、TFTが形成された基板を用いた
上面発光型の表示装置、すなわちTAC構造の表示装置
用の表示素子として極めて有効に用いることができ、そ
の光取り出し効率を確保しつつも寿命特性の向上を図る
ことが可能になるのである。
【0041】さらに、ランタノイド元素の酸化物は、他
の元素の酸化物と比較してシート抵抗が低く、光透過性
が高いため、このランタノイド元素の酸化物を第2層1
5bとして設けた場合、第2層15bの膜厚のばらつき
に対する表示素子11の輝度のばらつきが小さく抑えら
れる。
の元素の酸化物と比較してシート抵抗が低く、光透過性
が高いため、このランタノイド元素の酸化物を第2層1
5bとして設けた場合、第2層15bの膜厚のばらつき
に対する表示素子11の輝度のばらつきが小さく抑えら
れる。
【0042】尚、以上説明した構成の表示素子は、本発
明のあくまでも一例であり、本発明の表示素子はこのよ
うな構成に限定されることはない。
明のあくまでも一例であり、本発明の表示素子はこのよ
うな構成に限定されることはない。
【0043】すなわち、以上の実施形態においては、T
FT基板を用いたアクティブマトリックス方式の表示装
置に用いる表示素子に限定されることはなく、パッシブ
方式の表示装置に用いる表示素子としても適用可能であ
り、同様の効果を得ることができる。
FT基板を用いたアクティブマトリックス方式の表示装
置に用いる表示素子に限定されることはなく、パッシブ
方式の表示装置に用いる表示素子としても適用可能であ
り、同様の効果を得ることができる。
【0044】また、以上の実施形態においては、基板1
と反対側に設けた陰極15側から発光光を取り出すTA
C構造である場合を説明した。しかし本発明は、基板1
2を透明材料で構成することで、発光光を基板12側か
ら取り出す「透過型」の表示素子にも適用される。この
場合、図1を用いて説明した積層構造を、基板12側か
ら逆に積み上げた構成にする。さらにこの場合、上部電
極となる陽極を透明材料で構成することで、基板12と
反対側から発光光を取り出すことも可能になる。
と反対側に設けた陰極15側から発光光を取り出すTA
C構造である場合を説明した。しかし本発明は、基板1
2を透明材料で構成することで、発光光を基板12側か
ら取り出す「透過型」の表示素子にも適用される。この
場合、図1を用いて説明した積層構造を、基板12側か
ら逆に積み上げた構成にする。さらにこの場合、上部電
極となる陽極を透明材料で構成することで、基板12と
反対側から発光光を取り出すことも可能になる。
【0045】さらに、以上の実施形態においては、陰極
15にのみランタノイド元素を含有させた構成を説明し
た。しかし、ランタノイド元素は、陰極15と共に陽極
13に、または陽極13のみに含有させても良い。この
場合、陽極13にランタノイド元素を含有する層を設け
たり、単層構造の陽極13にランタノイド元素を含有さ
せても良い。ランタノイド元素は、酸化物として含有さ
せても良い。特に、陽極13に光透過性が求められる場
合には、光透過性に優れたランタノイド元素の酸化物を
用いることが好ましい。また、ランタノイド元素の酸化
物は、有機層14との間の仕事関数の関係から、陽極1
3として有機層14と接する状態で設けることも可能で
ある。さらに、陽極13には、陰極15と同様にして、
ランタノイド元素と共に有機物を添加しても良い。この
有機物は、陰極15で説明したと同様の材料を用いるこ
とができるが、特に陽極13に添加する材料であること
を考慮すると、有機物として正孔輸送性を有する材料が
さらに好ましく用いられるが、これに限定されることは
ない。
15にのみランタノイド元素を含有させた構成を説明し
た。しかし、ランタノイド元素は、陰極15と共に陽極
13に、または陽極13のみに含有させても良い。この
場合、陽極13にランタノイド元素を含有する層を設け
たり、単層構造の陽極13にランタノイド元素を含有さ
せても良い。ランタノイド元素は、酸化物として含有さ
せても良い。特に、陽極13に光透過性が求められる場
合には、光透過性に優れたランタノイド元素の酸化物を
用いることが好ましい。また、ランタノイド元素の酸化
物は、有機層14との間の仕事関数の関係から、陽極1
3として有機層14と接する状態で設けることも可能で
ある。さらに、陽極13には、陰極15と同様にして、
ランタノイド元素と共に有機物を添加しても良い。この
有機物は、陰極15で説明したと同様の材料を用いるこ
とができるが、特に陽極13に添加する材料であること
を考慮すると、有機物として正孔輸送性を有する材料が
さらに好ましく用いられるが、これに限定されることは
ない。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例1〜5、及び
これらの実施例に対する比較例の表示素子の製造手順を
説明し、その後これらの評価結果を説明する。
これらの実施例に対する比較例の表示素子の製造手順を
説明し、その後これらの評価結果を説明する。
【0047】(実施例1〜9)各実施例1〜9において
は、上述した実施の形態において、図1を用いて説明し
た構成の表示素子11を形成した。ただし、各実施例に
おいては、陰極15の第2層15bとして、それぞれの
材料を用いた。以下に先ず、実施例1〜9の表示素子1
1の製造手順を説明する。
は、上述した実施の形態において、図1を用いて説明し
た構成の表示素子11を形成した。ただし、各実施例に
おいては、陰極15の第2層15bとして、それぞれの
材料を用いた。以下に先ず、実施例1〜9の表示素子1
1の製造手順を説明する。
【0048】30mm×30mmのガラス板からなる基
板12上に、陽極13としてITO(膜厚約100n
m)を形成し、さらにSiO2蒸着により2mm×2m
mの発光領域以外を絶縁膜(図示省略)でマスクした有
機電界発光素子用のセルを作製した。
板12上に、陽極13としてITO(膜厚約100n
m)を形成し、さらにSiO2蒸着により2mm×2m
mの発光領域以外を絶縁膜(図示省略)でマスクした有
機電界発光素子用のセルを作製した。
【0049】次に、真空蒸着法により、正孔注入層14
aとして図2に示すm−MTDATA(4,4',4''-tris(3
-methylphenylphenylamino)triphenylamine)を30n
m(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)形成し
た。次いで、正孔輸送層14bとして図3に示すα−N
PD(α-naphtyl phenil diamine)を30nm(蒸着速
度0.2〜0.4nm/sec.)形成した。さらに電
子輸送性の発光層14cとして、図4に示すAlq3(8
-hydroxy quinorine alminum)を50nm蒸着した。こ
の際、Alq3に図5に示すクマリン6を相対膜厚比で
1%ドーピングして電子輸送性の発光層14cとした。
aとして図2に示すm−MTDATA(4,4',4''-tris(3
-methylphenylphenylamino)triphenylamine)を30n
m(蒸着速度0.2〜0.4nm/sec.)形成し
た。次いで、正孔輸送層14bとして図3に示すα−N
PD(α-naphtyl phenil diamine)を30nm(蒸着速
度0.2〜0.4nm/sec.)形成した。さらに電
子輸送性の発光層14cとして、図4に示すAlq3(8
-hydroxy quinorine alminum)を50nm蒸着した。こ
の際、Alq3に図5に示すクマリン6を相対膜厚比で
1%ドーピングして電子輸送性の発光層14cとした。
【0050】以上のようにして、正孔注入層14a、正
孔輸送層14bおよび電子輸送性の発光層14cを順次
積層してなる有機層14を形成した後、陰極15の第1
層15aとして、Li2Oを真空蒸着法により約0.3
nm(蒸着速度〜0.01nm/sec.)形成した。
孔輸送層14bおよび電子輸送性の発光層14cを順次
積層してなる有機層14を形成した後、陰極15の第1
層15aとして、Li2Oを真空蒸着法により約0.3
nm(蒸着速度〜0.01nm/sec.)形成した。
【0051】次に、陰極15の第2層15bを形成し
た。ここで、実施例1〜4においては、ランタノイド元
素の酸化物からなる第2層15bを真空蒸着法により
1.2nmの膜厚で蒸着した。各実施例1〜5における
真空蒸着の際に用いたランタノイド元素の酸化物は、下
記表1に示す通りである。
た。ここで、実施例1〜4においては、ランタノイド元
素の酸化物からなる第2層15bを真空蒸着法により
1.2nmの膜厚で蒸着した。各実施例1〜5における
真空蒸着の際に用いたランタノイド元素の酸化物は、下
記表1に示す通りである。
【0052】一方、実施例5〜9においては、ランタノ
イド元素の酸化物と有機物とからなる第2層15bを、
真空蒸着法により12nmの膜厚で形成した。各実施例
5〜9における真空蒸着の際に用いたランタノイド元素
の酸化物および有機物は、下記表1に示す通りであり、
第2層15b中におけるランタノイド元素の酸化物の含
有量は、相対膜厚比で2vol%とした。ただし、実施例
9においては、有機物およびランタノイド元素の酸化物
に加えて、Li2Oも相対膜厚比で0.5vol%の割合で
添加して第2層15bを形成した。
イド元素の酸化物と有機物とからなる第2層15bを、
真空蒸着法により12nmの膜厚で形成した。各実施例
5〜9における真空蒸着の際に用いたランタノイド元素
の酸化物および有機物は、下記表1に示す通りであり、
第2層15b中におけるランタノイド元素の酸化物の含
有量は、相対膜厚比で2vol%とした。ただし、実施例
9においては、有機物およびランタノイド元素の酸化物
に加えて、Li2Oも相対膜厚比で0.5vol%の割合で
添加して第2層15bを形成した。
【0053】
【表1】
【0054】次いで、第2層15b上に、陰極15の第
3層15cとしてMg−Agを真空蒸着法により10n
m形成した。
3層15cとしてMg−Agを真空蒸着法により10n
m形成した。
【0055】以上の後、陰極15上に、陰極封止層とし
てAlSiCu(Si:1重量パーセント、Cu:0.
5重量パーセント)を120nm蒸着した。
てAlSiCu(Si:1重量パーセント、Cu:0.
5重量パーセント)を120nm蒸着した。
【0056】(比較例)この比較例においては、図1を
用いて説明した構成の表示素子において、第2層(ラン
タノイド層)15bを省略し、陰極15が第1層(Li
2O層)15aと第3層(Ma−Ag層)15cとの2
層構造である表示素子を形成した。
用いて説明した構成の表示素子において、第2層(ラン
タノイド層)15bを省略し、陰極15が第1層(Li
2O層)15aと第3層(Ma−Ag層)15cとの2
層構造である表示素子を形成した。
【0057】(評価結果)図6には、各表示素子の輝度
の経時変化(0〜10時間)を、それぞれの表示素子に
おける初期の輝度を1とした相対輝度として示した。輝
度の測定は、同一電流のもと(7.5mA/cm2)
で、陰極15側から取り出される発光光について行っ
た。尚、図6においては、実施例1〜4における相対輝
度の経時変化(劣化曲線)がほとんど重なるため、実施
例1〜実施例4を代表して実施例1の劣化曲線を示し、
実施例5〜9における相対輝度の経時変化(劣化曲線)
がほとんど重なるため、実施例5〜実施例9を代表して
実施例5の劣化曲線を示した。
の経時変化(0〜10時間)を、それぞれの表示素子に
おける初期の輝度を1とした相対輝度として示した。輝
度の測定は、同一電流のもと(7.5mA/cm2)
で、陰極15側から取り出される発光光について行っ
た。尚、図6においては、実施例1〜4における相対輝
度の経時変化(劣化曲線)がほとんど重なるため、実施
例1〜実施例4を代表して実施例1の劣化曲線を示し、
実施例5〜9における相対輝度の経時変化(劣化曲線)
がほとんど重なるため、実施例5〜実施例9を代表して
実施例5の劣化曲線を示した。
【0058】図6から明らかなように、ランタノイド元
素を含有する電極(陰極15)を設けた実施例1〜5の
表示素子は、電極にランタノイド元素を含有していない
比較例の表示素子と比較して、初期劣化に伴う輝度の低
下が小さく抑えられることが確認された。10時間後の
比較では、比較例においては相対輝度が0.935にま
で低下していたのに対して、実施例1〜4においては相
対輝度の低下が0.950程度に抑えられており、比較
例よりも約1.5%劣化が改善された。さらに、実施例
5〜9においては相対輝度の低下が0.975程度に抑
えられており、比較例よりも約4.0%劣化が改善され
た。
素を含有する電極(陰極15)を設けた実施例1〜5の
表示素子は、電極にランタノイド元素を含有していない
比較例の表示素子と比較して、初期劣化に伴う輝度の低
下が小さく抑えられることが確認された。10時間後の
比較では、比較例においては相対輝度が0.935にま
で低下していたのに対して、実施例1〜4においては相
対輝度の低下が0.950程度に抑えられており、比較
例よりも約1.5%劣化が改善された。さらに、実施例
5〜9においては相対輝度の低下が0.975程度に抑
えられており、比較例よりも約4.0%劣化が改善され
た。
【0059】また、前記表1には、実施例1〜9および
比較例の表示素子における発光光のCIE色度座標上で
の座標(色度座標)と、各電流密度における初期の輝度
を示した。
比較例の表示素子における発光光のCIE色度座標上で
の座標(色度座標)と、各電流密度における初期の輝度
を示した。
【0060】表1に示すように、各実施例1〜9の表示
素子のCIE色度座標上での座標は比較例の色度と同一
であり、また実施例5の表示素子のCIE色度座標上で
の座標は比較例の色度とほぼ同程度であり、良好な緑色
発光を呈した。また、電流密度7.5mA/cm2での
初期輝度も、比較例の初期輝度を上回っていた。
素子のCIE色度座標上での座標は比較例の色度と同一
であり、また実施例5の表示素子のCIE色度座標上で
の座標は比較例の色度とほぼ同程度であり、良好な緑色
発光を呈した。また、電流密度7.5mA/cm2での
初期輝度も、比較例の初期輝度を上回っていた。
【0061】図7には、初期劣化が特に小さく抑えられ
た実施例5〜9を代表して、実施例5の表示素子におけ
る第2層15b(ランタノイド層)の透過率特性を示す
スペクトルを示す。この図7より、有機物中にSm2O3
を分散させた第2層15bは、光透過率も広い波長範囲
において良好であることが確認された。
た実施例5〜9を代表して、実施例5の表示素子におけ
る第2層15b(ランタノイド層)の透過率特性を示す
スペクトルを示す。この図7より、有機物中にSm2O3
を分散させた第2層15bは、光透過率も広い波長範囲
において良好であることが確認された。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明のランタノイ
ド元素を含有する電極を備設けた表示素子によれば、初
期劣化にともなう輝度の低下を抑えることが可能にな
り、寿命特性の向上を図ることが可能になる。このた
め、この表示素子を用いて長期信頼性に優れた表示装置
を得ることが可能になる。また、特に、ランタノイド元
素を光透過率が大きい酸化物として用いた場合には、こ
れを光取り出し側の電極材料として用いることで光取り
出し効率を改善することが可能になる。したがって、例
えばTFT基板上にこの表示素子を設けることで、基板
と反対側から発光光を取り出すTAC構造の表示装置に
おいて、光取り出し効率の向上を図ることが可能にな
る。
ド元素を含有する電極を備設けた表示素子によれば、初
期劣化にともなう輝度の低下を抑えることが可能にな
り、寿命特性の向上を図ることが可能になる。このた
め、この表示素子を用いて長期信頼性に優れた表示装置
を得ることが可能になる。また、特に、ランタノイド元
素を光透過率が大きい酸化物として用いた場合には、こ
れを光取り出し側の電極材料として用いることで光取り
出し効率を改善することが可能になる。したがって、例
えばTFT基板上にこの表示素子を設けることで、基板
と反対側から発光光を取り出すTAC構造の表示装置に
おいて、光取り出し効率の向上を図ることが可能にな
る。
【図1】本発明の表示素子の一構成例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】実施例において正孔注入層に用いたm−MTD
ATAの構造式である。
ATAの構造式である。
【図3】実施例において正孔輸送層に用いたα−NPD
の構造式である。
の構造式である。
【図4】実施例において電子輸送性発光層に用いたAl
q3の構造式である。
q3の構造式である。
【図5】実施例において電子輸送性発光層に添加したク
マリン6の構造式である。
マリン6の構造式である。
【図6】実施例および比較例における表示素子の相対輝
度の経時変化を示すグラフである。
度の経時変化を示すグラフである。
【図7】実施例5の表示素子のランタノイド層の透過率
特性を示すスペクトルである。
特性を示すスペクトルである。
【図8】従来の表示素子の一構成例を示す断面図であ
る。
る。
11…表示素子、13…陽極、14…有機層、14c…
発光層、15…陰極、15a…第1層、15b…第2層
(ランタノイド層)
発光層、15…陰極、15a…第1層、15b…第2層
(ランタノイド層)
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月28日(2002.2.2
8)
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】またこのような構成の他にも、基板2側か
ら順に、陰極5、有機層4、陽極3を順次積層した構成
や、さらには上方に位置する電極(上部電極)を透明材
料で構成することで、基板2と反対側から光を取り出す
ようにした、いわゆる上面発光型の表示素子もある。そ
して特に、基板上に薄膜トランジスタ(thin film tran
sistor:以下TFTと記す)を設けて成るアクティブマ
トリックス型の表示装置においては、TFTが形成され
た基板上に上面発光型の表示素子を設けた、いわゆるT
AC(Top Emission Adoptive Current device)構造と
することが、発光部の開口率を向上させる上で有利にな
る。
ら順に、陰極5、有機層4、陽極3を順次積層した構成
や、さらには上方に位置する電極(上部電極)を透明材
料で構成することで、基板2と反対側から光を取り出す
ようにした、いわゆる上面発光型の表示素子もある。そ
して特に、基板上に薄膜トランジスタ(thin film tran
sistor:以下TFTと記す)を設けて成るアクティブマ
トリックス型の表示装置においては、TFTが形成され
た基板上に上面発光型の表示素子を設けた、いわゆるT
AC(Top Emission Adoptive Current device)構造と
することが、発光部の開口率を向上させる上で有利にな
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例1〜9、及び
これらの実施例に対する比較例の表示素子の製造手順を
説明し、その後これらの評価結果を説明する。
これらの実施例に対する比較例の表示素子の製造手順を
説明し、その後これらの評価結果を説明する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】次に、陰極15の第2層15bを形成し
た。ここで、実施例1〜4においては、ランタノイド元
素の酸化物からなる第2層15bを真空蒸着法により
1.2nmの膜厚で蒸着した。各実施例1〜4における
真空蒸着の際に用いたランタノイド元素の酸化物は、下
記表1に示す通りである。
た。ここで、実施例1〜4においては、ランタノイド元
素の酸化物からなる第2層15bを真空蒸着法により
1.2nmの膜厚で蒸着した。各実施例1〜4における
真空蒸着の際に用いたランタノイド元素の酸化物は、下
記表1に示す通りである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】一方、実施例5〜9においては、ランタノ
イド元素の酸化物と有機物とからなる第2層15bを、
真空蒸着法により12nmの膜厚で形成した。各実施例
5〜9における真空蒸着の際に用いたランタノイド元素
の酸化物および有機物は、下記表1に示す通りであり、
第2層15b中におけるランタノイド元素の酸化物の含
有量は、相対膜厚比で2vol%とした。ただし、実施例
9においては、有機物およびランタノイド元素の酸化物
に加えて、Li 2 Oも添加して第2層15bを形成し
た。この際、第2層15b中においては、ランタノイド
元素の酸化物の含有量を相対膜厚比で2vol%、Li 2 O
の含有量を相対膜厚比で0.2vol%のとした。
イド元素の酸化物と有機物とからなる第2層15bを、
真空蒸着法により12nmの膜厚で形成した。各実施例
5〜9における真空蒸着の際に用いたランタノイド元素
の酸化物および有機物は、下記表1に示す通りであり、
第2層15b中におけるランタノイド元素の酸化物の含
有量は、相対膜厚比で2vol%とした。ただし、実施例
9においては、有機物およびランタノイド元素の酸化物
に加えて、Li 2 Oも添加して第2層15bを形成し
た。この際、第2層15b中においては、ランタノイド
元素の酸化物の含有量を相対膜厚比で2vol%、Li 2 O
の含有量を相対膜厚比で0.2vol%のとした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表1】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】(比較例)この比較例においては、図1を
用いて説明した構成の表示素子において、第2層(ラン
タノイド層)15bを省略し、陰極15が第1層(Li
2O層)15aと第3層(Mg−Ag層)15cとの2
層構造である表示素子を形成した。
用いて説明した構成の表示素子において、第2層(ラン
タノイド層)15bを省略し、陰極15が第1層(Li
2O層)15aと第3層(Mg−Ag層)15cとの2
層構造である表示素子を形成した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図6から明らかなように、ランタノイド元
素を含有する電極(陰極15)を設けた実施例1〜9の
表示素子は、電極にランタノイド元素を含有していない
比較例の表示素子と比較して、初期劣化に伴う輝度の低
下が小さく抑えられることが確認された。10時間後の
比較では、比較例においては相対輝度が0.935にま
で低下していたのに対して、実施例1〜4においては相
対輝度の低下が0.950程度に抑えられており、比較
例よりも約1.5%劣化が改善された。さらに、実施例
5〜9においては相対輝度の低下が0.975程度に抑
えられており、比較例よりも約4.0%劣化が改善され
た。
素を含有する電極(陰極15)を設けた実施例1〜9の
表示素子は、電極にランタノイド元素を含有していない
比較例の表示素子と比較して、初期劣化に伴う輝度の低
下が小さく抑えられることが確認された。10時間後の
比較では、比較例においては相対輝度が0.935にま
で低下していたのに対して、実施例1〜4においては相
対輝度の低下が0.950程度に抑えられており、比較
例よりも約1.5%劣化が改善された。さらに、実施例
5〜9においては相対輝度の低下が0.975程度に抑
えられており、比較例よりも約4.0%劣化が改善され
た。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H05B 33/28 H05B 33/28
Claims (12)
- 【請求項1】 陰極と陽極との間に、少なくとも有機発
光層を含む有機層を挟持してなる表示素子において、 前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方は、ラ
ンタノイド元素を含有することを特徴とする表示素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の表示素子において、 前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方は、ラ
ンタノイド元素と共に有機物を含有することを特徴とす
る表示素子。 - 【請求項3】 請求項1記載の表示素子において、 前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方に含有
される前記ランタノイド元素は、ランタン(La)、セ
リウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム
(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(E
u)、カドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Y
b)およびルテチウム(Lu)のうちの少なくとも1つ
であることを特徴とする表示素子。 - 【請求項4】 請求項1記載の表示素子において、 前記ランタノイド元素の少なくとも一部は、酸化物とし
て前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方に含
有されていることを特徴とする表示素子。 - 【請求項5】 請求項4記載の表示素子において、 前記ランタノイド元素の酸化物は、La2O3、CeO
2、Pr2O3、Pr6O11、Nd2O3、Sm2O3、Eu2
O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、Ho2O3、Er2
O3、Tm2O3、Yb2O3、Lu2O3のうちの少なくと
も1種類であることを特徴とする表示素子。 - 【請求項6】 請求項1記載の表示素子において、 前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方は、ラ
ンタノイド元素を含有する層を含む複数層で構成されて
いることを特徴とする表示素子。 - 【請求項7】 請求項6記載の表示素子において、 前記ランタノイド元素を含有する層は、ランタノイド元
素と共に有機物を含有することを特徴とする表示素子。 - 【請求項8】 請求項6記載の表示素子において、 前記ランタノイド元素を含有する層は、ランタノイド元
素の酸化物を含有することを特徴とする表示素子。 - 【請求項9】 請求項8記載の表示素子において、 前記陰極および前記陽極のうちの少なくとも一方は、ラ
ンタノイド元素を含有する層と、他の金属酸化物を含有
する層との積層構造を備えていることを特徴とする表示
素子。 - 【請求項10】 請求項9記載の表示素子において、 前記他の金属酸化物は、アルカリ金属およびアルカリ土
類金属の少なくとも一方の酸化物であることを特徴とす
る表示素子。 - 【請求項11】 請求項10記載の表示素子において、 前記他の金属酸化物は、Li2OおよびCs2Oの少なく
とも一方であることを特徴とする表示素子。 - 【請求項12】 請求項10記載の表示素子において、 前記有機層と前記ランタノイド元素を含有する層との間
に、前記他の金属酸化物を含有する層が設けられたこと
を特徴とする表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001252357A JP2003068470A (ja) | 2001-06-15 | 2001-08-23 | 表示素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001181258 | 2001-06-15 | ||
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JP2001252357A JP2003068470A (ja) | 2001-06-15 | 2001-08-23 | 表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003068470A true JP2003068470A (ja) | 2003-03-07 |
Family
ID=26616966
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001252357A Pending JP2003068470A (ja) | 2001-06-15 | 2001-08-23 | 表示素子 |
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-
2001
- 2001-08-23 JP JP2001252357A patent/JP2003068470A/ja active Pending
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