JP2003178883A - 表示素子 - Google Patents

表示素子

Info

Publication number
JP2003178883A
JP2003178883A JP2001379345A JP2001379345A JP2003178883A JP 2003178883 A JP2003178883 A JP 2003178883A JP 2001379345 A JP2001379345 A JP 2001379345A JP 2001379345 A JP2001379345 A JP 2001379345A JP 2003178883 A JP2003178883 A JP 2003178883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
display element
anode
crystallization temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001379345A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Kijima
靖典 鬼島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001379345A priority Critical patent/JP2003178883A/ja
Publication of JP2003178883A publication Critical patent/JP2003178883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度
を小さく抑えることが可能で、これにより長時間の安定
して発光する表示素子を提供する。 【解決手段】 基板12上に、陽極13、有機層14お
よび陰極15を備えている。有機層14は、陽極13側
から順に、正孔注入層14a、正孔輸送層14bおよび
電子輸送性の有機発光層14cを積層してなる。正孔注
入層14aおよび正孔輸送層14bのうちの少なくとも
一方は、結晶化温度を持たない有機材料、例えばスター
バストアミン型正孔輸送材料を含有している。これによ
り、初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度が小さ
く抑えられ、これにより長時間の安定した発光が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーディスプレ
イなどに用いられる、有機層を備えた自発光型の表示素
子に係り、特に、基板と反対側の上部電極側から光を取
り出す、上面発光型の表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア指向の商品を初め
とし、人間と機械とのインターフェースの重要性が高ま
ってきている。人間がより快適に効率良く機械操作する
ためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔
に、そして瞬時に、充分な量を取り出す必要があり、そ
のためにディスプレイを初めとする様々な表示素子につ
いての研究がなされている。
【0003】また、機械の小型化に伴い、表示素子の小
型化、薄型化に対する要求も日々、高まっているのが現
状である。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、
ノート型ワードプロセッサなどの、表示素子一体型であ
るラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る
進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディ
スプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。
液晶ディスプレイは、様々な製品のインターフェースと
して用いられており、ラップトップ型情報処理機器は勿
論のこと、小型テレビジョンや時計、電卓を初めとし、
我々が日常使用する製品に多く用いられている。
【0004】ところが、液晶ディスプレイは、自発光性
でないためバックライトを必要とし、このバックライト
駆動に液晶を駆動するよりも電力を必要とする。また、
視野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子
には適していない。さらに、液晶分子の配向状態による
表示方法であるので、視野角の中においても、角度によ
りコントラストが変化してしまう。しかも、液晶は基底
状態における分子のコンフォメーションの変化を利用し
て表示を行っているので、ダイナミックレンジが広くと
れない。これは、液晶ディスプレイが動画表示には向か
ない理由の一つになっている。
【0005】これに対し、自発光性表示素子として、プ
ラズマ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子
等が研究されている。
【0006】プラズマ表示素子は低圧ガス中でのプラズ
マ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適し
ているものの、薄型化、コストの面での問題を抱えてい
る。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携
帯用デバイスには適していない。
【0007】無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレ
イ等として商品化されたが、プラズマ表示素子と同様
に、交流バイアス駆動であり駆動には数百V必要である
ため、ユーザに受け入れられなかった。技術的な発展に
より、今日ではカラーディスプレイ表示に必要なRGB
三原色の発光には成功しているものの、無機電界発光素
子の青色発光材料として高輝度、長寿命で発光可能なも
のがあまり無く、さらには、無機材料のために、分子設
計などによる発光波長等の制御が困難であるという問題
がある。なお、2000年に、無機電界発光素子を用い
たフルカラーディスプレイが発表されたが、これは色変
換方式を用いたものであり、理想的な独立三原色駆動方
式でのデバイス化は困難である。
【0008】一方、有機化合物による電界発光現象は、
1960年代前半に強く蛍光を発生するアントラセン単
結晶への、キャリア注入による発光現象が発見されて以
来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、し
かも単結晶であったため、有機材料へのキャリア注入と
いう基礎的研究として行われていた。
【0009】しかし、1978年にEastmanKo
dak社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可能
なアモルファス発光層を有する積層構造の有機電界発光
素子を発表して以来、各方面でRGB三原色の発光、安
定性、輝度上昇、積層構造、作製法等の研究開発が盛ん
に行なわれている。
【0010】さらに、有機材料の特徴である分子設計等
により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄
型、自発光性等の優れた特徴を有する有機電界発光素子
のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われてい
る。
【0011】図11は、このような表示素子(有機電界
発光素子)の一構成例を表すものである。この表示素子
1は、例えばガラス等からなる透明な基板2上に設けら
れており、基板2上に設けられたITO(Indium Tin O
xide:透明電極)からなる陽極3、陽極3上に設けられ
た有機層4、および有機層4上に設けられた陰極5によ
り構成されている。有機層4は、陽極3側から、正孔注
入層4a、正孔輸送層4bおよび電子輸送性の有機発光
層4cを順次積層させた構成を有している。この表示素
子1では、陰極5から注入された電子と陽極3から注入
された正孔とが有機発光層4cにて再結合し、この再結
合の際に生じる光が透明の陽極3を介して基板2側から
取り出される。
【0012】有機電界発光素子としては、このような構
成を有するものの他に、基板側から順に、陰極、有機
層、陽極を順次積層した構成のものや、上方に位置する
電極(上部電極)を透明材料で構成することによって、
基板と反対側の上部電極側から光を取り出すようにし
た、いわゆる上面発光型の表示素子もある。特に、基板
上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TF
T)を設けてなるアクティブマトリックス型の表示装置
においては、TFTが形成された基板上に上面発光型の
表示素子を設けた、所謂TAC(Top Emitting Adoptiv
e Current drive )構造とすることが、発光部の開口率
を向上させる上で有利になる。
【0013】このようなTAC構造の表示装置におい
て、上部電極が陰極である場合、この陰極は、例えば酸
化リチウム(Li2 O)や、酸化セシウム(CsO)
等の金属酸化物層により構成される。また、これらの金
属酸化物層上に銀マグネシウム(MgAg)よりなる層
を積層させる場合もある。
【0014】なお、TAC構造では、陽極にITO等よ
りなる透明電極を用いることにより上下の両サイドから
光を取り出すことも可能であるが、陽極としては、一般
的には不透明電極が用いられ、キャビティ構造を形成し
ている。キャビティ構造における有機層の膜厚は、発光
波長によって規定され、多重干渉の計算から導くことが
できる。TAC構造では、このキャビティ構造を積極的
に用いることにより、外部への光取り出し効率の改善や
発光スペクトルの制御を行うことが可能である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな自発光型の表示素子、特には有機層を備えた発光素
子を用いて表示装置を構成する場合、表示素子の長寿命
化および信頼性の確保が最も重要な課題の一つである。
【0016】一般的に、表示素子の寿命は、輝度の低下
を伴う初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度によ
って決定される。つまり、表示素子の長寿命化を達成す
るためには、表示素子の初期劣化およびその後の定常的
な劣化の速度を小さく抑えることが重要になる。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、初期劣化およびその後の定常的な劣
化の速度を抑制し、長時間の安定した発光が可能な表示
素子を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の表示素子は、陰
極と陽極との間に少なくとも有機発光層を含む有機層を
備えたものであって、有機層に、結晶化温度を持たない
有機材料を含有する層を備えるようにしたものである。
より具体的には、有機層は、陽極と有機発光層との間に
第1層および第2層を有し、これら第1層および第2層
のうちの少なくとも一方が、結晶化温度を持たない有機
材料を含有する層であるように構成したものである。よ
り具体的には、第1層は正孔注入層、第2層は正孔輸送
層である。
【0019】結晶化温度を持たない有機材料を含有する
層は、この有機材料を2種類以上を含有する混合層とし
ても良い。特に、陽極を不透明材料により形成する場合
には、結晶化温度を持たない有機材料として、スターバ
ーストアミン型正孔輸送材料を用いることが好ましい。
また、結晶化温度を持たない有機材料を含有する層の膜
厚は、70nm以下であることが好ましい。
【0020】本発明の表示素子では、有機層に、結晶化
温度を持たない有機材料が含有されていることから、初
期劣化およびその後の定常的な劣化の速度が抑制され、
輝度の低下が抑制される。また、駆動時には、発光に伴
ってジュール熱が発生し、結晶化により有機層の膜質が
変化するが、有機層に結晶化温度を持たない有機材料を
用いることにより膜質が安定化する。従って、特に厚い
膜厚構造をとることのできないTAC構造の有機電界発
光素子において有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施の形態に係る表示
素子の断面構成を表すものである。この表示素子11
は、基板12上に形成されており、基板12上に下部電
極として設けられた陽極13、この陽極13上に設けら
れた有機層14、およびこの有機層14上に上部電極と
して設けられた陰極15を備えて構成されている。本実
施の形態の表示素子11は、陽極13から注入された正
孔と陰極15から注入された電子とが有機層14内の有
機発光層14cで結合する際に生じる発光を、基板12
と反対側の陰極15側から取り出す上面発光方式の、所
謂TAC構造の有機電界発光素子である。
【0023】基板12は、例えばガラスのような透明基
板であるが、シリコン基板、さらにはフィルム状のフレ
キシブル基板等であってもよい。また、この表示素子1
1を用いて構成される表示装置の駆動方式がアクティブ
マトリックス方式である場合には、この基板12として
は、画素毎にTFTを設けてなるTFT基板が用いられ
る。
【0024】この基板12上に設けられる陽極13に
は、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位
からの仕事関数が大きいもの、例えばクロム(Cr)、
モリブテン(Mo)、タングステン(W)、銅(C
u)、銀(Ag)、金(Au)、酸化スズ(SnO2
)とアンチモン(Sb)との合金、酸化亜鉛(Zn
O)とアルミニウム(Al)との合金、さらにはこれら
の金属や合金の酸化物等が、単独または混在させた状態
で用いられる。なお、陽極13としてはTAC構造でな
く、基板11側からも発光を取り出す方式の場合にはI
TO等の透明電極でもよい。この陽極13は例えばスパ
ッタリング法等により作成することができる。
【0025】陽極13は、この表示素子11を用いて構
成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリックス
方式である場合には、TFTが設けられている画素毎に
パターニングされる。そして、この陽極13の上には、
ここでの図示を省略したが絶縁膜が設けられ、この絶縁
膜の開口部から、各画素毎の陽極13の表面が露出され
るようになる。
【0026】有機層14は、陽極13側から順に、例え
ば、正孔注入層14a、正孔輸送層14bおよび電子輸
送性の有機発光層14cの3層を積層してなるものであ
る。正孔注入層14aおよび正孔輸送層14bはそれぞ
れ有機発光層14cへの正孔注入効率を高めるためのも
のである。ここで、正孔注入層14aが本発明の有機層
中の「第1層」、正孔輸送層14bが本発明の有機層中
の「第2層」の一具体例にそれぞれ対応している。
【0027】本実施の形態では、正孔注入層14aおよ
び正孔輸送層14bのうちの少なくとも一方が、結晶化
温度(結晶化点)を持たない有機材料を含有する層とな
っている。これにより、後述の説明および実施例からも
明らかなように、表示素子11の初期劣化およびその後
の定常的な劣化の速度を小さく抑え、長時間の安定した
発光が可能になる。
【0028】結晶化温度を持たない有機材料としては、
図2に示したスターバースト骨格を有するスターバース
トアミン型正孔輸送材料が好ましい。スターバースト型
正孔輸送材料の特徴としては、電荷の移動度が高く、膜
厚を比較的厚く積んでも、初期駆動電圧の上昇が押さえ
られるからである。スターバーストアミン型正孔輸送材
料としては、例えば、図3に示した1m−TNATA
(4,4’,4”−トリス(1−ナフチル−3−メチル
フェニルアミノ)−トリフェニルアミン)、あるいは図
4に示した2m−TNATA(4,4’,4”−トリス
(2−ナフチル−3−メチルフェニルアミノ)−トリフ
ェニルアミン)が挙げられる。これらのうちの一方のみ
でもよく、双方を混合して用いてもよい。
【0029】なお、正孔注入層14aは、例えば、Cu
Pc(フタロシアニン銅)により構成される。また、正
孔輸送層14bは、結晶化温度を持たない有機材料を含
有しない場合、例えば、ベンジジン誘導体、スチリルア
ミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘
導体などの正孔輸送材料により構成される。
【0030】有機発光層14cは電流の注入により光を
発生するものであり、例えば、図6に示したAlq3
(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)により構成さ
れる。
【0031】これらの各層は、例えば真空蒸着法や、ス
ピンコート法などの方法によって形成することができ
る。さらに、有機発光層14cの発光スペクトルの制御
を目的として、有機発光層14cを形成する際に微量分
子の共蒸着を行っても良く、例えば、ベリレン誘導体、
クマリン誘導体、ピラン系色素等の有機物質を微量含む
有機薄膜により有機発光層14cを形成するようにして
もよい。
【0032】なお、有機層14は、このような層構造に
限定されることはなく、少なくとも有機発光層14cと
共に、陽極13と有機発光層14cとの間に結晶化温度
を持たない有機材料を含有する有機薄膜層を有する構成
であれば、必要に応じた積層構造を選択することができ
る。例えば、有機発光層14cは、正孔輸送性の有機発
光層14cであっても良く、また有機発光層14c上に
さらに電子輸送層を設けた構成であっても良い。また、
以上の各有機層14、例えば正孔注入層14a、正孔輸
送層14bおよび電子輸送性の有機発光層14cは、そ
れぞれが複数層からなる積層構造であっても良い。
【0033】次に、陰極15は、例えば、有機層14側
から順に第1層15a、第2層15bおよび第3層15
cを積層させた3層構造で構成されている。
【0034】第1層15aは、仕事関数が小さく、かつ
光透過性の良好な材料を用いて構成される。このような
材料としては、例えばリチウム(Li)の酸化物である
酸化リチウムや、セシウム(Cs)の酸化物である酸化
セシウム(Cs2 O)、さらにはこれらの酸化物の混
合物を用いることができる。また、第1層15aは、こ
のような材料に限定されることはなく、例えば、カルシ
ウム(Ca),バリウム(Ba)等のアルカリ土類金
属、リチウム,セシウム等のアルカリ金属、さらにはイ
ンジウム(In),マグネシウム(Mg)等の仕事関数
の小さい金属、さらにはこれらの金属の酸化物等を、単
体でまたはこれらの金属および酸化物の混合物や合金と
して安定性を高めて使用しても良い。
【0035】第2層15bは、例えば、ランタノイド元
素および一次イオン化ポテンシャルの大きいハフニウム
(Hf)等の材料のうちの少なくとも1種を含有するこ
とが好ましく、特に、ハフニウムを含有すればより好ま
しい。初期劣化による輝度の低下を小さく抑えることが
でき、それにより、表示素子11の寿命特性、さらには
この表示素子11を用いて構成された表示装置の寿命特
性を向上させることができるからである。
【0036】第2層15bに含有されるランタノイド元
素としては、ランタン(La),セリウム(Ce),プ
ラセオジウム(Pr),ネオジウム(Nd),サマリウ
ム(Sm),ユーロピウム(Eu),カドリニウム(G
d),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(Dy),
ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム
(Tm),イッテルビウム(Yb)およびルテチウム
(Lu)等のうちから少なくとも1つが選択される。こ
れらのランタノイド元素は、原材料として酸化物などの
安定した形態が存在するため、容易に用いることができ
る。
【0037】これらのランタノイド元素およびハフニウ
ムは、酸化物として主に用いられる。ランタノイド元素
およびハフニウムの酸化物は他の酸化物と比較してシー
ト抵抗が低く、光透過率が高いので、第2層15bの膜
厚のばらつきに対する表示素子11の輝度のばらつきを
小さく抑えることができるからである。また、成膜時
に、基板12の温度を制御することなく常温での真空蒸
着やスパッタ成膜が可能であるため、有機層14に影響
を与えることなく有機層14の上部に陰極15を形成す
ることができるからである。
【0038】このような酸化物としては、例えば、La
2 O3 ,CeO2 ,Pr2 O3,Pr6 O11,
Nd2 O3 ,Sm2 O3 ,Eu2 O3 ,Gd2
O3,Tb2 O3 ,Dy2 O3 ,Ho2 O3 ,E
r2 O3 ,Tm2 O3 ,Yb2 O3 ,Lu2 O
3 およびHfO2 のうちの少なくとも1種類が選択さ
れる。なお、第2層15b内のランタノイド元素は、こ
のような組成の酸化物として含有されていることに限定
されず、他の組成の酸化物や、さらには酸化物と金属
(ランタノイド金属)とが混在した状態で含有されてい
ても良い。
【0039】また、第2層15bは、ランタノイド元素
またはハフニウムと共に、有機物を含有した混合層であ
っても良い。混合層を形成する有機物は、薄膜形成性が
良いものであれば良く、特に電荷輸送性を有する必要は
無いが、正孔輸送性および電子輸送性のうちの少なくと
も一方を有することが好ましい。このような材料には、
例えばアルミキノリン錯体(Alq3)、スチリルアミ
ン誘導体、フタロシアニン誘導体等を用いることができ
るが、これに限定されるものではない。
【0040】更に、第2層15bを混合層とする場合、
第2層15bは上記有機材料と共に、ランタノイド元素
またはハフニウムの単体および酸化物の両方を含んでい
ても良く、もちろん更に他の金属元素や酸化物を含んで
いても良い。
【0041】このような第2層15bの主たる機能は、
外的要因の影響を排除することにある。その機能のうち
有効なものの一つとして、第3層15cが外部からの要
因によって、酸化、結晶化する際に、下層の第2層15
b、あるいはその下部に形成されている有機層14への
影響を排除することが挙げられる。
【0042】また、第2層15bの他の機能は、後述す
るように第3層15cに用いる材料にマグネシウムや
銀、その他のアルカリ金属、アルカリ土類金属等の元素
が含有されている場合に、その拡散を防止し、デバイス
の短絡や駆動時における経時変化を防止することであ
る。
【0043】なお、第2層15bは、第1層15aや第
3層15cの種類によっては、省略することも可能であ
る。
【0044】第3層15cは、例えば、MgAgなどの
光透過性を有する層を用いた薄膜により構成されてい
る。
【0045】この第3層15cは、さらに、アルミキノ
リン錯体、スチリルアミン誘導体、フタロシアニン誘導
体等の有機材料を含有した混合層であっても良い。この
場合には、第3層15cに更にMgAgのような光透過
性を有する層を別途有していてもよい。なお、TAC構
造では、有機層と透明電極層あるいは半透明電極層との
合計膜厚を制御することにより、キャビティ効果を積極
的に利用することができるが、上記有機材料を含有する
混合層は、キャビティ長の調整にも用いることができ
る。この場合には、有機材料を含有する混合層の上部
に、MgAgよりなる半透過性電極を積層したり、ま
た、ランタノイド元素の含有量を制御し、反射性を持た
せることにより、この有機材料を含有する混合層で、キ
ャビティ長を制御することも可能である。
【0046】以上の第1層15a,第2層15bおよび
第3層15cは、真空蒸着法、スパッタリング法、更に
はプラズマCVD法などの手法によって形成することが
できる。また、この表示素子11を用いて構成される表
示装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である
場合、陰極15は、ここでの図示を省略した上述の絶縁
膜と有機層14とによって、陽極13と絶縁された状態
で基板12上にベタ膜状に形成され、各画素に共通電極
として用いられる。
【0047】なお、陰極15は上記のような3層構造で
なくても良い。この積層構造は電極各層の機能分離を行
なった際に必要なものであり、第3層15cのみで構成
したり、第1層15aを形成した後にITOなどの透明
電極を形成したりすることも可能であり、作製されるデ
バイスの構造に応じて最適な組み合わせ、積層構造を取
れば良いことは言うまでもない。
【0048】上述のように、本実施の形態では、陽極1
3上に形成される正孔注入層14aまたは正孔輸送層1
4b、あるいはこれら2つの層に、結晶化温度を持たな
い有機材料を含有している。以下、この点についての説
明を行う。
【0049】本発明は、主にTAC構造を有する表示素
子(以下、単に「TAC素子」という)を作製する際に
有効な技術である。陽極13がITOよりなる場合に
は、ITOのグレイン等の影響により、陽極13の表面
粗度が大きいので、正孔注入層14aあるいは正孔輸送
層14bは一般的に厚膜で構成される。その膜厚は、素
子の全体的な構造で決定されるが、概ね80nm以上に
なることが多い。例えば、スターバースト骨格を有する
図7に示した1−TNATA(4,4’,4”−トリス
(1−ナフチルフェニルアミノ)−トリフェニルアミ
ン)、図8に示した2−TNATA(4,4’,4”−
トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)−トリフェニル
アミン)あるいはm−MTDATA等を正孔注入層に用
い、かつ、5インチクラスのパッシブマトリックスを組
む場合には、ITOの成膜をスパッタ法で行わず、表面
粗度をできるだけ小さくした状態においても、150n
m程度の膜厚が必要である。整流比を確保し、かつ表面
粗度の影響から発生するショートを軽減するためであ
る。
【0050】しかしながら、TAC素子においては、そ
の特徴であるキャビティ効果を有効に利用しようとした
場合に、最も波長が長い赤色発光素子であっても、一次
の干渉条件下では、100nmオーダーの正孔注入層を
確保することが、素子構造上困難である。また、2次の
干渉条件下では、有機層の合計膜厚が厚くなり、駆動電
圧が上昇する。これは、次に述べる理由による。
【0051】有機電界発光素子では、有機薄膜中を流れ
る電流の大きさを決める主要因子は必ずしも薄膜中の平
衡キャリア密度ではない。キャリア移動度さえある程度
大きければ、大量の電流を流すことは可能であり、この
現象は空間電荷制限電流(SCLC:Space Charge Lim
ited Current)機構として知られている。SCLCの式
はチャイルド則に従い、数1で記述することができる。
【数1】J=9/8・(εε0 ・μV2 )/ L3 (J:電流密度、ε:有機材料の誘電率、ε0 :真空
の誘電率、μ:有機材料中のキャリア移動度、V:駆動
電圧、L:有機層の膜厚)
【0052】チャイルド則ではキャリア移動度のみが関
与している。例えば、キャリア移動度としてアモルファ
ス有機色素薄膜の典型値であるμ=10-3cm2-1
-1を用い、膜厚L=100nmの超薄膜に1.0Vの
電圧を印加した場合には300mAcm-2もの大きな電
流が流れることになる。従って、素子の効率を上げるた
めには、有機層の膜厚をできるだけ薄くすることが必要
であることは自明である。このことからも、一次の干渉
条件の膜厚で素子を作製すること。よって、TAC素子
においては、陽極上に形成される正孔注入層あるいは、
正孔輸送層の膜厚を、パッシブ型あるいはボトム型の素
子で用いられるような厚膜にすることが困難である。
【0053】ここで例示した1−TNATA,2−TN
ATAあるいはm−MTDATA等に代表されるスター
バースト骨格を持つ正孔輸送材料は、本発明者の検討に
よれば、厚膜構造においても、他の有機材料と比較して
電流注入に優れた材料であり、パッシブ型あるいはボト
ム型でデバイスを構成する際には優れた材料である。
【0054】勿論、2−TNATA等は、TAC素子に
おいても、優れた特徴を示すが、前述のように、駆動時
における初期輝度低下や、電圧上昇等が発現する場合も
あり、この要因の一つが、正孔注入層あるいは正孔輸送
層の駆動時における膜質の経時変化であることが、本発
明者の検討により明らかになった。
【0055】具体的には、駆動時において有機層を構成
するアモルファス有機薄膜が、発光に伴って発生するジ
ュール熱や、水分等により結晶化することが問題である
ことが明らかになった。
【0056】なお、本発明者がTAC素子を作製する際
に用いる陽極の具体的な材料は、ITOのような透明電
極ではなく、クロムや金等が主成分の不透明な電極であ
り、ITOよりなる透明電極等と比較しても、表面粗度
は小さく、良好な表面性を持っている。しかしながら、
例えば、TAC構造で最も波長の短い青色発光素子を作
製する場合などは、有機薄膜の合計膜厚も薄くなり、シ
ョートが発生する。本発明者が検討した結果、このショ
ートの主要因は、有機薄膜の合計膜厚に問題があり、特
に正孔注入層あるいは正孔輸送層の膜厚が薄いことが原
因であることが明らかになった。また、TAC素子にお
いては、キャビティ効果を積極的に利用するために正孔
注入層あるいは正孔輸送層の膜厚がパッシブ型やボトム
型と比較して相対的に薄く、これにより上述した発光に
伴う有機薄膜の結晶状態の経時変化が、パッシブ型やボ
トム型と比較して顕著に素子寿命に反映してしまうこと
も明らかになった。
【0057】そこで、本実施の形態では、上述したよう
に陽極13上に順次積層される第1層(正孔注入層14
a)および第2層(正孔輸送層14b)のうちの少なく
とも一方に、結晶化温度を持たない有機材料を含有させ
たものである。これにより膜質が安定化し、表示素子1
1の初期劣化およびその後の定常的な劣化の速度を小さ
く抑えることができ、長時間にわたって安定して発光さ
せることができる。
【0058】この効果は、従来のボトム型に代表される
ITO等の透明電極からの光取り出しデバイスと比較し
て、キャビティ効果を積極的に利用するTAC素子にお
いて顕著である。TAC素子において、キャビティ効果
は、有機層14の膜厚すなわち、有機薄膜の膜厚がキャ
ビティ長として制限されるからである。
【0059】特に、有機層14が、結晶化温度を持たな
い有機材料として、スターバーストアミン型正孔輸送材
料を含有するようにすれば、後述の実施例からも明らか
なように、より高い効果を得ることができる。
【0060】また、本実施の形態では、陰極15の第2
層15bがランタノイド元素およびハフニウムのうちの
少なくとも1種を含有するようにすれば、ランタノイド
元素を含有しない従来の表示素子と比較して、初期劣化
による輝度の低下を小さく抑えることが可能になる。従
って、表示素子11の寿命特性、さらにはこの表示素子
11を用いて構成された表示装置の寿命特性が向上す
る。
【0061】また、ランタノイド元素またはハフニウム
を酸化物として用いれば、ランタノイド元素またはハフ
ニウムの酸化物は光透過率が大きいため、陰極15の光
透過性を確保することができる。従って、陰極15側か
らの光の取り出し効率を良好に維持することが可能にな
る。
【0062】しかも、ランタノイド元素などの酸化物を
原料とした膜は、常温での真空蒸着やスパッタ成膜にお
いて基板12の温度を制御することなく形成することが
できるので、有機層14に対する影響を抑制することが
できる。
【0063】以上のことから、図1を用いて説明した構
成の表示素子11は、TFTが形成された基板12を用
いた上面発光型の表示装置、すなわちTAC構造の表示
装置用の表示素子として極めて有効に用いることがで
き、その光取り出し効率を確保しつつも寿命特性の向上
を図ることが可能になる。
【0064】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例1〜7、およ
びこれらの実施例に対する比較例1,2の表示素子の製
造手順を説明し、その後これらの評価結果を説明する。
【0065】(実施例1〜7)実施例1〜7において
は、上述した実施の形態において、図1に示した構成の
表示素子11を形成した。先ず、実施例1〜7の表示素
子11の製造手順を説明する。
【0066】30mm×30mmのガラス板からなる基
板12上に、陽極13としてクロム(Cr)よりなる膜
(膜厚約100nm)を形成し、さらに二酸化ケイ素
(SiO2 )を蒸着させることにより、2mm×2m
mの発光領域以外に絶縁膜でマスクした有機電界発光素
子用のセルを作製した。
【0067】次に、真空蒸着法により、有機層14の正
孔注入層14aとして結晶化温度を持たない1m−TN
ATA,2m−TNATAあるいはCuPcよりなる膜
を30nmの膜厚(蒸着速度0.2〜0.4nm/se
c. )で形成した。表1に、1m−TNATAおよび2
m−TNATAのガラス転移温度(Tg)および結晶化
温度(Tc)を示す。
【0068】
【表1】
【0069】次いで、第1層にCuPcを用いた場合に
は、第2層としてスターバースト系材料を真空蒸着し、
この場合には第3層としてα−NPDよりなる膜を成膜
した。第1層に1m−TNATAあるいは2m−TNA
TAよりなる膜を成膜した場合には、正孔輸送層14b
としてα−NPDよりなる膜を30nmの膜厚(蒸着速
度0.2〜0.4nm/sec. )で形成した。また、
第1層として1m−TNATAおよび2m−TNATA
を膜厚比で1:1に共蒸着した注入層も成膜し、この場
合には正孔輸送層14bとしてα−NPDを第2層に成
膜した。
【0070】このようにして形成された正孔注入層14
aおよび正孔輸送層14b上に、次に電子輸送性の有機
発光層14cとして、Alq3を蒸着し、膜厚50nm
の膜を形成した。その際、Alq3には図9に示すクマ
リン6を相対膜厚比で1%ドーピングして電子輸送性の
有機発光層14cとした。
【0071】以上のようにして、正孔注入層14a、正
孔輸送層14bおよび電子輸送性の有機発光層14cを
順次積層してなる有機層14を形成した後、陰極15の
第1層15aとして、Li2 Oよりなる膜を真空蒸着
法により約0.3nm(蒸着速度0.01nm/se
c.)の膜厚で形成した。
【0072】次に、陰極15の第2層15bを1.5n
mの膜厚で形成した。その際、実施例1〜5ではLi2
Oを用い、実施例6ではEr2 O3 を用い、実施例
7では一次イオン化ポテンシャルの大きい材料の一例と
してHfO2 を用いた。
【0073】最後に、真空蒸着法により、第2層15b
上に陰極15の第3層15cとして膜厚10nmのMg
Ag膜を形成した。
【0074】以上の実施例1〜7の具体的な構造を表2
に示す。
【0075】
【表2】
【0076】(比較例1,2)比較例1,2として、正
孔注入層に明確な結晶化温度を持つ1−TNATAある
いは2−TNATAを用いて、図1に示した表示素子を
作製した。その際、正孔注入層以外の各層は表2に示し
た材料を用いて形成した。表1に1−TNATAおよび
2−TNATAのガラス転移温度(Tg)および結晶化
温度(Tc)を示す。
【0077】(評価結果)以上のようにして作製した実
施例1〜7および比較例1,2の表示素子について、輝
度の経時変化を調べ、本発明の効果を検証した。その結
果を表2および図10に示す。
【0078】表2には、実施例1〜7および比較例1,
2について、200時間後の相対輝度の変化量を示し
た。また、実施例1,2および比較例1については半減
期間を示した。また、図10には、代表して実施例1,
2および比較例1,2についての輝度の経時変化(0〜
200時間)を、それぞれの表示素子における初期の輝
度を1とした相対輝度として表した劣化曲線を示した。
なお、初期輝度は1200cd/m2 とした。
【0079】表2から明らかなように、1種または2種
の結晶化温度を持たない有機材料を用いた実施例1〜7
によれば、結晶化温度を持つ有機材料を用いた比較例
1,2に比べて、駆動200時間後の相対輝度について
高い値が得られた。また、半減期間についても、実施例
1,2の方が比較例1よりも長かった。すなわち、TA
C構造において正孔注入層14aあるいは正孔輸送層1
4bに、1種または2種の結晶化温度を持たない有機材
料(スターバーストアミン型正孔輸送材料)を用いれ
ば、劣化が抑制され、長期にわたって安定した発光が得
られることが確認された。
【0080】また、図10からも明らかなように、20
0時間後の相対輝度は、比較例1では81%、比較例2
では85%まで劣化したのに対し、実施例1と実施例2
とでは89%であった。実施例1と実施例2とでは正孔
注入層14aを構成する材料の骨格が異なるにも関わら
ず、それらの劣化曲線はほぼ重なっている。この結果よ
り、材料の骨格よりも膜としての性質、すなわち、結晶
化温度を持たないという性質が主要因で寿命が改善され
ることが明らかになった。
【0081】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、表示素子11の構成は一例であり、本発明の表示
素子はこのような構成に限定されるものではない。
【0082】また、上記実施の形態においては、TFT
基板を用いたアクティブマトリックス方式の表示装置に
用いる表示素子として説明したが、パッシブ方式の表示
装置に用いる表示素子としても適用可能であり、効果と
しては小さいが、改善することは可能である。
【0083】更に、上記実施の形態においては、基板1
2と反対側に設けた陰極15側から発光光を取り出す上
面発光型の表示層素子について説明したが、基板を透明
材料に構成することによって、発光光を基板側から取り
出す透過型の表示素子にも適用することができる。この
場合、図1を用いて説明した積層構造を、基板側から逆
に積み上げた構成にする。この場合、上部電極となる陽
極を透明材料で構成することで、基板と反対側から発光
光を取り出すことも可能になる。
【0084】さらに、上記実施形態においては、陰極1
5にのみにランタノイド元素を含有させた構成を説明し
たが、ランタノイド元素は、陰極と共に陽極に、または
陽極のみに含有させても良い。この場合、陽極にランタ
ノイド元素を含有する層を設けたり、単層構造の陽極に
ランタノイド元素を含有させても良い。ランタノイド元
素は、酸化物として含有させても良い。特に、陽極に光
透過性が求められる場合には、光透過性に優れたランタ
ノイド元素の酸化物を用いることが好ましい。また、ラ
ンタノイド元素の酸化物は、有機層との間の仕事関数の
関係から、陽極として有機層と接する状態で設けること
も可能である。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項7のいずれか1項に記載の表示素子によれば、陰極と
陽極との間の有機層に結晶化温度を持たない有機材料を
含有させるようにしたので、初期劣化およびその後の定
常的な劣化の速度を小さく抑えることができ、これによ
り長時間の安定した発光が得られる。
【0086】また、請求項7記載の表示素子によれば、
結晶化温度を持たない有機材料として、スターバースト
アミン型正孔輸送材料を用いるようにしたので、より高
い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示素子の一構成
例を示す断面図である。
【図2】有機層の一構成材料に含まれるスターバースト
骨格の構造式である。
【図3】有機層の構成材料の一例としての1m−TNA
TAの構造式である。
【図4】有機層の構成材料の一例としての2m−TNA
TAの構造式である。
【図5】有機層の構成材料の一例としてのα−NPDの
構造式である。
【図6】有機層の構成材料の一例としてのAlq3の構
造式である。
【図7】1−TNATAの構造式である。
【図8】2−TNATAの構造式である。
【図9】本発明の実施例1,2,5,6,7に係る有機
発光層に添加したクマリン6の構造式である。
【図10】本発明の実施例1,2に係る相対輝度の経時
変化を比較例1,2と共に示す特性図である。
【図11】従来の表示素子の一構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11…表示素子、2,12…基板、3,13…陽
極、4,14…有機層、4a, 14a…正孔注入
層、4b,14b…正孔輸送層、4c,14c…有機発
光層、 5,15…陰極、15a…第1層、15b
…第2層、15c…第3層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極と陽極との間に、少なくとも有機発
    光層を含む有機層を備えた表示素子であって、 前記有機層は、結晶化温度を持たない有機材料を含有す
    る層を有することを特徴とする表示素子。
  2. 【請求項2】 前記有機層は、前記陽極と前記有機発光
    層との間に第1層および第2層を有し、これら第1層お
    よび第2層のうちの少なくとも一方が、前記結晶化温度
    を持たない有機材料を含有する層であることを特徴とす
    る請求項1記載の表示素子。
  3. 【請求項3】 前記第1層は正孔注入層、前記第2層は
    正孔輸送層であることを特徴とする請求項2記載の表示
    素子。
  4. 【請求項4】 前記陽極が主成分として不透明な金属を
    含有することを特徴とする請求項1記載の表示素子。
  5. 【請求項5】 前記陽極の主成分は、クロム(Cr),
    モリブテン(Mo),タングステン(W),銅(C
    u),銀(Ag)または金(Au)からなる群のうちの
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の
    表示素子。
  6. 【請求項6】 前記有機層の第1層および第2層の少な
    くとも一方は、2種以上の結晶化温度を持たない有機材
    料を含有する混合層により形成されていることを特徴と
    する請求項2記載の表示素子。
  7. 【請求項7】 前記結晶化温度を持たない有機材料は、
    スターバーストアミン型正孔輸送材料であることを特徴
    とする請求項4記載の表示素子。
JP2001379345A 2001-12-12 2001-12-12 表示素子 Pending JP2003178883A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001379345A JP2003178883A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001379345A JP2003178883A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003178883A true JP2003178883A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19186754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001379345A Pending JP2003178883A (ja) 2001-12-12 2001-12-12 表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003178883A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005051047A1 (ja) * 2003-11-21 2005-06-02 Bando Chemical Industries, Ltd. 有機電子機能材料とその利用
JP2005190993A (ja) * 2003-11-21 2005-07-14 Bando Chem Ind Ltd 有機電子機能材料とその利用
JP2006024432A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Japan Science & Technology Agency 有機エレクトロルミネッセンス素子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005051047A1 (ja) * 2003-11-21 2005-06-02 Bando Chemical Industries, Ltd. 有機電子機能材料とその利用
JP2005190993A (ja) * 2003-11-21 2005-07-14 Bando Chem Ind Ltd 有機電子機能材料とその利用
US7629059B2 (en) 2003-11-21 2009-12-08 Bando Chemical Industries, Ltd. Organo-electronic functional material and use thereof
JP2006024432A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Japan Science & Technology Agency 有機エレクトロルミネッセンス素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4898560B2 (ja) 有機発光装置
US8076841B2 (en) Organic electroluminescent display apparatus
TWI361015B (en) System for displaying images
JP2006048946A (ja) 有機機能素子、有機el素子、有機半導体素子、有機tft素子およびそれらの製造方法
JP4474721B2 (ja) 有機又は無機発光素子
JP4479171B2 (ja) 表示素子
US10777774B2 (en) Light emitting element, display device, and electronic apparatus
JPH10335060A (ja) 有機電界発光素子
JP2003068470A (ja) 表示素子
JP2009301858A (ja) 発光素子、表示装置および電子機器
JP3669333B2 (ja) 有機電界発光素子及び表示装置
US20070285001A1 (en) System for displaying images
JPWO2005062678A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、導電積層体及び表示装置
JP2005011734A (ja) 表示素子および表示装置
JPH09245964A (ja) 光学的素子の製造方法
JP2008141174A (ja) 有機発光装置
JP2004095491A (ja) 表示素子
JP2003178883A (ja) 表示素子
JP4857498B2 (ja) 表示素子
JP2004022325A (ja) 表示素子
JP5238136B2 (ja) 発光装置
US11038140B2 (en) Display device, electronic device, and method of producing display device
JP4038809B2 (ja) 発光素子及びその用途
JP3945293B2 (ja) 発光材料及び有機電界発光素子、並びに表示装置
JP2003178878A (ja) 表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070515