JP4757180B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態の吸収性物品は、生理用ナプキン1であり、図1〜図3に示すように、表面シート2、裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された吸収体4を備えた吸収性本体10と、吸収性本体10の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイング部5,5と、吸収性本体10の肌当接面側の両側部それぞれを被覆する一対のサイド防漏部6,6とを有している。
また、吸収性本体10において、排泄部対向部Aとは、図1に示すように、着用者の排泄部と対向する領域であり、本発明のようにウイング部5を有する吸収性物品においては、両側部にウイング部5を有する部分である。排泄部対向部Aよりも前方に位置する領域を前方部Bといい、排泄部対向部Aよりも後方に位置する領域を後方部Cという。
表面シート2は、図1及び図3に示すように、吸収体4の上面の全域を被覆している。表面シート2の前後縁部は、丸みを帯びており、吸収体4の前後縁部それぞれから長手方向に延出している。表面シート2の両側縁部は、長手方向に沿う直線状であり、図3に示すように、吸収体4の両側縁部それぞれから幅方向に若干延出しているが、裏面シート3からは離間している。
図2及び図3に示すように、吸収性本体10の非肌当接面側には、詳細には、裏面シート3の非肌当接面側には、吸収性本体10とショーツのクロッチ部の上面(内面)とを止着するためのズレ止め剤11が設けられている。ズレ止め剤11は粘着剤等から形成される(後述のズレ止め剤55も同様)。
裏面シート3として、前記樹脂シートを用いると裏面シート3の非肌当接面側に設けられたズレ止め剤11の固定性がよい点から好ましく、また、前記複合不織布を用いると透湿性及び柔軟性がよい点から好ましい。
中央第1シール線12及び中央第2シール線13は、表面シート2と下部吸収体42とを接合しているが、表面シート2と上部吸収体41とは接合していない。従って、上部吸収体41は、表面シート2と下部吸収体42とからなる閉鎖空間に封入されている。
伸長性を有する不織布としては、繊維同士の結合を有さないスパンレース不織布や、平面的に粗密構造(開孔を含む)を有するエアスルー不織布、複数層の不織布を伸長方向に弛せて接合したシート(例えば、ひだ形状を有するシート)が好ましく、また、ウレタン系やエステル系エラストマーの弾性シート、熱捲縮性を有する繊維ウェブに熱が付与されて形成された伸縮性を有する不織布等のような、伸縮機能により伸長性を有する不織布も好ましい。
ウイング部5において、1つの付け根あたりのその近傍に設けられた高剛性部62Aの本数は、第1実施形態のように、好ましくは1本であるが、後述する第5実施形態のように2本の場合もあり、また3本以上の場合もある。
本実施形態においては、ウイング部5に複数本の高剛性部62A,62Bが設けられることにより、高剛性部62は、ウイング部5において、ウイング部5の全域に亘って設けられることになる。「高剛性部62がウイング部5の全域に亘って設けられている」とは、ウイング部5に、前記高剛性部62A,62Bが、長手方向間隔:15mm以内で設けられていることを意味する。
また、前記高剛性部62Bにおけるサイド防漏部6側に位置する部分の長さ(吸収性本体10の幅方向に沿う長さ)L2(図4参照)は、サイド防漏部6の起立性を考慮すると、好ましくは2〜14mm、更に好ましくは4〜12mmである。同じ理由より、前記長さL2は、高剛性部62Bが設けられている位置におけるサイド防漏部6の幅(吸収性本体10の幅方向に沿う幅)Wの好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%である。
また、前記ポケットが形成されると、視覚的にも幅方向の防漏性が高いことを容易に理解できるため、着用者に安心感を与える点でも好ましい。
接着剤は、例えば、吸収体4と裏面シート3との間に設けられる。また、接着剤は、ウイング部5の両付け根間において、サイドシート61と裏面シート3との間に設けることが好ましい。接着剤は、連続的に(面状に)塗工されていてもよい(いわゆるベタ塗り)が、塗工された領域の通気性を考慮すると、間欠的に塗工されていることが好ましい。間欠的な塗工形態としては、例えば、スパイラル状、幅方向に延びるストライプ状、Ω状、ドット状が挙げられる。
高剛性部62は、ヒートエンボス加工以外にも、例えば、超音波エンボス加工より形成することができる。
〔厚みの測定方法〕
製品(吸収性物品全体)を平らな場所に皺や折れ曲がりがないように静置し、吸収性本体の排泄部対向部又は前方部若しくは後方部における吸収体が配されている領域の上面に、5cN/cm2の荷重を掛け、その状態下での厚みを測定する。製品装着時の装着圧は、身体の部位、個人差、状態(座っている/動いている)等により異なるが、排泄部対向部の中央域(排泄ポイント付近)では、ショーツ等の下着を着用する以外に外圧が掛らない状態において、無荷重〜5cN/cm2の荷重となるため、この荷重(5cN/cm2)での測定を行なった。厚みの測定には、厚み計 PEACOCK DIAL PRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いた。このとき、厚み計の先端部と製品との間の測定部分にプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。プレートの形状は円形又は正方形とする。
〔引き裂き強度の測定方法〕
JIS K7128−1(1998、プラスチック−フィルム及びシートの引裂強さ試験方法)に規定された第1部 トラウザー引裂法を参考に、テンシロン引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTC−1210A)を使用し、上下チャック間の距離を5mm(試験片を挿入可能な程度の間隔)に調整したチャックの上側に製品の吸収性本体、下側にウイング部を挟み、上側のチャックに挟んだ製品の吸収性本体を一定速度500mm/minで上昇させ、試験片を製品長手方向に沿って引き裂いたときの最高値(cN)を読み取る。測定は5回行い、その平均値を算出して引き裂き強度とした。
本実施形態においては、伸長性(伸縮性)を有するウイング部5が使用可能であるため、トラウザー引裂法による引き裂き強度には、伸長性(伸縮性)の要因が含まれる場合もあるが、「ウイング部5の引き裂き強度」においては、伸長性(伸縮性)の要因も含めて引き裂き強度とする。測定環境は、20℃、65%RHである。
テンシロン引張試験機の上側のチャックに、得られた試験片における吸収性本体の部分を挟み(ウイング部は挟まない)、下側のチャックに、切り込みを入れて下方に折り返したウイング部の折り返し部を挟み、測定を行った。
更に、ウイング部5の剛性が高くなるため、生理用ナプキンをショーツに装着する際に、ウイング部5の操作性に優れていると共に、生理用ナプキンを個装状態から取り出すとき等において、ウイング部5の折れやヨレが生じにくく、誤ってウイング部5のズレ止め剤55同士が付着することが発生しにくい。また、ウイング部5の下面へのズレ止め剤55の転着性に優れる。
高剛性部62がウイング部5においてウイング部5の全域に亘って設けられているため、ウイング部5の幅方向の剛性が一層向上している。
第5実施形態によれば、高剛性部62Aが吸収性本体10の幅方向に対して傾斜して延びているため、サイド防漏部6の起立性及びウイング部5の破断強度が一層向上している。
例えば、ウイング部5は、前記実施形態のように、その全部がサイドシート61から形成されていることが好ましいが、その大部分(面積基準で60%以上)がサイドシート61のみから形成されていれば、その他の部分がサイドシート61以外のシートから形成されていてもよい。例えば、ウイング部5における吸収性本体10側の領域が、吸収性本体10の両側部から延出した裏面シート3と、サイドシート61との積層体から形成されていてもよい。
サイド防漏部6からウイング部5に亘る高剛性部62の内端部は、サイド防漏部6の内側縁部まで延びていてもよい。
高剛性部62は、非連続的に延びていてもよい。非連続的に延びる高剛性部62は、例えば、点線状(ドット状エンボスの集合体)、破線状(短い線分状のエンボスの集合体)である。
後方部Cには、吸収性本体10の両側部から延出した後部フラップを設けることができる。後部フラップは、吸収性本体10から延出した状態で折り返されることなく、ショーツ等の下着に装着されて用いられるものである。
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンに制限されず、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用することができる。装着される下着は、ショーツに制限されない。
10 吸収性本体
11 ズレ止め剤
12 中央第1シール線
13 中央第2シール線
14,15 エンドシール
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 上部吸収体
42 下部吸収体
5 ウイング部
55 ズレ止め剤
6 サイド防漏部
61 サイドシート
62,62A,62B,62C 高剛性部
A 排泄部対向部
B 前方部
C 後方部
Claims (9)
- 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体を備えた吸収性本体と、該吸収性本体の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイング部と、該吸収性本体の肌当接面側の両側部それぞれを被覆する一対のサイド防漏部とを有する吸収性物品であって、
前記サイド防漏部はサイドシートからなり、該サイドシートは、前記吸収性本体の両側部からそれぞれ延出して、前記ウイング部の全部又は大部分を形成しており、
前記サイド防漏部及び前記ウイング部には、前記サイドシートの素材よりも剛性の高い線状の高剛性部が、該サイド防漏部から該ウイング部に亘って連続的に又は非連続的に延びるように形成されている吸収性物品。 - 前記サイド防漏部から前記ウイング部に亘る前記高剛性部は、その外端部が該ウイング部の周縁部まで延びている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記高剛性部は、前記ウイング部において、少なくとも該ウイング部の両付け根近傍にそれぞれ設けられている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記高剛性部は、前記ウイング部において、該ウイング部の全域に亘って設けられている請求項3記載の吸収性物品。
- 前記高剛性部は、更に、前記サイド防漏部における前記ウイング部よりも前方側及び後方側それぞれの領域に、前記吸収性本体の幅方向に沿って延びるように、該吸収性本体の長手方向に離間して複数本設けられている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記ウイング部の付け根近傍に設けられた前記高剛性部は、前記吸収性本体の幅方向に沿って延びている請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記ウイング部は略台形状を有しており、該ウイング部の両付け根近傍に設けられた前記高剛性部は、略台形状の該ウイング部における斜辺に沿って延びている請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記高剛性部は、前記サイドシートの素材にヒートエンボス加工を施すことにより形成されている請求項1〜7の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記サイドシートは、前記吸収性本体の長手方向に伸長性を有する不織布から形成されている請求項1〜8の何れかに記載の吸収性物品。
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