JP4755578B2 - 素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は熱応答性(レスポンス)を速くし、尚かつ精密な温度測定をすることができる、生産性の優れた極細の白金測温抵抗体及びその製造方法に関するものである。
現在、産業用の温度計測には、白金抵抗を利用したものの他、熱電対、サーミスタ、ICセンサ等を用いたものも使用されるが、このうち、白金抵抗を利用したものが、経年変化に対して安定で、最も安定性が高く、かつ正確であることから、高精度を必要とする精密温度の計測には多く用いられている。
温度計の中で白金が用いられる所以は、熱電対、サーミスタ、ICセンサ、ガラス温度計などに比べて精度が断然によいこと、更に温度変化による抵抗変化が直線性に優れているため国際温度目盛り(ITS−90)の中で定義されていることなどによる。
これらの温度センサ装置の使用環境は様々であって、振動や衝撃をほとんど受けない環境で使用されることもあれば、逆に、振動や衝撃が強い環境下で使用されることもある。また、耐熱性や耐薬品性、耐食性が求められる場合もある。
そういう状況下で、測温用の抵抗素子は抵抗素子単独で用いられることはまれで、一般的には保護管に組み込まれた測温抵抗体として用いられることが主流となっている。また、用途のよっては樹脂で被覆された測温抵抗体として用いられる場合もある。
保護管に組み込まれた測温抵抗体の例としては、特許文献1(特開平11−195501号公報)のものがあり、その構成を図3に示す。抵抗線として白金または白金ロジウム線が用いられており、この抵抗線に溶接された口出し線25を有する測温抵抗素子22を、一端部を封止した保護管23内に挿入し、前記測温抵抗素子22の周囲に粉体24を充填して保護管23内で固定した構成の高温用温度計21が示されている。測温部の測温抵抗素子22は、保護管23内のアルミナを主成分とする粉体24で隙間なくコンパクトに内蔵されているため、振動や衝撃に強い構造を有している。
また白金測温抵抗体を用いるときには口出し線の導線抵抗が無視できなくなるが、この導線抵抗による誤差を避けるために3線式の結線が多く使われる。さらに高精度を必要とする場合には4線式も用いられ、4線式にするとほぼ完璧に誤差を除去できる。
このようなものが、特許文献2(登録実用新案第3060490号公報)に示されている。このものは、内部に測温抵抗体用の1又は複数本の金属細線を有する素子本体と、この素子本体の一端部から引き出されている、金属細線毎に対応している各対の素子リード線とからなる白金測温抵抗体素子を備え、各素子リード線にそれぞれ接続された口出しリード線を介して、温度検出信号を外部に送出する構成となっている。そして、リード線と口出しリード線との接続部の振動や衝撃とに対処して前記接続部を補強する構成として、少なくとも、各素子リード線が引き出されている側の素子本体の中間から、各素子リード線と対応する口出しリード線との接合部を越えた部分までを、第1の樹脂及び第2の樹脂の熱収縮性を利用し、第1の樹脂及び第2の樹脂の2重構造で気体部分なく被覆した構成としている。このように構成されたものがケース内に挿入され、その後、充填材が充填される。以上のように、測温抵抗体素子やリード線間の接合部を気体部分なくモールドするようにしたので、振動や衝撃が強い悪環境下で使用されたとしても、断線が生じることがなく、温度を測定可能な状態を常時維持することができるものとなっている。
上記特許文献2には、3線式に結線したものが示されており、4線式にできることも記載されている。
樹脂で被覆されたものの例としては、特許文献3(実開平1−112432号)に示されるような、白金抵抗素子とリード線とをPFA樹脂とPTFE樹脂よりなる被覆材の中に埋め込む形で成形した構成として、耐薬品性、耐食性、耐熱性に優れたものとしたものもある。
前記のような白金測温抵抗体に用いられる白金測温抵抗素子としては、例えば、特許文献4(実開昭57−126035号)の明細書に示されるようなものを用いることができ、複数の挿通孔を設けたセラミックからなる保護管と、前記挿通孔にリード線及び抵抗線とを挿通し、前記リード線の引き出し方向と反対側で前記抵抗線とリード線とを接続し、前記抵抗線とリード線との接続部分を彩薬で前記保護管の端部に封止固着した構成となっている。

特開平11−195501号公報 登録実用新案第3060490号公報 実開平01−112432号公報 実開昭57−126035号公報
産業用に用いられる温度センサ装置は、通常とは異なる悪条件下で用いられることも多い。そのため、振動や衝撃が強い悪環境下でも精密な温度を測定可能な状態を常時維持できる温度センサ装置が求められている。
一般的に、温度センサ装置に求められる性能としては、測定温度範囲において規定の電気的性能が安定であること、できるだけ小型でかつ軽量であること、熱応答性に優れていること、さらに振動及び衝撃等に対して十分な機械的強度を有していること、さらには耐化学性に優れていること等である。
そこで、実用的には、測温用の抵抗素子はそのまま抵抗素子単独で用いられることはなく、保護管等の外被覆に組み込まれた測温抵抗体として用いられ、保護管等の外被覆によって振動や衝撃その他の外部環境に対応していた。上述した従来の温度センサ装置も保護管や被覆材を用いることによって、振動や衝撃が強い悪環境下を考慮した構成となっている。
ところが、測温用の抵抗素子そのものと測温抵抗体として組み立てられたものとは同一の抵抗素子を用いた場合でも保護管等の外被覆の存在によって得られる性能は異なるものとなる。例えば、外被覆を用いることによって、測温対象部位から測温センサ部への熱伝達時間が遅くなり、また測温センサ部の熱容量が大きくなって、測温センサとしての熱応答の遅れが生じることとなっていた。
このように、素子が直接剥き出しになっていないためどうしても被測温体が直接素子にふれず、素子の外装部を介して間接的に熱がふれることでレスポンスが遅くなってしまうことが問題となっていた。
一方で、一般に白金測温抵抗体は、熱電対に比較して低温測定に使用され精度も優れている。しかし、速い応答性が要求される場合や表面および微小箇所の測定には不向きと考えられている。それは、白金測温抵抗体が抵抗素子として少なからず体積を持つため熱平衡に達するまでの時間が熱電対式温度センサに比べ長いためである。そのため、白金測温抵抗体の測温センサ部分はできるだけ小さく熱容量を小さくすることが求められている。
そこで、本願発明の目的は、堅牢でサイズのばらつきのない保護管等の外被覆を用いない極細の抵抗体であって、熱応答性のよい測温抵抗体を得ることと、この測温抵抗体を歩留まりよく得ることのできる簡単な製造方法を実現することにある。
本願発明では、熱応答性を低下させている白金測温抵抗素子の保護管等の外被覆を用いない構成とし、素子部分は剥き出しのままでリード線の接続部分を素子部分と同径の被覆体でモールドし素子本体とリード線モールド部分とを連続した一体構造とした素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体(以下、「素子同径型白金測温抵抗体」という。)を構成し、またその素子同径型白金測温抵抗体の製造方法を実現しようとするものである。ここで、素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体(素子同径型白金測温抵抗体)とは白金測温抵抗体本体の外径が全長に渡って用いられている測温抵抗素子の外径と同じ外径となっている白金測温抵抗体をいう。
上記本願発明の目的は、以下の構成によって実現することができる。
(1)内部に測温用の白金抵抗部材を有する円柱状の白金測温抵抗素子本体と、この素子本体の一端部から引き出されている複数の素子口出し線とからなる白金測温抵抗素子を備え、前記各素子口出し線にそれぞれ接続されたリード線を介して、温度検出信号を外部に送出する白金測温抵抗体において、前記素子本体の一端部から、前記各素子口出し線と対応するリード線との接合部を超えた部分までを前記素子本体の外径と同径の円柱状に樹脂でモールドして構成する。
(2)内部に測温用の抵抗部材を有する円柱状の素子本体と、この素子本体の一端部から引き出されている複数のリード線とからなる測温抵抗素子を、前記素子本体の外径とほぼ同じ内径を有する極細の金属管の内部に挿入し、リード線のある側の金属管内に、真空引きをしながら樹脂を注入し、前記樹脂を硬化した後、前記金属管を溶媒に浸し、前記金属管を溶解除去するように構成する。
(3)一端から複数の素子口出し線を導出した白金測温抵抗素子の前記各素子口出し線にそれぞれリード線を接続し、前記リード線を接続した白金測温抵抗素子をその素子本体の外径とほぼ同じ内径を有する極細のステンレス管の内部に挿入し、リード線のある側の前記ステンレス管内に、真空引きをしながら樹脂を注入し、その樹脂を硬化した後、ステンレス管を溶媒に浸し、前記ステンレス管を溶解除去するように構成することによって、白金測温抵抗素子本体の外径と同径の外径を有する樹脂でリード線が封止され、リード線部が前記白金測温抵抗素子本体と一体化された素子同径型白金測温抵抗体を製造する。
本願発明の請求項1の素子同径型白金測温抵抗体は、素子の測定部が剥き出しであって外被覆を有しないため熱容量を小さくすることが可能となり、熱応答性が速く、エポキシ樹脂はほぼ完全絶縁体のものを使用しているため絶縁低下(不良)の問題がなく、かつ精密な計測が可能となる。また、外被覆を有しない分測温抵抗体を細くすることができ微細な部分の測温が可能となり、また、素子本体とエポキシ樹脂とが完全に接着されていることから強度的に折れるという問題はなく、外筒の保護管を使用していないので、曲げ加工にも対応できるため、さらに使用可能場所の範囲が広がる。
さらに、素子本体とエポキシ樹脂部の絶縁体の部分とが同径であるため、測温孔(穴)への挿入がスムースに行えることが利点である。例えば、素子本体とエポキシ樹脂部の絶縁体とに段差がある場合、通常エポキシ樹脂部のほうが太くなる。このためエポキシ樹脂の太さに合わせた測温孔にしなければならない。そうした場合、素子と測温孔との間には隙間が生じるため空気層が発生する。その場合、感温部である素子に対して熱が伝わらないため熱応答性が悪くなるために測定条件としては良くないものとなる。
本願発明の請求項2ないし3に係る白金測温抵抗体の製造方法によって、白金測温抵抗素子と同径の絶縁加工が可能になり、素子に対し被覆チューブを被せなくて素子が剥き出しの状態に加工ができることが最大の特徴である。金属管は精密な加工ができるので、その内面形状に対応した外形を有することとなる測温抵抗体も精密で均一な外形を有するものとなって、製品の均一化が図れる。また、金属管を機械的に除くのではなく化学的処理によって除去しているため、極細の測温抵抗体であっても損傷を与えることなく製造することができる。さらに、エポキシ樹脂の充填を真空下で脱泡しながら行っているので、残留空気による不良品を発生することもない。さらに、請求項3の発明においては、金属管としてステンレスを用いているので、保護管付き測温抵抗体に用いられるステンレス保護管を流用することもできるのでコスト的にも有利なものとなる。
工業界の更なる技術の発展に伴い、温度計測や制御の分野で(1)レスポンスが速い、(2)高精度、と言う二拍子揃った温度計の供給が望まれている。また、品質の安定化を図るために温度管理、計測の重要性に対する認識が高まっている。例えば、国立や民間の研究機関、半導体、バイオテクノロジー、自動車(自動車部品)、電子部品、精密測定機器製品、食品、医療機器、製薬、エレクトロニクス、化学などの企業でクリーンルームの温度制御や品質管理上での温度管理、計測、制御の分野でレスポンスと精度が要求されている。
本願発明の素子同径型白金測温抵抗体は上記の2つの条件を備えているので、上記各分野の要求を満たすものとして利用される。
以下、本発明による素子同径型白金測温抵抗体及びその製造方法を図面を参照しながら説明する。
図1(a)はこの発明の素子同径型白金測温抵抗体の全体図、図1(b)はその断面構成を示す図。図2はその製造工程を示す図、図3はその各製造工程を説明するための図である。
1.素子同径型白金測温抵抗体の構成
本願発明の素子同径型白金測温抵抗体の構成を図1(a)、(b)を用いて説明する。図1(a)は本発明の素子同径型白金測温抵抗体の外観図、図1(b)はその長さ方向の断面図である。図1(a)において、1は本願発明の素子同径型白金測温抵抗体で、2は白金測温抵抗素子本体、3は樹脂モールド、4はリード線、図1(b)において、5はセラミック体、6は白金線等の測温用の抵抗線、7は抵抗線に溶接された素子口出し線、8は充填剤、9は抵抗線の先頭部封止用のセメント、10は口出し線の導出部の封止用のセメント、11は素子導線部の絶縁被覆材、である。
このような構成で、白金等の抵抗線6はコイル状に巻かれており、一端部を折り曲げて全体がU字形に形成されてセラミック体5の貫通孔に挿通されており、一端に口出し線7が溶接されている。セラミック体5の貫通孔内には特殊パウダーの絶縁剤8が詰められて白金抵抗線6が安定に保持されている。素子本体2の先頭側の白金抵抗線の露出部はセメント9で封止されており、後端側の素子口出し線の導出部分はセメント10で封止されている。
白金線の素子口出し線7にはニッケル等のリード線4が溶接されており、素子本体の後端部から素子口出し線の溶接部を超える所定の長さまではエポキシ等の樹脂3でモールドされ絶縁されている。リード線4の樹脂モールドからの露出部が測温抵抗体1の信号導出用の導線として使用される。この導線の樹脂モールド部3は素子本体の外径と同径の円柱状に形成されており、エポキシ樹脂と素子後端部のセメントとは接着して素子本体2と導線のモールド部3とが連続して一体形状となっており、素子同径型白金測温抵抗体1を構成している。
このリード線は抵抗体を3線式として使用する場合には3本接続され、4線式として使用される場合には4本が接続されてもよい。
2.素子同径型白金測温抵抗体の製造方法
本願発明の素子同径型白金測温抵抗体の製造方法の一例を、図2および図3を用いて各工程ごとに説明する。
(1)工程1−ステンレス管に白金測温抵抗素子を挿入する。
金属管としてステンレス管を用いた場合について説明する。図3(a)に示すものがステンレス管(以下、SUS管という)への挿入前の白金測温抵抗素子であって、白金測温抵抗素子の素子口出し線にニッケル等の導線が溶接され、前記素子口出し線の前記溶接部12を超える所定の部分までをポリイミドチューブ11を被せて絶縁してある。また、導線は溶接部以外の部分も絶縁処理を行っておくことが望ましい。このように処理された白金測温抵抗素子をSUS管の中に挿入する。挿入したものを図3(b)に示す。用いるSUS管は、その内径が白金測温抵抗素子の外径とほぼ等しく、SUS管の内部に前記素子を挿入した際に両者の間隙に樹脂が入り込まない程度のものとする。
(2)工程2−真空引きをしながらステンレス管の開口から樹脂を注入する。
次に、エポキシ樹脂をSUS管内に充填するのであるが、充填時に空気が入らないように真空に引く装置(真空デシケーター)内にて真空に引き脱泡しながら充填作業を行う。工程1で白金測温抵抗素子が挿入されたSUS管のリード線側の開口部から樹脂注入用のチューブを介してエポキシ樹脂を注入する。このときに、脱泡しながら作業を行わないと空気層がSUS管内に発生しレスポンスの低下や絶縁不良などという問題が発生する。また、エポキシ樹脂も粒子の細かいものを選択し熱硬化型のものを用いる。真空装置内においてエポキシ樹脂を充填するのに装置内の温度を適度に上昇させエポキシ樹脂が軟化する適温に設定する。こうすることでエポキシ樹脂はSUS管内に空気層のない状態で完全充填することができる。この作業は、完成時において絶縁性を完全にとるのに重要な作業である。
この充填作業は、SUS管内の空気を真空装置で吸引しながら行うこともできる。その際SUS管の両端が開口している場合には、白金測温抵抗素子の先頭側の開口部から金属管の内壁と抵抗素子の外壁との隙間を通じて空気を吸引しながら他端の開口部から開口部をふさぐように樹脂を注入する。このとき、前記隙間はごくわずかであるため空気は通すものの樹脂が入り込むことはない。
また、金属管の素子先頭部側が閉塞されている場合(図3(b)の左側点線部)には、リード線側の開口部から吸引用の細管を素子本体の素子導線の導出部まで挿入し、前記細管を通じて内部の空気を吸引しながら開口部から開口部をふさぐように樹脂を注入し、注入し終わった時点で前記細管を引き抜く。
(3)工程3−樹脂を硬化させる。
樹脂の注入が終わって、加熱処理を行って樹脂の硬化をさせる。硬化された状態を図3(c)にしめす。
(4)工程4−ステンレス管を溶媒に入れ溶解させる。
この次に、SUS管を溶かす作業を行う。SUS管内に素子を挿入しさらに樹脂を注入し、この樹脂の硬化を終えたものを塩化第二鉄液に数時間つけておくことによりSUS管は溶けて無くなり内部のものだけが残る。ここで、内部の白金測温抵抗素子とエポキシ樹脂とが一体となった白金測温抵抗体は極細であって全長に渡って同径である。
内部のエポキシ樹脂とSUS管とが接着していることから、破損しないようにSUS管から機械的に抜き出すことは不可能である。そこで、上記のように化学的処理によってSUS管を除くことによって、内部の白金測温抵抗体を破損することなく取り出すことができる。
(5)工程5−ステンレス管が除去され、リード線を樹脂で測温抵抗素子と一体的に封止した測温抵抗体を取り出す。
こうしてできたものが素子本体と同径の絶縁体を持つ白金測温抵抗体となる。完成したものが図1(a)のものとなる。
実際に製造した一例では、ステンレス管として外径Φ0.5mm、内径Φ0.4mmのものを用い、測温抵抗素子として外径Φ0.4mm、素子本体の全長が3mmのもの(当社((株)ネツシン)製の白金測温抵抗素子Plamic−MC型MC−0403)を用いて、外径Φが0.4mm、抵抗体本体部の全長15mmのものが得られた。
この製造方法の特徴は、この製法を用いれば測温抵抗素子の外径に関係なくあらゆる太さの測温抵抗素子に対しても、それに見合った内径の金属管を用いることにより製作が可能となる。例えば、当社製の製品に関していえば、外径Φが、1.6mm、1.2mm、0.8mm、0.4mmの白金測温抵抗素子((株)ネツシンのPlamic−MC型シリーズ)のいずれの外径のものに対しても適切な内径を有する金属管を用いることにより本願発明を実施することができる。
また、本願発明の製造方法を用いれば、金属管としてはSUS管以外のものでも溶かす溶剤があれば何でも製造は可能である。例えば、SUS以外の金属管として銅製又はその他のものを用いた場合には溶剤として強酸系の溶剤、例えば硝酸を用いればよい。また、長さにおいても長いものから短いものまで、実用的には抵抗素子本体の長さの数倍から数十倍、あるいはそれ以上のものまで製造が可能である。
また、白金測温抵抗素子以外の測温抵抗素子に対しても円柱形の素子本体の一端に素子導線を有する形式のものであれば本願発明の製造方法を適用することができる。白金測温抵抗体以外の熱電対やサーミスタを用いた温度計での製造についても本製造方法を用いて製造することができる。
本願発明の製造方法によって、従来の保護管を用いたものに匹敵する優れた操作性を有しながら熱応答性は格段に優れ、かつ堅牢で極細の測温抵抗体が製造できるため、精密測定の分野や細密部分の温度測定等において、従来のものより広範囲の産業上の利用範囲を見込むことができる。
また、白金測温抵抗体以外の熱電対やサーミスタを利用した温度計での製造についても本製造方法を用いて製造することができるので、さらに広い分野での利用の可能性が見込まれる。
本発明の素子同径型白金測温抵抗体の全体図及びその断面図である。 本発明の素子同径型白金測温抵抗体の製造工程を示す図である。 本発明の素子同径型白金測温抵抗体の各製造工程を説明する図である。 従来の保護管付きの白金測温抵抗体を示す図である。
符号の説明
1 素子同径型白金測温抵抗体
2 白金測温抵抗素子本体
3 樹脂被覆材
4 リード線
5 セラミック体
6 白金抵抗線
7 素子口出し線
8 充填剤
9 封止セメント
10 封止セメント
11 絶縁被覆材
12 溶接部
13 ステンレス管
14 樹脂注入用チューブ

Claims (3)

  1. 内部に測温用の白金抵抗部材を有する円柱状の白金測温抵抗素子本体と、この素子本体の一端部から引き出されている複数の素子口出し線とからなる白金測温抵抗素子を備え、前記各素子口出し線にそれぞれ接続されたリード線を介して、温度検出信号を外部に送出する白金測温抵抗体において、前記素子本体の一端部から、前記各素子口出し線と対応するリード線との接合部を超えた部分までを前記素子本体の外径と同径の円柱状に樹脂でモールドしたこと
    を特徴とする素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体。
  2. 内部に測温用の抵抗部材を有する円柱状の素子本体と、この素子本体の一端部に設けられた複数のリード線とからなる測温抵抗素子を、前記素子本体の外径とほぼ同じ内径を有する極細の金属管の内部に挿入し、
    リード線のある側の金属管内に、真空引きをしながら樹脂を注入し、
    前記樹脂を硬化した後、前記金属管を溶媒に浸し、前記金属管を溶解除去する
    ことを特徴とする素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体の製造方法。
  3. 一端から複数の素子口出し線を導出した白金測温抵抗素子の前記各素子口出し線にそれぞれリード線を接続し、
    前記リード線を接続した白金測温抵抗素子をその素子本体の外径とほぼ同じ内径を有する極細のステンレス管の内部に挿入し、
    リード線のある側の前記ステンレス管内に、真空引きをしながら樹脂を注入し、
    その樹脂を硬化した後、
    ステンレス管を溶媒に浸し、前記ステンレス管を溶解除去する。
    ことを特徴とする、白金抵抗素子本体の外径と同径の外径を有する樹脂でリード線が封止され、リード線部が前記白金測温抵抗素子本体と一体化された素子と絶縁樹脂の同径型白金測温抵抗体の製造方法。
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