JP6150971B1 - 測温抵抗体センサ及びその製作方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の測温抵抗体センサ(1)は、金属製の枠体(2)の内側に、抵抗値が5000Ω乃至15000Ωである薄膜型測温抵抗体素子(3)が、無機絶縁材粉末(11)を介在して収容され、無機絶縁材粉末(11)の隙間にはヘリウムガスが充填されているものである。この測温抵抗体センサ(1)では、測定電流によって測温抵抗線(5)に生じるジュール熱の減少と、当ジュール熱の外部への排出の促進とによって、極低温域におけるジュール熱に起因するプラス側の温度測定誤差が抑制される。

Description

本発明は、感温素子として測温抵抗体素子を用いた温度センサである測温抵抗体センサのうち、低温領域において温度測定精度の落ちない測温抵抗体センサに関するものである。
測温抵抗体素子は、金属の電気抵抗が温度により変化することを利用して温度を測定する広く用いられている感温素子で、測温抵抗体素子内には、電気抵抗の温度による変化が大きい金属を材質とする測温抵抗線が収められている。工業界で使用されている測温抵抗線は大部分が抵抗値100Ωの白金で、温度測定方法としては、白金の測温抵抗線の両端に繋がれたリード線から測定電流と呼ばれる一定の電流を流してその電圧降下から抵抗値を求め、この抵抗値を温度に換算する方法が専ら採られている。
従来の測温抵抗体素子の一般に使用されている形状としては、特許文献1の図1、図2に示されるような、コイル状の白金の測温抵抗線をセラミック碍子に設けた軸方向の2つの貫通孔に無機絶縁材粉末を介在させて収容したセラミック碍子型測温抵抗体素子、特許文献2の第4図に示されるような、硝子ボビンにコイル状に巻いた白金の測温抵抗線を硝子コーティングした硝子ボビン型測温抵抗体素子、及び、薄膜型測温抵抗体素子と一般に呼ばれる、セラミック等の薄い絶縁性の基板上に蛇行線状の白金膜を形成して測温抵抗線とし、その表面を絶縁コ−ティングした素子がある。特許文献3には薄膜型測温抵抗体素子の1つの応用例が示されている。
これらの測温抵抗体素子の測温抵抗線が上記各特許文献に示されているように、絶縁体に覆われているのは、外部の導体との接触による短絡を防止するためであり、また、測温抵抗線の材質が白金であるのは、電気抵抗の温度による変化が大きくかつ電気抵抗の経時変化が少ないために精度のよい温度測定が継続してできることによる。
寸法的には薄膜型測温抵抗体素子が最も小さく、熱容量が小さいので、測定対象物の温度変化に対する応答速度が最も速い。
これら測温抵抗体素子は単体で温度センサとして用いられることに加え、割れ易いセラミックや硝子を材料として使用しているため、金属等の枠体内に無機絶縁材粉末を介在させて測温抵抗体素子を収めた測温抵抗体センサとして使用される場合も多い。特に薄膜型測温抵抗体素子は基板が薄いために脆く、測温抵抗体センサとして使用されるのが通常である。
特許文献4の図1(c)には、金属製の枠体の内に無機絶縁材粉末を介在させて測温抵抗体素子が収容された測温抵抗体センサが示されており、特許文献5の第5図、第10図、並びに、特許文献6の図1、図2及び図4にも同様の測温抵抗体センサが示されている。
国際公開第2014/061069号 特公昭44−29830号公報 特開2003−179276号公報 実開平7−6738号公報 実開昭63−96427号公報 国際公開第2015/111094号 実願昭54−2182号(実開平55−103531号)のマイクロフィルム
90K(K:絶対温度の単位)を下回るような極低温をセラミック碍子型の測温抵抗体素子で測定しようとすると、測定電流により測温抵抗線に発生するジュール熱によってプラス側の温度測定誤差が生じる。この誤差は、本特許出願と同じ出願人の特許文献1に示すように、90K以下になると無機絶縁材粉末の隙間に在る空気の液滴化が始まってその伝熱媒体としての機能が低下することにより熱伝導が低下し、当ジュール熱の外部への排出が阻害されることが要因である。ちなみに、空気成分の大部分を占める酸素と窒素の液化温度は、其々、約90K、約77Kである。
このプラス側の温度測定誤差が生じる問題を解決するために、特許文献1に記載の発明では、セラミック碍子型測温抵抗体素子において、コイル状の測温抵抗線とセラミック碍子の貫通孔との隙間に無機絶縁材粉末とガラス粉末の混合物を充填し、ガラス粉末のみを一度溶融させることにより、無機絶縁材粉末をカラスで連結させた。こうすることによって無機絶縁材粉末の熱伝導が高まってジュール熱の外部への排出が促進されるため、極低温域におけるプラス側の温度測定誤差が抑制された。
しかし、この対策を行ったセラミック碍子型測温抵抗体素子を金属製の枠体内に無機絶縁材粉末を介在させて収容した測温抵抗体センサとして使用する場合は、枠体と測温抵抗体素子との間の無機絶縁材粉末の熱伝導も高めなければ、やはり、極低温域における測定においてジュール熱の枠体外部への放出が不十分となって、プラス側の温度測定誤差が生じる。
硝子ボビン型測温抵抗体素子は、無機絶縁材粉末を介さずにジュール熱が排出される構造上、極低温でも熱伝導の低下は限定的であり、放熱経路のさらに短い薄膜型測温抵抗体素子では、極低温での熱伝導の低下は殆どない。しかし、これらの素子を金属製の枠体内に無機絶縁材粉末を介して収容した測温抵抗体センサに用いた場合には、枠体と測温抵抗体素子との間の無機絶縁材粉末に熱伝導を高める対策をしなければ、セラミック碍子型測温抵抗体素子を用いた場合と同様、極低温域においてジュール熱によるプラス側の温度測定誤差が発生する。
特許文献7には、硝子ボビン型測温抵抗体素子を枠体である保護管内に無機絶縁材粉末を介在させて収容させた測温抵抗体センサにおいて、無機絶縁材粉末の隙間の空気をヘリウムガスに置換したものが示されている。この測温抵抗体センサでは、無機絶縁材粉末の隙間に存在するヘリウムガスは温度が約4K以下に下がるまでは液滴化しないため、一定のジュール熱の排出機能が極低温域まで維持される。しかし、このヘリウム置換だけではジュール熱の十分な排出ができず、プラス側の温度測定誤差の解消には至らなかった。
以上のように、金属等の枠体内に無機絶縁材粉末を介在させて測温抵抗体素子を収めた従来の測温抵抗体センサには、極低温域での測定において、枠体と測温抵抗素子との間にある無機絶縁材粉末の隙間に存在する空気か液滴化するために熱伝導が低くなって測温抵抗線に発生するジュール熱の外部への排出量が低下すること、さらには、空気をヘリウムガスに置換しても、当ジュール熱の十分な排出には至ることができないことから、プラス側の温度測定誤差が生じる問題があった。この問題は、測温抵抗体センサに用いる測温抵抗体素子が、硝子ボビン型測温抵抗体素子、薄膜型測温抵抗体素子、または特許文献1の対策を施したセラミック碍子型測温抵抗体素子のいずれであっても生じる問題である。
上記課題を解決するために、測温抵抗体センサを以下の第1乃至第5の態様に示すとおりとし、その製造方法を第6乃至第7の態様のとおりとした。
(第1の態様)
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、感温素子として測温抵抗体素子を用いた測温抵抗体センサであって、
セラミック製の薄板の上に、蛇行線状で電気抵抗5000Ω乃至15000Ωの白金膜が測温抵抗線として形成され、白金膜の両端には各1本の白金線が繋がれ、白金線の末端部は薄板より外側に出ている薄膜型測温抵抗体素子と、
絶縁被覆のある導線で、絶縁被覆から剥き出された導線の先端部が薄膜型測温抵抗体素子の白金線の各末端部に1本または2本が繋がれているリード線と、
金属を材質とする有底の略円筒形状で、リード線が繋がれた薄膜型測温抵抗体素子が無機絶縁材粉末を介在させて収容され、無機絶縁材粉末の隙間にはヘリウムガスが充填されている枠体と、
絶縁性樹脂を材質とし、リード線が貫通した状態で枠体の上面開口を気密にシールしている枠体蓋と、を有するものである。
この測温抵抗体センサでは、測温抵抗体素子として薄膜型測温抵抗体素子を用いていること、無機絶縁材粉末の隙間にヘリウムが充填されていること、及び、従来の測温抵抗体センサは、抵抗値100Ωの白金の測温抵抗線を持つ測温抵抗体素子が一般に使用されていたのに対し、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサは、抵抗値5000Ω乃至15000Ωの白金の測温抵抗線を持つ測温抵抗体素子を使用していることにより、90Kから約4Kの極低温域において問題となっていた測温抵抗線に発生するジュール熱に起因するプラス側の温度測定誤差を大幅に軽減した。
セラミック製の薄板上に測温抵抗線として白金膜が形成されている構造上、極低温での測温抵抗体素子内部の熱伝導の低下要素が殆どない薄膜型測温抵抗体素子を用いていること、及び、無機絶縁材粉末の隙間に充填されているヘリウムは、温度が約4Kに下がるまで液滴化しないので当温度まで伝熱媒体としての機能を概ね維持することから、本測温抵抗体センサは、90Kから約4Kの極低温域においても、測定電流により測温抵抗体素子の測温抵抗線に発生するジュール熱の外部への排出を阻害する要因がない。
測温抵抗線に生じるジュール熱は公知のように測定電流の2乗と抵抗値との積に比例する。また、前述のように測温抵抗線に測定電流を流してその電圧降下から抵抗値を求め、この抵抗値が温度に換算される。電圧降下は測温抵抗線の抵抗と測定電流との積に比例するため、ジュール熱を少なくするために測定電流を小さくすると電圧降下も減少し、S/N(Signal/Noiz)つまり、電圧降下信号のノイズに対する比率が小さくなって電圧降下の温度測定精度が低下する。したがって、温度測定電流は測定誤差の増加がない一定値以上の電圧降下信号が得られるように選択する必要がある。
本発明の第1の態様による測温抵抗体線センサの測温抵抗線の抵抗は、従来の一般に使用されている100Ωの測温抵抗体センサの測温抵抗線の50倍乃至150倍であるので、従来の測温抵抗体センサと同一の電圧降下信号を得るためには、測定電流は従来の1/50乃至1/150でよい。ジュール熱は測定電流の2乗と抵抗値との積に比例することから、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサに発生するジュール熱は従来の測温抵抗体センサの1/50乃至1/150に抑えることができる。
以上のとおり、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサは、測温抵抗体素子の測温抵抗線に発生するジュール熱の外部への排出を阻害する要因がなく、かつ、発生するジュール熱を低く抑えることができるので、90K以下の極低温域において、従来の測温抵抗体センサで生じていたプラス側の温度測定誤差が抑制される。この抑制効果は、後述するように、試作した本発明による測温抵抗体センサの校正試験によって確かめられている。加えて、発生するジュール熱が少ないことから、90K以上の温度域でも、従来の測温抵抗体センサと同等以上の精度で温度測定を行うことができる。
この測温抵抗体センサは、枠体蓋が枠体の上面開口を気密にシールしているので、枠体の内部への湿気の侵入がない。このため、無機絶縁材粉末が吸湿して絶縁抵抗が低下することによる温度測定誤差の発生がない。また、薄膜型測温抵抗体素子は無機絶縁材粉末を介在して枠体に収容されているので、白金膜または白金線に絶縁コーティングがされていない薄膜型測温抵抗体素子を用いても、白金膜または白金線が金属製の枠体に接触して短絡することがない。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサであって、枠体蓋の材質は、エポキシ系樹脂であるスタイキャストのうちの2液性熱硬化タイプとすることが望ましい。
2液性熱硬化タイプのスタイキャストは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れ、高硬度で絶縁抵抗も高いので、枠体蓋の材質として望ましい。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサであって、リード線の枠体蓋の貫通部は、導線の先端部の絶縁被覆から剥き出された部分であることを特徴とする。
枠体蓋の貫通部のリード線は、導線の先端部の絶縁被覆から剥き出された部分とすることにより、導線と絶縁被覆の密着が不十分なリード線であっても、そこからの湿気の枠体内への侵入が防止されるので、枠体の上面開口のシールが信頼性のあるものとなる。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサであって、枠体は、側面及び底面の厚さが0.3mm乃至1mm、略円筒状部の外径が2mm乃至5mm、略円筒状部の軸方向の長さが20mm乃至30mmとすることが望ましい。
枠体は、不要に大きくしすぎると、内部の無機絶縁材粉末の体積が増して測温抵抗線で発生するジュール熱の外部への排出を妨げる要因となり、また不要に厚くすると、枠体自体がジュール熱の外部への排出を妨げる要因となる可能性がある。逆に枠体を薄くしすぎると強度的な問題が生じる。さらには、白金線及び白金線とリード線との繋ぎ部の収容のための余地も必要である。
これらのこと、及び抵抗値が5000Ω乃至15000Ωの薄膜型測温抵抗体素子の幅(薄膜の短辺方向の長さ)はおよそ0.5mm乃至1.5mm、長手方向の長さは10mm乃至15mmであることを考慮すると、枠体の厚さ、略円筒状部の外径及び略円筒状部の軸方向の長さは上記の値であることが望ましい。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサの製作方法であって、枠体を深絞りプレス加工により製作することが望ましい。
枠体は金属製で有底の略円筒形状をしている。その製作において、薄い円筒状部と薄い底部を溶接で接合することは難しいのに対し、深絞りプレス加工では、円筒状部と底面部が同一厚さでかつ薄い枠体を一度のプレスで比較的容易に製作することができる。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、本発明の第1の態様の測温抵抗体センサの製作方法であって、
リード線の導線の先端を薄膜型測温抵抗体素子の白金線の末端部に繋ぎ、枠体内に、そのリード線が繋がれた薄膜型測温抵抗体素子を、リード線の末端部が枠体の外に出ている状態で無機絶縁材粉末を介在させて収容した後、枠体の上面開口から所定深さまでの無機絶縁材粉末を除去して枠体の上面部に空間を作る薄膜型測温抵抗体素子収容工程と
グローブボックス付きの真空チャンバー内に、薄膜型測温抵抗体素子、末端部を除くリード線、及び無機絶縁材粉末を収容した枠体を入れ、真空チャンバー内を真空引きする操作と真空チャンバー内へヘリウムガスを注入する操作を繰り返して真空チャンバー内を略大気圧のヘリウムガスで満たされた状態にすることにより、無機絶縁材粉末の隙間の空気をヘリウムガスに置換するヘリウムガス置換工程と、
次に、グローブボックスからの操作により、硬化前の樹脂で枠体の上面部の空間を埋めた後、その樹脂を硬化させて枠体蓋を形成する枠体蓋形成工程と、
続いて、真空チャンバーを大気開放して、測温抵抗体センサを取出す取出工程と、を有するものである。
(第7の態様)
本発明の第7の態様は、本発明の第2の態様の測温抵抗体センサの製作方法であって、
リード線の導線の先端を薄膜型測温抵抗体素子の白金線の末端部に繋ぎ、枠体内に、そのリード線が繋がれた薄膜型測温抵抗体素子を、リード線の末端部が枠体の外に出ている状態で無機絶縁材粉末を介在させて収容した後、枠体の上面開口から所定深さまでの無機絶縁材粉末を除去して枠体の上面部に空間を作る薄膜型測温抵抗体素子収容工程と、
グローブボックス付きの真空チャンバー内に、薄膜型測温抵抗体素子、末端部を除くリード線、及び無機絶縁材粉末を収容した枠体を入れ、真空チャンバー内を真空引きする操作と真空チャンバー内へヘリウムガスを注入する操作を繰り返して真空チャンバー内を略大気圧のヘリウムガスで満たされた状態にすることにより、無機絶縁材粉末の隙間の空気をヘリウムガスに置換するヘリウムガス置換工程と、
次に、グローブボックスからの操作により、2液を混合したスタイキャストで枠体の上面部の空間を埋めた後、略円筒状の電気ヒータにその上面部を挿入してスタイキャストを加熱することにより硬化させて枠体蓋を形成する枠体蓋形成工程と、
続いて、真空チャンバーを大気開放して、測温抵抗体センサを取出す取出工程と、を有するものである。
従来の測温抵抗体センサは、90K以下の極低温域での温度測定において、測定電流が測温抵抗線に生じさせるジュール熱によってプラス側の温度測定誤差が生じていたのに対し、本発明の構造及び製法による測温抵抗体線センサは、ジュール熱の外部への排出が阻害されないこと、また測定電流を小さくしてジュール熱の発生を抑えることができることから、極低温域において、従来の測温抵抗体センサより精度の良い温度測定を行うことができる。また、発生するジュール熱が少ないことから、90K以上の温度域でも、従来の測温抵抗体センサと同等若しくはそれ以上の精度で温度測定を行うことができる。
本発明の測温抵抗体センサの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の測温抵抗体センサの第1の実施形態の製作手順を説明する図である。 本発明の測温抵抗体センサの第2の実施形態を示す断面図である。
(第1の実施形態)
本発明による測温抵抗体センサの第1の実施形態を図1に沿って説明する。図1は当測温抵抗体センサ1の断面図で、見易くするために薄膜型測温抵抗体素子3は外形図で示している。また図1では解かり易くするために、3本のリード線7を全て描いているが、その経路は同一断面上にある必要はない。
図1に示すように、本発明による測温抵抗体センサ1の第1の実施形態は、枠体2、薄膜型測温抵抗体素子3、3本のリード線7、無機絶縁材粉末11、及び枠体蓋10を有している。
薄膜型測温抵抗体素子3は、セラミック製の薄板4の上に、蛇行線状で電気抵抗10000Ωの白金膜5が測温抵抗線として形成されていて、白金膜5の両端には各1本の白金線6が繋がれ、その末端部は薄板4より外側に出ている。
薄板4としては、アルミナ、マグネシアまたはジルコニア等を主成分とする材質の絶縁性セラミックが使用可能である。また、白金膜5は薄板4の上に白金をCVD(化学蒸着)により形成したものである。この白金膜5の形成は薄板4の上にPVD(物理蒸着)等の他の方法で蒸着したものであってもよい。
低温域まで精度良い測定を行うためには、特許文献1が示すように、測温抵抗線の材質は白金より白金とコバルトの合金とすることが望ましい。しかし、白金とコバルトの合金の膜が測温抵抗線として形成された薄膜型測温抵抗体素子は製作技術が確立されているとは言い難く、しかもその抵抗値が10000Ωの薄膜型測温抵抗体素子は、入手するにしても非常に高価であるので、本実施形態では白金膜を測温抵抗線としている。
3本のリード線7は、導線8に絶縁被覆9が施されたもので、導線8の先端部は絶縁被覆9から剥き出されていて、薄膜型測温抵抗体素子3の一方の白金線6の末端部に1本のリード線7の導線8の先端が、他方の白金線6の末端部に2本のリード線7の導線8の先端が繋がれている。
公知のように、測温抵抗体素子の電圧降下を測定する方法として、リード線7の数により、2線式測定、3線式測定及び4線式測定がある。本実施形態はリード線7が3本の3線式測定を行う測温抵抗体センサ1であるが、2線式測定または4線式測定を行う測温抵抗体センサであってもよい。リード線7を2本とすれば2線式測定を行う測温抵抗体センサとなり、4本とすれば4線式測定を行う測温抵抗体センサとなる。
枠体2は、SUS304を材質とする有底の略円筒形状で、リード線7が繋がれた薄膜型測温抵抗体素子3を、無機絶縁材粉末11を介在させて収容していて、無機絶縁材粉末11の隙間にはヘリウムガスが充填されている。枠体2の材質は、使用条件に応じてSUS304以外の金属としてもよい。無機絶縁材粉末11の材質はマグネシアである。この材質は、アルミナ、シリカ等、他の材質の無機絶縁材粉末11であってもよい。
枠体蓋10は、リード線7の導線8の先端部の絶縁被覆9から剥き出された部分が貫通した状態で枠体2の上部開口を気密にシールしている。また、本実施形態での枠体蓋10の材質は、エポキシ系樹脂の1つであるスタイキャストのうちの2液性熱硬化タイプである。これを選定したのは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れ、高硬度で絶縁抵抗も高いので、枠体蓋10の材質として適していることによる。しかし、使用条件によっては、1液性の絶縁性樹脂、室温硬化タイプの樹脂を材質とすることも可能である。
本実施形態の測温抵抗体センサ1は、枠体蓋10が枠体2の上面開口を気密にシールしているので、枠体2の内部への湿気の侵入がない。このため、無機絶縁材粉末11が吸湿してその絶縁抵抗が低下することによる測定誤差の発生がない。また、薄膜型測温抵抗体素子3は無機絶縁材粉末11を介在して枠体2に収容されているので、用いる薄膜型測温抵抗体素子3の白金膜5または白金線6に絶縁コーティングがされていない場合でも、これらが金属製の枠体2に接触して短絡事故を起こすことがない。
この測温抵抗体センサ1では、測温抵抗体素子としてセラミック製の薄板4の上に白金膜5が形成されている構造上、極低温での熱伝導の低下要素が殆どない薄膜型測温抵抗体素子3を用いていること、及び、無機絶縁材粉末11の隙間に充填されているヘリウムは、温度が約4Kに下がるまで液滴化しないので当温度まで伝熱媒体としての機能を概ね維持することから、90K以下から約4Kの極低温域において、測定電流により薄膜型測温抵抗体素子3の測温抵抗線に発生するジュール熱の外部への排出を阻害する要因がない。
加えて、従来の測温抵抗体センサは、抵抗値100Ωの白金の測温抵抗線を持つ測温抵抗体素子が一般に使用されていたのに対し、本実施形態の測温抵抗体センサ1は、10000Ωの白金の測温抵抗線を持つ薄膜型測温抵抗体素子3を使用している。
電圧降下は測温抵抗線の抵抗と測定電流との積に比例する。本実施形態の測温抵抗体線センサ1の測温抵抗線の抵抗は、従来の一般に使用されている測温抵抗体センサの測温抵抗線の100倍であるので、従来の測温抵抗体センサと同一の電圧降下信号を得るためには、測定電流は従来の1/100でよい。ジュール熱は測定電流の2乗と抵抗値との積に比例することから、本実施形態の測温抵抗体センサ1に発生するジュール熱は従来の測温抵抗体センサの1/100に抑えることができる。
以上のとおり、本実施形態の測温抵抗体センサ1は、薄膜型測温抵抗体素子3の測温抵抗線に発生するジュール熱の外部への排出を阻害する要因がなく、かつ、発生するジュール熱を低く抑えることができるので、90Kから約4Kの極低温域において、従来の測温抵抗体センサのようなプラス側の温度測定誤差が生じない。また、発生するジュール熱が少ないことから、90K以上の温度域でも、従来の測温抵抗体センサと同等以上の精度で測定を行うことができる。
なお、本実施形態では測温抵抗線の抵抗値が10000Ωであるのに対し、その抵抗値が5000Ωであっても、ジュール熱は従来の1/50に抑えることができ、15000Ωにすれば1/150に抑えることが出来る。このことから、測温抵抗体センサ1の測温抵抗線の抵抗は、5000Ω乃至15000Ωとすることが望ましい。
本実施形態での枠体2の寸法は、側面及び底面の厚さが0.4mm、略円筒状部の外径が3.2mm、略円筒状部の軸方向の長さが25mmである。
枠体2は、不要に大きくしすぎると、内部の無機絶縁材粉末11の体積が増して測温抵抗線で発生するジュール熱の外部への排出を妨げる要因となり、また不要に厚くすると、枠体2自体がジュール熱の外部への排出を妨げる要因となる可能性がある。逆に枠体2を薄くしすぎると強度的な問題が生じる。さらには、白金線6及び白金線6とリード線7との繋ぎ部の収容のための余地も必要である。
これらのこと、及び抵抗値が5000Ω乃至15000Ωの薄膜型測温抵抗体素子3の幅(薄板4の短辺方向の長さ)は0.5mm乃至1.5mm、長手方向の長さは10mm乃至15mmになることを考慮すると、枠体2の側面及び底面の厚さは0.3mm乃至1mm、略円筒状部の外径は2mm乃至5mm、略円筒状部の軸方向の長さは20mm乃至30mmとすることが望ましい。
続いて、本実施形態の測温抵抗体センサ1の製作方法と製作手順を説明する。製作手順は、本実施形態の測温抵抗体センサ1の製作手順を模式化して示した図2を参照しながら説明する。図2の真空チャンバー12はグローブボックス付きであるが、グローブボックスは図示していない。
枠体2は深絞りプレス加工により製作した。枠体2は金属製で有底の略円筒形状をしている。その製作において、薄い円筒状部と薄い底部を溶接で接合することは難しいのに対し、深絞りプレス加工では、円筒状部と底面部が同一厚さでかつ薄い枠体2を一度のプレスで比較的容易に製作することができる。また、溶接で接合するために円筒状部又は底部を厚くすることは、ジュール熱の放出を妨げて温度測定精度を落とすことにもつながる。
本実施形態の測温抵抗体センサ1の製作手順は、薄膜型測温抵抗体素子収容工程、ヘリウムガス置換工程、枠体蓋形成工程、及び取出工程より成る。
薄膜型測温抵抗体素子収容工程は、リード線7の導線8の先端を薄膜型測温抵抗体素子3の白金線6の末端部に繋ぎ、枠体2の内に、そのリード線7が繋がれた薄膜型測温抵抗体素子3を、リード線7の末端部が枠体2の外に出ている状態で無機絶縁材粉末11を介在させて収容した後、枠体2の上面開口から所定深さまでの無機絶縁材粉末11を除去して枠体2の上面部に空間19を作る工程である。
ヘリウムガス置換工程では、図2(a)に示すように、図示していないグローブボックスが付いた真空チャンバー12内に、薄膜型測温抵抗体素子収容工程において枠体2内に膜型測温抵抗体素子3、末端部を除くリード線7及び無機絶縁材粉末11を収容したもの(図2(a)に符号18で示す)を入れ、真空チャンバー12内を排気管13より真空引きする操作と注入管14より真空チャンバー12内へヘリウムガスを注入する操作を繰り返して真空チャンバー12内を略大気圧のヘリウムガスで満たされた状態にすることにより、無機絶縁材粉末11の隙間の空気をヘリウムガスに置換する。
次の枠体蓋形成工程は、グローブボックスからの操作により、図2(b)に示すように、2液を混合した硬化前のスタイキャスト17で枠体2の上面部の空間19を埋めた後、図2(c)に示すように、略円筒状のコイル状の発熱線16を持つ電気ヒータ15に枠体2の上面部を挿入してスタイキャスト17を加熱することにより硬化させて枠体蓋10を形成する工程である。このようにして、測温抵抗体センサ1を完成させる。なお、電気ヒータ15の形状は、略円筒状であればよく、図2(c)に示される形状に限定されるものではない。
続く、取出工程では、真空チャンバー12を大気開放して、完成した測温抵抗体センサ1を真空チャンバー12から取出す。
本実施形態では枠体蓋10の材質が2液性熱硬化タイプのスタイキャストであるので、枠体蓋形成工程において、2液の混合と熱硬化のための電気ヒータ15による加熱が必要であるが、1液性の樹脂を材質とする場合は2液の混合は不要であり、室温硬化タイプの樹脂を材質とする場合は電気ヒータ15による加熱は不要である。要は、枠体蓋10の材質である樹脂が硬化すれば良いのである。
従来、枠体内の空気を他のガスに置換する方法としては、小穴を設けた枠体を真空チャンバーに入れ、今回の製作手順と同様にして真空チャンバー内を置換するガスで満たすことにより、枠体内を置換ガスとし、その状態で小穴を溶接で塞ぐ方法が一般に採られていた。しかし、本実施形態の枠体2は厚さが薄いので小穴を溶接で塞ぐことが困難なため、上記のような手順が必要である。
(第2の実施形態)
次に、本発明による測温抵抗体センサの第2の実施形態について図3に沿って説明する。図3は当測温抵抗体センサ20の断面図で、図1と同じく、見易くするために薄膜型測温抵抗体素子3は外形図で示している。また図3では解かり易くするために、4本のリード線7を全て描いているが、その経路は同一断面上にある必要はないのも、図1と同様である。
第2の実施形態の測温抵抗体センサ20と第1の実施形態の測温抵抗体センサ1との違いは、リード線7の枠体蓋10の貫通部が第1実施形態の測温抵抗体センサ1では導線8の先端部の絶縁被覆9から剥き出された部分であるのに対し、第2実施形態の測温抵抗体センサ20では絶縁被覆9のある部分であること、及び、リード線7が第1実施形態の測温抵抗体センサ1では3本であるのに対し、第2実施形態の測温抵抗体センサ20では4本になっていることである。その他の構造、材質、寸法、機能、及び特徴等は第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。また、製作方法も、枠体蓋10の貫通するリード線2の部分を絶縁被覆9のある部分とすることを除いて同じである。
導線8と絶縁被覆9が密着したリード線7である場合は、図3の本実施形態の測温抵抗体センサ20のように、リード線7の枠体蓋10を貫通する部分が絶縁被覆9のある部分であっても、外部の湿分が枠体2の内に侵入しないので、無機絶縁材粉末11の絶縁抵抗が吸湿により低下することはない。
リード線7の本数に関して、本実施形態は、リード線7が4本であるので4線式測定に用いることができる測温抵抗体センサ20であるが、第1の実施形態と同様に、2線式測定及び4線式測定に用いることができる測温抵抗体センサであってもよい。リード線7を2本とすれば2線式測定を行う測温抵抗体センサとなり、3本とすれば3線式測定を行う測温抵抗体センサとなる。
4線式測定はリード線の抵抗により生じる誤差がないので、2線式測定、3線式測定に比べて温度測定を精度良く行うことができる。換言すれば、測温抵抗体センサの温度測定精度を試験する際、4線式測定を行う測温抵抗体センサを使用すれば、リード線の長さ、太さに影響を受けない測温抵抗体センサ自体の精度を試験することができる。図3に示す第2の実施形態の測温抵抗体センサ20を8体製作し校正試験した結果、20Kから373Kの温度範囲で誤差0.2℃の精度を有することを確認し、また、4Kから20Kの範囲では精度はこれより悪くなるが、工業上の通常使用には差し支えない精度を有することを確認した。この試験は測定電流を0.01mAとして行ったが、併せて実施した測定電流を0.1mAとして行った試験でも温度測定誤差のプラス側への有意な増加はなかった。測定電流が10倍になるとジュール熱の発生が100倍になるが、試験においてプラス側への温度測定誤差の増加が見られなかったことは、ジュール熱が十分に排出されていることを裏付けている。
本発明による測温抵抗体センサは、極低温域でも温度測定精度を維持することから、自動車用水素ステーションにおける液体水素温度の監視、宇宙ロケットの液体燃料の温度監視などの低温物質の温度監視用センサに効果的に適用できる可能性がある。また、液体酸素、液体窒素及び液体水素などの液化ガスの製造設備、並びにこれら液体を運搬するタンクローリーにおいて、低温液体の温度監視用センサとしても、効果的に利用できる。
1 測温抵抗体センサ(第1の実施形態)
2 枠体
3 薄膜型測温抵抗体素子
4 薄板
5 白金膜
6 白金線
7 リード線
8 導線
9 絶縁被覆
10 枠体蓋
11 無機絶縁材粉末
20 測温抵抗体センサ(第2の実施形態)

Claims (7)

  1. 感温素子として測温抵抗体素子を用いた測温抵抗体センサであって、
    セラミック製の薄板の上に、蛇行線状で電気抵抗5000Ω乃至15000Ωの白金膜が測温抵抗線として形成され、該白金膜の両端には各1本の白金線が繋がれ、該白金線の末端部は該薄板より外側に出ている薄膜型測温抵抗体素子と、
    絶縁被覆のある導線で、該絶縁被覆から剥き出された該導線の先端部が前記薄膜型測温抵抗体素子の白金線の各末端部に1本または2本が繋がれているリード線と、
    金属を材質とする有底の略円筒形状で、前記リード線が繋がれた前記薄膜型測温抵抗体素子が前記無機絶縁材粉末を介在させて収容され、該無機絶縁材粉末の隙間にはヘリウムガスが充填されている枠体と、
    絶縁性樹脂を材質とし、前記リード線が貫通した状態で前記枠体の上面開口を気密にシールしている前記枠体蓋と、を有する測温抵抗体センサ。
  2. 前記枠体蓋の材質は、エポキシ系樹脂であるスタイキャストのうちの2液性熱硬化タイプである請求項1記載の測温抵抗体センサ。
  3. 前記リード線の前記枠体蓋の貫通部は、前記導線の先端部の前記絶縁被覆から剥き出された部分である請求項1記載の測温抵抗体センサ。
  4. 前記枠体は、側面及び底面の厚さが0.3mm乃至1mm、略円筒状部の外径が2mm乃至5mm、略円筒状部の軸方向の長さが20mm乃至30mmである請求項1記載の測温抵抗体センサ。
  5. 前記枠体を深絞りプレス加工により製作する請求項1記載の測温抵抗体センサの製作方法。
  6. 前記リード線の前記導線の先端を前記薄膜型測温抵抗体素子の前記白金線の末端部に繋ぎ、前記枠体内に、該リード線が繋がれた該薄膜型測温抵抗体素子を、該リード線の末端部が該枠体の外に出ている状態で前記無機絶縁材粉末を介在させて収容した後、該枠体の上面開口から所定深さまでの該無機絶縁材粉末を除去して該枠体の上面部に空間を作る薄膜型測温抵抗体素子収容工程と
    グローブボックス付きの真空チャンバー内に、前記薄膜型測温抵抗体素子、末端部を除く前記リード線、及び前記無機絶縁材粉末を収容した前記枠体を入れ、該真空チャンバー内を真空引きする操作と真空チャンバー内へヘリウムガスを注入する操作を繰り返して該真空チャンバー内を略大気圧のヘリウムガスで満たされた状態にすることにより、該無機絶縁材粉末の隙間の空気をヘリウムガスに置換するヘリウムガス置換工程と、
    次に、前記グローブボックスから操作することにより、硬化前の樹脂で前記枠体の前記上面部の空間を埋めた後、該樹脂を硬化させて前記枠体蓋を形成する枠体蓋形成工程と、
    続いて、前記真空チャンバーを大気開放して、前記測温抵抗体センサを取出す取出工程と、を有する、請求項1記載の測温抵抗体センサの製作方法。
  7. 前記リード線の前記導線の先端を前記薄膜型測温抵抗体素子の前記白金線の末端部に繋ぎ、前記枠体内に、該リード線が繋がれた該薄膜型測温抵抗体素子を、該リード線の末端部が該枠体の外に出ている状態で前記無機絶縁材粉末を介在させて収容した後、該枠体の上面開口から所定深さまでの該無機絶縁材粉末を除去して該枠体の上面部に空間を作る薄膜型測温抵抗体素子収容工程と
    グローブボックス付きの真空チャンバー内に、前記薄膜型測温抵抗体素子、末端部を除く前記リード線、及び前記無機絶縁材粉末を収容した前記枠体を入れ、該真空チャンバー内を真空引きする操作と真空チャンバー内へヘリウムガスを注入する操作を繰り返して該真空チャンバー内を略大気圧のヘリウムガスで満たされた状態にすることにより、該無機絶縁材粉末の隙間の空気をヘリウムガスに置換するヘリウムガス置換工程と、
    次に、前記グローブボックスからの操作により、2液を混合した前記スタイキャストで前記枠体の上面部の前記空間を埋めた後、略円筒状の電気ヒータに該枠体の上面部を挿入して該スタイキャストを加熱することにより硬化させて前記枠体蓋を形成する枠体蓋形成工程と、
    続いて、前記真空チャンバーを大気開放して、前記測温抵抗体センサを取出す取出工程と、を有する請求項2記載の前記測温抵抗体センサを製作方法。

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