以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
[開示の概要]
電子タバコのような香味生成装置は、装置の内部に香味(エアロゾルを含む)のような流体が通る流路が存在する。温度センサは、流路中の気流の影響によって冷えることがある。温度センサが気流の影響によって冷えると、電源の温度の検出値又は推定値の精度が低下する虞がある。
一態様によれば、香味生成装置は、電源と、ユーザによる吸引に伴って生じる気流を通す流路と、前記電源の温度の検出値又は推定値を出力する温度センサと、を含み、前記温度センサは、前記気流による冷却効果が最も高い位置以外に配置される。
上記態様によれば、温度センサは、気流による影響を受けにくいため、電源の温度の検出値又は推定値の精度の低下を抑制することができる。
[実施形態]
(香味生成装置)
以下において、一実施形態に係る香味生成装置について説明する。図1は、一実施形態に係る香味生成装置を示す分解図である。図2は、一実施形態に係る霧化ユニットを示す図である。図3は、電源ユニットの一部の拡大斜視図である。図4は、電源ユニットの一部を分解した分解斜視図である。図5は、香味生成装置のブロック図である。図6は、負荷が接続された状態の霧化ユニット及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。図7は、充電器が接続された状態の充電器及びバッテリユニットの電気回路を示す図である。
香味生成装置100は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための非燃焼型の香味吸引器であってよい。香味生成装置100は、非吸口端E2から吸口端E1に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有していてよい。この場合、香味生成装置100は、香味を吸引する吸口141を有する一方の端部E1と、吸口141とは反対側の他方の端部E2と、を含んでいてよい。
香味生成装置100は、電源ユニット110及び霧化ユニット120を有していてよい。霧化ユニット120は、ケース123と、ケース123の内部に配置される負荷121Rと、を有していてよい。ケース123は、香味生成装置の最も外側の外表面の一部を構成していてよい。
霧化ユニット120は、電源ユニット110に対して機械的な接続部分111,121を介して着脱可能に構成されていてよい。霧化ユニット120と電源ユニット110とが互いに機械的に接続されたときに、霧化ユニット120内の後述する負荷121Rは、電気的な接続端子111t,121tを介して、電源ユニット110に設けられた電源10に電気的に接続される。すなわち、電気的な接続端子111t,121tは、負荷121Rと電源10を電気的に接続可能な接続部を構成する。
霧化ユニット120は、ユーザにより吸引されるエアロゾル源と、電源10からの電力によりエアロゾル源を霧化する電気的な負荷121Rと、を有する。
負荷121Rは、電源からの電力を用いてエアロゾル源からエアロゾルを発生させることができる素子であればよい。例えば、負荷121Rは、ヒータのような発熱素子、又は超音波発生器のような素子であってよい。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
以下では、図1及び図2を参照しつつ、霧化ユニット120のより詳細な一例について説明する。霧化ユニット120は、リザーバ121Pと、ウィック121Qと、負荷121Rと、を有していてよい。リザーバ121Pは、液状のエアロゾル源を貯留するよう構成されていてよい。リザーバ121Pは、例えば、樹脂ウェブ等材料によって構成される多孔質体であってよい。ウィック121Qは、リザーバ121Pから毛管現象を利用してエアロゾル源を引き込む液保持部材であってよい。ウィック121Qは、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成することができる。
負荷121Rは、ウィック121Qに保持されるエアロゾル源を加熱する。負荷121Rは、例えば、ウィック121Qに巻き回される抵抗発熱体(例えば、電熱線)によって構成される。
外気を流路に取込む入口125から流入した空気は、流路122A中で、霧化ユニット120の内の負荷121R付近を通過する。負荷121Rによって生成されたエアロゾルは、空気とともに吸口141の方へ流れる。以下、流路122Aは、流体が流れ得る通路のうち、入口125と吸口141との間の通路を意味するものとする。すなわち、この流路122Aは、ユーザによる吸引に伴って生じる気流を通す。本実施形態では、流路122Aは、霧化ユニット120と電源ユニット110との接続部から、霧化ユニット120を通って吸口141に至る。
本実施形態では、入口125が霧化ユニット120の接続部分121に設けられる形態について説明した。本実施形態に代えて、入口125は、電源ユニット110の接続部分111に設けられてもよい。また、本実施形態に代えて、入口125は、霧化ユニット120の接続部分121及び電源ユニット110の接続部分111に設けられてもよい。いずれの形態においても、入口125は、霧化ユニット120と電源ユニット110との接続部に設けられる。
エアロゾル源は、常温で液体であってよい。例えば、エアロゾル源としては、多価アルコールを用いることができる。エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。
なお、上記実施形態では、常温で液体のエアロゾル源についての例を詳細に説明したが、この代わりに、エアロゾル源は、常温で固体のものを用いることもできる。この場合、負荷121Rは、固体状のエアロゾル源からエアロゾルを発生させるため、固体状のエアロゾル源に接し、又は近接していてよい。
霧化ユニット120は、交換可能に構成された香味ユニット(カートリッジ)130を備えていてもよい。香味ユニット130は、香味源を収容する筒体131を有していてよい。筒体131は、空気やエアロゾル等が通過可能な膜部材133とフィルタ132とを含んでいてよい。膜部材133とフィルタ132とにより構成される空間内に香味源が設けられていてよい。
好ましい実施形態の一例によれば、香味ユニット130内の香味源は、霧化ユニット120の負荷121Rによって生成されたエアロゾルに香喫味成分を付与する。香味源によってエアロゾルに付与される香味は、香味生成装置100の吸口141に運ばれる。
香味ユニット130内の香味源は、常温で固体であってよい。一例として、香味源は、エアロゾルに香喫味成分を付与する植物材料の原料片によって構成される。香味源を構成する原料片としては、刻みたばこやたばこ原料のようなたばこ材料を粒状に成形した成形体を用いることができる。この代わりに、香味源は、たばこ材料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
香味生成装置100は、使用者が吸引成分を吸引するための吸引口を有するマウスピースを含んでいてよい。マウスピースは、霧化ユニット120又は香味ユニット130に着脱可能に構成されていてもよく、一体不可分に構成されていてもよい。
以下では、図1,図3,図4を参照しつつ、電源ユニット110のより詳細な一例について説明する。電源ユニット110は、ケース113と、ケース113の内部に配置される第1電子部品と、ケース113の内部に配置される第2電子部品と、を有していてよい。ケース113は、香味生成装置の最も外側の外表面の一部を構成していてよい。
電源ユニット110は、電源10、圧力センサ20、通知部40、制御装置50及び温度センサ160を有していてよい。この場合、前述した第1電子部品は、例えば、制御装置50又は圧力センサ20であってよい。さらに、第2電子部品は、例えば電源10であってよい。
電源10は、香味生成装置100の動作に必要な電力を蓄える。電源10は、電源ユニット110に対して着脱可能であってよい。電源10は、例えばリチウムイオン二次電池のような再充電可能な電池であってよい。
二次電池は、正極と、負極と、正極と負極とを離間するセパレータと、電解液又はイオン液体と、を含んでいてよい。電解液又はイオン液体は、例えば電解質を含む溶液であってよい。リチウムイオン二次電池では、正極は例えばリチウム酸化物のような正極材によって構成され、負極は例えば黒鉛のような負極材によって構成される。電解液は、例えばリチウム塩有機溶媒であってよい。
圧力センサ20は、吸口141を通じたユーザの吸引又は吹込みにより生じた香味生成装置10内の圧力変化の値を出力するよう構成されている。具体的には、圧力センサ20は、非吸口側から吸口側に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する気圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力するセンサであってよい。圧力センサの出力値は、圧力の次元を有していてもよく、圧力の次元に代えて吸引される空気の流量や流速を有していてもよい。そのような圧力センサとして、例えば、コンデンサマイクロフォンセンサや公知の流量センサなどが挙げられる。
通知部40は、各種の情報をユーザに知らせるための通知を発する。通知部40は、例えばLEDのような発光素子であってよい。この代わりに、通知部40は、音を発生する音響素子、又は振動を発するバイブレータであってもよい。さらに、通知部40は、発光素子、音響素子、バイブレータの任意の組み合わせによって構成されていてもよい。
通知部40は、香味生成装置100の任意の箇所に設けられていて良い。本実施形態では、通知部40は、制御装置50に設けられている。通知部40が発光素子である場合、キャップ330は透光性であってよい。これにより、通知部40により発せられた光は、キャップ330を通って外部に照射される。本実施形態の代わりに、通知部40は、ユーザに通知を認識させることができれば、どこに設けられていても良い。
制御装置50は、香味生成装置10の各種の制御を行う。例えば、制御装置50は、負荷121Rへ供給する電力を制御してもよい。香味生成装置100は、負荷121Rと電源10とを電気的に接続及び切断可能なスイッチ140を含んでいてよい(図6参照)。スイッチ140は、制御装置50によって開閉される。スイッチ140は、例えばMOSFETにより構成されていてよい。
スイッチ140がONになると、電源10から負荷121Rへ電力が供給される。一方、スイッチ140がOFFになると、電源10から負荷121Rへ電力の供給が停止される。スイッチ140のON/OFFは、制御装置50によって制御される。
電源ユニット110は、負荷121Rの動作を要求する信号である動作要求信号を出力可能な要求センサを含んでいてよい。要求センサは、例えばユーザにより押される押しボタン、又は前述した圧力センサ20であってよい。制御装置50は、負荷121Rへの動作要求信号を取得して負荷121Rを動作させるための指令を生成する。具体的一例では、制御装置50は、負荷121Rを動作させるための指令をスイッチ140へ出力し、この指令に応じてスイッチ140がONになる。このように、制御装置50は、電源10から負荷121Rへの給電を制御するよう構成されていてよい。電源10から負荷121Rへ電力が供給されると、負荷121Rによりエアロゾル源が気化又は霧化される。
また、電源ユニット110は、電源10の出力電圧を取得又は推定可能な電圧センサ150を有していてもよい。この場合、制御装置50は、電圧センサ150の出力値に応じて所定の制御を行うことができる。例えば、制御装置50は、電圧センサ150からの出力値によって、電源10の残量や電源10の異常を検知又は推定することができる。制御装置50は、電源10の残量の低下や電源10の異常を検知したら、通知部40の制御によってユーザに通知を行ってもよい。
電源ユニット110は、電源10を充電する充電器200と接続可能に構成されていてもよい(図7参照)。充電器200が電源ユニット110に接続されたとき、充電器200は電源ユニット110の電源10と電気的に接続される。充電器200を電気的に接続するための電源ユニット110の一対の電気端子は、負荷121Rを電気的に接続するための電源ユニット110の一対の電気端子111tと同じであって良い。この代わりに、充電器200を電気的に接続するための電源ユニット110の一対の電気端子は、一対の電気端子111tとは別個に設けられていてもよい。
制御装置50は、充電器200が接続されたか否かを判定する判定部を有していてよい。判定部は、例えば、充電器200が接続される一対の電気端子どうしの間の電位差の変化に基づき、充電器200の接続の有無を判定する手段であってよい。判定部は、この手段に限定されず、充電器200の接続の有無を判定することができれば、どのような手段であってもよい。
香味生成装置100の構造を簡易化する目的では、充電器200のプロセッサ250は、電源ユニット110の制御装置50と通信不能に構成されていてもよい。すなわち、充電器200のプロセッサ250と制御装置50との間で通信を行うための通信用端子は不要である。換言すれば、充電器200との接続インターフェースにおいて、電源ユニット110が有する電気端子は、主正母線用と主負母線用の2つのみであってよい。
また、香味生成装置100は、必要に応じて、電源10への充電電流を遮断又は低下させる停止部180を含んでいてよい。停止部180は、例えばMOSFETスイッチにより構成されていてよい。制御装置50は、停止部180をOFFにすることによって、電源ユニット110が充電器200に接続されていたとしても、電源10への充電電流を強制的に遮断又は低下させることができる。なお、専用の停止部180を設けなくても、制御装置50がスイッチ140をOFFにすることで、電源10への充電電流を強制的に遮断又は低下させてもよい。
外部電源210が交流電源の場合、充電器200は、交流を直流に変換するインバータ(AC/DCコンバータ)を有していてよい。充電器200は、電源10への充電を制御するプロセッサ250を含んでいてよい。さらに、充電器200は、必要に応じて、電流計230や電圧計240を有していてよい。電流計230は、充電器200から電源10へ供給する充電電流を取得する。電圧計240は、充電器200が接続される一対の電気端子間の電圧を取得する。換言すれば、電圧計240は、電源10の出力電圧を取得する。充電器200のプロセッサ250は、電流計230及び/又は電圧計240からの出力値を用いて、電源10の充電を制御する。電源10がリチウムイオン二次電池である場合、プロセッサ250は公知のCC−CV(定電流−定電圧)充電によって、電源10の充電を制御してもよい。なお、充電器200は、インバータが出力する直流の電圧を取得する電圧センサや、インバータが出力する直流の電圧を昇圧及び/又は降圧可能なコンバータを、さらに有していてもよい。
制御装置50は、充電器200が電気端子111tに接続されたか否かを判定する判定手段を有していてよい。判定手段は、例えば、一対の電気端子111tどうしの間の電位差、又は一対の電気端子111tのうちの少なくとも一方の電位の変化に基づき、充電器200の接続の有無を判定すればよい。
(温度センサ)
電源ユニット110に設けられた温度センサ160は、前述した第1電子部品の内部又は近傍に配置される。温度センサ160は、第1電子部品の温度を取得することができる。温度センサ160は、ケース113の内部に設けられていてよい。
第1電子部品が制御装置50である場合、省スペース化の観点から、温度センサ160は、第1電子部品としての制御装置50内に設けられることが好ましい。図4に示す例では、温度センサ160は、制御装置50の内部に設けられていることに留意されたい。この場合、制御装置50は、例えば温度センサ160を内蔵したマイコンによって構成することができる。この代わりに、温度センサ160は、制御装置50に内蔵されることなく、制御装置50の筐体表面や近傍に設けられていてもよい。また、第1電子部品が圧力センサ20である場合には、温度センサ160は、圧力センサ20の内部又は近傍に設けられてもよい。
電源10(第2電子部品)は、温度センサ160から、温度センサ160と第1電子部品との距離よりも長い距離離れて配置される。すなわち、電源10と温度センサ160の距離は、温度センサ160と第1電子部品(制御装置50又は圧力センサ20)との距離よりも長いことが好ましい。なお、温度センサ160が制御装置50に内蔵されている場合には、温度センサ160と制御装置50との間の距離は零である。
制御装置50は、温度センサ160の出力値に基づき、第2電子部品である電源10の温度を検出又は推定するよう構成される。制御装置50は、温度センサ160の出力値そのものを電源10の温度として検出してもよい。また、制御装置50は、温度センサ160の出力値を電源10からの熱伝導の損失や遅れを考慮して補正し、補正された値を電源10の温度であると推定してもよい。温度センサ160の出力値に対する補正の一例として、温度センサ160の出力値に所定値を加えた値や、温度センサ160の出力値に所定係数を乗じた値などを、電源10の温度として推定してもよい。ここで、補正に関する前述の所定値及び所定係数は、温度センサ160の出力値と、実際の電源10の温度と、のずれを予め実験により測定することによって決定することができる。なお、制御装置50に代えて温度センサ160が補正を行い、制御装置50は、温度センサ160により補正された出力値に基づき、電源10の温度を推定してもよい。
すなわち、温度センサ160は、電源10の温度の検出値又は推定値を出力する。したがって、第1電子部品の内部又は近傍に配置される温度センサ160によって電源10の温度が検出又は推定される。よって、電源10の内部又は近傍に電源10の温度を検出する専用の温度センサを設ける必要がないため、香味生成装置100の重量、体積及びコストの増大を回避できる。また、制御装置50は、温度センサ160によって、第1電子部品の温度と、第2電子部品である電源10の温度の両方を検知又は推定することができるようになる。
温度センサ160は、ユーザによる吸引に伴って生じる気流による冷却効果が最も高い位置以外に配置される。この場合、温度センサ160は、気流による影響を受けにくいため、電源10の温度の検出値又は推定値の精度の低下を抑制することができる。
温度センサ160は、吸口141から見て入口125より遠くに配置されることが好ましい。入口125から流入する外気は吸口141に向かって流れるため、流体の流れは、通常、入口125と吸口141との間で強い。したがって、温度センサ160が吸口141から見て入口125より遠くに配置されていると、温度センサ160は気流による冷却効果の影響を受けにくい。よって、温度センサ160は電源10の温度を精度よく検出又は推定することができる。
温度センサ160は、気体が流れる流路122Aの外であって、香味生成装置100の内部、すなわちケース113の内部に配置されることが好ましい。この場合であっても、温度センサ160は気流による冷却効果の影響を受けにくいため、温度センサ160は電源10の温度をより精度よく検出又は推定することができる。さらに、ケース113によって香味生成装置100の周囲から隔離されるため、温度センサ160は周囲温度の影響を受けにくい。
本実施形態では、電源10は、吸口141から見て入口125より遠くに配置されている(図1参照)。さらに、温度センサ160は、吸口141から見て電源10より遠くに配置されることが好ましい。この場合、電源10が、入口125から吸口141に至る流路122Aと温度センサ160との間に配置される。したがって、電源10が風防として機能し、温度センサ16に気流が晒されることが抑制される。これにより、温度センサ160は気流による冷却効果の影響をより受けにくくなる。
温度センサ160は、少なくともユーザによる吸引中に大気開放される領域に配置されることが好ましい。本実施形態では、キャップ330に大気開放の開口114が形成されている。大気開放されているため、温度センサ160は、負圧によって生じる空気流による空冷効果を受けにくい。したがって、温度センサ160は電源10の温度をより精度よく検出又は推定することができる。
好ましくは、温度センサ160は、温度センサ160を含む電子部品の主面が第1面と傾斜するよう配置されることが好ましい。ここで、「第1面」は、ユーザによる吸引に伴って生じる気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向、又はユーザによる吸引に伴う負圧によって生じる二次的な気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向に沿う面によって定義される。また、電子部品の主面は、電子部品の最も広い面によって定義される。温度センサ160が制御装置50に内蔵されている場合、前述した電子部品の主面は、制御装置50の主面に相当する。図4に示すように、制御装置50が部分的に円柱状の場合、制御装置50の主面は、円柱の底面に相当する面によって規定されていてよい。
本実施形態では、流路122Aは、所定方向Aに沿って長く延びる。したがって、ユーザによる吸引に伴って生じる気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向、又はユーザによる吸引に伴う負圧によって生じる二次的な気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向は、所定方向Aと実質的に一致する。この場合、前述した「第1面」は、所定方向Aに沿う面によって規定される。このとき、温度センサ160は、温度センサ160を含む電子部品の主面が、所定方向Aに沿う面と傾斜するよう配置されることが好ましい。
より好ましくは、温度センサ160は、温度センサ160を含む電子部品の主面と、第1面に直交する第2面との間の角度が、当該主面と前述の第1面との間の角度よりも小さくなるよう配置されることがより好ましい。ここで、「第1面」が所定方向Aに沿う面によって規定される場合、「第2面」は所定方向Aに直交する方向によって規定される。
さらに好ましくは、温度センサ160は、温度センサ160を含む電子部品の主面が前述の第1面と直交するよう配置される。したがって、「第1面」が所定方向Aに沿う面によって規定される場合、温度センサ160を含む電子部品の主面が所定方向Aと直交するよう配置されることが好ましい。図3及び図4に示す例では、温度センサ160を含む制御装置50の主面が所定方向Aと直交するよう配置されている。
以上で説明したように、温度センサ160を含む電子部品の主面が、ユーザによる吸引に伴って生じる気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向、又はユーザによる吸引に伴う負圧によって生じる二次的な気流のベクトルのうち最も長いベクトルの方向に対して傾斜するほど、温度センサ160を含む電子部品の主面に沿って流れる気流の成分が減る。したがって、気流による温度センサ160の冷却効果が抑制される。これにより、温度センサ160は、電源10の温度をより精度よく取得することができる。
以下、図3及び図4を参照し、制御装置50と温度センサ160のより好ましい構成の具体例について説明する。図3及び図4に示す態様では、温度センサ160は、制御装置50に内蔵されている。
電源ユニット110は、温度センサ160及び制御装置50を少なくとも部分的に包む第1部材300と、温度センサ160及び制御装置50と、電源10との間、又はその近傍に配置される第2部材と、を含んでいてよい。本実施形態では、第2部材は、圧力センサ20及び/又は基材310によって構成されている。第2部材20,310は、電源10に面することが好ましい。
第1部材300は、例えば筒状の部材であってよい。温度センサ160が、第1部材300によって少なくとも部分的に包まれていると、温度センサ160は気流及び周囲温度の影響を受け難く、電源10の温度をより精度よく検出又は推定することができる。より好ましくは、温度センサ160は、第1部材300と第2部材20,310とによって取り囲まれる。
図3及び図4で示された態様では、基材310は、圧力センサ20を取り囲み、制御装置50よりも電源10側に配置されている。基材310は、温度センサ160及び制御装置50と、電源10との間に配置されている。
香味生成装置100は、温度センサ160及び制御装置50と、ケース113との間で伝わる熱量を抑制する伝熱抑制部を含んでいてよい。伝熱抑制部は、例えば第1部材300によって構成されていてもよい。この場合、伝熱抑制部、すなわち第1部材300は、温度センサ160及び制御装置50を収容する空間を形成していることが好ましい。伝熱抑制部は、例えばSUS製のチューブによって構成されていてもよいし、SUSよりも熱伝導率の低い部材によって構成されていてもよい。伝熱抑制部の熱伝導率は、例えば、24(W/m・℃)以下であってよい。伝熱抑制部が、温度センサ160及び制御装置50と、ケース113との間に設けられているため、ケース113へ熱が伝わり難くなり、ケース113が熱くなりすぎることを防止することができる。さらに、ケース113を介して周囲温度が温度センサ160へ伝わり難くなるため、温度センサ160は電源10の温度をより精度よく検出又は推定することができる。
本実施形態では、第1部材300にキャップ300と基材310が嵌合されることによって、制御装置50及び温度センサ160を包む収容空間が形成されている。この収容空間は、前述した開口114によって大気開放されていてよい。
また、伝熱抑制部としての第1部材300とケース113との接触面積を減らすため、第1部材300及び/又はケース113の表面に凹凸を形成したり、これらの表面を粗くしたりしてもよい。この場合であっても、ケース113へ熱が伝わり難くすることができ、同時にケース113を介して周囲温度が温度センサ160に伝わり難くすることができる。さらに、第1部材300とケース113との間に形成される空間(空気層)も伝熱抑制部として機能する。すなわち、第1部材300とケース113との間の空気が断熱効果を奏するため、ケース113へ熱がより伝わり難くすることができ、同時にケース113を介して周囲温度が温度センサ160により伝わり難くすることができる。
香味生成装置100は、温度センサ160及び制御装置50と、電源10(第2電子部品)との間、又はその近傍に配置される熱伝導部材を含んでいてよい。熱伝導部材は、電源10と、温度センサ160及び制御装置50と、の間の熱の伝導を促進させる。したがって、温度センサ160は、電源10の温度をより精度よく取得することができる。
この熱伝導部材は、圧力センサ20及び/又は基材310によって形成されていてよい。この場合、電源10で発生した熱は、圧力センサ20及び/又は基材310を介して温度センサ160に伝導し得る。この場合、第2部材、すなわち圧力センサ20及び/又は基材310の熱伝導率は、第1部材300の熱伝導率よりも高いことがより好ましい。この場合、基材310は、例えば結晶シリコンのような金属部材によって構成されていてよい。これにより、電源10で発生した熱は、第1部材300内で温度センサ160の方に向かって伝導しやすい。したがって、温度センサ160は、電源10の温度をより精度よく取得することができる。
前述した態様の代わりに、前述の熱伝導部材は、第1部材300によって形成されていてもよい。この場合、熱伝導部材として第1部材300は、例えばSUS製のチューブによって構成されていてもよいし、SUSよりも熱伝導率の高い部材によって構成されていてもよい。この場合、電源10で発生した熱は、第1部材300を介して温度センサ160に伝導し得る。そのため、基材310の熱伝導率は相対的に低くてもよく、基材310は、例えばシリコーン樹脂のような樹脂材料によって構成されていてもよい。結晶シリコンに代えてシリコーン樹脂を基材310に用いることで、電源ユニット110内の電子部品を固定し易くなる。
いずれの場合であっても、電源10で発生した熱は、熱伝導部材を介して温度センサ160に伝わり易いため、温度センサ160は、電源10の温度を精度よく取得することができる。
温度センサ160及び制御装置50と、電源10(第2電子部品)との間、又はその近傍に配置される前述の熱伝導部材は、電源10とは異なる熱源、例えば負荷121Rによって発生した熱の影響を受けにくいように構成されていることが好ましい。具体的一例では、当該熱伝導部材は、負荷121Rと離間していてよい。さらに、当該熱伝導部材と電源10との間の距離は、当該熱伝導部材と負荷121Rとの間の距離よりも短いことがより好ましい。
電源ユニット110は、香味生成装置10の内部に、温度センサ160を包む収容体を含んでいてよい。収容体は、温度センサ160のみでなく、制御装置50の少なくとも一部を収容していてもよい。収容体は、例えば筒体のようなものであってもよく、封止樹脂のようなものであってもよい。本実施形態では、温度センサ160は、封止樹脂によって封止されているため、温度センサ160は気流の影響をより受けにくくなる。これにより、温度センサ160は電源10の温度をより精度よく検出又は推定することができる。
制御装置50の外形の少なくとも一部は円柱形状であってよい。また、圧力センサ20の外形の少なくとも一部は円柱形状であってよい。この場合、第1部材300は、円筒形状であることが好ましい。制御装置50及び/又は圧力センサ20の外形の少なくとも一部が円柱形状であるため、香味生成装置10全体の外形を柱状、より好ましくは円柱状にしやすい。これにより、香味生成装置10を、従来の紙巻きタバコの形状に似た形状に製造することができる。
前述した通り、温度センサ160は、電源10から離れて設けられているため、制御装置50は、温度センサ160で読み取られた出力値から電源10の温度を推定してもよい。すなわち、温度センサ160の位置では、電源10の温度とは若干異なる温度になることがある。この場合、予め実験により、電源10の実際の温度と、温度センサ160の出力値とのずれを測定しておくことにより、制御装置50は、温度センサ160の出力値から、電源10の温度を推定するよう構成されていてもよい。
図8は、温度センサ160により取得した温度を利用した制御のフローを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、香味生成装置100、具体的には制御装置50が稼働している間に制御装置50によって実行されることが好ましい。より好ましくは、図8に示すフローチャートは、制御装置50によって電源10の充電中と放電中の少なくとも一方で実行される。電源10に高い負荷がかかる充電中においては、制御装置50は、以下に説明する電源10の保護を含む制御を行うことが特に好ましい。ここで、電源10の放電とは、例えば、電源10から負荷121Rへの電力の供給等を意味する。
まず、制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)を取得する(ステップS100)。
制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)が第1条件を満たす場合、第1電子部品に関する第1制御を実行する(ステップS102,S104)。
本フローチャートで示す制御では、第1電子部品は制御装置50であり、第1条件は制御装置50の推奨動作温度の範囲外という条件である。例えば、第1条件は、「Tо>85℃、又はTо<−40℃」という条件である。すなわち、温度センサ160の出力値(Tо)が第1条件を満たす場合、制御装置50は、制御装置50自身の推奨動作温度の範囲外にあると判断する。この場合、制御装置50は、第1制御として、電源10の充電又は放電を禁止し、制御装置50自身の動作を停止する制御を行ってもよい(ステップS104)。また、制御装置50は、必要に応じて、通知部40によってユーザに異常を通知してもよい。
制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)が前述の第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、電源10に関する第2制御を実行する(ステップS112,S114)。
本実施形態では、第2条件は、電源10にとって推奨動作温度の範囲とは異なる温度範囲によって規定されていてよい。この場合、ステップS114の第2制御は、電源10を保護する保護制御であってよい。
例えば、制御装置50は、温度センサ160の出力値が電源10の電解液又はイオン液体が凝固する第1既定温度以下の場合、又は電源10の温度が温度センサ160の出力値に基づき第1既定温度以下であると推定される場合、第2制御として電源10を保護する保護制御を実行すればよい。保護制御は、電源10の充電と放電の少なくとも一方の抑制又は禁止と、警告信号の送信と、の少なくとも一方、好ましくは両方を含んでいてよい。
保護制御としての警告信号の送信は、制御装置50が通知部40に対して行う。すなわち、制御装置50は、通知部40によってユーザに電源の異常を通知することができる。
電源10の充電と放電の少なくとも一方の抑制又は禁止は、制御装置50がスイッチ140又はスイッチ180を一時的に又は常時OFFにすることにより実行できる。これにより、電源10の電解液又はイオン液体が凝固するような温度範囲で、電源10を保護することができる。 第1既定温度は、例えば0℃である。電源10の温度が0℃未満になると、電源10内の水分、例えば電解液中の水分が凝固し得るため、電源10の劣化が促進されやすい。従って、このような温度範囲では電源10の使用を抑制又は禁止することが好ましい。
また、ステップS112,S114における具体例として、制御装置50は、温度センサ160の出力値が電源10における電極に電析が生じる第2既定温度以下の場合、又は電源10の温度が温度センサ160の出力値に基づき第2既定温度以下であると推定される場合、電源10を保護する保護制御を実行するよう構成されていてもよい。保護制御は、前述したとおりである。
特に、電源10がリチウムイオン二次電池の場合、低温で電源10に高い負荷がかかると、負極の表面に金属リチウムの析出(電析)が生じることがあるため、前述したような保護動作を実施することが好ましい。ここで、第2既定温度は、リチウムイオン二次電池の種類によって異なり得るため、予め実験により特定しておけばよい。
また、ステップS112,S114における具体例として、制御装置50は、温度センサ160の出力値が、電源10における電極の構造又は組成の変化が生じる第3既定温度以上の場合、又は電源10の温度が温度センサ160の出力値に基づき第3既定温度以上であると推定される場合、電源10を保護する保護制御を実行するよう構成されていてもよい。保護制御は、前述したとおりである。電源10の温度が極度に高くなると、電極の構造又は組成の変化が生じ得るため、制御装置50は、前述のような保護制御を実施することが好ましい。第3既定温度は、例えば60℃であってよい。
以上のような電源10の保護、特にリチウムイオン二次電池の保護という観点から、制御装置50は、温度センサ160の出力値が0℃未満又は60℃以上の場合、又は電源10の温度が温度センサ160の出力値に基づき0℃未満又は60℃以上であると推定される場合、電源10を保護する保護制御を実行するよう構成されていてもよい(ステップS112,S114)。保護制御は、前述したとおりである。
図8で示すフローチャートのように、制御装置50は、温度センサ160の出力値が既定条件(第2条件)を満たす場合、制御装置50(第1電子部品)に関する制御(前述の第1制御)を実行することなく、電源10(第2電子部品)に関する既定制御(保護制御)を実行するよう構成されている。具体的な一例として、制御装置50は、温度センサ160の出力値が、制御装置50の冷却が不要な範囲に属し、かつ既定条件を満たす場合に、電源10の保護制御を実行する。このように、制御装置50は、単一の温度センサ160によって、制御装置50の保護と、電源10の保護の両方の制御を実行することができる。
図8に示すフローチャートは、例えば電源10の充電中又は放電中に繰り返し行われることが好ましい。また、電源10の保護制御(ステップS114)を実施した後に、温度センサ160の出力値が正常な範囲に戻った場合、電源10の保護制御を解除してもよい。すなわち、この場合、制御装置50は、電源10の充電又は放電を可能にすればよい。
図9は、温度センサ160により取得した温度を利用した制御の別のフローを示すフローチャートである。図9において、まず、制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)を取得する(ステップS100)。
制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)が第1条件を満たす場合、第1電子部品に関する第1制御を実行する(ステップS102,S204)。本フローチャートで示す制御では、第1電子部品は圧力センサ20であり、第1条件は圧力センサ20の出力値の変更という条件である。温度センサ160の出力値(Tо)が第1条件を満たす場合、制御装置50又は圧力センサ20は、温度センサ160の出力値に基づき、圧力センサ20により取得される圧力値を較正する(ステップS204)。気体の温度と圧力は状態方程式により相関を有する。したがって、温度変化に応じて圧力センサ20を較正することで、温度が変化したとしても、ユーザの吸引力と圧力センサ20の出力値との関係を均一化することができる。
制御装置50は、温度センサ160の出力値(Tо)が前述の第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、電源10に関する第2制御を実行する(ステップS112,S114)。
本実施形態では、第2条件は、電源10にとって推奨動作温度の範囲とは異なる温度範囲によって規定されていてよい。この場合、ステップS114の第2制御は、電源10を保護する保護制御であってよい。温度センサ160の出力値が電源10にとって推奨動作温度の範囲とは異なる温度範囲である場合、圧力センサ20の較正は不要である。なお、電源10を保護する保護制御に関するフロー(ステップS112,S114)は、図8に示すフローと同じであるため、その説明を省略する。
圧力センサ20が較正された場合、制御装置50は、較正された圧力センサ20を用いて、ユーザの吸引動作を検出することができる。制御装置50は、ユーザの吸引動作を検出すると、スイッチ140をONにし、負荷121Rに電力を供給すればよい。
図8及び図9に示された前述のフローでは、温度センサ160の出力値が大きすぎたり小さすぎたりする場合、制御装置50がOFFにされたり、電源10の保護制御が行われたりする。この代わりに、制御装置50は、不図示の温調機構を用いて、電源10等の電子部品の温度が適切な範囲になるよう温度制御を行ってもよい。例えば、温度センサ160の出力値が大きすぎる場合、温調機構は、制御装置50や電源10を冷却すればよい。また、温度センサ160の出力値が小さすぎる場合、温調機構は、制御装置50や電源10を加熱すればよい。
(プログラム及び記憶媒体)
図8及び図9に示された前述のフローは、制御装置50が実行することができる。すなわち、制御装置50は、電源ユニット110に前述の方法を実行させるプログラム、及び当該プログラムが格納された記憶媒体を有していてよい。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、前述した実施形態では、香味生成装置100は、エアロゾルを発生するエアロゾル源と、香喫味成分を発生するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含む香味源との両方を含む。この代わりに、香味生成装置100は、エアロゾル源と香味源のいずれか一方のみを含んでいてもよい。
なお、本明細書において、「香味」という用語は、香味源若しくはエアロゾル源から生成される香喫味成分、又は、香味源又はエアロゾル源に由来する香喫味成分を含む広い概念として規定されてもよいことに留意されたい。
また、前述した実施形態では、電気的な負荷121Rは、エアロゾル源に作用しエアロゾル源を気化又は霧化するよう構成されている。この代わりに、電気的な負荷121Rは、香味源又は香味ユニットを加熱し香味を放出するよう構成されていてもよい。さらに、電気的な負荷121Rは、エアロゾル源と香味源の両方を加熱するよう構成されていてもよい。