JP3606103B2 - 熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電素子チップを切り出すための素材となる熱電素子材料の細線形材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電モジュールの構造として、熱電素子を多数並べたものがある。モジュールを構成する熱電素子の断面形状を細くすることにより、単位面積当たりの素子数を多くしてモジュールの電気抵抗値を増加させ高電圧用モジュールを作製することができる。また、低電圧電源を用いて微少部分冷却用の小型熱電モジュールを作製するにも、出来るだけ微小な熱電素子が必要になる。
【0003】
このような微小な熱電素子すなわち熱電素子チップは、従来、結晶性熱電素子材料のインゴット、あるいは、結晶性熱電素子材料インゴットを一度粉末化した後焼結して再度インゴット化したものを、チップ状に切り出すことにより得ていた。
しかし、結晶性熱電材料インゴットから切り出す方法は、上記インゴットは劈開面で破壊しやすい脆性を有するため、結晶性インゴットからチップ状に切り出す工程で熱電素子材料の劈開破壊が生じ易い。そのため、熱電モジュール作製工程で熱電素子材料に対する熱電モジュールの歩留まりを著しく低下させるという問題点があった。
【0004】
一方、再インゴット化によって得られる焼結インゴットは、焼結により熱電素子材料の脆性が解消されて、インゴットの切断工程での劈開破壊が減少するため、熱電素子材料の有効使用量が多くなる。しかし、焼結インゴットから棒材を得る工程で、例えば、角柱状にする際にはインゴットを6面カットするために熱電素子材料の切り代が大きくなる。また、円柱状にする際には角柱状にするよりも一層切り残りが多くなる。そのため、熱電素子材料インゴット総量に対する熱電素子有効使用量が依然として少ないという問題点を有していた。
【0005】
本発明者らは、特開平9−321357号公報に記載されているように、結晶性インゴットからから得た粉末を直接に押出し加工して形材に成型する発明を完成させた。該発明は、結晶性熱電素子材料インゴットを非酸化性雰囲気中でボールミル等で粉砕し、得られた粉末をアルミニウム合金のような金属製カプセルに充填した後、脱気・密封して押出し加工用ビレットとし、熱間で押出し加工を行い、シース皮付き押出し材を得、得られた棒材に、適切な熱処理条件で焼結した後、シース部金属を除去して熱電素子チップ作製用形材を作製する。
【0006】
このようにして得られた熱電子素子チップ作製用形材は、以下の利点を有する。
1) 熱電素子材料を粉末化することによりインゴットに生じている構成成分の偏析を減少することができ、場所による熱電気的特性のばらつきを減少することができる。
【0007】
2) 焼結により機械的強度がインゴットよりも向上しており、モジュールとしての信頼性向上を図ることができる。
3) 押出し比(ダイス径)を変えることにより所望の形状を容易に作製することができる。
4) 押出し加工により一度に大量の棒材を作製することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、押出し加工法による熱電素子チップ作製用形材の製造方法においては、細線材を得るためにダイス径を細くしたり、成形後のシース厚さが1.0mm以下になると、シースの破損や押し詰まりによる成形不良が発生する場合がある。
【0009】
素子径φ1.0mm以下の細線を押出し加工法によって得ようとすれば、シース厚さを大きくするか、得られた素子を削り出す必要があり、この場合、シース部あるいは素子部の除去量が多くなり、生産性や材料歩留まりが低下するという問題点があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の欠点を解決し、素子部径の細線化、シース部の薄皮化を図り、シース部あるいは素子部の除去量を少なくして材料を有効に活用することによって、材料歩留まりを向上させ、多素子モジュールあるいは小型モジュールを構成するために好適な細線熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明者は、熱電素子材料粉末若しくは圧粉体をカプセルに充填・密封して引抜き加工を行って所望の形状の細線形材に成形することを考え、多くの実験を重ねた結果、引抜き加工を行うことにより細線の熱電素子チップ作製用形材の製造が可能であることを確かめた。さらに、熱電素子材料結晶材をそのままカプセルに充填・密封して引抜き加工を行っても細線の熱電素子チップ作製用形材を製造できることをも確かめて、本発明を完成した。
【0011】
減面率の小さい引抜き加工を繰り返し行うことで、加工中の熱電素子粉末の不連続な流動を防止してシースの破損を回避できるため、シースの薄皮化と熱電材料部の細線化が達成できる。ここで、熱電材料圧粉体とは熱電素子材料粉末を加圧成形したものを表す。
減面率は下記の算出式で示される値である。
【0012】
本発明は、熱電素子チップを切り出すための熱電素子材料からなる細線形材を製造する方法である。本発明の基本的な製造工程として、結晶材、粉末、粉末を圧縮成形してなる圧粉体の何れか1種の形態からなる熱電素子材料を、カプセルに充填・密封し、カプセルとともに熱電素子材料を引抜き加工して、細線形状の熱電素子材料がカプセルからなるシースに覆われたシース線材を成形する工程(a) と、前記シース線材を加熱して熱電素子材料を焼結する工程(b) と、焼結された熱電素子材料の細線形材から前記シースを除去する工程(c) とを含む。
本発明の一つの方法は、前記圧粉体として、粉末を冷間等方圧加工で圧縮成形してなる圧粉体を用いる。
本発明の別の方法は、前記工程(a)において、熱電素子材料を充填する前にカプセル内部に予め焼結後容易に除去できる水溶性材料からなる中間層を形成しておく。
【0013】
その結果、材料歩留まりが良好で、かつシース除去量を少なくして製造コストを削減できるような高性能、高信頼性の熱電素子チップ作製用細線形材の製造を行うことができる。
使用する熱電素子材料の材質としては、p型のものにはSb2 (Te,Se)3 を主成分としたもの、n型のものにはBi2 (Te,Se)3 を主成分としたものを用いるのが好ましいが、これらに限定されない。なお、ここで、P型とは、不純物半導体で正孔による伝導が支配的である半導体をいい、n型とは、不純物半導体で伝導電子による伝導が支配的である半導体をいう。
【0014】
使用する熱電素子材料の形態としては、棒状の結晶性熱電材料インゴットあるいは結晶性熱電材料インゴットを切り出して棒状にしたものでもよいし、熱電材料粉末や熱電材料粉末を加圧成形した圧粉体でもよい。
粉末や圧粉体を用いるときは、p型の場合、粉末粒径を1μm以上1000μm以下、好ましくは25μm以上250μm以下の微粉末状にしておくのが好ましい。n型の場合、粉末粒径を1μm以上3000μm以下、好ましくは25μm以上2000μm以下の粗粉末と微粉末が混在するようにするのが好ましい。
【0015】
微細粉末をカットするのは、酸化の影響を受けやすい微細粉を除去して、粉末の酸化による熱電特性の劣化を防ぐためである。熱電材料粉末は、酸化によってその熱電気的特性が劣化し易いので、非酸化性雰囲気で扱う等の熱電素子材料の酸化を防止する工夫をすることが好ましい。圧粉体は、一軸プレスで成形してもよいが、冷間等方圧加工(以下、「CIP」と呼ぶ)で成形することにより、より高密度で密度分布が少ない圧粉体が得られる。
【0016】
熱電素子材料をシース材となるカプセルに充填・密封するに際しても、非酸化性雰囲気で行って、熱電素子材料の酸化を防止する工夫をすることが好ましい。ここに、シース材とは、粉末をカプセルに充填して引抜き加工を行うと、カプセルが熱電素子材料と一緒に引き延ばされて、得られた引抜き材においてカプセル材料が棒状の熱電素子材料の外周を包む鞘のような形になることを意味する概念である。該カプセル材料は、引抜き加工後の素子部形状不良を回避するため、加工温度での熱電素子材料の変形抵抗と概ね一致していることが望ましい。
【0017】
カプセルは、金属製のものであることができる。カプセルが金属製である場合、モジュール化の際に除去しておく必要があるので、金属製カプセルは化学処理によって除去できるものであることが望ましい。
引抜き加工中にシースとして使用されたシース材の除去は、引抜き加工後の熱処理等により引抜き材の機械的強度が向上している場合は、旋盤加工や研削加工のような機械的処理方法によっても除去できるが、素子部径が小さくなると除去時に素子が損傷する場合があるため、前記した化学処理による除去が望ましいのである。
【0018】
アルミニウム合金は、その融点や引抜き加工時の変形抵抗が、熱電素子材料たるSb2 (Te,Se)3 やBi2 (Te,Se)3 に比較的近く、塩化第二鉄や苛性ソーダ等によって化学的に溶解除去することもできるためシース材として好適である。
熱電素子材料をカプセルに充填する際は、熱電素子材料粉末を加圧成形して圧粉体とすることが好ましい。圧粉体にすれば、カプセル充填時の熱電素子材料粉末の充填密度が大きくなると共に充填時の密度のばらつきも小さくなる。その結果、引抜き加工後の熱電素子材料の密度も大きくなり熱電気的特性の向上が期待できる。また、熱電気的特性のばらつきが減少する。粉体を固めた熱電素子の場合、その材料密度は熱電気的性能因子であるので、その材料密度が高くなるほど一般に熱電気的特性が良くなる。充填時の圧粉体の密度がわかっていれば引抜き後の熱電素子材料部の断面形状の寸法制御も容易になる。
【0019】
熱電素子材料の充填前に、カプセル内部に予め焼結後容易に除去できる層を中間層として形成すれば、シース除去の際、引抜き材からの熱電素子材料部を容易に取り出すことができる。
カプセルの粉末充填部に中間層として水溶性材料を塗布により形成した場合、得られた引抜き材の素子部とシース部の界面に水溶性物質層が形成され、焼結後の引抜き材を水浸させることにより中間層が溶解し、熱電素子材料部とシース部間に空隙が生じるため、機械的加工や化学的除去によらずに熱電素子材料とシース材を分離することができる。水溶性材料としては水溶性カチオンポリマー等を用いることができる。
【0020】
また、カプセル内部に離型剤を塗布すれば、焼結後容易に熱電素子材料とシース材を分離することができる。この場合、シース部の長手方向に数カ所切り込みを入れてシース部のみ切断すれば分離がより容易になる。
カプセルを密封するに際しては、特に粉末や圧粉体を充填する場合は粉末表面に吸着している酸素量が大きい場合もあるため、250〜400℃の高温で真空脱気して吸着酸素を取り除くことが好ましい。真空度は10−2〜10−3Torr程度が好ましく、保持時間は例えば2時間程度が望ましい。粉末表面に吸着酸素があると、熱処理特等の加熱時に粉末が酸化して熱電気的特性が劣化するからである。
【0021】
圧粉体を作製する際の熱電素子材料の劈開面の方向を一方向に揃えて配向性を付与すると、劈開面と平行な方向に通電した場合にチップの熱電気的特性が一層向上する。
劈開面を一方向に揃えるには、熱電素子材料粉末等を押出し加工することにより圧粉体を作製するか、あるいは、熱電素子材料粉末を加熱加圧して結晶粒成長方向を一方向に揃えることにより行うことができる。該押出し加工は、250℃〜500℃の温熱加熱下で、押出し比10以上で行うことが望ましい。該温熱加圧は、粉末をカプセルに充填して得られるビレットを予備加熱することや押出し加工機に昇温手段を付加すること等で実現することができる。また、該加熱加圧は温度が300〜550℃、プレス圧1〜50kgf/mm2 で5〜30分間、窒素等の非酸化性雰囲気中でおこなうことが望ましい。
【0022】
引抜き加工は、1回の減面率が5〜40%、好ましくは10〜35%、さらに好ましくは10〜30%の加工を繰り返し行って、所望の形状にすることが望ましい。これは、減面率が小さすぎると、引抜き回数が多くなり所望の形状を得るのに時間がかかり、減面率が大きすぎると、細線を加工する際に引抜き材の破断が生じる場合があるためである。ここでいう減面率とは、前記(1)式で定義される値である。なお、引抜き回数が10回以上あるいは数10回になる場合には、そのうちの1〜2回の引抜き加工で、上記減面率の規定範囲を少しぐらい超えることは、実用的には問題はない。また、多数回の引抜き加工では、初期の段階では比較的に小さな減面率に設定し、終期近くになると比較的に大きな減面率に設定することができる。
【0023】
1回あるいは複数回の引抜き加工により、シース材が素子形状に影響を及ぼす程度に加工硬化するため、所定の引抜き回数毎に焼鈍処理することが望ましい。前記引抜き加工で得られた引抜き材は、熱処理して熱電素子材料粉末の焼結体とする。引抜き材の熱処理により、引抜き材の機械的密度を向上させることができる。すなわち、焼結効果を付与するための熱処理は、引抜き材の主体を構成する熱電素子材料粉末問をネッキングする効果により機械的強度を向上させるのである。
【0024】
該熱処理は、熱処理時の熱電素子材料の酸化による熱電気特性の劣化を防止するため、非酸化性雰囲気中、すなわち、真空中、還元雰囲気中または不活性雰囲気中で行われることが好ましい。このような意味では、熱処理はシース材がついている状態で行うことが望ましい。熱処理温度の条件は、例えば、Sb2 (Te,Se)3 の場合は300℃〜450℃×1〜10hr,Bi2 (Te,Se)3 の場合は350℃〜500℃×1〜10hrである。
【0025】
【作用】
本発明によれば、熱電素子材料を充填・密封したカプセルを引抜き加工で成形することにより、材料歩留まりが良好で、かつシース除去量を少なくして製造コストを削減できるような高性能、高信頼性の熱電素子チップ作製用細線形材を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、形材として丸棒状のものを採り上げ、その具体的な実施例を表す図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施形態1)
本発明に係る熱電材料チップ作製用細線形材の製造方法の実施例を図1〜5を参照して説明する。
【0027】
▲1▼ 熱電素子材料粉末作製工程
図1は、熱電素子材料粉末の作製工程のうち、第1段階を示している。丸棒状をなす結晶性の熱電素子材料インゴット10を、乳鉢11と乳棒12を用いて粉砕し、最大2.0mm程度の粒径の粗粒13を得る。その際、粉末の酸化による熱電気的特性の劣化を防ぐため、窒素雰囲気中で粉砕を行う。
【0028】
熱電素子材料インゴット10の材料としては、P型のものには、Sb2 (Te,Se)3 を主成分とするもの、n型のものにはBi2 (Te,Se)3 を主成分とするものを用いればよい。
上記実施形態においては,インゴット10の粉砕に乳鉢11と乳棒12を用いているが、必ずしも乳鉢11と乳棒12を用いる必要はなく、例えば、インゴット10の形状が大きい場合や、粉末を大量に生産する場合には、ハンマーミルやスタンプミルを用いて機械的に粉砕を行っても良い。
【0029】
次に、図2にみるように、粗粉末化した熱電素子材料13を、遊星ボールミル14にて機械的に粉砕し、微粉末15を作製する。得られた微粉末15を、ふるい等で下方カットおよび上方カットし、粒径が1μm以上1000μm以下、好ましくは25μm以上250μm以下の微粉末状にする。
下方カットは、酸化の影響を受けやすい微細粉を除去して、粉末の酸化による熱電特性の劣化を防ぐためである。また、このとき、粉末の酸化を防止するために、N2 等の不活性雰囲気、H2 等の還元雰囲気、あるいは真空中で行うことが望ましい。
【0030】
上記実施形態においては、インゴット10の粗粒13からの微細粉砕に遊星ボールミル14を用いたが、所望の粒径を得られる粉砕法であれば必ずしもこれに限定されない。
▲2▼ 熱電素子材料粉末の充填・密封工程
図3にみるようなシースカプセル20を用いる。カプセル20は、アルミ合金(JISに規定される5052S材)製であり、外径φ10.0mm、中空状の粉末充填部21の肉厚1.0mm、充填部21の深さ100mmである。充填部21の開口には蓋部22が嵌入されて閉塞される。
【0031】
カプセル20の粉末充填部21に窒素雰囲気中で熱電材料の微粉末15を充填する。カプセル20の開口は、微粉末15の上にアルミスペーサ29を介して蓋部22を嵌入して塞ぐ。カプセル20を10−3Torrの真空中で300℃×2時間保持して粉末表面に吸着した水分等を除去する。その後、カプセル20の蓋部22と粉末充填部21とを、1×10−3Torrの真空中で電子ビーム溶接して密封する。
【0032】
このとき、引抜き加工後の熱電素子材料細線形材の寸法誤差を少なくするために、粉末15の充填深さに対する密度分布を極力少なくし、かつ充填密度を向上させるために十分にタッピングを行い、粉末の充填密度が50〜60%程度になるようにしておく。
カプセル20の材質としてアルミニウム合金を用いたのは、融点や変型抵抗、線膨張係数がSb2 (Te,Se)3 やBi2 (Te,Se)3 に比較的近く、シースを化学的に除去し易いことによる。但し、酸素を透過させず、密封後機密性を保つことが可能であり、塑性変型が可能な材料であれば、必ずしもこれに限定されない。
【0033】
▲3▼ 引抜き加工工程
図4に示す引抜き加工装置を用いて引抜き加工を行う。
引抜き加工装置30は、無端回転するチェーンコンベア31にフック32を介してキャリッジ33が取り付けられている。チェーンコンベア31の側方にはダイス34が設けられている。ダイス34に通した加工材料の先端を、キャリッジ33の後端に有するチャック35に固定し、チェーンコンベア31の作動とともに加工材料を引抜き加工する。
【0034】
カプセル20の先端を、ダイスの反対側からダイス孔34を通してキャリッジ33のチャック部35につかませるために、カプセル20の先端をスエージング加工により外径φ7.0mmまで細めてノーズ部23(図3参照)を設ける。このとき断面形状は減少しているため、カプセル20は細くなると同時に、チャック35でつかむのに十分な程度に長くなっている。
【0035】
ノーズ加工を行ったカプセル20を、ダイス34を境にしたチャック35と反対側から、ノーズ部23のある方を先頭にしてダイス孔34に通し、チャック35側に出てきたノーズ部23をチャック35で挟み固定する。このとき、カプセル20の長手方向の軸と引抜き方向が平行になるようにセッティングする。
引抜き加工は、引抜き速度(キャリッジの移動速度)0.5〜5.0mm/minで行い、前記(1)式で規定される1回の減面率が10〜30%になるようにダイス34を選択する。但し、ダイス径と実際に加工された材料の仕上がり径との間には少しずれがあるので、加工材料の減面率は10〜30%の範囲を少し外れる場合もある。カプセル20の材料すなわちシース材の加工硬化による成形不良を防止するための焼鈍処理として、所定の引抜き回数ごとに300〜400℃で5〜30分間炉中で加熱する。加工履歴の具体例を表1〜表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
得られた引抜き材24は、カプセル20に充填された熱電素子材料15が、圧縮成形された圧粉体の状態になっている。
【0039】
▲4▼ 焼結工程
引抜き材24に熱処理を施し、焼結の効果(粉末間のネッキング効果)により機械的強度を向上させる。
熱処理条件は、Sb2 (Te,Se)3 の場合、300℃〜450℃×1〜10hr、Bi2 (Te,Se)3 の場合、350℃〜500℃×1〜10hrで、それぞれ窒素雰囲気中で熱処理を行う。これらの熱処理は、熱処理中の熱電素子材料15の酸化を極力防止するため、シース材20をつけたまま熱処理を行うことが望ましい。
【0040】
▲5▼ シース材の除去工程
図5に示すように、焼結後の引抜き材24は、熱電素子材料の焼結体からなる細線形材16に、カプセル20の材料からなるシース25付であるため、塩化第二鉄や化成ソーダ等のアルカリ液26を用いて化学的にシース25の除去を行った。
【0041】
シース除去の溶剤は必ずしも上記溶剤に限定されるものではなく、シース材質によって最適な溶剤を選択すれば良く、またシース25の除去方法が機械的な手段であってもよい。
▲6▼ 熱電素子チップの作製工程
シース材が除去された熱電素子材料の焼結材からなる細線形材16は、複数本を束ねた後、あるいは複数本を束ねて樹脂等で固着した後、所定の寸法に切断するか、単体で切断した後所定の位置に実装する等モジュールの作製方法に応じて棒材の切断を行う。
【0042】
具体的には、図6にみるように、細線形材16として、材料の違いによって、p型の熱電素子材料からなる細線形材16pと、n型の熱電素子材料からなる細線形材16nとの2種類を用意する。
2種類の細線形材16p、16nを交互に前後左右に間隔をあけて複数列に並べて、端部を配列用治具70に支持させる。
【0043】
この状態で、細線形材16p、16nの隙間に、樹脂等からなる固着剤72を流し込んで一体的に固着させる。得られた直方体柱状をなす固着体74を、細線形剤16p、16nの軸方向と直交する面で、所定の厚みに切断することで、p型熱電素子材料部分とn型熱電素子材料部分とが交互に配列された板状の熱電素子チップ76が得られる。
【0044】
本実施形態では、成形後の素子部径φ0.4mm、シース皮厚さが0.1mmの薄皮細線素子を歩留まり良く成形することができ、例えばp型の場合、熱電気的特性も表4に示す特性が得られた。
【0045】
【表4】
(実施形態2)
前記実施形態1において、カプセル20に充填する熱電素子材料として、微粉末15の代わりに、予め形成した圧粉体をカプセル20に充填することができる。
【0046】
すなわち、1μm以上1000μm以下、好ましくは25μm以上250μm以下の微粉末15を、窒素雰囲気中で、金型に有するφ8.0mmの容器部に所定量充填し、パンチにより上下より荷重を加え、所定の荷重(1000kgf )になった時点で5sec 保持後、除荷して粉末の成形を行い、厚さ10mm程度で密度が85〜95%の圧粉体を得る。
【0047】
その後、同じ質量の粉末を充填し、同様の条件での加圧成形を繰り返し行うことにより、カプセル20の粉末充填部21の深さと同じ100mmの厚さの圧粉体を得る。これは、圧粉体の厚さ方向の密度分布を少なくするためである。
得られた圧粉体を、外径φ10.0mm、内径φ8.0mm、充填部深さ100mmのカプセル20に充填し、実施形態1と同様に密封後、押出し加工・熱処理を行う。
【0048】
本充填方法では、充填部21内における熱電素子材料の密度が向上しているため、引抜き加工時の変形抵抗が大きくなり、ダイス付近で押し詰まりが発生してシース皮が破損する恐れがある。そこで、シース材質をアルミ合金(JISに規定される2017材)に変更し、機械的強度を向上させた。
その結果、実施形態1と同様の熱電素子材料の細線形材が得られ、熱電素子チップとしての性能も良好なものであることが確認できた。
【0049】
(実施形態3)
次に、本発明の熱電素子チップ作製用細線形材の別の作製例を説明する。
本実施形態は、引抜き加工を行う際、カプセル20の温度を300℃から500℃の温度で行う。それ以外の方法については実施形態1と同様であるから重複する説明は省略する。
【0050】
実施形態1と同様にして得られた、熱電素子材料15が充填されたカプセル20にノーズ部23を加工したものを、カプセル20の温度が300℃から500℃の温度、好ましくは300℃から350℃になるまで加熱する。この際、カプセル20の内部まで十分にかつカプセル20全体の温度がほぼ均一になるまで加熱を行う。そのため、加熱時のカプセルサイズ(カプセル20の外径)により必要な加熱時間が異なる。
【0051】
具体的には、例えば、カプセル20の外径がφ10.0mmの場合は、加熱時間を30分にする。引抜き加工が進行し、カプセル20の外径がφ2.0mmになった場合は、加熱時間を5分にする。このように、引抜き加工の各段階におけるカプセル20の外径により、適時加熱時間を変更する。
その後、予めヒーターで加熱して300℃から500℃、好ましくは300℃から350℃の温度にしてあるダイス34に、カプセル20を通してノーズ部23をチャック35で掴み、実施形態1と同様の方法で引抜き加工を行う。
【0052】
上記実施形態と異なる形態として、たとえば引抜き加工装置を恒温槽内に配置しておくなど、雰囲気温度が一定の条件で引抜き加工が可能な装置で加工を行うことができる。この場合、引抜き加工を施すカプセル20およびダイス34が十分に雰囲気温度(300℃から500℃の温度、好ましくは300℃から350℃)にまで加熱されていればよい。
【0053】
また、それ以外の方法であっても、カプセル20の温度が300℃から500℃になっており、金型や雰囲気との温度差によってカプセル20の温度がこの温度範囲から外れることがないような引抜き方法で加工されていればよい。
(実施形態4)
本実施形態は、前記実施形態2で用いた圧粉体を、CIP(冷間等方圧加工)により製造する。基本的な方法は、前記実施形態1、2と同様であるから重複する説明は省略する。
【0054】
図7(a) に示すように、片方の口をゴム製の栓41で塞いだ外径φ16.0mm、肉厚1.0mmのアルミ合金製パイプ40に、窒素雰囲気中にて、他方の開口より熱電材料粉末15を充填し、十分タッピングして充填密度が50%以上にした後、開口にも前記同様のゴム製の栓42を嵌入して密閉する。
次に、図3(b) に示すように、粉末充填パイプ40を、外径φ20.0mm、厚さ5.0mmのゴム製の有底円筒状の容器44に充填、密封し、次工程で行うCIP時に、圧媒がゴム容器44内に漏れてこないように樹脂製の袋に入れ脱気・密封する。
【0055】
その後、図7(c) に示すように、試料(ゴム容器44に粉末15を充填したパイプ40を入れて充填したもの)をCIP装置46に装着し、10kgf/mm2 の圧力をかけて冷間等方圧加工を行う。その結果、粉末15が加圧成形された圧粉体が得られる。その後の作業は、前記した実施形態1、2と同様である。
本実施例では、粉末を等方的に加圧しているため均一な密度の圧粉体が得られる。そのため、製造された熱電素子材料細線形材の密度に疎密が少なく、長手方向に対する熱電特性のばらつきが少なくなる。また、粉末15を直接ゴム容器44に充填してCIPを行った場合、除荷時に圧粉体の割れや脱落が生じる場合があったが、予めアルミ合金のパイプ40に入れて充填しているため徐圧後に割れや脱落が発生することを防止できる。
【0056】
(実施形態5)
本実施形態は、カプセルに充填するための熱電素子材料の圧粉体を作製する際、押出加工により圧粉体の作製を行う。前記各実施形態と共通する技術事項については説明を省略する。
図8に示すように、実施形態1と同様の方法により得られた熱電素子材料の粉末15を、アルミ合金製のシース容器52に窒素雰囲気中で充填する。シース容器52は、有底円筒状をなし、例えば、外径φ68.0mm、粉末充填部21の肉厚4.0mm、充填部深さ10.0mmの寸法を有する。シース容器52の開口にはシース容器52と同材料の蓋53が取り付けられている。
【0057】
シース容器52に熱電素子材料粉末15を充填後、10−3Torrの真空中で300℃、2時間保持して粉末表面に吸着した水分等を除去した後、蓋53の脱気管部をかしめて密封する。このようにして作製されたものを以下では「押出し用ビレット」と呼ぶ。
次に、押出し用ビレットを250℃〜500℃で0.5〜2.0hr加熱保持した後、図8に示す静水圧加工装置50を用いて、熱間押出加工を行う。具体的には、静水圧加工装置50に装着されたシース容器52の外周が圧媒で満たされ、ステム56の作動によって、圧媒を介してシース容器52を加圧すると、ダイス57から棒状の押出し材58が押出加工されてくる。このとき、ステム速度は1〜50mm/sec、ダイス径はφ10.0mm(押出し比46)で行った。
【0058】
得られた押出し材58は、加圧成形された棒状の熱電素子材料16の外周をシース容器52の材料による鞘状のシース59が覆った構造を有している。
押出し材58のうち、熱電素子材料の圧粉体16が充填されている部分を所定の長さ(200mm)に切断し、先端部をスエージング加工により外径φ7.0mmまで細めてノーズ部を設けた後、実施形態1と同様の方法で、引抜き加工を行う。
【0059】
上記実施形態以外でも、たとえば所定の長さに切断した押出し材58を、実施形態1で使用したものと同様のカプセル20に充填し、脱気・密封した後引抜き加工を行ってもよい。実施形態では、圧粉体16を作製してカプセル20ヘの高密度充填を達成することができるため、押出し後の素子部密度も高くなり、熱電気的特性と機械的特性の向上を図ることができる。
【0060】
(実施形態6)
本実施形態は、カプセル20に充填するための熱電材料の圧粉体を作製する際、ホットプレスにより圧粉体の作製を行う。それ以外の方法については実施形態1と同様であるから重複する説明は省略する。
熱電素子材料粉末15の配向性を付与するために、ホットプレス成形により加圧しながら焼結を行い、粉末の粒成長の方向をそろえる。
【0061】
図9(a) に示すように、熱電素子材料粉末15をホットプレス装置60のコンテナ61内に充填する。ホットプレス装置60は、コンテナ61の背面にダイ63を備え、ダイ63の背面にはヒーター64を備えている。コンテナ61の上方には、パンチ62とパンチ62の背面にヒーター64とを備えている。
図9(b) に示すように、コンテナ61の内部にパンチ62を下降させて、粉末15を加圧しながら焼結し圧粉体17を作製する。このとき、一方向に結晶粒が成長するので、焼結体に配向性が付与される。
【0062】
成形条件としては、温度が300〜550℃、好ましくは350〜450℃、ブレス圧1〜50kgf/mm2 、好ましくは5〜30kgf/mm2 で5〜30分間、窒素等の非酸化性雰囲気中で行った。
ホットプレスにより、密度90〜100%で特定方向に結晶配向性が付与された圧粉体が得られた。得られたホットプレス材を、前記カプセル20に充填し、実施形態1に示す方法で脱気密封後、引抜き加工を行う。その後の工程は実施形態1と同様に行って、熱電素子材料チップが製造される。
【0063】
本実施例では、予め配向性を付与した圧粉体を充填することができるため、引抜きによっても付与される配向性との相乗効果により、引抜き材の熱電気的特性の向上を図ることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明にかかる熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法は、前記のように構成されているので、以下の効果を有する。
前記工程(a)〜(c)を含み、引抜き加工により熱電素子チップ作製用形材を作製することで細線加工中のシース損傷を回避できるため、最小0.4mm程度の熱電素子材料細線形材を成形することでき、微小モジュール、多素子モジュールヘの適用が可能となる。
圧粉体が、熱電素子材料粉末を冷間等方圧加工で圧粉体としたものであれば、引抜き後の熱電素子材料密度の均一化により熱電素子材料の寸法形状、熱電気的特性および機械的特性の部位によるばらつきを効果的に緩和することができる。さらに、引抜き後の熱電素子材料の高密度化により、熱電気的特性および機械的特性の向上を図ることができるとともに、熱電素子材料の寸法制御が容易になる。
【0065】
さらに、熱電素子細線形材の製造過程で切り代が生じず、熱電素子材料インゴットの総量に対する熱電素子有効使用量が多くなることにより、熱電素子材料を有効に活用でき、しかも、脆性材料である熱電素子材料を容易に所定の形状の形材に作製できて、その製造能力が高い。また、引抜き加工により熱電素子材料の結晶配向性が付与されることにより熱電気的特性を向上させることができる。
【0066】
熱電素子材料のカプセルへの充填・密封を、非酸化性雰囲気中あるいは真空中で行えば、熱電素子材料粉末および圧粉体をカプセルに充填する際の熱電素子材料の酸化を効果的に防止することができる。
熱電素子材料が充填されたカプセルを250℃から350℃の高温で真空脱気したのち、カプセルの密封を行えば、カプセルに充填した熱電素子材料粉末および圧粉体を密封する際に熱電素子材料表面に吸着した酸素、水分を除去することにより、引抜き材の熱電特性劣化の防止することができる。
【0067】
焼結を非酸化性雰囲気苦しくは真空中で行えば、引抜き材を焼結する際の熱電素子材料の酸化による熱電気的特性の劣化を効果的に防止することができる。
カプセルの材料としてアルミ合金を用いれば、引抜き材の熱電素子材料部分の寸法制御が容易になるとともに、焼結後のシース材の除去が容易にできる。
引抜き加工を300℃から500℃の間の温熱加熱下で行えば、高温によるシース材の延性増大により引抜き加工1回あたりの減面率をより大きくすることができるため、加工回数が減少し、生産性を効果的に向上させることができる。
【0069】
冷間等方圧加工を、熱電材料粉末をカプセル状あるいはパイプ状の容器に充填して行えば、CIP工程における除荷の際の熱電素子材料の割れを効果的に防止できる。
圧粉体が、熱電素子材料の結晶方位を一方向に揃えて配向性を付与してなるものであれば、予め配向性付与して充填した熱電素子材料を引抜き加工することにより、引抜き加工後の結晶配向がより顕著になり引抜き材の熱電特性を向上させることができる。
【0070】
圧粉体が、熱電素子材料粉末を押出し加工により圧粉体としたものであれば、押出しにより顕著な配向性が付与された高密度圧粉体を得られるため、引抜き加工後の熱電素子材料の熱電気的特性および機械的特性を向上させることができるとともに、熱電素子材料の寸法制御が容易になる。
圧粉体が、熱電素子材料粉末をホットプレスにより圧粉体としたものであれば、予め配向性付与して充填した熱電素子材料を引抜き加工することにより、引抜き加工後の結晶配向がより顕著になり引抜き材の熱電特性を向上させることができる。
【0071】
熱電素子材料を充填する前にカプセル内部に予め焼結後容易に除去できる中間層を形成しておいたり、この中間層が水溶性材料であったり、熱電素子材料を充填する前にカプセル内部に予め離型剤を塗布しておいたり、シースに長手方向の切り込みを入れて、熱電素子材料の細線形材からシースを除去したりすれば、焼結後のシース材と熱電素子材料の分離時に発生する熱電素子材料の損傷を回避することができるとともに、分離が容易になるため熱電素子チップ作製用形材の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表し、粉末作製工程の第1段階を示す模式的工程図
【図2】粉末作製工程の第2段階を示す模式的工程図
【図3】引抜き加工に用いるカプセルを示す一部断面図
【図4】引抜き工程を示す模式的工程図
【図5】引抜き材とシースの除去工程を示す模式的工程図
【図6】熱電素子チップの作製工程を示す模式的工程図
【図7】CIPによる圧粉体の作製工程を示す模式的工程図
【図8】静水圧押出加工による圧粉体の作製工程を示す模式的工程図
【図9】静水圧押出加工による圧粉体の作製工程を示す模式的工程図
【符号の説明】
15 熱電素子材料粉末
16 細線形材
20 カプセル
24 引抜き材
25 シース
30 引抜き加工装置
76 熱電素子チップ
Claims (6)
- 熱電素子チップを切り出すための熱電素子材料からなる細線形材を製造する方法であって、
粉末を冷間等方圧加工で圧縮成形してなる圧粉体からなる熱電素子材料を、カプセルに充填・密封し、カプセルとともに熱電素子材料を引抜き加工して、細線形状の熱電素子材料がカプセルの材料からなるシースに覆われたシース線材を成形する工程(a) と、
前記シース線材を加熱して熱電素子材料を焼結する工程(b) と、
焼結された熱電素子材料の細線形材から前記シースを除去する工程(c) と
を含む熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。 - 前記工程(a) において、熱電素子材料が充填されたカプセルを250℃から350℃の高温で真空脱気したのち、カプセルの密封を行う
請求項1に記載の熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。 - 前記工程(b) において、引抜き加工を300℃から500℃の間の温熱加熱下で行う
請求項1〜2のいずれかに記載の熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。 - 前記冷間等方圧加工は、熱電材料粉末をカプセル状あるいはパイプ状の容器に充填して行う
請求項1〜3のいずれかに記載の熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。 - 前記工程(a) において、圧粉体が、熱電素子材料の結晶方位を一方向に揃えて配向性を付与してなるものである
請求項1〜4のいずれかに記載の熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。 - 熱電素子チップを切り出すための熱電素子材料からなる細線形材を製造する方法であって、
結晶材、粉末、粉末を圧縮成形してなる圧粉体の何れか1種の形態からなる熱電素子材料を、カプセルに充填・密封し、カプセルとともに熱電素子材料を引抜き加工して、細線形状の熱電素子材料がカプセルの材料からなるシースに覆われたシース線材を成形する工程 (a) と、
前記シース線材を加熱して熱電素子材料を焼結する工程 (b) と、
焼結された熱電素子材料の細線形材から前記シースを除去する工程 (c) と
を含み、
前記工程(a)において、熱電素子材料を充填する前にカプセル内部に予め焼結後容易に除去できる水溶性材料からなる中間層を形成しておく
熱電素子チップ作製用細線形材の製造方法。
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