JP6164569B2 - 熱電素子および熱電素子の製造方法 - Google Patents
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p型熱電材料の一部およびn型熱電材料の一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子であって、
前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子である。
p型熱電材料およびn型熱電材料の少なくとも一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子が多重積層されて構成された熱電素子であって、
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子である。
最初に本願発明の実施形態を列記して説明する。
(1)p型熱電材料の一部およびn型熱電材料の一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子であって、
前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子である。
(12)p型熱電材料およびn型熱電材料の少なくとも一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子が多重積層されて構成された熱電素子であって、
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子である。
(14)(1)〜(11)のいずれか1つに記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
電子ビーム蒸着法により、基板表面の所定の位置に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
分子線エピタキシー法により、前記基板表面および前記第1電極上にp型熱電材料またはn型熱電材料のいずれか一方の第1熱電材料を形成する第1熱電材料形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、pn接合予定部を除いた前記第1熱電材料の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
アニールして、前記第1熱電材料の前記pn接合予定部における粗さがJIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記第1熱電材料と前記第1熱電材料とは異なる型の第2熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記第1熱電材料の前記pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
分子線エピタキシー法により、前記pn接合予定部および前記絶縁膜上に前記第2熱電材料を形成する第2熱電材料形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、前記第2熱電材料上の所定の位置に第2電極を形成する第2電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法である。
(15)(1)〜(11)のいずれか1つに記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
p型熱電材料およびn型熱電材料をそれぞれ所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の各pn接合予定部を研磨して、前記各pn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記各pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記pn接合予定部を互いに重ね合わせて本焼結してpn接合を形成する本焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の所定の位置に、それぞれ第1電極および第2電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法である。
(16)pn接合型の熱電素子が多重積層されて構成された(12)または(13)に記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
複数の前記p型熱電材料と前記n型熱電材料とを所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の各pn接合予定部を研磨して、前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記各pn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記各pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料のpn接合形成部分を除く部分に絶縁ペーストを塗布する絶縁ペースト塗布工程と、
複数の前記p型熱電材料と前記n型熱電材料とをそれぞれのpn接合予定部が重なるように交互に積層させて積層体を形成する積層工程と、
前記積層体を静水圧プレス法にて圧着する圧着工程と、
圧着された前記積層体を本焼結してpn接合を形成する本焼結工程と、
前記熱電材料の所定の位置に電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法である。
以下、本願発明を実施形態に基づき、図面を参照して説明する。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
pn接合型の熱電素子として、図1にバルクタイプのpn接合型の熱電素子1を示し、図4に薄膜タイプのpn接合型の熱電素子2を示す。バルクタイプのpn接合型の熱電素子1(図1)、および薄膜タイプのpn接合型の熱電素子2(図4)は、共にpn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上である、またはpn接合部の断面におけるp型熱電材料とn型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みである。そして、より好ましくは粗さが5nm以上、または前記の入込みが前記の平均線から3nm以上の凸部と3nm以上の凹部とによる入込みである。
多重積層タイプのpn接合型の熱電素子の一例を図5に示す。多重積層タイプのpn接合型の熱電素子3は、複数のp型熱電材料pと複数のn型熱電材料nとが交互に積層され、隣り合うp型熱電材料pとn型熱電材料nとが一部でpn接合されている(図5の場合、3個のpn接合型の熱電素子が直列配置されている)。
(a)バルクタイプのpn接合型の熱電素子の製造方法
バルクタイプのpn接合型の熱電素子の製造には、成形焼結方式が好適である。即ち、仮焼結の状態で、p型熱電材料およびn型熱電材料のpn接合形成部分の粗さを所定の粗さに調整し、次にpn接合形成部分同士を重ね合わせて本焼結を行うことにより、pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上となる、またはpn接合部の断面におけるp型熱電材料とn型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みとなるようにすることができる。
一方、薄膜タイプのpn接合型の熱電素子は、気相成膜方式を用いて製造される。気相成膜方式による薄膜タイプのpn接合型の熱電素子の製造方法を図6を用いて説明する。図6は本実施形態の薄膜タイプのpn接合型の熱電素子の製造プロセスを説明する図である。
まず、例えば、n型SiGe(P(燐)ドープ)、p型SiGe(B(硼素)ドープ)を用いて、複数のp型熱電材料およびn型熱電材料を予め所定の形状に成形して仮焼結した後、pn接合形成部分を研磨(ポリッシュ)して所定の粗さに調整した後、SiO2とMg2SiO4とワニス、溶剤を混ぜた絶縁ペースト10μmで挟んで、図5に示すようにp型熱電材料とn型熱電材料のpn接合部同士が重なるように交互に積層させる。
本実施形態の発電装置には、上記したpn接合型の熱電素子が用いられており、発電に際しては、抵抗加熱と冷却水などを用いて、pn接合側が高温、他端側(電極側)が低温となるように、熱電素子温度差を形成する。ただし、図5に示す多重積層タイプのpn接合型の熱電素子3を発電装置として用いる場合、通常図5に示す電極がない側を280〜800℃の高温にし、電極のある側を30〜500℃の低温にする。
1.薄膜タイプの熱電素子と電力との関係
本願発明の実施形態においては、pn接合部16を形成する前において、pn接合形成部分(接合予定部)13を粗くするかどうかがポイントとなる。例えば、図6に示した上記実施形態の場合、粗くしない(高温アニールを行わない)場合の粗さは0.2nmであり、高温アニールを施した後では粗さが1.3nmとなった。
次に、バルクタイプのpn接合型の熱電素子についてもpn接合部の界面を粗らすことによる電力増大の効果を調べた。
前記したように、pn接合部を意図的に粗らす場合、酸素がある雰囲気中でアニールあるいは本焼結すると、酸素が積極的に取込まれ、界面に酸化物がパイルアップしてしまい易い。そこで、次に酸素の影響について調べた。具体的には、pn接合形成部分を意図的に粗らした熱電材料を用いたSiGe系の薄膜タイプについて、高温アニールを真空雰囲気と大気雰囲気の2通りの雰囲気の下で行いpn接合形成部分の表面の酸素濃度を測定し、母体(母材)に対する界面の酸素の増加割合、即ち、偏析の程度を調べた。また、SiGe系およびSrTiO3系のバルクタイプについて、本焼結を真空雰囲気と大気雰囲気の2通りの雰囲気の下で行いpn接合形成部分の表面の酸素濃度を測定し、母体(母材)に対する酸素の増加割合を調べた。また、併せて最大電力を測定した。なお、酸素濃度の測定にはSEM−EDX(SEM:走査型電子顕微鏡、即ちScanning Electron Microscope、EDX:エネルギー分散型X線分光法、即ちEnergy Dispersive X−ray Spectroscopy)を用いた。測定結果をまとめて表3に示す。
また、本願発明は以下の実施態様を含む。
p型熱電材料の一部およびn型熱電材料の一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
前記熱電素子は、前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上である、または
前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みである熱電素子であり、
サファイア基板上に第1のメタルマスクを形成する第1メタルマスク形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、基板表面の所定の位置にAu電極を形成する第1電極形成工程と、
第2のメタルマスクを形成する第2メタルマスク形成工程と、
分子線エピタキシー法により、n型SiGe熱電材料またはp型SiGe熱電材料のいずれか一方の第1熱電材料を形成する第1熱電材料形成工程と、
前記接合部となる部分を除いて第3のメタルマスクを形成する第3メタルマスク形成工程と、
電子ビーム蒸着法によりAl2O3絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
アニールして、前記第1熱電材料のpn接合予定部における粗さがJIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上となる、または、pn接合部の断面における前記第1熱電材料と前記第1熱電材料とは異なる型の第2熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みとなるように、前記第1熱電材料のpn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
分子線エピタキシー法により前記第1熱電材料とは異なる型のSiGe熱電材料である前記第2熱電材料を形成する第2熱電材料形成工程と、
第4のメタルマスクを形成する第4メタルマスク形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、前記第2熱電材料上の所定の位置にAu電極を形成する第2電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。
p型熱電材料の一部およびn型熱電材料の一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
前記熱電素子は、前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上である、または
前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みである熱電素子であり、
n型SiGe熱電材料およびp型SiGe熱電材料をそれぞれ所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記n型SiGe熱電材料および前記p型SiGe熱電材料の各pn接合予定部をアルミナスラリーまたは耐水研磨紙を用いて研磨して、各pn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上となる、または、pn接合部の断面における前記p型SiGe熱電材料と前記n型SiGe熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みとなるように、各pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
前記n型SiGe熱電材料および前記p型SiGe熱電材料のpn接合予定部を互いに重ね合わせて所定の温度、雰囲気の下で所定の時間本焼結してpn接合を形成する本焼結工程と、
前記n型SiGe熱電材料および前記p型SiGe熱電材料の所定の位置に、それぞれ第1Au電極および第2Au電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。
p型熱電材料およびn型熱電材料の少なくとも一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子が多重積層されて構成された熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
前記pn接合型の各熱電素子は、各積層部を形成する前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上である、または
各積層部を形成する前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みである熱電素子であり、
複数のp型SiGe熱電材料とn型SiGe熱電材料とを所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記p型SiGe熱電材料および前記n型SiGe熱電材料のpn接合予定部を研磨して、前記p型SiGe熱電材料および前記n型SiGe熱電材料のpn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1nm以上となる、または、pn接合部の断面における前記p型SiGe熱電材料と前記n型SiGe熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1nm以上の凸部と1nm以上の凹部とによる入込みとなるように、前記第1SiGe熱電材料のpn接合予定部の表面を調整する粗さ調整工程と、
前記p型SiGe熱電材料と前記n型SiGe熱電材料のpn接合形成部分を除く部分に絶縁ペーストを塗布する絶縁ペースト塗布工程と、
複数の前記p型SiGe熱電材料と前記n型SiGe熱電材料とをそれぞれのpn接合部分が重なるように交互に積層させて積層体を形成する積層工程と、
前記積層体を静水圧プレス法にて圧着する圧着工程と、
圧着された前記積層体を本焼成する本焼成工程と、
前記熱電材料の所定の位置に電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。
本実施形態の熱電素子を備えている発電装置。
4 π型熱電素子
11 電極
12 n型熱電材料
13 pn接合形成部分
14 絶縁膜
15 p型熱電材料
16 pn接合部
S サファイア基板
1p、1n 伝導帯の底のエネルギー準位
2p、2n 禁制帯
3p、3n 価電子帯の頂のエネルギー準位
p P型熱電材料
n n型熱電材料
Claims (16)
- p型熱電材料の一部およびn型熱電材料の一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子であって、
前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子。 - 一定の逆方向バイアス電圧を印加したときの逆方向電流が、温度上昇に伴って増加する特性を有している請求項1に記載の熱電素子。
- 前記逆方向電流をI、活性化エネルギーをΔE、ボルツマン定数をk、絶対温度をTとしたとき、I∝exp(−ΔE/kT)を満足している請求項2に記載の熱電素子。
- 前記活性化エネルギーをΔE、前記pn接合部のバンドギャップをEgとしたとき、ΔE<Egを満足している請求項3に記載の熱電素子。
- 前記pn接合部に偏析する酸化物の酸素濃度が、前記pn接合部以外の部分における酸素濃度の10at%を超えないように抑制されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくともSiが用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくともSiGe系の材料が用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくともFeSi2系の材料が用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくともBiTe系またはPbTe系の材料が用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくともペロブスカイト構造を含む材料が用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- 前記p型熱電材料と前記n型熱電材料のいずれか一方、または両方に、少なくとも酸化物が用いられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱電素子。
- p型熱電材料およびn型熱電材料の少なくとも一部が直接接合されたpn接合部を有するpn接合型の熱電素子が多重積層されて構成された熱電素子であって、
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmである、または
各積層部を形成する前記pn接合型の熱電素子の前記pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みであり、
前記pn接合部の禁制帯に連続的な欠陥準位が形成されている熱電素子。 - 請求項2〜請求項11のいずれか1項に記載の熱電素子が多重積層されて構成されている請求項12に記載の熱電素子。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
電子ビーム蒸着法により、基板表面の所定の位置に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
分子線エピタキシー法により、前記基板表面および前記第1電極上にp型熱電材料またはn型熱電材料のいずれか一方の第1熱電材料を形成する第1熱電材料形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、pn接合予定部を除いた前記第1熱電材料の表面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
アニールして、前記第1熱電材料の前記pn接合予定部における粗さがJIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記第1熱電材料と前記第1熱電材料とは異なる型の第2熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記第1熱電材料の前記pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
分子線エピタキシー法により、前記pn接合予定部および前記絶縁膜上に前記第2熱電材料を形成する第2熱電材料形成工程と、
電子ビーム蒸着法により、前記第2熱電材料上の所定の位置に第2電極を形成する第2電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。 - 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
p型熱電材料およびn型熱電材料をそれぞれ所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の各pn接合予定部を研磨して、前記各pn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記各pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記pn接合予定部を互いに重ね合わせて本焼結してpn接合を形成する本焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の所定の位置に、それぞれ第1電極および第2電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。 - 請求項12または請求項13に記載の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法であって、
複数の前記p型熱電材料と前記n型熱電材料とを所定の形状に成形後、仮焼結する仮焼結工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料の各pn接合予定部を研磨して、前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記各pn接合予定部の界面における粗さが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaで1〜15nmとなる、または、pn接合部の断面における前記p型熱電材料と前記n型熱電材料との互いの入込みが、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さRaを算出する際の平均線から1〜15nmの凸部と1〜15nmの凹部とによる入込みとなるように、前記p型熱電材料と前記n型熱電材料の前記各pn接合予定部の表面を調整する表面調整工程と、
前記p型熱電材料および前記n型熱電材料のpn接合形成部分を除く部分に絶縁ペーストを塗布する絶縁ペースト塗布工程と、
複数の前記p型熱電材料と前記n型熱電材料とをそれぞれのpn接合予定部が重なるように交互に積層させて積層体を形成する積層工程と、
前記積層体を静水圧プレス法にて圧着する圧着工程と、
圧着された前記積層体を本焼結してpn接合を形成する本焼結工程と、
前記熱電材料の所定の位置に電極を形成する電極形成工程とを備えている熱電素子の製造方法。
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JP2013214899A JP6164569B2 (ja) | 2013-10-15 | 2013-10-15 | 熱電素子および熱電素子の製造方法 |
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